JP2003138155A - アゾ化合物 - Google Patents

アゾ化合物

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JP2003138155A
JP2003138155A JP2001338517A JP2001338517A JP2003138155A JP 2003138155 A JP2003138155 A JP 2003138155A JP 2001338517 A JP2001338517 A JP 2001338517A JP 2001338517 A JP2001338517 A JP 2001338517A JP 2003138155 A JP2003138155 A JP 2003138155A
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azo compound
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JP2001338517A
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English (en)
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Mitsuyuki Matsuoka
光進 松岡
Noriko Takahashi
典子 高橋
Masushi Motoki
益司 元木
Kazuyoshi Yamakawa
一義 山川
Takashi Mikoshiba
尚 御子柴
Takashi Ozawa
孝 小澤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた記録性能、高い耐水性、低い色調の紙
依存性及び高い画像保存性を実現する新規なアゾ化合物
を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるアゾ化合
物。 【化1】 (式中、Xは、ハロゲン原子、シアノ基、オキシカル
ボニル基、カルボキシル基、パーフルオロアルキル基、
パーフルオロアリール基、パーフルオロアシル基、パー
フルオロスルホニル基、アシルオキシ基又は芳香族カル
ボニル基を表す。R、Rはそれぞれ独立に置換基を
表す。m、nはそれぞれ独立に0又は1〜4の整数を表
す。Mは、水素原子又は1価の陽イオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアゾ化合物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンターの普及
に伴い、従来にも増して黒色色素が重要になっている。
インクジェットプリンターに使用される黒色色素は、画
像情報の黒画像部分に使用される場合と文字情報部分に
使用される場合の双方に要求される性能を満たさなけれ
ばならない。これらの要求性能としては、高濃度でニュ
ートラルな黒色を呈すること、インク化適性や、インク
安定性に優れること、画像の堅牢性(光、熱、大気中の
湿気、薬品、大気、大気中の各種のガス、水、摩擦に対
する)が高いこと、印刷される媒体(紙)による色相変
化が少ないこと、受像紙中での染着性に優れること、合
成が容易でありコストが安価であること、人畜に無害で
あることが挙げられる。単一の黒色色素を用いて上記の
性能を全て満たす黒色インク組成物の開発は技術的に困
難な点が多く、多大な研究開発が行われているが、まだ
十分な性能を有するものは少ない。そのため、複数の多
様な色相の色素を混合して黒色を形成することが行われ
ている。これらの構成成分としては、8−アミノ−1−
ナフトール−3,6−ジスルホン酸(いわゆるH酸)を
原料としたジスアゾ色素が提案されている。「新版 染
料便覧」(有機合成化学協会編 丸善株式会社)によれ
ば、これらジスアゾ色素の例としては、Acid Blue 29、
Acid Green 19、Acid Green20、A382、Mordant Green 1
1、Acid Black 1等が知られている。本発明者らは上記
色素を含有するインク組成物の開発を種々検討したが、
これらより得られる黒色色素には、濃度が低い、色相が
ニュートラルな黒でない、堅牢性に劣る等の欠点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、堅牢性に優
れる新規なアゾ化合物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に鑑み、さらにジスアゾ色素について鋭意検討を行い、
黒色インク構成成分として優れた性能を示す新規なアゾ
化合物を見出し、この知見に基づき本発明をなすに至っ
た。すなわち本発明は、(1)下記一般式(I)で表さ
れるアゾ化合物
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Xは、ハロゲン原子、シアノ
基、オキシカルボニル基、カルボキシル基、パーフルオ
ロアルキル基、パーフルオロアリール基、パーフルオロ
アシル基、パーフルオロスルホニル基、アシルオキシ基
又は芳香族カルボニル基を表す。R、Rはそれぞれ
独立に置換基を表す。m、nはそれぞれ独立に0又は1
〜4の整数を表す。Mは、水素原子又は1価の陽イオン
を表す。)、及び(2)下記一般式(II)で表されるア
ゾ化合物
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Xは、ハロゲン原子又はシアノ
基を表す。R、Rはそれぞれ独立に置換基を表す。
m、nはそれぞれ独立に0又は1〜4の整数を表す。M
は、水素原子又は1価の陽イオンを表す。)を提供する
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化合物について更
に詳しく説明する。
【0010】本発明のアゾ化合物は前記一般式(I)で
表される。Xにおいてハロゲン原子とは、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を表す。X
おいてオキシカルボニル基とは、脂肪族オキシカルボニ
ル基または芳香族オキシカルボニル基を表す。脂肪族オ
キシカルボニル基を構成する脂肪族基は飽和または不飽
和の、直鎖、分岐、環状いずれかの脂肪族基であって、
炭素数18以下であることが好ましい。芳香族オキシカ
ルボニル基を構成する芳香族基とは、好ましくは5〜7
員環のヘテロ原子を含有していても構わない芳香族基で
あり、より好ましくは置換または無置換のアリール基で
ある。炭素数は24以下であることが好ましい。脂肪族
オキシカルボニル基の脂肪族基部分、芳香族オキシカル
ボニル基の芳香族基部分は後述する置換基によってさら
に置換されていても良い。オキシカルボニル基の例とし
ては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アリ
ルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニ
ル、メトキシエトキシカルボニル、ドデシルオキシカル
ボニル、フェノキシカルボニル等が挙げられる。
【0011】Xにおいてパーフルオロアルキル基と
は、飽和または不飽和の、直鎖、分岐、環状いずれかの
脂肪族基の水素原子を全てフッ素原子に置換した基を表
す。パーフルオロアルキル基の炭素原子数としては18
以下であることが好ましい。パーフルオロアルキル基の
例としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチ
ル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロオクチル
基等が挙げられる。
【0012】Xにおいてパーフルオロアリール基と
は、アリール基の水素原子を全てフッ素原子に置換した
基を表す。パーフルオロアリール基の炭素原子数として
は24以下であることが好ましい。パーフルオロアリー
ル基の例としては、ペンタフルオロフェニル基等が挙げ
られる。
【0013】Xにおいてパーフルオロアシル基とは、
パーフルオロアルキルカルボニル基またはパーフルオロ
アリールカルボニル基を表す。パーフルオロアルキルカ
ルボニル基を構成するパーフルオロアルキル基は、先に
挙げたパーフルオロアルキル基で表される。パーフルオ
ロアリールカルボニル基を構成するパーフルオロアリー
ル基は、先に挙げたパーフルオロアリール基で表され
る。パーフルオロアシル基の例としては、トリフルオロ
アセチル、パーフルオロエチルカルボニル、パーフルオ
ロプロピルカルボニル、パーフルオロオクチルカルボニ
ル、ペンタフルオロフェニルカルボニル等を挙げること
ができる。
【0014】Xにおいてパーフルオロスルホニル基と
は、パーフルオロアルキルスルホニル基またはパーフル
オロアリールスルホニル基を表す。パーフルオロアルキ
ルスルホニル基を構成するパーフルオロアルキル基は、
先に挙げたパーフルオロアルキル基で表される。パーフ
ルオロアリールスルホニル基を構成するパーフルオロア
リール基は、先に挙げたパーフルオロアリール基で表さ
れる。パーフルオロスルホニル基の例としては、トリフ
ルオロメタンスルホニル、パーフルオロエタンスルホニ
ル、パーフルオロプロパンスルホニル、パーフルオロオ
クタンスルホニル、ペンタフルオロベンゼンスルホニル
等を挙げることができる。
【0015】Xにおいてアシルオキシ基とは、脂肪族
カルボニルオキシ基または芳香族カルボニルオキシ基を
表す。脂肪族カルボニルオキシ基を構成する脂肪族基は
直鎖、分岐、環状いずれの脂肪族基であっても良く、炭
素数18以下であることが好ましい。芳香族カルボニル
オキシ基を構成する芳香族基とは、好ましくは5〜7員
環のヘテロ原子を含有していても構わない芳香族基であ
り、より好ましくは置換または無置換のアリール基であ
る。炭素数は24以下であることが好ましい。脂肪族カ
ルボニルオキシ基の脂肪族基部分、芳香族カルボニルオ
キシ基の芳香族基部分は後述する置換基によってさらに
置換されていても良い。アシルオキシ基の例としては、
アセトキシ、プロピオニルオキシ、アクリロイルオキ
シ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、ヒドロキシエチ
ルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、ベン
ゾイルオキシ等が挙げられる。
【0016】Xにおいて芳香族カルボニル基を構成す
る芳香族基とは、好ましくは5〜7員環のヘテロ原子を
含有していても構わない芳香族基であり、より好ましく
は置換または無置換のアリール基である。炭素数は24
以下であることが好ましい。芳香族カルボニル基の芳香
族基部分は後述する置換基によってさらに置換されてい
ても良い。芳香族カルボニル基の例としては、ベンゾイ
ル、1−ナフトイル、3−ピリジンカルボニル、p−ク
ロロベンゾイル等を挙げることができる。
【0017】式中、R,Rはそれぞれ独立に置換基
を表す。m、nは0又は1〜4の整数を表す。R、R
は同一であっても異なっていても良い。また、m、n
が2〜4である場合、複数のR、Rはそれぞれ同一
であっても異なっていても良い。
【0018】R、Rで表される置換基としては、ハ
ロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロ
アルキル基等を含む)、アルケニル基(シクロアルケニ
ル基、ビシクロアルケニル基等を含む)、アルキニル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシ
ルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボ
ニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ア
ミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノ
カルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、
アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルア
ミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ
基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキ
ルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくは
アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカル
ボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
アリールもしくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィ
ノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフ
ィニルアミノ基、またはシリル基が例として挙げられ
る。
【0019】更に詳しくは、置換基は、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無
置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ま
しくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n
−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シア
ノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基
(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換の
シクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペ
ンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロ
アルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もし
くは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5か
ら30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去っ
た一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘ
プタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−
3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包
含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキ
ル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのよう
な概念のアルキル基を表す。]、
【0020】アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換も
しくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケ
ニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置
換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニ
ル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ま
しくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシク
ロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロア
ルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例
えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキ
セン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしく
は無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数
5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル
基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素
原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシク
ロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシク
ロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含
するものである。]、
【0021】アルキニル基(好ましくは、炭素数2から
30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチ
ニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル)、ア
リール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは
無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナ
フチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルア
ミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員
の置換もしくは無置換の、芳香族性もしくは非芳香族性
のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価
の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5も
しくは6員の芳香族性のヘテロ環基である。例えば、2
−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベン
ゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ
基、カルボキシル基、
【0022】アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から
30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メ
トキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n
−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリール
オキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしく
は無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2
−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−
ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノ
キシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から2
0のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキ
シ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキ
シ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無
置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−
5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシ
ルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2か
ら30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキ
シ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリー
ルカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセ
チルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、
ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオ
キシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1
から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ
基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、
N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカル
ボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボ
ニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
【0023】アルコキシカルボニルオキシ基(好ましく
は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルコキ
シカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキ
シ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニ
ルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリール
オキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から
30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル
オキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−
メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキ
サデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシ)、アミ
ノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換
もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30
の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−
アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ま
しくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換も
しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルア
ミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピ
バロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカ
ルボニルアミノ)、
【0024】アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、
炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボ
ニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジ
メチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミ
ノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2か
ら30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルア
ミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシ
カルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n
−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−
メトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もし
くは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例え
ば、フェノキシカルボニルアミノ、p-クロロフェノキシ
カルボニルアミノ、m-(n−オクチルオキシ)フェノキ
シカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ま
しくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスル
ファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、
N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−(n−
オクチル)アミノスルホニルアミノ)、
【0025】アルキルもしくはアリールスルホニルアミ
ノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置
換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置
換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例え
ば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミ
ノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロ
ロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスル
ホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ま
しくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアル
キルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキ
サデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6
から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例え
ば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メト
キシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素
数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例
えば、1−メチルテトラゾール−5−イルチオ、2−ベ
ンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−
イルチオ)、
【0026】スルファモイル基(好ましくは炭素数0か
ら30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例え
ば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオ
キシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスル
ファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾ
イルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイ
ル)スルファモイル)、スルホ基、アルキルもしくはア
リールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30
の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から
30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例
えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェ
ニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニ
ル)、アルキルもしくはアリールスルホニル基(好まし
くは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキル
スルホニル基、6から30の置換または無置換のアリー
ルスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルス
ルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルス
ルホニル)、
【0027】アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数
2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル
基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリール
カルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換
の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カル
ボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロ
アセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オク
チルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボ
ニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボ
ニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは
無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノ
キシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m
−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フ
ェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ま
しくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアル
コキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オク
タデシルオキシカルボニル)、
【0028】カルバモイル基(好ましくは、炭素数1か
ら30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、
カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメ
チルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモ
イル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリ
ールもしくはヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から
30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3
から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例え
ば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチ
ルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルア
ゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N
−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数
2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例え
ば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチ
ルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましく
は、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィ
ニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホス
フィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオ
キシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは
無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシ
ホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオ
キシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2
から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ
基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチル
アミノホスフィニルアミノ)、またはシリル基(好まし
くは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル
基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシ
リル、フェニルジメチルシリル)である。
【0029】上記の置換基の中で、水素原子を有するも
のは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても
良い。そのような置換基の例としては、アルキルカルボ
ニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノス
ルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、
アリールスルホニルアミノカルボニル基、メチルスルホ
ニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニル
アミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾ
イルアミノスルホニル等が挙げられる。
【0030】R、Rとして好ましくは、窒素原子、
酸素原子で結合する基(例えば、アミノ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジア
リールアミノ基、アシルアミノ基、ヒドロキシル基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基等)、
解離性基またはこれを置換基として有する基(例えば、
カルボキシル基、スルホキシル基、ホスホリル基、カル
ボキシルメチル基、p−スルホキシルフェニル基、m−
ホスホリルフェニル基等)及びハメットの置換基定数σ
p値(以下、単にσp値という)が0.2以上の置換基が
挙げられる。
【0031】ハメット則はベンゼン誘導体の反応または
平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935
年にL.P.Hammettにより提唱された経験則で
あるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメ
ット則によりもとめられた置換基定数にはσp 値とσm
値とがあり、これらの値は多くの一般的な成書に記載が
あるが、例えばJ.A.Dean編「Lange's Handbook
of Chemistry 」第12版、1979年(Mc Graw-Hill) や
「化学の領域増刊」、122 号、96〜103 頁、1979年(南
江堂)、Chemical Reviews、91巻、165 〜195 頁、1991
年に詳しい。
【0032】本発明において一般式(I)中のR、R
の好ましい態様の1つはσp値により規定されるが、
これらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ
限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であ
ってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内
に含まれる限り包含されることは勿論である。
【0033】σp 値が0.2 以上の置換基の具体例として
は、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、脂肪
族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリー
ルホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルス
ルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスル
ホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ
基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート
基、チオカルボニル基、少なくとも2つ以上のハロゲン
原子で置換されたアルキル基、少なくとも2つ以上のハ
ロゲン原子で置換されたアルコキシ基、少なくとも2つ
以上のハロゲン原子で置換されたアリールオキシ基、少
なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル
アミノ基、少なくとも2つ以上のハロゲン原子で置換さ
れたアルキルチオ基、σp 値0.2以上の他の電子吸引
性基で置換されたアリール基、複素環基、塩素原子、臭
素原子、アゾ基、またはセレノシアネート基が挙げられ
る。これらの置換基のうちさらに置換基を有することが
可能な基は、先述の置換基例に挙げた置換基をさらに有
しても良い。
【0034】なお、脂肪族オキシカルボニル基は、その
脂肪族部位が直鎖状、分岐鎖状または環状でもよく、飽
和でも不飽和結合を含んでいてもよい脂肪族部位であ
り、脂肪族オキシカルボニル基は、アルコキシカルボニ
ル、シクロアルコキシカルボニル、アルケニルオキシカ
ルボニル、アルキニルオキシカルボニル、シクロアルケ
ニルオキシカルボニル等を含むものである。本明細書に
おいては上記と同義で脂肪族という言葉を用いる。
【0035】代表的な、σp 値が0.2 以上の原子又は基
を挙げると、例えば、臭素原子(0.23)、塩素原子(0.
23)、シアノ基(0.66)、ニトロ基(0.78)、トリフル
オロメチル基(0.54)、トリブロモメチル基(0.29)、
トリクロロメチル基(0.33)カルボキシル基(0.45)、
アセチル基(0.50)、ベンゾイル基(0.43)、アセチル
オキシ基(0.31)、トリフルオロメタンスルホニル基
(0.92)、メタンスルホニル基(0.72)、ベンゼンスル
ホニル基(0.70)、メタンスルフィニル基(0.49)、カ
ルバモイル基(0.36)、メトキシカルボニル基(0.4
5)、エトキシカルボニル基(0.45)、フェノキシカル
ボニル基(0.44)、ピラゾリル基(0.37)、メタンスル
ホニルオキシ基(0.36)、ジメトキシホスホリル基(0.
60)、スルファモイル基(0.57)などである。
【0036】Mは、水素原子または一価の陽イオンを表
す。一価の陽イオンの例は、アルカリ金属イオン(例え
ばナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類
金属イオン(例えば1/2カルシウムイオン、1/2マ
グネシウムイオン)、その他の金属イオン(例えば、1
/3アルミニウムイオン)、遷移金属イオン(例えば、
1/2亜鉛イオン)、有機陽イオン(例えばアンモニウ
ムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン、テトラア
ルキルアンモニウムイオン)が挙げられる。Mは、好ま
しくは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニ
ウムイオン、アルキル置換アンモニウムイオン、水素原
子である。
【0037】一般式(I)においてXはハロゲン原
子、シアノ基であることがより好ましい。よって本発明
の化合物は、好ましく前記一般式(II)で表すことがで
きる。一般式(II)におけるR、R、m、n、M
は、一般式(I)中のそれらと同意であり、その好まし
い態様も同様である。
【0038】本発明のアゾ化合物は、構造によっては、
金属イオンと配位結合して、キレート化合物(いわゆる
キレート色素)を形成しても構わない。キレートには、
種々の公知の金属イオンが用いられる。その中でも、
銅、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、クロムなどのイオ
ンを用いることができる。ただし、クロムイオンには毒
性がある。そのため、インクジェット用インクのよう
に、人間が直接接触するような用途の場合は、クロムイ
オンは好ましくない。一方、人間が直接接触しない用途
には、クロムイオンを使用することができる。クロムキ
レート色素は、光堅牢性が向上する場合があり、高い堅
牢性が要求される場合には、好ましく使用される。本発
明のアゾ化合物を色素として用いる場合、毒性と堅牢性
等の色素の要求性能の両立の点からは、銅キレートが好
ましい。
【0039】本発明のアゾ化合物を色素として用いる場
合は、これらを単独にて用いても構わないが、任意の他
の色素と混合することで所望の性能を有する黒色インク
組成物を構成することができる。混合する色素は1種類
でも2種類以上でも構わないが、混合する色素のうち少
なくとも1種はイエロー部に吸収極大を有していること
がより好ましい。
【0040】本発明のアゾ化合物はセルロースからなる
材料を染色することが可能である。その他、カルボンア
ミド結合を有する材料にも染色が可能である。従って、
染料として、皮革、織物、紙の染色に幅広く用いること
ができる。
【0041】本発明のアゾ化合物の代表的な使用法とし
ては、液体の媒体に溶解したインク組成物が挙げられ
る。特にインクジェット用インク組成物として用いられ
ることが好ましい。この場合、水もしくは、更に水に可
溶な他の物質を含んだ水に溶かしてインク組成物とする
のがより好ましい。
【0042】本発明のアゾ化合物をインク組成物として
用いる場合、該インク組成物中に含有される好ましい有
機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、カルボン
アミド類、尿素類、エステル、スルホン類、スルホンア
ミド類、エステル類、ニトリル類が挙げられる。その具
体例としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコール、そのモノメチルエーテル、
1,2−プロピレングリコールが挙げられる。また、特
開平11−349835号公報に記載されている有機溶
媒も好ましく用いることができる。
【0043】本発明のアゾ化合物をインク組成物として
用いる場合、該インク組成物は印刷インキに通常用いら
れる添加剤を含有することができる。粘度、表面張力を
最適な範囲に調整することが好ましい。また、イオン濃
度を調節することで、粘度、表面張力を調整できる。更
に、殺菌剤、防かび剤等を用いることができる。
【0044】本発明のアゾ化合物をインク組成物として
用いる場合、該インク組成物は、本発明の一般式(I)
または(II)の化合物を0.5〜20質量%含有するこ
とが好ましい。更には、3〜10質量%が好ましい。
【0045】以下に本発明のアゾ化合物の具体例を挙げ
る。なお、本発明は、かかる具体例のみに限定されるも
のではない。
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】次に、本発明のアゾ化合物の合成法につい
て述べる。本発明のアゾ化合物は、H酸にジアゾ成分
(ジアゾニウム塩)を順次反応させて合成することがで
きる。アゾカップリングの順番は、どちらが先でも良い
が、まずアミノ基のオルト位にアゾ基を導入し、その
後、ヒドロキシル基のオルト位にアゾ基を導入すること
が好ましい。
【0057】
【化15】
【0058】更に具体的には、上記合成ルートに示すよ
うにして合成できる。まず、p−ニトロアニリン誘導体
をジアゾ化し、ジアゾ液を調製し、H酸とアゾカップリ
ング反応させる。その時は、反応液が酸性であることが
好ましい。その後、Xをパラ位に置換したアニリンを
ジアゾ化し、前記生成物とアゾカップリング反応を行
う。その時は、反応液がアルカリ性であることが好まし
い。アゾカップリング反応については、「合成染料の化
学」(小西謙三 、黒木委宣彦共著、槇書店 昭和38
年、東京)等に記載されている方法に準じて行うことが
できる。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、これに限定されるものではない。
【0060】実施例1 (例示化合物10の合成)H酸ジナトリウム塩10gを
0.1mol/l酢酸水溶液300mlに添加し、氷冷
下攪拌した。p−ニトロベンゼンジアゾニウム塩のテト
ラフルオロホウ酸塩を少量ずつ添加した。30分後、1
N希塩酸を加えて、pHを3に調整した後、塩化ナトリ
ウムの20W%水溶液を50ml加え、析出した固体を
吸引濾過で濾取しモノアゾ体を得た。p−クロロアニリ
ン0.136g、濃塩酸 0.33g、水4gを氷冷下
攪拌しているところへ、亜硝酸ナトリウム 0.078
gを水1.5mlに溶解した溶液を加えて30分反応さ
せてジアゾ液を調製した。モノアゾ体0.5g、水酸化
ナトリウム0.137g、水12mlを氷冷下、攪拌し
ているところへ、先に調製したジアゾ液を滴下した。3
0分反応後、塩化ナトリウム水溶液を20ml加え、濃
塩酸を加えてpHを3に調整した。析出した固体を吸引
濾過で濾取し、乾燥後、セファデックスカラムを用いて
精製し、0.5gの色素化合物を得た。この生成物につ
いてNMRスペクトル、マススペクトル等を測定し、同
定を行ったところ、前記例示化合物10であることが確
認された。
【0061】得られた生成物の各測定値は以下のとおり
である。 HNMR(300MHz,DMSO)7.43(1
H,s),7.54(2H,d),7.57(1H,
s),7.90(2H,d),8.26(2H,d),
8.41(2H,d),10.55(1H,bs),1
0.77(1H,bs),12.36(1H,s) マススペクトルデータ(FAB,POSI): 651(ジナトリウム塩+H)、629(モノナトリウ
ム塩+H) なお、得られた生成物についてUV−2400PC(商
品名、(株)島津製作所製)を用いてDMF中で吸光度
を測定した。この吸収スペクトルを図1に示した。
【0062】実施例2 (インクセット101の作製)下記の成分に脱イオン水
を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しなが
ら1時間撹拌した。その後KOH10mol/lにてp
H=9に調整し、平均孔径0.25μmのミクロフィル
ターで減圧濾過しブラック用インク液を調製した。 本発明の例示化合物(25) 40.0g/L 本発明の例示化合物(10) 40.0g/L 染料(T−3) 20.0g/L ジエチレングリコール 20g/L グリセリン 120g/L ジエチレングリコールモノブチルエーテル 230g/L 2−ピロリドン 80g/L トリエタノールアミン 17.9g/L ベンゾトリアゾール 0.06g/L サーフィノールSTG 8.5g/L (商品名、エアープロダクツ社製) PROXEL XL2 1.8g/L (商品名、ICI Co.,Ltd.製)
【0063】下記表1に示すように染料種、添加剤を変
える以外は、上記ブラック用インク液と同様にして、ラ
イトマゼンタインク、マゼンタインク、ライトシアンイ
ンク、シアンインク、イエローインクを調製し、表1に
示すインクセット101を作製した。
【0064】
【表1】
【0065】
【化16】
【0066】次にインクセット101から染料の種類を
表2に従うように変更したインクセット102〜108
を作製した。染料を変更する場合は、総添加量がインク
セット101の染料に対して等モルとなるように使用し
た。なお、染料を2種以上併用する場合は各染料どうし
が等モルずつであるように使用した。この際に、上記と
同様にして、比較用のインクセットとして表2に示すイ
ンクセット109〜111を作製した。
【0067】
【表2】
【0068】
【化17】
【0069】次にこれらのインクセット101〜111
をインクジェットプリンターPM770C(商品名、E
PSON社製)のカートリッジに詰め、同機にて富士写
真フイルム製 インクジェットペーパーフォト光沢紙E
X(商品名)に画像を印刷し、以下の評価を行った。
【0070】まず記録性能について以下の評価を行っ
た。印字性能はカートリッジをプリンターにセットし
全ノズルからのインクの突出を確認した後、A4 20
枚出力し、印字の乱れを評価した。 A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し B:印字の乱れのある出力が発生する C:印刷開始から終了まで印字の乱れあり 印字性能はカートリッジを60℃にて2日放置した
後、印字性能と同様の方法にて印字の乱れを評価し
た。乾燥性は印刷直後に、指で触ったときの汚れを目視
にて評価し、汚れのつかない場合を〇(良好)、汚れの
つく場合を×(不良)とした。細線の滲みについては、
イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの細線パター
ンを印字し目視にて試験を行った。ブラックについて
はマゼンタインクをベタに印字した後、ブラックの細線
を印字し、2色の接触による試験も行った。細線の滲
み試験、とも、目視にて評価し、滲みが発生しなか
った場合を〇(良好)、滲みが発生した場合を×(不
良)とした。
【0071】耐水性については、得られた画像を自然乾
燥後、10秒間脱イオン水に浸漬した後、画像の滲みを
目視にて評価し、滲みが発生しなかった場合を〇(良
好)、滲みが発生した場合を×(不良)とした。色調の
紙依存性については、前記フォト光沢紙に形成した画像
と、PPC用上質紙に形成した画像の色調を目視にて評
価し、両画像間の差が小さい場合を〇(良好)、両画像
間の差が大きい場合を×(不良)として、2段階で評価
した。
【0072】画像保存性については、ブラックのベタ画
像印字サンプルを作成し、以下の評価を行った。
【0073】耐光性については印字直後の画像濃度(C
i)をカラー濃度計X−rite310(商品名、Th
e X−rite Company社製)にて測定した
後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノ
ン光(8万5千ルックス)を7日照射した後、再び画像
濃度(Cf)を測定し、色素残存率[(Cf/Ci)×
100]を求め評価を行った。Ciの反射濃度が1、
1.5、2の3点にて色素残存率を評価し、3点とも色
素残存率が60%以上の場合をA、2点が60%未満の
場合をB、3点とも60%未満の場合をCとした。暗熱
保存性については、80℃−15%RHの条件下、7日
間試料を保存する前後での濃度を、X−rite 31
0にて測定し色素残存率[(保存後濃度/保存前濃度)
×100]を求め評価した。保存前反射濃度が1、1.
5、2の3点にて色素残存率を評価し、3点とも色素残
存率が90%以上の場合をA、2点が90%未満の場合
をB、3点とも90%未満の場合をCとした。耐オゾン
性については、印字サンプルをオゾンガス濃度が0.5
±0.1ppm、室温、暗所に3日間保存する前後での
濃度を、X−rite 310にて測定し色素残存率
[(保存後濃度/保存前濃度)×100]を求め評価し
た。保存前反射濃度が1、1.5、2の3点にて色素残
存率を評価し、3点とも色素残存率が60%以上の場合
をA、2点が60%未満の場合をB、3点とも60%未
満の場合をCとした。
【0074】得られた結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
【0076】表3から明らかなように、本発明のアゾ化
合物を用いたインクセット101〜108は、インクジ
ェット用として好適な、優れた記録性能、高い耐水性、
及び低い色調の紙依存性を有することが分かる。また、
比較用化合物のみを用いたインクセット109〜111
に比べ、特に、光堅牢性、暗熱保存性、オゾン堅牢性等
の画像保存性に優れている。
【0077】実施例3 実施例2で作製した同じ各インクセットを、インクジェ
ットプリンターBJ−F850(商品名、CANON社
製)のカートリッジに詰め、同機にて画像を富士写真フ
イルム製 インクジェットペーパーフォト光沢紙EXに
プリントし、実施例2と同様な評価を行ったところ、実
施例2と同様な結果が得られた。
【0078】
【発明の効果】本発明のアゾ化合物は、光、湿熱、大気
中のガス等に対する堅牢性が高いため、色素として優れ
るものである。したがって、本発明のアゾ化合物は、イ
ンク組成物用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた生成物の吸収スペクトルで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 元木 益司 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 山川 一義 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 御子柴 尚 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 小澤 孝 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4C056 AA01 AB02 AC05 AD01 AE03 FA12 FB01 FC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるアゾ化合
    物。 【化1】 (式中、Xは、ハロゲン原子、シアノ基、オキシカル
    ボニル基、カルボキシル基、パーフルオロアルキル基、
    パーフルオロアリール基、パーフルオロアシル基、パー
    フルオロスルホニル基、アシルオキシ基又は芳香族カル
    ボニル基を表す。R、Rはそれぞれ独立に置換基を
    表す。m、nはそれぞれ独立に0又は1〜4の整数を表
    す。Mは、水素原子又は1価の陽イオンを表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で表されるアゾ化合
    物。 【化2】 (式中、Xは、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。R
    、Rはそれぞれ独立に置換基を表す。m、nはそれ
    ぞれ独立に0又は1〜4の整数を表す。Mは、水素原子
    又は1価の陽イオンを表す。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102653633A (zh) * 2011-03-03 2012-09-05 台湾永光化学工业股份有限公司 蓝色、红色及黄色染料化合物及所组成的黑色墨水组合物
CN103030994A (zh) * 2010-08-27 2013-04-10 天津德凯化工股份有限公司 一种用于染色纯棉的染料活性兰

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CN103030994A (zh) * 2010-08-27 2013-04-10 天津德凯化工股份有限公司 一种用于染色纯棉的染料活性兰
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