JP4786583B2 - Ssb信号形成方法及び無線送信装置 - Google Patents

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本発明は、SSB(Single Side Band)信号形成方法及び送信信号をSSB化して送信する送信装置に関する。
従来、送信信号の狭帯域化技術として、SSB技術がある。SSBはアナログ通信全盛の時代に盛んに検討されており、代表的な方式としてはWeaver−SSB方式が挙げられる。一方、ディジタル分野での代表的な方式として、RZ−SSB方式、SSB−QPSK方式(Mujtaba方式)等が挙げられる。Mujtaba方式については、例えば非特許文献1や非特許文献2で紹介されている。
ディジタルSSB技術において、ヒルベルト変換は大変重要である。ここではその基礎について説明する。
(1)ヒルベルト変換
連続時間信号x(t)のフーリエ変換をX(ω)とするとき、周波数領域におけるX(ω)のヒルベルト変換H[X(ω)]は、次式により表される。
Figure 0004786583
一方、時間領域x(t)のヒルベルト変換H[x(t)]は、H[X(ω)]の逆フーリエ変換として定義され、次式により表される。なお、次式において、F−1は逆フーリエ変換を表し、*は畳み込み演算を表すものとする。
Figure 0004786583
X(ω)とH[x(ω)]は位相の変化があるのみなので、x(t)とH[x(t)]のパワースペクトル及び自己相関関数は等しくなる。また、x(t)とH[x(t)]は、次式の関係が成り立つ。
Figure 0004786583
つまり、H[x(t)]とx(t)の複素共役x(t)は互いに直交する。
次に、ヒルベルト変換によって連続時間信号のスペクトルが変化する様子を図的に説明する。今、x(t)が図13Aに示される通り、実軸領域のみの周波数成分にて構成される連続時間信号である場合を考える。これに対するヒルベルト変換H[x(t)]は、式(1)に示される通り、正の周波数成分に−jを、負の周波数成分に+jを乗じることになる。そのため、H[x(t)]のスペクトルは、図13Bに示される通り、虚軸領域のみの周波数成分が、原点を中心とした点対称配置されたかたちとなる。さらにこのH[x(t)]に対してヒルベルト変換を施すと、図13Cに示される通り、スペクトルは実軸領域のみに現れる。ここで、ヒルベルト変換においては式(1)からもわかる通り、コーシーの定理が適用されるため、変換の過程においてエネルギーは常に一定に保たれる。従って、次式が成り立つ。
Figure 0004786583
これを時間領域で考えると次式となる。
Figure 0004786583
図13Cの信号に対してさらにヒルベルト変換を行うと−H[x(t)]が得られ(図13D)、もう一度行うと元の系列x(t)に戻る。
(2)USB・LSB生成方法
上述したヒルベルト変換の性質を利用して、USB(Upper Side Band:上側波帯)及びLSB(Lower Side Band:下側波帯)を生成する方法を示す。上述したのと同様、実軸領域のみの周波数成分にて構成される送信データ系列x(t)を考える。x(t)を改めてスペクトル表記すると図14Aに示す通りとなる。これに対するヒルベルト変換は、図13Bにも示したが、jを乗じると、スペクトル全体が+90°回転することになるので、図14Bに示すようなスペクトルが得られる。
両者をコヒーレント加算した系列は次式の通りとなる。
Figure 0004786583
式(6)を図示すると、図14Cに示す通りとなる。すなわち、実軸領域のみの上側波帯成分で構成されたUSB信号が得られる。これを時間軸上で表記すると次式の通りとなる。
Figure 0004786583
虚数軸成分のみのUSB信号SUSBim(t)、実軸成分のみのLSB信号SLSBre(t)及び虚数軸成分のみのLSB信号SLSBim(t)も同様の手法で生成される。具体的には、虚数軸成分のみのUSB信号SUSBim(t)の形成過程は図15A、図15B及び図15Cに示す通りであり、その結果は式(8)で表される。また、実軸成分のみのLSB信号SLSBre(t)の形成過程は図16A、図16B及び図16Cに示す通りであり、その結果は式(9)で表される。また、虚数軸成分のみのLSB信号SLSBim(t)の形成過程は図17A、図17B及び図17Cに示す通りであり、その結果は式(10)で表される。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
Figure 0004786583
上述したUSB及びLSBの生成手法を踏まえると、例えば通常のDSB(Double SideBand)−QPSK変調波をSSB化(USBのみ)すると、その変調波は、次式のように表される。
Figure 0004786583
ここで、u(t)はQPSKにおける実数成分を、ν(t)は虚数成分を、それぞれ表している。
Syed Aon Mujtaba, "A Novel Scheme for Transmitting QPSK as a Single-Sideband Signal", IEEE Globalcomm. pp.592-597, 1998 Syed Aon Mujtaba, "Performance Analysis of Coded SSB-QPSK in Mobile Radio Channels", IEEE Globalcomm. pp.112-117, 1998
ところで、上述した式(11)からもわかる通り、QPSK等の直交変調波をSSB化すると、ペアブランチ(実数成分からみた虚数成分、または虚数成分からみた実数成分)のヒルベルト変換成分が多重されるため、このままでは復調することができない。
具体的には、単純にUSB同士、又はLSB同士を直交多重すると、USB同士もしくはLSB同士で干渉が発生する。つまり、これらの信号を通常の直交検波で復調すると、ペアブランチのヒルベルト変換成分が一次結合されているため、受信性能が大幅に劣化する。
そのため、ヒルベルト変換成分を除去する何らかの手段を講じなければならない。しかしながら、USB同士を直交多重した場合、ヒルベルト変換成分を除去することはできない。なぜならば、変調信号の同相成分と直交成分が互いにヒルベルトの関係にあるためである。
従って、USB同士又はLSB同士をそれぞれ直交多重する場合、ペアブランチのヒルベルト変換成分を除去する何らかの手段が必要となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ディジタル信号をSSB化することで送信信号を狭帯域化して、無線通信の周波数利用効率を改善するにあたって、受信性能の劣化を抑制し得るSSB信号形成方法及び無線送信装置を提供することを目的とする。
本発明のSSB信号形成方法の一つの態様は、OVSF系列のコードのうち、偶系列群又は奇系列群のいずれか一方の群に属するコードのみを用いて送信信号を拡散し、拡散後の送信信号から、USB信号の実数成分及び虚数成分、又は、LSB信号の実数成分及び虚数成分を形成し、前記USB信号同士又は前記LSB信号同士を多重化する。
また、本発明のSSB信号形成方法の一つの態様は、M系列のコードのうち、2サンプル以上巡回シフトした系列群に属するコードを用いて送信信号を拡散し、拡散後の送信信号から、USB信号の実数成分及び虚数成分、又は、LSB信号の実数成分及び虚数成分を形成し、前記USB信号同士又は前記LSB信号同士を多重化する。
また、本発明の無線送信装置の一つの態様は、OVSF系列のコードのうち、偶系列群又は奇系列群のいずれか一方の群に属するコードのみを用いて送信信号を拡散する拡散部と、ヒルベルト変換器を有し、前記拡散部によって拡散された送信信号から、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分を形成し、前記USB信号同士、又は前記LSB信号同士を直交多重するSSB化・多重化部と、を具備する構成を採る。
さらに、本発明の無線送信装置の一つの態様は、M系列のコードのうち、2サンプル以上巡回シフトした系列群に属するコードを用いて、送信信号を拡散する拡散部と、ヒルベルト変換器を有し、前記拡散部によって拡散された送信信号から、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分を形成し、前記USB信号同士、又は前記LSB信号同士を直交多重するSSB化・多重化部と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、ヒルベルト変換前の全ての拡散コード間、ヒルベルト変換後の全ての拡散コード間、及び、ヒルベルト変換前とヒルベルト変換後の全てのコード間で、直交性を維持できるようになるので、USB同士もしくはLSB同士の干渉を防ぐことができる。この結果、拡散された信号を受信側で正しく復調できるようになる。つまり、送信信号を、SSB化及びコード多重して伝送することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(1)全体構成
先ず、実施の形態の全体構成について説明する。以下の全体構成は、式(3)に示されるように、連続時間信号x(t)をヒルベルト変換した信号H[x(t)]と、x(t)の複素共役x(t)とが、直交関係にあることに着目し、送信側で送信信号をヒルベルト変換するにあたって拡散処理を併用すれば、受信側で逆拡散を行うことでヒルベルト変換成分を除去できるといった考えに基づくものある。
図1の送信装置100は、まず、データ生成部101で生成した送信データを直並列変換部(S/P変換部)102で直並列変換する。送信装置100は、直並列変換した送信系列x(t)及びy(t)を拡散部103に送出する。
拡散部103は、拡散コード生成部104で生成した拡散コードc(t)を乗算器105、106にて、送信系列x(t)及びy(t)にそれぞれ乗じることにより、スペクトル拡散を行う。このように拡散部103は、送信系列x(t)及びy(t)を同一の拡散コードc(t)で拡散するようになっている。
なお、コード多重を行う場合には、送信データを、S/P変換部102にて、x(t)、y(t)をそれぞれ複数系統のデータに分流し、拡散部103にて、分流された各x(t)〜x(t)、y(t)〜y(t)を複数の拡散コードc〜cを用いてコード多重(mコード多重)すればよい。この場合の、好適な拡散コードの選定の仕方については、後述する。
送信装置100は、スペクトル拡散処理後の各送信系列を、オーバーサンプリング部107、108によってオーバーサンプリングした後、ルートナイキストフィルタ109、110に入力する。ルートナイキストフィルタ109、110はフィルタリング出力u(t)、ν(t)をSSB化・多重化部111に送出する。
SSB化・多重化部111は、ヒルベルト変換器113、114を有し、入力した2系統の信号から、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分を形成し、形成したUSB信号同士、又は形成したLSB信号同士を直交多重するようになっている。
具体的には、SSB化・多重化部111は、ルートナイキストフィルタ109のフィルタリング出力u(t)を遅延器112及びヒルベルト変換器113に入力し、ルートナイキストフィルタ110のフィルタリング出力ν(t)をヒルベルト変換器114及び遅延器115に入力する。ヒルベルト変換器113、114は、タップ係数1/πtのFIRフィルタ等より構成されている(式(2)参照)。
遅延器112の出力は乗算器118に、ヒルベルト変換器113の出力は乗算器119に、ヒルベルト変換器114の出力は乗算器120に、遅延器115の出力は乗算器121にそれぞれ送出される。また、乗算器118、120にはキャリア周波数信号発生器116で発生されたキャリア周波数信号(cosωt)が入力され、乗算器119、121には移相器117によって90°だけ位相がシフトされたキャリア周波数信号(sinωt)が入力される。これにより、乗算器118、120では遅延器112、ヒルベルト変換器120の出力にキャリア周波数信号が乗算され、乗算器119、121ではヒルベルト変換器113、遅延器115の出力に90°位相のずれたキャリア周波数信号が乗算される。
加算器122では、乗算器118から乗算器119の出力が減算される。加算器123では、乗算器121の出力と乗算器120の出力が加算される。さらに、加算器124では、加算器122と加算器123の出力が加算され、これによりUSB信号同士、又はLSB信号同士が直交多重されたSSB変調波SSSB−QPSK(t)が得られる。
図2に、送信装置100から送信されたSSB変調波SSSB−QPSK(t)を受信復調する受信装置の構成を示す。受信装置200は、SSB変調波SSSB−QPSK(t)を直交検波部201に入力する。直交検波部201は、SSB変調波SSSB−QPSK(t)にcosωt又はsinωtを乗じて受信信号SSSB−QPSK(t)の同相成分及び直交成分を出力する。受信装置200は、直交検波部201から出力された信号をローパスフィルタ(LPF)202、203を通過させることで、信号系列u(t)及びν(t)を得る。
受信装置200は、以上のようにして得たu(t)及びν(t)を、それぞれルートナイキストフィルタ204、205及びダウンサンプリング部206、207を介して逆拡散部208に入力する。
逆拡散部208は、拡散コード生成部211で生成した拡散コードc(t)を乗算器209、210にて各系列の信号に乗じ、乗算結果を積分器212、213にて積分処理することにより、スペクトル逆拡散処理を行う。このように逆拡散部208は、受信信号の同相成分及び直交成分を、同一の拡散コードで逆拡散するようになっている。なお、当然、拡散コードc(t)は送信側で用いた拡散コードと同一のものである。
また、送信側でコード多重を行った場合には、拡散コード生成部211において、送信側で用いた複数の拡散コード群と同一の拡散コードを生成し、積分器212において、各拡散コードを用いて逆拡散された信号毎に積分処理を行うようにすればよい。
受信装置200は、積分処理後の信号を閾値判定部214、215に入力し、閾値判定部214、215によって硬判定処理を行うことにより、受信データ系列x(t)及びy(t)を得る。受信データ系列x(t)及びy(t)は、パラレルシリアル変換部(P/S変換部)216によって1系統のデータ系列とされる。
次に、一次変調方式をQPSKとした場合の本実施の形態の送信装置100及び受信装置200の動作について説明する。
まず、送信装置100の変調動作について説明する。図1に示すように、S/P変換後の送信データ系列をそれぞれx(t)及びy(t)、拡散系列を時間関数c(t)とする。当然のことながら、c(t)は拡散系列のチップ長をT[sec]、拡散系列長をLとすると、周期LT[sec]の周期関数となる。拡散部103は、送信データ系列に、この拡散系列を乗じることにより、スペクトル拡散を行う。すなわち、拡散部103は、次式で示される信号を形成する。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
但し、x(t)、y(t)は、次式を充たすものである。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
送信装置100は、拡散後の信号を、SSB化・多重化部111にて、SSB化し直交多重することで、上述した式(11)と同様の系列を得る。すなわち、送信装置100は、次式で表されるSSB変調信号を得る。
Figure 0004786583
次に、受信装置200の復調動作について説明する。受信装置200は、基本的に通常のスペクトル逆拡散処理を行う回路と同様の回路構成である。ここで、受信側におけるダウンサンプリング後の同相成分をI(t)、直交成分をQ(t)とすると、I(t)、Q(t)は次式で表すことができる。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
このI(t)及びQ(t)は、後段の逆拡散部208にて、拡散系列を乗じられた後、積分処理される。今、式(17)に着目すると、右辺第一項の成分からはスペクトル逆拡散によって元信号系列x(t)が得られることは明らかである。従って、右辺第二項がスペクトル逆拡散によって抑圧されれば、x(t)のみが得られることになる。すなわち、c(t)とH[c(t)y(t)]が直交していればよいことになる。ここで、y(t)は式(5)より、両者の直交性には何ら影響しないことがわかる。従って、c(t)とH[c(t)]の直交性を証明すればよい。
ここで、拡散系列c(t)は、OVSF(Orthogonal Variable Spreading Factor)系列や、M系列等に代表されるスカラ系列である。すなわち、次式が成り立つ。
Figure 0004786583
ここで、系列c(t)の複素共役系列c(t)とヒルベルト変換系列H[c(t)]の直交性については、式(3)にて証明した通りである。従って、式(3)及び式(19)より、c(t)とH[c(t)]が直交していることがわかる。
改めてI(t)及びQ(t)の逆拡散処理について説明する。今、時刻t=0における送信データ系列をx(0)及びy(0)とし、時刻t=0〜LT[sec]の区間で拡散系列c(m=0,1,2,…、L−1)によってスペクトル拡散されているとする。受信側で拡散系列cによりスペクトル逆拡散を行うと、次式
Figure 0004786583
Figure 0004786583
となり、元信号x(0)及びy(0)が復調できる。
以上説明したように、同一の拡散コードc(t)を用いて第1の送信信号x(t)と第2の送信信号y(t)とをそれぞれ拡散する拡散部103と、ヒルベルト変換器113、114を有し、拡散部103によって拡散された第1及び第2の送信信号から、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分を形成し、USB信号同士、又はLSB信号同士を直交多重するSSB化・多重化部111とを設けたことにより、受信側で、直交検波後の信号を逆拡散するだけで、ヒルベルト変換成分を除去できるようになり、ディジタル信号をSSB化することで送信信号を狭帯域化して、無線通信の周波数利用効率を改善するにあたって、受信性能の劣化を抑制できるようになる。
(2)コード多重の方法
次に、コード多重について考える。
通常のDS/SS(Direct Sequence Spread Spectrum)における搬送波は、次式で示される。
Figure 0004786583
一方、本発明に係る搬送波は、次式で示される。
Figure 0004786583
すなわち、上述したSpread−SSB方式は、1コード伝送においても実際には2コード多重(拡散系列cとそのヒルベルト変換成分H[c]の多重)とみなすことができる。
なお、式(23)のcu(t)、cν(t)のみ復調するのが通常のSpread−SSBである。また、cu(t)、cν(t)、H[cν(t)]、H[cu(t)]を復調してエネルギー合成すれば、CDMAのコードダイバーシチと等価の処理を行うことができる。
図3に、通常のCDMAのコード多重の様子を示し、図4に、Spread−SSBのコード多重の様子を示す。なお、図3及び図4は、I軸のみを示すものである。また、図3及び図4において、DNIとはデータDのI成分を示し、DNQとはデータDのQ成分を示す。また、cm1〜cm4は、拡散コードを示す。
図3及び図4は、一例としてD〜Dの4つのデータストリームを4コード多重伝送する場合を示したものであり、Spread−SSB方式でコード多重を行う場合には、図4に示す通り、cm1〜cm4とH[cm1]〜H[cm4]の計8通りのコードが多重されていることと等価となる.
上記の例で復調を行う場合、これら8通りのコードが全て互いに直交する必要がある。ここで、これら8コードの直交性について考察する。
図5は、図4の拡散コードにおける直交性の説明に供する図であり、左側が元の拡散系列(cm1〜cm4)、右側がそのヒルベルト変換系列(H[cm1]〜H[cm4])を、それぞれ表している。
<1> 今、cm1〜cm4をOVSF等の直交系列とすると、これらのコードは全て直交する。
<2> 次に、H[cm1]〜H[cm4]の直交性を考えると、ヒルベルト変換の性質により、変換前と変換後の相互相関特性は変わらないことから、これらの系列も全て直交する。
<3> 次に、変換前後の同じ系列同士、例えばcm1とH[cm1]の直交性を考えると、ヒルベルト変換の性質により、これらの系列は直交する。
<4> 最後に、変換前後の異なる系列同士、例えばcm2とH[cm1]の直交性を考えると、両者の間には何らの因果関係がないため、直交性は保障されない。
当然のことながら、受信側で復調を行う際にはこれら全てのコードが互いに直交する必要があるため、上記<4>の直交性についても保障する必要がある。
(2−1)OVSF系列の選定
一般に、OVSF系列は以下の生成則にて生成される。
Figure 0004786583
すなわち、OVSF系列は、必ず偶系列(even)もしくは奇系列(odd)のどちらかに属する。例えば、系列長8のOVSF系列Cは、図6の通りとなる。
ここで、偶系列及び奇系列と、そのヒルベルト変換系列について考察する。
<1> 偶系列feven(x)及び奇系列fodd(x)を一般化すると、次式の通りとなる。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
<2> cos関数及びsin関数をヒルベルト変換すると、次式の通りとなる。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
<3> 上記<1>、<2>より、偶系列及び奇系列をヒルベルト変換すると、次式の通りとなる。
Figure 0004786583
Figure 0004786583
式(25)と式(29)を比較すると、図7に示すように、偶系列はヒルベルト変換により奇系列に変換されることがわかる。同様に、式(26)と(30)を比較すると、奇系列はヒルベルト変換により偶系列に変換されることがわかる。また、cosとsinの直交性から、これらの加算結果である偶系列と奇系列はそれぞれ直交していることがわかる。
従って、例えば偶系列を複数用意した系列群に対し、これらをヒルベルト変換した系列群は、全て互いに直交する。
この様子を、先述のOVSF系列Cを用いて説明する。Cをヒルベルト変換すると、図8のような系列群が生成される。ここで、コード番号#1についてはDC系列とみなされるため、式(1)に示したヒルベルト変換の定義式から、全て0になることがわかる。また、式(27)及び式(28)から、ヒルベルト変換は90°位相シフトとみなすこともできるため、コード番号#2をcos系列とみなすと、全て0になることがわかる。Code番号#3〜#8については、図6と図8を比較すると、ヒルベルト変換の前後で偶系列→奇系列または奇系列→偶系列の変換が起こっていることがわかる。
以下、Cの偶系列群(コード番号#4、6、7:以下、C8,evenと示す)の直交性について考察する。
まず、C8,evenの相互相関値を、図9に示す。当然のことながら、これらは直交系列であるので、その相互相関値は全て0になる。また、自己相関値(図9中の対角成分)は1になる。
次に、C8,evenをヒルベルト変換した系列群H[C8,even]の相互相関値を、図10に示す。ヒルベルト変換の性質(変換前後で相互相関特性は変わらない)が、この図からも確認できる。
最後に、C8,evenとH[C8,even]の相互相関値を、図11に示す。まず、対角成分に関しては、ヒルベルト変換の性質(変換前と変換後の系列は直交する)より、相互相関値は0となる。また、その他の相関値についても、先述の偶系列・奇系列の直交性により、0となる。
従って、Spread−SSBにおいて、C8,evenをコードグループとし、このコードグループを用いて拡散を行うことで(すなわち図1の拡散部103にてC8,evenのコードグループに属する拡散コードを用いて拡散を行うことで)、受信側で復調可能なコード多重を行うことができる。具体的には、送信データを、S/P変換部102にて、x(t)として3系統、y(t)として3系統のデータに分流し、拡散部103にて、C8,evenのコードグループを用いてコード多重すればよい。
なお、Cの奇系列群(コード番号#3、5、8)C8,oddについても同様のことが言える。
このように、本実施の形態によれば、OVSF系列のコードのうち、偶系列群C8,even又は奇系列群C8,oddのいずれか一方の群に属するコードのみを用いて、送信信号を拡散し、拡散後の送信信号から、USB信号の実数成分及び虚数成分、又は、LSB信号の実数成分及び虚数成分を形成し、USB信号同士又はLSB信号同士を多重化することにより、ヒルベルト変換前の全ての拡散コード間、ヒルベルト変換後の全ての拡散コード間、及び、ヒルベルト変換前とヒルベルト変換後の全てのコード間で、直交性を維持できるようになるので、USB同士もしくはLSB同士での干渉を防ぐことができる。この結果、拡散された信号を受信側で正しく復調できるようになる。
(2−2)M系列の選定
次に、拡散系列としてM系列を用いる場合を考える。一般に、系列長LのM系列の自己相関関数は次式で表される。
Figure 0004786583
つまり、M系列を用いてスペクトル拡散及びコード多重を行う際、複数のデータ系列をそれぞれ位相シフトしたM系列にて拡散を行えば、コード多重が可能となる。
しかしながら、Spread−SSB方式の場合、1サンプルシフト点にも大きな相関値が現れる。これは、式(27)及び式(28)からもわかる通り、ヒルベルト変換により位相シフトが発生するためである。
図12は、系列長L=7のM系列Mとそのヒルベルト変換系列H[M]の相互相関を示したものである。この図からも、本来は位相シフト量が0にのみ現れるべきである大きな相関値が、1サンプルシフト点にも現れていることがわかる。しかしながら、2サンプル以上の位相シフト点は比較的小さな相関値に抑えられていることがわかる。
したがって、M系列を用いてコード多重を行う際、2サンプル以上位相シフトした複数の系列をコードグループとすることで、コード多重が可能となる。なお、このことは、系列長L=7のM系列に限らず、全ての系列長のM系列に当てはまる。例えば、L=7の例だと、位相シフト量φ=0,2,4をコードグループとする。
すなわち、図1の拡散部103において、M系列のコードのうち、2サンプル以上巡回シフトした系列群に属するコードを用いて、送信信号を拡散するようにすれば、受信側で、コード多重されたSSB信号を復調できるようになる。
本発明は、送信信号をSSB化して送信する無線通信機器に広く適用可能である。
本発明の実施の形態に係る送信装置の全体構成を示すブロック図 実施の形態の受信装置の構成を示すブロック図 通常のCDMAでのコード多重の様子を示す図 Spread−SSBでのコード多重の様子を示す図 直交性の説明に供する図 系列長8のOVSF系列を示す図 偶系列群をヒルベルトすると、奇系列群となる様子を示す図 系列長8のOVSF系列をヒルベルト変換したときの系列を示す図 系列長8のOVSF系列における、偶系列群の相互(自己)相関値を示す図 系列長8のOVSF系列の偶系列群をヒルベルト変換した系列群における、相互(自己)相関値を示す図 系列長8のOVSF系列における偶系列群と、それをヒルベルト変換した系列群の相互(自己)相関値を示す図 系列長7のM系列とそれをヒルベルト変換した系列の相互相関特性を示す図 連続時間信号x(t)に対するヒルベルト変換についての説明に供する図であり、図13Aは実軸領域のみの周波数成分により構成される連続時間信号x(t)のスペクトルを示し、図13BはH[x(t)]のスペクトルを示し、図13CはH[H[x(t)]]のスペクトルを示し、図13Dは−H[x(t)]のスペクトルを示す図 実数成分のみのUSB生成方法の説明に供する図であり、図14Aは実軸領域のみの周波数成分により構成される連続時間信号x(t)のスペクトルを示し、図14BはjH[x(t)]のスペクトルを示し、図14Cはx(t)+jH[x(t)]のスペクトルを示す図 虚数成分のみのUSB生成方法の説明に供する図であり、図15Aは−H[x(t)]のスペクトルを示し、図15Bはjx(t)のスペクトルを示し、図15Cは−H[x(t)]+jx(t)のスペクトルを示す図 実数成分のみのLSB生成方法の説明に供する図であり、図16Aは実軸領域のみの周波数成分により構成される連続時間信号x(t)のスペクトルを示し、図16Bは−jH[x(t)]のスペクトルを示し、図16Cはx(t)−jH[x(t)]のスペクトルを示す図 虚数成分のみのLSB生成方法の説明に供する図であり、図17AはH[x(t)]のスペクトルを示し、図17Bはjx(t)のスペクトルを示し、図17CはH[x(t)]+jx(t)のスペクトルを示す図
符号の説明
100 送信装置
103 拡散部
111 SSB化・多重化部
113、114 ヒルベルト変換器
200 受信装置
201 直交検波部
208 逆拡散部

Claims (4)

  1. OVSF系列のコードのうち、偶系列群又は奇系列群のいずれか一方の群に属するコードのみを用いて、送信信号を拡散し、
    拡散後の送信信号から、USB信号の実数成分及び虚数成分、又は、LSB信号の実数成分及び虚数成分を形成し、
    前記USB信号同士又は前記LSB信号同士を多重化する
    SSB信号形成方法。
  2. M系列のコードのうち、2サンプル以上巡回シフトした系列群に属するコードを用いて、送信信号を拡散し、
    拡散後の送信信号から、USB信号の実数成分及び虚数成分、又は、LSB信号の実数成分及び虚数成分を形成し、
    前記USB信号同士又は前記LSB信号同士を多重化する
    SSB信号形成方法。
  3. OVSF系列のコードのうち、偶系列群又は奇系列群のいずれか一方の群に属するコードのみを用いて、送信信号を拡散する拡散部と、
    ヒルベルト変換器を有し、前記拡散部によって拡散された送信信号から、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分を形成し、前記USB信号同士、又は前記LSB信号同士を直交多重するSSB化・多重化部と
    を具備する無線送信装置。
  4. M系列のコードのうち、2サンプル以上巡回シフトした系列群に属するコードを用いて、送信信号を拡散する拡散部と、
    ヒルベルト変換器を有し、前記拡散部によって拡散された送信信号から、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分を形成し、前記USB信号同士、又は前記LSB信号同士を直交多重するSSB化・多重化部と
    を具備する無線送信装置。
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