JP2003147288A - 粘着剤転写テープおよび積層体 - Google Patents

粘着剤転写テープおよび積層体

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JP2003147288A
JP2003147288A JP2001344113A JP2001344113A JP2003147288A JP 2003147288 A JP2003147288 A JP 2003147288A JP 2001344113 A JP2001344113 A JP 2001344113A JP 2001344113 A JP2001344113 A JP 2001344113A JP 2003147288 A JP2003147288 A JP 2003147288A
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release
film
transfer tape
release film
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JP2001344113A
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Masufumi Hayashi
益史 林
Sachiko Takei
▲祥▼子 武井
Kazuo Taima
一夫 泰磨
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Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後から剥がされる剥離フィルムの基材に特段
の留意を払うことにより、偏光板積層体・位相差板積層
体にしたときのクロスニコル法による異物検査が容易で
かつ光干渉色が生じにくく、また二軸延伸ポリエステル
フィルムを基材として用いた場合のように、使用用途に
応じて使用部位を分ける必要もなく、TFT用途などの
異物に対する要求が厳しい用途に対しても巾方向の実質
的に全巾が使用できるようにした粘着剤転写テープを提
供すること、またその粘着剤転写テープを用いた積層体
を提供することを目的とする。 【解決手段】 粘着剤層(3) を剥離レベルの異なる2枚
の剥離フィルム(1), (2)で挟んだ構造を有する粘着剤転
写テープである。重剥離面側の第1剥離フィルム(1) お
よび軽剥離面側の第2剥離フィルム(2) のうち少なくと
も第1剥離フィルム(1) を構成する基材(1a)が、配向主
軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステルフィ
ルムからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着剤層を剥離レ
ベルの異なる2枚の剥離フィルムで挟んだ構造を有する
粘着剤転写テープに関するものである。さらに詳しく
は、その軽剥離面側の剥離フィルムを剥離除去してから
その残余を偏光板や位相差板に貼着して積層体を作製し
たときに、その積層体の目視検査が容易な粘着剤転写テ
ープに関するものである。また、そのような粘着剤転写
テープを、偏光板や位相差板のような液晶ディスプレイ
用部材に貼着した積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】〈偏光板積層体、位相差板積層体〉偏光
板または位相差板の製造工程においては、(イ)偏光板
または位相差板に保護フィルムを貼着した後、その反対
面を粘着加工して、その粘着加工面に剥離フィルムを貼
着被覆するか、あるいは、(ロ)剥離フィルムに粘着加
工を施して、その粘着加工面に、保護フィルムで表面を
保護した偏光板または位相差板の表面保護フィルムとは
反対側の面を貼着することにより、偏光板積層体または
位相差板積層体を製造している。
【0003】〈異物検査〉液晶ディスプレイに使用され
るこうした偏光板積層体(偏光板に粘着加工を施し、そ
の粘着加工面に剥離フィルムを貼着したもの)または位
相差板積層体(位相差板に粘着加工を施し、その粘着加
工面に剥離フィルムを貼着したもの)にあっては、剥離
フィルムを剥離して検査すると異物の混入が大問題とな
るため、積層体のままの状態で異物検査を行うのが一般
的である。異物の検査にあたっては、クロスニコル法
(2枚の偏光板を延伸軸を直交させた状態に配置し、そ
の偏光板の間にサンプルフィルムを置き、透過光により
異物を検査する方法)を用いて目視検査するのが一般的
である。
【0004】〈二軸延伸ポリエステルフィルムにかかる
文献〉本発明におけるような粘着剤転写テープにかかる
ものではないが、特開平7−101026号公報には、
偏光板、位相差偏光板または位相差板の一方の表面に粘
着層を設け、その粘着層の表面に透明な二軸配向芳香族
ポリエステルフィルムをベースフィルムとした離型フィ
ルムを設けた積層体であって、該積層体が、その離型フ
ィルムにおける二軸配向芳香族ポリエステルフィルムの
マイクロ波透過分子配向計で測定された配向主軸の方向
と、偏光板、位相差偏光板または位相差板の配向軸の方
向が、実質的に同じであるか実質的に90度となるよう
に位置されているようにした積層体ならびにその積層体
に使用される離型フィルムが示されている。その二軸配
向芳香族ポリエステルフィルムのマイクロ波透過型分子
配向計で測定したMOR(Maximum Oriented Ratio)値
(透過マイクロ波強度の最大値/最小値の比)が 1.3〜
1.8 であり、該MOR値の最小値と最大値の差が 0.2以
下であることについても記載がある。その二軸配向芳香
族ポリエステルフィルムの少なくとも片面の表面にシリ
コーンコーティングによる離型性付与処理した離型フィ
ルムについても記載があり、硬化性シリコーン樹脂とし
ては、縮合反応系のもの、付加反応系のもの、紫外線も
しくは電子線硬化系のものなどいずれの反応系のものも
用いることができるとの記載もある。
【0005】同様に、本発明におけるような粘着剤転写
テープにかかるものではないが、特開平9−31478
2号公報には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に付加重合型シリコーン樹脂を主成分とする離型層を設
けた離型フィルムであって、そのポリエステルフィルム
のマイクロ波透過型分子配向計で測定したMOR値が1.
3〜1.8 であり、該MOR値の最小値と最大値の差が 0.
2以下であり、さらにはリターデーション値やその他の
要件を規定した、偏光板、位相差偏光板または位相差板
の検査に用いる離型フィルムが示されている。離型フィ
ルムのベースフィルムとしては、二軸配向ポリエステル
フィルムが用いられるとしている。
【0006】〈一軸延伸ポリエステルフィルムにかかる
文献〉剥離フィルムとしての使い方については何ら言及
がなく、また本発明におけるような粘着剤転写テープに
かかるものでもないが、特開2000−52417に
は、配向主軸の最大歪みが10度以下であり、150℃
における熱収縮率が1%以下である一軸延伸ポリエステ
ルフィルム(殊にフィルム巾方向に延伸したもの)が示
されている。この一軸延伸ポリエステルフィルムは、液
晶表示用途などの光学用フィルム(液晶表示装置のフィ
ルム基板、偏光板の保護フィルム、位相差板、拡散板)
を想定している。
【0007】偏光板や位相差板などの液晶表示装置の構
成部材の表面保護フィルムにかかるものであり、本発明
におけるような粘着剤転写テープにかかるものではない
が、特開2000−94565には、表面保護フィルム
を構成する基材フィルムが、リターデーション値100
0nm以上の一軸異方性高分子フィルムで構成されている
表面保護フィルムが示されている。
【0008】本発明におけるような粘着剤転写テープに
かかるものではないが、特開2000−206335に
は、直線偏光板と位相差板とが積層されている複合偏光
板の両面にそれぞれ保護フィルムが貼着されている保護
フィルム貼着複合偏光板であって、少なくとも一方の面
に貼着されている保護フィルムは一軸に配向している保
護フィルムである保護フィルム貼着複合偏光板が示され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】〈従来の方法の問題
点〉先に述べた(イ)や(ロ)の方法で偏光板積層体ま
たは位相差板積層体を製造する場合には、ロール加工す
るのが一般的である。そのときには、加工の都度、偏光
板・位相差板や剥離フィルムのテンション調節やニップ
条件のコントロールなど機械の調節を行いながら、加工
を行うのが通常である。また、偏光板・位相差板や剥離
フィルムに厚みバラツキやタルミなどがある場合には、
それに合った調整が必要となる。
【0010】しかしながら、これらの方法によっては、
実際の粘着加工に際してどうしても加工ロスが出てしま
い、加工ロットが大きい場合には影響が少ないものの、
加工ロットが小さい場合には、このロスの占める割合が
大きくなり、結果的には歩留まりが著しく低下してしま
う。偏光板や位相差板は高価であるので、この歩留まり
の低下は製品コストに大きく影響を及ぼしている。また
これらの加工方法においては、粘着加工後に粘着剤の熟
成が必要なため、納期の短いものには対応できないとい
う問題もある。近年は、偏光板積層体または位相差板積
層体の品種も増えかつ納期も短くなる傾向があり、すな
わち、加工ロットが小さくなりかつ短納期への対応が必
要となってきているが、上記の方法によってはそのよう
な事態に対処できないのが実情である。
【0011】〈粘着剤転写テープの使用の着想とその問
題点〉本発明者らは、粘着剤を剥離レベルの異なる2枚
の剥離フィルムで挟んだ構造を有する粘着剤転写テープ
を用いて偏光板積層体または位相差板積層体を製造する
ことを着想した。すなわち、偏光板または位相差板と粘
着剤転写テープとを準備しておき、貼合機で偏光板また
は位相差板と粘着剤転写テープとを貼り合わせることに
より、必要なグレードの偏光板積層体または位相差板積
層体を必要な数量だけ製造するのである。この方法にお
いては、粘着剤の熟成が終了している粘着剤転写テープ
を使用するため、貼合機で偏光板または位相差板と粘着
剤転写テープとを貼り合わせた製品は、熟成せずにその
まま出荷でき、短納期品にも対応が効くようになること
が期待できる。
【0012】このような粘着剤転写テープに使用される
剥離フィルムとしてまず考えられるのは、基材として二
軸延伸ポリエステルフィルムを用い、その表面を剥離剤
で剥離加工したものである。その使用に際しては、粘着
剤転写テープの軽剥離面側の剥離フィルムを剥離除去
し、残余の層の露出した粘着層の側を偏光板または位相
差板に貼合するため、重剥離面側の剥離フィルムは偏光
板積層体または位相差板積層体に残ることとなる。
【0013】ところが、偏光板積層体または位相差板積
層体に残る粘着剤転写テープの重剥離面側の剥離フィル
ムとして、上記の二軸延伸ポリエステルフィルムを基材
とするものを用いた場合、基材の結晶配向主軸の方向が
フィルム巾方向の位置によって大きく変化し、特に巾方
向の端に近づくに従ってこの変化の度合いが大きくなる
傾向にあるため、二軸延伸ポリエステルフィルムを使用
した剥離フィルム自体の配向主軸の方向もフィルム巾方
向の位置によって大きく変化してしまうことが判明し
た。そして配向主軸の方向が変化すると、クロスニコル
法による外観検査時に光干渉色が生じて検査が難しくな
り、異物を見落とすおそれが高くなる。
【0014】そこで、TFT用途など異物に対する要求
が厳しい用途には、二軸延伸ポリエステルフィルムの中
でも比較的結晶配向主軸の方向の変化が少ない巾方向の
中央部を指定して使用することも考えられるが、原反中
央取りでは所定巾のフィルムから取れる製品枚数に限り
があることや、偏光板積層体または位相差板積層体の加
工巾が600mm程度であったものが1300mm程度にな
ったこともあり、TFT用途などの異物に対する要求が
厳しい用途が増加している状況では、二軸延伸ポリエス
テルフィルムを基材として用いた剥離フィルムでは市場
の要求に対応しきれないことになる。
【0015】〈発明の目的〉本発明は、このような背景
下において、後から剥がされる剥離フィルムの基材とな
るフィルムに特段の留意を払うことにより、偏光板積層
体(位相差板兼用の偏光板積層体を含む)または位相差
板積層体にしたときのクロスニコル法による異物検査が
容易でかつ光干渉色が生じにくく、従って特に大型の偏
光板においても異物の見落としを少なくすることでき、
さらには、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材として
用いた場合のように、使用用途に応じて使用部位を分け
る必要もなく、TFT用途などの異物に対する要求が厳
しい用途に対しても巾方向の実質的に全巾が使用できる
ようにした粘着剤転写テープを提供することを目的とす
るものである。また、そのような粘着剤転写テープを、
偏光板や位相差板のような液晶ディスプレイ用部材に貼
着した積層体を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着剤転写テー
プは、粘着剤層(3) を剥離レベルの異なる2枚の剥離フ
ィルム(1), (2)で挟んだ構造を有する粘着剤転写テープ
であって、重剥離面側の第1剥離フィルム(1) および軽
剥離面側の第2剥離フィルム(2) のうち少なくとも第1
剥離フィルム(1) を構成する基材(1a)が、配向主軸の最
大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステルフィルムか
らなることを特徴とするものである。
【0017】本発明の積層体は、上記の粘着剤転写テー
プから第2剥離フィルム(2) を剥離除去した残余のもの
を、液晶ディスプレイ用部材に貼着してなるものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0019】〈用語の説明〉本明細書においては、説明
の便宜上、「剥離フィルム」の用語のほか、「離型フィ
ルム」の用語を使っている個所(従来技術の説明の個
所)があるが、これらは同義である。
【0020】「粘着剤転写テープ」の「テープ」は、狭
巾の帯状物はもちろん、広巾のものやロール状に巻回さ
れたもの、あるいはロール状に巻回されていない枚葉物
をも含む概念である。
【0021】本発明における「粘着剤転写テープ」と
は、芯地(芯材)なしの粘着剤層が2枚の剥離フィルム
で挟まれた層構成を有するものであり、ノンサポートテ
ープと称することもできる。
【0022】ちなみに、「粘着剤転写テープ」と類似の
通常の「両面粘着テープ」は、サポートとなる芯地(芯
材)の両面に粘着剤層が設けられ、そのような「粘着剤
層/芯地/粘着剤層」からなる粘着体の両面に剥離フィ
ルムが配設された構造を有し、剥離フィルム以外の層に
着目した場合、サポート付きの粘着剤層になっている。
しかしながら、この「両面粘着テープ」は、次のような
問題点があるため、実際上は不適当である。 ・芯地(芯材)としては一般には織布、不織布、紙など
を用いるのが通常であるが、光学特性を配慮すると、二
軸延伸ポリエステルフィルムやセルロース誘導体系のフ
ィルムを用いることになる。ところが、そのようなフィ
ルムを用いても、前者の場合にはクロスニコル検査性の
点で難があり、後者の場合には高コストとなる。 ・芯地なしの「粘着剤転写テープ」と比べてテープ厚が
厚くなるので、光学特性の面からはマイナスになる。 ・「両面粘着テープ」にあっては、両面を剥離加工した
剥離フィルムの片面に粘着剤層を設け、巻回してエージ
ングを行うが、このとき剥離フィルムの収縮によって巻
回の状態が締まることがあり(巻き締まりという)、そ
のために波打ちを生ずるなどして、粘着剤層の光学特性
が悪影響を受ける傾向がある。(なお、「粘着剤転写テ
ープ」にあっても巻き締まりは発生するが、隣り合う巻
回層間での摺動が可能なので、光学特性は悪影響を受け
にくい。) ・液晶表示部材用積層体としたとき、剥離フィルムを剥
がすには、粘着テープを用いて剥離開始のためのきっか
けを得ているが、「両面粘着テープ」を用いると、その
ような方法は採用できない。
【0023】〈本発明の粘着剤転写テープの構造〉本発
明の粘着剤転写テープは、粘着剤層(3) を剥離レベルの
異なる2枚の剥離フィルム(1), (2)で挟んだ構造を有す
る。剥離性が得られるようにするため、剥離フィルム
(1), (2)を構成するそれぞれの基材は、それらの少なく
とも粘着剤層(3) と接する側の面が剥離加工されてい
る。剥離レベルの異なる2枚の剥離フィルム(1), (2)の
うち、重剥離面側(剥離の重い側)の剥離フィルムを第
1剥離フィルム(1) 、軽剥離面側(剥離の軽い側)の剥
離フィルムを第2剥離フィルム(2) とする。
【0024】〈重剥離面側の第1剥離フィルム(1) 〉そ
して本発明においては、上記の重剥離面側の第1剥離フ
ィルム(1) および軽剥離面側の第2剥離フィルム(2) の
うち、少なくとも第1剥離フィルム(1) を構成する基材
(1a)が、配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポ
リエステルフィルムからなる。この点が本発明のポイン
トとなる特徴点である。
【0025】(基材(1a)としての一軸延伸ポリエステル
フィルム)重剥離面側の第1剥離フィルム(1) を構成す
る基材(1a)、つまり、配向主軸の最大歪みが10度以下
の一軸延伸ポリエステルフィルムに用いられるポリエス
テルの種類については、光学特性が保たれるものであれ
ば特に制約はないものの、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどがあげられ
る。これらの樹脂は、単独で使用しても、2種以上をブ
レンドしてもよい。耐熱性やその後のシリコーン処理の
しやすさの観点からは、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレートが好適であり、さらにコスト
の点を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートが最も
実際的である。
【0026】基材(1a)である一軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、加熱時の巾方向の配向主軸の変化を小さくする
観点から、横一軸延伸フィルムであることが特に望まし
い。この一軸延伸ポリエステルフィルムの製造法に特に
制限はないが、一般的には、上記のポリエステルを溶融
してシート状に押出すことにより無配向のポリエステル
シートを得、そのシートをガラス転移点以上の温度にお
いてテンター方式により横延伸した後、熱固定する方法
が採用される。延伸倍率については、極端に低いとフィ
ルムの透明性が低下する傾向があり、一方必要以上に高
くする意味もないので、3〜6倍程度とすることが多
い。このような延伸倍率とすれば、透明性も良好とな
り、透過率で示せば80%以上のものが得られる。
【0027】上記の一軸延伸ポリエステルフィルムは、
縦一軸延伸フィルムであってもよい。縦一軸延伸フィル
ムは、生産性の点から有利である。
【0028】この一軸延伸ポリエステルフィルムの厚み
にも特に制限はないが、使用時の取り扱いのしやすさや
コストなどの観点から、6〜188μm 程度とすること
が好ましい。
【0029】そして本発明においては、先に述べたよう
に、基材(1a)である一軸延伸ポリエステルフィルムとし
て、配向主軸の最大歪みが10度以下(好ましくは7度
以下、さらに好ましくは5度以下)のものを用いること
を必須の要件とする。配向主軸の最大歪みが10度を越
えると、偏光板積層体または位相差板積層体にした際の
クロスニコル法による外観検査時に光干渉色が生じてし
まうため検査が難しくなり、異物を見落とす懸念があ
る。
【0030】一般の二軸延伸ポリエステルフィルムにあ
っては、基材の結晶配向主軸の方向が、フィルム巾方向
の位置によって大きく変化する。これに対し、上記の配
向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステル
フィルムにあっては、この巾方向の配向主軸の方向のば
らつきが抑えられている。そのため、偏光板積層体また
は位相差板積層体にした際のクロスニコル法による外観
検査時に、光干渉色を生じがたく、均一性が保たれた製
品を供することができる。とりわけ、大型の偏光板積層
体または大型の位相差板積層体に対して、非常に有効な
ものとなる。
【0031】配向主軸の歪みの測定は、フィルムがロー
ル状の長尺品の場合はフィルムを長手方向に1000m
m、巾方向に全巾を切り出し(シート状サンプルの場合
は試料形状に内接する面積最大の長方形を描き)、その
長方形の頂点と2辺を共有する100mm四方の正方形を
4つの頂点から切り出し、配向主軸をマイクロ波によっ
て求め、最初に測定した点の分子配向性を0度としたと
きに他の3点の配向角が最も差の大きいものから最大値
を求めることによりなされる(従来の技術の項で述べた
特開2000−52417の段落0017を参照)。
【0032】上記の一軸延伸ポリエステルフィルムに
は、必要に応じて、コロナ放電処理や易接着コート剤の
塗工等の易接着処理を施したり、部分印刷を施したりし
てもよい。
【0033】(付加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層
(1b))重剥離面側の第1剥離フィルム(1) の基材(1a)で
ある上記の一軸延伸ポリエステルフィルムの少なくとも
片面には、剥離剤を用いて剥離加工がなされる。
【0034】ところが、上述の配向主軸の最大歪みが1
0度以下の一軸延伸ポリエステルフィルムは、二軸延伸
ポリエステルフィルムに比しては耐熱性が不足する。そ
こで、上記の一軸延伸ポリエステルフィルムへの剥離加
工は、付加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化
して、硬化層(1b)を形成することが特に好ましい。
【0035】剥離剤としては、非常に軽い(たとえば剥
離フィルムの剥離強度でおおよそ500mN/50mm 以下
の)剥離性能が得られる剥離特性のすぐれたシリコーン
系剥離剤が用いられるが、基材の耐熱性が乏しいことか
ら、本発明の目的には、シリコーン系剥離剤の中でも比
較的低温で硬化する付加反応型シリコーン系剥離剤を用
いることが好ましい。付加反応型シリコーン系剥離剤で
あれば、光開始剤を添加して、「熱+紫外線」硬化タイ
プにしたシリコーンであってもよい。
【0036】このときには、一軸延伸ポリエステルフィ
ルムに付加反応型シリコーン系剥離剤を塗布後、130
℃以下の温度で乾燥硬化して、硬化層(1b)を形成するこ
とが特に望ましい。130℃を越える温度で乾燥硬化さ
せると、一軸延伸ポリエステルフィルムが熱収縮して、
波形のシワが残ってしまったり、配向主軸の歪みが増大
したりして、クロスニコル法による異物検査精度が低下
するおそれがあるからである。
【0037】なお、熱をかけないシリコーン系剥離剤と
して、紫外線硬化タイプのアクリルシリコーン、メルカ
プト基含有シリコーンおよびエポキシ基含有シリコーン
も存在するが、反応性を上げるために嵩高い官能基を有
しているため剥離性が劣り、本発明の目的には必ずしも
適していない。
【0038】なお、剥離が重い(たとえば剥離フィルム
の剥離強度でおおよそ980mN/50mm以上の)剥離剤
は、偏光板や位相差板から剥離フィルムを剥がす際に粘
着剤表面を荒らしてしまい、その偏光板や位相差板をガ
ラス等に貼着したときに外観が悪くなる。そのため、付
加反応型シリコーン系剥離剤の中でも、残留接着性を落
とさない範囲で、剥離が軽いタイプが好ましい。ただ
し、付加反応型シリコーン系剥離剤の中には、移行成分
を剥離剤中に含み剥離を軽くしている軽剥離タイプのシ
リコーンがあるが、そのような移行成分を剥離剤中に含
むシリコーンを使用したときは残留接着性が低下する傾
向があり、本発明の使用用途が偏光板積層体または位相
差板積層体という点を考慮すると、移行成分を剥離剤中
に含むシリコーンは本発明には適していない。というの
は、偏光板積層体または位相差板積層体で残留接着性の
悪い剥離フィルムを使用した場合、偏光板または位相差
板をガラス等に貼着した後に、偏光板または位相差板と
ガラスとの密着性を向上するためにオートクレーブをか
けるが、このときに粘着剤の接着力が本来の接着力より
も落ちているため、オートクレーブ処理後に加圧状態か
ら急激に常圧に戻す際に、偏光板や位相差板に浮きや気
泡が発生するおそれがあるからである。基材との密着性
を向上する目的で、シランカップリング剤などの密着性
向上剤を添加することは可能である。
【0039】硬化層(1b)を形成するときの離型剤の塗工
量は、特に制限はないものの、剥離性能を考慮すると、
0.03〜2g/m2程度、殊に0.05〜0.4 g/m2程度とすること
が好ましい。基材の種類によっても異なるが、0.03 g/m
2 未満であると剥離性能が不足しがちになり、一方2g/
m2を越えると、剥離シートをロール状に巻いたときにシ
リコーン塗工面と塗工背面とがブロッキングを起こすお
それがある。
【0040】硬化層(1b)の形成は、グラビアコーティン
グ、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティ
ング、ドクターナイフコーティングなどの種々の方法に
よりシリコーン系離型剤を基材に塗布した後、加熱処
理、紫外線照射などの方法で乾燥、硬化させることによ
り達成することができる。
【0041】これにより、基材(1a)としての上記の一軸
延伸ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、付加反
応型シリコーン系剥離剤の硬化層(1b)が設けられた構造
を有する第1の離型フィルムが得られる。このときの層
構成は、(1a)/(1b) または(1b)/(1a)/(1b)である。
【0042】〈軽剥離面側の第2剥離フィルム(2) 〉軽
剥離面側の第2剥離フィルム(2) としては、基材(2a)の
少なくとも片面に剥離剤を用いて剥離加工がなされたも
のを用いる。
【0043】第2剥離フィルム(2) を構成する基材(2a)
は、偏光板または位相差板への貼合時に剥離除去される
ので、配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリ
エステルフィルムであるという制限は受けない。たとえ
ば、配向主軸の最大歪みが10度を越える一軸延伸ポリ
エステルフィルムであってもよく、二軸延伸ポリエステ
ルフィルムであってもよく、他の無延伸のまたは延伸さ
れたフィルムであってもよい。他のフィルムの例として
は、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィル
ム、セルロース誘導体系フィルム、ポリカーボネート系
フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、各
種液晶ポリマーフィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、
ポリ塩化ビニリデン系フィルム、各種生分解フィルムな
どがあげられる。
【0044】基材(2a)の少なくとも片面には剥離剤を用
いて剥離加工がなされるが、このときの剥離剤は、第1
剥離フィルム(1) の硬化層(1b)の形成の場合と同様に、
付加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化して、
硬化層(2b)を形成することが望ましい。ただし、第2剥
離フィルム(2) を構成する基材(2a)としては耐熱性を有
するものを選択することができるので、そのときには付
加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化した硬化
層に限られない。
【0045】〈帯電防止層(1c), (2c)〉重剥離面側の第
1剥離フィルム(1) は、必要に応じ、帯電防止層(1c)を
有していてもよい。同様に軽剥離面側の第2剥離フィル
ム(2) も、必要に応じ、帯電防止層(2c)を有していても
よい。帯電防止層(1c), (2c)の付加により、第1、第2
剥離フィルム(1), (2)の剥離時の剥離帯電が防がれ、ま
たそれらの剥離フィルムに粘着剤を加工するときの静電
気の発生や帯電が防止できる。
【0046】帯電防止層(1c), (2c)は、第1剥離フィル
ム(1) の基材(1a)または/および第2剥離フィルム(2)
の基材(2a)の表面に、 ・金属または金属酸化物からなる帯電防止成分を蒸着ま
たはコーティングする方法、 ・シリケート化合物をコーティングする方法、 ・公知の帯電防止剤をコーティングする方法 などにより設けられる。
【0047】ここで金属または金属酸化物としては、ア
ルミニウム、ケイ素、銅、銀、金、インジウムなどの金
属、これらの金属の酸化物または複合酸化物があげられ
る。光学用途に使用するものであるため、透明性が良い
ものが好ましく、この観点からは、酸化インジウムやシ
リカの蒸着層が好適である。
【0048】シリケート化合物も、形成される帯電防止
層(1c), (2c)の透明性が良いので、この目的に好適であ
る。
【0049】帯電防止剤としては、シリコーン系離型剤
の硬化を阻害しないものであれば公知のもののいずれで
も使用でき、たとえば、カチオン系活性剤、第四アンモ
ニウム塩、ピリニジウム塩、第一級アミン、第三級アミ
ン、ピリジン誘導体、ステアロアミドプロピルジメチル
−β−ヒドロキシエチル・アンモニウム・ニトレート、
ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチ
ル・アンモニウム・ジヒドロゲン・ホスフェート、特殊
アミン化合物、アルキル型リン酸エステル、ナトリウム
・アルキル・ジフェニルエーテル・ジスルホネート、変
性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトスルフェー
ト、アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、多価アルコール系誘導体、ノニオン系活性剤、ア
ルキルアミン誘導体、アルキルホスフェートアミン塩、
脂肪酸エステル類、アルキルジエタノールアミド、ポリ
エチレングリコールエステル、両性活性剤、有機ホウ素
系化合物、ポリチオフェン、ポリアニリン、官能基含有
ポリマーなどは、市場で入手しうる帯電防止剤の例であ
る。
【0050】これらの帯電防止剤は、基材(1a), (2a)に
公知の方法によりコーティングされる。具体的には、グ
ラビアコーティング、メイヤーバーコーティング、エア
ーナイフコーティング、ドクターナイフコーティングな
どの方法が採用される。帯電防止剤の塗布量については
特に制限されるものではなく、帯電防止剤の種類や必要
とする帯電防止性能を考慮して決めればよい。
【0051】帯電防止層(1c), (2c)を設ける面は、爾後
の工程である剥離剤を塗布する面であってもよく、剥離
剤塗布側とは反対面であってもよい。
【0052】〈剥離性の差〉本発明の粘着剤転写テープ
にあっては、重剥離面側の第1剥離フィルム(1) と軽剥
離面側の第2剥離フィルム(2) との間に剥離レベルの差
が出るようにする。今、中間層である粘着剤層(3) に対
する第1剥離フィルム(1) 、第2剥離フィルム(2) の剥
離力をそれぞれW1 、W2 とするとき、W1 /W2 の比
を 1.5〜5(殊に2〜3)に設定することが好ましい。
この比が 1.5未満のときは、第2剥離フィルム(2) を剥
離する際に第2剥離フィルム(2) にも部分的に粘着剤が
付着する「泣き別れ」現象を招くおそれがあり、一方、
この比が5を越えるときは、上記のような「泣き別れ」
現象は起こさないが、第1剥離フィルム(1) の剥離が重
すぎて使用しにくくなるという問題が発生することがあ
る。
【0053】〈粘着剤層(3) 〉粘着剤層(3) を構成する
粘着剤としては、種々の粘着剤を用いることができる
が、一般的には、ソフトセグメントとなるモノマー(エ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート等)と、ハードセグメントとなるモ
ノマー(メチルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリロ
ニトリル、スチレン等)とを共重合したもの、あるいは
これらにさらにアクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等の官能基含有モノマーも共重合したアクリル系の粘
着剤が好適に用いられる。イソシアネート系硬化剤など
を配合した2液型とし、塗布後に乾燥、キュアして架橋
反応させることもできる。これらの粘着剤は、1種類で
もよいが、2種類以上を混合したり、2種類以上を積層
したりしてもよい。
【0054】粘着剤の塗布は、ダイコーター、グラビア
ロールコーター、コンマコーター、エアナイフコーター
などを用いて行うことができる。粘着剤層(3) の厚み
は、1〜200μm (殊に5〜50μm )程度とするこ
とが多い。粘着剤は、第2剥離フィルム(2) に塗布して
から、加熱乾燥後に第1剥離フィルム(1) を貼合する方
法であってもよく、第1剥離フィルム(1) に塗布してか
ら、加熱乾燥後に第2剥離フィルム(2) を貼合する方法
であってもよい。
【0055】粘着剤層(3) の粘着力は、ガラス被着体に
対する粘着力で、0.98〜19.6 N/25mm 程度とすることが
多い。また、粘着剤層(3) は、光学用途に使用するた
め、透明性の高いものが好適であり、粘着剤層(3) 自体
の透過率(全光線透過率)が95%以上であることが好
ましい。ここで透過率は、粘着剤転写テープの第2剥離
フィルム(2) を剥離して厚み3mmの石英板に貼合し、つ
いで、第1剥離フィルム(1) を剥離した状態で透過率測
定計にて測定した値である。
【0056】〈液晶ディスプレイ用部材への貼着〉上述
の粘着剤転写テープは、偏光板、位相差板のような液晶
ディスプレイ用部材に適用される。このときには、粘着
剤転写テープから第2剥離フィルム(2) を剥離除去した
残余を、偏光板や位相差板の表面に貼着する。これによ
り、偏光板積層体(位相差板兼用の偏光板積層体も含
む)や位相差板積層体が得られる。
【0057】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、マイクロ波による主軸の配向角の測定には、
王子計測機器株式会社製の分子配向計「MOA−200
1A」を用いた。
【0058】〈離型フィルムの作製〉 実施例1 図1は本発明の粘着剤転写テープの一例を示した断面図
である。
【0059】厚みが38μm で、配向主軸の最大歪みが
4度の一軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会
社製の「エステル K1581」、ポリエチレンテレフ
タレートの横一軸延伸フィルム)(基材(1a)の一例)の
片面に、付加反応型シリコーン系離型剤である東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン株式会社製の「SRX−21
1」(触媒「SRX−212」を「SRX−211」1
00重量部に対して2重量部添加)100重量部に対し
て重剥離添加剤(信越化学工業株式会社製「X92−1
28」を20重量部加えた剥離剤を固形分として 0.2 g
/m2 となるように塗布した後、120℃の熱風循環式オ
ーブン中にて30秒間乾燥硬化させて硬化層(1b)を形成
させた。これにより、(1a)/(1b) の層構成を有する重剥
離面側の第1剥離フィルム(1) が得られた。
【0060】なお、上記において乾燥硬化のための加熱
条件を120℃×30秒間としたのは、加熱条件を種々
変更した予備的実験において、たとえば150℃×30
秒間という高温硬化条件では、若干波状のうねりが生じ
て実使用で偏光板積層体にしたときに貼合しにくくなる
おそれがあったため、最適の結果が得られた120℃×
30秒間の条件を採用したためである。
【0061】一方、厚み38μm の二軸延伸ポリエステ
ルフィルム(東洋紡績株式会社製の「エステル E51
00」)(基材(2a)の一例)の片面に、付加反応型シリ
コーン系離型剤である東レ・ダウコーニング・シリコー
ン株式会社製の「SRX−211」(触媒「SRX−2
12」を「SRX−211」100重量部に対して2重
量部添加)を固形分として 0.2 g/m2 となるように塗布
した後、120℃の熱風循環式オーブン中にて30秒間
乾燥硬化させて硬化層(2b)を形成させた。これにより、
(2a)/(2b) の層構成を有する軽剥離面側の第2剥離フィ
ルム(2) が得られた。
【0062】上記で得た重剥離面側の第1剥離フィルム
(1) の剥離剤処理面に、アクリル系の2液型の溶剤タイ
プの粘着剤(綜研化学株式会社製の「SKダイン200
3」)100重量部にイソシアネート系硬化剤(日本ポ
リウレタン株式会社製の「コロネートL−45」1重量
部を添加した組成物を、乾燥基準で25μm となるよう
に塗布した後、90℃の熱風循環式オーブン中にて2分
間乾燥した後、軽剥離面側の第2剥離フィルム(2) の剥
離剤処理面側を貼着して、粘着剤転写テープを作製し
た。これを温度30℃の条件下に7日間エージングし、
粘着剤層(3) の硬化を図った。得られたサンプル(粘着
剤転写テープ)の粘着剤層(3) 自体の透過率は97%で
あった。
【0063】実施例2 実施例1において、軽剥離面側の第2剥離フィルム(2)
の基材(2a)として、重剥離面側の第1剥離フィルム(1)
と同じ基材(1a)を用いたほかは、実施例1と同様にして
粘着剤転写テープを作製した。
【0064】実施例3 図2は本発明の粘着剤転写テープの他の一例を示した断
面図である。
【0065】実施例1において、重剥離面側の第1剥離
フィルム(1) の片面に、シリコーン層形成前に、シリケ
ート化合物系の帯電防止剤(コルコート株式会社製の
「コルコート N−103X」)を固形分で0.05g/m2
なるように塗布した後、120℃の熱風循環式オーブン
にて30秒間乾燥させて帯電防止層(1c)を形成させた。
その後、その帯電防止層(1c)側に実施例1と同様にして
シリコーンを塗布、乾燥硬化させて硬化層(1b)を形成
し、(1a)/(1c)/(1b)の層構成を有する第1剥離フィルム
(1) を得た。(なお、第1剥離フィルム(1) 側に代えて
または第1剥離フィルム(1) 側と共に、第2剥離フィル
ム(2) の側に帯電防止層(2c)を設けて、(2a)/(2c)/(2b)
の層構成を有する第2剥離フィルム(2) とすることもで
きる。ただし、それらの態様は図2には示していな
い。)
【0066】この第1剥離フィルム(1) を用いて、実施
例1と同様にして粘着剤転写テープを作製した。得られ
た粘着剤転写テープの重剥離面側の第1剥離フィルム
(1) の離型面の表面抵抗を、三菱油化株式会社製の「ハ
イレスターIP」を用いて測定したところ、 5.6×10
9 Ωであった。
【0067】比較例1 重剥離面側の剥離フィルムの基材として、実施例1の一
軸延伸ポリエステルフィルムに代えて、配向主軸の最大
歪みが16度の二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡
績株式会社製の「エステル E5100」)を使用した
ほかは、実施例1と同様にして粘着剤転写テープを作製
した。
【0068】〈粘着剤転写テープの評価〉上記の実施例
1〜3および比較例1で得られた粘着剤転写テープの軽
剥離面側の剥離フィルムを剥離し、粘着剤層(3) 側の面
を偏光板に貼着して偏光板積層体を作製し、その積層体
について、剥離力、クロスニコル検査性を評価した。ま
た、得られた粘着剤転写テープの軽剥離面側の剥離フィ
ルムを剥離したときの粘着剤層(3) の泣き別れの有無を
調べた。
【0069】(剥離力)偏光板積層体を23℃、50%
RHの条件下に7日間放置した後、引張試験機を用い
て、180°ピール、 0.3 m/minの速度で重剥離面側の
剥離フィルムを剥離したときの剥離抵抗値を測定した。
【0070】(クロスニコル検査性)偏光板積層体を縦
30cm、横40cmになるようにカットしたものを2枚準
備した。この2枚の偏光板積層体を互いに直交するよう
に配置し、重なり合った30cm四方の部分の背後から光
を当てて、光の透過が均一になっているかどうかを観察
した。
【0071】(粘着剤層(3) の泣き別れの有無)得られ
た粘着剤転写テープの軽剥離面側の剥離フィルムを18
0°ピールで、0.3m/min と10m/min の速度で剥離し
たときに、粘着剤層(3) の泣き別れ(粘着剤層(3) が軽
剥離面側の剥離フィルムに部分的にとられる現象)を生
ずるかどうかを、目視にて観察し、軽剥離面側の剥離フ
ィルムに粘着剤層(3) がとられないものを良好とした。
【0072】(結果)結果を表1に示す。クロスニコル
検査性および泣き別れの有無については、○(良好)、
△(やや問題あり)、×(不良)の判定も付記した。剥
離力の単位「mN」は、「ミリニュートン」である。
【0073】
【表1】 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 剥離力 304 333 348 323 (mN/50mm) クロスニコル ○ほぼ均一 ○ほぼ均一 ○ほぼ均一 ×部分的に虹 検査性 模様あり 粘着剤層(3) の ○なし ○なし ○なし ○なし 泣き別れ現象
【0074】(解析)表1のように、実施例1〜3の粘
着剤転写テープは、偏光板に貼合して偏光板積層体にし
たときの重剥離面側の第1剥離フィルム(1) の剥離性が
良好であり、クロスニコル検査性も良好で、軽剥離面側
の第2剥離フィルム(2) を剥離したときの粘着剤層(3)
の泣き別れもなく、すぐれた結果が得られた。これに対
し、比較例1の粘着剤転写テープは、偏光板に貼合して
偏光板積層体にしたときのクロスニコル検査性が不良で
あった。
【0075】
【発明の効果】本発明にあっては、粘着剤転写テープの
重剥離面側の第1剥離フィルム(1) の基材(1a)となる一
軸延伸ポリエステルフィルムに特段の留意を払っている
ので、偏光板積層体(位相差板兼用の偏光板積層体を含
む)または位相差板積層体にしたときのクロスニコル法
による異物検査が容易でかつ光干渉色が生じにくく、従
って特に大型の偏光板においても異物の見落としを少な
くすることができ、さらには、二軸延伸ポリエステルフ
ィルムを基材として用いた場合のように、使用用途に応
じて使用部位を分ける必要もなく、TFT用途などの異
物に対する要求が厳しい用途に対しても巾方向の実質的
に全巾が使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着剤転写テープの一例を示した断面
図である。
【図2】本発明の粘着剤転写テープの他の一例を示した
断面図である。
【符号の説明】
(1) …(重剥離面側の)第1剥離フィルム、 (1a)…基材、 (1b)…(付加反応型シリコーン系剥離剤の)硬化層、 (1c)…帯電防止層、 (2) …(軽剥離面側の)第2剥離フィルム、 (2a)…基材、 (2b)…(付加反応型シリコーン系剥離剤の)硬化層、 (3) …粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 泰磨 一夫 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16号 藤森工業株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BB23 BB51 BB54 BB67 BC03 BC22 2K009 BB24 CC03 CC14 CC42 EE03 4J004 AA02 AA09 AA10 AA13 AA14 AB04 BA02 BA03 DA04 DB02 FA08 4J040 DB061 DE021 DF001 DF011 DF041 DF081 JA09 JB09 LA10 NA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘着剤層(3) を剥離レベルの異なる2枚の
    剥離フィルム(1), (2)で挟んだ構造を有する粘着剤転写
    テープであって、重剥離面側の第1剥離フィルム(1) お
    よび軽剥離面側の第2剥離フィルム(2) のうち少なくと
    も第1剥離フィルム(1) を構成する基材(1a)が、配向主
    軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステルフィ
    ルムからなることを特徴とする粘着剤転写テープ。
  2. 【請求項2】第1剥離フィルム(1) が、基材(1a)の少な
    くとも片面に付加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層(1
    b)が設けられた構造を有するものである請求項1記載の
    粘着剤転写テープ。
  3. 【請求項3】第1剥離フィルム(1) が帯電防止層(1c)を
    含んでいるか、または/および、第2剥離フィルム(2)
    が帯電防止層(2c)を含んでいる請求項1記載の粘着剤転
    写テープ。
  4. 【請求項4】液晶ディスプレイに使用するためのもので
    ある請求項1記載の粘着剤転写テープ。
  5. 【請求項5】請求項1の粘着剤転写テープから第2剥離
    フィルム(2) を剥離除去した残余のものを、液晶ディス
    プレイ用部材に貼着してなる積層体。
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