JPWO2005011223A1 - 変調装置、復調装置、変調方法および復調方法 - Google Patents

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Abstract

限られた周波数帯域で従来の変調方式と比較して信号伝送速度を格段に向上し得る変調装置を開示する。変調装置100は、第1及び第2の周波数引き上げ型SSB変調器110、120を有する。各SSB変調器110、120は搬送周波数がシンボル速度の逆数(すなわち入力シンボルの基本周波数)に相当する周波数だけ差をもつように構成されている。高い搬送周波数に設定されたSSB変調器120により得られたLSB信号と、低い搬送周波数に設定されたSSB変調器110により得られたUSB信号とを加算器130で合成することで変調信号を得る。

Description

本発明は、SSB(Single Side Band)技術を用いた変調装置、復調装置、変調方法及び復調方法に関する。
近年、情報処理技術の普及といわゆるIT(Information Technology)化社会の急速な進展により、情報通信の拡大と要求は目覚しいものがある。社会と社会の間は当然のことながら、さらには個人と社会をつなぐ通信インフラについても、無線化と高速化が望まれている。こうした移動通信に対する一層の需要は、豊富な周波数資源をも枯渇させてしまう。
現在、周波数利用効率の向上を図るために研究されている主たる対象は、MIMO(MultiInput Multi Output)に代表されるように無線伝搬に関わる技術の向上である。しかしながら、自由空間とりわけ屋外環境の空間において所望の無線通信路を確保することは様々な困難がある。特に端末が高速で移動するような状況ではなおさらである。多重化は更に困難を極める。
これを考慮すると、まず確実な改良をベースバンドで確立すべきであると考えられる。ベースバンドでの改良については、これまでにも先駆者がASK、PSK、QAM、CDMA、そしてOFDMなど新しい方式を開発し続けてきた。このように本質的な解決方法としては、ベースバンドにおける変調効率の向上が切望されるところである。
先ず、信号速度を2倍にした際の信号密度を考えると、図1Bに示すようになる。なお図1Aは1軸上のナイキスト信号波形を示しており、シンボル周期T毎にナイキスト信号1波が配置される。図1Bはシンボル周期T内にナイキスト信号を2波収容した場合を示しており、伝送速度は2倍となる。しかし、図1Bのように単純にシンボル周期T内にナイキスト信号を2波収容すると、図1Aで示した場合と比較して、周波数帯域が2倍に広がってしまうので好ましくない。
従来、SSB(Single Side Band)方式は、受信系のキャリア再生に工夫を要する以外は、伝搬環境の変化にも強いことが知られている。SSB方式を適用することで、ビット誤り率特性を向上させる技術が、例えば米国特許第6,091,781号(特開平11−239189号公報)に記載されている。
図2A、図2B及び図2Cに、上記文献に記載されている原理を示す。図2Aに示すような基本となるI軸信号とQ軸信号をSSB化することにより、図2Bに示すようなSSB化されたI軸信号とSSB化されたQ軸信号を得、これを結合することで図2Cに示すようなSSB−QPSK信号を形成する。
この処理は、具体的には、図3に示すような回路構成により実現される。先ず同相データ信号X(n)及び直交データ信号Y(n)に対してそれぞれ補間器1、2によってゼロを補間する。補間器1の出力は、遅延回路3を介して信号結合器7に送出されると共にヒルベルトフィルタ4によりヒルベルト変換を施された後に信号結合器8に送出される。また補間器2の出力は、ヒルベルトフィルタ5によりヒルベルト変換を施された後に信号結合器7に送出されると共に遅延回路6を介して信号結合器8に送出される。信号結合器7の出力はパルス整形フィルタ9を介してミキサ11に与えられ、信号結合器8の出力はパルス整形フィルタ10を介してミキサ12に与えられる。ミキサ11ではパルス整形フィルタ9の出力信号によってコサイン搬送波cos(ωt)が変調され、ミキサ12ではパルス整形フィルタ10の出力信号によってサイン搬送波sin(ωt)が変調される。そしてミキサ11、12からのIチャネルRF信号及びQチャネルRF信号が信号結合器13によって結合されることにより、SSB−QPSK信号Z(t)が得られる。このように上記文献に記載された構成によれば、SSB化を図るためにI軸信号とQ軸信号のそれぞれのヒルベルト変換成分を生成し、これらを直交変調する。
これにより、上記文献によれば、従来のI軸信号とQ軸信号が一方的にコサイン乗算とサイン乗算に決めつけられていた欠点を、SSB化により解消し、伝送特性を改良することができる。これにより、上記文献には、SSB−QPSKは理論的に、QPSKやSSBと等しい周波数利用効率をもちながら(例:2bps/Hz)、レイリーフェージング路ではQPSKやSSBよりも等化不完全性に対して耐性があり、さらにSSB−QPSKの包絡線変化はQPSKよりも6dB少ないことが示されている、と記載されている。
しかしながら、上記文献に記載されている技術は、SSB方式を適用することで、ビット誤り率特性を向上させるための技術であり、根本的には、限られた周波数帯域で従来に比して格段に多くの信号伝送を可能とするものではない。
本発明の目的は、限られた周波数帯域で従来の変調方式と比較して信号伝送速度を格段に向上し得る変調装置、復調装置、変調方法及び復調方法を提供することである。
この目的は、第1の入力シンボルをSSB変調してUSB信号を得る第1の周波数引き上げ型SSB変調器と、第2の入力シンボルをSSB変調してLSB信号を得る第2の周波数引き上げ型SSB変調器と、前記USB信号と前記LSB信号を結合する結合器と、を具備し、前記第2の周波数引き上げ型SSB変調器によって、前記第1の周波数引き上げ型SSB変調器で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行うことにより達成される。
図1Aは、シンボル周期に1波のナイキスト信号を配置した状態を示す図;
図1Bは、シンボル周期に2波のナイキスト信号を配置した状態を示す図;
図2Aは、SSB化の元となるI軸信号とQ軸信号を示す図;
図2Bは、SSB化されたI軸信号とQ軸信号を示す図;
図2Cは、SSB−QPSK信号を示す図;
図3は、従来の変調装置の構成を示すブロック図;
図4Aは、一般的なQPSK信号のI軸信号とQ軸信号のスペクトルを示す図;
図4Bは、信号伝送速度を2倍にしたときの周波数帯域幅の広がりを示す図;
図4Cは、実施の形態でのI軸信号とQ軸信号のSSB化を示す図;
図4Dは、実施の形態でのSSB化信号の多重化の様子を示す図;
図5は、実施の形態1の変調装置の構成を示すブロック図;
図6Aは、実施の形態の変調装置により得られるUSB信号の様子を示す図;
図6Bは、実施の形態の変調装置により得られるLSB信号の様子を示す図;
図6Cは、実施の形態の変調装置により得られるSSB多重化変調信号の様子を示す図;
図7は、位相偏移型SSB変調器の構成を示すブロック図;
図8Aは、入力信号u(t)を偶関数Veven(t)と奇関数Vodd(t)の合成で示した場合のスペクトルを示す図;
図8Bは、入力信号u(t)のヒルベルト変換出力を入力信号u(t)の成分である偶関数成分Veven(t)と奇関数成分Vodd(t)で表した図;
図8Cは、入力信号u(t)にcosωtを乗算したものを示す図;
図8Dは、入力信号u(t)をヒルベルト変換したu’(t)にsinωtを乗算したものを示す図;
図8Eは、図8Cに示した信号と図8Dに示した信号の差を示す図;
図8Fは、図8Cに示した信号と図8Dに示した信号の和を示す図;
図9Aは、偶関数成分を示す図;
図9Bは、奇関数成分を示す図;
図10Aは、USB信号を示す図;
図10Bは、USB信号にcosωtを乗算したものを示す図;
図10Cは、LSB信号を示す図;
図10Dは、LSB信号にsinωtを乗算したものを示す図;
図10Eは、ローパスフィルタ出力(復調信号)を示す図;
図11は、実施の形態1の復調装置の構成を示すブロック図
図12は、IIR型のディジタルヒルベルトフィルタの構成例を示すブロック図;
図13は、帯域幅確認のためのLSB信号のシミュレーション結果を示す図;
図14は、帯域幅確認のためのUSB信号とLSB信号との合成信号のシミュレーション結果を示す図;
図15は、通信品質確認のためのBER対S/Nのシミュレーション結果を示す図;
図16は、SSB変調器の他の構成例を示すブロック図;
図17Aは、実施の形態1により得られるLSB信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図;
図17Bは、実施の形態1により得られるUSB信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図;
図17Cは、実施の形態1により得られるSSB多重化変調信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図;
図18は、実施の形態2により形成するSSB多重化変調信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図;
図19は、実施の形態2の変調装置の構成を示すブロック図;
図20は、実施の形態2の復調装置の構成を示すブロック図;
図21は、実施の形態3の復調装置の構成を示すブロック図;
図22Aは、LSBの搬送波周波数cosine波で検波した場合のベースバンドスペクトルを示す図;
図22Bは、FFT出力の概念を示す図;
図22Cは、エイリアスを含む実際のFFT出力を示す図;
図23Aは、LSBの搬送波周波数sine波で検波した場合のベースバンドスペクトルを示す図;
図23Bは、FFT出力の概念を示す図;
図23Cは、エイリアスを含む実際のFFT出力を示す図;
及び
図24は、DET(detector)の原理構成を示す図である。
本発明の概要は、従来の直交変調の2倍(実施の形態1)又は4倍(実施の形態2)の高速のシンボル速度の情報信号を変調するものである。通常、このような操作を行うと、必要となる周波数帯域幅は2倍又は4倍となる。本発明は、送信信号を多重SSB化することにより元の周波数帯域幅内に収容するものである。さらにこのような変調信号に対する復調方式を提案する。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図4A〜図4Dに、本発明の変調方式の概念を示す。図4Aは従来の基本的なQPSK方式によるI軸とQ軸のスペクトルを示したものである。この従来のQPSKのもつ伝送速度を2倍に向上させるためには、図4Bのように周波数帯域幅BWを2倍にしなければならない。それでは周波数利用効率は改善されない。そこで、本実施の形態では、I軸信号とQ軸信号をSSB化させることによりそれぞれの側帯波幅を元の側帯波の2倍である全周波数帯域幅BWに拡張し(図4C)、さらに同一周波数上に多重化する(図4D)ことにより、2倍の伝送速度を可能にしながらも与えられた周波数帯域幅のままでの通信を実現する。すなわち上記従来技術で説明したSSB−QPSKに比して伝送速度を2倍とすることができる。
図5に、図4A〜図4Dに示した本実施の形態の概念を実現するための構成を示す。図5に示す実施の形態の変調装置100において、送信される信号f(t)はシリアル−パラレル変換器(S/P)101によって2系統の並列信号とされる。従来の信号速度に比して2倍とすることが可能となることから、この信号群をBit1,3とBit2,4と名づける。この2系統の信号は各々ナイキストフィルタ(NFL)102、103によってナイキスト信号とされる。
ナイキストフィルタ102から出力されたナイキスト信号は周波数引き上げ型SSB変調器110に入力されると共に、ナイキストフィルタ103から出力されたナイキスト信号は周波数引き上げ型SSB変調器120に入力される。周波数引き上げ型SSB変調器110は、周波数信号源112と乗算器113、114からなる直交変調部と、ヒルベルト変換器111とを有する。また周波数引き上げ型SSB変調器120は、周波数信号源122と乗算器123、124からなる直交変調部と、ヒルベルト変換器121とを有する。
周波数引き上げ型SSB変調器110に入力される信号Bit1,3のナイキスト信号は、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源112からの余弦波が乗算器113にて乗算される。また同時に信号Bit1,3のナイキスト信号をヒルベルト変換器111に通した信号に、上記ω−ω/2なる周波数信号源112からの正弦波が乗算器114にて乗算される。次に加算器115にてこの2つの出力の和をとることにより、信号Bit1,3を載せ搬送周波数をω−ω/2とする上側SSB信号(USB信号)が得られる。
一方、周波数引き上げ型SSB変調器120に入力される信号Bit2,4のナイキスト信号は、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加算した周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源122からの余弦波が乗算器124にて乗算される。また同時に信号Bit2,4のナイキスト信号をヒルベルト変換器121に通した信号に、上記ω+ω/2なる周波数信号源122からの正弦波が乗算器123にて乗算される。次に加算器125にてこの2つの出力の和をとることにより、信号Bit2,4を載せ搬送周波数をω+ω/2とする下側SSB信号(LSB信号)が得られる。
そして周波数引き上げ型SSB変調器110から出力されるUSB信号(図6A)と、周波数引き上げ型SSB変調器120から出力されるLSB信号(図6B)を、信号結合器130にて結合することにより、図6Cに示すようなSSB多重化変調信号が得られる。
このように本実施の形態においては、LSB信号を得るための周波数引き上げ型SSB変調器120は、USB信号を得るための周波数引き上げ型SSB変調器110で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行う。これにより、LSB信号とUSB信号を同一周波数帯域に多重することができる。
ここで本実施の形態の理解のために、図7に示すような一般的な位相偏移型SSB変調器について説明する。ここで図8A〜図8Fに、図7の位相偏移型SSB変調器200の動作をスペクトルで示す。変調信号関数として、次式のような複素解析関数をとるならばSSB信号を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで(1)式においてu’(t)は入力信号u(t)のヒルベルト変換を表す。
次式のように、図7の上側回路(遅延回路201、バランスドミキサ202)では入力信号u(t)を搬送波cosωtと乗算し、下側回路(ヒルベルト変換器203、バランスドミキサ204)では入力信号u(t)のヒルベルト変換後の信号u’(t)を搬送波sinωtと乗算する。
Figure 2005011223
図8Aは、入力信号u(t)を偶関数Veven(t)と奇関数Vodd(t)の合成で示した場合のスペクトルを示したものである。図8Bは、入力信号u(t)のヒルベルト変換出力を入力信号u(t)の成分である偶関数成分Veven(t)と奇関数成分Vodd(t)で表したものである。図8Cは入力信号u(t)にcosωtを乗算したものを示し、図8Dは入力信号u(t)のヒルベルト変換したu’(t)にsinωtを乗算したものを示したものである。この結果を、次式に示すように合成(ここでは減算)する。
Figure 2005011223
(3)式の結果からも明らかなように、変調されるべき信号f(t)は搬送周波数ωによる解析信号ejω1tの上に乗り、負周波数領域で対をなす搬送周波数−ωによる解析信号e−jω1tの上に乗る信号はf(t)と共役のf(t)となる。すなわち、スペクトルは周波数軸上で正負対称(線対称)となりSSBとなることが証明される。図8Eは両者の差を表し、USB(上側側波帯SSB)となっていることを示しており、図8Fは両者の和を表し、LSB(下側側波帯SSB)となっていることを示している。
ここで図8Eは図8C−図8Dで得られるUSBを示し、図8Fは図8C+図8Dで得られるLSBを示す。また図8A〜図8Fでは、図9Aに示すような三角形の記号で偶関数成分を表し、図9Bに示すような弧状の記号で奇関数成分を表すものとする。
次に、本実施の形態において必要とする同一周波数上に重畳可能なUSB、LSBの生成について示す。
まず搬送波周波数ωでのSSB信号sSSB(t)は以下のようになる。但しここでは、変調される元の信号をm(t)とし、m(t)から生成される解析信号をf(t)で表す。f(t)はf(t)と複素共役の信号とする。これをm(t)で表現したものをf(t)に対してはm(t)とし、f(t)に対してはm(t)と表す。解析信号は、ヒルベルト変換をH[ ]で表すとき、m(t)が正則ならば、
f(t)=m(t)=m(t)+jH[m(t)]、およびf(t)=m(t)=m(t)−jH[m(t)]で定義される。また、一般にH[m(t)]=−jm(t)が成り立つ。
これにより、前述のSSBの定義によりUSB信号は、次式で表される。
Figure 2005011223
次にUSBに直交するLSB信号について図6Cを用いて説明する。図6Cは、SSB−QPSK方式の複素周波数領域における概念図を示し、USBが実平面内、LSBが虚軸平面内に配置されている。同じ帯域の中にUSBとLSBを直交配置するためには、一方を虚数軸空間に置かなければならない。図6CではUSBを実軸に、LSBを虚数軸に置いている。虚数軸空間への置き方は、虚数ここではjを乗算することで可能にする。また、USBに対して解
Figure 2005011223
と解析信号f(t)、f(t)の組み合わせをUSBと逆にする必要がある。したがって具現化する数式は、次式となる。
Figure 2005011223
次に上記の式を用いて、USBとLSBを同一周波数帯域に重ねるために、USBをω/2だけ周波数を下げ、LSBをω/2だけ周波数を上げる。このとき、USB信号は、次式で表される。
Figure 2005011223
またLSB信号は、次式で表される。
Figure 2005011223
ここで、直交化SSBの信号の2入力をm(t),m(t)とすると、それぞれの解析信号m1+(t),m1−(t),m2+(t),m2−(t)は、次式のように表すことができる。
Figure 2005011223
そしてm(t),m(t)をUSB,LSBとする直交化SSB信号sSSB−QPSK(t)は次式のように表される。
Figure 2005011223
この式を具現化する回路構成例が、図5に示したものである。USB,LSBそれぞれの数式の最後の結果を見れば、本実施の形態の変調系の構成を示す図5と完全に一致していることが理解できる。
上述したように本実施の形態によれば、簡易な構成により、従来の直交変調方式が必要とする周波数帯域幅の範囲内で従来の伝送速度の2倍の伝送速度を得る変調方式を得ることができる。
次に、上述のように本実施の形態の変調方式により形成された変調信号を復調する本実施の形態の復調方式について説明する。
先ず、その原理について説明する。SSB信号は同期的に復調できる。例えばUSB信号とcosωtとの乗算はそのスペクトルを±ω移動したものになる。この信号を低域フィルタに通すと、必要なベースバンド信号が得られる。これはLSB信号についても同様である。SSB信号の時間領域表現を求めるために、信号f(t)の解析信号(Pre−envelope(前包絡線))の概念を使う。
図10A〜図10Eに、図8Eに示すUSB信号と図8Fに示すLSB信号からなるSSB受信信号を復調する場合における、各処理でのスペクトル配置を示す。ここで図10A〜図10Eでは、図8A〜図8Fと同様に、図9Aに示すような三角形の記号で偶関数成分を表し、図9Bに示すような弧状の記号で奇関数成分を表すものとする。
SSB信号を受信すると、受信系において以下の数式で示すような動作を行うようにする。まず図10Aに示すUSB信号に対して、次式に示すようにcosωtを乗算する。
Figure 2005011223
これにより、その結果を示す図10Bからも明らかなように、搬送波周波数の2倍に達する高周波成分とベースバンド成分が生成される。
次に搬送波周波数の2倍に達する±2ωの成分をLPFで除去すると、次式のようになり、送信信号が復調される(図10E)。
Figure 2005011223
なお、(11)において、矢印「→」はフィルタを通すことを示す。すなわち、矢印「→」の後の数式は、フィルタ通過後の信号を示す。これは、後述する他の式においても同様である。
LSB信号についても同様に、送信信号(図10C)にsinωtを乗算することにより、図10Dに示すようにUSB信号の場合と同様に搬送波周波数の2倍に達する高周波成分とベースバンド成分を生成する。そしてここでもLPFで高域成分を除去する。これにより、図10Eで示すように、送信信号が復調される。これらの処理を数式で表すと、次式のようになる。
Figure 2005011223
図11に、本実施の形態の復調装置の構成例を示す。復調装置300は、2基の周波数引き下げ型復調器310、320を有する。復調装置300は、受信した変調信号をバンドパスフィルタ(BPF)301を介して2基の周波数引き下げ型復調器310、320に入力する。
周波数引き下げ型復調器310は、周波数信号源313と乗算器311からなる復調器を有する。周波数引き下げ型復調器310は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源313からの余弦波を乗算器311にて乗算する。その出力がナイキストフィルタ(NFL)330を通過することにより、元の信号Bit1,3が得られる。
周波数引き下げ型復調器320は、周波数信号源322と乗算器321からなる復調器とを有する。周波数引き下げ型SSB復調器320は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加算した周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源322からの余弦波を乗算器321にて乗算する。その出力がナイキストフィルタ(NFL)331を通過することにより、元の信号Bit2,4が得られる。
なお、本実施の形態を通して記述するナイキストフィルタは、ナイキスト特性を送受で総合的に得るために、厳密にはルートナイキストロールオフフィルタと定義されるものである。
次に、2系統の信号Bit1,3と信号Bit2,4がパラレル−シリアル変換器(P/S)332に入力されることにより、P/S332から受信データf(t)が出力される。
次に数式を用いて、図11の復調装置300を用いれば、USB信号とLSB信号とが直交多重化されてなる図6Cに示すような受信信号(すなわち変調装置100からの送信信号)から、それぞれの信号を抽出できる理由を説明する。
復調装置300では、先ず、USB上の情報m(t)を得るために周波数引き下げ型SSB復調器310により、次式に示すように、cos(ω−ω/2)tを乗じる。
Figure 2005011223
この出力をLPF314を通すことにより、次式で示される信号を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで、信号m(t),m(t)はナイキスト波であることを用いる。すなわち、
Figure 2005011223
ることができる。
Figure 2005011223
ここで、シンボル点を示すt=0の値を見ると、次式、
Figure 2005011223
となり、m(t)を抽出できる。
同様に、USB上の情報m(t)を得るために周波数引き下げ型SSB復調器310により、次式に示すように、sin(ω+ω/2)tを乗じる。
Figure 2005011223
この出力をLPF315を通すことにより、次式で示される信号を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで、信号m(t),m(t)はナイキスト波であることを用いる。すなわち、
Figure 2005011223
ことができる。
Figure 2005011223
ここで、シンボル点を示すt=0の値を見ると、次式、
Figure 2005011223
となり、m(t)を抽出できる。
なお、一般にはLPFの代わりにルートナイキストロールオフフィルタを用いる。この場合には、送信系のナイキストフィルタは同じくルートナイキストロールオフフィルタとする。
ここで参考として、図12に、送信側で用いるヒルベルト変換器の具体的構成例として、IIR型のディジタルヒルベルトフィルタを示す。ヒルベルト変換の原理について簡単に説明する。スペクトルM(ω)=M(ω)u(ω)とM(ω)=M(ω)u(−ω)の逆フーリエ変換をm(t)とm(t)とするとき、2m(t)をm(t)の解析信号と呼ぶ。|M(ω)|と|M(ω)|はそれぞれωの偶関数ではないから、m(t)とm(t)は複素信号である。さらにM(ω)とM(ω)は共役であるから、m(t)とm(t)も共役である。ここでm(t)はm(t)のヒルベルト変換であり、次式で表される。
Figure 2005011223
かくして本実施の形態においては、第1及び第2の周波数引き上げ型SSB変調器110、120を設け、SSB変調器110、120の搬送周波数をシンボル速度の逆数(すなわち入力シンボルの基本周波数)に相当する周波数だけ差をもつようにし、かつ高い搬送周波数に設定したSSB変調器120からLSB信号を得ると共に低い搬送周波数に設定したSSB変調器110からUSB信号を得、このLSB信号とUSB出力の和を変調出力とする構成を採る。これにより、I軸信号とQ軸信号をSSB化させることによりそれぞれの側帯波幅を元の側帯波の2倍である元の両側波帯BW1にまで拡張し(図4C)、さらにLSB信号を形成する際にUSB信号を形成する際に用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調するので、LSB信号とUSB信号を同一周波数上に多重化することができ(図4D)、2倍の伝送速度を可能にしながらも与えられた周波数帯域幅のままの変調信号を得ることができる。この結果、従来の直交変調方式が必要とする周波数帯域幅の範囲内で、従来の直交変調方式のもつ信号伝送速度の2倍の伝送速度を達成できる変調装置100を実現できる。
また第1及び第2の周波数引き下げ型復調器310、320を設け、復調器310の搬送周波数をシンボル速度の逆数(すなわち送信シンボルの基本周波数)に相当する周波数だけ差をもつようにし、かつ高い搬送周波数に設定した復調器320からLSB信号を得ると共に低い搬送波周波数に設定した復調器310からUSB信号を得るようにしたことにより、USB信号とLSB信号とが直交多重化されてなる受信信号から、それぞれの信号を抽出できる復調装置を実現できる。
これにより、周波数利用効率を2倍に高めることができ、例えば利用ユーザー数を2倍程度に高める効果や、既存の周波数割当の中で伝送速度を2倍にする効果を得ることができる。
図13、図14及び図15に、本実施の形態の変調装置100及び復調装置300を用いた場合のシミュレーション結果を示す。本発明の目的は周波数利用効率の改善にある。したがって第1に確認すべきことは帯域幅が確実に目的を満たすか否かにある。図13はI−Q軸の一方を構成するSSB出力で、下側帯幅(LSB)である。−3dB帯域幅が0.5Hzであることが分かる。また−50dB減衰までの帯域幅が1Hzに抑えられる。図14はI,QそれぞれからのUSBとLSBを同一の帯域に重ねたもので、1Hzの帯域に入っていることが確認できる。
次に確認すべきことは、本発明での提案方式の通信品質が16QAMより優れていることである。図15は、AWGN(Additive White Gaussian Noise)環境下でのBER(Bit Error Rate)対S/N(SN比)を示すものである。図15からも明らかなように、本実施の形態の変調装置100、復調装置300を用いれば、QPSKとほぼ同等のBERを得ることができ、同等の伝送速度をもつ16QAMに対しては10−2点でも4dB以上のS/N特性を得ることができる。
なおこの実施の形態では、周波数引き上げ型のSSB変調器として、図5に示すようなヒルベルト変換部を有するSSB変調器110、120を用いて本発明の変調方法を実施する場合について説明したが、本発明を実施するためのSSB変調器の構成はこれに限らない。
要は、第1の入力信号をSSB変調してUSB信号を得る第1の周波数引き上げ型SSB変調器と、第2の入力信号をSSB変調してLSB信号を得る第2の周波数引き上げ型SSB変調器とを用意し、第2の周波数引き上げ型SSB変調器によって、第1の周波数引き上げ型SSB変調器で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行うようにすればよい。
同様に、この実施の形態では、周波数引き下げ型復調器として、図11に示すような復調器310、320を用いて本発明の復調方法を実施する場合について説明したが、本発明を実施するための復調器の構成はこれに限らない。
要は、入力した変調信号を復調して第1の復調信号を得る第1の周波数引き下げ型復調器と、入力した変調信号を復調して第2の復調信号を得る第2の周波数引き下げ型復調器とを用意し、第2の周波数引き下げ型復調器によって、第1の周波数引き下げ型復調器で用いる搬送波周波数に対して送信シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いて復調を行うようにすればよい。
周波数引き上げ型SSB変調器としては、従来種々のものが提案され実用化されているが、その一例として図16に示すようなものがある。図16のSSB変調器は、バランスドミキサ、ローパスフィルタ、バランスドミキサを2系統設け、入力信号X(t)を各系統に入力させ、各系統の出力を加減器により加減することによりLSB信号、USB信号を得るものである。ここで一方の系統のバランスドミキサにはコサイン波を入力させ、他方の系統のバランスドミキサにはサイン波を入力させる。そして各バランスドミキサに入力させるコサイン波、サイン波の周波数Ω、ωを適宜選定することにより、所望帯域のLSB信号、USB信号を得るようにする。
つまり、図5の周波数引き上げ型SSB変調器110、120に代えて、図16に示すような周波数引き上げ型SSB変調器を用いても本発明を実施することができる。この際、LSB信号を得るためのSSB変調器が、USB信号を得るためのSSB変調器での搬送波周波数に対して入力シンボルX(t)の基本周波数だけ高い搬送波周波数のLSB信号を得ることができるように、バランスドミキサに入力させるコサイン波、サイン波の周波数Ω、ωの値を適宜選定すればよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1よりもさらに周波数利用効率が向上する変調方式及び復調方式を提案する。
まず、本実施の形態の構成を説明する前に、実施の形態1での信号の配置の仕方と、本実施の形態での信号の配置の仕方を比較する。
図17A〜図17Cは、実施の形態1での信号の配置の仕方を示すものである。実施の形態1の変調装置100は、第2の周波数引き上げ型SSB変調器120によって図17Aに示すようなスペクトルのLSB信号を得ると共に、第1の周波数引き上げ型SSB変調器110によって図17Bに示すようなスペクトルのUSB信号を得、これらを結合することで図17Cに示すようなスペクトルの変調信号を得るものである。
これに対して、本実施の形態では、図18に示すようなスペクトルの変調信号(SSB多重化変調信号)を形成することを提案する。図18と図17Cを比較すると明らかなように、本実施の形態(図18)のような信号配置をとることにより、同一の周波数帯域で実施の形態1(図17C)の倍の信号を伝送することが可能となる。
すなわち、実施の形態1は、直交系I軸信号を周波数軸の実軸上のUSB(上側波帯)に配置すると共に、直交系Q軸信号を周波数軸上の虚軸(実軸からπ/2だけ遅延する系)上のLSB(下側波帯)に配置して、これらを2重化したSSBシステムということができる。
これに加えて、本実施の形態では、I軸上(実軸上)のLSB信号と、Q軸上(虚軸上)のLSB信号を新たに形成し、これらも多重化して伝送するようにする。
図19に、本実施の形態の変調装置400の構成を示す。変調装置400は、入力信号v(t)を、シリアル−パラレル変換器(S/P)401によって4本の並列信号に分流する。これらの4信号を、m(t)、m(t)、m(t)、m(t)、と呼ぶこととする。
信号m(t)は、ナイキストフィルタ402を通してLSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)410に入力される。LSB変調器410は、入力される信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加えた周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源412からの正弦波を乗算器413にて乗算する。また同時に信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器411に通した信号に、上記ω+ω/2なる周波数信号源412からの余弦波を乗算器414にて乗算する。次に加算器415にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω+ω/2とする周波数実軸上のLSB信号(LSB−I)が得られる。
信号m(t)は、シンボル周期Tの1/2の遅延を与える遅延器403及びナイキストフィルタ404を通してLSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)420に入力される。LSB変調器420は、半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加えた周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源422からの余弦波を乗算器424にて乗算する。また同時に半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器421に通した信号に、上記ω+ω/2なる周波数信号源422からの正弦波を乗算器423にて乗算する。次に加算器425にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω+ω/2とする周波数虚軸上のLSB信号(LSB−Q)が得られる。
信号m(t)は、シンボル周期Tの1/2の遅延を与える遅延器405及びナイキストフィルタ406を通してUSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)430に入力される。USB変調器430は、半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源432からの正弦波を乗算器433にて乗算する。また同時に半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器431に通した信号に、上記ω−ω/2なる周波数信号源432からの余弦波を乗算器434にて乗算する。次に加算器435にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω−ω/2とする周波数実軸上のUSB信号(USB−I)が得られる。
信号m(t)は、ナイキストフィルタ407を通してUSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)440に入力される。USB変調器440は、入力される信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源442からの余弦波を乗算器444にて乗算する。また同時に信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器441に通した信号に、上記ω−ω/2なる周波数信号源442からの正弦波を乗算器443にて乗算する。次に加算器445にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω−ω/2とする周波数虚軸上のUSB信号(USB−I)が得られる。
変調装置400は、LSB変調器410により得た周波数実軸上のLSB信号(LSB−I)と、LSB変調器420により得た周波数虚軸上のLSB信号(LSB−Q)とを加算器451で加算する。またUSB変調器430により得た周波数実軸上のUSB信号(USB−I)と、USB変調器440により得た周波数虚軸上のUSB信号(USB−Q)とを加算器452で加算する。さらに、加算器451と加算器452の加算出力を加算器453で加算することにより、最終的なSSB多重化変調信号を得る。
これにより、変調装置400においては、実施の形態1の変調装置100と比較して、周波数帯域幅を広げずに、さらに倍の信号伝送速度を実現することができるようになる。
ここでm(t)、m(t)、m(t)、m(t)の変調を式で示す。
LSB実軸側(LSB−I):
Figure 2005011223
LSB虚軸側(LSB−Q):
Figure 2005011223
USB実軸側(USB−I):
Figure 2005011223
USB虚軸側(USB−Q):
Figure 2005011223
これらを総合(結合)すると、変調出力すなわち加算器453からの出力は次式で与えられる。
Figure 2005011223
次に、本実施の形態の受信系について説明する。
図20に、本実施の形態の復調装置の構成例を示す。復調装置500は、2基の周波数引き下げ型復調器510、520を有する。復調装置500は、受信した変調信号をバンドパスフィルタ(BPF)501を介して2基の周波数引き下げ型復調器510、520に入力する。
周波数引き下げ型復調器510は、周波数信号源514と、乗算器511、512と、π/2移相器513とを有する。周波数引き下げ型復調器510は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加えた周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源514からの正弦波を乗算器511にて乗算する。また周波数信号源514からの余弦波を乗算器512にて乗算する。各乗算器511、512の出力は、ナイキストフィルタ(NFL)を通過することにより、信号m(t)、m(t)が復元される。
周波数引き下げ型復調器520は、周波数信号源524と、乗算器521、522と、π/2移相器523とを有する。周波数引き下げ型復調器520は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源524からの正弦波を乗算器521にて乗算する。また周波数信号源524からの余弦波を乗算器522にて乗算する。各乗算器521、522の出力は、ナイキストフィルタ(NFL)を通過することにより、信号m(t)、m(t)が復元される。
すなわち、復調装置500は、送信された信号にUSB、LSBそれぞれの搬送波周波数を乗算することで、変調前の元の信号m(t)、m(t)、m(t)、m(t)を復元する。
まずLSB上の情報m(t)を得るために、次式に示すようにcos(ω+ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まずm(t)の抽出について、次式に示すように式を展開する。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
次に干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。
つぎに干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域において周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第1項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、LSB上の情報m(t)を得るために、次式に示すようにsin(ω+ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まずm(t)の排除について次式に示すように式を展開する。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、m(t)の抽出を行う。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
こうしてm(t)の抽出を行うことができる。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域において周波数ωを搬送波とする上側SSBすなわちUSBである。すなわち周波数ωから上方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにより十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第2項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。
次に、USB上の情報m(t)を得るために、次式に示すようにcos(ω−ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まず干渉波となるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域の周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第1項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、抽出すべきm(t)について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
こうしてm(t)は抽出される。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、LSB上の情報m(t)を得るために、次式のようにsin(ω−ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まずm(t)の排除について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域において周波数ωを搬送波とする上側SSBすなわちUSBである。すなわち周波数ωから上方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにより十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第2項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、m(t)の排除について次式のように式を展開する。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする上側SSBすなわちUSBである。すなわち周波数ωから上方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにより十分に通過が阻止される。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、m(t)の抽出について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
こうしてm(t)の抽出を行うことができる。
以上を総合すれば、信号m(t)、m(t)、m(t)、m(t)を多重化したSSB信号群sSSB−QPSK=sLSB−Re(t)+sLSB−Im(t)+sUSB−Re(t)+sUSB−Im(t)に対して、信号m(t)の抽出においてはcos(ω+ω/2)tを乗算しLPFで高域不要成分を除去し、サンプリングタイムt=0で信号抽出することが可能である。
同様にして、信号m(t)に関しては、sin(ω+ω/2)tによる検波で、信号m(t)に関しては、cos(ω−ω/2)tによる検波で、信号m(t)に関しては、sin(ω−ω/2)tによる検波で、抽出することができる。
(実施の形態3)
実施の形態2において示した純アナログ的復調方式においては、ナイキストロールオフ率ならびにロールオフフィルタに拠るところが大であり、この方法では復調後の信号に干渉波成分の混入が皆無とは言えない面がある。
しかし、受信におけるスペクトルをみれば明らかなように、実施の形態2の変調方式はOFDMのスペクトル配置とまったく同様の位置に片側波帯を置いている。
この点に着目して、本発明の発明者らは、重なり合う隣接スペクトルを完全に除去することはフーリエ変換手段により可能であることを見出した。
本実施の形態では、実施の形態2におけるスペクトル配置でのモデルに対して実施の形態2の復調方式とは異なる復調方式を提案する。
図21に、本実施の形態の復調装置600の構成を示す。
復調装置600は、受信信号を帯域フィルタ(BPF)601に入力する。BPF601によって必要な帯域幅のみ通過させられた受信信号は、搬送周波数ωを発生する周波数信号源605と乗算器602、603とπ/2移相器604とからなる直交検波器に入る。
これにより、受信信号は、直交検波器によって下側波帯搬送波周波数で検波される。直交検波された信号は、ローパスフィルタ(LPF)606、607を介してアナログ−ディジタル変換器(A/D)608、609に入力される。
アナログ−ディジタル変換器(A/D)608、609によって量子化された信号は、高速フーリエ変換(FFT)回路610によってフーリエ変換された後、信号検出器(DET(DETector))611に入力される。そして信号検出器611によって元の信号m(t)、m(t)、m(t)、m(t)が検出される。
ここで低域通過フィルタ(LPF)607でベースバンド帯域に下ろされた信号のスペクトルを、図22B、図22Cに示した。図22A〜図22Cはcosine波の側の検波出力(乗算器603の出力)のスペクトル配置を示したものである。具体的には、LSBの搬送波周波数cosine波で検波した場合(乗算器603の出力)のベースバンドスペクトルとそのFFT出力を示すものである。実周波数面を水平面として、虚数周波数面(π/2遅れの世界)を垂直面で描いてある。なお図22AはLSBの搬送波周波数で検波した場合(乗算器603の出力)のベースバンドスペクトルを示し、図22BはそのFFT出力の概念を示し、図22Cはエイリアスを含む実際のFFT出力を示す。
上述したようにローパスフィルタ(LPF)607からの出力信号は、アナログ−ディジタル変換器(A/D)609により量子化された後に、FFT回路610に入力される。
このとき、アナログ−ディジタル変換器(A/D)609のオーバーサンプリング周波数を、ベースバンド全帯域幅の少なくとも2倍とする。通常のOFDMにおいては各サブキャリアの中心本数倍で済むところであるが、本方式ではナイキスト残留対称原理を生かすために少なくともその2倍の周波数でサンプリングを行う。本実施の形態では、4倍以上の速度でサンプリングを行うようになっている。図22A〜図22Cの例をとれば、4倍の速度でサンプリングを行っている。
この結果、FFT回路610からは、図22Bの位置にそれぞれの周波数に対応した信号振幅が得られるが、実際には離散化されているためにエイリアスが生成されて図22Cのような出力を得ることができる。
図22Cにおいて信号群AR1は、上側波帯実数部で変調された信号m(t)である。また信号群AR2は下側波帯実数部で変調された信号m(t)である。信号群AR3は信号群AR1と等しく、エイリアスと考えてよい。
すなわち、信号m(t)と信号m(t)は、両側波帯信号となり、スペクトルが重なり合うにも関わらず、FFTの持つマトリクス演算効果により分離される。さらにナイキスト残留対称原理により例えばロールオフ率0.5の場合は中心スペクトルの両隣のスペクトルも完全に自分の情報となる。
図23A〜図23Cはsine波の側の検波出力(乗算器602の出力)のスペクトル配置である。具体的には、LSBの搬送波周波数sine波で検波した場合(乗算器602の出力)のベースバンドスペクトルとそのFFT出力を示すものである。実周波数面を水平面として、虚数周波数面(π/2遅れの世界)を垂直面で描いてある。なお図23AはLSBの搬送波周波数sine波で検波した場合(乗算器602の出力)のベースバンドスペクトルを示し、図23BはそのFFT出力の概念を示し、図23Cはエイリアスを含む実際のFFT出力を示すものである。
上述したようにローパスフィルタ(LPF)606からの出力信号は、アナログ−ディジタル変換器(A/D)608により量子化された後に、FFT回路610に入力される。アナログ−ディジタル変換器(A/D)608においても、アナログ−ディジタル変換器(A/D)609と同様に、オーバーサンプリング周波数がベースバンド全帯域幅の少なくとも2倍に設定されている。
本実施の形態では、4倍以上のサンプリング周波数でサンプリングを行うようになっている。図23A〜図23Cにおいても、上述した図22A〜図22Cと同様に4倍の速度でサンプリングを行っている。
この結果、FFT回路610からは、図23Bの位置にそれぞれの周波数に対応した信号振幅が得られるが、実際には離散化されているためにエイリアスが生成されて図23Cのような出力を得ることができる。
図23Cにおいて信号群AR4は、上側波帯虚数部で変調された信号m(t)である。また信号群AR5は下側波帯実数部で変調された信号m(t)である。信号群AR6は信号群AR4と等しく、エイリアスと考えてよい。なお、直交検波部にてsine波により検波した場合には、図23B、図23Cは偶対称な信号となる。
ここでFFT回路610による信号の抽出について式で示す。
いま、対象とする信号は有限の制限された帯域内に収容されるものであるので、有限個(2M+1)の周波数成分でのみ構成されているものと見なせる。このときこのSSBの多重化された信号は、シンボル周期を共通に持つ周期Tの周期関数s(t)とすることができる。この周期関数s(t)を複素フーリエ級数で表現すると次式のようになる。
Figure 2005011223
さらに、s(t)の1周期TをN分割してサンプリングすると、次式のように離散化した表現となる。
Figure 2005011223
ここでω=2π/Tを代入すると、次式のように、ωの支配を受けない形になる。
Figure 2005011223
さらにフーリエ変換後のω幅当たりのスペクトル本数をnとすると、次式のように表せる。
Figure 2005011223
これはN元1次連立方程式を示すことが分かる。
この有限個の時間信号サンプル値のフーリエ変換を次式で定義する。
Figure 2005011223
これはマトリックスとして次式のように表わされる。
Figure 2005011223
このマトリックスは、次式に示すように、両辺にej2πkn/N(k=0,1,2,…,N−1)を掛けて合計することにより解くことができる。
Figure 2005011223
上式により、その解はn列目以外はすべて0となり、n列目は各項の指数部が0となる。したがってn列目の和はNsとなる。
ここでsすなわちs(n)は複素信号なので、次式で表す。
Figure 2005011223
このとき、s(n)のフーリエ変換S(k)は、(67)式より、次式のように表すことができる。
Figure 2005011223
ここでS(k)の実部をSre(k)、Sim(k)とすると、これらは次式のように表すことができる。
Figure 2005011223
この本方式はすべてSSBすなわち解析信号すなわち時間軸上で位相空間を正または負の一方向に回転するもので形成されている。とくにナイキスト残留対称原理に基づく信号による本方式は、ナイキスト帯域幅内では自信号の回転は確実に保障される。
この性質の利点を生かすために本方式では、信号検出器(DET)611によって、各搬送波周波数上の信号とUSBもしくはLSBの側の隣接周波数上の信号同士の論理積を取る。
図24は、信号検出器(DET)611のモデルを示す。信号検出器(DET)611は、それぞれ搬送波周波数の位置の出力データを中心に上下のデータとの論理を見ながら信号を判定する。同一の周波数上にはI軸側成分とQ軸側成分があり、直交検波から出力された段階では偶関数となる。図24の信号検出器(DET)611はこれを判定して干渉波側すなわち奇関数成分を分離排除する。
この原理を、本発明の変調信号の特性も含めて、さらに詳しく説明する。
上述したように図22Aは、本実施の形態の復調装置600が復調する変調信号を示すものである。具体的には、変調信号はSSB方式の4種類の信号からなり、図22Aは、これを複素周波数空間に配置した状態を示している。変調信号は、この状態で無線空間を伝送されて受信側に届く。
変調系でナイキストロールオフ率αを0にした場合には、USB側とLSB側のスペクトルが重なることはない。ナイキストロールオフ率αを1に近づけるほど、USBとLSBの広帯域成分が重なる。
復調装置600は、図22Aの信号を受けて、シンボル周期の1/4以上の短いサンプリング周期でサンプリングすることでこの信号を離散化する。
サンプリング周期をシンボル周期の1/4にした場合、この離散化されたデータをFFT回路610に通すと、図22Bに示すようにシンボル周波数の間を4等分した位置に周波数スペクトルを持つ出力が得られる。
この4等分のそれぞれの位置のスペクトルは、ナイキストロールオフ率αが0の場合には、低域側の2スペクトルはUSBのものとなり、一方、高域側の2スペクトルはLSBのものとなる。中間のスペクトルはゼロとなる。しかし、ナイキストロールオフ率αが0でない場合には、若干のクロストークが発生し、低域側のスペクトルの中にLSBの成分が入り込むと共に、高域側のスペクトルの中にUSBの成分が入り込む。
ただし、ナイキストの残留対称原理により、相手側に入り込んだスペクトルの量は、自スペクトル側の量を見て容易に推定できる。
信号検出器(DET)611は、この相手側に入り込んだスペクトル量を修正して除去することにより、干渉のないUSB信号とLSB信号を取り出すものである。同時に、信号検出器(DET)611は、それぞれ複素信号であるUSBとLSBを、実数部と虚数部に分離することにより、変調側において複素直交に独立に変調した情報信号を再び元に戻すことで、復調が完了させる。すなわち、信号検出器(DET)611は、複素SSB信号から実数成分と虚数成分を分離するものでもある。
図22Cに示したものは、サンプリングにおけるエイリアスの発生を利用する考え方を示したものである。受信側でベースバンド信号帯域まで落とした信号を、上述したようにシンボル周波数の1/4の周期でサンプリングすると、ベースバンド帯域内にスペクトルが生成されるが、同時に低域側にも高域側にもエイリアス成分が発生する。
最終的なベースバンド信号に戻す際にFFT出力の示す周波数成分のみの情報で行う方法以外に、このエイリアスを利用してSSBをDSB(Double Side Band)信号にすることにより直接に元のシンボル信号を再生することが可能である。
DSB信号は、中心周波数を軸として低域側と高域側に対称となる信号を必要とするが、図22Bには、帯域制限されたサンプリングでのサンプリング結果しかないので、DSB化することはできない。ここで、サンプリングにおけるエイリアス効果は、USB搬送波とLSB搬送波の間に得られるスペクトル成分を周波数軸上に上下に並行移動してコピーすることで、USB搬送波よりも低域側と、LSB搬送波よりも高域側に、それぞれの搬送波を軸とした上下対称のスペクトル成分を得ることができる。この状態がDSBであり、すなわち元の情報信号成分そのものである。
図24は、このエイリアスを用いてDSB信号化するための信号検出器(DET)611のモデルを示したものである。帯域制限された受信信号からは、限られたスペクトルしか得られないが、並行移動する(エイリアスを利用する)ことでDSB化した信号群が得られることを示している。
図24において、P1、P2はそれぞれLSBとUSBの実軸側の情報を取り出すDSBブロック611aを示したものである。P3はP1のエイリアスであることを示している。FFT出力の上端もしくは下端の信号がP1、P3の一部の信号で重複できることを示したものである。したがってP1の出力の代わりにP3の出力を用いても同一の結果となる。
同様に、虚軸側の情報を取り出すDSBブロック611bをQ1、Q2、Q3で示している。Q1とQ3の一部の入力信号が重複していることは、P1、P3の説明で述べた理由と同一である。虚軸側の情報は、したがってQ1、もしくはQ3がLSBに相当するDSBで、Q2がUSBに相当するDSBとなる。
以上から、通常のOFDM復調回路に見られるFFTを若干強化したシステムによりOFDMに比較して2倍の情報量を受信復調できることが分かる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されずに、種々変更して実施することができる。
以上説明したように本発明によれば、簡単な回路構成で、従来の直交変調方式が必要とする周波数帯域幅の範囲内で、従来の直交変調方式と比較して信号伝送速度を格段に向上し得る変調装置を実現できると共に、その変調装置からの変調信号を良好に復調できる復調装置を実現できる。
本明細書は、2003年7月25日出願の特願2003−280519、2003年11月12日出願の特願2003−382324及び2004年4月19日出願の特願2004−151056に基づく。その内容はすべてここに含めておく。
本発明は、無線通信における周波数利用率の向上を図る新たな変調方式に関わるものであり、例えば限られた周波数帯域で高速信号伝送が要求される移動通信や無線LAN(Local Area Network)等に用いられる無線通信機器に広く適用し得る。
本発明は、SSB(Single Side Band)技術を用いた変調装置、復調装置、変調方法及び復調方法に関する。
近年、情報処理技術の普及といわゆるIT(Information Technology)化社会の急速な進展により、情報通信の拡大と要求は目覚しいものがある。社会と社会の間は当然のことながら、さらには個人と社会をつなぐ通信インフラについても、無線化と高速化が望まれている。こうした移動通信に対する一層の需要は、豊富な周波数資源をも枯渇させてしまう。
現在、周波数利用効率の向上を図るために研究されている主たる対象は、MIMO(MultiInput Multi Output)に代表されるように無線伝搬に関わる技術の向上である。しかしながら、自由空間とりわけ屋外環境の空間において所望の無線通信路を確保することは様々な困難がある。特に端末が高速で移動するような状況ではなおさらである。多重化は更に困難を極める。
これを考慮すると、まず確実な改良をベースバンドで確立すべきであると考えられる。ベースバンドでの改良については、これまでにも先駆者がASK、PSK、QAM、CDMA、そしてOFDMなど新しい方式を開発し続けてきた。このように本質的な解決方法としては、ベースバンドにおける変調効率の向上が切望されるところである。
先ず、信号速度を2倍にした際の信号密度を考えると、図1Bに示すようになる。なお図1Aは1軸上のナイキスト信号波形を示しており、シンボル周期T毎にナイキスト信号1波が配置される。図1Bはシンボル周期T内にナイキスト信号を2波収容した場合を示しており、伝送速度は2倍となる。しかし、図1Bのように単純にシンボル周期T内にナイキスト信号を2波収容すると、図1Aで示した場合と比較して、周波数帯域が2倍に広がってしまうので好ましくない。
従来、SSB(Single Side Band)方式は、受信系のキャリア再生に工夫を要する以外は、伝搬環境の変化にも強いことが知られている。SSB方式を適用することで、ビット誤り率特性を向上させる技術が、例えば特許文献1に記載されている。
図2A、図2B及び図2Cに、上記文献に記載されている原理を示す。図2Aに示すような基本となるI軸信号とQ軸信号をSSB化することにより、図2Bに示すようなSSB化されたI軸信号とSSB化されたQ軸信号を得、これを結合することで図2Cに示すようなSSB−QPSK信号を形成する。
この処理は、具体的には、図3に示すような回路構成により実現される。先ず同相データ信号X(n)及び直交データ信号Y(n)に対してそれぞれ補間器1、2によってゼロを補間する。補間器1の出力は、遅延回路3を介して信号結合器7に送出されると共にヒルベルトフィルタ4によりヒルベルト変換を施された後に信号結合器8に送出される。また補間器2の出力は、ヒルベルトフィルタ5によりヒルベルト変換を施された後に信号結合器7に送出されると共に遅延回路6を介して信号結合器8に送出される。信号結合器7の出力はパルス整形フィルタ9を介してミキサ11に与えられ、信号結合器8の出力はパルス整形フィルタ10を介してミキサ12に与えられる。ミキサ11ではパルス整形フィルタ9の出力信号によってコサイン搬送波cos(ωt)が変調され、ミキサ12ではパルス整形フィルタ10の出力信号によってサイン搬送波sin(ωt)が変調される。そしてミキサ11、12からのIチャネルRF信号及びQチャネルRF信号が信号結合器13によって結合されることにより、SSB−QPSK信号Z(t)が得られる。このように上記文献に記載された構成によれば、SSB化を図るためにI軸信号とQ軸信号のそれぞれのヒルベルト変換成分を生成し、これらを直交変調する。
これにより、上記文献によれば、従来のI軸信号とQ軸信号が一方的にコサイン乗算とサイン乗算に決めつけられていた欠点を、SSB化により解消し、伝送特性を改良することができる。これにより、上記文献には、SSB−QPSKは理論的に、QPSKやSSBと等しい周波数利用効率をもちながら(例:2bps/Hz)、レイリーフェージング路ではQPSKやSSBよりも等化不完全性に対して耐性があり、さらにSSB−QPSKの包絡線変化はQPSKよりも6dB少ないことが示されている、と記載されている。
特開平11−239189号公報
しかしながら、上記文献に記載されている技術は、SSB方式を適用することで、ビット誤り率特性を向上させるための技術であり、根本的には、限られた周波数帯域で従来に比して格段に多くの信号伝送を可能とするものではない。
本発明の目的は、限られた周波数帯域で従来の変調方式と比較して信号伝送速度を格段に向上し得る変調装置、復調装置、変調方法及び復調方法を提供することである。
かかる課題を解決するため本発明は、第1の入力シンボルをSSB変調してUSB信号を得る第1の周波数引き上げ型SSB変調器と、第2の入力シンボルをSSB変調してLSB信号を得る第2の周波数引き上げ型SSB変調器と、前記USB信号と前記LSB信号を結合する結合器と、を具備し、前記第2の周波数引き上げ型SSB変調器によって、前記第1の周波数引き上げ型SSB変調器で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行う。
本発明によれば、簡単な回路構成で、従来の直交変調方式が必要とする周波数帯域幅の範囲内で、従来の直交変調方式と比較して信号伝送速度を格段に向上し得る変調装置を実現できると共に、その変調装置からの変調信号を良好に復調できる復調装置を実現できる。
本発明の概要は、従来の直交変調の2倍(実施の形態1)又は4倍(実施の形態2)の高速のシンボル速度の情報信号を変調するものである。通常、このような操作を行うと、必要となる周波数帯域幅は2倍又は4倍となる。本発明は、送信信号を多重SSB化することにより元の周波数帯域幅内に収容するものである。さらにこのような変調信号に対する復調方式を提案する。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図4A〜図4Dに、本発明の変調方式の概念を示す。図4Aは従来の基本的なQPSK方式によるI軸とQ軸のスペクトルを示したものである。この従来のQPSKのもつ伝送速度を2倍に向上させるためには、図4Bのように周波数帯域幅BWを2倍にしなければならない。それでは周波数利用効率は改善されない。そこで、本実施の形態では、I軸信号とQ軸信号をSSB化させることによりそれぞれの側帯波幅を元の側帯波の2倍である全周波数帯域幅BWに拡張し(図4C)、さらに同一周波数上に多重化する(図4D)ことにより、2倍の伝送速度を可能にしながらも与えられた周波数帯域幅のままでの通信を実現する。すなわち上記従来技術で説明したSSB−QPSKに比して伝送速度を2倍とすることができる。
図5に、図4A〜図4Dに示した本実施の形態の概念を実現するための構成を示す。図5に示す実施の形態の変調装置100において、送信される信号f(t)はシリアル−パラレル変換器(S/P)101によって2系統の並列信号とされる。従来の信号速度に比して2倍とすることが可能となることから、この信号群をBit1,3とBit2,4と名づける。この2系統の信号は各々ナイキストフィルタ(NFL)102、103によってナイキスト信号とされる。
ナイキストフィルタ102から出力されたナイキスト信号は周波数引き上げ型SSB変調器110に入力されると共に、ナイキストフィルタ103から出力されたナイキスト信号は周波数引き上げ型SSB変調器120に入力される。周波数引き上げ型SSB変調器110は、周波数信号源112と乗算器113、114からなる直交変調部と、ヒルベルト変換器111とを有する。また周波数引き上げ型SSB変調器120は、周波数信号源122と乗算器123、124からなる直交変調部と、ヒルベルト変換器121とを有する。
周波数引き上げ型SSB変調器110に入力される信号Bit1,3のナイキスト信号は、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源112からの余弦波が乗算器113にて乗算される。また同時に信号Bit1,3のナイキスト信号をヒルベルト変換器111に通した信号に、上記ω−ω/2なる周波数信号源112からの正弦波が乗算器114にて乗算される。次に加算器115にてこの2つの出力の和をとることにより、信号Bit1,3を載せ搬送周波数をω−ω/2とする上側SSB信号(USB信号)が得られる。
一方、周波数引き上げ型SSB変調器120に入力される信号Bit2,4のナイキスト信号は、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加算した周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源122からの余弦波が乗算器124にて乗算される。また同時に信号Bit2,4のナイキスト信号をヒルベルト変換器121に通した信号に、上記ω+ω/2なる周波数信号源122からの正弦波が乗算器123にて乗算される。次に加算器125にてこの2つの出力の和をとることにより、信号Bit2,4を載せ搬送周波数をω+ω/2とする下側SSB信号(LSB信号)が得られる。
そして周波数引き上げ型SSB変調器110から出力されるUSB信号(図6A)と、周波数引き上げ型SSB変調器120から出力されるLSB信号(図6B)を、信号結合器130にて結合することにより、図6Cに示すようなSSB多重化変調信号が得られる。
このように本実施の形態においては、LSB信号を得るための周波数引き上げ型SSB変調器120は、USB信号を得るための周波数引き上げ型SSB変調器110で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行う。これにより、LSB信号とUSB信号を同一周波数帯域に多重することができる。
ここで本実施の形態の理解のために、図7に示すような一般的な位相偏移型SSB変調器について説明する。ここで図8A〜図8Fに、図7の位相偏移型SSB変調器200の動作をスペクトルで示す。変調信号関数として、次式のような複素解析関数をとるならばSSB信号を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで(1)式においてu’(t)は入力信号u(t)のヒルベルト変換を表す。
次式のように、図7の上側回路(遅延回路201、バランスドミキサ202)では入力信号u(t)を搬送波cosωtと乗算し、下側回路(ヒルベルト変換器203、バランスドミキサ204)では入力信号u(t)のヒルベルト変換後の信号u’(t)を搬送波sinωtと乗算する。
Figure 2005011223
図8Aは、入力信号u(t)を偶関数Veven(t)と奇関数Vodd(t)の合成で示した場合のスペクトルを示したものである。図8Bは、入力信号u(t)のヒルベルト変換出力を入力信号u(t)の成分である偶関数成分Veven(t)と奇関数成分Vodd(t)で表したものである。図8Cは入力信号u(t)にcosωtを乗算したものを示し、図8Dは入力信号u(t)のヒルベルト変換したu’(t)にsinωtを乗算したものを示したものである。この結果を、次式に示すように合成(ここでは減算)する。
Figure 2005011223
(3)式の結果からも明らかなように、変調されるべき信号f(t)は搬送周波数ωによる解析信号ejω1tの上に乗り、負周波数領域で対をなす搬送周波数−ωによる解析信号e−jω1tの上に乗る信号はf(t)と共役のf(t)となる。すなわち、スペクトルは周波数軸上で正負対称(線対称)となりSSBとなることが証明される。図8Eは両者の差を表し、USB(上側側波帯SSB)となっていることを示しており、図8Fは両者の和を表し、LSB(下側側波帯SSB)となっていることを示している。
ここで図8Eは図8C−図8Dで得られるUSBを示し、図8Fは図8C+図8Dで得られるLSBを示す。また図8A〜図8Fでは、図9Aに示すような三角形の記号で偶関数成分を表し、図9Bに示すような弧状の記号で奇関数成分を表すものとする。
次に、本実施の形態において必要とする同一周波数上に重畳可能なUSB、LSBの生成について示す。
まず搬送波周波数ωでのSSB信号SSSB(t)は以下のようになる。但しここでは、変調される元の信号をm(t)とし、m(t)から生成される解析信号をf(t)で表す。f(t)はf(t)と複素共役の信号とする。これをm(t)で表現したものをf(t)に対してはm(t)とし、f(t)に対してはm(t)と表す。解析信号は、ヒルベルト変換をH[]で表すとき、m(t)が正則ならば、
f(t)=m(t)=m(t)+jH[m(t)]、およびf(t)=m(t)=m(t)−jH[m(t)]で定義される。また、一般にH[m(t)]=−jm(t)が成り立つ。
これにより、前述のSSBの定義によりUSB信号は、次式で表される。
Figure 2005011223
次にUSBに直交するLSB信号について図6Cを用いて説明する。図6Cは、SSB−QPSK方式の複素周波数領域における概念図を示し、USBが実平面内、LSBが虚軸平面内に配置されている。同じ帯域の中にUSBとLSBを直交配置するためには、一方を虚数軸空間に置かなければならない。図6CではUSBを実軸に、LSBを虚数軸に置いている。虚数軸空間への置き方は、虚数ここではjを乗算することで可能にする。また、USBに対して解析信号の位相空間での回転方向を逆にすることから、変調周波数のejω1t、e−jω1tと解析信号f(t)、f(t)の組み合わせをUSBと逆にする必要がある。したがって具現化する数式は、次式となる。
Figure 2005011223
次に上記の式を用いて、USBとLSBを同一周波数帯域に重ねるために、USBをω/2だけ周波数を下げ、LSBをω/2だけ周波数を上げる。このとき、USB信号は、次式で表される。
Figure 2005011223
またLSB信号は、次式で表される。
Figure 2005011223
ここで、直交化SSBの信号の2入力をm(t)、m(t)とすると、それぞれの解析信号m1+(t)、m1−(t)、m2+(t)、m2−(t)は、次式のように表すことができる。
Figure 2005011223
そしてm(t)、m(t)をUSB,LSBとする直交化SSB信号SSSB−QPSK(t)は次式のように表される。
Figure 2005011223
この式を具現化する回路構成例が、図5に示したものである。USB,LSBそれぞれの数式の最後の結果を見れば、本実施の形態の変調系の構成を示す図5と完全に一致していることが理解できる。
上述したように本実施の形態によれば、簡易な構成により、従来の直交変調方式が必要とする周波数帯域幅の範囲内で従来の伝送速度の2倍の伝送速度を得る変調方式を得ることができる。
次に、上述のように本実施の形態の変調方式により形成された変調信号を復調する本実施の形態の復調方式について説明する。
先ず、その原理について説明する。SSB信号は同期的に復調できる。例えばUSB信号とcosωtとの乗算はそのスペクトルを±ω移動したものになる。この信号を低域フィルタに通すと、必要なベースバンド信号が得られる。これはLSB信号についても同様である。SSB信号の時間領域表現を求めるために、信号f(t)の解析信号(Pre−envelope(前包絡線))の概念を使う。
図10A〜図10Eに、図8Eに示すUSB信号と図8Fに示すLSB信号からなるSSB受信信号を復調する場合における、各処理でのスペクトル配置を示す。ここで図10A〜図10Eでは、図8A〜図8Fと同様に、図9Aに示すような三角形の記号で偶関数成分を表し、図9Bに示すような弧状の記号で奇関数成分を表すものとする。
SSB信号を受信すると、受信系において以下の数式で示すような動作を行うようにする。まず図10Aに示すUSB信号に対して、次式に示すようにcosωtを乗算する。
Figure 2005011223
これにより、その結果を示す図10Bからも明らかなように、搬送波周波数の2倍に達する高周波成分とベースバンド成分が生成される。
次に搬送波周波数の2倍に達する±2ωの成分をLPFで除去すると、次式のようになり、送信信号が復調される(図10E)。
Figure 2005011223
なお、(11)において、矢印「→」はフィルタを通すことを示す。すなわち、矢印「→」の後の数式は、フィルタ通過後の信号を示す。これは、後述する他の式においても同様である。
LSB信号についても同様に、送信信号(図10C)にsinωtを乗算することにより、図10Dに示すようにUSB信号の場合と同様に搬送波周波数の2倍に達する高周波成分とベースバンド成分を生成する。そしてここでもLPFで高域成分を除去する。これにより、図10Eで示すように、送信信号が復調される。これらの処理を数式で表すと、次式のようになる。
Figure 2005011223
図11に、本実施の形態の復調装置の構成例を示す。復調装置300は、2基の周波数引き下げ型復調器310、320を有する。復調装置300は、受信した変調信号をバンドパスフィルタ(BPF)301を介して2基の周波数引き下げ型復調器310、320に入力する。
周波数引き下げ型復調器310は、周波数信号源313と乗算器311からなる復調器を有する。周波数引き下げ型復調器310は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源313からの余弦波を乗算器311にて乗算する。その出力がナイキストフィルタ(NFL)330を通過することにより、元の信号Bit1,3が得られる。
周波数引き下げ型復調器320は、周波数信号源322と乗算器321からなる復調器とを有する。周波数引き下げ型SSB復調器320は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加算した周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源322からの余弦波を乗算器321にて乗算する。その出力がナイキストフィルタ(NFL)331を通過することにより、元の信号Bit2,4が得られる。
なお、本実施の形態を通して記述するナイキストフィルタは、ナイキスト特性を送受で総合的に得るために、厳密にはルートナイキストロールオフフィルタと定義されるものである。
次に、2系統の信号Bit1,3と信号Bit2,4がパラレル−シリアル変換器(P/S)332に入力されることにより、P/S332から受信データf(t)が出力される。
次に数式を用いて、図11の復調装置300を用いれば、USB信号とLSB信号とが直交多重化されてなる図6Cに示すような受信信号(すなわち変調装置100からの送信信号)から、それぞれの信号を抽出できる理由を説明する。
復調装置300では、先ず、USB上の情報m(t)を得るために周波数引き下げ型SSB復調器310により、次式に示すように、cos(ω−ω/2)tを乗じる。
Figure 2005011223
この出力をLPF314を通すことにより、次式で示される信号を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで、信号m(t)、m(t)はナイキスト波であることを用いる。すなわち、
(t)=(−1)sinωt/ωt、m(t)(−1)sinωt/ωt (m,nは整数)を代入すると、次式を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで、シンボル点を示すt=0の値を見ると、次式、
Figure 2005011223
となり、m(t)を抽出できる。
同様に、USB上の情報m(t)を得るために周波数引き下げ型SSB復調器310により、次式に示すように、sin(ω/2)tを乗じる。
Figure 2005011223
この出力をLPF315を通すことにより、次式で示される信号を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで、信号m(t)、m(t)はナイキスト波であることを用いる。すなわち、
(t)=(−1)sinωt/ωt、m(t)(−1)sinωt/ωt (m,nは整数)を代入すると、次式を得ることができる。
Figure 2005011223
ここで、シンボル点を示すt=0の値を見ると、次式、
Figure 2005011223
となり、m(t)を抽出できる。
なお、一般にはLPFの代わりにルートナイキストロールオフフィルタを用いる。この場合には、送信系のナイキストフィルタは同じくルートナイキストロールオフフィルタとする。
ここで参考として、図12に、送信側で用いるヒルベルト変換器の具体的構成例として、IIR型のディジタルヒルベルトフィルタを示す。ヒルベルト変換の原理について簡単に説明する。スペクトルM(ω)=M(ω)u(ω)とM(ω)=M(ω)u(−ω)の逆フーリエ変換をm(t)とm(t)とするとき、2m(t)をm(t)の解析信号と呼ぶ。|M(ω)|と|M(ω)|はそれぞれωの偶関数ではないから、m(t)とm(t)は複素信号である。さらにM(ω)とM(ω)は共役であるから、m(t)とm(t)も共役である。ここでm(t)はm(t)のヒルベルト変換であり、次式で表される。
Figure 2005011223
かくして本実施の形態においては、第1及び第2の周波数引き上げ型SSB変調器110、120を設け、SSB変調器110、120の搬送周波数をシンボル速度の逆数(すなわち入力シンボルの基本周波数)に相当する周波数だけ差をもつようにし、かつ高い搬送周波数に設定したSSB変調器120からLSB信号を得ると共に低い搬送周波数に設定したSSB変調器110からUSB信号を得、このLSB信号とUSB出力の和を変調出力とする構成を採る。これにより、I軸信号とQ軸信号をSSB化させることによりそれぞれの側帯波幅を元の側帯波の2倍である元の両側波帯BW1にまで拡張し(図4C)、さらにLSB信号を形成する際にUSB信号を形成する際に用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調するので、LSB信号とUSB信号を同一周波数上に多重化することができ(図4D)、2倍の伝送速度を可能にしながらも与えられた周波数帯域幅のままの変調信号を得ることができる。この結果、従来の直交変調方式が必要とする周波数帯域幅の範囲内で、従来の直交変調方式のもつ信号伝送速度の2倍の伝送速度を達成できる変調装置100を実現できる。
また第1及び第2の周波数引き下げ型復調器310、320を設け、復調器310の搬送周波数をシンボル速度の逆数(すなわち送信シンボルの基本周波数)に相当する周波数だけ差をもつようにし、かつ高い搬送周波数に設定した復調器320からLSB信号を得ると共に低い搬送波周波数に設定した復調器310からUSB信号を得るようにしたことにより、USB信号とLSB信号とが直交多重化されてなる受信信号から、それぞれの信号を抽出できる復調装置を実現できる。
これにより、周波数利用効率を2倍に高めることができ、例えば利用ユーザー数を2倍程度に高める効果や、既存の周波数割当の中で伝送速度を2倍にする効果を得ることができる。
図13、図14及び図15に、本実施の形態の変調装置100及び復調装置300を用いた場合のシミュレーション結果を示す。本発明の目的は周波数利用効率の改善にある。したがって第1に確認すべきことは帯域幅が確実に目的を満たすか否かにある。図13はI−Q軸の一方を構成するSSB出力で、下側帯幅(LSB)である。−3dB帯域幅が0.5Hzであることが分かる。また−50dB減衰までの帯域幅が1Hzに抑えられる。図14はI,QそれぞれからのUSBとLSBを同一の帯域に重ねたもので、1Hzの帯域に入っていることが確認できる。
次に確認すべきことは、本発明での提案方式の通信品質が16QAMより優れていることである。図15は、AWGN(Additive White Gaussian Noise)環境下でのBER(Bit Error Rate)対S/N(SN比)を示すものである。図15からも明らかなように、本実施の形態の変調装置100、復調装置300を用いれば、QPSKとほぼ同等のBERを得ることができ、同等の伝送速度をもつ16QAMに対しては10−2点でも4dB以上のS/N特性を得ることができる。
なおこの実施の形態では、周波数引き上げ型のSSB変調器として、図5に示すようなヒルベルト変換部を有するSSB変調器110、120を用いて本発明の変調方法を実施する場合について説明したが、本発明を実施するためのSSB変調器の構成はこれに限らない。
要は、第1の入力信号をSSB変調してUSB信号を得る第1の周波数引き上げ型SSB変調器と、第2の入力信号をSSB変調してLSB信号を得る第2の周波数引き上げ型SSB変調器とを用意し、第2の周波数引き上げ型SSB変調器によって、第1の周波数引き上げ型SSB変調器で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行うようにすればよい。
同様に、この実施の形態では、周波数引き下げ型復調器として、図11に示すような復調器310、320を用いて本発明の復調方法を実施する場合について説明したが、本発明を実施するための復調器の構成はこれに限らない。
要は、入力した変調信号を復調して第1の復調信号を得る第1の周波数引き下げ型復調器と、入力した変調信号を復調して第2の復調信号を得る第2の周波数引き下げ型復調器とを用意し、第2の周波数引き下げ型復調器によって、第1の周波数引き下げ型復調器で用いる搬送波周波数に対して送信シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いて復調を行うようにすればよい。
周波数引き上げ型SSB変調器としては、従来種々のものが提案され実用化されているが、その一例として図16に示すようなものがある。図16のSSB変調器は、バランスドミキサ、ローパスフィルタ、バランスドミキサを2系統設け、入力信号X(t)を各系統に入力させ、各系統の出力を加減器により加減することによりLSB信号、USB信号を得るものである。ここで一方の系統のバランスドミキサにはコサイン波を入力させ、他方の系統のバランスドミキサにはサイン波を入力させる。そして各バランスドミキサに入力させるコサイン波、サイン波の周波数Ω、ωを適宜選定することにより、所望帯域のLSB信号、USB信号を得るようにする。
つまり、図5の周波数引き上げ型SSB変調器110、120に代えて、図16に示すような周波数引き上げ型SSB変調器を用いても本発明を実施することができる。この際、LSB信号を得るためのSSB変調器が、USB信号を得るためのSSB変調器での搬送波周波数に対して入力シンボルX(t)の基本周波数だけ高い搬送波周波数のLSB信号を得ることができるように、バランスドミキサに入力させるコサイン波、サイン波の周波数Ω、ωの値を適宜選定すればよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1よりもさらに周波数利用効率が向上する変調方式及び復調方式を提案する。
まず、本実施の形態の構成を説明する前に、実施の形態1での信号の配置の仕方と、本実施の形態での信号の配置の仕方を比較する。
図17A〜図17Cは、実施の形態1での信号の配置の仕方を示すものである。実施の形態1の変調装置100は、第2の周波数引き上げ型SSB変調器120によって図17Aに示すようなスペクトルのLSB信号を得ると共に、第1の周波数引き上げ型SSB変調器110によって図17Bに示すようなスペクトルのUSB信号を得、これらを結合することで図17Cに示すようなスペクトルの変調信号を得るものである。
これに対して、本実施の形態では、図18に示すようなスペクトルの変調信号(SSB多重化変調信号)を形成することを提案する。図18と図17Cを比較すると明らかなように、本実施の形態(図18)のような信号配置をとることにより、同一の周波数帯域で実施の形態1(図17C)の倍の信号を伝送することが可能となる。
すなわち、実施の形態1は、直交系I軸信号を周波数軸の実軸上のUSB(上側波帯)に配置すると共に、直交系Q軸信号を周波数軸上の虚軸(実軸からπ/2だけ遅延する系)上のLSB(下側波帯)に配置して、これらを2重化したSSBシステムということができる。
これに加えて、本実施の形態では、I軸上(実軸上)のLSB信号と、Q軸上(虚軸上)のLSB信号を新たに形成し、これらも多重化して伝送するようにする。
図19に、本実施の形態の変調装置400の構成を示す。変調装置400は、入力信号v(t)を、シリアル−パラレル変換器(S/P)401によって4本の並列信号に分流する。これらの4信号を、m(t)、m(t)、m(t)、m(t)、と呼ぶこととする。
信号m(t)は、ナイキストフィルタ402を通してLSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)410に入力される。LSB変調器410は、入力される信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加えた周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源412からの正弦波を乗算器413にて乗算する。また同時に信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器411に通した信号に、上記ω+ω/2なる周波数信号源412からの余弦波を乗算器414にて乗算する。次に加算器415にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω+ω/2とする周波数実軸上のLSB信号(LSB−I)が得られる。
信号m(t)は、シンボル周期Tの1/2の遅延を与える遅延器403及びナイキストフィルタ404を通してLSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)420に入力される。LSB変調器420は、半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加えた周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源422からの余弦波を乗算器424にて乗算する。また同時に半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器421に通した信号に、上記ω+ω/2なる周波数信号源422からの正弦波を乗算器423にて乗算する。次に加算器425にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω+ω/2とする周波数虚軸上のLSB信号(LSB−Q)が得られる。
信号m(t)は、シンボル周期Tの1/2の遅延を与える遅延器405及びナイキストフィルタ406を通してUSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)430に入力される。USB変調器430は、半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源432からの正弦波を乗算器433にて乗算する。また同時に半シンボル周期分だけ遅延された信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器431に通した信号に、上記ω−ω/2なる周波数信号源432からの余弦波を乗算器434にて乗算する。次に加算器435にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω−ω/2とする周波数実軸上のUSB信号(USB−I)が得られる。
信号m(t)は、ナイキストフィルタ407を通してUSB変調器(周波数引き上げ型SSB変調器)440に入力される。USB変調器440は、入力される信号m(t)のナイキスト信号に、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源442からの余弦波を乗算器444にて乗算する。また同時に信号m(t)のナイキスト信号をヒルベルト変換器441に通した信号に、上記ω−ω/2なる周波数信号源442からの正弦波を乗算器443にて乗算する。次に加算器445にてこの2つの出力の和をとることにより、信号m(t)を載せ搬送周波数をω−ω/2とする周波数虚軸上のUSB信号(USB−I)が得られる。
変調装置400は、LSB変調器410により得た周波数実軸上のLSB信号(LSB−I)と、LSB変調器420により得た周波数虚軸上のLSB信号(LSB−Q)とを加算器451で加算する。またUSB変調器430により得た周波数実軸上のUSB信号(USB−I)と、USB変調器440により得た周波数虚軸上のUSB信号(USB−Q)とを加算器452で加算する。さらに、加算器451と加算器452の加算出力を加算器453で加算することにより、最終的なSSB多重化変調信号を得る。
これにより、変調装置400においては、実施の形態1の変調装置100と比較して、周波数帯域幅を広げずに、さらに倍の信号伝送速度を実現することができるようになる。
ここでm(t)、m(t)、m(t)、m(t)の変調を式で示す。
LSB実軸側(LSB−I):
Figure 2005011223
LSB虚軸側(LSB−Q):
Figure 2005011223
USB実軸側(USB−I):
Figure 2005011223
USB虚軸側(USB−Q):
Figure 2005011223
これらを総合(結合)すると、変調出力すなわち加算器453からの出力は次式で与えられる。
Figure 2005011223
次に、本実施の形態の受信系について説明する。
図20に、本実施の形態の復調装置の構成例を示す。復調装置500は、2基の周波数引き下げ型復調器510、520を有する。復調装置500は、受信した変調信号をバンドパスフィルタ(BPF)501を介して2基の周波数引き下げ型復調器510、520に入力する。
周波数引き下げ型復調器510は、周波数信号源514と、乗算器511、512と、π/2移相器513とを有する。周波数引き下げ型復調器510は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を加えた周波数ω+ω/2を持つ周波数信号源514からの正弦波を乗算器511にて乗算する。また周波数信号源514からの余弦波を乗算器512にて乗算する。各乗算器511、512の出力は、ナイキストフィルタ(NFL)を通過することにより、信号m(t)、m(t)が復元される。
周波数引き下げ型復調器520は、周波数信号源524と、乗算器521、522と、π/2移相器523とを有する。周波数引き下げ型復調器520は、入力信号に対して、搬送周波数ωにシンボル周波数ωの1/2を減じた周波数ω−ω/2を持つ周波数信号源524からの正弦波を乗算器521にて乗算する。また周波数信号源524からの余弦波を乗算器522にて乗算する。各乗算器521、522の出力は、ナイキストフィルタ(NFL)を通過することにより、信号m(t)、m(t)が復元される。
すなわち、復調装置500は、送信された信号にUSB、LSBそれぞれの搬送波周波数を乗算することで、変調前の元の信号m(t)、m(t)、m(t)、m(t)を復元する。
まずLSB上の情報m(t)を得るために、次式に示すようにcos(ω+ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まずm(t)の抽出について、次式に示すように式を展開する。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
次に干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。
つぎに干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域において周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第1項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、LSB上の情報m(t)を得るために、次式に示すようにsin(ω+ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まずm(t)の排除について次式に示すように式を展開する。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、m(t)の抽出を行う。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
こうしてm(t)の抽出を行うことができる。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域において周波数ωを搬送波とする上側SSBすなわちUSBである。すなわち周波数ωから上方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにより十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第2項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。
次に、USB上の情報m(t)を得るために、次式に示すようにcos(ω−ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まず干渉波となるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域の周波数ωを搬送波とする下側SSBすなわちLSBである。すなわち周波数ωから下方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにおける0から上方に向けてナイキスト特性を有するフィルタに対してはω/2以上で激しい減衰がなされる。とくにロールオフ率を0にした場合にはナイキストフィルタを通過することはできない。また、一般に実施されているように、ロールオフ率を0にするまでもなく、後段に強固な誤り訂正機能を持たせることでナイキスト帯域幅よりも狭くする通信が多いので、本方式においてもこれを準用することにより信号m(t)は十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第1項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、抽出すべきm(t)について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
こうしてm(t)は抽出される。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、LSB上の情報m(t)を得るために、次式のようにsin(ω−ω/2)tを乗算する。
Figure 2005011223
まずm(t)の排除について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は虚数領域において周波数ωを搬送波とする上側SSBすなわちUSBである。すなわち周波数ωから上方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにより十分に通過が阻止される。同時にm(t)のサンプリングスロットt=0においては第2項のH[m(t)]/2が0となるので第1項も第2項も0である。
次に、m(t)の排除について次式のように式を展開する。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号は周波数ωを搬送波とする上側SSBすなわちUSBである。すなわち周波数ωから上方に向けてナイキスト特性で減衰するスペクトルを有する。したがって次に設けてあるナイキストフィルタにより十分に通過が阻止される。
次に、干渉波の一つとなるm(t)の除去について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
この信号はm(t)と直交するのでm(t)のサンプリングスロットt=0においては0である。
次に、m(t)の抽出について述べる。
Figure 2005011223
ここでLPFを通すことで次式を得る。
Figure 2005011223
こうしてm(t)の抽出を行うことができる。
以上を総合すれば、信号m(t)、m(t)、m(t)、m(t)を多重化したSSB信号群SSSB−QPSK=SLSB−Re(t)+SLSB−Im(t)+SUSB−Re(t)+SUSB−Im(t)に対して、信号m(t)の抽出においてはcos(ω+ω/2)tを乗算しLPFで高域不要成分を除去し、サンプリングタイムt=0で信号抽出することが可能である。
同様にして、信号m(t)に関しては、sin(ω+ω/2)tによる検波で、信号m(t)に関しては、cos(ω−ω/2)tによる検波で、信号m(t)に関しては、sin(ω−ω/2)tによる検波で、抽出することができる。
(実施の形態3)
実施の形態2において示した純アナログ的復調方式においては、ナイキストロールオフ率ならびにロールオフフィルタに拠るところが大であり、この方法では復調後の信号に干渉波成分の混入が皆無とは言えない面がある。
しかし、受信におけるスペクトルをみれば明らかなように、実施の形態2の変調方式はOFDMのスペクトル配置とまったく同様の位置に片側波帯を置いている。
この点に着目して、本発明の発明者らは、重なり合う隣接スペクトルを完全に除去することはフーリエ変換手段により可能であることを見出した。
本実施の形態では、実施の形態2におけるスペクトル配置でのモデルに対して実施の形態2の復調方式とは異なる復調方式を提案する。
図21に、本実施の形態の復調装置600の構成を示す。
復調装置600は、受信信号を帯域フィルタ(BPF)601に入力する。BPF601によって必要な帯域幅のみ通過させられた受信信号は、搬送周波数ωを発生する周波数信号源605と乗算器602、603とπ/2移相器604とからなる直交検波器に入る。
これにより、受信信号は、直交検波器によって下側波帯搬送波周波数で検波される。直交検波された信号は、ローパスフィルタ(LPF)606、607を介してアナログ−ディジタル変換器(A/D)608、609に入力される。
アナログ−ディジタル変換器(A/D)608、609によって量子化された信号は、高速フーリエ変換(FFT)回路610によってフーリエ変換された後、信号検出器(DET(DETector))611に入力される。そして信号検出器611によって元の信号m(t)、m(t)、m(t)、m(t)が検出される。
ここで低域通過フィルタ(LPF)607でベースバンド帯域に下ろされた信号のスペクトルを、図22B、図22Cに示した。図22A〜図22Cはcosine波の側の検波出力(乗算器603の出力)のスペクトル配置を示したものである。具体的には、LSBの搬送波周波数cosine波で検波した場合(乗算器603の出力)のベースバンドスペクトルとそのFFT出力を示すものである。実周波数面を水平面として、虚数周波数面(π/2遅れの世界)を垂直面で描いてある。なお図22AはLSBの搬送波周波数で検波した場合(乗算器603の出力)のベースバンドスペクトルを示し、図22BはそのFFT出力の概念を示し、図22Cはエイリアスを含む実際のFFT出力を示す。
上述したようにローパスフィルタ(LPF)607からの出力信号は、アナログ−ディジタル変換器(A/D)609により量子化された後に、FFT回路610に入力される。
このとき、アナログ−ディジタル変換器(A/D)609のオーバーサンプリング周波数を、ベースバンド全帯域幅の少なくとも2倍とする。通常のOFDMにおいては各サブキャリアの中心本数倍で済むところであるが、本方式ではナイキスト残留対称原理を生かすために少なくともその2倍の周波数でサンプリングを行う。本実施の形態では、4倍以上の速度でサンプリングを行うようになっている。図22A〜図22Cの例をとれば、4倍の速度でサンプリングを行っている。
この結果、FFT回路610からは、図22Bの位置にそれぞれの周波数に対応した信号振幅が得られるが、実際には離散化されているためにエイリアスが生成されて図22Cのような出力を得ることができる。
図22Cにおいて信号群AR1は、上側波帯実数部で変調された信号m(t)である。また信号群AR2は下側波帯実数部で変調された信号m(t)である。信号群AR3は信号群AR1と等しく、エイリアスと考えてよい。
すなわち、信号m(t)と信号m(t)は、両側波帯信号となり、スペクトルが重なり合うにも関わらず、FFTの持つマトリクス演算効果により分離される。さらにナイキスト残留対称原理により例えばロールオフ率0.5の場合は中心スペクトルの両隣のスペクトルも完全に自分の情報となる。
図23A〜図23Cはsine波の側の検波出力(乗算器602の出力)のスペクトル配置である。具体的には、LSBの搬送波周波数sine波で検波した場合(乗算器602の出力)のベースバンドスペクトルとそのFFT出力を示すものである。実周波数面を水平面として、虚数周波数面(π/2遅れの世界)を垂直面で描いてある。なお図23AはLSBの搬送波周波数sine波で検波した場合(乗算器602の出力)のベースバンドスペクトルを示し、図23BはそのFFT出力の概念を示し、図23Cはエイリアスを含む実際のFFT出力を示すものである。
上述したようにローパスフィルタ(LPF)606からの出力信号は、アナログ−ディジタル変換器(A/D)608により量子化された後に、FFT回路610に入力される。アナログ−ディジタル変換器(A/D)608においても、アナログ−ディジタル変換器(A/D)609と同様に、オーバーサンプリング周波数がベースバンド全帯域幅の少なくとも2倍に設定されている。
本実施の形態では、4倍以上のサンプリング周波数でサンプリングを行うようになっている。図23A〜図23Cにおいても、上述した図22A〜図22Cと同様に4倍の速度でサンプリングを行っている。
この結果、FFT回路610からは、図23Bの位置にそれぞれの周波数に対応した信号振幅が得られるが、実際には離散化されているためにエイリアスが生成されて図23Cのような出力を得ることができる。
図23Cにおいて信号群AR4は、上側波帯虚数部で変調された信号m(t)である。また信号群AR5は下側波帯実数部で変調された信号m(t)である。信号群AR6は信号群AR4と等しく、エイリアスと考えてよい。なお、直交検波部にてsine波により検波した場合には、図23B、図23Cは偶対称な信号となる。
ここでFFT回路610による信号の抽出について式で示す。
いま、対象とする信号は有限の制限された帯域内に収容されるものであるので、有限個(2M+1)の周波数成分でのみ構成されているものと見なせる。このときこのSSBの多重化された信号は、シンボル周期を共通に持つ周期Tの周期関数s(t)とすることができる。この周期関数s(t)を複素フーリエ級数で表現すると次式のようになる。
Figure 2005011223
さらに、s(t)の1周期TをN分割してサンプリングすると、次式のように離散化した表現となる。
Figure 2005011223
ここでω=2π/Tを代入すると、次式のように、ωの支配を受けない形になる。
Figure 2005011223
さらにフーリエ変換後のω幅当たりのスペクトル本数をnとすると、次式のように表せる。
Figure 2005011223
これはN元1次連立方程式を示すことが分かる。
この有限個の時間信号サンプル値のフーリエ変換を次式で定義する。
Figure 2005011223
これはマトリックスとして次式のように表わされる。
Figure 2005011223
このマトリックスは、次式に示すように、両辺にej2πkn/N(k=0,1,2,…,N−1)を掛けて合計することにより解くことができる。
Figure 2005011223
上式により、その解はn列目以外はすべて0となり、n列目は各項の指数部が0となる。したがってn列目の和はNsとなる。
ここでsすなわちs(n)は複素信号なので、次式で表す。
Figure 2005011223
このとき、s(n)のフーリエ変換S(k)は、(67)式より、次式のように表すことができる。
Figure 2005011223
ここでS(k)の実部をSre(k)、Sim(k)とすると、これらは次式のように表すことができる。
Figure 2005011223
Figure 2005011223
この本方式はすべてSSBすなわち解析信号すなわち時間軸上で位相空間を正または負の一方向に回転するもので形成されている。とくにナイキスト残留対称原理に基づく信号による本方式は、ナイキスト帯域幅内では自信号の回転は確実に保障される。
この性質の利点を生かすために本方式では、信号検出器(DET)611によって、各搬送波周波数上の信号とUSBもしくはLSBの側の隣接周波数上の信号同士の論理積を取る。
図24は、信号検出器(DET)611のモデルを示す。信号検出器(DET)611は、それぞれ搬送波周波数の位置の出力データを中心に上下のデータとの論理を見ながら信号を判定する。同一の周波数上にはI軸側成分とQ軸側成分があり、直交検波から出力された段階では偶関数となる。図24の信号検出器(DET)611はこれを判定して干渉波側すなわち奇関数成分を分離排除する。
この原理を、本発明の変調信号の特性も含めて、さらに詳しく説明する。
上述したように図22Aは、本実施の形態の復調装置600が復調する変調信号を示すものである。具体的には、変調信号はSSB方式の4種類の信号からなり、図22Aは、これを複素周波数空間に配置した状態を示している。変調信号は、この状態で無線空間を伝送されて受信側に届く。
変調系でナイキストロールオフ率αを0にした場合には、USB側とLSB側のスペクトルが重なることはない。ナイキストロールオフ率αを1に近づけるほど、USBとLSBの広帯域成分が重なる。
復調装置600は、図22Aの信号を受けて、シンボル周期の1/4以上の短いサンプリング周期でサンプリングすることでこの信号を離散化する。
サンプリング周期をシンボル周期の1/4にした場合、この離散化されたデータをFFT回路610に通すと、図22Bに示すようにシンボル周波数の間を4等分した位置に周波数スペクトルを持つ出力が得られる。
この4等分のそれぞれの位置のスペクトルは、ナイキストロールオフ率αが0の場合には、低域側の2スペクトルはUSBのものとなり、一方、高域側の2スペクトルはLSBのものとなる。中間のスペクトルはゼロとなる。しかし、ナイキストロールオフ率αが0でない場合には、若干のクロストークが発生し、低域側のスペクトルの中にLSBの成分が入り込むと共に、高域側のスペクトルの中にUSBの成分が入り込む。
ただし、ナイキストの残留対称原理により、相手側に入り込んだスペクトルの量は、自スペクトル側の量を見て容易に推定できる。
信号検出器(DET)611は、この相手側に入り込んだスペクトル量を修正して除去することにより、干渉のないUSB信号とLSB信号を取り出すものである。同時に、信号検出器(DET)611は、それぞれ複素信号であるUSBとLSBを、実数部と虚数部に分離することにより、変調側において複素直交に独立に変調した情報信号を再び元に戻すことで、復調が完了させる。すなわち、信号検出器(DET)611は、複素SSB信号から実数成分と虚数成分を分離するものでもある。
図22Cに示したものは、サンプリングにおけるエイリアスの発生を利用する考え方を示したものである。受信側でベースバンド信号帯域まで落とした信号を、上述したようにシンボル周波数の1/4の周期でサンプリングすると、ベースバンド帯域内にスペクトルが生成されるが、同時に低域側にも高域側にもエイリアス成分が発生する。
最終的なベースバンド信号に戻す際にFFT出力の示す周波数成分のみの情報で行う方法以外に、このエイリアスを利用してSSBをDSB(Double Side Band)信号にすることにより直接に元のシンボル信号を再生することが可能である。
DSB信号は、中心周波数を軸として低域側と高域側に対称となる信号を必要とするが、図22Bには、帯域制限されたサンプリングでのサンプリング結果しかないので、DSB化することはできない。ここで、サンプリングにおけるエイリアス効果は、USB搬送波とLSB搬送波の間に得られるスペクトル成分を周波数軸上に上下に並行移動してコピーすることで、USB搬送波よりも低域側と、LSB搬送波よりも高域側に、それぞれの搬送波を軸とした上下対称のスペクトル成分を得ることができる。この状態がDSBであり、すなわち元の情報信号成分そのものである。
図24は、このエイリアスを用いてDSB信号化するための信号検出器(DET)611のモデルを示したものである。帯域制限された受信信号からは、限られたスペクトルしか得られないが、並行移動する(エイリアスを利用する)ことでDSB化した信号群が得られることを示している。
図24において、P1、P2はそれぞれLSBとUSBの実軸側の情報を取り出すDSBブロック611aを示したものである。P3はP1のエイリアスであることを示している。FFT出力の上端もしくは下端の信号がP1、P3の一部の信号で重複できることを示したものである。したがってP1の出力の代わりにP3の出力を用いても同一の結果となる。
同様に、虚軸側の情報を取り出すDSBブロック611bをQ1、Q2、Q3で示している。Q1とQ3の一部の入力信号が重複していることは、P1、P3の説明で述べた理由と同一である。虚軸側の情報は、したがってQ1、もしくはQ3がLSBに相当するDSBで、Q2がUSBに相当するDSBとなる。
以上から、通常のOFDM復調回路に見られるFFTを若干強化したシステムによりOFDMに比較して2倍の情報量を受信復調できることが分かる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されずに、種々変更して実施することができる。
本明細書は、2003年7月25日出願の特願2003−280519、2003年11月12日出願の特願2003−382324及び2004年4月19日出願の特願2004−151056に基づく。その内容はすべてここに含めておく。
本発明は、無線通信における周波数利用率の向上を図る新たな変調方式に関わるものであり、例えば限られた周波数帯域で高速信号伝送が要求される移動通信や無線LAN(Local Area Network)等に用いられる無線通信機器に広く適用し得る。
図1Aはシンボル周期に1波のナイキスト信号を配置した状態を示す図、図1Bはシンボル周期に2波のナイキスト信号を配置した状態を示す図 図2AはSSB化の元となるI軸信号とQ軸信号を示す図、図2BはSSB化されたI軸信号とQ軸信号を示す図、図2CはSSB−QPSK信号を示す図 従来の変調装置の構成を示すブロック図 図4Aは一般的なQPSK信号のI軸信号とQ軸信号のスペクトルを示す図、図4Bは信号伝送速度を2倍にしたときの周波数帯域幅の広がりを示す図、図4Cは実施の形態でのI軸信号とQ軸信号のSSB化を示す図、図4Dは実施の形態でのSSB化信号の多重化の様子を示す図 実施の形態1の変調装置の構成を示すブロック図 図6Aは実施の形態の変調装置により得られるUSB信号の様子を示す図、図6Bは実施の形態の変調装置により得られるLSB信号の様子を示す図、図6Cは実施の形態の変調装置により得られるSSB多重化変調信号の様子を示す図 位相偏移型SSB変調器の構成を示すブロック図 図8Aは入力信号u(t)を偶関数Veven(t)と奇関数Vodd(t)の合成で示した場合のスペクトルを示す図、図8Bは入力信号u(t)のヒルベルト変換出力を入力信号u(t)の成分である偶関数成分Veven(t)と奇関数成分Vodd(t)で表した図、図8Cは入力信号u(t)にcosωtを乗算したものを示す図、図8Dは入力信号u(t)をヒルベルト変換したu’(t)にsinωtを乗算したものを示す図、図8Eは図8Cに示した信号と図8Dに示した信号の差を示す図、図8Fは図8Cに示した信号と図8Dに示した信号の和を示す図 図9Aは偶関数成分を示す図、図9Bは奇関数成分を示す図 図10AはUSB信号を示す図、図10BはUSB信号にcosωtを乗算したものを示す図、図10CはLSB信号を示す図、図10DはLSB信号にsinωtを乗算したものを示す図、図10Eはローパスフィルタ出力(復調信号)を示す図 実施の形態1の復調装置の構成を示すブロック図 IIR型のディジタルヒルベルトフィルタの構成例を示すブロック図 帯域幅確認のためのLSB信号のシミュレーション結果を示す図 帯域幅確認のためのUSB信号とLSB信号との合成信号のシミュレーション結果を示す図 通信品質確認のためのBER対S/Nのシミュレーション結果を示す図 SSB変調器の他の構成例を示すブロック図 図17Aは実施の形態1により得られるLSB信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図、図17Bは実施の形態1により得られるUSB信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図、図17Cは実施の形態1により得られるSSB多重化変調信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図 実施の形態2により形成するSSB多重化変調信号の周波数複素空間上のスペクトルを示す図 実施の形態2の変調装置の構成を示すブロック図 実施の形態2の復調装置の構成を示すブロック図 実施の形態3の復調装置の構成を示すブロック図 図22AはLSBの搬送波周波数cosine波で検波した場合のベースバンドスペクトルを示す図、図22BはFFT出力の概念を示す図、図22Cはエイリアスを含む実際のFFT出力を示す図 図23AはLSBの搬送波周波数sine波で検波した場合のベースバンドスペクトルを示す図、図23BはFFT出力の概念を示す図、図23Cはエイリアスを含む実際のFFT出力を示す図 DET(detector)の原理構成を示す図

Claims (5)

  1. 第1の入力シンボルをSSB変調してUSB信号を得る第1の周波数引き上げ型SSB変調器と、
    第2の入力シンボルをSSB変調してLSB信号を得る第2の周波数引き上げ型SSB変調器と、
    前記USB信号と前記LSB信号を結合する結合器と、
    を具備し、前記第2の周波数引き上げ型SSB変調器は、前記第1の周波数引き上げ型SSB変調器で用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行う
    ことを特徴とする変調装置。
  2. 入力した変調信号を所定の搬送波周波数の余弦波で復調して第1の復調信号を得る第1の周波数引き下げ型復調器と、
    入力した変調信号を前記第1の周波数引き下げ型復調器で用いた搬送波周波数よりもシンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数の正弦波で復調して第2の復調信号を得る第2の周波数引き下げ型復調器と
    を具備することを特徴とする復調装置。
  3. 入力した変調信号を所定の搬送波周波数で直交検波することにより第1及び第2の検波信号を得る検波器と、
    前記第1及び第2の検波信号を、当該検波信号の全帯域幅の4倍以上のオーバーサンプリング周波数で量子化するアナログ−ディジタル変換器と、
    量子化された前記第1及び第2の検波信号をフーリエ変換するFFT回路と、
    前記FFT回路の出力信号に基づき、各搬送波周波数上の信号と、USB又はLSBの側の隣接周波数上の信号同士を用いて、変調前の信号を検出する信号検出器と
    を具備する復調装置。
  4. 第1の入力シンボルをSSB変調してUSB信号を得るUSB信号形成ステップと、
    第2の入力シンボルをSSB変調してLSB信号を得るLSB信号形成ステップと、
    前記USB信号と前記LSB信号を結合するステップと、
    を含み、前記LSB信号形成ステップでは、前記USB信号形成ステップで用いる搬送波周波数に対して入力シンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数を用いてSSB変調を行う
    ことを特徴とする変調方法。
  5. 変調信号を所定の搬送波周波数の余弦波で復調して第1の復調信号を得る第1の復調ステップと、
    変調信号を前記第1の復調ステップでの搬送波周波数よりもシンボルの基本周波数だけ高い搬送波周波数の正弦波で復調して第2の復調信号を得る第2の復調ステップと
    を含むことを特徴とする復調方法。
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