JP2003145122A - 有機塩素化合物含有機器の処理方法 - Google Patents

有機塩素化合物含有機器の処理方法

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JP2003145122A JP2001347075A JP2001347075A JP2003145122A JP 2003145122 A JP2003145122 A JP 2003145122A JP 2001347075 A JP2001347075 A JP 2001347075A JP 2001347075 A JP2001347075 A JP 2001347075A JP 2003145122 A JP2003145122 A JP 2003145122A
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鈴村  洋
Kenji Inoue
井上  健治
Toshiyuki Uchida
敏之 内田
Takahiko Endo
崇彦 遠藤
Kazuhide Kanehara
和秀 金原
Kozo Sakai
晃三 酒井
Takayoshi Hamada
高義 浜田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物処理によらないため、菌に起因する固形
物などが発生せず、また多量の水も必要としないため、
処理工程を簡素化することができ、かつ高い溶解性を有
し、トランス等の機器が複雑な場合でも有機塩素化合物
を十分に洗浄することができる有機塩素化合物含有機器
の処理方法を提供する。 【解決手段】 有機塩素化合物が入った機器から該有機
塩素化合物を抜き取る工程と、その後、イソプロピルア
ルコールまたはトリクロロベンゼンを用いて該機器の内
部を循環洗浄する洗浄工程とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素化合物含
有機器の処理方法に関し、詳しくは、ポリ塩化ビフェニ
ル(PCB)等の有機塩素化合物を使用したトランスお
よびコンデンサ等の機器の洗浄および解体等の処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】PCBの機器の処理方法としては、これ
まで、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等
の溶剤を用いて機器を洗浄し、PCBを機器から抽出分
離する方法や、機器を加熱し、PCBを気化して回収
し、その後、PCB油として処理する加熱脱着法、ト
ランス等の機器に付着・含浸しているPCBを減圧下で
加熱蒸発除去する真空加熱分離法、さらに、蒸発器で
連続的にPCBを850℃の高温下で蒸発させ、水素ガ
スをキャリアガスとして用い、蒸発した汚染油は気相水
素還元法にて分解するエコロジック法等が開発されてい
る。このうち、上記の、、は、すべて加熱脱着法
であり、比較的小さいトランスや内部に充填されている
コイル等の構造が簡単な場合には適用可能であるが、大
きいトランスに適用する場合や複雑な形状のコイルやコ
ンデサ、紙等へ適用することは難しく、多大なコストが
かかるという問題がある。
【0003】また、抽出分離法の一例として、特開平1
0−337591号公報がある。この方法では、先ず、
第1の洗浄行程で、噴霧口よりトルエン等の有機溶媒を
噴霧してトランスの内部の壁面などに付着しているPC
Bを洗い落とす。第1の洗浄行程で溶媒による内部洗浄
を終えたトランスは、第2の洗浄工程へ送られる。第2
の洗浄工程では、分解菌培養槽から分解菌培養液がトラ
ンス内に添加される。そして、攪拌装置によりPCBが
溶け込んだ洗浄溶媒と培養液を混ぜ合わせる。培養液の
添加後は、そのまま培養することにより、トランス中の
PCBを分解菌により分解させる。
【0004】しかし、上記の従来技術では、以下のよう
な問題点がある。 (1)溶剤として、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタ
ン、シクロオクタン、トルエン、フェノール、キシレン
等が使用されている。また、PCBを含んだ溶剤液を処
理する場合、予め、紫外線による分解や超音波による分
解を行なった後、生物処理によりPCBを分解してい
る。しかし、生物処理する場合には、菌の残物や栄養分
のかす等が残り、生物処理した後に固形物の除去が必要
となるという問題点がある。 (2)トランス中のPCBを溶解させるために、溶剤を
トランス内に充満させている。しかし、溶解速度は、流
体の流れに依存するため、溶解性が悪いという問題点が
ある。 (3)菌でPCB処理する場合には、培養液として多量
の水が必要となる。そこで、上記のような溶剤と水の混
合物が副生し、これらを分離するには連続蒸留等の設備
や装置が必要となるという問題点がある。 (4)通常のトランスの内部は空洞ではなく、その構造
は複雑であり、従来の特許のように攪拌装置や気体ポン
プ他の装置を入れることはできないし、無理に入れて
も、内部の攪拌やバブリングの状態は均一とは程遠いと
いう問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、生物処理によらないため、菌に起因する固形
物などが発生せず、また多量の水も必要としないため、
処理工程を簡素化することができ、かつ高い溶解性を有
し、トランス等の機器が複雑な場合でも有機塩素化合物
を十分に洗浄することができる有機塩素化合物含有機器
の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方法
は、有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物
を抜き取った後、イソプロピルアルコールまたはトリク
ロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する洗浄
工程を含むことを特徴とする。このように、有機塩素化
合物の溶解度が高いイソプロピルアルコールまたはトリ
クロロベンゼンを用いることで、生物処理による洗浄に
比べ、洗浄液の処理工程を大幅に簡素化でき、また、循
環洗浄が可能になることで、有機塩素化合物の洗浄力を
向上させることができる。
【0007】ここで、本明細書において、有機塩素化合
物とは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩化ベンゼ
ン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロ
ロエチレン、塩化ビニル、ジクロロエタン、ペンタクロ
ロエタン等の塩素を含む有機化合物をいい、特に、環境
汚染への懸念がある化合物である。また、有機塩素化合
物含有機器とは、有機塩素化合物が充填された容器を含
む概念であり、例えば、上記の化合物を使用した高圧ト
ランス、高圧コンデンサ、低圧トランス、低圧コンデン
サ等が挙げられる。
【0008】また、本発明に係る有機塩素化合物含有機
器の処理方法は、有機塩素化合物が入った機器から該有
機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、トリクロロベ
ンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄工
程と、さらにその後、イソプロピルアルコールを用いて
該機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程とを含むこと
を特徴とする。また、その逆として、有機塩素化合物を
抜き取った後、イソプロピルアルコールを用いて該機器
の内部を循環洗浄する第1洗浄工程を行った後、トリク
ロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第2
洗浄工程を行うこともできる。このように、トリクロロ
ベンゼンとイソプロピルアルコールとを併用して洗浄す
ることにより、機器内の有機塩素化合物の濃度をより低
下させることができる。
【0009】また、本発明は、上記工程に加えて、洗浄
工程を経た洗浄液から有機塩素化合物を分離してイソプ
ロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液を
得る再生工程をさらに含むことが好ましい。上記再生工
程で得られたイソプロピルアルコールまたはトリクロロ
ベンゼンの再生液の少なくとも一部を、上記洗浄工程に
おけるイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼ
ンに加えることができる。イソプロピルアルコールまた
はトリクロロベンゼン中の有機塩素化合物の濃度が高く
なるにつれ、有機塩素化合物の溶解度が低くなるため、
イソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの一
部を抜き出して、これを減圧蒸留等で有機塩素化合物を
分離除去するかまたは,紫外線等を利用して含塩素有機
化合物分解することにより、高い溶解度を維持しながら
循環洗浄を行うことができる。
【0010】さらに、本発明は、上記洗浄工程を経た機
器あるいは機器に用いられる容器および該機器内の部品
を解体して部材を得る解体工程と、その後、該部材に対
してふき取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行
い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、
満たさない該部材はイソプロピルアルコールに漬けて、
該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに溶解させ
る溶解工程とをさらに含むことが好ましい。機器に内蔵
されているコイル等の部品の形状が複雑である場合、外
側からイソプロピルアルコールを供給しても、コイル内
の有機塩素化合物は、イソプロピルアルコールと接触し
ないために溶解しない。そこで、機器および部品を部材
に切断して、完全に表面が溶剤に触れるようにすること
で、有機塩素化合物を洗浄することができる。また、こ
のように、解体された部材に対し有機塩素化合物の濃度
を測定し、規制値を超える部材に対してのみ、溶解工程
を行うことで、溶解工程を行う部材の量を減少させるこ
とができ、有機塩素化合物の処理工程の効率を向上させ
ることができる。
【0011】さらに、本発明は、上記溶解工程を経た部
材を乾燥させた後、該部材に対してふき取り試験、洗浄
液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部
材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材は、再
び、上記溶解工程を行うことが好ましい。このようにし
て、部材が規制値を満たすまで溶解工程を繰り返すこと
で、有機塩素化合物含有機器を安全に処理することがで
きる。
【0012】また、本発明に係る有機塩素化合物含有機
器の処理方法は、有機塩素化合物が入った機器から該有
機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、該機器および
該機器内部の部品を解体して部材を得る解体工程と、該
部材に対してふき取り試験、洗浄液試験または部材採取
試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは
廃棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに
漬けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに
溶解させる溶解工程とを含むことを特徴とする。このよ
うに、有機塩素化合物含有機器によっては、上記の洗浄
工程を行わずに解体し、溶解工程によってのみ有機塩素
化合物を除去することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照しなが
ら、本発明の実施の形態を説明する。第1の実施の形態 図1は、本発明に係る有機塩素化合物の機器の処理方法
の一実施の形態を示す処理フロー図である。図1に示す
ように、先ず、PCB含有機器であるトランスに充填し
たPCBを、トランスから抜き取る。次に、イソプロピ
ルアルコールによりトランス内部を循環洗浄する。そし
て、洗浄されたトランスは、密閉された空間で解体さ
れ、コンデンサやさらにその内部に存在するコイルなど
の部材にまで分解される。これらの部材は、ふき取り試
験法によりPCB量を測定する。規制値を満たす部材
は、リサイクルされる。一方、規制値を満たさない部材
は、イソプロピルアルコールに浸してPCBを溶解させ
る。そして、部材を乾燥させた後、再び、ふき取り試験
を実施し、規制値を満たす部材はリサイクルされる。ま
た、規制値を超える部材は、再度、イソプロピルアルコ
ールに浸してPCBを溶解させる。この溶解は、規制値
を満たすまで繰り返す。
【0014】トランス内部の洗浄方法の一例を図2に示
す。図2に示すように、先ず、トランス1の内部を洗浄
するため、溶剤槽2の溶剤11を送液ポンプ3によりト
ランス1に循環供給して、PCBを溶解させる。ここで
は、溶剤11として、イソプロピルアルコールを用い
る。溶剤11に溶解したPCBを分離するために、溶剤
槽2から溶剤11をポンプ4で抜き出し、蒸留装置5に
送る。蒸留装置5では、PCBが濃縮されたPCB濃縮
イソプロピルアルコール液12と、PCBを含まないイ
ソプロピルアルコール再生液13とに分離される。PC
B濃縮液12は、PCB用紫外線照射装置(図示省略)
によってPCBを分解処理する。一方、再生液13は、
配管により溶剤槽2に戻し、再び、トランス1の循環洗
浄に用いられる。
【0015】解体を行う処理場の一例を図3に示す。図
3に示すように、トランス1の解体およびその部品の切
断等を行うため、トランス1を密閉された部屋6内に持
ち込む。ファン7により部屋6内から一定量の空気を吸
い込み、そして活性炭槽8を通して放出する。これは、
PCBを含んだ空気または液体が部屋6内にこもらない
ようにするためである。この密閉された部屋6内におい
て、高圧水ジェットやガス切断機、水アークプラズマジ
ェット等(図示省略)を利用して、トランス1の解体と
コンデンサ等の内部に存在するコイル等の部品の分解を
行なう。密閉されていることにより、ガス切断や高圧水
による切断を行っても、PCBの外部への飛散を防ぐこ
とができる。
【0016】ふき取り試験としては、PCB除去後の部
材について、所定の面積を溶剤(n−ヘキサン等)をふ
くませた脱脂綿等で拭き取ってPCB量(μg−PCB
/100cm2)を測定する。PCB量は、PCB測定方
法(昭和46年環告59号付表5、パックドカラムGC
−ECD法)に準じての測ることができる。規制値とし
ては、0.1μg/100cm2以下を採用し、これを満
足する部材は、リサイクルまたは廃棄することができ
る。また、ふき取り試験の他に、洗浄液試験または部材
採取試験によってもPCB量を測定することができる。
洗浄液試験の場合は0.5mg−PCB/kg以下の規
制値を採用し、部材採取試験の場合は0.01mg/k
g以下の規制値を採用する。
【0017】部材の溶解方法の一例を図4に示す。図4
に示すように、部材41は、イソプロピルアルコールを
溶剤11としたPCB溶解槽42に入れて、PCBを溶
解させる。溶剤11に溶解したPCBを分離するため
に、溶剤11をポンプ43で抜出し、蒸留装置44に送
る。蒸留装置44では、PCBを濃縮したPCB濃縮イ
ソプロピルアルコール液45と、PCBを含まないイソ
プロピルアルコール再生液46とに分離される。PCB
を含まないイソプロピルアルコール再生液46は、配管
によりPCB溶解槽42に戻し、再び、部材41のPC
Bを溶解させる。一方、PCB濃縮イソプロピルアルコ
ール液45は、PCB用紫外線照射装置(図示省略)に
て分解処理する。PCBを溶解させた部材41は、PC
B溶解槽42から取り出され、乾燥した後、再び、ふき
取り試験を実施する。規制値を満たす部材は、リサイク
ル用材料とする。一方、規制値を満たさない部材は、規
制値を満たすまで、この溶解工程を繰り返し行う。
【0018】ここで、PCBの分解処理の一例として、
図5にそのフロー図を示す。図5に示すように、KC−
1000(KC−500(5塩化ビフェニル)70wt
%、トリクロロベンゼン30wt%)を減圧蒸留51す
ることにより分離したKC−500に、溶解槽52にて
溶剤としてイソプロピルアルコールと水酸化ナトリウム
を加え、紫外線分解53によりPCBを分解する。20
℃におけるイソプロピルアルコールへのKC−500の
溶解度は、1.6wt%程度であり、トランスの洗浄処
理および溶解処理において、PCB抜き取り後に残存す
るPCBを溶解させるのに充分な溶解性を持っている。
また、水酸化ナトリウムを加えて、溶剤をアルカリ性に
することで、PCBの溶解を促進することができる。そ
して、紫外線分解53の後、二相分離槽54によりイソ
プロピルアルコール相と水酸化ナトリウム相とに分離す
る。イソプロピルアルコール相は、蒸発・分離55し、
分離されたイソプロピルアルコールは、再び溶解槽52
に戻す。また、イソプロピルアルコールを除いた廃液
は、生物処理56を経て放流する。水酸化ナトリウム相
は脱水・脱塩57した後、再び溶解槽52に戻す。この
ようにして、PCBを分解することができる(特願20
01−021786号)。
【0019】第2の実施の形態 図6は、本発明に係る有機塩素化合物の機器の処理方法
の一実施の形態を示す処理フロー図である。図6に示す
ように、先ず、PCB含有機器であるトランスに充填し
たPCBを、トランスから抜き取る。次に、トリクロロ
ベンゼンによりトランス内部を循環洗浄する。そして、
さらにイソプロピルアルコールによりトランス内部を循
環洗浄する。このように洗浄されたトランスは、密閉さ
れた空間で解体され、コンデンサやさらにその内部に存
在するコイルなどの部材にまで分解される。これらの部
材は、拭き取り試験法によりPCB量を測定する。規制
値を満たす部材は、リサイクルされる。一方、規制値を
満たさない部材は、イソプロピルアルコールに浸してP
CBを溶解させる。そして、部材を乾燥させた後、再
び、ふき取り試験を実施し、規制値を満たす部材はリサ
イクルされる。また、規制値を満たさない部材は、再
度、イソプロピルアルコールに浸してPCBを溶解させ
る。この溶解は、規制値を満たすまで繰り返す。
【0020】トリクロロベンゼンとイソプロピルアルコ
ールによるトランス内部の洗浄方法の一例を図7に示
す。図2と同様な構成については、同一の符号を付し、
詳細な説明は省略する。図7に示すように、先ず、バル
ブ9、10を閉じて、バルブ29、30を開き、トラン
ス1の内部を洗浄するため、溶剤槽22の溶剤31を送
液ポンプ23によりトランス1に循環供給して、PCB
を溶解させる。ここでは、溶剤31として、トリクロロ
ベンゼンを用いる。溶剤31に溶解したPCBを分離す
るために、溶剤槽22から溶剤31をポンプ24で抜き
出し、蒸留装置25に送る。蒸留装置25では、減圧蒸
留により、PCBが濃縮されたPCB濃縮トリクロロベ
ンゼン液32とPCBを含まないトリクロロベンゼン再
生液33とに分離される。PCB濃縮トリクロロベンゼ
ン液32は、上記したPCB用紫外線照射装置と同様の
原理のトリクロロベンゼン用紫外線照射装置(図示省
略)にて分解してベンゼンにして処理するか、または蒸
留装置(図示省略)により規制値以下のPCB濃度にし
たトリクロロベンゼン液として廃棄物処理する。一方、
再生液33は、配管により溶剤槽22に戻し、再び、ト
ランス1の循環洗浄に用いられる。
【0021】次に、バルブ9、10を開き、バルブ2
9、30を閉じて、溶剤槽2にあるイソプロピルアルコ
ールの溶剤11を送液ポンプ3によりトランス1に循環
供給して、PCBを溶解させる。溶剤11に溶解したP
CBを分離するために、溶剤槽2から溶剤11を蒸留装
置5に送り、蒸留装置5で、PCB濃縮イソプロピルア
ルコール液12とPCBを含まないイソプロピルアルコ
ール再生液13とに分離する。PCB濃縮イソプロピル
アルコール液12は、PCB用紫外線照射装置(図示省
略)によってPCBを分解処理する。一方、再生液13
は、配管により溶剤槽2に戻し、再び、トランス1の循
環洗浄に用いられる。
【0022】トランスの解体や、ふき取り試験、部材の
溶解は、第1の実施の形態と同様にして、実施すること
ができるので、ここでの説明を省略する。23℃におけ
るトリクロロベンゼンへのKC−500の溶解度は、4
3wt%程度であり、イソプロピルアルコールと比べ
て、トリクロロベンゼンの溶解度の方が高い。本実施の
形態では、トリクロロベンゼンとイソプロピルアルコー
ルを組み合わせて洗浄する方法を示したが、トリクロロ
ベンゼンを単独で使用しても良い。
【0023】
【発明の効果】上記したところから明らかなように、本
発明によれば、生物処理によらないため、菌に起因する
固形物などが発生せず、また多量の水も必要としないた
め、処理工程を簡素化することができ、かつ高い溶解性
を有し、トランス等の機器が複雑な場合でも有機塩素化
合物を十分に洗浄することができる有機塩素化合物含有
機器の処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方
法の一例を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る機器の洗浄方法の一例を示す概要
図である。
【図3】本発明に係る機器の解体を行う処理場の一例を
示す概要図である。
【図4】本発明に係る部材の溶解方法の一例を示す概要
図である。
【図5】本発明に係るPCB分解処理を示すフロー図で
ある。
【図6】本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方
法の一例を示すフロー図である。
【図7】本発明に係る機器の洗浄方法の一例を示す概要
図である。
【符号の説明】
1 トランス(PCB含有機器) 2 溶剤槽 3 送液ポンプ 4 ポンプ 5 蒸留装置 6 密閉された空間 7 ファン 8 活性炭槽 11 溶剤(イソプロピルアルコール) 12 PCB濃縮イソプロピルアルコール液 13 イソプロピルアルコール再生液 22 溶剤槽 23 送液ポンプ 24 ポンプ 25 蒸留装置 31 溶剤(トリクロロベンゼン) 32 PCB濃縮トリクロロベンゼン液 33 トリクロロベンゼン再生液 41 部材 42 PCB溶解槽 43 ポンプ 44 蒸留装置 45 PCB濃縮イソプロピルアルコール液 46 イソプロピルアルコール再生液 51 減圧蒸留 52 溶解槽 53 紫外線分解 54 二相分離槽 55 蒸発・分離 56 生物処理 57 脱水・脱塩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 健治 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 内田 敏之 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 遠藤 崇彦 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 金原 和秀 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人 鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 酒井 晃三 神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3 番1号 菱和エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 浜田 高義 広島県広島市西区観音新町一丁目20番24号 菱明技研株式会社内 Fターム(参考) 3B201 AA47 BB95 CC21 CD22 4D004 AA50 AB06 CA02 CA07 CA13 CA40 CA42 CB12 CC04 CC20 DA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素化合物が入った機器から該有機
    塩素化合物を抜き取る工程と、その後、イソプロピルア
    ルコールまたはトリクロロベンゼンを用いて該機器の内
    部を循環洗浄する洗浄工程とを含むことを特徴とする有
    機塩素化合物含有機器の処理方法。
  2. 【請求項2】 有機塩素化合物が入った機器から該有機
    塩素化合物を抜き取る工程と、その後、トリクロロベン
    ゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄工程
    と、さらにその後、イソプロピルアルコールを用いて該
    機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程とを含むことを
    特徴とする有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  3. 【請求項3】 有機塩素化合物が入った機器から該有機
    塩素化合物を抜き取る工程と、その後、イソプロピルア
    ルコールを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄
    工程と、さらにその後、トリクロロベンゼンを用いて該
    機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程とを含むことを
    特徴とする有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  4. 【請求項4】 上記洗浄工程を経た洗浄液から有機塩素
    化合物を分離してイソプロピルアルコールまたはトリク
    ロロベンゼンの再生液を得る再生工程をさらに含むこと
    を特徴とする請求項1〜3に記載の有機塩素化合物含有
    機器の処理方法。
  5. 【請求項5】 上記再生工程で得られたイソプロピルア
    ルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液の少なくと
    も一部を、上記洗浄工程におけるイソプロピルアルコー
    ルまたはトリクロロベンゼンに加えることを特徴とする
    請求項4に記載の有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  6. 【請求項6】 上記洗浄工程を経た機器および該機器内
    部の部品を解体して部材を得る解体工程と、その後、該
    部材に対して拭き取り試験、洗浄液試験または部材採取
    試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは
    廃棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに
    漬けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに
    溶解させる溶解工程とをさらに含むことを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載の有機塩素化合物含有機器
    の処理方法。
  7. 【請求項7】 有機塩素化合物が入った機器から該有機
    塩素化合物を抜き取る工程と、その後、該機器および該
    機器内部の部品を解体して部材を得る解体工程と、該部
    材に対して拭き取り試験、洗浄液試験または部材採取試
    験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃
    棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに漬
    けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに溶
    解させる溶解工程とを含むことを特徴とする有機塩素化
    合物含有機器の処理方法。
  8. 【請求項8】 上記溶解工程を経た部材を乾燥させた
    後、該部材に対して拭き取り試験、洗浄液試験または部
    材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクル
    または廃棄し、満たさない該部材は、再び、上記溶解工
    程を行うことを特徴とする請求項6または7に記載の有
    機塩素化合物含有機器の処理方法。
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