JP2009134710A - 薄型化icインレット及びこれを用いたicカードとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】物理的強度特性に優れ、ICチップを破壊から保護すると共に、カード表面の平面・平滑性に優れる信頼性の高い非接触ICカード及びこれに用いられるICインレットを提供する。
【解決手段】IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウェハを研削し、研削されたシリコンウェハの裏面に接着剤を用いて、シリコンウェハより厚い補強板を貼り合わせ、補強板を貼り合わせたシリコンウェハをダイシングして薄型化ICチップを製造し、さらに薄型化ICチップに樹脂組成物を介してアンテナシートを貼り合わせる。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触ICカードに係り、特に、物理的強度特性に優れ、ICチップを破壊から保護すると共に、カード表面の平面・平滑性に優れる信頼性の高い非接触ICカード及びそれに用いる薄型化ICチップ、薄型化ICインレット及びこれらの製造方法に関する。
従来から、個人を認識するIDカードとして、磁気あるいは光学的読み取りを行う方法が社員証、キャッシュカード、クレジットカード等において広く用いられてきた。しかしながら、技術の大衆化によってデータの改ざんや偽造カードが出回るようになり、実際に偽造カードによって被害を受ける人が増加するなど、個人情報の秘匿に関しては社会問題化している。このため、近年はICチップを内蔵したICカードが情報容量の大きさや暗号化データを載せられるといった高セキュリティの点から個人データを管理するものとして注目を集めている。
特に非接触ICカードは、手間が要らず携帯状態で外部の読み書き装置との情報交換が可能であり、様々な分野で使用されるようになってきている。非接触ICカードは、プラスチック製のカードの中に電磁波を利用するためのアンテナコイルと、メモリや演算機能を有するICチップを備えている。これは、外部の読み書き装置からの電磁波によって、アンテナコイルに励起された誘導起電力でICチップを駆動するものであり、バッテリー電源をカード内部に持つ必要が無く、例えば、携帯状態で使用できるなどのアクティビティに優れたカードである。
このような非接触ICカードは、従来、図7で示すように、アンテナシートへICチップをフリップチップ実装し、その後両面を樹脂で封止して、補強板の貼りあわせを行っている。この場合、ICチップの厚さが約200μm、補強板の厚さが1枚約30μmで、総厚が約450μmのICインレットが採用されていた。
特開2005−84710号公報
しかしながら、ICチップ自体が厚いことから、衝撃や曲げ等に対してICチップが追従できないために、カードの衝撃、曲げ等に対する物理的強度特性に劣り、カードが点圧、衝撃、曲げ等のストレスを受けるとICチップが破壊される器具があり、ICカードの信頼性に問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、物理的強度特性に優れ、ICチップを破壊から保護すると共に、カード表面の平面・平滑性に優れる信頼性の高い非接触ICカード及びこれに用いられるICインレットを提供することにある。このため、従来品より薄いながらも、点圧強度、特に突出しているICチップ部分の点圧強度についても従来品にひけをとらないICインレットを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明は、IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハと該シリコンウエハの片面に接着剤を介して貼り合わせた補強板とを有する薄型化ICチップが、樹脂組成物を介してアンテナシートに貼り合わされ、該補強板は該シリコンウエハより厚いことを特徴とする薄型化ICインレットとした。
また本発明は、IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハと該シリコンウエハの片面に接着剤を介して貼り合わせた補強板とを有する薄型化ICチップが、樹脂組成物を介してアンテナシートに貼り合わされ、該アンテナシートの該薄型化ICチップが貼り合わされた反対側に、更に接着剤を介して裏面補強板が貼り合わされてなり、該補強板及び該裏面補強板の少なくとも一方は、該シリコンウエハより厚いことを特徴とする薄型化ICインレットとした。
また本発明は、前記樹脂組成物が絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)であることを特徴とする薄型化ICインレットとした。
また本発明は、前記樹脂組成物がアンダーフィルを介してアンテナシートであることを特徴とする薄型化ICインレットとした。
また本発明は、上記の薄型化ICインレットの両面に、シート状接着剤を介して第1の外装シート基材と第2の外装シート基材を積層してなる非接触ICカードとした。
また本発明は、IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハを研削し、研削されたシリコンウエハの裏面に接着剤を用いて補強板を貼り合わせ、補強板を貼り合わせたシリコンウエハをダイジングして薄型化ICチップを製造し、該薄型化ICチップを、樹脂組成物を介してアンテナシートに実装することを特徴とする薄型化ICインレットの製造方法とした。
また本発明は、前記薄型化ICチップの前記アンテナシートへの実装が、絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)を介して貼りあわせることにより行われることを特徴とする薄型化ICインレットの製造方法とした。
また本発明は、前記薄型化ICチップの前記アンテナシートへの実装が、超音波法により行われ、更に液状樹脂(アンダーフィル)を薄型化ICチップとアンテナシートの隙間に充填させることを特徴とする薄型化ICインレットの製造方法とした。
また本発明は、前記アンテナシートの前記薄型化ICチップを実装した反対側に、接着剤を介して裏面補強板をさらに貼り合わせることを特徴とする薄型化ICインレットの製造方法とした。
また本発明は、前記で製造した薄型化ICインレットの両面に、シート状接着剤を介して第1の外装シート基材と第2の外装シート基材とを積層することを特徴とする非接触ICカードの製造方法とした。
本発明は、以上説明したような構成であるから、以下に示す如き効果がある。
即ち、本発明の薄型化ICチップは、補強板とシリコンウエハとを接着剤を介して貼り合わせた構成で、強度を保ちながら従来のICチップと比べて薄い故、薄型化ICインレットのICチップ実装部を薄くすることが可能となる。また、シリコンウエハに補強板を貼り合わせたものを個片化してチップ化する為、一度に大量の薄型化ICチップを生産することが可能となり、生産コストの削減を図ることが出来、安価に提供することが可能となった。
また、本発明のICカードは、薄型化ICチップを用いる故、物理的強度特性に優れ、ICチップ部分に大きな負荷がかかることを防ぎ、ICチップを破壊から保護すると共に、カード表面の平面・平滑性に優れ、信頼性の高い非接触ICカードを提供することが可能となる。
以下、本発明における薄型化ICインレット及びICカードの一実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明における薄型化ICインレットに用いる薄型化ICチップは、Siウエハ、接着剤(DAF)、補強板(SUS)を積層してなる。図1は、本発明における薄型化ICチップを用いた薄型化ICインレットの製造方法を示す図である。
まず、IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハを研削する。シリコンウエハの厚さについては、特に限定しないが、45μm〜100μmが好ましく、求める薄さ、強度等により適宜調整する。
詳しくは、IC回路並びに接続端子(図示せず)が形成されたSiウエハを研磨し、所定の厚み(例えば80μm)に加工し、研磨後には、研磨時にダメージを受けた加工変質層を除去する。このため、例えば、超微細な砥粒を持つ乾式砥石ホイールによる機械的な研磨であるポリッシュ処理等を施す。この処理により、研削によって発生したストレスをリリースすることが可能になり、Siウエハの反り低減やICチップにした場合の強度を高めることができる。このポリッシュ処理では2〜3μmのSiを除去する。
次に、薄く仕上げたSiウエアの片面に接着剤、例えば、ダイアタッチフィルム(DAF)を用いて厚み50〜200μmの補強板(SUS)を貼り合わせる。補強板(SUS)には、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr等を単体もしくは複合させてなる金属が用いられる。
ここで用いる接着剤の膜厚は5〜50μmが望ましい。接着剤の組成については特に限定しないが、低温で処理が可能なものが望ましい。また、この接着剤も薄型化ICチップの強度を補強する役割も果たしている。
また、貼り合わせを行うときにウエハにかかる温度はより低温(〜60℃)であることが望ましい。高温で貼り合わせを行うと、ウエハに反りが発生する場合があり、この反りがその後の処理工程で不具合を誘発させる原因になることがある。
貼り合わせにはラミネータを用いるが、このとき真空雰囲気で貼り合わせると、ボイドや貼りムラ等の不具合を抑えることが可能になる(大気雰囲気でも貼り合わせは可能である)。補強板の面積は、Siウエハの面積と同等若しくは若干大きくしておくと良い。これにより、Siウエハに補強板を貼り合わせる際に、若干のズレが生じても、個片化した際に全てのICチップが補強板に覆われていることになり、さらに外周からの衝撃からもSiウエハを保護する役目も果たす。
そして、Siウエハに補強板を貼り合わせた状態で、ダイシング装置によりチップ単位に個片化し、薄型化ICチップとする。補強板の厚み及び材質は、カード化後の衝撃強度だけでなく、このダイシングのし易さにも多く影響する。衝撃強度を向上させるためには、補強板の厚みを厚くし、硬度を高める必要があるが、ダイシングの際の加工性を良好にするには、この硬度を調整する必要があり、400Hv以下が望ましい。
その後、個片化された積層構造の薄型化ICチップを、フェースダウン方式により、絶縁基材の樹脂シート上にアンテナを形成したアンテナシートへ樹脂組成物(図示しない)を介して実装し、回路構成する。
上記アンテナシートの樹脂シートに使用される材料としては、ガラスエポキシや、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体(ABS)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂、およびこれらをポリマーアロイ化したもの等、シート状に加工できるものならば使用可能である。
上記アンテナシートのアンテナとしては、金属ワイヤを巻いて形成されたアンテナや、導体箔をアンテナパターン状にエッチングして形成された導体箔のアンテナ等が用いられる。導体箔としては、銅、アルミニウム等が使用できるが、価格を考慮すると、アルミニウム箔が望ましい。
これにより、ICチップをアンテナシートへ実装する際に、従来行っていたようなシリコンウエハを封止樹脂で封止し、それから補強板を貼り合わせるといった工程が存在しないため、実装工程の簡略化が可能である。
また、さらなる物理強度を必要とする場合には、アンテナシートの薄型化ICチップを実装した反対側に同様の接着剤を用いて裏面補強板を装着することで強度を向上させることも可能である。裏面補強板の厚みは80μm〜200μmで、裏面補強板の貼り合わせに用いる接着剤の厚みは50μm以下にすると良い。
裏面補強板の貼り付けは、例えば、まず大きなSUS板に所定の厚みの接着剤をラミネートにより貼り付けた後、ダイシングして任意の大きさに個片化し、アンテナシートへ貼り付けることにより行われる。
また、裏面補強板のサイズは、シリコンウエハのサイズと同等サイズであっても良いし、若しくは若干大きくしても良い。比率としては、裏面補強板の一辺が、補強板の一辺の100〜160%であることが好ましい。例えば、シリコンウエハが3.5ミリ角の場合であれば、裏面補強板は、4〜5.5ミリ角程のサイズにしても良い。これにより、さらにICチップへの保護力を高めることが可能となる。
裏面補強板を設けない場合には、補強板の厚みは、シリコンウエハの厚みより厚くすると良い。また、裏面補強板を設ける場合には、補強板及び裏面補強板の少なくともどちらか一方の厚みをシリコンウエハの厚みより厚くすると良い。特に裏面補強板を厚くすることが好ましく、その場合は、補強板はシリコンウエハより薄くても構わない。このようにシリコンウエハと補強板若しくは裏面補強板の厚さを調整することにより、薄さと強度を兼ね備えたICインレットとすることができる。
図2乃至図5はそれぞれ、前述した薄型化ICチップをアンテナシートに実装した薄型化ICインレットの実施形態例の詳細を示す図である。薄型化ICチップのパッドには、アンテナシートのアンテナコイルとの接続用に、金(Au)等からなる高さ10〜30μmの接続端子(バンプ)が形成されている。
本発明における薄型化ICチップのアンテナシートへの実装は、樹脂組成物を介して行われる。樹脂組成物としては、例えば、絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)、若しくはアンダーフィル(液状樹脂)、若しくは液状樹脂(アンダーフィル)を用いる事が可能である。
図2に示した薄型化ICインレットは、薄型化ICチップを、絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)を介在させて、熱圧着によりアンテナシートに実装させたものである。
また、図3に示した薄型化ICインレットは、図2に示した薄型化ICインレットの、アンテナシートの薄型化ICチップ実装部の反対側に、更に接着剤を介して裏面補強板を貼り合わせたものである。
熱圧着の条件は、薄型化ICチップがアンテナシートに実装されるものであれば特に限定はしないが、チップ吸着ヘッドの温度を約300℃にし、荷重約1kgで10秒程圧着させることにより実装可能である。
あるいは、薄型化ICチップに個片化する前に、Siウエハに補強板を貼り合わせたものに、これらNCF又はACFを貼り付けておき、その後ダイシングして個片化しても良い。この場合、さらに実装工程での負荷が軽減されることになる。
図4に示した薄型化ICインレットは、薄型化ICチップのバンプを超音波法によりアンテナシート上に形成されたアンテナと接合した後、アンテナシートと薄型化ICチップとの間に、樹脂組成物として、液状樹脂(アンダーフィル)を充填させたものである。
また、図5に示した薄型化ICインレットは、図4に示した薄型化ICインレットの、アンテナシートの薄型化ICチップ実装部の反対側に、更に接着剤を介して裏面補強板を貼り合わせたものである。
超音波方の条件は、薄型化ICチップがアンテナシートに実装されるものであれば特に限定はしないが、チップ吸着ヘッドの温度が約60℃、荷重約0.5kgで薄型化ICチップを固定し、1秒ほど超音波をかけることにより実装可能である。
アンダーフィルとしては、例えばXSUF1572−12(ナミックス社製)等が用いられる。アンダーフィルに求められる特性としては、低温硬化可能なこと、ボイドレスなこと、フィレットが高く安定して形勢できること、各種環境試験耐性があること等があげられ、この条件を満たす液状樹脂であれば使用可能である。
アンダーフィルをアンテナシートと薄型化ICチップの間に充填させるには、ステージ温度を30〜50℃とし、硬化温度が100〜120℃のアンダーフィルを、ICチップの周辺に滴下すれば良い。こうすることにより、バンプ及びアンテナシート状に形成されたアンテナによってできたICチップとアンテナシートとの隙間に、アンダーフィルが毛細管現象により充填される。
アンダーフィルの滴下量については、ICチップとアンテナシートとの隙間を充填するに足りる量であれば、特に限定しないが、図3に示したように、ICチップの側面が覆われる量であると、ICチップ部分の強度が向上し、さらに信頼性も向上させることが可能となる。
特に、図4及び5に示したように、ICチップとアンダーフィルとで台形に近似した形状を形成するように量を調節することで、横方向や斜め方向からの力が加わった際に力を分散させることができる。また段差が緩和されるので、カードへの実装時に積層されるシートが硬い場合には、そのシートとの間に空孔ができること、若しくシートが柔らかい場合にはシートに段差の影響が響くこと等を防止し、信頼性、平滑性及び強度を向上させることが可能となる。
また、薄型化ICチップとアンテナシートとの接合を、超音波法にて行うことにより、温度条件を下げることができ、また荷重も小さく、荷重時間も短くすることが可能で、ICチップへの負担を減らし、不良率を下げることが可能となるだけでなく、耐熱性の高くないアンテナシートが熱により劣化することを防ぐことが可能となる。
図6は、本発明におけるICカードの一実施形態例を示す断面図である。図6に示すICカードは、薄型化ICインレットが、第1の外装シート基材と第2の外装シート基材との間に、複数層のシート状接着剤を介して内蔵された非接触ICカードであって、点圧、衝撃、曲げ等の物理手強度特性に優れ、ICチップを破壊から保護すると共に、カード表面の平面・平滑性に優れることを特徴とする。
第1の外装シート基材及び第2の外装シート基材に使用される材料としては、例えば、延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体(ABS)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂、およびこれらをポリマーアロイ化したもの等、シート状に加工できるものならば使用可能である。
薄型化ICインレットの薄型化ICチップ部を、封止樹脂で封止しても良い(図示せず)。これにより、温度・湿度等の外部環境の変化からの保護、電気的絶縁性の保持、動作中に発生した熱の拡散等の効果がある。また、この封止樹脂によって、上方から点圧が加わった際に力が分散されてICチップ全体に均一にかかるので機械的強度も向上するものである。
上記封止樹脂の材料としては、例えば、ゴム系シリコン樹脂等のタック性を有するものがあげられる。これにより、ICチップを保護するのに十分な柔軟性を得ることが出来、ICカードが曲げられた時の応力に対しICチップが破壊されるのを防ぐことになる。
また、上記シート状接着剤との接着はタックによって成り立っている。封止樹脂がタック性を有することにより、非接触ICカードが曲げられた時の応力が直接ICチップに負荷されるのではなく、シート状接着剤の水平方向にも分散し、さらにICチップが破壊されるのを防ぐことが可能となる。
上記シート状接着剤としては、非結晶性ポリエチレンテレフタレート系共重合体樹脂(PET−G)をシート状に加工したものが好適に使用できる。
以下、本発明におけるICカードの実施例を示す。
<実施例1>
厚さ20μmの金バンプが形成されているSiウエハを研磨し、厚さ75μmに加工し、この片面に厚さ45μmのDAF材を介して厚み145μmの補強板(SUS)を貼り合わせ、これをダイシング装置によりチップ単位に個片化した。これを、異方性導電性樹脂フィルム(ACF)を介在させ、厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装し、薄型化ICインレットを得た。この薄型化ICインレットの総厚は363μmとなった。
<実施例2>
厚さ20μmの金バンプが形成されているSiウエハを研磨し、厚さ75μmに加工し、この片面に厚さ45μmのDAF材を介して厚み145μmの補強板(SUS)を貼り合わせ、これをダイシング装置によりチップ単位に個片化した。このICチップを超音波法で厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装し、液状樹脂(アンダーフィル)でICチップとアンテナシートとの隙間を充填し、薄型化ICインレットを得た。この薄型化ICインレットの総厚は363μmとなった。
<実施例3>
厚さ20μmの金バンプが形成されているSiウエハを研磨し、厚さ70μmに加工し、この片面に厚さ25μmのDAF材を介して厚み120μmの補強板(SUS)を貼りあわせ、これをダイシング装置によりチップ単位に個片化した。このICチップを超音波方で厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装し、液状樹脂(アンダーフィル)でICチップとアンテナシートとの隙間を充填し、薄型化ICインレットを得た。この薄型化ICインレットの総厚は313μmとなった。
<実施例4>
厚さ20μmの金バンプが形成されているSiウエハを研磨し、厚さ80μmに加工し、この片面に厚さ35μmのDAF材を介して厚み50μmの補強板(SUS)を貼り合わせ、これをダイシング装置によりチップ単位に個片化した。これを、異方性導電性樹脂フィルム(ACF)を介在させ、厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装した後、アンテナシートのICチップ実装部の裏側に、厚さ10μmのDAF材を介して厚さ125μmの補強板を設け、薄型化ICインレットを得た。この薄型化ICインレットの総厚は398μmとなった。
<実施例5>
厚さ20μmの金バンプが形成されているSiウエハを研磨し、厚さ80μmに加工し、この片面に厚さ35μmのDAF材を介して厚み50μmの補強板(SUS)を貼り合わせ、これをダイシング装置によりチップ単位に個片化した。このICチップを超音波法により厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装し、液状樹脂(アンダーフィル)でICチップとアンテナシートとの隙間を充填した後、アンテナシートのICチップ実装部の裏側に、厚さ10μmのDAF材を介して厚さ110μmの補強板を設け、薄型化ICインレットを得た。この薄型化ICインレットの総厚は383μmとなった。
<実施例6>
厚さ20μmの金バンプが形成されているSiウエハを研磨し、厚さ60μmに加工し、この片面に厚さ25μmのDAF材を介して厚み50μmの補強板(SUS)を貼り合わせ、これをダイシング装置によりチップ単位に個片化した。このICチップを超音波法により厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装し、液状樹脂(アンダーフィル)でICチップとアンテナシートとの隙間を充填した後、アンテナシートのICチップ実装部の裏側に、厚さ5μmのDAF材を介して厚さ100μmの補強板を設け、薄型化ICインレットを得た。この薄型化ICインレットの総厚は338μmとなった。
<比較例>
厚さ175μmに加工したSiウエハに厚さ20μの金バンプを形成し、これを異方性導電性樹脂フィルム(ACF)を介在させ、厚さ78μm(アンテナ含む)のアンテナシートに実装した後、アンテナシートのICチップ実装部の両面を樹脂封止し、これに各々30μmの補強板及び裏面補強板を貼りあわせて、ICインレットを得た。このICインレットの総厚は468μmとなった。
実施例1乃至4及び比較例(従来品)で得られた薄型化ICインレット及びICインレットについて、ICチップ実装部の表と裏から点圧強度を測定した結果を、表1に記載した。点圧強度値の判定は、リーダ/ライタとの通信が出来なくなったときの値とした。今回点圧強度の測定条件は、点圧プローブ:5rのものを使用し、プローブ移動スピードは1mm/secとした。また測定時には5mm厚のSiゴムをインレットの下にしいて行った。
実施例1乃至6はいずれも比較例(従来品)より薄く仕上げることができ、且つ表点圧強度に関しても実施例1乃至6はいずれも比較例(従来品)を上回る結果となった。実施例4乃至6に関しては、裏点圧強度も比較例(従来品)を上回っている。このため、実施例3及び4は、かなりの薄さと強度を求められるようなICカードにおいても、好適に使用できる。
実施例1乃至3に関しては、裏点圧強度が比較例を下回ったが、アンテナシートの裏面は平らなので、実際の使用においてはICチップ部分に裏から点圧がかかりにくく、表点圧強度が従来品を上回っていることで問題なく使用できる。また、実施例1乃至3はかなり薄いため、カード化する際には、ICチップ部分を樹脂封止して補強することも可能となり、また、より薄さ、平滑性を求めるICカードの場合には好適に使用できる。
以上のように、本発明における薄型化ICインレット及びこれを用いたICカードは、適宜層構成、層の厚さを本発明の条件下で使い分けることにより、薄さ、平滑性、強度等、そのICカードが求められている条件を兼ね備えたICカードを提供することが可能となる。
本発明における薄型化ICチップ及びそれを用いた薄型化ICインレットの製造方法を示す図である。 本発明における薄型化ICチップをアンテナシートに実装した薄型化ICインレットの実施形態例の詳細を示す図である。 本発明における薄型化ICチップをアンテナシートに実装した薄型化ICインレットの別の実施形態例の詳細を示す図である。 本発明における薄型化ICチップをアンテナシートに実装した薄型化ICインレットの別の実施形態例の詳細を示す図である。 本発明における薄型化ICチップをアンテナシートに実装した薄型化ICインレットの別の実施形態例の詳細を示す図である。 本発明におけるICカードの一実施形態例を示す断面図である。 従来のICインレットを説明する図である。
符号の説明
1・・・薄型化ICチップ
2、2´・・・シリコンウエハ
3・・・接着剤
4、4´・・・補強板(SUS)
5・・・ダイシングブレード
6・・・ダイシングテープ
7、7´・・・薄型化ICインレット
8、8´・・・接続端子(バンプ)
9、9´・・・樹脂シート
10・・・アンテナ
11・・・アンテナシート
12・・・絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)
13・・・裏面補強板
14・・・液状樹脂(アンダーフィル)
15・・・ICカード
16(1)・・・第1の外装シート基材
16(2)・・・第2の外装シート基材
17・・・シート状接着剤
18´・・・封止樹脂

Claims (10)

  1. IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハと該シリコンウエハの片面に接着剤を介して貼り合わせた補強板とを有する薄型化ICチップが、樹脂組成物を介してアンテナシートに貼り合わされ、
    該補強板は該シリコンウエハより厚いことを特徴とする薄型化ICインレット。
  2. IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハと該シリコンウエハの片面に接着剤を介して貼り合わせた補強板とを有する薄型化ICチップが、樹脂組成物を介してアンテナシートに貼り合わされ、
    該アンテナシートの該薄型化ICチップが貼り合わされた反対側に、更に接着剤を介して裏面補強板が貼り合わされてなり、
    該補強板及び該裏面補強板の少なくとも一方は、該シリコンウエハより厚いことを特徴とする薄型化ICインレット。
  3. 前記樹脂組成物が絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型化ICインレット。
  4. 前記樹脂組成物がアンダーフィルを介してアンテナシートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄型化ICインレット。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の薄型化ICインレットの両面に、シート状接着剤を介して第1の外装シート基材と第2の外装シート基材を積層してなる非接触ICカード。
  6. IC回路及び接続端子が形成されたシリコンウエハを研削し、
    研削されたシリコンウエハの裏面に接着剤を用いて補強板を貼り合わせ、
    補強板を貼り合わせたシリコンウエハをダイシングして薄型化ICチップを製造し、
    該薄型化ICチップを、樹脂組成物を介してアンテナシートに実装することを特徴とする薄型化ICインレットの製造方法。
  7. 前記薄型化ICチップの前記アンテナシートへの実装が、絶縁性樹脂フィルム(NCF)又は異方性導電性樹脂フィルム(ACF)を介して貼りあわせることにより行われることを特徴とする請求項6に記載の薄型化ICインレットの製造方法。
  8. 前記薄型化ICチップの前記アンテナシートへの実装が、超音波法により行われ、更に液状樹脂(アンダーフィル)を薄型化ICチップとアンテナシートの隙間に充填させることを特徴とする請求項6に記載の薄型化ICインレットの製造方法。
  9. 前記アンテナシートの前記薄型化ICチップを実装した反対側に、
    接着剤を介して裏面補強板をさらに貼り合わせることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の薄型化ICインレットの製造方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか1項で製造した薄型化ICインレットの両面に、シート状接着剤を介して第1の外装シート基材と第2の外装シート基材とを積層することを特徴とする非接触ICカードの製造方法。
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