JP2017186539A - 潤滑油組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた粘度指数向上能、低温粘度特性及びせん断安定性を有する潤滑油組成物を提供する。【解決手段】重合体(A)及び重合体(B)からなる重合体(P)とパラフィン油(K)とを含有する潤滑油組成物であって、(A)が(A)を構成単量体の総モル数に基づいてメチル(メタ)アクリレート(a−1)を20〜40モル%、炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−2)を50〜70モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−3)を5モル%以上20モル%未満含有する重合体であって、(B)が(B)を構成単量体の総モル数に基づいて炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−1)を60〜80モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−2)を20〜40モル%含有する重合体である潤滑油組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、潤滑油組成物に関する。
従来、内燃機関や変速機、その他機械装置には、その作用を円滑にするために潤滑油が用いられる。近年、地球環境保護の観点から、潤滑油に求められる省燃費性能は益々高くなっており、更なる粘度指数及び低温粘度特性の向上、実使用時のせん断による粘度低下の抑制が求められている。
これを解決する手段の一つとして異性化パラフィンを含有する高粘度指数油、またはこれと通常の溶剤精製鉱物油や合成潤滑油、MLDW油との併用が行われるようになりつつある。これに対し流動点降下剤を用いて低温粘度を良くする試みがなされている(特許文献1)。
これを解決する手段の一つとして異性化パラフィンを含有する高粘度指数油、またはこれと通常の溶剤精製鉱物油や合成潤滑油、MLDW油との併用が行われるようになりつつある。これに対し流動点降下剤を用いて低温粘度を良くする試みがなされている(特許文献1)。
近時、潤滑油に求められる省燃費性は益々高くなっており、粘度指数及び低温粘度特性の向上および実使用時のせん断による粘度低下の抑制の点で、必ずしも十分とは言えない。
そこで本発明は、優れた粘度指数向上能、低温粘度特性及びせん断安定性を有するとともに、特にエンジン油、駆動系油、自動変速機油、作動油に好適なパラフィン油を含有する潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、重合体(A)及び重合体(B)からなる重合体(P)とパラフィン油(K)とを含有する潤滑油組成物であって、
重合体(A)が、構成単量体として重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいてメチル(メタ)アクリレート(a−1)を20〜40モル%、炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−2)を50〜70モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−3)を5モル%以上20モル%未満含有する重合体であって、重合体(B)が、構成単量体として重合体(B)を構成する単量体の総モル数に基づいて炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−1)を60〜80モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−2)を20〜40モル%含有する重合体である潤滑油組成物である。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
重合体(A)が、構成単量体として重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいてメチル(メタ)アクリレート(a−1)を20〜40モル%、炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−2)を50〜70モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−3)を5モル%以上20モル%未満含有する重合体であって、重合体(B)が、構成単量体として重合体(B)を構成する単量体の総モル数に基づいて炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−1)を60〜80モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−2)を20〜40モル%含有する重合体である潤滑油組成物である。
なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
本発明の潤滑油組成物は、粘度指数向上能、低温粘度特性及びせん断安定性に優れるという効果を奏する。
本発明における単量体(a−1)は、メチル(メタ)アクリレートである。
本発明における単量体(a−2)は、炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、具体例としては、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数12〜13のアルキル基は、直鎖又は分岐のどちらでも良い。
本発明における単量体(a−3)は、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、具体例としては、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート及びイコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数14〜20のアルキル基は、直鎖又は分岐のどちらでも良い。
本発明における単量体(b−1)は、炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、具体例としては、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数12〜13のアルキル基は、直鎖又は分岐のどちらでも良い。
本発明における単量体(b−2)は、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、具体例としては、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート及びイコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。炭素数14〜20のアルキル基は、直鎖又は分岐のどちらでも良い。
重合体(A)を構成する(a−1)の割合は、重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいて、20〜40モル%であり、パラフィン油への溶解性及び潤滑油組成物のせん断安定性の観点から好ましくは、25〜35モル%である。
重合体(A)を構成する(a−2)の割合は、重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいて、50〜70モル%であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは55〜65モル%である。
重合体(A)を構成する(a−3)の割合は、重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいて、5モル%以上20モル%未満であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは6〜16モル%、更に好ましくは8〜13モル%である。
重合体(A)を構成する(a−2)の割合は、重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいて、50〜70モル%であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは55〜65モル%である。
重合体(A)を構成する(a−3)の割合は、重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいて、5モル%以上20モル%未満であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは6〜16モル%、更に好ましくは8〜13モル%である。
重合体(B)を構成する(b−1)の割合は、重合体(B)を構成する単量体の総モル数に基づいて、60〜80モル%であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは65〜75モル%である。
重合体(B)を構成する(b−2)の割合は、重合体(B)を構成する単量体の総モル数に基づいて、20〜40モル%であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは25〜35モル%である。
重合体(B)を構成する(b−2)の割合は、重合体(B)を構成する単量体の総モル数に基づいて、20〜40モル%であり、潤滑油組成物の粘度指数向上効果及びせん断安定度の観点から、好ましくは25〜35モル%である。
本発明の潤滑油組成物に用いる基油は、パラフィン油(K)である。更にパラフィン油(K)以外の鉱物油(溶剤精製油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油等)、合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリ−α−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]及びこれらの混合物を用いることができる。
本願の構成要件を満たすことにより、パラフィン油に含有されるワックス成分と共晶化によって、析出ワックス結晶の粒径を小さくできるため、流動点降下効果(低温粘度特性の向上効果)がある。
重合体(A)の含有量は、重合体(P)の重量に基づいて、低温特性及びパラフィン油への溶解性の観点から、好ましくは90〜99重量%、更に好ましくは92〜98重量%、特に好ましくは94〜97重量%である。
重合体(B)の含有量は、重合体(P)の重量に基づいて、低温特性及びパラフィン油への溶解性の観点から、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%である。
重合体(B)の含有量は、重合体(P)の重量に基づいて、低温特性及びパラフィン油への溶解性の観点から、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜8重量%、特に好ましくは3〜6重量%である。
本発明の潤滑油組成物における重合体(P)の含有量は、潤滑油組成物の重量に基づいて、低温特性の観点から、好ましくは30〜80重量%、更に好ましくは60〜75重量%である。
重合体(P)が73重量%、パラフィン油(K)が27重量%の混合物(潤滑油組成物)の100℃における動粘度は、JIS−K2283に従い測定した100℃における動粘度である。100℃における動粘度は、好ましくは540〜800mm2/sであり、更に好ましくは545〜735mm2/sである。動粘度が540mm2/s以上であれば、潤滑箇所での油膜形成が充分であるため金属疲労防止性、耐熱性が良好であり、潤滑油基油の蒸発損失も小さい。800mm2/s以下であれば低温粘度特性が良好である。
混合物の100℃における動粘度は、重合体(P)の重量平均分子量、パラフィン油(K)等の基油の粘度、重合体(P)と基油の混合比率を調整することで調整することができる。なお、重合体(P)を潤滑油組成物の重量に基づいて73重量%に調整するには、構成単量体の含有量を予め73重量%となるように調整しても、73重量%を超える含有量のものを作成し、パラフィン油(K)を用いて希釈して調整しても良い。
混合物の100℃における動粘度は、重合体(P)の重量平均分子量、パラフィン油(K)等の基油の粘度、重合体(P)と基油の混合比率を調整することで調整することができる。なお、重合体(P)を潤滑油組成物の重量に基づいて73重量%に調整するには、構成単量体の含有量を予め73重量%となるように調整しても、73重量%を超える含有量のものを作成し、パラフィン油(K)を用いて希釈して調整しても良い。
パラフィン油(K)及び潤滑油組成物の粘度指数は、JIS−K2283に従い、100℃および40℃での動粘度を測定し算出した粘度指数である。
本発明の潤滑油組成物はせん断安定性が良好である。せん断安定性はCEC L45−45−A−99で規定された方法に従い試験時間を20時間として試験した場合の潤滑油組成物の粘度低下率で評価した。
(P)の溶解性パラメーター(以下SP値と略記する)は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは8.5〜10.0(cal/cm3)1/2であり、更に好ましくは9.0〜9.5(cal/cm3)1/2、特に好ましくは9.0〜9.2(cal/cm3)1/2である。
(P)のSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
(P)のSP値は、(P)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(P)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより8.5〜10.0(cal/cm3)1/2にすることができる。
(P)のSP値は、(P)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(P)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより8.5〜10.0(cal/cm3)1/2にすることができる。
(A)、(B)及び(P)の重量平均分子量(Mw)並びに数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより以下の条件で測定することができる。
<測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
<測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
(P)のMwは、好ましくは50,000〜80,000である。50,000以上であれば、増粘効果が良好であり、80,000以下であればせん断安定性やパラフィン油への溶解性、貯蔵安定性が良好である。
(P)の分子量分布(Mw/Mn)は、流動点降下効果とせん安定性を向上する点で1.5〜3.5であることが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、重合体(P)以外の重合体を含有してもよく、重合体(P)以外のポリアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明の潤滑油組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイン酸アミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイン酸アミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜3、比較例1〜5>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、表1に記載のパラフィン油としてダイアナフレシアW−8(K1)(出光興産製、100℃動粘度:2.3mm2/s、40℃動粘度:8.1mm2/s)を仕込み、窒素置換を行った後、85℃に昇温した。窒素雰囲気下、表1に記載の単量体、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.3重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)4.0重量部の混合物を仕込み、同温度に保って2時間にわたって滴下し、さらに1.5時間、同温度に保ち反応を完結させ、重合体(A1)〜(A3)及び比較の重合体(A’1)〜(A’5)を含む組成物(AP1)〜(AP3)及び比較の組成物(A’P1)〜(A’P5)1000重量部を得た。構成単量体のモル%は表2に示す。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、表1に記載のパラフィン油としてダイアナフレシアW−8(K1)(出光興産製、100℃動粘度:2.3mm2/s、40℃動粘度:8.1mm2/s)を仕込み、窒素置換を行った後、85℃に昇温した。窒素雰囲気下、表1に記載の単量体、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.3重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)4.0重量部の混合物を仕込み、同温度に保って2時間にわたって滴下し、さらに1.5時間、同温度に保ち反応を完結させ、重合体(A1)〜(A3)及び比較の重合体(A’1)〜(A’5)を含む組成物(AP1)〜(AP3)及び比較の組成物(A’P1)〜(A’P5)1000重量部を得た。構成単量体のモル%は表2に示す。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、表1に記載のパラフィン油としてSYピュアスピンC(K2)(コスモ石油ルブリカンツ製、100℃動粘度:2.6mm2/s、40℃動粘度:9.8mm2/s)を仕込み、窒素置換を行った後、85℃に昇温した。窒素雰囲気下、表1に記載の単量体、ABN−V(日本ファインケム社製)2重量部の混合物を同温度に保って2時間にわたって滴下した。さらに2時間、同温度に保ち反応を完結させることで重合体(B1)〜(B3)及び比較の重合体(B’1)〜(B’5)を含む組成物(BP1)〜(BP3)及び比較の組成物(B’P1)〜(B’P5)を1000重量部得た。構成単量体のモル%は表2に示す。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、表3に記載の組成物(AP1)〜(AP3)及び比較の組成物(A’P1)〜(A’P5)並びに組成物(BP1)〜(BP3)及び比較の組成物(B’P1)〜(B’P5)をそれぞれ仕込み、120℃に昇温した後、混合することで潤滑油組成物(R1)〜(R3)及び比較の潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)を得た。
表1、2に示した単量体の内容は下記のとおりである。
(a−1):メチルメタクリレート(分子量100)
(a−2−1):ドデシルメタクリレート(分子量254)
(a−2−2):トリデシルメタクリレート(分子量268)
(a−3−1):テトラデシルメタクリレート(分子量282)
(a−3−2):ペンタデシルメタクリレート(分子量296)
(a−3−3):ヘキサデシルメタクリレート(分子量310)
(a−3−4):オクタデシルメタクリレート(分子量338)
(b−1−1):ドデシルメタクリレート(分子量254)
(b−1−2):トリデシルメタクリレート(分子量268)
(b−2−1):テトラデシルメタクリレート(分子量282)
(b−2−2):ペンタデシルメタクリレート(分子量296)
(b−2−3):ヘキサデシルメタクリレート(分子量310)
(b−2−4):オクタデシルメタクリレート(分子量338)
(a−1):メチルメタクリレート(分子量100)
(a−2−1):ドデシルメタクリレート(分子量254)
(a−2−2):トリデシルメタクリレート(分子量268)
(a−3−1):テトラデシルメタクリレート(分子量282)
(a−3−2):ペンタデシルメタクリレート(分子量296)
(a−3−3):ヘキサデシルメタクリレート(分子量310)
(a−3−4):オクタデシルメタクリレート(分子量338)
(b−1−1):ドデシルメタクリレート(分子量254)
(b−1−2):トリデシルメタクリレート(分子量268)
(b−2−1):テトラデシルメタクリレート(分子量282)
(b−2−2):ペンタデシルメタクリレート(分子量296)
(b−2−3):ヘキサデシルメタクリレート(分子量310)
(b−2−4):オクタデシルメタクリレート(分子量338)
得られた潤滑油組成物(R1)〜(R3)及び比較の潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)について、動粘度、粘度指数、低温粘度、せん断安定性試験を測定し、その評価結果を表3に示す。
なお、各例で得られた基油および潤滑油組成物の性状及び性能は、以下に示す方法に従って求めた。
(1)100℃における動粘度
潤滑油組成物(R1)〜(R3)及び比較の潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)をそれぞれそのまま使用してJIS−K2283に従い、重合体(P)が73重量%、パラフィン油(K)が27重量%の混合物である潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)の100℃の動粘度を求めた。
(2)粘度指数
潤滑油組成物(R1)〜(R3)及び比較の潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)18.5重量部をダイアナフレシアW−8(K1)81.5重量部に均一に溶解させ希釈液を得た。この希釈液をJIS−K2283に従い、40℃及び100℃での動粘度を測定し算出した。また、粘度指数向上能を以下の評価基準で評価した。
[性能評価]
○:粘度指数200以上
×:粘度指数200未満
(3)低温粘度
潤滑油組成物18.5重量部をダイアナフレシアW−8(K1)81.5重量部に均一に溶解させ希釈液を得た。この希釈液をJPI−5S−26−99に準拠し、−20℃における粘度を測定した。また、低温粘度特性を以下の評価基準で評価した。
[性能評価]
○:2000mPa・s以下
△:2000mPa・s超3000mPa・s以下
×:3000mPa・s超
(4)せん断安定性試験
CEC L45−45−A−99に準拠し、試験時間を20時間として試験した場合の潤滑油組成物の粘度低下率を算出した。また、せん断安定性を以下の評価基準で評価した。
[性能評価]
○:粘度低下率11.0%未満
×:粘度低下率11.0%以上
(1)100℃における動粘度
潤滑油組成物(R1)〜(R3)及び比較の潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)をそれぞれそのまま使用してJIS−K2283に従い、重合体(P)が73重量%、パラフィン油(K)が27重量%の混合物である潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)の100℃の動粘度を求めた。
(2)粘度指数
潤滑油組成物(R1)〜(R3)及び比較の潤滑油組成物(R’1)〜(R’5)18.5重量部をダイアナフレシアW−8(K1)81.5重量部に均一に溶解させ希釈液を得た。この希釈液をJIS−K2283に従い、40℃及び100℃での動粘度を測定し算出した。また、粘度指数向上能を以下の評価基準で評価した。
[性能評価]
○:粘度指数200以上
×:粘度指数200未満
(3)低温粘度
潤滑油組成物18.5重量部をダイアナフレシアW−8(K1)81.5重量部に均一に溶解させ希釈液を得た。この希釈液をJPI−5S−26−99に準拠し、−20℃における粘度を測定した。また、低温粘度特性を以下の評価基準で評価した。
[性能評価]
○:2000mPa・s以下
△:2000mPa・s超3000mPa・s以下
×:3000mPa・s超
(4)せん断安定性試験
CEC L45−45−A−99に準拠し、試験時間を20時間として試験した場合の潤滑油組成物の粘度低下率を算出した。また、せん断安定性を以下の評価基準で評価した。
[性能評価]
○:粘度低下率11.0%未満
×:粘度低下率11.0%以上
表3から明らかなように、実施例の潤滑油組成物は粘度指数向上能、低温粘度特性及びせん断安定性のいずれの性能にも優れるが、比較例の潤滑油組成物は粘度指数向上能、低温粘度特性及びせん断安定性のうち、少なくとも1つの性能が劣る。
本発明の潤滑油組成物は、エンジン油用、駆動系潤滑油用、自動変速機油用及び作動油用の潤滑油組成物として好適である。
Claims (5)
- 重合体(A)及び重合体(B)からなる重合体(P)とパラフィン油(K)とを含有する潤滑油組成物であって、
重合体(A)が、構成単量体として重合体(A)を構成する単量体の総モル数に基づいてメチル(メタ)アクリレート(a−1)を20〜40モル%、炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−2)を50〜70モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a−3)を5モル%以上20モル%未満含有する重合体であり、重合体(B)が、構成単量体として重合体(B)を構成する単量体の総モル数に基づいて炭素数12〜13のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−1)を60〜80モル%、炭素数14〜20のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(b−2)を20〜40モル%含有する重合体である潤滑油組成物。 - 重合体(P)の重量に基づいて重合体(A)を90〜99重量%及び重合体(B)を1〜10重量%含有する請求項1に記載の潤滑油組成物。
- 重合体(P)の重量平均分子量が50,000〜80,000である請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
- 重合体(P)が73重量%、パラフィン油(K)が27重量%の混合物の100℃の動粘度が540〜800mm2/sである請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
- エンジン油用、駆動系潤滑油用、自動変速機油用又は作動油用である請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
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