JP2003134069A - 無線通信方式およびその送信回路ならびに受信回路 - Google Patents
無線通信方式およびその送信回路ならびに受信回路Info
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Abstract
声や楽器音等の音響信号や各種のマルチメディア信号を
伝送する場合に、狭帯域でありながら優れた伝送品質が
確保できるようにする。 【解決手段】 SSB変調技術を用いて必要な伝送帯域
を削減するとともに、受信側でRZ SSB復調を行う
ことで、優れた復調特性を得る。このとき、送受信部の
周波数安定度による品質劣化が生じ難く、かつ受信回路
を容易に構成できるように、側波帯と搬送波成分とを周
波数軸上で離して伝送する。受信側では、それらを別々
に周波数変換し、RZ SSB復調に適した信号形式に
変換する。
Description
ら優れた伝送品質が確保できる無線通信方式およびその
送信回路ならびに受信回路に関する。さらに詳しくは、
音声や楽器音等の音響信号や各種のマルチメディア信号
を伝送する技術に関する。
用送受信回路の一つの例としてラジオマイクがあり、そ
の標準規格には、RCR STD-15:「特定小電力無線局ラジ
オマイク用無線設備」とRCR STD-22:「特定ラジオマイ
クの陸上移動局の無線設備」などがある。これらの規格
では広帯域FM変復調技術が採用されている。
周波数領域によって規格が異なる。それらを列記する
と、70 MHz、300 MHzと800MHz帯を使用する場合、その
変調周波数と占有周波数帯幅は、それぞれ70 MHz帯の場
合には10 kHz以内と60 kHz、300 MHz帯の場合には7 kHz
以内と30 kHz、また、800 MHz帯の場合には15 kHz以内
と110 kHzと規定している。
が15 kHz以内のモノラル信号を伝送するための占有周波
数帯幅は、周波数偏移が±40 kHz以内のものにあっては
110(=2×(15+40)) kHz、周波数偏移が±40 kHzを超え
±150 kHz以内のものにあっては330 (=2×(15+150)) k
Hzである。カッコ内はカーソン則を適用した場合であ
る。ステレオ信号を伝送するための占有周波数帯幅は25
0kHzである。
技術の標準規格として、例えば、RCR STD-39がある。こ
の標準規格では3通りの変調方式、即ち、M16QAM、π/4
シフトQPSKと16QAMについて規定している。それらのチ
ャネル間隔はすべて25 kHzである。M16QAMの場合には伝
送速度と占有周波数帯幅は64 kbpsと24.3 kHz、π/4シ
フトQPSKの場合には伝送速度と占有周波数帯幅は32kbps
と24.3 kHz、16QAMの場合には伝送速度と占有周波数帯
幅は64 kbpsと20 kHzである。
調技術 従来の広帯域FM変復調技術によるラジオマイクの場
合、以下のような問題があった。
帯域FM変復調技術が必要で、また、FM変調技術はそ
の性質から、電力効率に優れた非線型増幅器を用いるこ
とができると言う特長があり、ラジオマイク等に適して
いた。しかし、広帯域FM変調技術では、上記の標準規
格を例にして考察すると、その占有周波数帯域幅が変調
信号帯域幅に比べて4.3 (=30/7)倍から22 (=330/15)倍
広い。このことは広帯域FM変復調技術ではスペクトラ
ム利用効率が悪いと言う問題がある。
て、広帯域FM変復調技術では需要増大に対応すること
が現用の限られた電波資源では困難になり、占有周波数
帯域幅の狭帯域化が求められている。しかし、ラジオマ
イクの場合には伝送品質を犠牲にできないので、陸上業
務用無線システムでその容量増大のために従来行ってき
たように、広帯域FMを狭帯域FM化しても、画期的に
狭帯域化することは困難である。
調方式がM16QAMと16QAMの場合には、フェージングに弱
く十分な伝送品質を確保するのが難しく、サービスエリ
アが狭いと言う問題が、また、π/4QPSKにおいてはスペ
クトラム利用効率が1.28 (=32/25)ビット/Hzと低く、実
際に利用できるスループットは60〜70%程度であるなど
の問題点がある。
現在用いている広帯域FM変調方式やデジタル移動無線
技術に比べて画期的に占有周波数帯域幅やチャネル間隔
の狭帯域化が可能で、スペクトラム利用効率が高い無線
通信方式およびその送信回路ならびに受信回路を提供す
ることを目的とする。
ると、情報信号を単側波信号の搬送波が抑圧された一つ
の側波帯に割り当て、その側波帯を生成する時に用いた
搬送波とは周波数が異なる搬送波成分であるパイロット
信号と共に送信する送信手段と、この送信手段からの送
信波を受信して復調する受信復調手段とを備え、上記受
信復調手段は、受信信号の側波帯とパイロット信号とを
別々に周波数変換して側波帯と側波帯を生成する時に用
いた搬送波と周波数が同一関係にある搬送波成分を付与
した単側波帯信号を生成する手段と、この手段により得
られた単側波帯信号の位相項、すなわち、実数零点から
情報信号を復調する手段とを含むことを特徴とする無線
通信方式が提供される。
点から情報信号を復調する技術はRZ SSB(Real Ze
ro Single Sideband)変復調技術として知られ、狭帯域
で優れた復調特性が得られる。RZ SSB変復調技術
については、特公平06-018333(特許第1888866号)に詳
しい。本発明は、この技術を利用して狭帯域で優れた伝
送品質の無線通信方式を実現するために、変調波の生成
方法と復調方法に新たな工夫を加えたものである。
側波帯に、他方を下側波帯に割り当てて送信する構成で
あり、受信復調手段は、上側波帯と下側波帯とを別々の
単側波帯として復調する構成であることが望ましい。
号を伝送する場合には、変調波は、右側(R)と左側
(L)の信号を、例えば、上側波帯と下側波帯に割り当
て、さらに、復調時に必要な搬送波(パイロット信号)
成分を付加して送信波を生成する。ステレオ信号の上、
下側波帯への割り当てについては、マトリックス回路に
よって生成した差(L-R)と和(R+L)信号を上側波
帯と下側波帯に割り当て送信したり、または、逆に割り
当てて送信することも可能である。一方、モノラル(R
+L)信号の場合には、上側波帯あるいは下側波帯の一
つの側波帯に割り当てて送信する。
を伝送する場合には、情報信号を二分割してそれぞれを
上側波帯と下側波帯に割り当てて伝送する形態や一つの
側波帯に収容して伝送する形態が可能である。
側波帯および下側波帯を同一の搬送波によって生成した
時の搬送波を用いた場合には、送受信回路で用いる局部
発振器の周波数安定度の影響により、上側波帯と下側波
帯の間に存在する搬送波成分を抽出するためのバンドパ
スフィルタには非常に急峻な選択特性が要求され、その
実現が困難になる。これに対して本発明によれば、局部
発振器の周波数安定度を考慮に入れて、選択特性が緩い
バンドパスフィルタで搬送波(パイロット信号)成分が
抽出できるように上側波帯、下側波帯と搬送波(パイロ
ット信号)成分とを周波数軸上で十分に離して配置し
て、伝送することにより、受信回路で搬送波(パイロッ
ト信号)成分の抽出が容易になると言う利点がある。こ
のような信号配列により、比較的簡単な回路構成で高品
質な復調信号が得られる。
が周波数変動に起因する離調歪が発生して著しく復調信
号の品質を劣化させていたが、RZ SSB復調技術で
はこのような歪が原理的に発生しない手法を用い、従来
のSSB復調方法の欠点を克服することができる。
線通信方式で用いられる送信回路が提供される。この送
信回路は、情報信号により第一の搬送波を変調して搬送
波抑圧単側波帯信号を生成する手段と、この搬送波抑圧
単側波帯に上記第一の搬送波とは異なる周波数の搬送波
成分であるパイロット信号を加算する手段とを備えたこ
とを特徴とする。
方を下側波帯に割り当てて送信することが望ましく、上
記搬送波抑圧単側波帯信号を生成する手段は、二系列の
情報信号の一方と第一の角周波数ω1の信号とにより搬
送波抑圧上側波帯信号を生成する第一の回路手段と、上
記二系列の情報信号の他方と第二の角周波数ω2の信号
とにより搬送波抑圧下側波帯信号を生成する第二の回路
手段とを含み、上記パイロット信号を加算する手段は、
上記搬送波抑圧上側波帯信号と、上記搬送波抑圧下側波
帯信号と、ω1>ω3>ω2なる第三の角周波数ω3のパイロ
ット信号とを加算する第三の回路手段を含むことができ
る。上記第三の角周波数ω3は、 ω3 = (ω1+ω2)/2 に設定されることが望ましい。
線通信方式で用いられる受信回路が提供される。この受
信回路は、情報信号がひとつの側波帯に割り当てられた
変調波を搬送波成分と共に受信して復調する受信回路に
おいて、上記搬送波成分は上記側波帯を生成する時に用
いた搬送波とは周波数が異なる搬送波成分のパイロット
信号であり、受信信号の側波帯とパイロット信号とを別
々に周波数変換し、側波帯に対してその側波帯を生成す
る時に用いた搬送波と周波数が同一関係にある搬送波成
分を付与した単側波帯信号を生成する手段と、この手段
により得られた単側波帯信号の位相項から情報信号を復
調する手段とを備えたことを特徴とする。
側波帯変調波として処理する手段を含むことが望まし
い。このとき上記処理する手段は、受信信号から周波数
領域における信号配置が互いに反転した同一周波数帯の
二系統の信号を生成する手段を含むことが望ましい。
信号を第一の局部発振信号により第一の周波数帯
(ω4)に周波数変換する第一の周波数変換手段と、こ
の第一の周波数変換手段の出力を上記第一の局部発振信
号より周波数の高い第二の局部発振信号(ω5)により
周波数変換して、周波数領域における信号配置が互いに
反転した差周波数成分(ω5-ω4)と和周波数成分(ω5
+ω4)とを抽出する第二の周波数変換手段と、上記第一
の周波数変換手段の出力を分岐し振幅制限を行ってパイ
ロット信号(ω4)を抽出するパイロット信号抽出手段
と、抽出されたパイロット信号により上記差周波数成分
を周波数変換して和周波数成分(ω5)を抽出する第三
の周波数変換手段と、上記抽出されたパイロット信号に
より上記第二の周波数変換手段で抽出された和周波数成
分を周波数変換して差周波数成分(ω5)を抽出する第
四の周波数変換手段とを含むことができる。
用いて周波数変換することから、ランダムFM雑音を除去
する効果も得られる。
とすることもできる。すなわち、複数の受信アンテナを
備え、この複数の受信アンテナに対して上記二系統の信
号を生成する手段がそれぞれ設けられ、各受信アンテナ
に対する上記二系統の信号を生成する手段の出力を同一
の系で加算する手段を備えることができる。
それぞれ第三の局部発振信号により周波数変換する手段
と、上記二系統の信号の少なくとも一方の信号を分岐
し、上記第三の局部発振信号とは所定の周波数だけ異な
る第四の局部発振信号により周波数変換して、上記二系
統の信号のそれぞれの側波帯に対してその側波帯を生成
する時に用いた搬送波と周波数が同一関係にある搬送波
成分を抽出する手段と、この抽出された搬送波成分を上
記第三の局部発振信号により周波数変換する手段の出力
に加算する手段とをさらに含むことができる。
統の信号のそれぞれについて同一の局部発振信号により
別々に搬送波成分を抽出する構成とし、上記加算する手
段では、上記二系統の信号のそれぞれについて、上記周
波数変換する手段の出力と上記抽出する手段の出力とを
加算する構成とすることもできる。
て等利得合成法を採用し、フロントエンド増幅器302か
ら周波数変換器320、322までの利得と、フロントエンド
増幅器303から周波数変換器321、323までの利得を、す
べて等しくなるように定める。そして、周波数変換器32
0と321の出力は加算器324で同相に加算する、また、周
波数変換器322と323の出力も加算器325で同相に加算
し、それぞれ加算器の出力はIFフィルタ326と327に導
かれ、必要な成分を過不足なく抽出する。
の発振器の周波数安定度に依存せずに、RZ SSB復
調技術を容易に利用できる。このため、上側波帯、下側
波帯および搬送波(パイロット信号)成分の周波数安定
度の範囲内なら、二重の対策が成されているので、高い
品質の復調信号が確保できる。また、伝搬路で発生する
相乗性雑音を容易に除去でき、忠実な情報信号帯域特性
が確保できる。
の高い信号処理を容易に行うために、デジタル信号処理
(DSP、Digital Signal Processing)技術を用いる
ことが望ましい。この技術を用いると、回路の調整が不
要になると共に、量産効果が期待できるDSPプロセッ
サデバイスを用いるので、受信機が安価に構成でき、経
済性が確保できる。
マイクを例に、ステレオ信号を伝送する場合について以
下に詳細に説明する。以下の実施形態は本発明の主旨を
理解するためのものであり、本発明はこれらの実施形態
に限定されるものではない。
態について、図1および図2を参照して説明する。図1
は本発明の第一の実施形態を示すブロック構成図であ
り、送信回路の構成例を示す。ここでは、送信回路にお
けるSSB信号生成には、既知の移相法を用いた場合につ
いて述べるが、SSB信号を生成する方法には、この他に
バンドパスフィルタを用いる方法やウィバー(Weaver)
法などが知られている。図2は送信される側波帯および
搬送波成分の周波数軸上の配置例を示す。図1に示す送
信回路において、100は信号処理された右(R)側のマ
イク音声、101は信号処理された左(L)側のマイク音
声、102と103はバンドパスフィルタ、104と105は遅延回
路、106と107はヒルベルト変換器、108、109、110と111
は掛け算器、112と113は局部発振器、114と115は90度
移相器、116は減算器、117は加算器、118は局部発振
器、119は加算器、120は周波数変換器、121は局部発振
器、122はIF(中間周波数)フィルタ、123は送信器、
124は送信アンテナである。
それぞれ回路の機能について簡単に説明する。
0の出力と信号処理された左(L)側のマイク音声101の
出力はそれぞれバンドパスフィルタ102と103で不要な帯
域を除去する。バンドパスフィルタ102の出力は遅延回
路104とヒルベルト変換器106によって互いに直交する信
号を生成する。また、局部発振器112の出力は90度移
相器114によって互いに直交する信号を生成する。そし
て、それぞれの直交する信号を掛け算器108と110で掛け
合わせ、減算器116で減算すると上側波帯(USB)が
生成できる。このようなSSB信号生成法は移相法と呼
ばれている。
103出力に対する下側波帯(LSB)を生成する。すな
わち、バンドパスフィルタ103出力は遅延回路105とヒル
ベルト変換器107によって互いに直交する信号を生成、
局部発振器113の出力も90度移相器115によって互いに
直交する信号を生成して、それぞれの直交する信号を掛
け算器109と111で掛け合わせ、加算器117で加算すると
下側波帯(LSB)が生成できる。
器116の出力、下側波帯(LSB)が生成されている加
算器117の出力と局部発振器118の出力を加算器119で加
算する。局部発振器118の出力は、復調時に必要な搬送
波成分を生成するために必要な信号成分である。搬送波
成分は情報信号を運んでいないので、送信波の伝送効率
を高めるために、USBやLSB信号レベルに比べてで
きるだけ低いレベルで付加する。
部発振器121の信号によって周波数変換され、IFフィ
ルタ122で必要な周波数成分を抽出、送信器123で増幅し
て、送信アンテナ124から電波が放射される。ここで
は、簡単のために、周波数変換器は一段としたが、必要
に応じて増やすことができる。
て説明する。信号処理された右(R)側のマイク音声10
0の出力をgR(T)とし、遅延回路104の出力はgR(T-τ)= G
R(t)、ヒルベルト変換器106の出力をH(gR(T-τ))= H(GR
(t))とする。ここで、H(g(T))はg(T)のヒルベルト変
換、τはヒルベルト変換器の処理遅延、Tとtは時間変
数を表す。同様に、左(L)側のマイク音声101の出力
に対する遅延回路105の出力をGL(t)、ヒルベルト変換器
107の出力をH(GL(t))とする。
(ω1)とすると、減算器116の出力には上側波帯(US
B)が生成される。それは、 Susb(t) = GR(t)cos(ω1t) - H(GR(t))sin(ω1t) (1) と記述できる。また、局部発振器113の角周波数を
(ω2)と置くと、加算器117の出力には下側波帯(LS
B)が生成される。それは、 Slsb(t) = GL(t)cos(ω2t) + H(GL(t))sin(ω2t) (2) と記述できる。ただし、ω1 >ω2とした。
側波帯と下側波帯に、局部発振器118の角周波数が
(ω3)、その振幅がKの信号をともに加算器119で加算
すると、その出力は、 St(t) = Kcos(ω3t) + GR(t)cos(ω1t) - H(GR(t))sin(ω1t) + GL(t)cos(ω2t) + H(GL(t))sin(ω2t) ...(3) となる。ここで、搬送波(パイロット信号)成分の角周
波数(ω3)と他の角周波数の関係が ω3 = (ω1 +ω2)/2 ...(4) とすると、搬送波(パイロット信号)成分は上側波帯
(USB)と下側波帯(LSB)の中央に挿入される。
また、(ω1)と(ω2)との周波数間隙(Δω)を、 Δω = ω1 - ω2 ...(5) とおく。(4)、(5)式から、 ω1 =ω3 + Δω/2 ω2 =ω3 - Δω/2 ...(6) となる。また、送信波の情報伝送効率を考慮して、 K <|GR(t)| K <|GL(t)| とした。(6)式を用いると、(3)式は、 St(t) = Kcos(ω3t) + GR(t)cos((ω3+Δω/2)t) -H(GR(t))sin((ω3+Δω/2)t) + GL(t)cos((ω3-Δω/2)t)+H(GL(t))sin((ω3-Δω/2)t) ...( 7) と変形できる。
0で中心角周波数が(ωC-ω3)、また、その角周波数変
動が(±δωc)なる局部発振器121信号によって周波数変
換すると、 ST(t) = Kcos((ωC±δωc)t) + GR(t)cos((ωC±δωc+Δω/2)t) - H(GR(t))sin((ωC±δωc+Δω/2)t) + GL(t)cos((ωC±δωc-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ωC±δωc-Δω/2)t) ...(8) となる。(8)式で記述できる成分が過不足なくIFフ
ィルタ122によって抽出され、送信器123で電力が増幅さ
れて送信アンテナ124から放射される。
ば、100から119までの回路はDSPプロセッサデバイス
を用いて構成すると、精度の高い送信信号が生成でき
る。
合に用いる送信回路について説明した。この回路をモノ
ラル信号専用の送信機に適用する場合には、信号処理さ
れたマイク音声101としてモノラル信号(R+L)を導入
し、不要となるマイク音声100から減算器116までの回路
は除去してよい。また、この逆に、信号処理されたマイ
ク音声100としてモノラル信号(R+L)を導入して用い
る場合には、マイク音声101から加算器117までの回路を
除去しても良い。
態について、図3および図4を参照して説明する。図3
は図1に示した送信回路から送信された信号を受信する
受信回路の構成を示し、図4はこの受信回路内での周波
数変換処理時の周波数領域における信号配置例を示す。
図3に示す受信回路において、200は受信アンテナ、201
はフロントエンド増幅器、202は周波数変換器、203は局
部発振器、204はIFフィルタ、205は周波数変換器、20
6は局部発振器、207、208、209はIFフィルタ、210は
振幅制限回路、211、212は周波数変換器、213、214、21
5はIFフィルタ、216、217、218は周波数変換器、21
9、220は局部発振器、221、222、223はIFフィルタ、2
26は増幅器、224、225は加算器、227、228はRZ SS
B復調処理回路、229、230は復調信号出力端子である。
おける信号の流れと共にそれぞれの回路の機能について
同様に説明する。
ントエンド増幅器201で必要なレベルに増幅される。そ
の信号は周波数変換器202で局部発振器203の出力信号を
用いて、周波数変換され、IFフィルタ204はその周波
数変換された必要な成分を過不足なく抽出する。
れ、一方は周波数変換器205で局部発振器206の出力信号
を用いて、差周波と和周波に変換される、そして、それ
ぞれをIFフィルタ207と208で過不足なく信号成分を抽
出する。2分割された他方のIFフィルタ204の出力信
号は、IFフィルタ209によって搬送波(パイロット信
号)成分のみを抽出し、振幅制限回路210にて振幅を一
定にする。IFフィルタ207と208の出力はそれぞれ周波
数変換器211と212に入力し、振幅制限回路210の出力を
得て周波数変換される。
IFフィルタ213と214に導かれ、必要な成分を過不足な
く抽出し、それぞれ周波数変換器216と217で局部発振器
219の出力信号を用いて周波数変換され、それぞれの信
号からIFフィルタ221と222によって下側波帯成分のみ
を抽出する。
成分をIFフィルタ215にて抽出して周波数変換器218で
局部発振器220の出力信号を用いて周波数変換され、I
Fフィルタ223で必要な成分のみが抽出される。
で周波数変換される信号の周波数は、先にIFフィルタ
221と222で抽出した下側波帯信号の搬送波周波数成分と
一致するように局部発振器220の周波数を決定する。I
Fフィルタ223の出力は増幅器226でそのレベルが増幅さ
れる。
21と222の出力にそれぞれ加算器224と225で付加する
と、側波帯を生成する時に用いた搬送周波数と同一関係
にある搬送波が付加された下側波帯信号に変換されて、
それぞれRZ SSB復調処理回路227と228に導かれ、
RZ SSB復調処理が施されて、図1に示した送信機で
送信した右側(R)の復調信号が復調信号出力端子229
に、また、左側(L)の復調信号が復調信号出力端子23
0に得られる。
る。図1に示した送信機から発射、伝搬路を伝搬した電
波を、受信アンテナ200で受信し、フロントエンド増幅
器201で必要なレベルに増幅する。その信号は伝搬路で
発生した相乗性外乱によって、 SR(t) = ρ(t)[Kcos((ωC±δωc)t+θ(t)) + GR(t)cos((ωC±δωc+Δω/2)t+θ(t)) - H(GR(t))sin((ωC±δωc+Δω/2)t+θ(t)) + GL(t)cos((ωC±δωc-Δω/2)t+θ(t)) + H(GL(t))sin((ωC±δωc-Δω/2)t+θ(t))] ...(9) となる。ここで、(±δωC)は送信機の角周波数変動で
あり(δωC≪ωC)、また、ρ(t)とθ(t)はそれぞれ伝
搬路で受けたレーレ分布則に従うランダムな振幅変動と
ランダムFM雑音なる位相変動である。また、増幅器で
発生する相加性雑音である熱雑音と増幅器の利得など無
視して記述した。
角周波数が(ωC-ω4)、また、角周波数変動が(±δ
ω:δω≪ωC-ω4)である局部発振器203の信号を用い
て周波数変換器202で周波数変換すると、 SR1(t) =ρ(t)[Kcos(Ω4t+θ(t)) + GR(t)cos((Ω4+Δω/2)t+θ(t)) - H(GR(t))sin((Ω4+Δω/2)t+θ(t)) + GL(t)cos((Ω4-Δω/2)t+θ(t)) + H(GL(t))sin((Ω4-Δω/2)t+θ(t)) ...(10) となるので、希望波のみをIFフィルタ204で抽出す
る。ここで、簡単のために Ω4=ω4±δωc±(-δω) とした。さらに、IF周波数変換器は一段として説明し
たが、実際の場合には必要に応じて増やすことが容易に
できる。
の出力信号を角周波数が(ω5)なる局部発振器206の信
号を用いて周波数変換器205で周波数変換すると、差周
波がIFフィルタ207で、和周波がIFフィルタ208で抽
出できる。まず、差周波成分を数式で記述すると、 SRsub(t)=ρ(t)[Kcos((Ω4-ω5)t+θ(t)) + GR(t)cos((Ω4-ω5+Δω/2)t+θ(t)) - H(GR(t))sin((Ω4-ω5+Δω/2)t+θ(t)) + GL(t)cos((Ω4-ω5-Δω/2)t+θ(t)) + H(GL(t))sin((Ω4-ω5-Δω/2)t+θ(t))] = ρ(t)[Kcos((ω5-Ω4)t-θ(t)) + GR(t)cos((ω5-Ω4-Δω/2)t-θ(t)) + H(GR(t))sin((ω5-Ω4-Δω/2)t-θ(t)) + GL(t)cos((ω5-Ω4+Δω/2)t-θ(t)) - H(GL(t))sin((ω5-Ω4+Δω/2)t-θ(t))] ...(11) となる。ここで、ω5>ω4としたので、(10)式と
(11)式を比べると(10)式の上、下側波帯成分が
(11)式では上下が入れ替わっていることが分かる。
また、和周波成分を数式で記述すると、 SRsum(t) =ρ(t)[Kcos((Ω4+ω5)t+θ(t)) + GR(t)cos((Ω4+ω5+Δω/2)t+θ(t)) - H(GR(t))sin((Ω4+ω5+Δω/2)t+θ(t)) + GL(t)cos((Ω4+ω5-Δω/2)t+θ(t)) + H(GL(t))sin((Ω4+ω5-Δω/2)t+θ(t))] ...(12) となるので、上、下側波帯成分には変化はない。
フィルタ209によって搬送波成分のみを抽出し、振幅制
限回路210で振幅を一定にすると、その信号は、 SRlim(t) = cos(Ω4t+θ(t)) ...(13) となり、ランダムな振幅変動成分ρ(t)が除去される。
の出力と(13)式で記述できる振幅制限回路210の出
力を周波数変換器211に入力し、その和周波生成機能を
用いると SFsub(t) =ρ(t)[Kcos(ω5t) + GR(t)cos((ω5-Δω/2)t) + H(GR(t))sin((ω5-Δω/2)t) + GL(t)cos((ω5+Δω/2)t) - H(GL(t))sin((ω5+Δω/2)t)] ...(14) また、(12)式で記述できるIFフィルタ208の出力
と(13)式で記述できる振幅制限回路210の出力を周
波数変換器212に入力し、その差周波生成機能を用いる
と SFsum(t) =ρ(t)[Kcos(ω5t) + GR(t)cos((ω5+Δω/2)t) - H(GR(t))sin((ω5+Δω/2)t) + GL(t)cos((ω5-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ω5-Δω/2)t)] ...(15) となる。
周波数が(ω5)となると共に、両式では、角周波数変動
(±δωc±(-δω))とランダムFM雑音成分θ(t)が完
全に除去されていることが分かる。また、(14)式と
(15)式の搬送波成分の角周波数は共に(ω5)となる
ことは、この処理以後では、周波数安定度は、局部発振
器206の周波数安定度によってのみ決まることを意味す
る。そして、各々の信号をIFフィルタ213と214で抽出
して、(14)式と(15)式で記述した信号をもとに
RZ SSB復調処理を行ってもよい。しかし、DSP
プロセッサデバイスを用いて処理する場合には、有効に
利用できる周波数領域に限りがあるので、本発明では
(14)と(15)式で記述できる信号の周波数領域を
できるだけ低周波領域に移動することにした。
角周波数が(ω5-ωRX)なる局部発振器219の出力を用
いて周波数変換器216と217で低周波数領域に移動させ、
IFフィルタ221と222を用いて下側波帯成分のみを抽出
すると、IFフィルタ221の出力信号は、 SZsub(t) = ρ(t)[GR(t)cos((ωRX-Δω/2)t) +H(GR(t))sin((ωRX-Δω/2)t)] ...(16) そして、IFフィルタ222の出力信号は、 SZsum(t) =ρ(t)[GL(t)cos((ωRX-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ωRX-Δω/2)t)] ...(17) となる。
送波成分をIFフィルタ215で抽出して、角周波数が
(ω5-ωRX+Δω/2)なる局部発振器220の出力を用いて
周波数変換器218で周波数変換、その有効成分をIFフ
ィルタ223で抽出する。その信号は、 SRZcari(t) =ρ(t)cos((ωRX-Δω/2)t) ...(18) となり、増幅器226でそのレベルを増幅して、IFフィ
ルタ221と222の出力にそれぞれ加算器224と225で付加す
る。
226の増幅度を決定する。
SB復調処理回路227と228に入力すると、復調信号出力
端子229には右側(R)の復調信号が、また、230には左
側(L)の復調信号が得られる。
221と222の出力信号である下側波帯に付加する搬送波成
分は、簡単のために、周波数変換器212の出力から抽出
したものを用いた。しかし、IFフィルタ221と222の出
力信号は互いに周波数軸が反転しているので、図5に示
した点線で囲まれた回路を付加すると、搬送波成分にま
つわりつく定常な雑音成分を含めて同相で加算できるこ
とになる。これについて、図3に示した構成に付加ある
いは変更した部分を簡単に説明する。231と233はIFフ
ィルタ、232は周波数変換器、234は増幅器である。その
動作を説明する。周波数変換器211の出力信号からIF
フィルタ231で搬送波成分を抽出、周波数変換器232で局
部発振器220の信号を得て、周波数変換し、その必要な
成分をIFフィルタ233で抽出後、そのレベルを増幅器2
34で増幅する。図3の実施形態ではIFフィルタ221の
出力に増幅器226の出力が加算器224で加算されていた
が、図5に示す構成では、IFフィルタ221の出力に増
幅器234の出力を加算器224で加算する。
する場合に用いる受信回路について説明した。この回路
を第一の実施形態で付言したモノラル信号専用の送信機
において101のマイク音声(L)を用いる場合、モノラ
ル信号専用の受信機としては、207、213、221のIFフ
ィルタ、211、216の周波数変換器、224の加算器と227の
RZ SSB復調処理回路等は不要となるのでこれらを
取り除いて良い。また、モノラル信号専用の送信機にお
いて100のマイク音声(R)を用いる場合、モノラル信
号専用の受信機としては、208、214、222のIFフィル
タ、212、217の周波数変換器、225の加算器と228のRZ
SSB復調処理回路等が不要になるのでこれらを取り
除いて良い。
態について、図6を参照して説明する。図6は本発明の
第三の実施形態を示すブロック構成図であり、2ブラン
チ空間ダイバーシチ受信回路を示す。この受信回路は図
1に示した送信回路で送信された信号を受信する受信回
路であり、300、301は受信アンテナ、302、303はフロン
トエンド増幅器、304、305は周波数変換器、306は局部
発振器、307、308はIFフィルタ、309、310は周波数変
換器、311は局部発振器、312、313、314、315、316、31
7はIFフィルタ、318、319は振幅制限回路、320、32
1、322、323は周波数変換器、324、325は加算器、326、
327、328、329はIFフィルタ、330、331、332、333は
周波数変換器、334、335は局部発振器、336、337、33
8、339はIFフィルタ、340、341は加算器、342、343は
増幅器、344、345はRZ SSB復調処理回路、346、34
7は復調信号出力端子である。
おける信号の流れと共にそれぞれの回路の機能について
同様に説明する。
受信アンテナは2本存在する。まず、一方のブランチに
ついて説明する。300で受信した信号は、フロントエン
ド増幅器302で必要なレベルに増幅される。その信号は
周波数変換器304で局部発振器306の出力信号を用いて、
周波数変換され、IFフィルタ308はその周波数変換さ
れた必要な成分を過不足なく抽出する。IFフィルタ30
8の出力信号は2分割され、一方は周波数変換器310で局
部発振器311の出力信号を用いて、差周波と和周波に変
換されるので、それぞれをIFフィルタ314と316で過不
足なく信号成分を抽出する。IFフィルタ308の2分割
された他方の出力信号は、IFフィルタ312によって搬
送波(パイロット信号)成分のみを抽出し、振幅制限回
路318にて振幅を一定にする。IFフィルタ314と316の
出力はそれぞれ周波数変換器320と322に入力し、振幅制
限回路318の出力を得て周波数変換される。
受信した信号は、フロントエンド増幅器303で必要なレ
ベルに増幅される。その信号は周波数変換器305で局部
発振器306の出力信号を用いて、周波数変換され、IF
フィルタ307はその周波数変換された必要な成分を過不
足なく抽出する。IFフィルタ307の出力信号は2分割
され、一方は周波数変換器309で局部発振器311の出力信
号を用いて、差周波と和周波に変換されので、それぞれ
をIFフィルタ315と317で過不足なく信号成分を抽出す
る。IFフィルタ307の2分割された他方の出力信号
は、IFフィルタ313によって搬送波(パイロット信
号)成分のみを抽出し、振幅制限回路319にて振幅を一
定にする。IFフィルタ315と317の出力はそれぞれ周波
数変換器321と323に入力し、振幅制限回路319の出力を
得て周波数変換される。
て等利得合成法を採用し、フロントエンド増幅器302か
ら周波数変換器320、322までの利得と、フロントエンド
増幅器303から周波数変換器321、323までの利得を、す
べて等しくなるように定める。そして、周波数変換器32
0と321の出力は加算器324で同相に加算する、また、周
波数変換器322と323の出力も加算器325で同相に加算
し、それぞれ加算器の出力はIFフィルタ326と327に導
かれ、必要な成分を過不足なく抽出する。
スの周波数領域を有効に利用するために、IFフィルタ
326と327の出力はさらに低周波領域に移動する。そこ
で、必要な成分が過不足なくIFフィルタ326と327で抽
出された信号は、それぞれ周波数変換器330と331で局部
発振器334の出力信号を用いて周波数変換され、それぞ
れの信号からIFフィルタ336と337によって下側波帯成
分のみを抽出する。一方、加算器324の出力から搬送波
成分をIFフィルタ328にて抽出して周波数変換器332で
局部発振器335の出力信号を用いて周波数変換され、I
Fフィルタ338で必要な成分のみを抽出する。ここで、
周波数変換器332と局部発振器335で周波数変換される信
号の周波数は、先にIFフィルタ336と337で抽出した下
側波帯信号の搬送波周波数成分と一致するように局部発
振器335の周波数を決定する。IFフィルタ338の出力は
増幅器342でそのレベルが増幅される。そして、増幅器3
42の出力はIFフィルタ336の出力に加算器340で付加さ
れ、搬送波が付加された下側波帯信号に変換し、RZ
SSB復調処理回路344でRZ SSB復調処理が施され
て、復調信号が復調信号出力端子346に得られる。
をIFフィルタ329にて抽出して周波数変換器333で局部
発振器335の出力信号を用いて周波数変換され、IFフ
ィルタ339で必要な成分のみが抽出される。IFフィル
タ339の出力は増幅器343でそのレベルが増幅される。そ
して、増幅器343の出力はIFフィルタ337の出力に加算
器341で付加され、搬送波が付加された下側波帯信号に
変換されて、RZ SSB復調処理回路345でRZ SS
B復調処理が施されて、復調信号が復調信号出力端子34
7に得られる。
る。伝搬路を伝搬して来た送信波を受信アンテナ300で
受信し、フロントエンド増幅器302で必要なレベルに増
幅した信号は、伝搬路で発生した相乗性外乱によって、 SR1(t) =ρ1(t)[Kcos((ωC±δωc)t+θ1(t)) + GR(t)cos((ωC±δωc+Δω/2)t+θ1(t)) - H(GR(t))sin((ωC±δωc+Δω/2)t+θ1(t)) + GL(t)cos((ωC±δωc-Δω/2)t+θ1(t)) + H(GL(t))sin((ωC±δωc-Δω/2)t+θ1(t))] ...(21) となる。ここで、(±δωc)は送信機の角周波数変動、
また、ρ1(t)とθ1(t)はそれぞれ伝搬路で影響を受ける
レーレ分布則に従うランダムな振幅変動とランダムFM
雑音なる位相変動で、受信アンテナ300で受信したもので
ある。ここでは、増幅器で発生する相加性雑音である熱
雑音と増幅器の利得など無視して記述した。
が(ωC-ω6)、また、角周波数変動が(±δω)なる局部
発振器306の信号を用いて周波数変換器304で周波数変換
すると、 SR1(t) =ρ1(t)[Kcos((Ω6t+θ1(t)) + GR(t)cos((Ω6+Δω/2)t+θ1(t)) - H(GR(t))sin((Ω6+Δω/2)t+θ1(t)) + GL(t)cos((Ω6-Δω/2)t+θ1(t)) + H(GL(t))sin((Ω6-Δω/2)t+θ1(t))] ...(22) となるので、希望波のみをIFフィルタ308で抽出す
る。ここで、簡単のためにΩ6=ω6±δωc±(-δω)と
した。
ルタ308の出力信号を角周波数が(ω7)なる局部発振器
311の信号を用いて周波数変換器310で周波数変換する
と、差周波がIFフィルタ314で、和周波がIFフィル
タ316で抽出できる。まず、差周波成分を数式で記述す
ると、 SR1sub(t) =ρ1(t)[Kcos((ω7-Ω6)t-θ1(t)) + GR(t)cos((ω7-Ω6-Δω/2)t-θ1(t)) + H(GR(t))sin((ω7-Ω6-Δω/2)t-θ1(t)) + GL(t)cos((ω7-Ω6+Δω/2)t-θ1(t)) - H(GL(t))sin((ω7-Ω6+Δω/2)t-θ1(t))] ...(23) となる。ここで、ω7>ω6としたので、(22)式と
(23)式を比べると(22)式の上、下側波帯成分が
(23)式では上下が入れ替わっていることが分かる。
また、和周波成分を数式で記述すると、 SR1sum(t) =ρ1(t)[Kcos((Ω6+ω7)t+θ1(t)) + GR(t)cos((Ω6+ω7+Δω/2)t+θ1(t)) - H(GR(t))sin((Ω6+ω7+Δω/2)t+θ1(t)) + GL(t)cos((Ω6+ω7-Δω/2)t+θ1(t)) + H(GL(t))sin((Ω6+ω7-Δω/2)t+θ1(t))] ...(24) となるので、上、下側波帯成分には変化はない。
フィルタ312によって搬送波成分のみを抽出し、振幅制
限回路318で振幅を一定にすると、その信号は、 SR1lim(t) = cos(Ω6t+θ1(t)) ...(25) となる。
の出力と(25)式で記述できる振幅制限回路318の出
力を周波数変換器320に入力し、その和周波生成機能を
用いると SF1sub(t) =ρ1(t)[Kcos(ω7t) + GR(t)cos((ω7-Δω/2)t) + H(GR(t))sin((ω7-Δω/2)t) + GL(t)cos((ω7+Δω/2)t) - H(GL(t))sin((ω7+Δω/2)t)] ...(26) また、(24)式で記述できるIFフィルタ316の出力
と(25)式で記述できる振幅制限回路318の出力を周
波数変換器322に入力し、その差周波生成機能を用いる
と SF1sum(t) =ρ1(t)[Kcos(ω7t) + GR(t)cos((ω7+Δω/2)t) - H(GR(t))sin((ω7+Δω/2)t) + GL(t)cos((ω7-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ω7-Δω/2)t)] ...(27) となる。
周波数が(ω7)となると共に、両式では、角周波数変動
(±δωc±δω)とランダムFM雑音成分θ1(t)が完全
に除去されていることが分かる。また、(26)式と
(27)式の搬送波成分の角周波数は共に(ω7)となる
ことは、この処理以後では周波数安定度は、局部発振器
311の周波数安定度によってのみ決まる。
アンテナ301で受信し、フロントエンド増幅器303で必要
なレベルに増幅した信号は、伝搬路で発生した相乗性外
乱によって、 SR2(t) =ρ2(t)[Kcos((ωC±δωc)t+θ2(t)) + GR(t)cos((ωC±δωc+Δω/2)t+θ2(t)) - H(GR(t))sin((ωC±δωc+Δω/2)t+θ2(t)) + GL(t)cos((ωC±δωc-Δω/2)t+θ2(t)) + H(GL(t))sin((ωC±δωc-Δω/2)t+θ2(t))] ...(28) となる。ここで、 (±δωc)は送信機の角周波数変動、
また、ρ2(t)とθ2(t)はそれぞれ伝搬路で影響を受ける
レーレ分布則に従うランダムな振幅変動とランダムFM
雑音なる位相変動で、受信アンテナ301で受信したもので
ある。さらに、増幅器で発生する相加性雑音である熱雑
音と増幅器の利得など無視して記述した。
が(ωC-ω6)、また、角周波数変動が(±δω)なる局部
発振器306の信号を用いて周波数変換器304で周波数変換
すると、 SR2(t) =ρ2(t)[Kcos((Ω6t+θ2(t)) + GR(t)cos((Ω6+Δω/2)t+θ2(t)) - H(GR(t))sin((Ω6+Δω/2)t+θ2(t)) + GL(t)cos((Ω6-Δω/2)t+θ2(t)) + H(GL(t))sin((Ω6-Δω/2)t+θ2(t))] ...(29) となるので、希望波のみをIFフィルタ307で抽出す
る。
波数変換は、ここでは、簡単のために、IF周波数変換
器は一段として説明したが、実際の場合には必要に応じ
て増やすことが容易にできる。
の出力信号を角周波数がω7なる局部発振器311の信号を
用いて周波数変換器309で周波数変換すると、差周波が
IFフィルタ315で、和周波がIFフィルタ317で抽出で
きる。まず、差周波成分を数式で記述すると、 SR2sub(t) =ρ2(t)[Kcos((ω7-Ω6)t-θ2(t)) + GR(t)cos((ω7-Ω6-Δω/2)t-θ2(t)) + H(GR(t))sin((ω7-Ω6-Δω/2)t-θ2(t)) + GL(t)cos((ω7-Ω6+Δω/2)t-θ2(t)) - H(GL(t))sin((ω7-Ω6+Δω/2)t-θ2(t))] ...(30) となる。ここで、ω7>ω6としたので、(29)式と
(30)式を比べると(29)式の上、下側波帯成分が
(30)式では上下が入れ替わっていることが分かる。
また、和周波成分を数式で記述すると、 SR2sum(t) =ρ2(t)[Kcos((Ω6+ω7)t+θ2(t)) + GR(t)cos((Ω6+ω7+Δω/2)t+θ2(t)) - H(GR(t))sin((Ω6+ω7+Δω/2)t+θ2(t)) + GL(t)cos((Ω6+ω7-Δω/2)t+θ2(t)) + H(GL(t))sin((Ω6+ω7-Δω/2)t+θ2(t))] ...(31) となるので、上、下側波帯成分には変化はない。
フィルタ313によって搬送波成分のみを抽出し、振幅制
限回路319で振幅を一定にすると、その信号は、 SR2lim(t) = cos(Ω6t+θ2(t)) ...(32) となる。
の出力と(32)式で記述できる振幅制限回路319の出
力を周波数変換器321に入力し、その和周波生成機能を
用いると SF2sub(t) =ρ2(t)[Kcos(ω7t) + GR(t)cos((ω7-Δω/2)t) + H(GR(t))sin((ω7-Δω/2)t) + GL(t)cos((ω7+Δω/2)t) - H(GL(t))sin((ω7+Δω/2)t)] ...(33) また、(31)式で記述できるIFフィルタ317の出力
と(32)式で記述できる振幅制限回路319の出力を周
波数変換器323に入力し、その差周波生成機能を用いる
と SF2sum(t) =ρ2(t)[Kcos(ω7t) + GR(t)cos((ω7+Δω/2)t) - H(GR(t))sin((ω7+Δω/2)t) + GL(t)cos((ω7-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ω7-Δω/2)t)] ...(34) となる。
周波数が(ω7)となると共に、両式では、角周波数変動
(±δωc±δω)とランダムFM雑音成分θ2(t)が完全
に除去されていることが分かる。また、(33)式と
(34)式の搬送波成分の角周波数は共に(ω7)となる
ことは、この処理以後では周波数安定度は、局部発振器
311の周波数安定度によってのみ決まる。
ち、(26)式と(33)式で表される信号を加算器32
4で同相加算すると、 SFtsub(t) = (ρ1(t)+ρ2(t))[Kcos(ω7t) + GR(t)cos((ω7-Δω/2)t) + H(GR(t))sin((ω7-Δω/2)t) + GL(t)cos((ω7+Δω/2)t) - H(GL(t))sin((ω7+Δω/2)t)] ...(35) また、周波数変換器322と323の出力、即ち、(27)式
と(34)式で表される信号を加算器325で同相加算す
ると、 SFtsum(t) = (ρ1(t)+ρ2(t))[Kcos(ω7t) + GR(t)cos((ω7+Δω/2)t) - H(GR(t))sin((ω7+Δω/2)t) + GL(t)cos((ω7-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ω7-Δω/2)t)] ...(36) となる。
をそれぞれIFフィルタ326と327で抽出する。これらの
信号をもとにRZ SSB復調処理を行ってもよい。し
かし、DSPプロセッサデバイスを用いて処理する場合
には、有効に利用できる周波数領域に限りがあるので、
本発明では(35)式と(36)式で記述できる信号の
周波数領域をできるだけ低周波領域に移動することにし
た。
角周波数が(ω7-ωRX)なる局部発振器334の出力を用
いて周波数変換器330と331で低周波数領域に移動させ、
IFフィルタ336と337を用いて下側波帯成分のみを抽出
すると、IFフィルタ336の出力信号は、 SZtsub(t) =(ρ1(t)+ρ2(t))[GR(t)cos((ωRX-Δω/2)t) + H(GR(t))sin((ωRX-Δω/2)t)] ...(37) そして、IFフィルタ337の出力信号は、 SZsum(t) =(ρ1(t)+ρ2(t))[GL(t)cos((ωRX-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ωRX-Δω/2)t))] ...(38) となる。
波成分をIFフィルタ328と329で抽出して、角周波数が
(ω7-ωRX+Δω/2)なる局部発振器335の出力を用いて
周波数変換器332と333で周波数変換、その有効成分をそ
れぞれIFフィルタ338と339で抽出する。IFフィルタ
338の出力信号は、 SRZScari(t) = (ρ1(t)+ρ2(t))cos((ωRX-Δω/2)t) ...(39) また、IFフィルタ339の出力信号は、 SRZWcari(t) = (ρ1(t)+ρ2(t))cos((ωRX-Δω/2)t) ...(40) となり、搬送波成分のみでは、(39)式と(40)式
は同じ記述であるが、搬送波付近の定常な雑音成分は周
波数領域で見ると互いに上下反転しているのでそれぞれ
(39)式と(40)式を用いる。
そのレベルを増幅して、IFフィルタ336の出力に加算
器340で付加すると、側波帯を生成した時に用いた搬送
周波数と同じ関係にある搬送波を付加した下側波帯信号
に変換される。具体的な加算器340の出力信号は、 SRZtsub(t) = (ρ1(t)+ρ2(t))[(1+GR(t))cos((ωRX-Δω/2)t) + H(GR(t))sin((ωRX-Δω/2)t)] ...(41) となり、この信号をRZ SSB復調処理回路344で復調
され、復調信号が復調信号出力端子346に得られる。
幅器343でそのレベルを増幅、IFフィルタ337の出力に
加算器341で付加して、下側波帯信号に変換する。加算
器341の出力信号は、 SRZtsum(t) = (ρ1(t)+ρ2(t))[(1+GL(t)) cos((ωRX-Δω/2)t) + H(GL(t))sin((ωRX-Δω/2)t)] ...(42) となり、この信号をRZ SSB復調処理回路345で復調
され、復調信号が復調信号出力端子347に得られる。
ためには、 |GR(t)|< 1 |GL(t)|< 1 なる条件が必要であるので、これを満たすように増幅器
342と343の増幅度を決定する。
受信する場合に用いる2ブランチ空間ダイバーシチ受信
回路である。送信回路がモノラル信号専用であり、図1
におけるマイク音声(L)101のみが送信される場合に
は、モノラル信号専用の受信回路として、314、315、32
6、328、336、338のIFフィルタ、320、321、330、332
の周波数変換器、324、340の加算器、342の増幅器と344
のRZ SSB復調処理回路等が不用となるので、これ
らを取り除けばよい。また、モノラル信号専用の送信回
路においてマイク音声(R)100のみが用いられる場合
には、モノラル信号専用の受信回路として、316、317、
327、329、337、339のIFフィルタ、322、323、331、3
33の周波数変換器、325、341の加算器、343の増幅器と3
45のRZSSB復調処理回路等が不要となるのでこれら
を取り除けばよい。
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種
々の利用形態で本発明を実施できる。例えば、一つの筐
体に送信回路と受信回路と組み込んだ複数の送受信機間
で双方向通信を行なう利用形態で本発明を実施すること
ができ、また、携帯電話のように、送受信機が無線基地
局を経由して通信する形態でも本発明を実施できる。
伝送帯域が情報信号帯域に等しく、従来の変調技術に比
べて画期的に狭帯域化が図られる。 信号処理範囲内にある周波数変動に対して、十分に
高品質な復調信号が得られるように受信回路構成とした
ので、周波数安定度に起因する復調信号の品質劣化は生
じない。 フェージングなどの外乱の相乗性雑音に強い受信特
性が得られ、品質が高い復調信号が得られる。 という効果が得られる。
すブロック構成図。
号)成分の周波数軸上の配置例を示す図。
すブロック構成図。
ける信号配置例を説明する図。
を付加した例を示すブロック構成図。
り、2ブランチ空間ダイバーシチ受信方式を用いた受信
回路を示すブロック構成図。
305、309、310、320、321、322、323、330、331、332、
333、366、367、374、375、376 周波数変換器 112、 113、118、121、203、 206、219、220、306、311、
334、335、368 局部発振器 122、204、207、208、209、213、214、215、221、222、
223、231、233、307、308、312、313、314、315、316、
317、326、327、328、329、336、337、338、339、360、
361、369、370、371、372 IFフィルタ 123 送信器 201、302、303 フロントエンド増幅器 226、234、342、343 増幅器 210、318、319、364、365 振幅制限回路 124 送信アンテナ 200、300、301 受信アンテナ 227、228、344、345 RZ SSB復調処理回路 117、119、224、324、325、340、341 加算器 229、230、346、347 復調信号出力端子 362、363 遅延回路
24)
Claims (12)
- 【請求項1】 情報信号を単側波帯信号の搬送波が抑圧
された一つの側波帯に割り当て、その側波帯を生成する
時に用いた搬送波とは周波数が異なる搬送波成分である
パイロット信号と共に送信する送信手段と、 この送信手段からの送信波を受信して復調する受信復調
手段とを備え、 上記受信復調手段は、受信信号の側波帯とパイロット信
号とを別々に周波数変換し、側波帯に対してその側波帯
を生成する時に用いた搬送波と周波数が同一関係にある
搬送波成分を付与した単側波帯信号を生成する手段と、
この手段により得られた単側波帯信号の位相項から情報
信号を復調する手段とを含むことを特徴とする無線通信
方式。 - 【請求項2】 上記送信手段は、二系列の情報信号の一
方を上側波帯に、他方を下側波帯に割り当てて送信する
構成であり、 上記受信復調手段は、上側波帯と下側波帯とを別々の単
側波帯として復調する構成である請求項1記載の無線通
信方式。 - 【請求項3】 情報信号により搬送波を変調して搬送波
抑圧単側波帯信号を生成する手段と、この搬送波抑圧単
側波帯に上記搬送波とは異なる周波数の搬送波成分であ
るパイロット信号を加算する手段とを備えたことを特徴
とする送信回路。 - 【請求項4】 上記搬送波抑圧単側波帯信号を生成する
手段は、二系列の情報信号の一方と第一の角周波数ω1
の信号とにより搬送波抑圧上側波帯信号を生成する第一
の回路手段と、上記二系列の情報信号の他方と第二の角
周波数ω2の信号とにより搬送波抑圧下側波帯信号を生
成する第二の回路手段とを含み、 上記パイロット信号を加算する手段は、上記搬送波抑圧
上側波帯信号と、上記搬送波抑圧下側波帯信号と、ω1>
ω3>ω2なる第三の角周波数ω3のパイロット信号とを加
算する第三の回路手段を含む請求項3記載の送信回路。 - 【請求項5】 上記第三の角周波数ω3が、 ω3 = (ω1+ω2)/2 に設定された請求項4記載の送信回路。
- 【請求項6】 情報信号がひとつの側波帯に割り当てら
れた変調波を搬送波成分と共に受信して復調する受信回
路において、 上記搬送波成分は上記側波帯を生成する時に用いた搬送
波とは周波数が異なる搬送波成分のパイロット信号であ
り、 受信信号の側波帯とパイロット信号とを別々に周波数変
換し、側波帯に対してその側波帯を生成する時に用いた
搬送波と周波数が同一関係にある搬送波成分を付与した
単側波帯信号を生成する手段と、 この手段により得られた単側波帯信号の位相項から情報
信号を復調する手段とを備えたことを特徴とする受信回
路。 - 【請求項7】 受信信号は上側波帯と下側波帯とが別系
の情報信号により変調された信号であり、 上記単側波帯信号を生成する手段は、上側波帯と下側波
帯とを別々に処理する手段を含む請求項6記載の受信回
路。 - 【請求項8】 上記処理する手段は、受信信号から周波
数領域における信号配置が互いに反転した同一周波数帯
の二系統の信号を生成する手段を含む請求項7記載の受
信回路。 - 【請求項9】 上記二系統の信号を生成する手段は、 受信信号を第一の局部発振信号により第一の周波数帯
(ω4)に周波数変換する第一の周波数変換手段と、 この第一の周波数変換手段の出力を上記第一の局部発振
信号より周波数の高い第二の局部発振信号(ω5)によ
り周波数変換して、周波数領域における信号配置が互い
に反転した差周波数成分(ω5-ω4)と和周波数成分
(ω5+ω4)とを抽出する第二の周波数変換手段と、 上記第一の周波数変換手段の出力を分岐し振幅制限を行
ってパイロット信号(ω4)を抽出するパイロット信号
抽出手段と、 抽出されたパイロット信号により上記差周波数成分を周
波数変換して和周波数成分(ω5)を抽出する第三の周
波数変換手段と、 上記抽出されたパイロット信号により上記第二の周波数
変換手段で抽出された和周波数成分を周波数変換して差
周波数成分(ω5)を抽出する第四の周波数変換手段と
を含む請求項8記載の受信回路。 - 【請求項10】 複数の受信アンテナを備え、 この複数の受信アンテナに対して上記二系統の信号を生
成する手段がそれぞれ設けられ、 各受信アンテナに対する上記二系統の信号を生成する手
段の出力を同一の系で加算する手段を備えた請求項8記
載の受信回路。 - 【請求項11】 上記処理する手段は、 上記二系統の信号をそれぞれ第三の局部発振信号により
周波数変換する手段と、 上記二系統の信号の少なくとも一方の信号を分岐し、上
記第三の局部発振信号とは所定の周波数だけ異なる第四
の局部発振信号により周波数変換して、上記二系統の信
号のそれぞれの側波帯に対してその側波帯を生成する時
に用いた搬送波と周波数が同一関係にある搬送波成分を
抽出する手段と、 この抽出された搬送波成分を上記第三の局部発振信号に
より周波数変換する手段の出力に加算する手段とをさら
に含む請求項8記載の受信回路。 - 【請求項12】 上記搬送波成分を抽出する手段は、上
記二系統の信号のそれぞれについて同一の局部発振信号
により別々に搬送波成分を抽出する構成であり、 上記加算する手段は、上記二系統の信号のそれぞれにつ
いて、上記周波数変換する手段の出力と上記抽出する手
段の出力とを加算する構成である請求項11記載の受信
回路。
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