JP2003141494A - Icカード及びその製造方法 - Google Patents

Icカード及びその製造方法

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JP2003141494A JP2001338813A JP2001338813A JP2003141494A JP 2003141494 A JP2003141494 A JP 2003141494A JP 2001338813 A JP2001338813 A JP 2001338813A JP 2001338813 A JP2001338813 A JP 2001338813A JP 2003141494 A JP2003141494 A JP 2003141494A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局部的に圧力がかかったり、折り曲げられて
もICチップが破損しにくい構造のICカード、及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 ICチップと、当該ICチップと電気的
に接続し通信機器との通信を可能にするアンテナとを具
備したインレットシート基材を含むICカードであっ
て、ICチップの周囲がエポキシ樹脂で被覆されて補強
されており、このエポキシ樹脂は、少なくとも95℃未
満の温度にて10分〜90分でエポキシ樹脂の部分硬化
重合を促進する成分aと、100℃以上の温度にて10
分〜90分でエポキシ樹脂の完全な硬化重合を促進する
成分bとを硬化剤として用いた、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンの硬化重合により得られた重合生成物
である。この際、ICチップの上面側に板厚10μm〜
100μmの補強板を設けて更に補強することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップと該I
Cチップと電気的に接続され、リーダーライターと称さ
れる通信機器との通信により、ICチップのメモリーに
記録された情報の記録、書き換え、読み取りを行うIC
カード、及びその製造方法に関するものである。このよ
うなICカードは、ICカードとリーダーライターの間
の距離が、数mm〜数mまでのさまざまな範囲で通信で
きるものがあり、密着型(通信距離0〜数mm)、近接
型(数mm〜数cm)、近傍型(数cm〜数十cm)、
マイクロ波型(数十cmから数m)とその通信距離によ
り分類されている。これらのなかには、リーダーライタ
ーとICカードが離れて通信できるものがあり、本発明
ではこのような非接触ICカードと称されるICカード
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カードの状態で情報を記録するものとし
て、従来より磁気カードが広く使用されてきた。この磁
気カードは、カード全面に磁気記録層を設ける、いわゆ
る、磁気カードと称されるもの、カードの一部分にスト
ライプ状の磁気記録層を設ける、いわゆる、磁気ストラ
イプカードと称されるものに大別できる。磁気カード
は、交通カード、定期券、テレビジョンやゴルフ練習機
などに使用されるプリペイドカードや切符類に使用さ
れ、磁気ストライプカードは、銀行カードやキャッシュ
カードなどに使用されている。これらの磁気カードの磁
気記録層は、バリウムフェライトやγ−酸化鉄あるいは
コバルト被着γ−酸化鉄などの磁性材が、ポリウレタン
樹脂などのバインダーに分散されており、その厚みは、
数μm〜100μm程度である、磁性材は、磁化容易軸
が記録方向に配向するように、磁性材をコーティングす
る際に永久磁石や空心コイルなどで一定方向に配向処理
されている。このような配向処理を施すと、磁気ヘッド
と称される、いわゆる、微小な電磁石で磁界をかけ磁性
材を一定方向に磁化し所定のパターンを記録する際に、
磁界を取り去ったあとでの磁化の量(残留磁化)が大き
くなるという特徴が発現する。このように磁気記録で
は、磁気記録層中の磁性材をある一定の範囲で磁化し、
その磁化の方向を変化させることにより磁化パターンを
作成し記録している。しかしながら、この磁化パターン
は、所定の磁気ヘッドを使用すると容易に書き換えが行
うことができ、カードに記録された使用残高などの情報
を改竄、偽造することが容易にでき、このような偽造、
変造が大きな社会問題となっていた。
【0003】磁気記録方式では、記録の改竄を防止する
ために、いわゆる、磁気遮蔽層と称する軟磁性材を含有
したシールド層を磁気記録層の表面に形成することがあ
る。このときには、磁気記録、読み取りを行う場合に、
いわゆる、バイアス電流と称する一定方向の直流磁界を
かけ、シールド効果が発現しない状態で記録する方式
や、記録層自体を、磁化のしやすさが異なる、いわゆ
る、保磁力が異なる磁性層を複数層接してもうけそれぞ
れの層に固有の情報を記録するなどの改竄対策を施すこ
とが行われる場合がある。しかしながら、これらの対策
を施しても、所定の磁気ヘッドで記録することにより、
偽造、変造が皆無になることはない。また、磁気カード
類は、磁気ヘッドとほとんど接触して記録、書き込み、
読み取りを行うため、カードを財布などのカードホルダ
ーからいちいち取り出して使用することが必要である。
さらに、磁気カードでは、カードに記録できる情報が所
定の記録密度でカードの長さの範囲内に限定されるた
め、磁気記録を行う、いわゆる、磁気トラックを複数個
(通常2〜4本)にしたとしても、記録できる情報の量
が限定される。
【0004】これに対して、ICカードでは、ICチッ
プのメモリーに情報を記録するため、その情報量は、磁
気カードの数倍〜数千倍と情報量が多い。また、アンテ
ナを内蔵した磁気カードでは、リーダーライターと接触
することなく通信を行うことが可能で、カードホルダー
のカードを入れていてもリーダーライターとの通信は一
般に可能である。このため被接触ICカードは、テレフ
ォンカードやJRの定期券などでの使用が始められてお
り、今後、住民基本台帳や免許証、保険証などにも使用
が検討されているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】非接触ICカードは、
情報を記録するためのメモリーを具備したICチップ
と、該ICチップと電気的に接続されリーダーライター
から送信されてくる電磁波を把捉するアンテナ(場合に
よっては、カードからの情報を電磁波としてリーダーラ
イターに送信する)を有している。これらのICチップ
およびアンテナは同一の基材に配置されることがきわめ
て多い。これをインレットと称している。このインレッ
トに使用するシート基材は、ポリイミドやPET(ポリ
エチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフ
タレート)が使用されることが多く、その厚みは、10
μm〜200μm程度でさまざまである。このインレッ
トシート基材に、アンテナをエッチング法、銅線などを
まきつけコイル状にした巻線アンテナ法、銀ペーストな
どを印刷したペーストアンテナ法などで設ける。これら
のアンテナに、ICチップをワイヤーボンディング法や
フリップチップボンディング法(FCB法)などで実装
する。ICチップは、いわゆる、IC(集積回路)を具
備したチップの1種であり、ICカード用ICチップと
してインフィニオン社やモトローラー社、富士通社、ソ
ニー社より販売されている。
【0006】これらのICチップは、通常のICと同様
に、シリコンウェハー上に、リソグラフィーやドーピン
グなどの手法により電子回路を形成し、アンテナとの接
続端子を設け、必要な厚みに研摩し、ダイシングして所
定のICチップ形状とする。アンテナとの接続端子は、
通常、バンプと称され金メッキやハンダメッキなどによ
り形成する。このようなICカード用ICチップをアン
テナの端子接続部分にワイヤーボンディング法(金線な
どでICチップの接続端子とアンテナ接続端子を接続す
る方法)、フリップチップボンディング法(ICチップ
とアンテナをACF(異方導電性フィルム)やACP
(異方導電性ペースト)を介して、加熱加圧により接続
する方法)などの手法で接合を行う。ACFやACPに
は、金粒子や銀粒子などの導電材が含まれており、加圧
することによりそれらの粒子が接触し、導通することに
なり、ACFなどは、日立化成やソニーケミカル社より
販売されている。
【0007】ところが、このようにして実装したICチ
ップは、いわゆる、ベアーチップと称され、チップがイ
ンレット上で剥き出しになっており、カード化した後で
も、ペン先などで局部的に圧力がかかったり、折り曲
げ、捻じれ等でICチップが破損することが多いという
問題がある。このため、ICメモリーに蓄積、保存され
た貴重な情報が失われることが多かった。このようにベ
アーチップを実装したICカードは、使用回数が数回〜
数十回でチップが破損し、非接触ICカードのひとつの
特徴である繰り返し使用可能(通常は1000回程度)
であることを保持することが困難である。
【0008】このようなことから、ICチップ単体をイ
ンレットシート基材に実装するのではなく、ICチップ
を樹脂で固め補強した、いわゆる、ICチップモジュー
ルを使用しようとする試みがなされている。このICチ
ップモジュールは、ステンレスや4,2アロイなどの所
定形状の端子部分を有する、厚み50μm〜200μm
のリードフレームと称する金属板にICチップを実装
し、ICチップの接続端子とリードフレームの接続端子
をワイヤーボンディング法などで金ワイヤーなどで結線
し、チップ部分を所定形状の金型に入れて、封止樹脂を
封入し、加熱固化させた後、金型から取り出して形成す
る。このICチップモジュールは、パッケージ化チップ
とも称され、ICチップが樹脂で固められているため、
ペン先などの局部的な外力に強く、折り曲げや捻じれな
どにも強い。このICチップモジュールは、たとえば、
インフィニオン社からはMCC−2−2−1などの商品
番号で販売されている。しかしながら、ICチップモジ
ュールは、上記のような複雑な製造工程が必要で、専用
の金型を作成する必要があり、コストが高くなるという
欠点がある。また、モジュール化したときに樹脂封止す
るため、リードフレームと樹脂部分の厚みが厚くなり、
通常、400μm〜600μmの厚みとなるため、IS
O規格にあるようなカード厚み、740μm〜840μ
mに設定するためには、基材にチップを納める穴をあけ
るなどの必要性が生じ、製造工程が複雑になるという問
題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決可能
な本発明のICカードは、ICチップと、このICチッ
プと電気的に接続し通信機器との通信を可能にするアン
テナとを具備したインレットシート基材を含み、ICチ
ップの周囲がエポキシ樹脂で被覆されることによって補
強されており、この際、ICチップの周囲を被覆してい
るエポキシ樹脂が、少なくとも95℃未満の温度にて1
0分〜90分でエポキシ樹脂の部分硬化重合を促進する
成分aと、100℃以上の温度にて10分〜90分でエ
ポキシ樹脂の完全な硬化重合を促進する成分bとを硬化
剤として用いた、ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンの硬化重合により得られた重合生成物であることを特
徴とし、本発明のICカードでは、2種類の硬化剤の併
用によって、ICチップの周囲を被覆しているエポキシ
樹脂の補強効果が、1種類の硬化剤により得られるエポ
キシ樹脂の補強効果よりも大きく、ICチップが破損し
にくいという利点を示す。
【0010】本発明では、前記の成分aが、変性脂肪族
アミン、脂環族ポリアミン、第三アミン、イミダゾール
類およびBF3 錯体から選ばれる少なくとも一種で、エ
ポキシ樹脂成分中に10〜90重量%の範囲内で含有さ
れていることが好ましく、前記成分bは、イミダゾール
系アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、フェノール樹
脂、アミノ樹脂、ジシアンアミドおよびヒドラジド化合
物から選択される少なくとも一種で、エポキシ樹脂成分
中に10〜90重量%の範囲内で含有されていることが
好ましい。
【0011】まず、本発明のICカードにおけるエポキ
シ樹脂について説明する。本発明では、ICチップ部分
の封止樹脂として、強度の優れたビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンの重合物(いわゆる、ビスフェノール
Aタイプのエポキシ樹脂)が使用されており、ビスフェ
ノールAとエピクロルヒドリンはそれぞれ、下記の構造
式で表される。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを
アルカリ化で反応させると、次の化学構造を有したエポ
キシ樹脂が生成する。
【0015】
【化3】
【0016】このようなビスフェノールAタイプのエポ
キシ樹脂の特徴としては、(1) ビスフェノール基の対称
性が高く、剛直で緻密な構造が得られる、(2) 耐薬品性
が優れる、(3) 折り曲げなどの可撓性に優れる、(4) 接
着性が高い、(5) 適度な反応性を有する、などが挙げら
れ、ICチップとしての封止効果に優れている。
【0017】そして、本発明では、このビスフェノール
タイプの樹脂の硬化に使用される硬化剤として、硬化促
進温度の異なる2種類の成分が適切に配合されて使用さ
れ、一方が、少なくとも95℃未満の温度にて10分〜
90分でエポキシ樹脂の部分硬化重合を促進する成分a
であり、もう一方が、100℃以上の温度にて10分〜
90分でエポキシ樹脂の完全な硬化重合を促進する成分
bである。本発明のICカードの製造においては、イン
レットシート基材と別のシート状基材、たとえば、イン
レットシート基材の表面と裏面にそれぞれシート状基材
を配置し、接着材を介して加熱加圧して接合することが
多く、この際の加熱加圧条件、通常は100℃〜150
℃の温度条件で封止樹脂の硬化を完全にするため、あら
かじめインレットの状態で80℃程度の温度条件で上記
成分aによる部分硬化処理を行い、その後、上記温度条
件にて加熱を行い、上記成分bにより樹脂を完全硬化さ
せる。
【0018】次に、本発明のICカードの構成について
説明する。本発明のICカードでは、ICチップとして
ベアーチップが採用されており、アンテナを配置したイ
ンレットシート基材上で、FCB法などの方法によりチ
ップ端子とアンテナ端子が接続され、ICチップ部分が
スクリーン印刷などの手法により前記エポキシ樹脂で被
覆され、加熱硬化したエポキシ樹脂によってICチップ
の周囲が補強された構造となっている。そして、成形時
にICチップ部分の盛り上がりを少なくするために、I
Cチップの厚みをA、エポキシ樹脂の厚みをBとすると
きのB−Aが100μm以下となるように設定されてい
る。
【0019】本発明では、ICチップを被覆する封止樹
脂のICチップ部分上部ならびにインレット基材を介し
て裏面のICチップ部分にも封止樹脂を配し、さらに、
薄い補強板(金属板)を、インレットシート基材におけ
るICチップ部分の表面側及び/又は裏面側の封止樹脂
に接触させて設けることで、チップ強度を増大させるこ
とが可能であり、この際、補強板としての金属板の厚さ
は10μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0020】尚、本発明においては、少なくともインレ
ットシート基材のICチップ実装面側に積層される外皮
シートがポリエステル材から形成され、インレットシー
ト基材と外皮シートの厚みが50μm〜500μmの範
囲にあることが好ましい。又、本発明では、インレット
シート基材と外皮シートの間に、融点50℃〜150℃
のポリエステル系接着材が挿入され、当該ポリエステル
系接着材の厚みが10μm〜300μmの間にある構造
であることが好ましい。更に、本発明のICカードにお
いては、アンテナがカードの端部に配置されることが多
いため、ICチップもカードの端部に位置することが多
く、ICチップの位置がカード端部に近く設定されてい
る場合でも、封止樹脂がカードエッジにはみ出しても、
端部の汚れを目立たなくさせる目的で、エポキシ樹脂に
白色顔料を添加することが好ましく、白色顔料の含有量
としては10〜80重量%の範囲である。
【0021】又、本発明は、このようなICチップの周
囲が補強された構造のICカードを製造するための方法
でもあり、当該方法は、インレット用シート基材上にI
Cチップおよびアンテナを設けた後、少なくとも95℃
未満の温度にて10分〜90分でエポキシ樹脂の部分硬
化重合を促進する成分aと、100℃以上の温度にて1
0分〜90分でエポキシ樹脂の完全な硬化重合を促進す
る成分bとを硬化剤として含むビスフェノールA‐エピ
クロルヒドリン混合物を、ICチップの周囲を被覆する
ようにして塗布し、50℃〜90℃の範囲の温度で10
分〜90分熱処理を施すことで、ICチップの周囲をエ
ポキシ樹脂で被覆し、その後、少なくともインレットシ
ート基材のICチップ実装面側に外皮シートを積層し、
100℃〜200℃の温度で、98.067kPa〜9
80.67kPa(1kg/cm2〜10kg/cm
2 )の加圧範囲で加熱加圧することにより積層シートを
成形し、得られた積層シートをカード状に打抜いてIC
カードとすることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の具体例
を、図面を用いて説明するが、もちろん、本発明の請求
範囲はこれらの例に限定されるものではない。図1及び
図2は、本発明のICカードの好ましい具体例を示す層
構成図であり、図3は、従来のICカードの層構成図で
ある。まず、インレットとして使用するシート基材1
は、ポリイミド材、PET、PENなどの融点や軟化点
が200℃以上のプラスチックフィルムを使用すること
が望ましい。これは、本発明が一般に、加熱加圧成形方
式でカード積層板を製造するため、基材の耐熱性が要求
されるからである。通常、このインレットシート基材1
の表面と裏面にそれぞれ外皮シート2及び3を配置し、
ホットメルト接着剤4を介して100℃〜130℃の温
度で98.067kPa〜980.67kPa(1kg
/cm2 〜10kg/cm2 )の加圧条件で基材全体を
接合する。このとき基材自体に熱収縮差があると成形
後、変形したりカールが発生したりすることが多いの
で、インレットを含む基材をあらかじめ、所定温度(8
0℃〜120℃の範囲)で数十分〜数時間アニール処理
をすることが好ましい。特に、フィルムの製膜時に延伸
処理を施したもの(2軸延伸処理PETなど)は、シー
ト原反の幅方向で収縮差があったり、また、同一シート
でも縦方向とよこ方向に収縮差が生じることがある。イ
ンレットシート基材1の厚みは、使用条件により10μ
m〜500μmのものを使用し、通常、PETでは38
μmと50μmのものを使用することが好ましい。ま
た、インレットシート基材1を挟み込む外皮シート2及
び3の厚みは、50μm〜500μmの間から適宜選択
する。
【0023】ところで、ICカードに関しては、例えば
ISOの規格があり、カード厚として740μm〜84
0μmの間に設定するようになっており、このような規
格に適合するように、外皮シートの厚み、接着剤の厚み
を適宜選択する必要があるが、本発明のICカードは、
テレフォンカードのように厚み450μmのようなもの
であっても良い。このようなPET材としては、帝人デ
ュポン社や三菱樹脂社、東レ社などから販売されてい
る。ホットメルト接着剤4は、外皮シートとしてPET
を使用する場合にはポリエステル材系の接着材を使用す
ることが多い。このポリエステル系接着剤の融点は50
℃〜150℃の範囲にあることが多く、成形加熱条件に
あわせて選択する。たとえば成形条件が120℃である
場合には、接着材の融点は、それより10℃、望ましく
は20℃低い100℃程度のものを使用する。このよう
なポリエステル系接着剤は、東亞合成社などから販売さ
れており、融点が110℃程度のものが好適である。
【0024】外皮シート2及び3としては、最近注目さ
れているPETGが特に好ましい。このPETGとは、
熱可塑性樹脂の一種である非結晶変性ポリエステル樹脂
で、PETGの名称で市場に流通しているプラスチック
シートである。この樹脂は、正式には少なくともエチレ
ングリコール、テレフタル酸及び1,4‐シクロヘキサ
ンジメタノールの3成分を重合した変性ポリエステル樹
脂と呼ばれ、PETGが特に好ましい理由は、この軟化
温度が70℃前後であって、PETGどうしが加熱した
ときに融着性を有するため、接着剤を介する必要がない
ためである。このようなPETG材としては、三菱樹脂
社や太平化学社より販売されているものが使用できる。
【0025】尚、本発明では、カードの外観を良くする
ために、インレットシート基材1、外皮シート2及び
3、および、それらを接合する接着剤が白色顔料を含有
することが好ましい。本発明にて使用されるシート状基
材としてはPETやPETGが多く、これは、印刷時の
インキを鮮明にしたり、カード端面の色付きを防止し、
枚数計測などで誤動作が生じないようにするためであ
る。白色顔料としては、一般に、酸化チタン微粒子や炭
酸カルシウム微粒子、硫酸バリウム微粒子が使用され、
その使用量は、基材として使用する場合、10〜80重
量%、接着剤として使用する場合、5〜50重量%であ
る。これより白色顔料が少ないと白色度が低下し、ま
た、これより顔料が多いとプラスチックフィルムとして
成膜時に破断が生じることが多くなり不都合である。ま
た、カードを構成する基材や接着剤に白色顔料の含有量
が多いとカード自体の不透明度が高くなり、たとえば、
カードを実際に使用する際に、カードを検知する透過型
センサーの誤動作が少なくなるというメリットがある。
このようなセンサーは、可視光や赤外光が使用されるの
でこれらの広範囲にわたる波長領域(400nm〜12
00nm)での光の透過率が数%以内という性能が要求
されることが多い。
【0026】ところで、本発明のICカードの表面に
は、オフセット印刷などの印刷を施すことが多く、特に
ICカードとしては、上記のようなプラスチックフィル
ム類に印刷することが多く、UV硬化型のインキが多用
される。このようなインキは、T&K TOKA社や東
洋インキ社、大日本インキ社などから販売されている。
基材としては、後述するICチップの実装形態からシー
ト状であることが多く、一般に印刷には枚葉印刷機が使
用される。このような印刷機は、ハイデルベルグ社や小
森コーポレーション社より販売されている。通常、オフ
セット印刷では、インキの盛り量は0.5μm〜4μm
である。そして、カードの表面と裏面にこのオフセット
印刷を施すことがほとんどである。カードの偽造を防止
するためにマイクロ文字と称する肉眼では判別しずらい
微小な文字を印刷することも好ましい。オフセット印刷
層に傷がつきにくいようにするには、カード表面にオー
バプリントニス(OPニス)を0.5μm〜20μm程
度印刷する。このOPニスの印刷層が5μmを超えると
きにはスクリーン印刷などの方法で印刷を行う。このよ
うなスクリーン印刷機は、ミノグループ社や東海商事社
より販売されている。オフセット印刷でインキの盛り量
をコントロールする場合は、基本的にインキづけロール
に供給するインキの供給量でコントロールするが、スク
リーン印刷の場合には、スクリーン版のスクリーンメッ
シュ数や感光乳剤厚、または、スキージ移動速度などの
印刷条件によりインキ盛り量をコントロールする。
【0027】シート状基材としてプラスチック材を使用
するときには、加熱温度によるシート変形に留意する必
要があるため、溶剤乾燥型のインキを使用し長時間、乾
燥するよりも、UV硬化型のインキを使用し、短時間で
の加熱温度上昇を抑えるようにすることが望ましい。U
V照射用のランプは、インキの種類によりメタルハライ
ドや水銀ランプが使用される。シートの温度上昇を防止
するために水冷式ランプにしたりコールドミラーを利用
したりすることが望ましい。
【0028】本発明におけるインレットシート基材1に
は、ICチップとアンテナを配することが必要であり、
ICチップにはICカード用のICチップを使用する。
このようなICチップは前述のインフィニオン社などか
ら販売されており、たとえばMCC1−1−2などの商
品番号で販売されている。アンテナは、通常、エッチン
グ法によるエッチングアンテナ、巻線法による巻線アン
テナ、ペースト印刷法よるペーストアンテナが使用され
る。ベアーチップを接合する場合には、通常、エッチン
グアンテナとペーストアンテナが使用されることが多
い。エッチングアンテナは、上記インレットシート基材
1に銅箔やアルミ箔を接着材を介して貼りあわせ、感光
乳剤を塗布した後、所定のパターンの版下フィルムを重
ねて露光し、レジストパターンを形成して、エッチング
して不要な金属部分を溶解させ、その後、アルカリ処理
などでレジストを剥離させることにより形成する。一
方、ペーストアンテナは、銀粒子が固形分中に50〜9
0重量%含有した銀ペーストインキをスクリーン印刷に
よりアンテナパターンを印刷して形成する。アンテナ接
続端子部分はICチップの配置上近接することが多く、
アンテナ(通常ループアンテナが採用される)の両端を
接近するためにループの途中で位置を変更するためのジ
ャンパー部分を設けることが好ましい。エッチングで
は、このアンテナ接続端子を接近させるために裏表アン
テナを配置し、クリンピングなどの手法でアンテナを接
続することが好ましい。エッチングアンテナを配したイ
ンレットシート基材は、たとえば日本黒鉛社、ナビタス
社、東洋アルミ社などから販売されている。また、銀ペ
ーストは東洋紡績社から販売されている。
【0029】本発明のICカードにおけるICチップの
接続端子は、バンプ形状であることが好ましく、このバ
ンプを、前述のワイヤーボンディング法や、最近多用さ
れているFCB法によりインレットアンテナの接続端子
部分と接合する。FCB法の場合には、インレットアン
テナのICチップ接続部分にACFを仮づけし、ICチ
ップの接続端子の位置合わせをCCDカメラ等で行い、
精度よくICチップを所定の位置に配置し、その後、約
200℃程度の温度を加え、加圧し、ACFを導通させ
ると同時にACFを熱硬化させ、接着を強固なものとす
る。このFCB法によるICチップの接合は、一般にシ
ート状インレットで行い、このようなFCB実装装置
は、たとえばカール・ズース社から販売されている。
【0030】本発明では、ICチップを実装したインレ
ットシート基材1を上記のように成形により基材を積層
するわけであるが、ベアーチップそのままでは、カード
化したあとのチップ強度が極めて弱く実用に耐えない場
合が多いために熱硬化性の樹脂でチップ部分が補強さ
れ、これに使用する補強樹脂としては、前述のビスフェ
ノールタイプのエポキシ樹脂が推奨される。ビスフェノ
ールタイプの樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンをアルカリの存在下で重合して生成し、反応式は
つぎの通りである。
【0031】
【化4】
【0032】この生成物は、エポキシ基を末端に有して
おり、硬化剤のもとで加熱時に硬化反応を行い重合体が
生成する。ここで、液状または半固体状のエポキシ樹脂
として使用する場合には、n<1の条件が必要である。
ビスフェノールAのかわりにビスフェノールFを使用し
たものは粘度が低く、本発明では後述するスクリーン印
刷用途には適さない。また、その他、たとえば、ノボラ
ック型フェノール樹脂等に比べ、ビスフェノールタイプ
のエポキシ樹脂は、前述したように、硬化後の強度が強
く可撓性に優れ、耐薬品性が高く、硬化後の収縮が少な
く、接着性が大きいなどの優れた特徴を有している。加
熱時の硬化を促進するために、通常、第一アミン、第二
アミン、第三アミンなどのアミン系硬化剤が使用され
る。本発明では、ICチップを接合したインレットのチ
ップ部分にビスフェノールタイプのエポキシ樹脂をスク
リーン印刷により被覆することが好ましいが、この場
合、エポキシ樹脂の粘度を、スクリーン印刷ができる範
囲(通常は1000cps〜100000cps)に粘
度調整する必要がある。又、この際、エポキシ樹脂によ
る被覆は、ICチップ形状を完全に覆うことが必要であ
り、このためチップ形状より大きな形状の穴をあけたメ
タルマスクを用いてスクリーン印刷を行う。
【0033】ICカード用として市販されているICチ
ップの厚みは、通常100μm〜300μm程度であ
り、この厚みをAとし、被覆する樹脂の厚みをBとする
と、B−Aは100μm以下が望ましい。これより厚み
差が大きくなると成形したときにチップ部分の盛り上が
りが大きくなり、たとえば、カードを積層したときに傾
きが大きく、くずれてしまうなどの不都合が生じる。し
かしながら、エポキシ樹脂層はICチップを完全に被覆
する必要があり、それは、さらに、チップを補強する場
合に、補強板をICチップ上部に配し、補強板とICチ
ップの間にエポキシ樹脂を介在されることによって補強
板とICチップを接合させることが必要であるためであ
る。
【0034】このようなエポキシ樹脂の印刷盛り量は、
主にメタルマスクの厚みにより調整することが可能であ
る。メタルマスクの厚みは、接合後のチップ部分の厚み
より大きく、かつ、その厚みから100μmまで大きい
厚みに調製する必要がある。印刷後、エポキシ樹脂を加
熱処理により硬化させるのであるが、硬化するまでにエ
ポキシ樹脂に表面張力により印刷部分の中央部が盛り上
がることがある。本発明でいうところのエポキシ樹脂の
厚みは、印刷直後のメタルマスクの所定の穴を通じて印
刷されたエポキシ樹脂の厚みをさしているのであり、表
面張力等での樹脂の盛り上がり量をコントロールするこ
とは非常に困難である。印刷直後のエポキシ樹脂の厚み
は、レーザー変位計(たとえば、キーエンス社製)を使
用して非接触にてμオーダーで測定することが可能であ
る。本発明で使用するビスフェノールタイプのエポキシ
樹脂は、たとえば、日立化成社、日本レック社などで販
売されており、たとえば、日本レック社では、NPR−
100の商品番号で販売されている。このエポキシ樹脂
を印刷する際に使用するメタルマスクは汎用のものでよ
く、ステンレス材などが一般的であり、たとえば、ソノ
コム社、東海商事社、むらかみ社などで製造販売されて
いる。
【0035】本発明では、ICチップを被覆するエポキ
シ樹脂に白色顔料を添加することが好ましく、これは、
成形時に樹脂がカード端面部分にはみ出したときに、カ
ード端面の地汚れを防止するためであり、白色顔料のエ
ポキシ樹脂インキ中に含まれる量は10〜80重量部が
望ましい。これより含有量が少ないとビスフェノールタ
イプのエポキシ樹脂の色が目立ち、含有量がこれより多
いと粘度が極端に大きくなりインキとして使用できなく
なる。白色顔料としては平均粒子径が0.1μm〜0.
8μmの酸化チタン微粒子が好ましく、酸化チタン微粒
子を必要量添加することにより、硬化後の樹脂の硬度が
増し、チップの補強効果が増大する。さらに、シリカな
どのエポキシ樹脂に添加することにより、樹脂の硬度を
高めることも可能である。このような酸化チタンを含有
したビスフェノールタイプのエポキシ樹脂は、たとえ
ば、日本レック社よりEZ−165Wなどの商品番号で
販売されている。
【0036】本発明では、ICチップをエポキシ樹脂で
被覆したあと、ICチップ部分に補強板をエポキシ樹脂
を介して接着させることが好ましい。この補強板は、I
Cチップ形状より大きいものが補強効果が高く、硬性を
有していれば良く、ステンレス材等の金属材、セラミッ
ク材、樹脂材が使用でき、厚み10μm〜100μmの
ものが適しており、30μm〜50μmのものが望まし
く、厚みが薄いと補強効果がなくなり、厚すぎると成形
後のチップ部分の盛り上がりが大きくなるという問題が
生じる。補強板として好ましい金属材の補強板の形成方
法としては、金属板を金型で打抜く、金属板をエッチン
グにより不要部分を溶解して取り除く、という方法があ
り、本発明で使用される金属板はいずれの製造方法にて
得られたものでも良いが、量産時に低コストになる点で
金型プレス法が好ましい。このような補強板は、たとえ
ば、ミスズ工業社より製造販売されている。
【0037】本発明の製法においては、ICチップにス
クリーン印刷等でエポキシ樹脂を被覆したのち、好まし
くは金属板をICチップ上に配置してチップの補強効果
を高めることを行うが、エポキシ樹脂の硬化を完全に行
うためには、スクリーン印刷後の樹脂を50℃〜90℃
の温度範囲で10分〜90分熱処理し(前熱処理)、外
皮シートと一体化させる際に100℃〜200℃の温度
範囲で98.067kPa〜980.67kPa(1k
g/cm2 〜10kg/cm2 )の加圧条件で10分〜
90分の熱処理を行い、エポキシ樹脂を完全に硬化させ
る。本発明では、少なくとも95℃未満の温度にて10
分〜90分でエポキシ樹脂の部分硬化重合を促進する成
分aによる硬化と、100℃以上の温度にて10分〜9
0分でエポキシ樹脂の完全な硬化重合を促進する成分b
による硬化の、2段階で樹脂の硬化が達成され、成分a
及びbはそれぞれ、エポキシ樹脂成分中に10〜90重
量部含有される。このような硬化促進する温度を調整す
るには、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂に添加す
るアミン類のような硬化促進剤の種類、配合量などで調
製を行うことが可能である。
【0038】たとえば、硬化促進温度を80℃に設定し
た場合には、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)
ウンデセン−1(DBU)を樹脂中に必要量添加し、1
00℃以上で硬化促進させるためには、トリエチルアミ
ンやベンジルジメチルアミンなどの脂肪族アミンや2,
5ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン(DMHDA)
などを必要量配合する。配合量は、一般に、エポキシ基
のモル量とアミンの活性水素のモル量を調整するなどし
て上記の加熱時間で硬化するような最適な硬化条件を設
定する。本発明では、前熱処理によるエポキシ樹脂の部
分硬化を行うが、これは、成形時のエポキシ樹脂の硬化
を完全に行うためだけではなく、たとえば、シートを成
形する前に重ねたりする場合のハンドリング時の樹脂の
擦れによるカードの地汚れを防止することや、補強板を
チップ上に装着するときに補強板と樹脂を適度に接着さ
せるという効用がある。
【0039】本発明では、前述したICチップ部分にエ
ポキシ樹脂を被覆し、補強板で補強するということ以外
に、図1に示されるようにして、インレットシート基材
1のチップ装着側と反対側のチップ位置にエポキシ樹脂
を塗布し、また、必要に応じ補強板を装着して、さらに
補強効果を高めることを行ってもよい。この場合には、
製造工程上、ICチップ部分にエポキシ樹脂被覆を行っ
た後で、その裏面側の補強処理を行うことが多いので、
ICチップと反対面の樹脂の塗布は、ディスペンサーマ
シンを利用することが望ましい。エポキシ樹脂の塗布量
は、チップあたり0.1g〜1gの間であることが望ま
しい。また、補強板も前述したようにチップより大きい
ものが望ましく、厚みも前述したとおり10μm〜10
0μmであることが望ましい。チップ上部にも補強板で
補強し、その裏側も補強板で補強する場合には、チップ
部分の厚みに加えて、エポキシ樹脂の厚み、さらに補強
板の厚みが加わることになり、チップ部分のトータル厚
みは相当なものになり、インレットシート基材1と重ね
合わせた外皮シート2及び3、さらには、その間に介し
た接着剤層で、そのチップ部分の厚みを吸収できなくな
ることがある。そのため、両面に補強板で補強する場合
には、補強板の厚みを30μm〜50μmにすることが
望ましく、また、樹脂量も適宜調整する必要がある。デ
ィスペンサーマシンについては、たとえば、武蔵エンジ
ニアリング社やサンエイテック社より販売されている。
【0040】本発明では、このようにして作成したイン
レット基材シート1を、前述のように外皮シート2や外
皮シート3の間に接着剤層4を介して成形し、積層シー
トとする場合が多いが、その後は、カードパンチャー等
を使用して所定の大きさ、たとえば、JIS II型では
54mm×86mm程度に打抜いてカード化し、ICカ
ードして使用する。本発明では、カード表面にオフセッ
ト印刷だけではなく、感熱印字基材や昇華転写受理層を
有する基材、リライト記録層を有する基材、インクジェ
ット受理層を有する基材、熱転写受理層を有する基材な
どの表示基材を使用してもよい。また、必要に応じ、カ
ード表面に、ホログラムや、サインパネル、磁気ストラ
イプなどを貼付してもよいことはいうまでもない。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろん、本発明はこれによって限定され
るものではない。 (実施例1)下記の工程に従って、インレットを作成
し、エポキシ樹脂によりチップ部分を補強し、補強板を
装着して、接着剤を介してインレットシート基材の表裏
両面に外皮シートを接合し、カード状に打抜いて本発明
のICカードを製造した。 1)インレットの形成:厚み50μmのPETフィルム
(東レ社製)に接着剤を介して厚み15μmの銅箔をロ
ール状で貼り付け、レジストを塗布した後、所定のアン
テナパターンを焼き付け、不要なレジストを除去したの
ちエッチングしてアンテナパターンを形成、その後、不
要なレジストをアルカリ液で除去した。その後、375
mm×475mmの寸法にシートカッティングし、イン
レット基材とした。 2)ICチップ実装:富士通ICカード用ICチップ
(5mm×5mm大、厚み200μm)の接続端子をF
CB法によりACF(日立化成製)を介してアンテナ端
子に接続した。接着温度は200℃とした。
【0042】3)エポキシ樹脂の印刷:ビスフェノール
タイプのエポキシ樹脂として日本レック社製EZ−16
5Wを使用し、メタルマスク(ステンレス製、ソノコム
社製)に7mm×7mm大で厚み250μmの穴をチッ
プ位置にあけたものを使用して、チップ位置に上記エポ
キシ樹脂をスクリーン印刷して、チップ部分をエポキシ
樹脂で被覆した。このエポキシ樹脂には、予め、80℃
×60分で樹脂の部分的な硬化重合を促進し得る成分と
して変性脂肪族アミンを約40%含有させ、120℃×
30分で樹脂の完全な硬化重合を促進し得る成分として
イミダゾール系アミンを約60%程度含有させた。 4)樹脂の部分硬化:上記の印刷済みシートを80℃で
30分熱風乾燥した。熱風乾燥後のシート状のエポキシ
樹脂は粘度が適度に高いものであった。
【0043】5)補強板の装着:上記の熱処理にて部分
硬化したインレットシートのICチップ部分に、厚み3
0μm、9mmφの円板状のステンレス製補強板を樹脂
に密着させるようにした装着した。 6)インレット基材の裏面の補強:上記のインレットシ
ートを裏返し、ICチップの実装位置と対応する箇所に
ディスペンサーマシンで前記EZ−165Wを0.5g
チップごとに滴下し、前記補強板を装着した。 7)成形:上記インレットシートに、融点が110℃の
ポリエステル系ホットメルト接着剤(100μm厚、東
亜合成製)を裏表面に重ね、さらに外皮シートとしてそ
の外側にPETGシート(厚み275μm、三菱樹脂
製)をそれぞれ重ね、120℃で30分間、392.2
68kPa(4kg/cm2 )の加圧下で積層一体化さ
せて積層シートとした。 8)打抜き:上記積層シートをカードパンチャーで54
mm×86mmの大きさに打抜き、図1に示される層構
成を有した本発明のICカードを得た。
【0044】上記実施例1にて得られた本発明のICカ
ードについての補強効果を、以下の試験方法にて評価し
た。 a)点圧測定:厚み5mmのシリコンゴム上にカードを
のせ、10mmφの鉄球を1mm/分の下降速度でカー
ドチップ部分に押し付けチップが破損するときの鉄球に
加わる力をロードセルで測定した。 b)折り曲げ試験:JIS X 6305に従い、カー
ド長辺方向、短辺方向、その表面、裏面の計4種類の方
向で各500回折り曲げ試験を実施し、リーダーライタ
ーにて通信可能かどうかを調査した。 c)ねじれ試験:JIS X 6305に従い、100
0回のねじれ試験を実施し、リーダーライターにて通信
可能かどうかを調査した。
【0045】(実施例2)インレットシートの裏面にエ
ポキシ樹脂層及び補強板を設けない以外は実施例1と同
様にして、図2に示される層構成を有した本発明のIC
カードを製造し、上記試験方法a)〜c)にて補強効果
を評価した。
【0046】(実施例3)インレットシートの表面に補
強板を設けず、しかも当該シートの裏面にエポキシ樹脂
層及び補強板を設けない以外は実施例1と同様にして、
ICチップの周囲がエポキシ樹脂層により補強された層
構成を有する本発明のICカードを製造し、上記試験方
法a)〜c)にて補強効果を評価した。
【0047】(比較例1)110℃で完全硬化する硬化
剤(日本レック社NPR−100)を含むエポキシ樹脂
を用い、ICチップの反対面の補強を行わずに、ICチ
ップの周囲だけがエポキシ樹脂層により補強された層構
成のICカードを製造し、上記試験方法a)〜c)にて
補強効果を評価した。
【0048】(比較例2)実施例1においてエポキシ樹
脂補強ならびに補強板による補強を行わない以外は実施
例1と同様にして、図3に示される層構成を有したIC
カードを製造し、上記試験方法a)〜c)にて補強効果
を評価した。
【0049】上記実施例1〜3及び比較例1、2におけ
る評価結果を以下の表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】表1に示されるように、本発明のICカ
ードでは、ICチップが2段階硬化により得られた樹脂
で固められているので、1段階硬化により得られた樹脂
の場合に比べて外力に強く、折り曲げや捩じれにも強
い。又、金属製の補強板で補強されたものは一層補強効
果が優れたものとなる。本発明の製造方法を用いること
によって、補強効果の優れたICカードが安定して製造
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のICカードの好ましい具体例を示す層
構成図である。
【図2】本発明のICカードの好ましい具体例を示す層
構成図である。
【図3】従来のICカードの層構成図である。
【符号の説明】
1 インレットシート基材 2、3 外皮シート 4 ホットメルト接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 下西 利幸 徳島県阿南市辰巳町1番地2 王子製紙株 式会社カードメディア事業所内 Fターム(参考) 2C005 MA10 NA08 NB37 PA03 PA04 PA15 PA19 RA04 RA06 RA11 RA23 4J036 AD08 DB15 DC05 DC06 DC09 DC41 FB09 GA19 JA15 4M109 AA01 BA03 EA03 GA03 5B035 BA03 BB09 CA01 CA23

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICチップと、前記ICチップと電気的
    に接続し通信機器との通信を可能にするアンテナとを具
    備したインレットシート基材を含むICカードにおい
    て、前記ICチップの周囲がエポキシ樹脂で被覆される
    ことによって補強されており、前記エポキシ樹脂が、少
    なくとも95℃未満の温度にて10分〜90分で前記エ
    ポキシ樹脂の部分硬化重合を促進する成分aと、100
    ℃以上の温度にて10分〜90分で前記エポキシ樹脂の
    完全な硬化重合を促進する成分bとを硬化剤として用い
    た、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの硬化重合
    により得られた重合生成物であることを特徴とするIC
    カード。
  2. 【請求項2】 前記成分aが、変性脂肪族アミン、脂環
    族ポリアミン、第三アミン、イミダゾール類およびBF
    3 錯体から選ばれる少なくとも一種であり、前記エポキ
    シ樹脂成分中に10〜90重量%の範囲内で含有されて
    いることを特徴とする請求項1記載のICカード。
  3. 【請求項3】 前記成分bが、イミダゾール系アミン、
    芳香族ポリアミン、酸無水物、フェノール樹脂、アミノ
    樹脂、ジシアンアミドおよびヒドラジド化合物から選択
    される少なくとも一種であり、前記エポキシ樹脂成分中
    に10〜90重量%の範囲内で含有されていることを特
    徴とする請求項1または2記載のICカード。
  4. 【請求項4】 前記ICチップを被覆したエポキシ樹脂
    のICチップが配置された部分に、板厚10μm〜10
    0μmの範囲にある補強板が、前記エポキシ樹脂と接触
    した状態で配置されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一項に記載のICカード。
  5. 【請求項5】 前記インレットシート基材のICチップ
    が実装された面と反対側の面に、前記ICチップを背面
    側から補強するようにして、前記エポキシ樹脂の塗布・
    硬化処理により得られた補強層が設けられていることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のICカ
    ード。
  6. 【請求項6】 少なくとも、前記インレットシート基材
    のICチップ実装面側に積層される外皮シートがポリエ
    ステル材から形成されており、前記インレットシート基
    材及び前記外皮シートの厚みが50μm〜500μmの
    範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一
    項に記載のICカード。
  7. 【請求項7】 少なくとも前記インレットシート基材と
    前記外皮シートの間に融点50℃〜150℃のポリエス
    テル系接着材が挿入されており、当該ポリエステル系接
    着材の厚みが10μm〜300μmの間にあることを特
    徴とする請求項6に記載のICカード。
  8. 【請求項8】 前記エポキシ樹脂が白色顔料を含有して
    おり、当該白色顔料の含有量が10〜80重量%の範囲
    にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に
    記載のICカード。
  9. 【請求項9】 インレット用シート基材上にICチップ
    およびアンテナを設けた後、少なくとも95℃未満の温
    度にて10分〜90分でエポキシ樹脂の部分硬化重合を
    促進する成分aと、100℃以上の温度にて10分〜9
    0分でエポキシ樹脂の完全な硬化重合を促進する成分b
    とを硬化剤として含むビスフェノールA‐エピクロルヒ
    ドリン混合物を、前記ICチップの周囲を被覆するよう
    にして塗布し、50℃〜90℃の範囲の温度で10分〜
    90分熱処理を施すことで、当該ICチップの周囲をエ
    ポキシ樹脂で被覆し、その後、少なくとも前記インレッ
    トシート基材のICチップ実装面側に外皮シートを積層
    し、100℃〜200℃の温度で、98.067kPa
    〜980.67kPaの加圧範囲で加熱加圧することに
    より積層シートを成形し、得られた積層シートをカード
    状に打抜いてICカードとすることを特徴とする、請求
    項6〜8のいずれか一項に記載のICカードの製造方
    法。
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