JP2003127286A - 離型フィルムおよびその製造法 - Google Patents

離型フィルムおよびその製造法

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JP2003127286A
JP2003127286A JP2001358478A JP2001358478A JP2003127286A JP 2003127286 A JP2003127286 A JP 2003127286A JP 2001358478 A JP2001358478 A JP 2001358478A JP 2001358478 A JP2001358478 A JP 2001358478A JP 2003127286 A JP2003127286 A JP 2003127286A
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Masufumi Hayashi
益史 林
Kazuo Taima
一夫 泰磨
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Fujimori Kogyo Co Ltd
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Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 離型フィルムの基材となるフィルムに特段の
留意を払うことにより、偏光板積層体または位相差板積
層体にしたときのクロスニコル法による異物検査が容易
でかつ光干渉色が生じにくく、従って特に大型の偏光板
においても異物の見落としを少なくすることでき、さら
には、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材として用い
た場合のように、使用用途に応じて使用部位を分ける必
要もなく、TFT用途などの異物に対する要求が厳しい
用途に対しても巾方向の実質的に全巾が使用できる離型
フィルムおよびその製造法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸
延伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面に、
付加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層(2)が設けら
れた構造を有する離型フィルムである。上記のフィルム
(1)の少なくとも片面に帯電防止層(3)を設け、さ
らに、その帯電防止層(3)付きのフィルム(1)の少
なくとも片面に硬化層(2)を設けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光板や位相差板
に適用する離型フィルムに関するものである。さらに詳
しくは、その離型フィルムを偏光板や位相差板の粘着加
工品の粘着面に貼着して積層体を作製したときに、その
積層体の目視検査が容易な離型フィルムに関するもので
ある。また、そのような離型フィルムを製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】〈離型フィルム、異物検査〉偏光板また
は位相差板の製造工程においては、偏光板または位相差
板に保護フィルムを貼着した後、反対面を粘着加工し
て、その粘着加工面に離型フィルムを貼着被覆すること
がなされる。
【0003】液晶ディスプレイに使用されるこうした偏
光板積層体(偏光板に粘着加工を施し、その粘着加工面
に離型シートを貼着したもの)または位相差板積層体
(位相差板に粘着加工を施し、その粘着加工面に離型シ
ートを貼着したもの)にあっては、離型フィルムを剥離
して検査すると異物の混入が大問題となるため、積層体
のままの状態で異物検査を行うのが一般的である。異物
の検査にあたっては、クロスニコル法(2枚の偏光板を
延伸軸を直交させた状態に配置し、その偏光板の間にサ
ンプルフィルムを置き、透過光により異物を検査する方
法)を用いて目視検査するのが一般的である。
【0004】特開平7−101026号公報には、偏光
板、位相差偏光板または位相差板の一方の表面に粘着層
を設け、その粘着層の表面に透明な二軸配向芳香族ポリ
エステルフィルムをベースフィルムとした離型フィルム
を設けた積層体であって、該積層体が、その離型フィル
ムにおける二軸配向芳香族ポリエステルフィルムのマイ
クロ波透過分子配向計で測定された配向主軸の方向と、
偏光板、位相差偏光板または位相差板の配向軸の方向
が、実質的に同じであるか実質的に90度となるように
位置されているようにした積層体ならびにその積層体に
使用される離型フィルムが示されている。その二軸配向
芳香族ポリエステルフィルムのマイクロ波透過型分子配
向計で測定したMOR(Maximum Orient
ed Ratio)値(透過マイクロ波強度の最大値/
最小値の比)が1.3〜1.8であり、該MOR値の最
小値と最大値の差が0.2以下であることについても記
載がある。その二軸配向芳香族ポリエステルフィルムの
少なくとも片面の表面にシリコーンコーティングによる
離型性付与処理した離型フィルムについても記載があ
り、硬化性シリコーン樹脂としては、縮合反応系のも
の、付加反応系のもの、紫外線もしくは電子線硬化系の
ものなどいずれの反応系のものも用いることができると
の記載もある。
【0005】同様に、特開平9−314782号公報に
は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に付加重合
型シリコーン樹脂を主成分とする離型層を設けた離型フ
ィルムであって、そのポリエステルフィルムのマイクロ
波透過型分子配向計で測定したMOR値が1.3〜1.
8であり、該MOR値の最小値と最大値の差が0.2以
下であり、さらにはリターデーション値やその他の要件
を規定した、偏光板、位相差偏光板または位相差板の検
査に用いる離型フィルムが示されている。離型フィルム
のベースフィルムとしては、二軸配向ポリエステルフィ
ルムが用いられるとしている。
【0006】〈一軸延伸ポリエステルフィルム〉離型フ
ィルムとしての使い方については何ら言及がないが、特
開2000−52417には、配向主軸の最大歪みが1
0度以下であり、150℃における熱収縮率が1%以下
である一軸延伸ポリエステルフィルム(殊にフィルム巾
方向に延伸したもの)が示されている。この一軸延伸ポ
リエステルフィルムは、液晶表示用途などの光学用フィ
ルム(液晶表示装置のフィルム基板、偏光板の保護フィ
ルム、位相差板、拡散板)を想定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】偏光板または位相差板
に使用される離型フィルムは、上記で引用した特開平7
−101026号公報や特開平9−314782号公報
にも記載のあるように、二軸延伸ポリエステルフィルム
にシリコーン等の剥離剤を処理したものが一般的であ
る。しかしながら、二軸延伸ポリエステルフィルムを基
材として使用した場合、基材の結晶配向主軸の方向がフ
ィルム巾方向の位置によって大きく変化し、特に巾方向
の端に近づくに従ってこの変化の度合いが大きくなる傾
向にあるため、二軸延伸ポリエステルフィルムを使用し
た離型フィルム自体の配向主軸の方向もフィルム巾方向
の位置によって大きく変化してしまう。そして配向主軸
の方向が変化すると、クロスニコル法による外観検査時
に光干渉色が生じて検査が難しくなり、異物を見落とす
懸念がある。そこで、TFT用途など異物に対する要求
が厳しい用途には、二軸延伸ポリエステルフィルムの中
でも比較的結晶配向主軸の方向の変化が少ない巾方向の
中央部を指定して使用しているのが現状であるが、原反
中央取りでは所定巾のフィルムから取れる製品枚数に限
りがあるため、TFT用途などの異物に対する要求が厳
しい用途が増加している状況では、市場の要求に量的に
対応しきれないのが現状である。
【0008】本発明は、このような背景下において、離
型フィルムの基材となるフィルムに特段の留意を払うこ
とにより、偏光板積層体(位相差板兼用の偏光板積層体
を含む)または位相差板積層体にしたときのクロスニコ
ル法による異物検査が容易でかつ光干渉色が生じにく
く、従って特に大型の偏光板においても異物の見落とし
を少なくすることでき、さらには、二軸延伸ポリエステ
ルフィルムを基材として用いた場合のように、使用用途
に応じて使用部位を分ける必要もなく、TFT用途など
の異物に対する要求が厳しい用途に対しても巾方向の実
質的に全巾が使用できるようにした離型フィルムおよび
その製造法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の離型フィルムの
一つは、配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポ
リエステルフィルム(1)の少なくとも片面に、付加反
応型シリコーン系剥離剤の硬化層(2)が設けられた構
造を有することを特徴とするものである。
【0010】本発明の離型フィルムの他の一つは、配向
主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステルフ
ィルム(1)の少なくとも片面に帯電防止層(3)が設
けられ、さらに、その帯電防止層(3)付きの一軸延伸
ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面に付加反
応型シリコーン系剥離剤の硬化層(2)が設けられた構
造を有することを特徴とするものである。
【0011】本発明の離型フィルムの製造法の一つは、
配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステ
ルフィルム(1)の少なくとも片面に、付加反応型シリ
コーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化することにより、硬化
層(2)を形成することを特徴とするものである。
【0012】本発明の離型フィルムの製造法の他の一つ
は、配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエ
ステルフィルム(1)の少なくとも片面に帯電防止層
(3)を形成し、さらに、その帯電防止層(3)付きの
一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面
に付加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化する
ことにより、硬化層(2)を形成することを特徴とする
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】〈第1の離型フィルムとその製造法〉第1
の離型フィルムは、配向主軸の最大歪みが10度以下の
一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面
に、付加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層(2)が設
けられた構造を有するものである。この第1の離型フィ
ルムは、一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の少なく
とも片面に、付加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾
燥硬化して、硬化層(2)を形成することにより製造さ
れる。
【0015】(一軸延伸ポリエステルフィルム(1))
上記の一軸延伸ポリエステルフィルム(1)に用いられ
るポリエステルの種類については、光学特性が保たれる
ものであれば特に制約はないものの、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどがあ
げられる。これらの樹脂は、単独で使用しても、2種以
上をブレンドしてもよい。耐熱性やその後のシリコーン
処理のしやすさの観点からは、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレートが好適であり、さらに
コストの点を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート
が最も実際的である。
【0016】一軸延伸ポリエステルフィルム(1)は、
加熱時の巾方向の配向主軸の変化を小さくする観点か
ら、横一軸延伸フィルムであることが特に望ましい。こ
の一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の製造法に特に
制限はないが、一般的には、上記のポリエステルを溶融
してシート状に押出すことにより無配向のポリエステル
シートを得、そのシートをガラス転移点以上の温度にお
いてテンター方式により横延伸した後、熱固定する方法
が採用される。延伸倍率については、極端に低いとフィ
ルムの透明性が低下する傾向があり、一方必要以上に高
くする意味もないので、3〜6倍程度とすることが多
い。このような延伸倍率とすれば、透明性も良好とな
り、透過率で示せば80%以上のものが得られる。
【0017】一軸延伸ポリエステルフィルム(1)は、
縦一軸延伸フィルムであってもよい。縦一軸延伸フィル
ムは、生産性の点から有利である。
【0018】一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の厚
みにも特に制限はないが、使用時の取り扱いのしやすさ
やコストなどの観点から、6〜188μm程度とするこ
とが好ましい。
【0019】そして本発明においては、上記の一軸延伸
ポリエステルフィルム(1)として、配向主軸の最大歪
みが10度以下(好ましくは7度以下、さらに好ましく
は5度以下)のものを用いることを必須の要件とする。
配向主軸の最大歪みが10度を越えると、偏光板積層体
または位相差板積層体にした際のクロスニコル法による
外観検査時に光干渉色が生じてしまうため検査が難しく
なり、異物を見落とす懸念がある。
【0020】一般の二軸延伸ポリエステルフィルムにあ
っては、基材の結晶配向主軸の方向が、フィルム巾方向
の位置によって大きく変化する。これに対し、上記の配
向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延伸ポリエステル
フィルム(1)にあっては、この巾方向の配向主軸の方
向のばらつきが抑えられている。そのため、偏光板積層
体または位相差板積層体にした際のクロスニコル法によ
る外観検査時に、光干渉色を生じがたく、均一性が保た
れた製品を供することができる。とりわけ、大型の偏光
板積層体または大型の位相差板積層体に対して、非常に
有効なものとなる。
【0021】配向主軸の歪みの測定は、フィルムがロー
ル状の長尺品の場合はフィルムを長手方向に1000m
m、巾方向に全巾を切り出し(シート状サンプルの場合
は試料形状に内接する面積最大の長方形を描き)、その
長方形の頂点と2辺を共有する100mm四方の正方形
を4つの頂点から切り出し、配向主軸をマイクロ波によ
って求め、最初に測定した点の分子配向性を0度とした
ときに他の3点の配向角が最も差の大きいものから最大
値を求めることによりなされる(従来の技術の項で述べ
た特開2000−52417の段落0017を参照)。
【0022】一軸延伸ポリエステルフィルム(1)に
は、必要に応じて、コロナ放電処理や易接着コート剤の
塗工等の易接着処理を施したり、部分印刷を施したりし
てもよい。
【0023】(付加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層
(2))上記の一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の
少なくとも片面には、付加反応型シリコーン系剥離剤が
塗布、乾燥硬化され、硬化層(2)が形成される。
【0024】配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延
伸ポリエステルフィルム(1)は、二軸延伸ポリエステ
ルフィルムに比しては耐熱性が不足する。そこで、一軸
延伸ポリエステルフィルム(1)に付加反応型シリコー
ン系剥離剤を塗布後は、130℃以下の温度で乾燥硬化
して、硬化層(2)を形成することが特に望ましい。1
30℃を越える温度で乾燥硬化させると、一軸延伸ポリ
エステルフィルム(1)が熱収縮して、波形のシワが残
ってしまったり、配向主軸の歪みが増大したりして、ク
ロスニコル法による異物検査精度が低下するおそれがあ
る。
【0025】剥離剤としては、非常に軽い(たとえば離
型フィルムの剥離強度でおおよそ300mN/50mm
以下の)剥離性能が得られる剥離特性のすぐれたシリコ
ーン系剥離剤が用いられるが、基材の耐熱性が乏しいこ
とから、本発明の目的には、シリコーン系剥離剤の中で
も比較的低温で硬化する付加反応型シリコーン系剥離剤
を用いる。付加反応型シリコーン系剥離剤であれば、光
開始剤を添加して、「熱+紫外線」硬化タイプにしたシ
リコーンであってもよい。
【0026】なお、熱をかけないシリコーン系剥離剤と
して、紫外線硬化タイプのアクリルシリコーン、メルカ
プト基含有シリコーンおよびエポキシ基含有シリコーン
も存在するが、反応性を上げるために嵩高い官能基を有
しているため剥離性が劣り、本発明の目的には適してい
ない。
【0027】なお、剥離が重い(たとえば離型フィルム
の剥離強度でおおよそ980mN/50mm以上の)剥
離剤は、偏光板や位相差板から離型フィルムを剥がす際
に粘着剤表面を荒らしてしまい、その偏光板や位相差板
をガラス等に貼着したときに外観が悪くなる。そのた
め、付加反応型シリコーン系剥離剤の中でも、残留接着
性を落とさない範囲で、剥離が軽いタイプが好ましい。
ただし、付加反応型シリコーン系剥離剤の中には、移行
成分を剥離剤中に含み剥離を軽くしている軽剥離タイプ
のシリコーンがあるが、そのような移行成分を剥離剤中
に含むシリコーンを使用したときは残留接着性が低下す
る傾向があり、本発明の使用用途が偏光板積層体または
位相差板積層体という点を考慮すると、移行成分を剥離
剤中に含むシリコーンは本発明には適していない。とい
うのは、偏光板積層体または位相差板積層体で残留接着
性の悪い剥離フィルムを使用した場合、偏光板または位
相差板をガラス等に貼着した後に、偏光板または位相差
板とガラスとの密着性を向上するためにオートクレーブ
をかけるが、このときに粘着剤の接着力が本来の接着力
よりも落ちているため、オートクレーブ処理後に加圧状
態から急激に常圧に戻す際に、偏光板や位相差板に浮き
や気泡が発生するおそれがあるからである。基材との密
着性を向上する目的で、シランカップリング剤などの密
着性向上剤を添加することは可能である。
【0028】硬化層(2)を形成するときの離型剤の塗
工量は、特に制限はないものの、剥離性能を考慮する
と、0.03〜2g/m程度、殊に0.05〜0.4
g/m程度とすることが好ましい。基材の種類によっ
ても異なるが、0.03g/m未満であると剥離性能
が不足しがちになり、一方2g/mを越えると、剥離
シートをロール状に巻いたときにシリコーン塗工面と塗
工背面とがブロッキングを起こすおそれがある。
【0029】硬化層(2)の形成は、グラビアコーティ
ング、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーテ
ィング、ドクターナイフコーティングなどの種々の方法
によりシリコーン系離型剤を基材に塗布した後、加熱処
理、紫外線照射などの方法で乾燥、硬化させることによ
り達成することができる。
【0030】これにより、上記の一軸延伸ポリエステル
フィルム(1)の少なくとも片面に、付加反応型シリコ
ーン系剥離剤の硬化層(2)が設けられた構造を有する
第1の離型フィルムが得られる。このときの層構成は、
(1)/(2)または(2)/(1)/(2)である。
【0031】〈第2の離型フィルムとその製造法〉第2
の離型フィルムは、配向主軸の最大歪みが10度以下の
一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面
に帯電防止層(3)が設けられ、さらに、その帯電防止
層(3)が設けられた一軸延伸ポリエステルフィルム
(1)の少なくとも片面に付加反応型シリコーン系剥離
剤の硬化層(2)が設けられた構造を有するものであ
る。この離型フィルムは、一軸延伸ポリエステルフィル
ム(1)の少なくとも片面に帯電防止層(3)を形成
し、さらに、その帯電防止層(3)付きの一軸延伸ポリ
エステルフィルム(1)の少なくとも片面に付加反応型
シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化することにより、
硬化層(2)を形成することにより製造される。
【0032】この第2の離型フィルムは、第1の離型フ
ィルムに帯電防止層(3)が付加されたものに相当する
が、この帯電防止層(3)を存在させることにより、離
型フィルム剥離時の剥離帯電が防がれ、また離型フィル
ムに粘着剤を加工するときの静電気の発生や帯電が防止
できる。
【0033】帯電防止層(3)は、一軸延伸ポリエステ
ルフィルム(1)表面に、 ・金属または金属酸化物からなる帯電防止成分を蒸着ま
たはコーティングする方法、 ・シリケート化合物をコーティングする方法、 ・公知の帯電防止剤をコーティングする方法 などにより設けられる。
【0034】ここで金属または金属酸化物としては、ア
ルミニウム、ケイ素、銅、銀、金、インジウムなどの金
属、これらの金属の酸化物または複合酸化物があげられ
る。光学用途に使用するものであるため、透明性が良い
ものが好ましく、この観点からは、酸化インジウムやシ
リカの蒸着層が好適である。
【0035】シリケート化合物も、形成される帯電防止
層(3)の透明性が良いので、この目的に好適である。
【0036】帯電防止剤としては、シリコーン系離型剤
の硬化を阻害しないものであれば公知のもののいずれで
も使用でき、たとえば、カチオン系活性剤、第四アンモ
ニウム塩、ピリニジウム塩、第一級アミン、第三級アミ
ン、ピリジン誘導体、ステアロアミドプロピルジメチル
−β−ヒドロキシエチル・アンモニウム・ニトレート、
ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチ
ル・アンモニウム・ジヒドロゲン・ホスフェート、特殊
アミン化合物、アルキル型リン酸エステル、ナトリウム
・アルキル・ジフェニルエーテル・ジスルホネート、変
性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトスルフェー
ト、アニオン系活性剤、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、多価アルコール系誘導体、ノニオン系活性剤、ア
ルキルアミン誘導体、アルキルホスフェートアミン塩、
脂肪酸エステル類、アルキルジエタノールアミド、ポリ
エチレングリコールエステル、両性活性剤、有機ホウ素
系化合物、ポリチオフェン、ポリアニリン、官能基含有
ポリマーなどは、市場で入手しうる帯電防止剤の例であ
る。
【0037】これらの帯電防止剤は、一軸延伸ポリエス
テルフィルム(1)に公知の方法によりコーティングさ
れる。具体的には、グラビアコーティング、メイヤーバ
ーコーティング、エアーナイフコーティング、ドクター
ナイフコーティングなどの方法が採用される。帯電防止
剤の塗布量については特に制限されるものではなく、帯
電防止剤の種類や必要とする帯電防止性能を考慮して決
めればよい。
【0038】帯電防止層(3)を設ける面は、爾後の工
程であるシリコーン系離型剤を塗布する面であってもよ
く、シリコーン系離型剤塗布側とは反対面であってもよ
い。
【0039】これにより、上記の一軸延伸ポリエステル
フィルム(1)の少なくとも片面に、付加反応型シリコ
ーン系剥離剤の硬化層(2)が設けられた構造を有する
第2の離型フィルムが得られる。このときの層構成は、
(1)/(3)/(2)、(3)/(1)/(2)、
(2)/(3)/(1)/(3)/(2)、(2)/
(3)/(1)/(2)/(3)である。
【0040】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。なお、マイクロ波による主軸の配向角の測定には、
王子計測機器株式会社製の分子配向計「MOA−200
1A」を用いた。
【0041】〈離型フィルムの作製〉 実施例1 図1は本発明の離型フィルムの一例を示した斜視図であ
る。
【0042】厚みが38μmで、配向主軸の最大歪みが
4度の一軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会
社製の「エステル K1581」、ポリエチレンテレフ
タレートの横一軸延伸フィルム)(1)の片面に、付加
反応型シリコーン系離型剤である東レ・ダウコーニング
・シリコーン株式会社製の「SRX−211」(触媒
「SRX−212」を「SRX−211」100重量部
に対して2重量部添加)を固形分で0.2g/mとな
るように塗布した後、120℃の熱風循環式オーブン中
にて30秒間乾燥硬化させて硬化層(2)を形成させ
た。これにより、(1)/(2)の層構成を有する片面
シリコーン処理品(第1の離型フィルム)が得られた。
【0043】なお、乾燥硬化のための加熱条件を120
℃×30秒間としたのは、加熱条件を種々変更した予備
的実験において、たとえば150℃×30秒間という高
温硬化条件では、若干波状のうねりが生じて実使用で偏
光板積層体にしたときに貼合しにくくなるおそれがあっ
たため、最適の結果が得られた120℃×30秒間の条
件を採用したためである。
【0044】実施例2 図2は本発明の離型フィルムの他の一例を示した斜視図
である。
【0045】厚みが38μmで、配向主軸の最大歪みが
4度の一軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会
社製の「エステル K1581」、ポリエチレンテレフ
タレートの横一軸延伸フィルム)(1)の片面に、シリ
ケート化合物系帯電防止剤(コルコート株式会社製の
「コルコート N−103X」)を固形分で0.05g
/mとなるように塗布した後、120℃の熱風循環式
オーブン中にて30秒間乾燥させて、帯電防止層(3)
を形成させた。
【0046】その後、帯電防止層(3)側の面に、付加
反応型シリコーン系離型剤である東レ・ダウコーニング
・シリコーン株式会社製「SRX−211」(触媒「S
RX−212」を「SRX−211」100重量部に対
して2重量部添加)を固形分で0.2g/mとなるよ
うに塗布した後、120℃の熱風循環式オーブン中にて
30秒間乾燥硬化させて硬化層(2)を形成させた。こ
れにより、(1)/(3)/(2)の層構成を有する帯
電防止性能付きの片面シリコーン処理品(第2の離型フ
ィルム)が得られた。
【0047】比較例1 実施例1において、ポリエステルフィルムとして、配向
主軸の最大歪みが16度の二軸延伸ポリエステルフィル
ム(東洋紡績株式会社製の「エステル E5100」)
を使用したほかは、実施例1と同様にして片面シリコー
ン処理品を作製した。
【0048】比較例2 実施例2において、ポリエステルフィルムとして、配向
主軸の最大歪みが16度の二軸延伸ポリエステルフィル
ム(東洋紡績株式会社製の「エステル E5100」)
を使用したほかは、実施例2と同様にして片面シリコー
ン処理品を作製した。
【0049】〈離型フィルムの評価〉上記の実施例1〜
2および比較例1〜2で得られた離型フィルムを、粘着
剤付きの偏光板の粘着剤面に貼着して偏光板積層体を作
製し、その積層体について、剥離力、残留接着率、クロ
スニコル検査性を評価した。また、離型フィルム自体の
外観も評価し、離型剤処理面の表面固有抵抗値について
も評価した。評価条件は下記の通りである。
【0050】(剥離力)離型フィルムを貼着した偏光板
積層体を、23℃、50%RHの条件下に7日間放置し
た後、引張試験機を用いて、180°ピール、0.3m
/minの速度で離型フィルムを剥がしたときの剥離抵
抗値を測定した。
【0051】(残留接着率)離型フィルムを貼着した偏
光板積層体を、23℃、50%RHの条件下に7日間放
置した後、離型フィルムを剥がしてから、その粘着剤付
き偏光板をガラス板に2kgゴムローラーを用いて貼り
合わせた。貼り合わせ品を23℃、50%RHの条件下
で30分間エイジングした後、引張試験機を用いて、1
80°ピール、0.3m/minの速度で偏光板を剥が
したときの剥離抵抗値を測定した(これをサンプルの接
着力とする)。一方、サンプルの離型フィルムを貼着し
ない元の粘着剤付き偏光板をガラス板に貼ったものをブ
ランクとし、同様の操作によりブランクの接着力を測定
した。ブランクを基礎として百分率を算出し、残留接着
率とした(この数値が100%に近いほど残留接着率が
良好である)。
【0052】(クロスニコル検査性)離型フィルムを貼
着した偏光板積層体を縦30cm、横40cmになるよ
うにカットしたものを2枚準備した。この2枚の偏光板
積層体を互いに直交するように配置し、重なり合った3
0cm四方の部分の背後から光を当てて、光の透過が均
一になっているかどうかを観察した。
【0053】(離型フィルム外観)離型フィルムの外観
を目視にて観察した。
【0054】(表面固有抵抗値)離型フィルムの離型剤
処理面の表面固有抵抗を、表面抵抗計(三菱油化株式会
社製の「ハイレスターIP」)を用いて測定した。
【0055】〈条件および結果〉条件および結果を表1
に示す。クロスニコル検査性および離型フィルム外観に
ついては、○(良好)、△(やや問題あり)、×(不
良)の判定も付記した。剥離力の単位「mN」は、「ミ
リニュートン」である。
【0056】
【表1】
【0057】〈解析〉表1のように、実施例1の離型フ
ィルムは、粘着剤付き偏光板に貼合して偏光板積層体に
したときの剥離力、残留接着率、クロスニコル検査性が
良好で、離型フィルム自体の外観も良好であった。ま
た、離型剤層の下に帯電防止層を設けた実施例2も、粘
着剤付き偏光板に貼合して偏光板積層体にしたときの剥
離力、残留接着率、クロスニコル検査性が良好で、離型
フィルム自体の外観も良好である上、表面抵抗値が低
く、帯電防止性を有する離型フィルムを得ることができ
た。
【0058】一方、配向主軸の最大歪みが16度の一軸
延伸ポリエステルフィルムを使用している比較例1およ
び比較例2の離型フィルムは、クロスニコル検査性が不
良であった。
【0059】
【発明の効果】本発明にあっては、離型フィルムの基材
となるフィルムに特段の留意を払っているので、偏光板
積層体(位相差板兼用の偏光板積層体を含む)または位
相差板積層体にしたときのクロスニコル法による異物検
査を容易でかつ光干渉色が生じにくく、従って特に大型
の偏光板においても異物の見落としを少なくすることが
でき、さらには、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材
として用いた場合のように、使用用途に応じて使用部位
を分ける必要もなく、TFT用途などの異物に対する要
求が厳しい用途に対しても巾方向の実質的に全巾が使用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の離型フィルムの一例を示した斜視図で
ある。
【図2】本発明の離型フィルムの他の一例を示した斜視
図である。
【符号の説明】
(1)…一軸延伸ポリエステルフィルム、 (2)…(付加反応型シリコーン系剥離剤の)硬化層、 (3)…帯電防止層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/36 B32B 27/36 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB24Z BB26Z CA07 CA22 CB01 DA04 DB48 DC24 EA07 EA19 EB02 4F100 AK41B AK52A AK52C AR00D AR00E BA03 BA05 BA06 BA10A BA10C EJ37B GB41 JA20B JG03D JG03E JL14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延
    伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面に、付
    加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層(2)が設けられ
    た構造を有することを特徴とする離型フィルム。
  2. 【請求項2】配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延
    伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面に帯電
    防止層(3)が設けられ、さらに、その帯電防止層
    (3)付きの一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の少
    なくとも片面に付加反応型シリコーン系剥離剤の硬化層
    (2)が設けられた構造を有することを特徴とする離型
    フィルム。
  3. 【請求項3】配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延
    伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面に、付
    加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬化すること
    により、硬化層(2)を形成することを特徴とする離型
    フィルムの製造法。
  4. 【請求項4】配向主軸の最大歪みが10度以下の一軸延
    伸ポリエステルフィルム(1)の少なくとも片面に帯電
    防止層(3)を形成し、さらに、その帯電防止層(3)
    付きの一軸延伸ポリエステルフィルム(1)の少なくと
    も片面に付加反応型シリコーン系剥離剤を塗布、乾燥硬
    化することにより、硬化層(2)を形成することを特徴
    とする離型フィルムの製造法。
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