JP2003147332A - 粘度指数向上剤および潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤および潤滑油組成物

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JP2003147332A
JP2003147332A JP2002243933A JP2002243933A JP2003147332A JP 2003147332 A JP2003147332 A JP 2003147332A JP 2002243933 A JP2002243933 A JP 2002243933A JP 2002243933 A JP2002243933 A JP 2002243933A JP 2003147332 A JP2003147332 A JP 2003147332A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度指数向上能に優れた粘度指数向上剤およ
びそれを含む潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】 炭素数1および/または2のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a
1)、炭素数12および/または13のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a2)、炭
素数14および/または15のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(a3)、並びに炭素
数16〜24のアルキル基から選ばれる1種以上のアル
キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a4)を必須構成単量体とし、(a1)〜(a4)の
合計質量に基づいて(a1)が27〜40%、(a2)
が10〜40%、(a3)が10〜40%、および(a
4)が5〜35%である共重合体(A)からなる粘度指
数向上剤、ならびにこれを含有する潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘度指数向上剤お
よび潤滑油組成物に関する。詳しくは、剪断安定性と粘
度指数向上能に優れた粘度指数向上剤およびそれを含む
潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の気運が高まり、自
動車の省燃費性とロングライフ性がより一層要求されて
きている。自動車の省燃費性を向上させるには、潤滑油
に粘度指数向上剤を添加し、マルチグレード化する方法
が一般的に行われている。また、潤滑油のロングライフ
性を向上させるには剪断安定性を向上させる方法が一般
的である。しかし、剪断安定性は従来のPMA系(ポリ
メタクリレート系)粘度指数向上剤(例えば、特開平8
−53683号公報)では十分といえず改良が必要とさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、PMA系粘度指
数向上剤の剪断安定性を向上させる方法として、比較的
低分子量のPMAを使用する方法が提案されている。し
かし、この方法では、剪断安定性の向上は見られるが、
粘度指数向上効果が悪化するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、特定の共重合体(A)か
らなる粘度指数向上剤が、剪断安定性に優れ、かつ粘度
指数向上効果においても優れていることを見いだし、本
発明に到達した。即ち本発明は、炭素数1および/また
は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
エステル(a1)、炭素数12および/または13のア
ルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(a2)、炭素数14および/または15のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a
3)、並びに炭素数16〜24のアルキル基から選ばれ
る1種以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル(a4)を必須構成単量体とし、(a
1)〜(a4)の合計質量に基づいて(a1)が27〜
40%(以下において特に限定しない限り、%は質量%
を表す)、(a2)が10〜40%、(a3)が10〜
40%、および(a4)が10〜35%である共重合体
(A)からなる粘度指数向上剤、およびこれを含有する
潤滑油組成物である。
【発明の実施の形態】
【0005】共重合体(A)は、(メタ)アクリル酸エ
ステル(a1)〜(a4)を必須構成単量体とする共重
合体である。
【0006】(a1)は、炭素数1および/または2の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、具体的に
は、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アク
リル酸エチルエステルおよびこれらの併用である。好ま
しくはメタクリル酸メチルエステルである。
【0007】(a2)は炭素数12および/または13
のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルであり、直鎖または分岐のアルキル基を有するもの
が含まれる。これらのアルキル基は炭素数12または1
3のアルコールから水酸基を除いた残基であり、アルコ
ールとしては、飽和の1級、2級、または3級アルコー
ルが使用できる。これらのうち好ましいのは1級アルコ
ールである。飽和1級アルコールの具体例としては、デ
シルアルコール、トリデシルアルコール、2-メチルウ
ンデシルアルコール、2-メチルドデシルアルコール、
オキソ合成により製造されたアルコール[例えば、商品
名「ドバノール23」(三菱化学製)、「トリデカノー
ル」(協和発酵製)、「オキソコール1213」(日産
化学製)等が挙げられる。これらの中で好ましくは、デ
シルアルコール、トリデシルアルコール、2-メチルウ
ンデシルアルコール、2-メチルドデシルアルコール、
「ドバノール23」である。(a2)の具体例として
は、炭素数12の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n
-ドデシルエステル、炭素数12の分岐型としては(メ
タ)アクリル酸2-メチルウンデシルエステルなどが挙
げられる。炭素数13の直鎖型としては(メタ)アクリ
ル酸n-トリデシルエステル、炭素数13の分岐型とし
ては(メタ)アクリル酸2-メチルドデシルエステルな
どが挙げられる。また炭素数12および13の直鎖と分
岐の混合型としては、「ドバノール23」から誘導され
た(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
これらのうち、好ましいものはメタクリル酸アルキルエ
ステル、さらに好ましいものはメタクリル酸n-ドデシ
ルエステル、メタクリル酸2-メチルウンデシルエステ
ル、メタクリル酸n-トリデシルエステル、メタクリル
酸2-メチルドデシルエステル、「ドバノール23」か
ら誘導されたメタクリル酸アルキルエステル、およびこ
れらの2種以上の併用である。併用の場合の炭素数12
/炭素数13の質量比率は好ましくは100/0〜30
/70であり、直鎖型/分岐型の質量比率は好ましくは
100/0〜50/50である。
【0008】(a3)は炭素数14および/または15
のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルであり、直鎖および分岐のアルキル基を有するもの
が含まれる。これらのアルキル基は炭素数14または1
5のアルコールから水酸基を除いた残基であり、アルコ
ールとしては、飽和の1級、2級、または3級アルコー
ルが使用できる。これらのうち好ましいのは1級アルコ
ールである。飽和1級アルコールの具体例としては、テ
トラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、2-
メチルトリデシルアルコール、2-メチルテトラデシル
アルコール、オキソ合成により製造されたアルコール
[例えば、商品名「ドバノール45」(三菱化学製)、
「オキソコール1415」(日産化学性)等が挙げられ
る。これらの中で好ましくは、テトラデシルアルコー
ル、ペンタデシルアルコール、2-メチルトリデシルア
ルコール、2-メチルテトラデシルアルコール、「ドバ
ノール45」である。具体的には炭素数14の直鎖型と
しては(メタ)アクリル酸n-テトラデシルエステル、
炭素数14の分岐型としては(メタ)アクリル酸2-メ
チルトリデシルエステルなどが挙げられる。炭素数15
の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n-ペンタデシル
エステル、炭素数15の分岐型としては(メタ)アクリ
ル酸2-メチルテトラデシルエステルなどが挙げられ
る。また炭素数14および15の直鎖と分岐の混合型と
して「ドバノール45」から誘導される(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、好
ましいものはメタクリル酸アルキルエステル、さらに好
ましいものはメタクリル酸n-テトラデシルエステル、
メタクリル酸2-メチルトリデシルエステル、メタクリ
ル酸n-ペンタデシルエステル、メタクリル酸2-メチル
テトラシルエステル、「ドバノール45」から誘導され
たメタクリル酸アルキルエステルおよびこれらの2種以
上の併用である。併用の場合の炭素数14/炭素数15
の質量比率は好ましくは(30〜100)/(0〜7
0)であり、直鎖型/分岐型の質量比率は好ましくは
(50〜100)/(0〜50)である。
【0009】(a4)は炭素数16〜24のアルキル基
から選ばれる1種以上のアルキル基を有する(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルであり、直鎖および分岐のア
ルキル基を有するものが含まれる。具体的には炭素数1
6の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n-ヘキサデシ
ルエステル、炭素数16の分岐型としては(メタ)アク
リル酸2-メチルペンタデシルエステル、(メタ)アク
リル酸2−ヘキシルドデシルエステルなど、炭素数17
の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n-ヘプタデシル
エステル、炭素数17の分岐型としては(メタ)アクリ
ル酸2-メチルヘキサデシルエステルなど、炭素数18
の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n-オクタデシル
エステル、炭素数18の分岐型としては(メタ)アクリ
ル酸2-メチルヘキサデシルエステルなど、炭素数19
の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n-ノナデシルエ
ステルなど、炭素数20の直鎖型としては(メタ)アク
リル酸n-エイコシルエステルなど、炭素数21の直鎖
型としては(メタ)アクリル酸n-ヘンイコシルエステ
ルなど、炭素数22の直鎖型としては(メタ)アクリル
酸n-ドコシルエステルなど、炭素数23の直鎖型とし
ては(メタ)アクリル酸n-トリコシルエステルなど、
炭素数24の直鎖型としては(メタ)アクリル酸n-テ
トラコシルエステルなど、並びにこれらの2種以上の併
用が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、炭素
数16、18および/または20のアルキル基を有する
メタクリル酸アルキルエステル、さらに好ましくは直鎖
型のメタクリル酸n-ヘキサデシルエステル、メタクリ
ル酸n-オクタデシルエステル、およびメタクリル酸n-
エイコシルエステルおよびこれらの2種以上(好ましく
は2〜3種)の併用である。2種の併用の場合の炭素数
16/炭素数18、炭素数18/炭素数20、炭素数1
6/炭素数20の質量比率は好ましくは炭素数16/炭
素数18=(20〜80)/(80〜20)であり、直
鎖型/分岐型の質量比率は好ましくは直鎖/分岐=(4
0〜100)/(0〜60)である。3種またはそれ以
上の併用の場合、好ましくは炭素数16、炭素数18、
炭素数20の組み合わせであり、炭素数16/炭素数1
8/炭素数20=(40〜100)/(10〜50)/
(0.1〜20)である。
【0010】(A)を構成するこれらの必須単量体の質
量比は、(a1)〜(a4)の合計質量に基づいて(a
1)が27〜40%、(a2)が10〜40%、(a
3)が10〜40%、および(a4)が5〜35%であ
り、粘度指数向上能の観点から、好ましくは(a1)が
28〜35%、(a2)が15〜35%、(a3)が1
5〜35%および(a4)が10〜30%である。
【0011】本発明において、(A)は、その他の単量
体(b)との共重合体としてもよい。(b)としては、 (I)アルキルアルケニルエーテル;炭素数1〜30の
直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルビニルエー
テル、アルキル(メタ)アリルエーテル、アルキルプロ
ペニルエーテルおよびアルキルイソプロペニルエーテル
などが挙げられ、これらのアルキルアルケニルエーテル
のアルキル基としては; メチル基、エチル基、n−およびiso−プロピル基、
n−、iso−、sec−およびt−ブチル基、n−、iso−、
sec−およびネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、n−およびiso−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、n−およびiso−ノニル基、n−およびiso−デシル
基、n−およびiso−ドデシル基、n−およびiso−トリ
デシル基、n−およびiso−テトラデシル基、n−およ
びiso−ペンタデシル基、n−およびiso−ヘキサデシル
基、n−およびiso−オクタデシル、エイコシル並びに
ドコシル等が挙げられる。具体的には、アルキルビニル
エーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテルなど、アルキル(メタ)アリルエーテルとし
て、アルキルプロペニルエーテル、およびアルキルイソ
プロペニルエーテルなどが挙げられる。これらのなかで
好ましくはアルキルビニルエーテル(さらに好ましくは
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびn
−プロピルビニルエーテル)、およびアルキル(メタ)
アリルエーテル(さらに好ましくはメチルアリルエーテ
ルおよびエチルアリルエーテル)である。
【0012】(II)(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;前述の(a1)〜(a4)以外の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルが挙げられ、アルキル基としては炭
素数3〜11の直鎖または分岐アルキル基であり前述の
(I)のと同様の基が挙げらる。(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸プロピ
ルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アク
リル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸sec
−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、
(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリ
ル酸2エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸n
−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソデシルエ
ステル、(メタ)アクリル酸ウンデシルエステルなどが
挙げられる。
【0013】(III)(ポリ)アルキレングリコールも
しくはそのモノアルキルエーテルのモノ(メタ)アクリ
ル酸エステル[(ポリ)アルキレングリコールはアルキ
レングリコールおよびポリアルキレングリコールを表
す。以下同様の表現を用いる。];(ポリ)アルキレン
グリコールを構成するアルキレン基としては、炭素数が
2〜20のエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、2
−ブチレン基、イソブチレン基、炭素数5〜20のα−
アルキレン基、トリメチルエチレン基、テトラメチルエ
チレン基、スチレン基、α−メチルスチレン基、1,1
−ジフェニルエチレン基、シクロヘキシレン基、トリメ
チレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基が挙げ
られる。好ましくは、炭素数2〜6のアルキレン基であ
る。(ポリ)アルキレングリコールにおけるアルキレン
グリコールの単位の数は通常1〜50、好ましくは1〜
20であり、数平均分子量(以下、Mnと略記する。ゲ
ルパーミュエションクロマトグラフィーによるポリエチ
レングリコールを標準とした測定)は通常60〜200
0であり、好ましくは60〜1000である。また、モ
ノアルキルエーテルを構成するアルキル基としては前述
の(I)ののアルキル基のうちの炭素数1〜20のも
の、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ
る。(ポリ)アルキレングリコールもしくはそのモノア
ルキルエーテルのモノ(メタ)アクリル酸エステルの具
体例としては、ポリエチレングリコール(エチレングリ
コールの単位数9)モノ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコール(エチレングリコールの単位数18)
モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
(プロピレングリコールの単位数3)モノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコール(エチレングリコー
ルの単位数6)モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシル
エーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコール(プロピレングリコールの単位数3)モノブチ
ルエーテルモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0014】(IV)ポリ(グリシジルエーテル)のモノ
(メタ)アクリル酸エステル (IV)におけるポリ(グリシジルエーテル)としては、
炭素数が1〜12個のアルキル基、アルケニル基もしく
は芳香族環を有するアルキルグリシジルエーテル、アル
ケニルグリシジルエーテルもしくは芳香族グリシジルエ
ーテルのグリシジル基を開環重合して得られる重合体が
挙げられ、アルキルグリシジルエーテルとしては、例え
ば、エチルグリシジルエーテル、n−プロピルグリシジ
ルエーテル、n−およびiso−ブチルグリシジルエーテ
ル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキ
シルグリシジルエーテルなど、アルケニルグリシジルエ
ーテルとしては、アリルグリシジルエーテル、メタリル
グリシジルエーテル、プロペニルグリシジルエーテルな
ど、芳香族グリシジルエーテルとしては、フェニルグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。ポリ(グリシジルエ
ーテル)のグリシジルエーテル単位の数は、通常1〜3
0、好ましくは1〜20であり、Mnは通常60〜2,
000、好ましくは60〜1,000である。
【0015】(V)脂肪酸ビニルエステル;脂肪酸を構
成するアルキル基の炭素数が1〜30(直鎖もしくは分
岐アルキル基)の脂肪酸のビニルエステルが含まれ、該
アルキル基としては前述の(I)のと同様の基、好ま
しくは炭素数が1〜22、さらに好ましくは1〜10の
アルキル基が挙げられる。具体的には、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、ヘ
プタン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニルおよびn
−オクタン酸ビニルなどが挙げられる。
【0016】(VI)窒素原子含有単量体; (VI−1)アミド基含有ビニル単量体:例えば、非置換
もしくはモノアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)ア
クリルアミド、[(メタ)アクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−i−プロピル(メタ)アクリルアミド、N
−n−およびi−ブチル(メタ)アクリルアミドな
ど]、ジアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリ
ルアミド[N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
n−ブチル(メタ)アクリルアミド]、N−ビニルカル
ボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルア
セトアミド、N−ビニル−n−およびi−プロピオニル
アミド、N−ビニルヒドロキシアセトアミド]などのア
ミド基のみに窒素原子を有するもの、 (VI−2)ニトロ基含有単量体:例えば、4−ニトロス
チレンなど、 (VI−3)1〜3級アミノ基含有ビニル単量体:1級ア
ミノ基含有ビニル単量体、例えば、炭素数3〜6のアル
ケニルアミン[(メタ)アリルアミン、クロチルアミン
など]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アク
リレート[アミノエチル(メタ)アクリレートなど]、
2級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、アルキル(炭
素数1〜6)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)
アクリレート[t−ブチルアミノエチルメタクリレー
ト、メチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど]、
ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド[4−ジフェ
ニルアミン(メタ)アクリルアミド、2−ジフェニルア
ミン(メタ)アクリルアミドなど]、炭素数6〜12の
ジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミンなど]、
3級アミノ基含有ビニル単量体、例えば、ジアルキル
(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数2〜6)(メ
タ)アクリレート[ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
など、ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭
素数2〜6)(メタ)アクリルアミド[ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドなど]、3級アミノ基含有芳香族ビ
ニル系単量体[N,N−ジメチルアミノスチレン、な
ど]、含窒素複素環含有ビニル系単量体[モルホリノエ
チル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−
ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルチオピロリドンなど]、およびこれ
らの塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、低級アルキル(炭素数1
〜8)モノカルボン酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン
酸塩など、 (VI−4)第4級アンモニウム塩基含有ビニル単量体:
例えば、前述の3級アミノ基含有ビニル単量体を、4級
化剤(炭素数1から12のアルキルクロライド、ジアル
キル硫酸、ジアルキルカーボネート、およびベンジルク
ロライド等)を用いて4級化したものなどが挙げられ
る。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート系第4
級アンモニウム塩としては、例えば、(メタ)アクリロ
イルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニ
ウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アク
リロイルオキシエチルメチルモルホリノアンモニウムク
ロライドなど;アルキル(メタ)アクリルアミド系第4
級アンモニウム塩としては、例えば、(メタ)アクリロ
イルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、
(メタ)アクリロイルアミノエチルトリエチルアンモニ
ウムクロライド、(メタ)アクリロイルアミノエチルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライドなど;その他の
第4級アンモニウム塩基含有ビニル系単量体としては、
例えば、ジメチルジアリルアンモニウムメチルサルフェ
ート、トリメチルビニルフェニルアンモニウムクロライ
ドなど、 (VI−5)両性ビニル単量体:N−(メタ)アクリロイ
ルオキシ(もしくはアミノ)アルキル(炭素数1〜1
0)N,N−ジアルキル(炭素数1〜5)アンモニウム
−N−アルキル(炭素数1〜5)カルボキシレート(も
しくはサルフェート)、例えば、N−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムN−メ
チルカルボキシレート、N−(メタ)アクリロイルアミ
ノプロピルN,N−ジメチルアンモニウムN−メチルカ
ルボキシレート、およびN−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルN,N−ジメチルアンモニウムプロピルサルフ
ェートなど、 (VI−6)ニトリル基含有単量体:(メタ)アクリロニ
トリルなど、
【0017】(VII)脂肪族炭化水素系ビニル単量体:
例えば、炭素数2〜20のアルケン[エチレン、プロピ
レン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジ
イソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセンな
ど]、および炭素数4〜12のアルカジエン[ブタジエ
ン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6ヘプタ
ジエン、1,7−オクタジエンなど]、
【0018】(VIII)脂環式炭化水素系ビニル単量体:
例えば、シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、
ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、
およびエチリデンビシクロヘプテンなど、
【0019】(IX)芳香族炭化水素系ビニル単量体:例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、
4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−
フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−
ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、および2−
ビニルナフタレンなど、
【0020】(X)ビニルケトン類:例えば、炭素数1
〜8のアルキルもしくはアリールのビニルケトン[メチ
ルビニルケトン、エチルビニルケトン、フェニルビニル
ケトンなど]、
【0021】(XI)エポキシ基含有ビニル単量体;例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アリルエーテルなど、
【0022】(XII)ハロゲン元素含有ビニル単量体;
例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩
化(メタ)アリル、ハロゲン化スチレン(ジクロルスチ
レンなど)等、
【0023】(XIII)不飽和ジカルボン酸のジエステ
ル;例えば、不飽和ジカルボン酸[マレイン酸、フマー
ル酸、イタコン酸など]のアルキル(炭素数1〜1
2)、シクロアルキル(炭素数4〜24)およびアラル
キル(炭素数7〜18)のジエステルが挙げられ、これ
らのうち炭素数1〜8のアルキルジエステル[ジメチル
マレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエー
ト、ジオクチルマレエートなど]が好ましい。
【0024】(XIV)ヒドロキシル基含有ビニル単量
体;例えば、ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体
[p−ヒドロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル
(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2または3−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレートなど]、モノ−または
ジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)
アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリルアミドなど]、ビニルアルコール
(酢酸ビニル単位の加水分解により形成される)、炭素
数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコー
ル、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1
−オクテノール、1−ウンデセノールなど]、炭素数4
〜12のアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、
2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオー
ルなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケ
ニル(炭素数3〜10)エーテル[2−ヒドロキシエチ
ルプロペニルエーテルなど]、多価(3〜8価)アルコ
ール(アルカンポリオール、その分子内もしくは分子間
脱水物、糖類、例えばグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、蔗糖)
のアルケニル(炭素数3〜10)エーテルもしくは(メ
タ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル]な
ど、
【0025】(XV)イオン性基含有ビニル単量体; (XV−1)アニオン性基含有ビニル単量体:不飽和モノ
カルボン酸[(メタ)アクリル酸、α−メチル(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など]、不飽和ジカル
ボン酸[マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸など]、および不飽和ジカルボン酸のモノアルキル
(炭素数1〜8)エステル[マレイン酸モノメチルエス
テル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブ
チルエステルなど]。
【0026】(XV−2)スルホン酸基含有ビニル単量
体:例えば、炭素数2〜6のアルケンスルホン酸[ビニ
ルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸など]、炭素
数6〜12の芳香族ビニル基含有スルホン酸[α−メチ
ルスチレンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メ
タ)アクリルエステル系単量体[スルホプロピル(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエ
タンスルホン酸など]、スルホン酸基含有(メタ)アク
リルアミド系単量体[2−(メタ)アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸など]、スルホン酸基と水
酸基を含有するビニル単量体[3−(メタ)アクリルア
ミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロ
キシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスル
ホン酸など]、アルキル(炭素数3〜18)アリルスル
ホコハク酸エステル[ドデシルアリルスルホコハク酸エ
ステル]など。
【0027】(XV−3)硫酸エステル基含有ビニル単量
体:例えば、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン
(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、
ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エ
ステル、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチ
レン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロッ
クでもよい)ビスフェノールAモノ(メタ)アクリレー
トの硫酸エステルなど、
【0028】(XV−4)燐酸基含有ビニル単量体:例え
ば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数2〜
6)燐酸モノエステル[(メタ)アクリロイルオキシエ
チルホスフェートなど]、(メタ)アクリロイルオキシ
ホスホン酸[2−アクリロイルオキシエチルホスホン
酸]など、
【0029】(XV)としては、これらの塩であってもよ
い。塩としては;アルカリ金属塩[リチウム塩、ナトリ
ウム塩およびカリウム塩]、アミン塩[例えば、炭素数
1〜10の1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、
プロピルアミン、モノエタノールアミンおよびフェニル
アミンなど)との塩:炭素数1〜20の2級アミン(ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミンお
よびジフェニルアミンなど)との塩:および、炭素数1
〜30の3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミンおよびトリフェニルアミン
など)との塩]、アンモニウム塩並びに4級アンモニウ
ム塩[例えば、炭素数1〜12のアルキル、アルケニル
もしくはアラルキル基等を有する4級アンモニウム塩
(テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニ
ウム塩、テトラメチルエチルアンモニウム塩、トリメチ
ルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモ
ニウム塩およびトリメチルドデシルアンモニウム塩な
ど)]の塩が挙げられる。
【0030】これらのうち好ましいものは、(I)アル
キルアルケニルエーテル、(II)(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル、並びに(V)脂肪酸ビニルエステルで
ある。アルキルアルケニルエーテルのうち、好ましいも
のは、炭素数1〜20の直鎖または分岐アルキル基を有
するアルキルアルケニルエーテルである。アルキルアル
ケニルエーテルのうち、好ましいものは、炭素数1〜2
0の直鎖または分岐アルキル基を有するアルキルアルケ
ニルエーテルである。(メタ)アクリル酸エステルのう
ち、好ましいものは、炭素数6〜10のアルキル基を有
する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数6〜
20のアリール基を有する(メタ)アクリル酸アリール
エステル及び炭素数7〜20のアラルキル基を有する
(メタ)アクリル酸アラルキルエステルである。脂肪酸
ビニルエステルのうち、好ましいものは、炭素数1〜2
0(カルボキシル基とビニル基の炭素を除く)のビニル
エステルである単量体(b)のうち、アルキルアルケニ
ルエーテルの使用割合は(b)のうちの好ましくは2〜
100%、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用
割合は(b)のうちの好ましくは10〜100%、脂肪
酸ビニルエステルの使用割合は(b)のうちの好ましく
は0〜80%である。特に好ましくは、アルキルアルケ
ニルエーテルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
合計量が、全構成単量体の合計量に対して0〜20%で
ある。共重合体(A)を構成する単量体において(a
1)〜(a4)/(b)の質量比率は、通常100/0
〜70/30、好ましくは100/0〜80/20、さ
らに好ましくは100/0〜90/10である。最も好
ましくは100/0である。
【0031】重合体(A)は(a1)〜(a4)および
必要により(b)の存在下、溶剤を用い、開始剤の存在
下で重合することができる。溶剤としては、例えば溶剤
精製油、イソパラフィンを含有するおよびまたは水素化
分解による高粘度指数油、炭化水素系合成油、エステル
系合成油、ナフテン油等が挙げられる。有機溶剤として
は、例えば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、
芳香族系溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系
溶媒(オクタール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メ
チルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミ
ド系溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホ
キシド等)、及びこれらの2種以上の混合物をあげるこ
とができる。開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物
系開始剤、レドックス系開始剤、有機ハロゲン化合物開
始剤からなる群より選ばれる開始剤である。アゾ系開始
剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、ジメチル2,2−アゾビスイソブチレート、アゾ
ビスシアノ吉草酸及びその塩(例えば塩酸塩)、2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロ
ライド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)プロピオンアミド等が挙げられる。
過酸化物系開始剤としては無機過酸化物[過酸化水素、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム等]、有機過酸化物[t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパ
ーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシネ
オデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチル
ヘキサノエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペ
ート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、
ラウリルパーオキシド等]が挙げられる。 レドックス
系触媒としては、アルカリ金属の亜硫酸塩もしくは重亜
硫酸塩(例えば、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモ
ニウムなど)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、アスコルビン
酸などの還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アン
モニウム、過酸化水素、有機過酸化物など酸化剤との組
合せよりなるもの等が挙げられる。また、重合には連鎖
移動剤を併用してもよく、このようなものとしては、例
えばチオカルボン酸類(n−ラウリルメルカプタン、メ
ルカプトエタノール、メルカプトプロパノール等)、チ
オール酸類(チオグリコール酸、チオリンゴ酸等)、2
級アルコール類(イソプロパノ−ル等)、アミン類(ジ
ブチルアミン等)、次亜燐酸塩類(次亜燐酸ナトリウム
等)等を挙げることができ、(a)以外の連鎖移動剤の
量は全ビニル系モノマーの量に対して、好ましくは0.
001〜10%である。さらに好ましくは0.5〜5%
である。
【0032】本発明おける重合方法は、従来から知られ
ている方法でよく、例えば溶液重合法、乳化重合法、懸
濁重合法、逆相懸濁重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等
が挙げられる。重合制御の方法では断熱重合法、温度制
御重合法が挙げられる。反応温度としては、30〜14
0℃、好ましくは50〜130℃、特に好ましくは70
〜120℃である。また、熱による重合開始の方法の他
に、放射線、電子線、紫外線などを照射して重合を開始
させる方法を採ることもできる。好ましいものは温度制
御した溶液重合法である。さらに、共重合の様式として
は、ランダム付加重合または交互共重合のいずれでもよ
く、また、グラフト共重合またはブロック共重合のいず
れでもよい。上記の製造法で得られる共重合体(A)の
重量平均分子量(以下、Mwと略記する。なお、Mw
は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによる
ポリスチレンに換算し求めた重量平均分子量である)
は、用途等によって異なるが、通常5,000〜50
0,000、 好ましくは10,000〜500,00
0、さらに好ましくは10,000〜250,000で
ある。Mwが、10,000以上であれば、増粘性の点
で好ましく、500,000以下であれば剪断安定性の
点で好ましい。また、変速機油に使用する場合にはせん
断力が強くかかるためMwは10,000〜35,00
0が好ましく、さらに好ましくは、15,000〜3
0,000である。
【0033】共重合体(A)は、溶解性パラメーター
が、好ましくは9.15〜9.25、さらに好ましくは
9.18〜9.23であり、溶解性パラメーターが上記
範囲内であれば油もしくは有機溶剤への溶解性が良好で
あり、さらに粘度指数向上能が高い。なお、本発明にお
ける溶解性パラメーターは、Fedors法[Poy
m.Eng.Sci.14(2)147−154,(1
974)]によって算出される値である。共重合体
(A)は示差走査熱量計により測定した結晶化開始温度
が好ましくは−10℃以下であり、さらに好ましくは−
15℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。−1
0℃以下であれば低温で増粘しにくく、低温特性に悪影
響を及ぼすことが少ない。本発明の示差走査熱量計によ
る結晶化開始温度は、PERKIN−ELMER社製
『DSC7』を使用し、粘度指数向上剤5mgを試料と
し、10℃/分の等温速度で100℃から−40℃まで
冷却したときに観測される結晶化開始温度である。
【0034】さらに、共重合体(A)は、下記関係式
(2)で表わされる立体障害ファクター(F){構成単
位のモル分率に基づいて平均した値}が好ましくは8.
4以下であり、さらに好ましくは8.0以下、特に好ま
しくは7.5以下である。Fが8.4以下であれば、粘
度指数向上能の点で好ましい。 F=4X+Y (2) 立体障害ファクター(F)とは、(A)の構成単位にお
いて、側鎖が結合した主鎖の原子を0番目とした場合、
側鎖の方向に数えて6番目に位置する原子の総数(X)
(原子の種類にかかわらない)を4倍し、7番目に位置
する原子の総数(Y)(原子の種類にかかわらない)と
の和で示される。この立体障害ファクター(F)は、ポ
リマー主鎖からの見た側鎖の立体障害の大きさを便宜的
に表したものであり、数字が大きいほど立体障害が大き
くなる。計算例を挙げると次のようになる。原子の右肩
の数字は主鎖からの原子の順番を示している。なお1つ
の構成単位中に複数の側鎖がある場合は、それらについ
ても計算した総和を(F)とする。
【0035】以下に、立体障害ファクター(F)の計算
例を挙げる。 例)メタクリル酸メチルエステル/メタクリル酸n−ド
デシルエステル/メタクリル酸n−テトラデシルエステ
ル/メタクリル酸n−ヘキサデシルエステル=53.9
/24.7/12.7/8.7モル比の共重合体
【0036】
【化1】
【0037】構成単位(2)において; メタクリル酸n−ドデシルエステルの場合はnは4 メタクリル酸n−テトラデシルエステルの場合はnは6 メタクリル酸n−ヘキサデシルエステルの場合はnは8
【0038】構成単位(1)におけるFの計算; 6番目の原子数=0 7番目の原子数=0 構成単位のF=0×4+0=0 構成単位(2)におけるFの計算; 6番目の原子数=3 7番目の原子数=3 構成単位のF=3×4+3=15 構成単位のモル分率(1)/(2)=53.9/46.1 (但し、46.1は24.7+12.7+8.7) 共重合体の立体障害ファクター(F)=0×0.539+15×0.461 =6.9
【0039】共重合体(A)のHLB値は0.5〜6.
0が好ましい。HLBがこの範囲内にあると抗乳化性が
特に良好である。好ましくは、HLB値が1.0〜5.
5である。さらに好ましくは、HLB値が1.5〜5.
0である。本発明のHLB値は、有機性無機性の概念の
HLB(「新・界面活性剤入門」三洋化成工業株式会社
発行P197−198)によって算出される値である。
【0040】本発明の粘度指数向上剤は、共重合体
(A)以外に、さらに(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを単量体のまま含有していてもよい。好ましい含有
量は共重合体(A)を構成する単量体の合計モル数に対
して、0.01〜5モル%、さらに好ましくは、0.1
〜4モル%である。このような(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの好ましい具体例としては、先述の(a
2)、(a3)および(a4)が挙げられる。これらの
単量体が0.01〜5モル%含まれる粘度指数向上剤を
用いた潤滑油組成物は特に摩擦係数が高く、自動変速機
の伝達トルク性能が良好であるため自動変速機油用に特
に好ましい。なお、単量体(メタ)アクリル酸アルキル
エステルは、重合反応しなかった未反応の単量体をその
まま残存させて粘度指数向上剤中に含有させてもよく、
また重合後に添加してもよく、後述の粘度指数向上剤濃
厚液に添加してもよく、また、後述の潤滑油組成物に添
加してもよい。単量体(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルの含有量は、得られた共重合体をそのまま、もしく
は後述の粘度指数向上剤濃厚液を試料として1H−NM
Rによって測定することができる。
【0041】本発明の粘度指数向上剤は、さらに溶剤で
希釈して、粘度指数向上剤濃厚液として使用するとハン
ドリング性が良好になり好ましい。希釈する場合の、
(A)/(溶剤)の質量比は(30〜85)/(70〜
15)、好ましくは(40〜75)/(60〜25)で
ある。この範囲であれば、ハンドリング性がさらに良好
である。希釈溶剤としては、溶剤精製油、イソパラフィ
ンを含有するおよび/または水素化分解による高粘度指
数油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑油、
ナフテン油、単一組成の有機溶媒、ならびにこれらの混
合物が挙げられる。単一組成の有機溶剤としては、例え
ば炭化水素系溶剤(ペンタン、ヘキサン等)、芳香族系
溶剤(トルエン、キシレン等)、アルコール系溶媒(オ
クタール、ブタノール等)、ケトン系溶媒(メチルイソ
ブチルケトン、メチルエチルケトン等)、アミド系溶媒
(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン等)、およびスルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキ
シド等)をあげることができる。これらのうち好ましく
は、溶剤精製油、イソパラフィンを含有するおよび/ま
たは水素化分解による高粘度指数油、炭化水素系合成
油、エステル系合成油、ナフテン油である。特に好まし
くは引火点(COC)が120℃以上の溶剤精製油、イ
ソパラフィンを含有するおよびまたは水素化分解による
高粘度指数油、炭化水素系合成油、エステル系合成油、
ナフテン油である。この範囲では、粘度指数向上剤の火
気に対する安全性が高い。また、これらは2種以上の混
合してもよい。
【0042】本発明の粘度指数向上剤は通常エンジン
油、変速機油[ギア油(工業用、自動車用)、自動変速
機油(オートマチックトランスミッション油、トロイダ
ルCVT油、ベルトCVT油)]、パワーステアリング
油、ショックアブソーバー油に使用されるが、特にせん
断が厳しい変速機油[ギア油(自動車用)、自動変速機
油(オートマチックトランスミッション油、トロイダル
CVT油、ベルトCVT油)]に用いた場合、ロングラ
イフ性に効果的である。最も好ましくは、省燃費性に優
れたスリップ制御機構を有する自動変速機の潤滑油に用
いた場合であり、省燃費性、ロングライフ性ともに効果
的である(シャダー性にも悪影響しない)。
【0043】本発明の粘度指数向上剤もしくは粘度指数
向上剤濃厚液と基油からなる潤滑油組成物において、用
いる基油は100℃における動粘度が2〜5mm2/s
のものが好ましい。また、基油の粘度指数は95以上が
好ましく、さらに好ましくは100以上である。このよ
うな基油に本発明の粘度指数向上剤もしくは粘度指数向
上剤濃厚液を配合した潤滑油組成物は、粘度指数が高く
省燃費性が良好となる。さらに用いる基油の流動点(J
IS K2269)は−20℃以下が好ましい。さらに
好ましくは−25℃以下である。基油の流動点がこの範
囲であるとワックスの析出量が少なく低温粘度が良好で
ある。又、基油としては、溶剤精製油、イソパラフィン
を含有するおよび/または水素化分解による高粘度指数
油、炭化水素系合成潤滑油、エステル系合成潤滑油、ナ
フテン油およびこれらの2種以上の混合物が挙げられ
る。
【0044】本発明の粘度指数向上剤もしくは粘度指数
向上剤濃厚液は、基油に対して、共重合体成分として好
ましくは1〜30%添加、混合して、本発明の潤滑油組
成物として使用される。本発明の潤滑油組成物がエンジ
ン油の場合には2〜10%、変速機油(ギヤ油や自動変
速機油)の場合は、2〜25%、好ましくは3〜10
%、トラクション油の場合は0.5〜10%添加された
場合に特に好ましい結果を与える。
【0045】本発明の潤滑油組成物は、他の任意成分、
例えば清浄剤(スルフォネート系、サリシレート系、フ
ェネート系、ナフテネート系のMg塩やCa塩等)、分
散剤[(アルケニル(イソブテニル)コハク酸イミド
系、ホウソ化アルケニルコハク酸イミド、マンニッヒ縮
合物系等]、抗酸化剤(ジンクジチオフォスフェート、
アミン系、ヒンダードフェノール系等)、油性向上剤
[脂肪酸系(オレイン酸)、脂肪酸エステル系、アルキ
ルアミン系(オレイルアミン)、アルコール系(オレイ
ルアルコール)、アミド系(オレアミド)等]、摩擦摩
耗調整剤(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデ
ンカーバメイト等)、極圧剤(硫黄リン系、クロル系
等)、燐系添加剤(リン酸アルキルエステル、ジアルキ
ルフォスファイトなど)がさらに添加されてもよい。こ
れらの他の任意成分の添加量は、潤滑油組成物に対して
好ましくは0〜15%である。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。以下特
に定めない限り、部は質量部を示す。 尚、実施例にお
いては以下の略号を使用した。 MMA:メタクリル酸メチル MB:メタクリル酸n−ブチルエステル M12:メタクリル酸n-ドデシルエステル MM11:メタクリル酸2-メチルウンデシルエステル M13:メタクリル酸n-トリデシルエステル MM12:メタクリル酸2-メチルドデシルエステル M14:メタクリル酸n-テトラデシルエステル MM14:メタクリル酸2-メチルテトラデシルエステ
ル M15:メタクリル酸n-ペンタデシルエステル MM14:メタクリル酸2-メチルテトラデシルエステ
ル M16:メタクリル酸n-ヘキサデシルエステル M18:メタクリル酸n-オクタデシルエステル M20:(メタ)アクリル酸n-エイコシルエステル [GPCによる重量平均分子量の測定法] 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK gel GMH6 2本 測定温度 : 40℃ 試料溶液 : 0.5重量%のTHF溶液 溶液注入量 : 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 標準 : ポリスチレン [1H−NMRによる残存(メタ)アクリル酸アルキル
エステルの測定方法] 装置 :ブルカー製 A−300 測定溶媒 :CDCl3 測定試料液 :試料20mgを0.5mlのCDCl3
に溶解 試料管径 :5mm 積算回数 :64 <計算> MH:(メタ)アクリル酸アルキルエステルの不飽和部
分の1プロトン積分値(δ6.0−6.2) PH2:共重合体(A)の構成単量体のエステル基の酸
素原子に隣接するメチレン基の2プロトン積分値(δ
3.8−4.1) PH3:共重合体(A)の構成単量体のエステル基の酸
素原子に隣接するメチル基の3プロトン積分値(δ3.
4−3.7) (メタ)アクリル酸アルキルエステルのモル%=MH/
(PH2/2+PH3/3)×100
【0047】(剪断安定性の試験方法)JASO M3
47−95に準拠し試験時間を10時間とした。
【0048】(粘度指数の試験方法)JIS−K−22
83の方法で行った。
【0049】(摩擦係数の試験方法)JASO M34
8−95の方法で500サイクル目のμtとμsの試験
を行った。
【0050】実施例1〜3 撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み
管を備えた反応容器に、トルエンを1,500部、表1
に示す単量体の混合物、重合開始剤として2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)40部、連
鎖移動剤としてドデシルメルカプタン85部仕込み、窒
素置換を行った後に密閉下で90℃で6時間重合反応を
行った。得られたポリマーをメタノール10,000部
で再沈殿し、さらにメタノール8,700部で2回洗浄
後、100℃で4時間減圧乾燥し、共重合体(A1)〜
(A3)からなる粘度指数向上剤(V1)〜(V3)を
得た。その後、これらの粘度指数向上剤500部と、溶
剤精製油(引火点160℃)500部を撹拌装置、加熱
装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた反応
容器で120℃、2時間、均一溶解希釈し、本発明の粘
度指数向上剤濃厚液(B1)〜(B3)を得た。
【0051】実施例4 撹拌装置、加熱装置、冷却装置、温度計、窒素吹き込み
管および滴下槽を備えた反応容器に、引火点160℃の
鉱物油を1,500部仕込み、85℃に温調し窒素置換
を60分行った。表1に記載の種類と量の単量体の混合
物、実施例1と同様の種類と量の重合開始剤および連鎖
移動剤を滴下槽に仕込んだ。そして、密閉下85℃で2
時間かけて等速で滴下槽の溶液を滴下して重合反応を行
った。引き続き、85℃で2時間熟成し、120℃、2
0mmHgの減圧度で未反応のMMAを留去し、共重合
体(A4)を含有する粘度指数向上剤(V4)を得た。
その後、引火点160℃の鉱物油を7,000部仕込
み、120℃で2時間かけて均一溶解希釈し、本発明の
粘度指数向上剤濃厚液(B4)を得た。なお、(V4)
のうちの10部を取り出してメタノール100部で再沈
殿し、さらにメタノール87部で2回洗浄後、100℃
で4時間減圧乾燥し、物性値測定用の共重合体(A4)
を得た。
【0052】比較例1、2 単量体の混合物として、表1記載の種類と量の単量体を
使用すること以外は実施例1と同様にして、比較例1お
よび2の共重合体(H1)および(H2)からなる粘度
指数向上剤(W1)および(W2)、並びに粘度指数向
上剤濃厚液(X1)および(X2)を得た。 比較例3 単量体の混合物として、表1記載の種類と量の単量体を
使用し、重合開始剤の量を17部、熟成時間を0時間と
したこと以外は実施例4と同様にして、共重合体(H
3)を含有する粘度指数向上剤(W3)および粘度指数
向上剤濃厚液(X3)を得た。なお、物性値測定用に共
重合体(H3)を実施例4と同様にして得た。
【0053】共重合体(A1)〜(A4)、(H1)〜
(H3)の物性値等を表2に示す。また、実施例4及び
比較例3については(メタ)アクリル酸エステル含有量
を粘度指数向上剤(V4)および(W3)について測定
したので、その結果を表2に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例5〜7、比較例4および5 (B1)〜(B3)、(X1)または(X2)を高粘度
指数油(流動点:−22.5℃、100℃の動粘度:
3.0mm2/s)に溶解し、潤滑油組成物を作製した。そ
してその潤滑油組成物の100℃の動粘度が6.1(mm2
/s)になるよう粘度指数向上剤濃厚液の配合量を調整し
試験油とし、剪断安定性と粘度指数を評価した。得られ
た評価結果を表3に示す。本発明による潤滑油組成物は
粘度指数が大きく、しかも剪断安定性試験における粘度
低下率(%)が低い。
【0057】
【表3】
【0058】実施例8、比較例6 (B4)または(X3)を鉱物油(SK Corpor
ation製「YUBASE3」:流動点:−27.5
℃、100℃の動粘度:3mm2/s)に溶解し、潤滑油組
成物を作製する。そしてその潤滑油組成物の100℃の
動粘度が6mm2/sになるよう粘度指数向上剤濃厚液の配
合量を調整し試験油とし、剪断安定性、粘度指数及び摩
擦係数を評価した。得られた評価結果を表4に示す。本
発明による潤滑油組成物は摩擦係数が大きいことがわか
る。
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】本発明により得られる共重合体は粘度指
数向上能と剪断安定性が良好であり、粘度指数向上剤お
よびそれを含む潤滑油組成物とした場合、従来のものに
比較して顕著な効果を有する。さらに、本発明の潤滑油
組成物は従来のものに比べて摩擦係数が高く、自動変速
機の伝達トルク性能が良好である。これらの効果を奏す
ることから、本発明の潤滑油組成物は、従来のPMA系
粘度指数向上剤を使用した潤滑油組成物と比べて、今後
の自動車の省燃費性、ロングライフ性の要求に対応でき
るため、エンジン油、変速機油[ギア油(工業用、自動
車用)、自動変速機油(オートマチックトランスミッシ
ョン油、トロイダルCVT油、ベルトCVT油)]、パ
ワーステアリング油、ショックアブソーバー油等に好適
に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 149/06 C10M 149/06 149/10 149/10 151/02 151/02 153/02 153/02 // C10N 20:00 C10N 20:00 A Z 20:04 20:04 30:02 30:02 40:04 40:04 40:25 40:25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1および/または2のアルキル基
    を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a
    1)、炭素数12および/または13のアルキル基を有
    する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a2)、炭
    素数14および/または15のアルキル基を有する(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル(a3)、並びに炭素
    数16〜24のアルキル基から選ばれる1種以上のアル
    キル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    (a4)を必須構成単量体とし、(a1)〜(a4)の
    合計質量に基づいて(a1)が27〜40%、(a2)
    が10〜40%、(a3)が10〜40%、および(a
    4)が5〜35%である共重合体(A)からなる粘度指
    数向上剤。
  2. 【請求項2】 共重合体(A)が、下記(1)〜(5)
    のすべてを満たす請求項1記載の粘度指数向上剤。 (1)重量平均分子量が10,000〜500,000 (2)溶解性パラメーターが9.15〜9.25 (3)示差走査熱量計による結晶化開始温度が−10℃
    以下 (4)HLB値が0.5〜6.0 (5)下記の関係式(2)で表される立体障害ファクタ
    ー(F)を構成単位のモル分率に基づいて平均した値が
    8.4以下 一般式 F=4X+Y (2) {各構成単位において、側鎖中の、主鎖から6番目に位
    置する原子の総数をX、7番目に位置する原子の総数を
    Yとする。}
  3. 【請求項3】 共重合体(A)において、(a1)がメ
    タクリル酸メチルエステルであり、(a4)が炭素数1
    6、18および/または20のアルキル基を有するメタ
    クリル酸アルキルエステルである請求項1または2記載
    の粘度指数向上剤。
  4. 【請求項4】 共重合体(A)を構成する単量体におい
    て、(a1)〜(a4)の合計質量に基づく(a1)が
    28〜35%、(a2)が15〜35%、(a3)が1
    5〜35%、および(a4)が10〜30%である請求
    項1〜3のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  5. 【請求項5】 共重合体(A)、並びに共重合体(A)
    を構成する単量体の合計モル数に対して0.01〜5モ
    ル%の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有し、
    自動変速機油用である請求項1〜4いずれか記載の粘度
    指数向上剤。
  6. 【請求項6】 共重合体(A)の重量平均分子量が1
    0,000〜35,000であり、自動変速機油用であ
    る請求項1〜5のいずれか記載の粘度指数向上剤。
  7. 【請求項7】スリップ制御機構を有する自動変速機用で
    ある請求項6記載の粘度指数向上剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか記載の粘度指数
    向上剤と溶剤からなり、共重合体(A)/(溶剤)の質
    量比が(30〜85)/(70〜15)である粘度指数
    向上剤濃厚液。
  9. 【請求項9】100℃動粘度が2〜5mm2/s、粘度
    指数が95以上および流動点が−20℃以下の高粘度指
    数油と、請求項1〜8のいずれか記載の粘度指数向上剤
    または粘度指数向上剤濃厚液とを含有する潤滑油組成
    物。
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