JP2007233431A - 携帯可能電子装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した携帯可能電子装置を提供する。
【解決手段】 アンテナ配線基板と、アンテナ配線基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なうLSIと、LSIを挟んで、アンテナ配線基板と対向して配置されている表面基材と、表面基材に対して非固着状態で、少なくともLSIと表面基材との間に配置されている第1離型層とを備えた携帯可能電子装置。
【選択図】図2
【解決手段】 アンテナ配線基板と、アンテナ配線基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なうLSIと、LSIを挟んで、アンテナ配線基板と対向して配置されている表面基材と、表面基材に対して非固着状態で、少なくともLSIと表面基材との間に配置されている第1離型層とを備えた携帯可能電子装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、携帯可能電子装置に係り、特に無線式のリーダー/ライターとの間で通信を行う機能を有する携帯可能電子装置に関する。
近年、携帯して使用することのできる小型、軽量の携帯可能電子装置が多用されるようになっている。このような携帯可能電子装置の1つとして、無線式のリーダー/ライターとの間で通信を行う機能を有した無線ICカードが知られている。
このような無線ICカードは、カード状の本体の中に、通信に必要なパターン状のアンテナおよびICチップを内蔵し、リーダー/ライターとの通信を非接触で行うことができ、鉄道の定期券や学生証、従業員証、各種免許証等の個人認証カードに利用されている。
例えば、補強板の厚さを半導体チップの厚さとの関係で所定の範囲に設定することにより、曲げ、点押し等の形態で作用する負荷に耐え、半導体チップの破損を防止するICカードが開示されている(特許文献1)。
このような無線ICカードは、カード状の本体の中に、通信に必要なパターン状のアンテナおよびICチップを内蔵し、リーダー/ライターとの通信を非接触で行うことができ、鉄道の定期券や学生証、従業員証、各種免許証等の個人認証カードに利用されている。
例えば、補強板の厚さを半導体チップの厚さとの関係で所定の範囲に設定することにより、曲げ、点押し等の形態で作用する負荷に耐え、半導体チップの破損を防止するICカードが開示されている(特許文献1)。
また、ICチップの外周縁を取り巻くような補強板を設け、ICチップの破損を防止するICカードが開示されている(特許文献2)。
さらに、ICチップ上に帽子形状の補強材を設けて、折り曲げや点圧に対してのICチップの破損を防止する非接触ICカードが開示されている(特許文献3)。
特開2000−182016号公報(段落0008)
特開平8−282167号公報(要約書)
特開2001−34727号公報(要約書)
このように、無線ICカードは、外部からの点圧、衝撃、曲げ等機械的ストレスを受けると、内部のICチップが破損するおそれがあり、機械的ストレスヘの耐性が課題となっている。
例えば、個人認証IDカードは、常時携帯されることが多く、ポケットの中など少しの動きでも繰り返しカードに曲げ応力、ねじれ応力がかかるような状況に置かれている。特に、カード基材のICチップが実装されている位置に急激な荷重がかかると、ICチップが破損し、無線ICカードとしての機能を失われる虞がある。また、ICチップに荷重がかかると、アンテナを備えるカード基材とICチップと電気的な接続が破損する虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、その目的は、機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した携帯可能電子装置を提供することにある。
例えば、個人認証IDカードは、常時携帯されることが多く、ポケットの中など少しの動きでも繰り返しカードに曲げ応力、ねじれ応力がかかるような状況に置かれている。特に、カード基材のICチップが実装されている位置に急激な荷重がかかると、ICチップが破損し、無線ICカードとしての機能を失われる虞がある。また、ICチップに荷重がかかると、アンテナを備えるカード基材とICチップと電気的な接続が破損する虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、その目的は、機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した携帯可能電子装置を提供することにある。
本発明の一態様によると、携帯可能電子装置は、基板と、前記基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なう回路部材と、前記回路部材を挟んで、前記基板と対向して配置されている表面基材と、前記表面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記回路部材と前記表面基材との間に配置されている第1離型層とを備えることを特徴としている。
また、本発明の一態様によると、携帯可能電子装置は、基板と、前記基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なう回路部材と、前記基板を挟んで、前記回路部材と対向して配置されている第1補強板と、前記第1補強板を挟んで、前記基板と対向して配置されている裏面基材と、前記裏面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記第1補強板と前記裏面基材との間に配置されている第2離型層とを備えることを特徴としている。
さらに、本発明の一態様によると、携帯可能電子装置は、基板と、前記基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なう回路部材と、前記回路部材を挟んで、前記基板と対向して配置されている表面基材と、前記表面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記回路部材と前記表面基材との間に配置されている第1離型層と、前記基板を挟んで、前記回路部材と対向して配置されている第1補強板と、前記第1補強板を挟んで、前記基板と対向して配置されている裏面基材と、前記裏面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記第1補強板と前記裏面基材との間に配置されている第2離型層とを備えることを特徴としている。
本発明は、機械的ストレスの耐性が高く、信頼性の向上した携帯可能電子装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の携帯可能電子装置の一実施形態に係る非接触式の無線ICカードを示す。図2は図1に示した無線ICカードの断面図を示す。
図1および図2に示す通り、無線ICカード1は、例えば矩形状のアンテナ配線基板2と、アンテナ配線基板2上に形成されたコイル状のアンテナ3と、アンテナ配線基板2上に実装されアンテナ3に電気的に接続された回路部材(LSI)4とを備える。
図1は、本発明の携帯可能電子装置の一実施形態に係る非接触式の無線ICカードを示す。図2は図1に示した無線ICカードの断面図を示す。
図1および図2に示す通り、無線ICカード1は、例えば矩形状のアンテナ配線基板2と、アンテナ配線基板2上に形成されたコイル状のアンテナ3と、アンテナ配線基板2上に実装されアンテナ3に電気的に接続された回路部材(LSI)4とを備える。
LSI(large−scale integration)4は、例えば正方形状に形成され回路が設けられた回路面と、この回路面の裏面としての非回路面(研磨面)とを有している。そして、LSI4は、上記回路面とアンテナ配線基板2が対向するように、アンテナ配線基板2の所定の位置に配置されている。詳細に説明すると、LSI4は、回路面にニッケル等の金属粒子(粒子径10〜30μm)を含むバンプ部4A,4Bを備え、このバンプ部4A,4Bのそれぞれに対して、例えば導電性接着剤により固定されているアンテナ配線基板2上のアンテナ3のリード部3A,3Bを介して、アンテナ3と電気的に接続されている。LSI4の非回路面側には、LSI側補強板(第2補強板)5が配置されている。
アンテナ3は、アンテナ配線基板2の周縁部に沿って形成され、アンテナ配線基板2上に例えば接着剤等により固着されており、材質は銅、アルミニウム、銀等の箔、ワイヤ等が用いられる。本実施の形態において、アンテナ3は、厚さ10〜50μmのアルミニウムパターンにより構成されている。
アンテナ配線基板2のLSI4が配置されている側と反対側には、LSI4と対向する位置に、アンテナ配線基板側補強板(第1補強版)6が、例えば接着剤を介して固着されている。すなわち、アンテナ配線基板2のアンテナが形成されている第1の面2A側に、LSI4を挟んでLSI側補強板5が固定され、アンテナ配線基板2の第1の面2Aの裏面である第2の面2B上のLSI4と対応する位置にアンテナ配線基板側補強板6が固定されている。
LSI4の周辺部分には、LSI4およびLSI側補強板5を覆うように第1離型層7が形成され、アンテナ配線基板側補強板6の周辺には、アンテナ配線基板側補強板6を覆うように第2離型層8が形成されている。さらに、アンテナ配線基板2の第1の面2A側には、第1中間基材10、第1表面基材11および第2表面基材12が、アンテナ配線基板2の第2の面2B側には、第2中間基材13、第1裏面基材14および第2裏面基材15が配置されている。
第1離型層7は、少なくとも、LSI側補強板5と第1表面基材11との間に配置されている。また、第1離型層7は、図2に示す通り、LSI4およびLSI側補強板5を覆うように配置され、その外周がアンテナ配線基板2上面まで達していることが好ましく、LSI4からの距離が、LSI4の一辺の長さの0.1倍以上であることがより好ましい。このように、本実施の形態において、第1離型層7は、LSI側補強板5と第1表面基材11との間と、LIS4の側面と第1中間基材10との間と、アンテナ配線基板2と第1中間基材10との間に配置されている。
第2離型層8は、少なくとも、アンテナ配線基板側補強板6と第1裏面基材14との間に配置されている。また、第2離型層8は、図2に示す通り、アンテナ配線基板側補強板6を覆うようにして配置され、その外周がアンテナ配線基板2上面まで達していることが好ましく、アンテナ配線基板側補強板6の一辺の長さの0.1倍以上であることがより好ましい。このように、本実施の形態において、第2離型層8は、アンテナ配線基板側補強板6と第1裏面基材14との間と、アンテナ配線基板側補強板6の側面と第2中間基材13との間と、アンテナ配線基板2と第2中間基材13との間に配置されている。なお、第1離型層7および第2離型層8が無線ICカード1の周縁部に配置されると、無線ICカード1の耐剥離性が低下するため、第1離型層7および第2離型層8は、大きくても外縁付近に達しない程度とする。
第1中間基材10は、アンテナ配線基板2と第1表面基材11との間に配置され、LSI4を取り囲んでいる。
第2表面基材12の外面には、例えば、使用者の顔画面、個人情報等が印刷され、その表面には、透明な保護膜が重ねて形成されている。なお、印刷欠陥を低減するため、必要に応じて、第2表面基材12の表面に受像層が形成され、その上に保護膜が形成されてもよい。
第2中間基材13は、アンテナ配線基板2と第1裏面基材14との間に配置され、アンテナ配線基板側補強板6を取り囲んでいる。
第2裏面基材15の外面には、筆記具、インクジェットプリンタ等によって情報を書き込み可能な筆記層が形成されている。
本実施の形態において、第1離型層7および第2離型層8は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等からなる樹脂フィルムや、ポリフッ化ビニリデン、ポリ6フッ化エチレン、ポリ4フッ化エチレン等からなるフッ素系樹脂フィルム等であって、厚さは50μm以下であることが好ましいく、10μm以下であることがさらに好ましい。このように、第1離型層7あるいは第1離型層8としてのフィルム材料の厚さを薄くすることで、無線ICカード1の厚さをより薄くすることができる。また、第1離型層7および第2離型層8の厚さを薄くすることで、無線ICカード1の表面に第1離型層7あるいは第2離型層8による悪い影響が及びにくく、第2表面基材12側の表面の平滑性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、第1中間基材10および第2中間基材13は、例えば、PET、PET−G、ポリカーボネート、アクリル、エポキシ等の紫外線硬化樹脂、塩化ビニル、紙等により構成されている。また、第1表面基材11、第2表面基材12、第1裏面基材14および第2裏面基材15は、例えば、厚さ150μmの白PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで構成されている。
このような無線ICカード1は、アンテナ配線基板2の所定位置に、LSI4、LSI側補強板5、アンテナ配線基板側補強板6、第1離型層7および第2離型層8を実装する実装工程と、これらが実装されたアンテナ配線基板2に対して第1中間基材10、第1表面基材11、第2表面基材12、第2中間基材13、第1裏面基材14および第2裏面基材15を積層接着する熱プレス工程と、熱プレス工程により一体的に形成された部材をカード形状に抜く抜き工程とにより製造される。
すなわち、実装工程により、アンテナ配線基板2の第1の面2A側に、リード部3A,3Bとバンプ部4A,4Bがそれぞれ対応するように配置されたLSI4が、例えば異方導電性接着剤(ACP)を用いてアンテナ配線基板2に固定される。そして、このLSI4の非回路面側に例えば熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤を用いてLSI側補強板5が接着され、さらにLSI側補強板5の上に、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤を用いてフィルム状の第1離型層7が接着される。
続いて、アンテナ配線基板2の第2の面2B側においては、LSI4が固定される位置と対応する位置に、例えば熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤を用いてアンテナ配線基板側補強板6が接着され、さらにアンテナ配線基板側補強板6の上に例えば熱硬化性のエポキシ樹脂系接着剤を用いて、フィルム状の第2離型層8が接着される。これにより、モジュールとして一体化されたアンテナ配線基板2が製造される。
熱プレス工程において、上記実装工程により一体化されたアンテナ配線基板2の第1の面2A側に、第1中間基材10、第1表面基材11および第2表面基材12が、第2の面2B側に、第2中間基材13、第1裏面基材14および第2裏面基材15が積層された状態で、ホットプレスを用いて200℃で10分間のプレス加工を施す。なお、これら基材の間には、第1離型層7および第2離型層8と接触する部分を除いて、接着剤が予め配置されている。これにより、アンテナ配線基板2の第1の面2Aと第1中間基材10の界面、第1中間基材10と第1表面基材11の界面、第1表面基材11と第2表面基材12の界面、アンテナ配線基板2の第2の面2Bと第2中間基材13の界面、第2中間基材13と第1裏面基材14の界面、第1裏面基材14と第2裏面基材15の界面が、それぞれ熱圧着される。
抜き工程において、熱プレス工程により一体的に形成された部材がカード形状に抜かれる。これにより、上述のような無線ICカード1が製造される。
なお、上述の熱プレス工程において利用される接着剤は、ホットメタル性の樹脂が適用されることが好ましく、これにより無線ICカード1の表面の平滑性を向上することができる。
このように、本実施の形態に係る無線ICカード1は、LSI4と接着されているLSI側補強板5と、これを挟持している第1表面基材11との対向領域が非固着状態であるため、第2表面基材12側からの応力を緩和し、LSI4に直接作用する応力を軽減することができる。また、無線ICカード1は、アンテナ配線基板側補強板6と、これを挟持している第2裏面基材14との対向領域が非固着状態であるため、第2裏面基材15からの応力を緩和し、LSI4に直接作用する応力を軽減することができる。すなわち、上述の通り、第1離型層7および第2離型層8により、LSI4(LSI側補強板5)と第1表面基材11との対向領域、およびアンテナ配線基板側補強板8と第2裏面基材14との対向領域が非固着状態となるため、無線ICカード1の裏表からの衝撃応力を緩和することができる。これにより、機械的ストレスの耐性が高い無線ICカード1を実現することができる。また、LSI4にかかる応力を緩和することができるため、アンテナ配線基板2とLSI4との電気的な接続部分へのダメージを軽減することができ、リード部3A,3Bとバンプ部4A,4Bとの接続不良を防止することができ、信頼性を向上することができる。
ここで、以下に説明する実施例1〜3を用いて、上述の本実施の形態に係る無線ICカード1の評価試験(無線ICカードの耐衝撃性の評価試験)を行なった。この評価試験においては、重さ50gの重りを、剛性の受け台に裁置された無線ICカード1の表面および裏面のそれぞれの、LSI4の中央と対応する位置に落下させ、このときの落下高さを計測した。なお、落下高さは、20cmからスタートしてその後5cmずつ高くした。この落下試験の後、所定の無線リーダー/ライタと問題なく通信が行えるか否かが確認され、通信が可能であると判断された許容最大落下高さを図3に示す。なお、本評価試験において利用されたLSI4は、回路面が4mm×4mmであって、LSI側補強板5とアンテナ配線基板側補強板6は、ステンレスにより構成された厚さ100μm、最大面積表面が5mm×5mmの板材である。
実施例1は、厚さ5μm、最大面積表面が15mm×15mmのポリエチレンフィルムを第1離型層7として実装されており、第2離型層8に相当する部材は含まず、アンテナ配線基板側補強板6と第1裏面基材14との界面は接着されている。
実施例2は、上述の熱プレス工程において、アンテナ配線基板側補強板6の上に0.05gのポリエチレンワックス粉末を配置し、熱溶融させてなる第2離型層8が形成されているものであって、第1離型層7に相当する部材は含まず、LSI側補強板7と第1表面基材11との界面は接着されている。
実施例3は、厚さ5μm、15mm×15mmのポリエチレンフィルムが第1離型層7および第2離型層8として実装されている。
なお、比較例として、本発明の条件を満たしていない従来例に対しても同様の評価試験を行った。つまり、この従来例は、第1離型層7および第2離型層8を備えず、LSI側補強板7と第1表面基材11との界面、およびアンテナ配線基板側補強板6と第1裏面基材14との界面とが接着されているものである。
図3に示す通り、実施例1は、第1離型層7を備えている表面基材12側からの衝撃においては、落下高さ45cmの衝撃まで耐え、無線ICカードとしての信頼性を確保することができた。しかし、実施例1は、裏面基材15からの衝撃には耐えることができず、最初の落下高さ20cmの衝撃までしか、無線ICカードとしての機能を確保することができなかった。
実施例2は、第2離型層8を備えている裏面基材15側からの衝撃においては、落下高さ40cmの衝撃に耐え、無線ICカードとしての信頼性を確保することができた。しかし、表面基材12からの衝撃には耐えることができなかった。
実施例3は、第1離型層7を備えている表面基材12側からの衝撃において、落下高さ45cmの衝撃に耐え、且つ、第2離型層8を備えている裏面基材15側からの衝撃において、落下高さ40cmの衝撃に耐え、無線ICカードとしての信頼性を確保することができた。
一方、従来例は、第1離型層7および第2離型層8の両方とも備えていないため、両面それぞれにおいて衝撃に耐えることができず、最初の落下高さ20cmの衝撃までしか、無線ICカードとしての機能を確保することができなかった。
このように、発明に係る無線ICカード1は、第1離型層7および第2離型層8の少なくとも一方を備えることにより、LSI4にかかる応力を緩和することができるため、耐衝撃性や耐繰り返し曲げ特性が向上し、あらゆる使用状況下において要求される機能を発現することができる信頼性の高い個人認証用IDカードとして使用可能な無線ICカードを得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、本実施の形態において、LSI4の非回路面側には、LSI側補強板5が配置されているが、本発明はこれに限られず、LSI側補強板5はなくてもよい。
また、本実施の形態において、LSI4は、2つのバンプ部4A,4Bを有すると説明したが、本発明はこれに限られず、3つ以上のバンプ部を有するものであってもよく、例えば8つのバンプ部を有するLSI(large−scale integration)であってもよい。
さらに、本実施の形態において、第1離型層7および第2離型層8は、樹脂フィルム等により構成されると説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、液体状の離型性材料を上述の領域に塗布あるいは印刷することにより形成されるものであってもよい。この場合、例えば、カルナウバワックス(carnauba wax)、ポリエチレンワックス等の高温で溶融して塗布可能な離型性材料や、例えばダイキン工業製のタフコートエナメル(商標)、フッ素系、あるいはシリコーン系の常温液体の離型性材料を、LSI4あるいはアンテナ配線基板側補強板6に塗布した後に乾燥させることにより、第1離型層7あるいは第2離型層8を形成することができる。なお、これら離型性材料の塗布は、通常の実装機内で実施することが可能である。
また、LSI側補強板7およびアンテナ配線基板側補強板8としては、機械的強度に優れる金属及びセラミックス等の材料を用いることが好ましく、例えばステンレス材や、42アロイ等のリードフレーム材が用いられてもよい。
さらに、アンテナ3を備えるアンテナ配線基板2は、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意してアンテナ配線基板とし、エッチングまたはシルクスクリーン印刷によりアルミニウムのコイルアンテナパターンをアンテナ配線基板2上に形成することにより作製できる。
さらに、アンテナ3を備えるアンテナ配線基板2は、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用意してアンテナ配線基板とし、エッチングまたはシルクスクリーン印刷によりアルミニウムのコイルアンテナパターンをアンテナ配線基板2上に形成することにより作製できる。
また、LSI4、LSI側補強板5およびアンテナ配線基板側補強板6の最大面積を有する面の形状は正方形に限られず、例えば長方形や円形であってよい。この場合、第1離型層7および第2離型層8のアンテナ配線基板2上に配置される範囲としては、長方形の短辺あるいは円形の直径の0.1倍以上であることが好ましい。
接着剤については、接着させる部材によって、各種接着剤が適宜選択される。LSI4とアンテナ配線基板2を接着する接着剤としては、導電性を持つ異方性導電接着剤(ACP)や異方性導電接着フィルム(ACF)等がより好ましく用いられる。特に異方導電性ペースト(ACP)、異方導電性フィルム(ACF)等の接着剤の場合は、これらに含有されるニッケル、銀等の金属粒子がバンプ部とリード部の間に介在し、より強固な電気的接続を得ることができる。LSI4とLSI側補強板5との接着に使用する接着剤、及びアンテナ配線基板2とアンテナ配線基板側補強板6との接着に使用する接着剤としては、ホットメルトタイプの接着剤、または熱硬化性の接着剤が用いられる。ホットメルトタイプの接着剤としては、エチレン−酢酸共重合体樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系の接着剤が、熱硬化性樹脂の接着剤としてはエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系の接着剤がより好ましい。接着剤の厚さとしては、0.5μmから80μmの厚さであることが好ましい。
接着剤については、接着させる部材によって、各種接着剤が適宜選択される。LSI4とアンテナ配線基板2を接着する接着剤としては、導電性を持つ異方性導電接着剤(ACP)や異方性導電接着フィルム(ACF)等がより好ましく用いられる。特に異方導電性ペースト(ACP)、異方導電性フィルム(ACF)等の接着剤の場合は、これらに含有されるニッケル、銀等の金属粒子がバンプ部とリード部の間に介在し、より強固な電気的接続を得ることができる。LSI4とLSI側補強板5との接着に使用する接着剤、及びアンテナ配線基板2とアンテナ配線基板側補強板6との接着に使用する接着剤としては、ホットメルトタイプの接着剤、または熱硬化性の接着剤が用いられる。ホットメルトタイプの接着剤としては、エチレン−酢酸共重合体樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリアミド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系の接着剤が、熱硬化性樹脂の接着剤としてはエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系の接着剤がより好ましい。接着剤の厚さとしては、0.5μmから80μmの厚さであることが好ましい。
本発明の無線ICカード基材上に顔画像及び個人情報が印刷されている側と反対側のカード基材上に筆記層を設けることにより、本発明の無線ICカードは例えば自動車運転免許証やクレジットカード、デビットカード等への用途が可能となる。
また、このようなLSIやICチップ、及びコイルアンテナを含む無線ICカードは、外部機器との電気的接点を持たないため、接点が要らず、損傷や摩耗に強い。また、無線ICカードは、リーダーライターに駆動部が不要でシステム全体としてのコストが安く、LSIに記録された情報の改ざんに対するセキュリティ性が高いことから上記の個人認証用IDカードとしての用途が急激に拡大してきている。
さらに、本実施の形態において、携帯可能電子装置として、リーダー/ライターとの間で、非接触で通信を行う機能を有した無線ICカードについて説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、接触式のICカードであってもよい。
また、上述の第1離型層7および第2離型層8に相当する部材を含まずに、この第1離型層7および第2離型層8に対応する領域を非固着状態とすることによっても、無線ICカード1の裏表からの衝撃応力を緩和することができる。
1・・・無線ICカード、2・・・アンテナ配線基板、3・・・アンテナ、4・・・LSI、5・・・LSI側補強板、6・・・アンテナ配線基板側補強板、7・・・第1離型層、8・・・第2離型層、10・・・第1中間基材、11・・・第1表面基材、12・・・第2表面基材、13・・・第2中間基材、14・・・第1裏面基材、15・・・第2裏面基材。
Claims (9)
- 基板と、
前記基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なう回路部材と、
前記回路部材を挟んで、前記基板と対向して配置されている表面基材と、
前記表面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記回路部材と前記表面基材との間に配置されている第1離型層とを備えることを特徴とする携帯可能電子装置。 - 基板と、
前記基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なう回路部材と、
前記基板を挟んで、前記回路部材と対向して配置されている第1補強板と、
前記第1補強板を挟んで、前記基板と対向して配置されている裏面基材と、
前記裏面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記第1補強板と前記裏面基材との間に配置されている第2離型層とを備えることを特徴とする携帯可能電子装置。 - 基板と、
前記基板に搭載され、外部器械との通信によりデータの授受を行なう回路部材と、
前記回路部材を挟んで、前記基板と対向して配置されている表面基材と、
前記表面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記回路部材と前記表面基材との間に配置されている第1離型層と、
前記基板を挟んで、前記回路部材と対向して配置されている第1補強板と、
前記第1補強板を挟んで、前記基板と対向して配置されている裏面基材と、
前記裏面基材に対して非固着状態で、少なくとも前記第1補強板と前記裏面基材との間に配置されている第2離型層とを備えることを特徴とする携帯可能電子装置。 - 前記第1離型層と前記回路部材との間に配置されている第2補強板をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の携帯可能電子装置。
- 前記基板と前記表面基材との間に配置されている第1中間基材と、
前記基板と前記裏面基材との間に配置されている第2中間基材とをさらに備え、
前記第1離型層は、前記回路部材と前記第1中間基材との間に配置され、
前記第2離型層は、前記第1補強板と前記第2中間基材との間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の携帯可能電子装置。 - 前記回路部材は矩形状であって、
前記第1離型層は、前記回路部材の周囲から前記回路部材の一辺の長さの0.1倍以上前記基板に広がる範囲で、前記回路基板を覆っていることを特徴とする請求項5に記載の携帯可能電子装置。 - 前記第1補強板は矩形状であって、
前記第2離型層は、前記第1補強板の周囲から前記第1補強板の一辺の長さの0.1倍以上前記基板に広がる範囲で、前記第1補強板を覆っていることを特徴とする請求項5あるいは6に記載の携帯可能電子装置。 - 前記第1離型層および第2離型層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ6フッ化エチレン、ポリ4フッ化エチレンのうち少なくとも1つを含む樹脂フィルムにより構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の携帯可能電子装置。
- 前記第1離型層および第2離型層は、カルナウバワックス(carnauba wax)、ポリエチレンワックス、フッ素系の離型性材料、シリコーン系の離型性材料のうち少なくとも1つを含む離型性材料により構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の携帯可能電子装置。
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JP2006050533A JP2007233431A (ja) | 2006-02-27 | 2006-02-27 | 携帯可能電子装置 |
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Cited By (2)
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JP2009230619A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Fujitsu Ltd | Icタグおよびその製造方法 |
JP2011134194A (ja) * | 2009-12-25 | 2011-07-07 | Toppan Printing Co Ltd | Icカード |
-
2006
- 2006-02-27 JP JP2006050533A patent/JP2007233431A/ja active Pending
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