JP2006331198A - 携帯可能電子装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した無線ICカードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 アンテナ配線基板と、このアンテナ配線基板上に設けられたパターン状のアンテナと、前記アンテナ配線基板に搭載され、アンテナと電気的に接続され、厚さT1および最大方向の長さS1を有するICチップと、ICチップと対向して固定され、ICチップと対向する全面と接触され、且つ、下に示す条件
1.0≦S2/S1≦3.0
5≦S2/T2≦840
5μm≦T1≦250μm
を満たす厚さT2および最大方向の長さS2を有する第1の補強板とを備えた無線ICカード。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯可能電子装置及びその製造方法に係り、特にリーダー/ライターとの間で、非接触で通信を行う機能を有する携帯可能電子装置およびその製造方法に関する。
近年、携帯して使用することのできる小型、軽量の携帯可能電子装置が多用されるようになっている。このような携帯可能電子装置の1つとして、リーダー/ライターとの間で、非接触で通信を行う機能を有した無線ICカードが知られている。
このような無線ICカードは、カード状の本体の中に、通信に必要なパターン状のアンテナおよびICチップを内蔵し、リーダー/ライターとの通信を非接触で行うことができ、鉄道の定期券や学生証、従業員証、各種免許証等の個人認証カードに利用されている。
無線ICカードを例えば個人認証IDカードとして用いる場合、カード表面には、認識識別用の顔画像が形成される。このような顔画像の形成時の押圧や熱によるICチップの破損、接合部の外れを防止するため、ICカードの中心位置から2mm以上離れた領域にICチップを配置する技術が提供されている(特許文献1)。
特開2003−288575号公報
このように、無線ICカードは、外部からの点圧、衝撃、曲げ等機械的ストレスを受けると、内部のICチップが破損するおそれがあり、機械的ストレスヘの耐性が課題となっている。
例えば、個人認証IDカードは、常時携帯されることが多く、ポケットの中など少しの動きでも繰り返しカードに曲げ応力、ねじれ応力がかかるような状況に置かれている。特に、カード基材のICチップが実装されている位置に急激な荷重がかかると、ICチップが破損し、無線ICカードとしての機能を失われる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、無線その目的は、機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した携帯可能電子装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によると、携帯可能電子装置は、基板と、前記基板に搭載され、外部器械と電気的に接続され、この外部器械との通信によりデータの授受を行なう厚さT1および最大方向の長さS1を有するICチップと、前記ICチップと対向して固定され、前記ICチップを覆い、且つ、下に示す条件
1.0≦S2/S1≦3.0
5≦S2/T2≦840
5μm≦T1≦250μm
を満たす厚さT2および最大方向の長さS2を有する第1の補強板とを備えることを特徴としている。
また、本発明の一態様によると、携帯可能電子装置の製造方法は、厚さT1および最大方向の長さS1を有するICチップの非回路面の全面と、下に示す条件
1.0≦S2/S1≦3.0
5≦S2/T2≦840
5μm≦T1≦250μm
を満たす厚さT2および最大方向の長さS2を有する第1の補強板とを接合し、前記ICチップの回路面と電気的に接続される第1の面に有する基板とを接合し、前記基板の前記第1の面の裏面である第2の面と、下に示す条件
1.0≦S3/S1≦4.0
10≦S3/T3≦1120
1.0≦S3/S2≦4.0
5μm≦T1≦250μm
を満たす厚さT3および最大方向の長さS3を有する第2の補強板とを、前記アンテナ基板を挟んで、前記第2の補強板が前記ICチップを覆うように接合し、前記ICチップおよび前記第1の補強板を挟んで、前記基板の第1の面と第1の基材とを接合し、前記第2の補強板を挟んで、前記基板の第2の面と第2の基材とを接合することを特徴としている。
本発明は、機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した携帯可能電子装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の携帯可能電子装置の一実施形態に係る非接触式の無線ICカードを示す概略図である。図2は図1に示した無線ICカードの断面図を示す。
図1に示す通り、無線ICカード1は、例えば矩形状のアンテナ配線基板111と、アンテナ配線基板111上に形成されたコイル状のアンテナ112と、アンテナ配線基板111上に実装されアンテナ112に電気的に接続されたICチップ101とを備える。
ICチップ101は、例えば長方体形状に形成され、回路が設けられた回路面と、この回路面の裏面としての非回路面(研磨面)とを有している。そして、ICチップ101は、上記回路面とアンテナ配線基板111が対向するように、アンテナ配線基板111の所定の位置に配置されている。
アンテナ112は、アンテナ配線基板111上に接着剤等により固着されており、材質は銅、アルミ、銀等の箔、ワイヤ等が用いられる。
アンテナ112は、アンテナ配線基板111の周縁部に沿って矩形枠状に延びている。また、アンテナ112は、その両端部に、リード部113,114をそれぞれ有し、これらのリード部113,114はアンテナ配線基板111上に設けられたバンプ部102,103を介してそれぞれICチップ101に電気的に接続されている。
図2に示すように、ICチップ101は、導電性接着剤115によりアンテナ配線基板111に固定され、アンテナ112と電気的に接続されている。ICチップ101の非回路面側には接着剤122を介しICチップ側補強板(第1の補強版)121が、アンテナ配線基板111側には接着剤124を介しアンテナ配線基板側補強板(第2の補強版)123が、それぞれ固着されている。すなわち、アンテナ配線基板111のアンテナが形成されている第1の面111a側に、ICチップ101を挟んでICチップ側補強板121が固定され、アンテナ配線基板111の第1の面111aの裏面である第2の面111bに、ICチップ101を覆うようにアンテナ配線基板側補強板123が固定されている。
アンテナ配線基板111、ICチップ101およびアンテナ112は、モジュールとして一体化されたインレットシートを構成している。そして、インレットシートは、矩形状の第1の基材133および第2の基材134によって両面側から挟持されている。すなわち、第1の基材133は、アンテナ112、ICチップ101および第1の補強板121に重ねてアンテナ配線基板111の第1の面111aの上に積層され、第2の基材134は、第2の補強板123に重ねてアンテナ配線基板111の第2の面111b上に積層されている。第1および第2の基材133,134の材質としては、例えば、PET、PET−G、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ等の紫外線硬化樹脂、塩化ビニル、紙等を用いることができる。そして、インレットシート、第1および第2の基材133,134により、ICチップ101、アンテナ112、第1および第2の補強板121,123を内蔵した矩形状のカード本体1が構成される。
第2の基材134の外面には、例えば、使用者の顔画像、個人情報等が印刷されている。第2の基材134の表面に重ねて透明な保護膜132が形成されている。なお、印刷欠陥を低減するため、必要に応じて、第2の基材134の表面に受像層を形成し、その上に保護膜132を形成してもよい。第1の基材133の外面には、筆記具、インクジェットプリンタ等によって情報を書き込み可能な筆記層131が積層されている。
次に、上記無線ICカードの製造方法について説明する。
ICチップ101は、厚さ650μmのSiウエハー上に回路を形成し、このSiウエハーの非回路面を研磨することにより、所定の厚さのウエハーとした後、ダイシング装置によりICチップ単位に分割することで製造される。なお、上記回路が形成されている面が、上述した回路面であって、研磨されるSiウエハー表面の非回路面が上述した研磨面である。
ICチップ側補強板121は、ステンレス板(SUS304H)をエッチングにより所定の厚さに形成した後、所定の大きさに切断して製造される。
アンテナ配線基板側補強板123は、ステンレス板(SUS301EH)をエッチングにより所定の厚さにした後、所定の大きさに切断して製造できる。
アンテナ112を備えるアンテナ配線基板111は、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意してアンテナ配線基板とし、エッチングまたはシルクスクリーン印刷によりアルミニウムのコイルアンテナパターンをアンテナ配線基板111上に形成することにより作製できる。続いて、アンテナ配線基板111の所定位置に、銀ペーストを用いてICチップ101とアンテナ112との接続部となるバンプ部102,103を形成する。
このようにして形成されたICチップ101の非回路面側に、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤を用いてICチップ側補強板121を接着する。そして、ICチップ側補強板121が接着されたICチップ101を、導電性接着剤115として、例えば、異方導電性接着剤(ACP)を用いてアンテナ配線基板111のバンプ部102,103に重ねて接着し、ICチップ101をアンテナ配線基板111に実装するとともに、ICチップ101の回路をバンプ部102,103に電気的に接続する。
続いて、アンテナ配線基板111のICチップ101を実装した側と反対側の第2の面111bに、熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤124を用いてアンテナ配線基板側補強板123を接着する。
このようにして、所定のサイズを有するICチップ101、ICチップ側補強板121、アンテナ配線基板側補強板123及びアンテナ配線基板111を実装したインレットシートを作製できる。
一方、筆記層131の一方の面に、筆記層樹脂膜を塗布し、受像層132の一方の面に、受像層樹脂膜を塗布する。継いで、第1の基材133および第2の基材134として、厚さ150μmの白PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意する。そして、第1の基材133および第2の基材134の間に、上記インレットシートを配置し、ホットプレスを用いて200℃で10分間のプレスを行い、第1の基材133、第2の基材134およびインレットシートを熱圧着する。
これにより、厚さ方向に、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123により挟まれているICチップ101を備えた無線ICカード1を製造できる。
継いで、第1の基材133上に、無機微粒子を分散させた各種樹脂材料の溶液を塗布して乾燥させることにより、筆記層131を形成する。
また、第2の基材134上に、例えば樹脂材料からなるフィルムが固定されて受像層132が形成される。この受像層132に、溶融型熱転写プリンタで顔画像及び個人情報を印刷し、顔画像印刷部分に経時変化による耐色を防止するための紫外線カット樹脂膜を形成する。そして、受像層132の全面に、紫外線硬化型樹脂系の透明保護膜を形成し、最後に紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂系の透明保護膜を硬化させる。
これにより、受像層側カード基材132に、顔画像及び個人情報が印刷され、透明の保護膜を形成することができる。
このようにして製造された無線ICカード1は、無線のリーダー/ライターにセットされ、無線ICカードとしての通信機能及び個人情報のデータ表示が問題なく行なえることが確認される。
次に、図3〜5を参照して、上記ICチップ101、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123についてより詳細に説明する。
図3は、上記ICチップ101の概略斜視図を示し、図4は、上記ICチップ側補強板121の概略斜視図を示し、図5は、上記アンテナ配線基板側補強板123の概略斜視図を示す。
図3〜5に示す通り、ICチップ101は、厚さT1と、最大方向の長さS1を有し、ICチップ側補強板121は、厚さT2と、最大方向の長さS2を有し、アンテナ配線基板側補強板123は、厚さT3と、最大方向の長さS3を有する。よって、図3〜5に示すように、最大方向の長さS1〜S3を含む面が矩形状に形成されたICチップ101、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123において、最大方向の長さS1〜S3は、対角線の長さである。
ICチップ側補強板121は、外部からの衝撃、曲げ等の応力からICチップ101を保護する機能を有し、ICチップ101と接着された際に、対向しているICチップ101の全面を覆い、かつ、以下式(1)〜(3)に示す全ての条件を満たすようなサイズを有する。
1.0≦S2/S1≦3.0 (式1)
5≦S2/T2≦840 (式2)
5μm≦T1≦250μm (式3)
式(1)に示す通り、ICチップ側補強板121は、ICチップ101の最大方向の長さS1よりも大きい最大方向の長さS2を有する。そして、対向しているICチップ101の全面とICチップ側補強板121が、接着剤122を介して接合されている。これにより、無線ICカード1の積層方向(厚さ方向)におけるICチップ101の耐衝撃性を向上させることができる。また、S2/S1=3.0の場合、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2が、ICチップ101の最大方向の長さS1の3倍の長さである。この場合、図2に示すようにICチップ101の両側にICチップ側補強板121が張り出し、繰り返しの曲げ応力がICチップ101にかかった場合であっても繰り返し曲げ応力への耐性を向上させることができる。その結果、ICチップ101にかかる応力が大幅に低減されICチップ101の破損や、アンテナ配線基板111のバンプ部102,103と無線ICカード1の接続の外れが防止され耐繰り返し曲げ特性が向上する。
ちなみに、S2/S1<1.0、つまり、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2がICチップ101の最大方向の長さS1よりも小さい場合や、ICチップ101にICチップ側補強板121により覆われていない部分が存在する場合、厚さ方向の衝撃応力が加わると、ICチップ側補強板121に覆われない部分でICチップ101が破損する可能性が高くなる。一方、S2/S1>3.0となる場合、ICチップ101に比較してICチップ側補強板121が大き過ぎるため、ICチップ側補強板121をICチップ101に接着する作業が困難となり、ICチップ側補強板121の位置のずれや傾きが発生しやすくなる。その結果として無線ICカード1としての製品品質、信頼性が低下する虞がある。
上述のとおり、ICチップ側補強板121は、少なくともICチップ101と対向する全面と接触し、且つ、式(1)1.0≦S2/S1≦3.0を満たす範囲であって、それぞれの形状や、式(2)および式(3)が考慮されて、ICチップ101の最大方向の長さS1及びICチップ側補強板121の最大方向の長さS2は決定される。
また、上述の通り、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2は耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性に影響し、最適化することによりそれらを向上させることができるが、最大方向の長さS2だけではなく、その厚さも耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性に影響する。
例えばICチップ側補強板121の最大方向の長さS2を大きくして、ICチップ101を覆う面積を増やすことにより耐衝撃性はある程度向上する。しかし、ICチップ側補強板121の厚さがICチップ101の厚さと同等かそれよりも薄い場合、厚さ方向からの衝撃応力に弱く、また繰り返しの曲げ応力に対しては耐性が低くなり、ICチップ側補強板121を設けてもICチップ101が破損する虞がある。つまり、ICチップ側補強板121の最大方向S2及びその厚さT2の両方を最適化することにより、無線ICカード1の耐衝撃性及び耐繰り返し曲げ特性の両方を向上させることが可能となる。
また、ICチップ側補強板121は、式(2)に示したとおり、5≦S2/T2≦840も満たす。なお、ICチップ側補強板121の厚さT2は、JIS,ISOなどの規格で定められている無線ICカードの厚さの規格により制約を受け、ICチップ101の厚さT1やアンテナ配線基板側補強板123の厚さT3、さらには無線ICカード1のカード基材である筆記層131、受像層132、第1の基材133および第2の基材134の厚さと合わせて制約を受ける。本実施の形態において、ICチップ側補強板121の厚さT2は0.05mmから最大0.4mmである。
ちなみに、S2/T2<5であると、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2に対して、厚さT2が必要以上に厚くなり過ぎるため、上述した無線ICカード1の厚さの規格を満たすことが困難になる。またICチップ側補強板121の厚さが厚くなることで、無線ICカード1が重くなり、コストアップにつながる。
一方S2/T2>840であると、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2に対して、厚さT2が著しく薄くなるため、ICチップ側補強板121は十分な耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性を発現することができない。
さらに、ICチップ101は、式(3)に示したとおり、5μm≦T1≦250μmを満たす。
ちなみに、ICチップ101の厚さT1が5μm以下であると、ICチップ側補強板121およびICチップ101を含むモジュールをアンテナ配線基板111に実装する際のハンドリング性が非常に悪くなり、実装の際にICチップ101にクラック等の欠陥が生じやすくなる。よって、耐衝撃性及び耐繰り返し曲げ特性が低下する虞がある。またSiウエハーを非常に薄く、例えば厚さ約600μmから5μm以下にするため研磨するには大変な労力が必要なため、作業効率が悪く、コストの上昇を招く虞がある。
一方、ICチップ101の厚さT1が250μmより厚くなると、ICチップ101およびICチップ側補強板121を含めたモジュールの厚さが厚くなり、JIS,ISO等の規格で定められている無線ICカードとしての厚さの規格を満たすことが難しくなる。またICチップ101の厚さが厚くなることにより、繰り返し曲げ応力に対してICチップ101の変形の追随できないため、クラック等の欠陥が生じる虞がある。
なお、本実施の形態において、ICチップ101の最大方向の長さS1は、2mmから14mmである。これは、現状におけるICチップ101の最大方向の長さS1を最小にできるサイズであって、且つ、無線ICカード1上に顔画像及び個人情報を印刷する際、ICチップ101を含めたモジュールの凹凸による弊害を少なくなくするためサイズである。よって、可能であればこの範囲以外のサイズであってもよい。
従って、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2は、式(1)に、2mm≦ICチップ101の最大方向の長さS1≦14mmを代入することにより、2.0mm≦S2≦42mmの範囲である。また、この値を式(2)に代入することにより、最大方向の長さS2が42mmの時のICチップ側補強板121の厚さT20.05mmから、最大方向の長さS2が2.0mmの時の0.4(2×1.0÷5)mmの範囲である。
このように、ICチップ101と対向する全面と接触し、且つ、式(1)〜(3)の全てを満たすように、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2および厚さT2を最適化することにより耐衝撃性及び耐繰り返し曲げ特性を向上でき、あらゆる使用状況下において要求される機能を発現することができる信頼性の高い個人認証用IDカードとして使用可能な無線ICカード1を得ることができる。
また、アンテナ配線基板側補強板123は、外部からの衝撃、曲げ等の応力からICチップ101を保護する機能を有し、ICチップ101と対向してアンテナ配線基板111に接着された際に、対向しているICチップ101の全面を覆い、かつ、以下式(4)〜(6)に示す全ての条件を満たすようなサイズを有する。
1.0≦S3/S1≦4.0 (式4)
10≦S3/T3≦1120 (式5)
1.0≦S3/S2≦4.0 (式6)
5μm≦T1≦250μm (式7)
このように、ICチップ側補強板121は、ICチップ101と対応するサイズを有し、アンテナ配線基板側補強板123は、ICチップ101およびICチップ側補強板121と対応するサイズを有する。
式(4)に示す通り、アンテナ配線基板側補強板123は、ICチップ101の最大方向の長さS1よりも大きい最大方向の長さS3を有する。そして、ICチップ101の対向する全面がアンテナ配線基板側補強板123で覆われている。これにより、積層方向(厚さ方向)からの耐衝撃性を向上させることができる。また、S3/S1=4.0の場合、アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3が、ICチップ101の最大方向の長さS1の4倍の長さである。この場合、図2に示すようにICチップ101の両側にアンテナ配線基板側補強板123が張り出し、繰り返しの曲げ応力がICチップ101にかかった場合であっても繰り返し曲げ応力への耐性を向上させることができる。その結果、ICチップ101にかかる応力が大幅に低減されICチップ101の破損や、ICチップ101のバンプ部102,103とアンテナ配線基板111のアンテナ112のリード部113,114との接続の外れが防止され、耐繰り返し曲げ特性が向上する。
なお、アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3が、式(4)の範囲より小さかった場合、あるいは、大きかった場合には、上述のICチップ側補強板121の最大方向の長さS2とICチップ101の最大方向の長さS1を規定している式(1)を用いて上述した通り、同様の弊害が生じるため、好ましくない。
また、アンテナ配線基板側補強板123は、式(5)に示したとおり、10≦S3/T3≦1120を満たす。なお、アンテナ配線基板側補強板123もICチップ側補強板121と同様、JIS,ISOなどの規格で定められている無線ICカードの厚さの規格により制約を受け、ICチップ101の厚さT1やICチップ側補強板121の厚さT2、さらには無線ICカード1のカード基材である筆記層131、受像層132、第1の基材133および第2の基材134の厚さと合わせて制約を受ける。本実施の形態において、アンテナ配線基板側補強板123の厚さT3は0.05mmから最大0.4mmである。
さらに、アンテナ配線基板側補強板123は、式(6)に示したとおり、1.0≦S3/S2≦4.0を満たす。例えば、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2に対してアンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3が短い場合、ICチップ側補強板121側からの衝撃応力に対して耐衝撃性が低く、この衝撃応力が大きい場合、ICチップ101の破損が発生する虞がある。この場合、ICチップ側補強板121側からの衝撃応力が加わった場合、ICチップ側補強板121だけでICチップ101にかかる衝撃応力を緩和することは困難であり、この場合、その反対側に位置するアンテナ配線基板111及びアンテナ配線基板側補強板123も用いて衝撃応力を緩和することができる。そのためには少なくともアンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3がICチップ側補強板121の最大方向S2と同じか、またはそれ以上の長さが必要であることがわかった。
このように、アンテナ配線基板側補強板123は、ICチップ側補強板121より大きい場合があり、これにより、ICチップ側補強板121側から衝撃応力が加わった場合、応力の方向と反対側のアンテナ配線基板側補強板123が十分大きくこれが受け側の土台となる形でアンテナ配線基板側補強板123でも衝撃応力を受け止め緩和させる効果が発現する。このためICチップ側補強板121側からの、すなわち図2の下方向からの耐衝撃性がさらに向上する。
一方、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2に対してアンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3が長い場合、特にICチップ側補強板121側からの衝撃応力に対して耐衝撃性が向上することも見出した。アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3はICチップ側補強板121の最大方向の長さS2に比較してより長いほうが好ましいが、アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3が長くなりすぎると繰り返し曲げ応力に対してはICチップ側補強板121の最大方向の長さS2とアンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3とが異なるため、アンバランスとなり最大方向の長さが短いICチップ側補強板121側に曲げ応力が集中してかかる虞がある。これにより、ICチップ101が破損する虞がある。
よって、好ましくは、アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3は、ICチップ側補強板121の最大方向の長さS2の4倍の長さ以下である。
なお、式(1)および式(4)に示されているとおり、アンテナ配線基板側補強板123は、式(1)に示したICチップ側補強板121の最大方向S2の範囲よりも、大きい範囲の最大方向の長さS3を有する。これにより、ICチップ101の回路面と対向して配置され、よりダメージに弱いICチップ101の回路面を外部からの応力から保護しているアンテナ配線基板側補強板123の耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性を向上することができる。
なお、ICチップ101の回路面は、外部から衝撃応力によりクラックが発生しやすく、わずかなクラックが発生しただけでもICチップ101が機能しなくなり、無線ICカードの機能が失われる虞がある。
このように、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さの組み合わせを最適化することにより、筆記層131あるいは受像層132のどちらの方向からの衝撃応力に対しても十分な耐衝撃性及び耐繰り返し曲げ特性を発現することが可能となる。
また、ICチップ101は、式(7)に示したとおり、5μm≦T1≦250μmを満たす。上述の通り、本実施の形態において、ICチップ101の最大方向の長さS1は、2mmから14mmである。
従って、アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3は、式(4)に、2mm≦ICチップ101の最大方向の長さS1≦14mmを代入することにより、2.0mm≦S3≦56mmの範囲である。また、この値を式(5)に代入することにより、アンテナ配線基板側補強板123の厚さT3は、最大方向の長さS3が56mmの時の0.05mmから、最大方向の長さS3が2.0mmの時の0.2(2×1.0÷10)mmの範囲である。
このように、ICチップ101と対向する全面と接触し、且つ、式(4)〜(7)の全てを満たすように、アンテナ配線基板側補強板123の最大方向の長さS3および厚さT3を最適化することにより耐衝撃性及び耐繰り返し曲げ特性を向上でき、あらゆる使用状況下において要求される機能を発現することができる信頼性の高い個人認証用IDカードとして使用可能な無線ICカード1を得ることができる。
ここで、図6に示すような実施例1〜3を用いて、上述の本実施の形態に係る無線ICカード1の評価試験(無線ICカードの耐衝撃性、耐繰り返し曲げ特性の評価試験)を行なった。なお、この実施例1〜3は、上述の通り、式(1)〜(7)を満たし、且つ、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123は、ICチップ101の対向する全面を覆うものである。
まず、上述した製造方法により、実施例1〜3の無線ICカードを、それぞれ15枚ずつ作成した。また、比較例として、本発明の条件を満たさない比較例1〜3の無線ICカードも、それぞれ15枚ずつ作成した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の無線ICカードについて、以下の2種類の試験を実施し、耐衝撃性、耐繰り返し曲げ特性の評価を行った。
(1)耐衝撃性−点圧強度試験:JIS K5600−5−3の落体式衝撃試験機を用い、内径27mmの鋼製の受け台に無線ICカードを載せ、ICチップの中心が受け台の中心にくるようにセットし、反対側の固定器で上下から無線ICカードを挟んで固定する。先端径20mm、重さ100gの鋼製の重りを高さ20cmからICチップの中心部に向けて落下させる。落下後、無線式のリーダー/ライターにセットして、無線ICカードとしての通信機能及び個人情報のデータ表示が問題なく行なえるか否かを評価した。
この結果を図7に示し、上記評価で問題がない場合は、評価結果として「〇」を記載し、通信機能及び個人情報のデータ表示どちらか一方でも不可となった場合は、評価結果として「×」を記載した。以上の評価試験を実施例1〜3及び比較例1〜3の無線ICカードについて、受像層面から落下させるものを5枚に対して行い(点圧強度試験−受像層面1〜5)、筆記層面から落下させるものを5枚に対して行なった(点圧強度試験−筆記層面1〜5)。
(2)耐繰り返し曲げ特性−連続繰り返し曲げ試験:JIS K6406−6に準拠したスコット型もみ試験機を用い、固定側つかみ具で無線ICカードのICチップの中央部分をつかみ、移動側つかみ具と固定側つかみ具との距離を30mmになるように移動側つかみ具に無線ICカードをセットする。移動側つかみ具を120回/分の速度、移動距離50mmで連続500回往復移動させ、連続繰り返し曲げ試験を行なった。試験後、無線式のリーダー/ライターにセットして、無線ICカードとしての通信機能及び個人情報のデータ表示が問題なく行なえる場合は、図7に示すとおり、評価結果として「○」を記載し、通信機能及び個人情報のデータ表示どちらかでも不可となった場合は評価結果として「×」を記載した。以上の試験を実施例1〜3及び比較例1〜3の無線ICカード各5枚に対してついて行ない、評価結果を図7(連続繰り返し折り曲げ試験1〜5)に記載した。
図7に示すとおり、本発明の実施例1〜3の無線ICカードは、受像層面及び筆記層面の点圧強度試験を行なった後も通信機能及び個人情報のデータ表示に問題はなかった。また、本発明の実施例1〜3の無線ICカードは、連続繰り返し曲げ試験を行なった後も通信機能及び個人情報のデータ表示に問題はなかった。
一方、比較例1〜3の無線ICカードは、点圧強度試験を行った後に、通信機能及び個人情報のデータ表示ができなかったカードが複数枚、発生した。また、比較例1〜3の無線ICカードは、連続繰り返し曲げ試験を行なった後に、通信機能及び個人情報のデータ表示ができなかったカードが複数枚、発生した。
なお図6より比較例1〜3の無線ICカードの構成について、比較例1の無線ICカードが、本発明の式(1)及び式(4)を、比較例2の無線ICカードが、本発明の式(4)及び式(6)を、比較例3の無線ICカードが、式(1)及び式(4)を、それぞれ満たしていない。
このように、本発明に係る無線ICカード1は上述の式(1)〜(7)をすべて満たすように構成されているため、耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性が向上し、あらゆる使用状況下において要求される機能を発現することができる信頼性の高い個人認証用IDカードとして使用可能な無線ICカードを得ることができる。
また、図3〜5に示したとおり、ICチップ101、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123は、長方体形状に形成されている例を用いて説明したが、本発明はこれに限られず、上述の条件を満たすものであれば、例えば、図8に示すように、長方体形状のICチップ101と、円形のICチップ側補強板121が利用されてもよい。なお、図示しないが、アンテナ配線基板側補強板123も同様に、円形であってもよく、図8に示すようなICチップ側補強板121と同様の関係を有することができる。
また、図8および9に示した通り、ICチップ101とICチップ側補強板121は、同軸的に配置されることが好ましいが、本発明はこれに限らず、上述の条件を満たすものであれば、例えば、図10に示す通り、ICチップ101とICチップ側補強板121は、偏芯的に配置されてもよい。また同様に、図8に示すように、長方体形状と円形の組み合わせて偏芯的に配置されるものであってもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123としては、SUS304、SUS301等のステンレス材の他、42アロイ等のリードフレーム材が用いられてもよい。
また、ICチップ101、ICチップ側補強板121およびアンテナ配線基板側補強板123の最大面積を有する面の形状は矩形状に限られず、例えば円形であってよい。この場合、上記最大方向の長さS1〜S3は、直径である。
さらに、筆記層131に筆記層樹脂膜を形成し、受像層132に受像層樹脂膜を形成すると説明したが、本発明はこれに限られず、それぞれ逆の面に形成されてもよい。例えば、筆記層樹脂膜は、樹脂材料を用いたプラスチック製の受像層上に形成され、受像層樹脂膜が筆記層131上に形成されてもよい。ちなみに、樹脂材料を用いたプラスチック製の基材のままでは、鉛筆など筆記具やインクジェットプリンタに対する筆記性や印刷性が欠如しているため、個人情報等の書き込みを長期間維持しておくことが困難である。しかし、筆記層樹脂膜を利用することにより、鉛筆など筆記具やインクジェットプリンタに対する筆記性や印刷性を確保することができる。なお、この筆記層樹脂膜は、耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性に何ら影響を与えることなく、第1,2基材(カード基材)131,132の上に設けることが可能である。これにより必要に応じて個人認証用IDカード所有者の個人情報の変更内容を記載したり、過去の履歴を印刷することが可能となる。また個人認証用IDカード所有者のサイン欄としても使用することが可能となり、本発明の無線ICカードは例えば自動車運転免許証やクレジットカード、デビットカード等への用途が可能となる。
また、上述のとおり、本発明の無線ICカード1の製造方法は、アンテナ112をアンテナ配線基板111上に形成し、ICチップ側補強板121をICチップ101の非回路面側に接着剤を介して接着し、ICチップ101をアンテナ112とICチップ101とを接続するバンプ部102,103でアンテナ配線基板111に接着剤を介して実装し、アンテナ配線基板側補強板123を接着剤を介してICチップ101を実装した側と反対側のアンテナ配線基板111上に接着し、これらをモジュールとして一体化したインレットシートを作製し、第1の面111aと対向する方に第1の基材133を介して筆記層131を設け、第2の面111bと対向する方に第2の基材134を介して受像層132を設けることにより好ましく製造される。必要により無線ICカード1としての通信特性を安定させるため、アンテナ112の途中にコンデンサー等を設けてもよい。また必要により無線ICカード1としてJIS,ISOなどの規格で定められている厚さの規格を満たすために、第1,2基材131,132の内側にさらに基材を設けてもよく、第1,2中間基材133,134を省いてもよい。
さらに、本発明の無線ICカード1を製造するのに必要となる各部材の材料の一例を、以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述のとおり、ICチップ101は、Siウエハー上に回路面を形成し、所定の厚さとなるまで研磨される。なお、これに限られず、例えば、エッチング方式または研削方式により、ICチップ101の厚さを調整してもよい。その後ダイシング装置によりICチップ単位に分割され個々のICチップ101が得られる。必要により回路面を保護する絶縁樹脂膜を設けてもよく、これにはポリイミド樹脂等の絶縁性を持つ樹脂材料が好ましい。アンテナ配線基板111は表面にアンテナ112及び必要に応じてコンデンサー(図示せず)等が設けられる。
アンテナ配線基板111としては、例えば、従来より使用されている樹脂製フィルムを用いることができる。例えば、アンテナ配線基板111としては、
PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム等及びエポキシ、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリカーボネート、ABS等の樹脂材料、ポリイミド等のプラスチックフィルムや不織布等が利用できる。これらのアンテナ配線基板111に用いる樹脂製フィルムは、その上に形成するアンテナ112及び必要に応じて形成されるコンデンサー(図示せず)との密着性を向上させるため、その表面にプライマー処理やコロナ放電処理を施したものを使用することができる。
これらの樹脂製フィルムは透明なもの、半透明なもの、透明でないものいずれも用いることができ、無線ICカード1に要求される仕様に準拠して適宜選択される。例えば個人認証用IDカードの偽変造防止対策として透かし模様等をカード基材に入れる場合は、アンテナ配線基板111に用いる樹脂製フィルムはその視認性を上げるために透明なものを用いることが好ましい。
アンテナ配線基板111に用いる樹脂製フィルムの厚さは10μmから300μmが好ましく、無線ICカードとしてJIS,ISOなどの規格で定められている厚さの規格を満たすために15μmから80μmがより好ましい。
アンテナ配線基板111上に形成されるアンテナ112としては、アルミニウムまたは銅等の導電性のある金属材料が好ましく用いられ、エッチング法またはシルクスクリーン印刷法等でアンテナパターンをアンテナ配線基板111上に形成してアンテナ112が形成される。同様の方法で必要に応じてコンデンサーも形成される。
ICチップ101とアンテナ112とを接続するバンプ部102,103は、各々の接続が確実になされる必要があり、また導電性も要求されるため、アルミニウム、金、銀、銅等の導電性金属材料が好ましい。バンプ部102,103の厚さとしては5μmから80μmが好ましい。
ICチップ側補強板121及びアンテナ配線基板側補強板123は、ICチップ101にかかる衝撃応力や繰り返し曲げ応力を緩和し、ICチップ101の破損を防ぐ重要な役割を担っている。このため、機械的強度に優れる金属及びセラミックス等の材料を用いることが好ましい。またICチップ側補強板121及びアンテナ配線基板側補強板123は、ICチップ101の形状に合わせて、且つ、式(1)〜(7)を満たすようにその形状及び厚さに加工されるため、加工のしやすさから金属材料がより好ましい。その中でも薄い厚さに加工しやすいことからステンレス、タングステンやチタン等の金属材料がさらに好ましい。
接着剤については、接着させる部材によって、各種接着剤が適宜選択される。ICチップ101とアンテナ配線基板111を接着する接着剤としては、導電性を持つ異方性導電接着剤(ACP)や異方性導電接着フィルム(ACF)等がより好ましく用いられる。特に異方導電性ペースト(ACP)、異方導電性フィルム(ACF)等の接着剤の場合は、これらに含有されるニッケル、銀等の金属粒子がバンプ部とリード部の間に介在し、より強固な電気的接続を得ることができる。ICチップ101とICチップ側補強板121との接着に使用する接着剤、及びアンテナ配線基板111とアンテナ配線基板側補強板123との接着に使用する接着剤としては、ホットメルトタイプの接着剤、または熱硬化性の接着剤が用いられる。ホットメルトタイプの接着剤としては、エチレン−酢酸共重合体樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系の接着剤が、熱硬化性樹脂の接着剤としてはエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系の接着剤がより好ましい。接着剤の厚さとしては、0.5μmから80μmの厚さであることが好ましい。
筆記層131、受像層132、第1の基材133および第2の基材134としては、個人認証用IDカードやICカードに用いられているカード基材が適宜選択される。このカード基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム等が好ましい。カード基材の厚さとしては、5μmから300μmが好ましく、無線ICカードとしてJIS,ISOなどの規格で定められている厚さの規格を満たすために15μmから200μmがより好ましい。
筆記層131あるいは受像層132には、顔画像及び個人情報が印刷される。これを容易にし、顔画像及び個人情報が印刷される際の印刷欠陥を低減させるために、必要に応じて受像層を形成してもよく、受像層としては樹脂材料を用いることができる。例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等のスチレン類、ビニルナフタレン類、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、弗化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸のアルキルエステル類及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル等のメタクリル酸のアルキルエステル類の等の単量体を重合して得られる樹脂または2種類以上の単量体を共重合して得られる樹脂が利用できる。この共重合体樹脂としては、例えばスチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂等が利用できる。また、ビニル共重合体樹脂以外にもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、石油樹脂、ブチラール樹脂等を用いることができる。また熱可塑性樹脂と組み合わせる形で熱硬化性樹脂も併せて用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
この受像層の厚さとしては、筆記層131あるいは受像層132上に形成される顔画像及び個人情報を画像情報として形成する昇華型染料インク、溶融熱転写型インクやインクジェットプリンタのインクが十分に定着できるように少なくとも0.5μm以上の厚さが好ましい。
筆記層としては、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカ(SiO2)等の無機微粒子を、筆記層131あるいは受像層132に用いられる各種樹脂に含有させる、または無機微粒子を分散させた各種樹脂材料の溶液を筆記層131あるいは受像層132上に塗布して乾燥させることにより形成される。筆記層の厚さとしては1μmから100μmが好ましく、無線ICカードとしてJIS,ISOなどの規格で定められている厚さの規格を満たすこと及び鉛筆などの筆記具で筆圧を加えても削れないような強度を保持するために5μmから50μmがより好ましい。
さらに本発明の無線ICカード基材上に顔画像及び個人情報が印刷されている側と反対側のカード基材上に筆記層を設けることにより、本発明の無線ICカードは例えば自動車運転免許証やクレジットカード、デビットカード等への用途が可能となる。
また、このようなICチップ及びコイルアンテナを含む無線ICカードは、外部機器との電気的接点を持たないため、接点が要らず、損傷や摩耗に強い。また、無線ICカードは、リーダーライターに駆動部が不要でシステム全体としてのコストが安く、ICチップに記録された情報の改ざんに対するセキュリティ性が高いことから上記の個人認証用IDカードとしての用途が急激に拡大してきている。
さらに、本実施の形態において、携帯可能電子装置として、リーダー/ライターとの間で、非接触で通信を行う機能を有した無線ICカードについて説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、接触式のICカードであってもよい。
本発明の無線ICカードの一実施形態に係る非接触式の無線ICカードを示す概略図。 図1に示した無線ICカードの断面図。 図1に示したICチップの概略斜視図。 図1に示したICチップ側補強板の概略斜視図。 図1に示したアンテナ配線基板側補強板の概略斜視図。 評価試験に利用された本実施の形態に係る無線ICカードおよび比較例に関する数値を示す表。 図6に示した評価試験対象に関する結果を示す表。 図1に示したICチップおよびICチップ側補強板の接合関係の一例を示す平面図。 図1に示したICチップおよびICチップ側補強板の接合関係の他の例を示す平面図。 図1に示したICチップおよびICチップ側補強板の接合関係の他の例を示す平面図。
符号の説明
101・・・ICチップ、111・・・アンテナ配線基板、112・・・アンテナ、121・・・ICチップ側補強板、122・・・接着剤、123・・・アンテナ配線基板側補強板、124・・・接着剤、115・・・導電性接着剤、131・・・筆記層、132・・・受像層、133・・・第1の基材、134・・・第2の基材。

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板に搭載され、外部器械と電気的に接続され、この外部器械との通信によりデータの授受を行なう厚さT1および最大方向の長さS1を有するICチップと、
    前記ICチップと対向して固定され、前記ICチップを覆い、且つ、下に示す条件
    1.0≦S2/S1≦3.0
    5≦S2/T2≦840
    5μm≦T1≦250μm
    を満たす厚さT2および最大方向の長さS2を有する第1の補強板とを備えた携帯可能電子装置。
  2. 前記基板を挟んで、前記ICチップと対向して固定され、前記ICチップを覆い、且つ、下に示す条件
    1.0≦S3/S1≦4.0
    10≦S3/T3≦1120
    1.0≦S3/S2≦4.0
    5μm≦T1≦250μm
    を満たす厚さT3および最大方向の長さS3を有する第2の補強板をさらに備えた請求項1に記載の携帯可能電子装置。
  3. 前記ICチップおよび第1の補強版に重ねて前記基板の一方の表面上に積層されているとともに、表面に筆記層を備えた第1の基材と、前記基板の他方の表面上に積層され、前記第1の基材との間に前記基材を挟持した第2の基材と、前記第2の基材の表面に重ねて設けられた表面に任意の情報を印刷可能な受像層と、前記受像層に重ねて形成された透明な保護膜とを備えた請求項1あるいは2に記載の携帯可能電子装置。
  4. 前記第1の補強板は、ステンレスSUS304Hを含む請求項1ないし3のいずれか1項に携帯可能電子装置。
  5. 前記第2の補強板は、ステンレスSUS301EHを含む請求項2ないし4のいずれか1項に携帯可能電子装置。
  6. 前記第2の補強板は、前記ICチップの回路面と対向して配置され、前記第1の補強板よりも大きい請求項2ないし6のいずれか1項に携帯可能電子装置。
  7. 前記基板には、前記ICチップと電気的に接続され、前記外部器械と無線通信を行なうアンテナが設けられている請求項1ないし6のいずれか1項に携帯可能電子装置。
  8. 厚さT1および最大方向の長さS1を有するICチップの非回路面の全面と、下に示す条件
    1.0≦S2/S1≦3.0
    5≦S2/T2≦840
    5μm≦T1≦250μm
    を満たす厚さT2および最大方向の長さS2を有する第1の補強板とを接合し、
    前記ICチップの回路面と電気的に接続される第1の面に有する基板とを接合し、
    前記基板の前記第1の面の裏面である第2の面と、下に示す条件
    1.0≦S3/S1≦4.0
    10≦S3/T3≦1120
    1.0≦S3/S2≦4.0
    5μm≦T1≦250μm
    を満たす厚さT3および最大方向の長さS3を有する第2の補強板とを、前記アンテナ基板を挟んで、前記第2の補強板が前記ICチップを覆うように接合し、
    前記ICチップおよび前記第1の補強板を挟んで、前記基板の第1の面と第1の基材とを接合し、
    前記第2の補強板を挟んで、前記基板の第2の面と第2の基材とを接合する携帯可能電子装置の製造方法。
  9. 厚さT1および最大方向の長さS1を有するICチップの非回路面の全面と、下に示す条件
    1.0≦S2/S1≦3.0
    5≦S2/T2≦840
    5μm≦T1≦250μm
    を満たす厚さT2および最大方向の長さS2を有する第1の補強板とを接合し、
    前記ICチップの回路面と、前記ICチップと電気的に接続されるアンテナを第1の面に有するアンテナ基板とを接合し、
    前記アンテナ基板の前記第1の面の裏面である第2の面と、下に示す条件
    1.0≦S3/S1≦4.0
    10≦S3/T3≦1120
    1.0≦S3/S2≦4.0
    5μm≦T1≦250μm
    を満たす厚さT3および最大方向の長さS3を有する第2の補強板とを、前記アンテナ基板を挟んで、前記第2の補強板が前記ICチップを覆うように接合し、
    前記ICチップおよび前記第1の補強板を挟んで、前記アンテナ基板の第1の面と第1の基材とを接合し、
    前記第2の補強板を挟んで、前記アンテナ基板の第2の面と第2の基材とを接合する携帯可能電子装置の製造方法。
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