JP2016112825A - 転写用光反射シートおよび光学部材の製造方法 - Google Patents

転写用光反射シートおよび光学部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持体からのコレステリック液晶層を含む転写体の剥離時に破断が生じにくく輸送も容易な転写用光反射シートおよび光学部材の製造方法を提供する。【解決手段】弱剥離セパレーターと強剥離セパレーターと光反射層1および膜脆性改良層2を含む転写体6とを含み、光反射層1はコレステリック液晶相を固定した層を含み、膜脆性改良層2は紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化により得られた層であり、転写体6の端裂抵抗F(N/25mm)、弱剥離セパレーターが示す弱剥離強度(N/25mm)、強剥離セパレーターが示す強剥離強度(N/25mm)、強剥離セパレーターのヤング率E、および上記強剥離セパレーターの厚みtが以下の関係を満たす転写用光反射シート11である。0.01<弱剥離強度;弱剥離強度+0.01≦強剥離強度<0.04×F;F>π/4・E・t2。また、転写用光反射シート11を用いた光学部材の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は転写用光反射シートに関する。本発明はまた上記転写用光反射シートを用いた光学部材の製造方法に関する。
コレステリック液晶相を固定した層(以下、コレステリック液晶層という)は特定の波長で選択反射を示すことが知られており、コレステリック液晶層を含むフィルムは、遮熱フィルム、画像表示装置などのさまざまな用途で使用されている。コレステリック液晶層は、一般的に、重合性液晶化合物を含む液晶組成物を支持体材上に塗布し、その塗膜においてコレステリック液晶相を形成後、紫外線照射により塗膜を硬化することによりコレステリック液晶相を固定して形成される。そして、コレステリック液晶層形成時の支持体の複屈折が使用上問題となる場合においては、形成されたコレステリック液晶層を他の基材上に転写することが従来から行われている。
例えば、特許文献1には、(A)基材A上に、棒状化合物を塗工し、この棒状化合物を配向させ、配向した棒状化合物を硬化させて選択反射層を設けた転写フィルムを得る工程、(B)上記転写フィルムを、接着剤層を介して透明基材Bに転写する工程を有する選択波長反射フィルムの製造方法が開示されている。
特開2012−13963号公報
特許文献1においては、コレステリック液晶層を別の基材に転写後に支持体を剥がしている。コレステリック液晶層の脆性を考慮し、剥離時にコレステリック液晶層の破断が生じないように上記の手順を採っていると考えられる。しかしこの方法によれば、支持体からの剥離の前に被転写体に貼付することが必要となる。この場合、支持体をコレステリック液晶層から剥離する際に、支持体とコレステリック液晶層との界面ではなく、コレステリック液晶層と被転写体との界面で剥離してしまうことがある。また、積層構造である被転写体などにおいて、被転写体内部で剥離が起きてしまうことがある。さらに、被転写体への貼付が必ず必要となることで支持体のないコレステリック液晶層を多様な工程で使用することが困難である。
本発明の課題は、コレステリック液晶層を含む転写用光反射シートとして、被転写体がなくても支持体からのコレステリック液晶層を含む転写体の剥離時にコレステリック液晶層の破断が生じにくく、輸送も容易な転写用光反射シートを提供することである。本発明はまた、転写用光反射シートを用いた転写の手順に制約の少ない光学部材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決のため、コレステリック液晶層の光学的機能を損なわず、かつ支持体から剥離後も自己支持性のあるコレステリック液晶層を含む転写体の構成を検討し、この転写体の輸送も容易とする転写用光反射シートについて鋭意検討し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[10]を提供するものである。
[1]剥離性支持体と光反射層と膜脆性改良層とラミネートフィルムとをこの順で含み、
上記膜脆性改良層および上記光反射層を含む転写体を提供し、
上記光反射層は重合性液晶化合物を含む液晶組成物をコレステリック液晶相として固定した層を含み、
上記膜脆性改良層は上記光反射層の表面に塗布された紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化により得られた層であり、
上記転写体と上記剥離性支持体との剥離強度および上記転写体と上記ラミネートフィルムとの剥離強度が異なり、
上記剥離性支持体および上記ラミネートフィルムからなる群から選択されるいずれか一方が弱剥離強度を示す弱剥離セパレーターであり、他方が強剥離強度を示す強剥離セパレーターであり、
上記転写体の端裂抵抗F、上記弱剥離強度、上記強剥離強度、上記強剥離セパレーターのヤング率E、および上記強剥離セパレーターの厚みtが以下の関係を満たし:
0.01<弱剥離強度;
弱剥離強度+0.01≦強剥離強度<0.04×F;
F>π/4・E・t2
ここで、端裂抵抗Fは単位がN/25mm、剥離強度は単位がN/25mm、かつ、厚みtは単位がμmである転写用光反射シート。
[2]上記膜脆性改良層のガラス転移温度Tgが−5℃〜60℃である[1]に記載の転写用光反射シート。
[3]上記膜脆性改良層の正面位相差が5nm未満である[1]または[2]に記載の転写用光反射シート。
[4]上記膜脆性改良層が、ウレタンアクリレートおよびエポキシアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種類以上の紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化により得られた層である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
[5]上記剥離性支持体と上記光反射層とが直接接しており、かつ、上記ラミネートフィルムと上記膜脆性改良層とが直接接している[1]〜[4]のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
[6]上記剥離性支持体が、ポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
[7]上記ラミネートフィルムが離型層および粘着層からなり、上記粘着層がポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
[8]上記剥離性支持体が、ポリエステルを含み、かつ上記粘着層がポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む、[7]に記載の転写用光反射シート。
[9]上記光反射層が可視光領域に選択反射の中心波長を有する[1]〜[8]のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
[10]光学部材の製造方法であって、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の転写用光反射シートの上記剥離性支持体および上記ラミネートフィルムを剥離して上記転写体を得ること、および上記転写体を基材に貼付することをこの順に含む製造方法。
本発明により、転写用光反射シートが提供される。本発明の転写用光反射シートは基材からのコレステリック液晶層を含む転写体の剥離時にコレステリック液晶層の破断が生じにくく、輸送も容易である。また、上記転写用光反射シートを用いて光学部材を転写の手順に制約なく製造することができる。
本発明の転写用光反射シートの1例の概略断面図である。 膜脆性改良層を有しない転写用光反射シートで生じた問題を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5度未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4度未満であることが好ましく、3度未満であることがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。「(メタ)アクリルポリマー」も同様である。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
本明細書において可視光線は、380nm〜780nmの波長域の光を示す。赤外線(赤外光)は可視光線より長く電波より短い波長域電磁波を示し、赤外線のうち、近赤外光とは780nm〜2500nmの波長域の電磁波を示す。
<転写用光反射シート>
本明細書において、転写用光反射シートは、光反射層を提供することのできる転写材料を意味する。本発明の転写用光反射シートは剥離性支持体、光反射層、膜脆性改良層、およびラミネートフィルムを含む。剥離性支持体、光反射層、膜脆性改良層、およびラミネートフィルムはこの順であればよい。光反射層の一方の面には膜脆性改良層が設けられており、光反射層の他方の面側には剥離性支持体が設けられており、膜脆性改良層の光反射層側と反対側の表面にはラミネートフィルムが設けられている。図1に本発明の転写用光反射シートの1例の概略断面図を示す。本発明の転写用光反射シート11はセパレーター(離型フィルム)となる剥離性支持体3およびラミネートフィルム4を剥離することによって、光反射層1および膜脆性改良層2を含む転写体6を提供することができる。
転写用光反射シートの形状は特に限定されないが、通常、シート状、フィルム状、板状などであればよい。転写用光反射シートは、長尺状のものであってもよく、用途に応じた大きさとなっていてもよい。例えば、転写用光反射シートは、用途に応じた大きさに裁断されていてもよい。なお、ここでいう「裁断」には「打ち抜き」および「切り出し」等も含むものとする。
<転写体>
転写体は、コレステリック液晶層を含む光反射層と膜脆性改良層とを含む。転写体は転写用光反射シートから剥離性支持体およびラミネートフィルムを剥離して得られる部分であり、それぞれ剥離は、剥離性支持体と光反射層との間、および膜脆性改良層とラミネートフィルムとの間で行われる。本発明者らは脆性のコレステリック液晶層を含む光反射層を膜脆性改良層と組み合わせることにより、被転写体への貼付前に両側面で剥離を行っても、コレステリック液晶層を破壊せずに、転写体を提供できることを見出した。
<膜脆性改良層>
膜脆性改良層は光反射層の表面、特にコレステリック液晶層の表面に直接接するように設けられ、コレステリック液晶層の膜脆性を改良する層である。膜脆性改良層は光反射層の表面、特にコレステリック液晶層の表面に塗布された紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化により得られた層であればよい。
膜脆性改良層は低複屈折性であることが好ましく、具体的には膜脆性改良層の正面位相差は20nm未満が好ましく10nm未満がより好ましく、5nm未満がさらに好ましい。なお、正面位相差はKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器株式会社製)においてコレステリック液晶層の選択反射の中心波長の光をフィルム法線方向に入射させて測定した値である。測定波長の選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
また、膜脆性改良層はコレステリック液晶層の選択反射の波長域において透明であることが好ましく、例えばコレステリック液晶層の選択反射の波長域において光の透過率が70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
また、膜脆性改良層のガラス転移温度Tgは−5℃〜60℃であることが好ましい。
本明細書において、ガラス転移温度は示差走査熱量測定法により測定した値を意味する。ガラス転移温度の測定は、具体的には、ガラス基材やPET(基材に塗布した後紫外線硬化して得た膜脆性改良層を基材から剥離し、専用の容器に投入して測定を行えばよい。膜脆性改良層の膜厚は光反射層の膜厚の0.5倍以上3倍以下が好ましく、1倍以上、2倍以下がさらに好ましい。具体的には0.75〜300μmが好ましく、1.5〜200μmがより好ましい。
(紫外線硬化性モノマーを含む組成物)
膜脆性改良層の形成に用いられる紫外線硬化性モノマーの例としては、ウレタンアクリレートまたはエポキシアクリレートが挙げられる。ウレタンアクリレートおよびエポキシアクリレートは、それぞれ単独で用いても、両者の混合物として用いてもよい。
ウレタンアクリレートの例としては、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーやダイセル・オルネクス株式会社製のEBECRYLシリーズなどが挙げられる。
エポキシアクリレートの例としては、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、エポライト40E メタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ダイセル・オルネク株式会社製のEBECRYLシリーズなどが挙げられる。
紫外線硬化性モノマーを含む組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、紫外線硬化性モノマーは、80〜100質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることがさらに好ましい。
紫外線硬化性モノマーを含む組成物は紫外線硬化性モノマー以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤としては、液晶組成物に用いられる重合開始剤として、後述する光重合開始剤を同様に用いることができる。紫外線硬化性モノマーを含む組成物はまた、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に限定されないが、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
膜脆性改良層形成のための紫外線硬化性モノマーを含む組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。
紫外線硬化性モノマーを含む組成物が、溶媒を含む場合は、塗膜を乾燥し、溶媒を除去する工程を含んでいてもよい。
紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化は紫外線照射により行い、照射エネルギーは20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2がさらに好ましい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は硬化度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。硬化度を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法を用いることもできる。
<光反射層>
光反射層は、重合性液晶化合物を含む液晶組成物において形成されるコレステリック液晶相を固定した層を含む。本明細書においてコレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。光反射層はコレステリック液晶層を1つのみ含んでいてもよく、2つ以上のコレステリック液晶層を含んでいてもよい。
光反射層は1つまたは2つ以上のコレステリック液晶層のみからなるものであってもよく、配向層などの他の層を含むものであってもよい。光反射層は膜脆性改良層と直接接しているが、光反射層において膜脆性改良層と接している層はコレステリック液晶層であることが好ましい。光反射層は剥離性支持体と直接接していることが好ましく、光反射層において剥離性支持体と直接接している層はコレステリック液晶層または配向層であることが好ましい。
[コレステリック液晶層]
コレステリック液晶相は、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射する円偏光選択反射性を有することが知られている。円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層である。コレステリック液晶層は重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、光照射等によって硬化した層である。コレステリック液晶層は、その硬化により、流動性が無い層が形成され、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、層中の液晶性化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相を固定した層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した選択反射(円偏光選択反射)を示す。選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射を示す波長を調整できる。コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチを得ることができる。光反射層が2つ以上の液晶層を含む場合、用途に応じて周期Pが同じであっても、異なっていてもよい。本発明に用いられるコレステリック液晶層の選択反射の中心波長は特に限定されないが、可視光領域にあることが好ましい。
コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。そのため、液晶層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層を用いればよい。光反射層が2つ以上の液晶層を含む場合、用途に応じて用途に応じて、螺旋のセンスが同じであっても、異なっていてもよい。
なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
また、円偏光選択反射を示す選択反射帯(円偏光反射帯)の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチPに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
(重合性液晶化合物を含む液晶組成物)
コレステリック液晶層は重合性液晶化合物を含む液晶組成物より形成される。液晶組成物は、下層となる、剥離性支持体、配向層、または別のコレステリック液晶層の表面に塗布され、その後、乾燥または加熱などを経てコレステリック液晶相が形成されればよい。その後、重合反応等により硬化されコレステリック液晶相を固定した層とされていればよい。
液晶組成物は、重合性液晶化合物のほか、キラル剤、重合開始剤、配向制御剤、その他添加剤などを含んでいてもよい。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
棒状の重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報、特願2001−64627号公報、特表平11−513019号公報、および特開2007−279688号公報などに記載の化合物が含まれる。
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載のものを用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。
2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
(キラル剤:光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
(重合開始剤)
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(架橋剤)
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
(配向制御剤)
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。また、特開2014−119605号公報の[0082]〜[0090]に記載の一般式(I)で表される化合物も好ましい。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
(その他の添加剤)
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
(溶媒等)
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
(塗布方法)
液晶組成物の剥離性支持体、配向層、または別のコレステリック液晶層などへの塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途仮支持体上に塗設した液晶組成物を剥離性支持体上へ転写してもよい。転写は下記の硬化後に行ってもよい。
(コレステリック液晶相の形成)
コレステリック液晶相の形成は、液晶組成物が、溶媒を含む塗布液として調製されている態様では、塗膜を乾燥し、溶媒を除去することで、行うことができる場合がある。また、コレステリック液晶相への転移温度とするために、所望により、前述の塗膜を加熱してもよい。例えば、一旦等方性相の温度まで加熱し、その後、コレステリック液晶相転移温度まで冷却する等によって、安定的にコレステリック液晶相の状態にすることができる。前述の重合性液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性等の面から10〜250℃の範囲内であることが好ましく、10〜150℃の範囲内であることがより好ましく、10〜130℃の範囲内であることがさらに好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するように捩れ配向している光学薄膜が得られる。
(硬化)
硬化は、紫外線照射により行われることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましく、100mJ/cm2〜800mJ/cm2がさらに好ましい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。
硬化反応を促進するため、加熱条件下で紫外線照射を実施してもよい。また、紫外線照射時の温度は、コレステリック液晶相が乱れないように、コレステリック液晶相を呈する温度範囲に維持することが好ましい。また、雰囲気の酸素濃度は硬化度に関与するため、空気中で所望の重合度に達せず、膜強度が不十分の場合には、窒素置換等の方法により、雰囲気中の酸素濃度を低下させることが好ましい。酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。硬化度を向上させるためには照射する紫外線の照射量を増大する方法や窒素雰囲気下あるいは加熱条件下での重合が効果的である。また、一旦重合させた後に、重合温度よりも高温状態で保持して熱重合反応によって反応をさらに推し進める方法や、再度紫外線を照射する方法を用いることもできる。
(光反射層の膜厚)
個々のコレステリック液晶層の厚みは、上記特性を示す範囲であれば、特に限定はされないが、好ましくは1.0μm以上、50μm以下の範囲、より好ましくは1.5μm以上、20μm以下の範囲である。
本発明の転写用光反射シート中の光反射層の膜厚の総計は好ましくは1.5μm以上、100μm以下の範囲、より好ましくは2.5μm以上、40μm以下の範囲である。1.5μm以上の厚みで螺旋に基づく選択反射を確保することができる。また、100μm以下の厚みで、反射帯域以外の可視光等の光の透過性も十分確保することができる。
(配向層)
重合性液晶化合物を含む液晶組成物は配向層表面に塗布されてもよい。
配向層は、その表面に塗布された液晶組成物中の液晶分子を配向させる機能を有する。
配向膜は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
特にポリマーからなる配向膜はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶層形成のための組成物を塗布することが好ましい。形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに剥離性支持体表面または剥離性支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。また、コレステリック液晶層の表面に液晶組成物を塗布してもよい。仮支持体を用いて、転写によりコレステリック液晶層が作製された場合などにおいては、配向膜は、仮支持体とともに剥離されて本発明の転写用光反射シートを構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
<セパレーター>
本発明の転写用光反射シートにおいて、剥離性支持体およびラミネートフィルムは、剥離されて転写体を与えるセパレーターとして機能する。本発明者らが、光反射層の両側にセパレーターを有する構成の転写用光反射シートを試みていたところ、図2に示すような問題が生じた。先に剥離されるセパレーターを光反射層から剥離する際に剥離面において光反射層が破壊したり、後から剥離されるセパレーターの剥離時のセパレーターの剛性により戻る力(図中の矢印)で光反射層が切れたりしてしまうことがあった。本発明の転写用光反射シートにおいては、膜脆性改良層の使用により、上記の問題が起こりにくくなっている。
本発明の転写用光反射シートにおいては、剥離性支持体およびラミネートフィルムのいずれか一方が弱剥離強度を示す弱剥離セパレーターであって、他方が強剥離強度を示す強剥離セパレーターである。すなわち、転写体と剥離性支持体との剥離強度、および転写体とラミネートフィルムとの剥離強度は異なっている。剥離性支持体が弱剥離セパレーターであってもよく、ラミネートフィルムが弱剥離セパレーターであってもよい。弱剥離セパレーターを先に剥離されるセパレーターとし、強剥離セパレーターを、後から剥離されるセパレーターとすることにより、上記の問題を生じにくくすることができる。
また、上記の転写体、強剥離セパレーター、および弱剥離セパレーターにおいては、転写体の端裂抵抗F、上記弱剥離強度、上記強剥離強度、上記強剥離セパレーターのヤングE、および上記強剥離セパレーターの厚みtが、以下の式(I)、(II)、(III)の関係を満たす。
0.01<弱剥離強度 式(I)
弱剥離強度+0.01≦強剥離強度<0.04×F 式(II)
F>π/4・E・t2 式(III)
ここで、端裂抵抗Fは単位がN/25mm、厚みは単位がμm、かつ、剥離強度は単位がN/25mmである。
ここで、剥離強度はJIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して、測定したものとする。
転写体の端裂抵抗はJIS C2151「電気用プラスチックフィルム試験方法」に準拠して、測定したものとする。
ヤング率はASTMD882に準拠して、温度23℃、湿度65%RHの条件で測定したものとする。
剥離強度、端裂抵抗、およびヤング率は、それぞれ、具体的には、実施例で示した方法で測定することができる。
弱剥離強度を0.01より大きくすることによりラミネートフィルムがすぐに剥がれる現象を防止することができる。強剥離強度と弱剥離強度とに、0.01N以上の差を持たせることにより、安定して弱剥離セパレーターを剥離することができる。強剥離強度が転写体の端裂抵抗Fの0.04倍より小さくすることにより強剥離セパレータ―剥離時の転写体の破断を防止することができる。強剥離強度が端裂抵抗Fより小さければ破断は起きないと考えられるが、本発明者らが実際に確認したところ、強剥離強度が端裂抵抗Fより小さい場合でも、実際には破断が起きていた。理由としては、端裂抵抗Fは転写体の縦あるいは横方向にかかる応力に対する値であるのに対し、転写体の破断には転写体の厚み方向にかかる応力が大きく影響しているためと推定される。
一方、強剥離セパレーターのヤングEと上記強剥離セパレーターの厚みtとの積π/4・E・t2は、強剥離セパレーターを曲げた際に、セパレーターが元に戻ろうとする力を評価する指標として導出した式である。
<剥離性支持体>
剥離性支持体は、支持体は液晶化合物を含有する組成物から形成された層を支持する層として機能できるとともに、その上に設けられる層(光反射層)と、剥離可能である。剥離可能であるとは、コレステリック液晶層の光学的性質と膜面状態を、使用に影響を与える程度に変化させることなく分離できることを意味する。本発明の転写用光反射シートにおいて、剥離性支持体は、上記式(I)を満たすように選択される。具体的には剥離性支持体は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート等のポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む。剥離性支持体としては特にPETが好ましい。
取扱いの容易さから、剥離性支持体の膜厚としては、2μm〜500μm程度であればよく、好ましくは5μm〜100μmであり、より好ましくは8μm〜75μmである。
剥離性支持体とその上に設けられる層とを剥離可能なものとするため、剥離性支持体に表面処理(例、鹸化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を行わないことが好ましい。
剥離性支持体とその上に設けられる層とを剥離可能なものとするため、選択された剥離性支持体材料に応じてその上に設けられる層を選択し、組成を調整することも好ましい。
<ラミネートフィルム>
ラミネートフィルムは離型層および粘着層からなっていればよい。ラミネートフィルムは膜脆性改良層と直接接していることが好ましく、その際、粘着層において膜脆性改良層と直接接していることが好ましい。粘着層は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または(メタ)アクリルポリマー、のいずれかを含んでいればよい。 離型層としては、光反射層や膜脆性改良層に影響を与えないものであれば、その種類、材料は特に限定されない。
ラミネートフィルムとしては、各種市販品を用いることもできる。市販品の例としては、サンエー化研株式会社製のサニテクトシリーズや、パナック株式会社製のパナプロテクトシリーズなどが挙げられる。
<転写体の用途>
転写用光反射シートが提供する転写体の用途は限定されず、例えば、光反射材や円偏光分離膜として様々な光学部材への用途が挙げられる。上記のようにコレステリック液晶相のピッチの調節を行うことにより反射波長を調整して、赤外線波長域の光を全反射する遮熱フィルムとされていてもよく、可視光波長域の光を選択的に反射および透過するダイクロイックミラーやハーフミラー、あるいは自然光(非偏光)を円偏光に分離する円偏光子、加飾用フィルムなどとして使用できる。転写体は例えば、接着剤により、様々な基材に貼付して用いることができる。
転写用光反射シートから剥離性支持体およびラミネートフィルムを剥離して、得られた転写体を、基材に貼付してもよく、転写用光反射シートから、剥離性支持体またはラミネートフィルムのいずれかのセパレーターを剥離して、得られた剥離面を基材に貼付し、その後必要に応じて、他方のセパレーターを剥離してもよい。剥離性支持体およびラミネートフィルムを剥離して、得られた転写体を、基材に貼付する場合の貼付面は、光反射層側であっても、膜脆性改良層側であってもよい。
[基材]
基材としては特に限定されず、用途に応じて、例えば、位相差フィルムや偏光板など様々なフィルムや物品を基材とすることができる。特に、透明基材としては、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、セルローストリアセテートフィルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ガラス板、などが好ましい。
[接着剤]
基材への貼付の際は接着剤を用いればよい。接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリルレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。また、粘着シートを使って接着させてもよい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例において、剥離強度はJIS Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に準拠して、幅25mmの試料片を切り出し、オートグラフを用いて引っ張り速度300mm/分で保護フィルムを180°方向に剥離して測定した。
転写体の端裂抵抗はJIS C2151「電気用プラスチックフィルム試験方法」に準拠して、幅25mm 長さ200mmの試験片を切り出し、試験金具Bを用いて、引張速度300mm/分の条件で測定した。
ヤング率はASTMD882に準拠して、エー・アンド・デイ株式会社製のテンシロンを使い、温度23℃、湿度65%RHの条件で測定した。
厚みは、小野測器株式会社製の膜厚計HS-3412で測定した。
<塗布液(液晶組成物)の調製>
各実施例および比較例では、下記表1に示す組成の塗布液を調製して用いた。
<膜脆性改良層塗布液の調製>
各実施例および比較例では、下記表に示す組成の塗布液を調製して用いた。
<実施例1>
(1)剥離性支持体(210mm×297mm)は東洋紡株式会社製PETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:25μm)を使用し、ラビング処理(レーヨン布、圧力:0.98N(0.1kgf)、回転数:1000rpm、搬送速度:10m/min、回数:1往復)を施した。
(2)液晶組成物塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが5μmになるように、剥離性支持体表面に、室温にて塗布した。
(3)室温にて30秒間乾燥させて溶剤を除去した後、125℃の雰囲気で2分間加熱し、その後95℃でコレステリック液晶相とした。次いで、フージョンUVシステムズ株式会社製無電極ランプ「Dバルブ」(90mW/cm2)にて、出力60%で6〜12秒間紫外線照射し、コレステリック液晶相を固定して、光反射層を作製した。
(4)室温まで冷却した後、膜脆性改良層塗布液1を、ワイヤーバーを用いて光反射層表面に乾燥後の膜の厚みが5μmになるように塗布した。室温にて30秒間乾燥させて溶剤を除去した後、フージョンUVシステムズ株式会社製無電極ランプ「Dバルブ」(90mW/cm2)にて、出力60%で6〜12秒間紫外線照射して膜脆性改良層を作製した。PET基材上に同様に作製した膜脆性改良層を剥離して、専用の容器に投入し、ガラス転移温度の測定を行ったところ、14℃であった。なお、本実施例において、ガラス転移温度の測定は全て日立ハイテクサイエンス株式会社製DSC7020で行った。
(5)サンエー化研製のラミネートフィルム(サニテクト PAC-2A-50T 接触面の材質:PE)を膜脆性改良層上にエム・シー・ケー株式会社製のMP-630を使ってラミネートし、光反射シート1を得た。
(6)光反射シート1は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。(1)〜(5)を繰り返して光反射シート1を合計5枚作製し、148mm×210mm サイズに切り出した後、それぞれセパレーターの剥離を試みたところ、セパレーターはラミネートフィルム、剥離性支持体の順ですべて破断することなく剥離できた。そのときの剥離強度はそれぞれ0.025N/25mm、N0.045N/25mmであった。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は12N/25mmで、基材PETのヤング率は3.9GPaであった。
<実施例2>
(1)東洋紡株式会社製PETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:25μm)の代わりに東洋紡株式会社製PETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:50μm)を使用した以外は、実施例1と同様に剥離性支持体を用意した。
(2)、(3)実施例1と同様に光反射層を作製した。
(4)室温まで冷却した後、膜脆性改良層塗布液2を、ワイヤーバーを用いて
上記光反射層表面に室温にて乾燥後の膜の厚みが5.0μmになるように塗布した。室温にて30秒間乾燥させて溶剤を除去した後、フージョンUVシステムズ株式会社製無電極ランプ「Dバルブ」(90mW/cm2)にて、出力60%で6〜12秒間紫外線照射して、膜脆性改良層を形成した。PET基材上に同様に作製した膜脆性改良層を剥離して、専用の容器に投入し、ガラス転移温度の測定を行ったところ、58℃であった。
(5)サンエー化研製のラミネートフィルム(サニテクト PAC-2A-50T 接触面の材質:PE)を膜脆性改良層表面にラミネートし、光反射シート2を得た。
(6)光反射シート2は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。さらに、(1)〜(5)を繰り返して光反射シート2を合計5枚作製し、148mm×210mm サイズに切り出した後、それぞれ、セパレーターの剥離を試みたところ、ラミネートフィルム、剥離性支持体の順ですべて破断することなく剥離できた。そのときの剥離強度は、それぞれ0.035N/25mm、0.045N/25mmであった。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は8.9N/25mmで、基材PET(厚み:25μm)のヤング率は3.9GPaであった。
<実施例3>
(1)〜(3)実施例2と同様に剥離性支持体を用意し、その表面に光反射層を作製した。
(4)得られた光反射層表面に実施例1と同様に膜脆性改良層を2.0μmで作製した。
(5)パナック株式会社製の粘着フィルム(パナプロテクトCT38、接触面の材質:アクリル)を膜脆性改良層上にラミネートし、光反射シート3を得た。
(6)光反射シート3は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。さらに、(1)〜(5)を繰り返して光反射シート3を合計5枚作製し、148mm×210mm サイズに切り出した後、それぞれ、セパレーターの剥離を試みたところ、剥離性支持体、粘着フィルムの順ですべて破断することなく剥離できた。そのときの剥離強度は、それぞれ0.045N/25mm、0.070N/25mmであった。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は3.4N/25mmで、粘着フィルム(厚み:38μm)のヤング率は 4.2GPaであった。
<実施例4>
(1)〜(4)実施例1と同様に剥離性支持体を用意し、その表面に光反射層を作製し、さらにその表面に膜脆性改良層を形成した。
(5)サンエー化研製のラミネートフィルム(サニテクト PAC-2-70 接触面の材質:EVA)を膜脆性改良層上にラミネートし、光反射シート4を得た。
(6)光反射シート4は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。さらに、(1)〜(5)を繰り返して光反射シート4を合計5枚作製し、148mm×210mm サイズに切り出した後、それぞれ、セパレーターの剥離を試みたところ、ラミネートフィルム、基材PETの順ですべて破断することなく剥離できた。そのときの剥離強度は、それぞれ0.030N/25mm、0.045N/25mmであった。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は12N/25mmで、粘着フィルム(厚み:38μm)のヤング率は3.9GPaであった。
<比較例1>
(1)東洋紡株式会社製PETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:25μm)の代わりに東洋紡株式会社製PETフィルム(コスモシャインA4100、厚み:75μm)を使用した以外は、剥離性支持体を用意した。
(2)〜(5)実施例1と同様に剥離性支持体表面に光反射層を作製し、さらにその表面に膜脆性改良層を形成し、さらにその表面にラミネートフィルムを設けて、光反射シート5を得た。
(6)光反射シート5は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。さらに、(1)〜(5)を繰り返して光反射シート5を合計5枚作製し、148mm×210mmサイズに切り出した後、それぞれ、セパレーターの剥離を試みたところ、ラミネートフィルム、剥離性支持体の順で剥離したが、剥離性支持体剥離時に5枚中3枚で、転写体の一部が破断した。そのときの剥離強度はそれぞれ0.025N/25mm、N0.045N/25mmであった(JIS C2151)。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は12N/25mmで、基材PETのヤング率は3.9GPaであった。
<比較例2>
(1)〜(4)実施例2と同様に剥離性支持体を用意し、その表面に光反射層を作製しさらにその表面に膜脆性改良層を形成した。
(5)パナック株式会社製の粘着フィルム(パナプロテクトCT38)を膜脆性改良層上にラミネートし、その後、接着力強化のために、150℃で2時間熱処理を行って、光反射シート6を得た。
(6)光反射シート6は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。さらに、(1)〜(5)を繰り返して光反射シート6を合計5枚作製し、148mm×210mm サイズに切り出した後、それぞれ、セパレーターの剥離を試みたところ、剥離性支持体、粘着フィルムの順で剥離したが、粘着フィルム剥離時に5枚中すべてで転写体の一部が破断した。そのときの剥離強度はそれぞれ0.045N/25mm、0.40N/25mmであった(JIS C2151)。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は8.9N/25mmで、基材PETのヤング率は4.2GPaであった。
<比較例3>
(1)〜(3)実施例1と同様に剥離性支持体を用意し、その表面に光反射層を作製した。
(4)得られた光反射層表面に実施例2と同様に膜脆性改良層を作製した。
(5)得られた膜脆性改良層表面に実施例4と同様にして、ラミネートフィルムを設け、光反射シート7を得た。
(6)光反射シート7は、分光光度計(V-670)にて550nmを中心とした選択反射性を有することを確認できた。さらに、(1)〜(5)を繰り返して光反射シート7を合計5枚作製し、148mm×210mm サイズに切り出した後、それぞれ、セパレーターの剥離を試みたところ、2枚で先にラミネートフィルムが剥離し、残りの3枚は剥離性支持体が先に剥離した。剥離強度はラミネートフィルム剥離時:0.040N/25mm、基材PET剥離時:0.045N/25mmであった。また機能層(光反射層+膜脆性改良層)の端裂抵抗は8.9N/25mmで、基材PETのヤング率は3.9GPaであった。
1 光反射層
2 膜脆性改良層
3 剥離性支持体
4 ラミネートフィルム
5 セパレーター
6 転写体
11 転写用光反射シート

Claims (10)

  1. 剥離性支持体と光反射層と膜脆性改良層とラミネートフィルムとをこの順で含み、
    前記膜脆性改良層および前記光反射層を含む転写体を提供し、
    前記光反射層は重合性液晶化合物を含む液晶組成物をコレステリック液晶相として固定した層を含み、
    前記膜脆性改良層は前記光反射層の表面に塗布された紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化により得られた層であり、
    前記転写体と前記剥離性支持体との剥離強度および前記転写体と前記ラミネートフィルムとの剥離強度が異なり、
    前記剥離性支持体および前記ラミネートフィルムからなる群から選択されるいずれか一方が弱剥離強度を示す弱剥離セパレーターであり、他方が強剥離強度を示す強剥離セパレーターであり、
    前記転写体の端裂抵抗F、前記弱剥離強度、前記強剥離強度、前記強剥離セパレーターのヤング率E、および前記強剥離セパレーターの厚みtが以下の関係を満たし:
    0.01<弱剥離強度;
    弱剥離強度+0.01≦強剥離強度<0.04×F;
    F>π/4・E・t2
    ここで、端裂抵抗Fは単位がN/25mm、剥離強度は単位がN/25mm、かつ、厚みtは単位がμmである転写用光反射シート。
  2. 前記膜脆性改良層のガラス転移温度Tgが−5℃〜60℃である請求項1に記載の転写用光反射シート。
  3. 前記膜脆性改良層の正面位相差が5nm未満である請求項1または2に記載の転写用光反射シート。
  4. 前記膜脆性改良層が、ウレタンアクリレートおよびエポキシアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種類以上の紫外線硬化性モノマーを含む組成物の硬化により得られた層である請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
  5. 前記剥離性支持体と前記光反射層とが直接接しており、かつ、前記ラミネートフィルムと前記膜脆性改良層とが直接接している請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
  6. 前記剥離性支持体が、ポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
  7. 前記ラミネートフィルムが離型層および粘着層からなり、前記粘着層がポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
  8. 前記剥離性支持体が、ポリエステルを含み、かつ前記粘着層がポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリルポリマーのいずれかを含む、請求項7に記載の転写用光反射シート。
  9. 前記光反射層が可視光領域に選択反射の中心波長を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の転写用光反射シート。
  10. 光学部材の製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の転写用光反射シートの前記剥離性支持体および前記ラミネートフィルムを剥離して前記転写体を得ること、および
    前記転写体を基材に貼付すること、
    をこの順に含む製造方法。
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