JP2018172663A - 流動点降下剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

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展洋 内藤
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展洋 内藤
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Abstract

【課題】 優れた粘度指数向上能、低温粘度特性、流動点降下能及びせん断安定性を有するとともに、特にエンジン油、駆動系油、自動変速機油、作動油に好適なパラフィン油を含有する潤滑油組成物を提供する。【解決手段】α位、β位及びγ位からなる群より選ばれる1個以上の炭素原子に、メチル基及び/又はエチル基が、合計で1個又は2個結合しており、分岐アルキル基の炭素数が12〜18である分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有する流動点降下剤、及び流動点降下剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、潤滑油添加剤として使用する流動点降下剤及び流動点降下剤を含有してなる潤滑油組成物に関する。
従来、内燃機関や変速機、その他機械装置には、その作用を円滑にするために潤滑油が用いられる。近年、地球環境保護の観点から、潤滑油に求められる省燃費性能は益々高くなっており、更なる粘度指数及び低温粘度特性の向上、実使用時のせん断による粘度低下の抑制が求められている。
これを解決する手段の一つとして高粘度指数の基油を使用し、潤滑油の粘度指数を向上させる試みがなされている。高粘度指数の基油は一般的にパラフィン成分を多く含有しており、鉱物油に比べて低温での流動性が乏しい。そこで流動点降下剤を用いて低温粘度を良くする試みがなされている(特許文献1)。
特開2014−196389号公報
パラフィン成分を多く含有する基油ではパラフィン成分の結晶化が起こりやすいため流動点降下剤を用いて低温での流動性を良くする試みがなされているが、従来の流動点降下剤では低温流動性の改良の点で、必ずしも十分とは言えない。
そこで本発明は、優れた流動点降下能及びせん断安定性を有する流動点降下剤及び、低温流動性に優れる潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、分岐アルキル基のα位、β位及びγ位からなる群より選ばれる1個以上の炭素原子に、メチル基及び/又はエチル基が、合計で1個又は2個結合しており、分岐アルキル基の炭素数が12〜18である分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有する流動点降下剤である。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明の流動点降下剤は流動点降下能及びせん断安定性に優れ、当該流動点降下剤と潤滑油基油とを含んでなる潤滑油組成物は、低温流動性に優れるという効果を奏する。
本発明における流動点降下剤は、分岐アルキル基のα位、β位及びγ位からなる群より選ばれる1個以上の炭素原子に、メチル基及び/又はエチル基が、合計で1個又は2個結合しており、分岐アルキル基の炭素数が12〜18である分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明の(共)重合体(A)の必須構成単量体である分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)は、分岐アルキル基のα位の炭素原子、β位の炭素原子又はγ位の炭素原子に、メチル基及び/又はエチル基が、合計で1個又は2個結合しており、分岐アルキル基の炭素数が12〜18である分岐アルキル(メタ)アクリレートである。
分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)は、基油中のワックス成分との共晶の観点から、分岐アルキル基のα位、β位及びγ位からなる群より選ばれる1個以上の炭素原子に、メチル基及び/又はエチル基が、合計で1個又は2個結合している。例えば、α位かβ位かγ位のいずれか1個の炭素原子にメチル基又はエチル基が1個ずつ結合していてもよいし、α位とβ位に1個ずつのメチル基が合計2個結合してもよいし、α位にメチル基とβ位にエチル基が合計で2個結合してもよい。
他方、α〜γ以外の位置にメチル基又はエチル基が結合する場合は、基油中のワックス成分との共晶を阻害しやすくなり流動点が下がりにくい傾向がある。
分岐アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数が11個以下の場合も基油中のワックス成分との共晶が不十分になりやすく流動点が下がりにくい傾向がある。炭素数が19個以上場合は共重合体(A)が結晶化しやすくなり、流動点が下がりにくい傾向がある。
分岐アルキル基のα位の炭素原子とは、エステル基の隣の炭素原子を意味する。分岐アルキル基のβ位の炭素原子とは、分岐アルキル基を構成する炭素原子の数が最も多くなる鎖を主鎖としたときに、主鎖上の炭素原子のうちα位の隣の炭素原子を意味し、γ位の炭素原子とは、主鎖上のβ位の隣の炭素原子を意味する。
分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)としては、1−メチルウンデシル(メタ)アクリレート、1−メチルドデシル(メタ)アクリレート、1−エチルテトラデシル(メタ)アクリレート、1−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレート、2−メチルウンデシル(メタ)アクリレート、2−メチルペンタデシル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプタデシル(メタ)アクリレート、2−エチルデシル(メタ)アクリレート、2−エチルペンタデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキサデシル(メタ)アクリレート、3−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、3−エチルトリデシル(メタ)アクリレート、1,2−ジメチルドデシル(メタ)アクリレート、2,3−ジメチルデシル(メタ)アクリレート、2,4−ジメチルデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明における共重合体(A)は、構成単量体として、さらに、直鎖アルキル基の炭素数が10〜20である直鎖アルキル(メタ)アクリレート(b)を含有してなることが、流動点降下能及び基油への溶解性の観点から好ましい。
この直鎖アルキル(メタ)アクリレート(b)の具体例としては、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、n−ペンタデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ノナデシル(メタ)アクリレート、n−イコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合体(A)を構成する分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)の含有量は、重合体(A)の重量に基づいて、流動点降下能及び基油への溶解性の観点から、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは8〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
重合体(A)を構成する直鎖アルキル(メタ)アクリレート(b)の含有量は、重合体(A)の重量に基づいて、基油への溶解性及び流動点降下能の観点から、好ましくは50〜95%重量、更に好ましくは60〜92重量%、特に好ましくは70〜90重量%である。
(A)の構成単量体である分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)及び直鎖アルキル(メタ)アクリレート(b)のアルキル基の重量平均炭素数は12〜16が好ましい。
ここでいう重量平均炭素数とは、(A)を構成する前記(a)及び前記(b)のアルキル(メタ)アクリレートについて各構成単量体のアルキル基の炭素数(例えば、n−ドデシルメタクリレートであれば炭素数12)と全構成単量体に対する各構成単量体の重量分率とを乗じた値の総和である。
重量平均炭素数が12未満であると基油に含有されるワックス成分との共晶が不十分となり、流動点降下能が悪化する場合がある。重量平均炭素数が16を超えると(共)重合体(A)自体の結晶化が起こり、流動点降下能が悪化する場合がある。
本願の構成要件を満たすことにより、基油に含有されるワックス成分と共晶化し、析出ワックス結晶の粒径を小さくでき、かつ(共)重合体(A)自体の結晶化を抑制できるため、流動点降下能が良好となる効果がある。
本発明の潤滑油組成物における重合体(A)の含有量は、潤滑油組成物の重量に基づいて、低温特性の観点から、好ましくは0.05〜2.0重量%、更に好ましくは0.1〜1.0重量%、特に好ましくは0.2〜0.5重量%である。
(A)の重量平均分子量(Mw)並びに数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定することができる。
<測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
(A)のMwは、流動点降下能及びせん断安定性の観点から好ましくは10,000〜500,000、更に好ましくは20,000〜200,000特に好ましくは40,000〜150,000、最も好ましくは50,000〜120,000である。
(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、流動点降下効果とせん安定性を向上する点で1.6〜3.5であることが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、流動点降下剤及び基油を含有してなる。基油としては、パラフィン成分を含む鉱物油(溶剤精製油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油等)等が挙げられる。さらに合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリ−α−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]を混合してもよい。
基油の100℃の動粘度は油膜の維持および省燃費性の観点から好ましくは3〜30mm/sである。基油の粘度指数は省燃費性の観点から好ましくは70以上である。
(A)は、公知の製造法によって得ることができる。具体的には前記の単量体を溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に分子量を調整する目的で、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)が共重合体である場合の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
本発明の潤滑油組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイン酸アミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)粘度指数向上剤:
オレフィンコポリマー(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−αーオレフィン共重合体)、ポリアルキル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−ジエン共重合体等。(8)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(9)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(10)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、空気導入管、減圧装置および減水装置を備えた反応容器に、2−メチル−1−ウンデカノール50重量部、トルエン50重量部、メタクリル酸34.6重量部、ハイドロキノン0.05重量部を投入し、撹拌して均一化した。その後、パラトルエンスルホン酸2重量部を加え、30分撹拌した後、空気を30ml/分の流量で吹き込みながら100℃で生成する水を除去しながら5時間反応させた。その後、反応容器内の圧力を300mmHgに調整し、生成する水を除去しながらさらに3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、10%水酸化ナトリウム水溶液55重量部を加えて1時間撹拌したのち静置して有機相と水相を分離させた。有機相を分液で採取し、ハイドロキノン0.01重量部を投入し、空気を吹き込みながら減圧で溶媒を除去し、2−メチル−ウンデシルメタクリレート61重量部(a−1)を得た。
<製造例2>
製造例1の2−メチル−1−ウンデカノール50重量部を2−エチル−1−デカノール50重量部に変更した以外は同様の操作を行い、2−エチル−デシルメタクリレート61.5重量部(a−2)を得た。
<製造例3>
製造例1の2−メチル−1−ウンデカノール50重量部を2−メチル−1−ペンタデカノール65重量部に変更した以外は同様の操作を行い、2−メチル−ペンタデシルメタクリレート75重量部(a−3)を得た。
<製造例4>
製造例1の2−メチル−1−ウンデカノール50重量部を2−テトラデカノール50重量部に、メタクリル酸34.6重量部を40重量部に変更した以外は同様の操作を行い、1−メチルトリデシルメタクリレート62重量部(a−4)を得た。
<製造例5>
製造例1の2−メチル−1−ウンデカノール50重量部を9−メチル−1−ドデカノール50重量部に変更した以外は同様の操作を行い、9−メチルドデシルメタクリレート62重量部(a’−1)を得た。
<製造例6>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた耐圧容器に、マグネシウム粉末10重量部を仕込み、脱水処理をしたテトラヒドロフラン20重量部を滴下しながら加え1時間撹拌した。そこに1−ブロモドコサン25重量部と脱水処理したテトラヒドロフラン20重量部の混合溶液を滴下しながら加えて3時間反応させた。さらにアセトアルデヒド10重量部を滴下しながら加えて5時間反応させた。その後、減圧で過剰のアセトアルデヒドを除去した後、トルエン100重量部を加えて撹拌した。ろ過で未反応のマグネシウムを除去し、ろ液を濃縮して2−テトラコサノール22重量部を得た。
<製造例7>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、空気導入管、減圧装置、減水装置を備えた反応容器に、製造例6で得た2−テトラコサノール20重量部、トルエン30重量部、メタクリル酸17.3重量部、ハイドロキノン0.03重量部を投入し、撹拌して均一化した。その後、パラトルエンスルホン酸1.5重量部を加え、30分撹拌した後、空気を15ml/分の流量で吹き込みながら100℃で生成する水を除去しながら6時間反応させた。その後、反応容器内の圧力を300mmHgに調整し、生成する水を除去しながらさらに3時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却後、10%水酸化ナトリウム水溶液28重量部を加えて1時間撹拌したのち静置して有機相と水相を分離させた。有機相を分液で採取し、ハイドロキノン0.01重量部を投入し、空気を吹き込みながら減圧で溶媒を除去し、1−メチルトリコシルメタクリレート21重量部(a’−2)を得た。
<製造例8>
製造例1の2−メチル−1−ウンデカノール50重量部を炭素数18の多分岐アルコール[商品名「ファインオキソコール180」、日産化学工業(株)製]50重量部に変更した以外は同様の操作を行い、多分岐オクタデシルメタクリレート58重量部(a’−4)を得た。
<製造例9>
製造例1の2−メチル−1−ウンデカノール50重量部を7−メチル−9,9−ジメチル−1−ドデカノール50重量部に変更した以外は同様の操作を行い、7−メチル−9,9−ジメチルデシルメタクリレート62重量部(a’−5)を得た。
<実施例1〜5、比較例1〜6>
撹拌装置、加熱冷却装置、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、コスモニュートラル150(コスモ石油ルブリカンツ製、100℃動粘度:5.6mm/s、40℃動粘度:33.2mm/s)を30重量部仕込み、窒素置換を行った後、85℃に昇温した。
別のガラス製ビーカーに表1に記載の単量体を合計100重量部、連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン(表1中、DOSHと略記)を表1に記載の量、及びラジカル重合開始剤として2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(表1中、ADVNと略記)1.3重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(表1中、AMBNと略記)4.0重量部仕込み、撹拌混合した均一混合物を滴下ロートに仕込んだ。反応容器内を85℃に保ちながら滴下ロートから単量体、連鎖移動剤及び開始剤の均一溶液を2時間かけて滴下した。
さらに1.5時間、同温度に保ち反応を完結させ、重合体(A−1)〜(A−5)及び比較の重合体(H−1)〜(H−6)を含有する流動点降下剤(R−1)〜(R−5)、比較の流動点降下剤(S−1)〜(S−6)を得た。
得られた共重合体(A−1)〜(A−5)、(H−1)〜(H−6)のMwを上記の方法で測定した。
Figure 2018172663
表1に示した単量体の化学組成は下記のとおりである。なお(a’−3)は市販品を使用した。
(a−1):2−メチルウンデシルメタクリレート(分子量254)
(a−2):2−エチルデシルメタクリレート(分子量254)
(a−3):2−メチルペンタデシルメタクリレート(分子量310)
(a−4):1−メチルトリデシルメタクリレート(分子量282)
(a’−1):9−メチルドデシルメタクリレート(分子量268)
(a’−2):1−メチルトリコシルメタクリレート(分子量422)
(a’−3):2−エチルヘキシルメタクリレート(分子量198)[商品名「アクリエステルEH」、三菱ケミカル(株)製]
(a’−4):多分岐オクタデシルメタクリレート(分子量338)
(a’−5):7−メチル−9,9−ジメチルデシルメタクリレート(分子量268)
(b−1):n−ドデシルメタクリレート(分子量254)
(b−2):n−トリデシルメタクリレート(分子量268)
(b−3):n−テトラデシルメタクリレート(分子量282)
(b−4):n−ペンタデシルメタクリレート(分子量296)
(b−5):n−ヘキサデシルメタクリレート(分子量310)
(b−6):n−オクタデシルメタクリレート(分子量338)
<流動点降下剤の流動点降下能の評価方法>
流動点降下剤(R−1)〜(R−5)、(S−1)〜(S−6)を潤滑油基油(EXXON MOBIL社製、商品名:AP/E CORE150、流動点−12℃)の重量に対して0.3重量%添加して均一化し、潤滑油組成物(X−1)〜(X−5)、(Y−1)〜(Y−6)を作成した。得られた潤滑油組成物の流動点をJIS K2269に準拠して測定した。結果を表2に示す。
<せん断安定性の評価方法>
流動点降下剤(R−1)〜(R−5)、(S−1)〜(S−6)を流動点降下能の評価と同じ潤滑油基油の重量に対して8重量%添加して均一化し、潤滑油組成物(X−6)〜(X−10)、(Y−7)〜(Y−12)を作成した。JASO M347に準拠し、試験時間を1時間として試験した場合の潤滑油組成物の粘度低下率を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2018172663
表2の結果から明らかなように、本発明の流動点降下剤を含有する実施例1〜5の潤滑油組成物は比較例1〜6の潤滑油組成物に比べて、より低温での流動性維持とせん断安定性との両立が可能である。
一方、分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)を含まない比較例1と、α位にメチル基を有していてもアルキル基の炭素数が18より多い分岐アルキルメタクリレートを構成単量体とする共重合体である比較例3と、β位にメチル基またはエチル基より長い分岐アルキルが結合している分岐アルキルメタクリレートを構成単量体とする共重合体である比較例5と、α〜γ位以外にメチル基が3つ結合している分岐アルキルメタクリレートを構成単量体とする共重合体である比較例6の潤滑油組成物は、流動点が高く不良である。
また、β位にメチル基を有していてもアルキル基の炭素数が12より少ない分岐アルキルメタクリレートを構成単量体とする共重合体である比較例4の潤滑油組成物は、流動点が不十分である。さらに、α〜γ位以外にメチル基が結合している分岐アルキルメタクリレートを構成単量体とする共重合体である比較例2の潤滑油組成物は、粘度低下率が大きく、流動点も不十分である。
本発明の流動点降下剤を含有してなる潤滑油組成物は、エンジン油用、駆動系潤滑油用、自動変速機油用及び作動油用の潤滑油組成物として好適である。

Claims (7)

  1. 分岐アルキル基のα位、β位及びγ位からなる群より選ばれる1個以上の炭素原子に、メチル基及び/又はエチル基が、合計で1個又は2個結合しており、分岐アルキル基の炭素数が12〜18である分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有する流動点降下剤。
  2. (共)重合体(A)が、さらに直鎖アルキル基の炭素数が10〜20である直鎖アルキル(メタ)アクリレート(b)を構成単量体とする共重合体である請求項1に記載の流動点降下剤。
  3. (共)重合体(A) が、構成単量体として(A)の重量に基づいて分岐アルキル(メタ)アクリレート(a)を5〜50重量%、直鎖アルキル(メタ)アクリレート(b)を50〜95重量%含有する共重合体である請求項2に記載の流動点降下剤。
  4. (共)重合体(A) の重量平均分子量が10,000〜500,000である請求項1〜3のいずれかに記載の流動点降下剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の流動点降下剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物。
  6. さらに清浄剤、分散剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤、極圧剤、粘度指数向上剤、消泡剤、抗乳化剤及び腐食防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有してなる請求項5記載の潤滑油組成物。
  7. 基油の100℃の動粘度が3〜30mm/sであり、かつ基油の粘度指数が70以上である請求項5又は6に記載の潤滑油組成物。
JP2018060567A 2017-03-30 2018-03-27 流動点降下剤及び潤滑油組成物 Pending JP2018172663A (ja)

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