JPWO2008129610A1 - 送信装置及びssb信号形成方法 - Google Patents
送信装置及びssb信号形成方法Info
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Abstract
受信側でのビット誤り率特性を格段に向上させることができる複素SSB信号の送信装置を提供する。1送信シンボル毎にN倍オーバーサンプリング処理を施すN倍オーバーサンプラ(102)と、N倍オーバーサンプラ(102)によって得られたサンプリングデータを、シンボル単位でN系統の並列データに並列化するシリアル/パラレル変換回路(104)と、N系統の並列データを高速フーリエ変換するN点のFFT回路(105)と、FFT回路(105)から出力されるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロとするゼロインサート回路(106)と、ゼロインサート回路(106)の出力を逆高速フーリエ変換するIFFT回路(107)と、IFFT回路(107)の出力をパラレル/シリアル変換するパラレル/シリアル変換回路(108)とにより、SSB信号を形成する。
Description
本発明は、送信信号をSSB(Single Side Band)化して送信する送信装置及びSSB信号形成方法に関する。
従来、送信信号の狭帯域化技術として、SSB技術がある。SSBはアナログ通信全盛の時代に盛んに検討されており、代表的な方式としてはWeaver−SSB方式が挙げられる。一方、ディジタル分野での代表的な方式として、RZ−SSB方式、SSB−QPSK方式(Mujtaba方式)等が挙げられる。Mujtaba方式については、例えば非特許文献1や非特許文献2で紹介されている。
ディジタルSSB技術において、ヒルベルト変換は大変重要である。ここではその基礎について説明する。
一方、時間領域x(t)のヒルベルト変換H[x(t)]は、H[X(ω)]の逆フーリエ変換として定義され、次式により表される。なお、次式において、F−1は逆フーリエ変換を表し、*は畳み込み演算を表すものとする。
つまり、H[x(t)]とx(t)の複素共役x*(t)は互いに直交する。
次に、ヒルベルト変換によって連続時間信号のスペクトルが変化する様子を図的に説明する。今、x(t)が図1Aに示される通り、実軸領域のみの周波数成分にて構成される連続時間信号である場合を考える。これに対するヒルベルト変換H[x(t)]は、式(1)に示される通り、正の周波数成分に−jを、負の周波数成分に+jを乗じることになる。そのため、H[x(t)]のスペクトルは、図1Bに示される通り、虚軸領域のみの周波数成分が、原点を中心とした点対称配置されたかたちとなる。さらにこのH[x(t)]に対してヒルベルト変換を施すと、図1Cに示される通り、スペクトルは実軸領域のみに現れる。ここで、ヒルベルト変換においては式(1)からもわかる通り、コーシーの定理が適用されるため、変換の過程においてエネルギーは常に一定に保たれる。従って、次式が成り立つ。
図1Cの信号に対してさらにヒルベルト変換を行うと−H[x(t)]が得られ(図1D)、もう一度行うと元の系列x(t)に戻る。
(2)USB・LSB生成方法
上述したヒルベルト変換の性質を利用して、USB(Upper Side Band:上側波帯)及びLSB(Lower Side Band:下側波帯)を生成する方法を示す。上述したのと同様、実軸領域のみの周波数成分にて構成される送信データ系列x(t)を考える。x(t)を改めてスペクトル表記すると図2Aに示す通りとなる。これに対するヒルベルト変換は、図1Bにも示したが、jを乗じると、スペクトル全体が+90°回転することになるので、図2Bに示すようなスペクトルが得られる。
上述したヒルベルト変換の性質を利用して、USB(Upper Side Band:上側波帯)及びLSB(Lower Side Band:下側波帯)を生成する方法を示す。上述したのと同様、実軸領域のみの周波数成分にて構成される送信データ系列x(t)を考える。x(t)を改めてスペクトル表記すると図2Aに示す通りとなる。これに対するヒルベルト変換は、図1Bにも示したが、jを乗じると、スペクトル全体が+90°回転することになるので、図2Bに示すようなスペクトルが得られる。
虚数軸成分のみのUSB信号SUSBim(t)、実軸成分のみのLSB信号SLSBre(t)及び虚数軸成分のみのLSB信号SLSBim(t)も同様の手法で生成される。具体的には、虚数軸成分のみのUSB信号SUSBim(t)の形成過程は図3A、図3B及び図3Cに示す通りであり、その結果は式(8)で表される。また、実軸成分のみのLSB信号SLSBre(t)の形成過程は図4A、図4B及び図4Cに示す通りであり、その結果は式(9)で表される。また、虚数軸成分のみのLSB信号SLSBim(t)の形成過程は図5A、図5B及び図5Cに示す通りであり、その結果は式(10)で表される。
(3)構成
上述したUSB及びLSBの生成手法を踏まえると、例えばUSBのみで構成されるSSB−QPSK(USB(Real)とUSB(Imag)の直交多重)変調波を生成するための送信装置の構成は、図6に示すものとすればよい。
上述したUSB及びLSBの生成手法を踏まえると、例えばUSBのみで構成されるSSB−QPSK(USB(Real)とUSB(Imag)の直交多重)変調波を生成するための送信装置の構成は、図6に示すものとすればよい。
図6の送信装置10は、まず、データ生成部11で生成した送信データをシリアル/パラレル変換部(S/P変換部)12でシリアルパラレル変換する。送信装置10は、シリアルパラレル変換された送信系列x(t)及びy(t)をオーバーサンプリング部13、14によってオーバーサンプリングした後、ルートナイキストフィルタ15、16に入力する。ルートナイキストフィルタ15、16はフィルタリング出力u(t)、ν(t)をSSB化・多重化部17に送出する。
SSB化・多重化部17は、フィルタリング出力u(t)を遅延器18及びヒルベルト変換器19に入力し、フィルタリング出力ν(t)をヒルベルト変換器20及び遅延器21に入力する。
ヒルベルト変換器19、20は、タップ係数1/πtのFIRフィルタより構成されている(式(2)参照)。遅延器18、21は、入力信号をヒルベルト変換処理時間分だけ遅延して出力するものである。
遅延器18の出力は乗算器24に、ヒルベルト変換器19の出力は乗算器25に、ヒルベルト変換器20の出力は乗算器26に、遅延器21の出力は乗算器27にそれぞれ送出される。また、乗算器24、26にはキャリア周波数信号発生器22で発生されたキャリア周波数信号(cosωct)が入力され、乗算器25、27には移相器23によって90°だけ位相がシフトされたキャリア周波数信号(sinωct)が入力される。これにより、乗算器24、26では遅延器18、ヒルベルト変換器20の出力にキャリア周波数信号が乗算され、乗算器25、27ではヒルベルト変換器19、遅延器21の出力に90°位相のずれたキャリア周波数信号が乗算される。
加算器28では乗算器24の出力から乗算器25の出力が減算され、加算器29では乗算器26と乗算器27の出力が加算される。さらに、加算器28と加算器29の出力は加算器30によって加算されることにより、SSB変調波SSSB−QPSK(t)が得られる。すなわち、SSSB−QPSK(t)は次式で表される。
図7に、ヒルベルト変換器19、20の構成例を示す。図7に示すように、ヒルベルト変換器は、1/(πt)をタップ係数としたFIRフィルタによって実現することができる。図7は、送信データu(t)が4倍オーバーサンプリングされたデータである場合の構成例である。また図7は、FIRフィルタのタップ係数が500の場合の構成例である。
Syed Aon Mujtaba, "A Novel Scheme for Transmitting QPSK as a Single-Sideband Signal", IEEE Globalcomm. pp.592-597, 1998 Syed Aon Mujtaba, "Performance Analysis of Coded SSB-QPSK in Mobile Radio Channels", IEEE Globalcomm. pp.112-117, 1998
Syed Aon Mujtaba, "A Novel Scheme for Transmitting QPSK as a Single-Sideband Signal", IEEE Globalcomm. pp.592-597, 1998 Syed Aon Mujtaba, "Performance Analysis of Coded SSB-QPSK in Mobile Radio Channels", IEEE Globalcomm. pp.112-117, 1998
ところで、上述した通り、SSB化を行う際には送信信号をヒルベルト変換する必要があり、ヒルベルト変換は、FIRフィルタを用いて行うのが一般的である。
しかしながら、図7からも分かる通り、時刻t=nにおけるヒルベルト変換系列H[u(n)]は、過去のシンボル情報を含んだ状態で出力される。従って、時刻t=nにおけるシンボル情報と過去のシンボル情報が独立である場合、隣接シンボル間干渉の影響を受けたことと等価となる。この結果、図8(図8Aは送信ビット1のアイパターンであり、図8Bは送信ビット1と異なる送信ビット2のアイパターン)に示すように、受信側でアイパターンのアイが開かない課題がある。よって、QPSKのような複素ベースバンド信号をSSB化して送信する送信装置に、従来の構成を適用した場合、受信側で正確にデータ復調を行うことが困難となり、ビット誤り率特性が劣化する問題がある。
本発明の目的は、複素ベースバンド信号をSSB化して送信する送信装置において、受信側でのビット誤り率特性を格段に向上し得る送信装置及びSSB信号形成方法を提供することである。
本発明の送信装置及びSSB信号形成方法は、1シンボル単位でヒルベルト変換処理を施して、SSB信号を形成する。
本発明の一つの態様は、送信シンボルを1シンボル毎にN倍オーバーサンプリングし、オーバーサンプリングされた信号をN点フーリエ変換し、フーリエ変換された信号に含まれるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロにし、一方の成分がゼロにされたフーリエ変換信号を逆フーリエ変換する。
本発明によれば、1シンボル単位でヒルベルト変換処理を施すようにしたので、受信側でのビット誤り率特性を格段に向上させることができる。また、1シンボル単位でのヒルベルト変換処理を、比較的簡易な構成でかつ的確に行うことができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図9に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は、QPSK変調回路101に送信データを入力し、QPSK変調回路101によって得たQPSK変調シンボルをN倍オーバーサンプラ102に出力する。
図9に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は、QPSK変調回路101に送信データを入力し、QPSK変調回路101によって得たQPSK変調シンボルをN倍オーバーサンプラ102に出力する。
N倍オーバーサンプラ102は、順次入力されるシンボルをN倍オーバーサンプリング処理し、これにより得たオーバーサンプリング信号をルートナイキストフィルタ103に送出する。ここで、N倍オーバーサンプラ102のNは任意の正の整数値に設定してよいが、本実施の形態では、N=8に設定した場合、すなわちN倍オーバーサンプラ102のオーバーサンプリング次数Nが8の場合について説明する。ルートナイキストフィルタ103によって帯域制限されたオーバーサンプリング信号は、シリアル/パラレル変換回路(S/P変換回路)104に入力される。
S/P変換回路104の並列数は、オーバーサンプリング次数と同じに設定されている。つまり、本実施の形態の場合には、オーバーサンプリング次数Nが8に設定されているので、S/P変換回路104は、1シンボルについての1番目から8番目のオーバーサンプリング信号を並列化してFFT(Fast Fourier Transform)回路105に入力させる。FFT回路105は、N点の高速フーリエ変換処理を行う。これにより、FFT回路105では、送信シンボル単位で複素フーリエ変換処理を行うことができる。
FFT回路105の出力は、ゼロインサート回路106に送出される。ゼロインサート回路106は、FFT回路105から出力されるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロとする。すなわち、ゼロインサート回路106は、USB伝送を行う場合はLSB成分を、LSB伝送を行う場合はUSB成分を、それぞれゼロにする。例えば、USB伝送を行う場合は、8系統のFFT出力のうち、USB成分に相当する4系統をそのまま続くIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)回路107に出力すると共に、LSB成分に相当する4系統の信号をゼロとしてIFFT回路107に出力する。このように、ゼロインサート回路106によってSSB化が行われる。
送信装置100は、周波数領域の信号とされた送信データ系列を、続くIFFT回路107及びパラレル/シリアル変換回路(P/S変換回路)108によって時間領域の信号に変換する。時間領域に変換された信号は、バンドパスフィルタ(BPF)109によって帯域制限され、続く周波数変換器110によってキャリア搬送波fcが乗じられることで無線信号とされ、図示しないアンテナから送信される。
送信装置100によってSSB化されて送信された無線信号は、通常の直交検波処理により復調することができる。
図10に、送信装置100によりSSB化されて送信された無線信号を受信復調する受信装置の構成を示す。受信装置200は、図示しないアンテナで受信されたSSB変調波を直交検波部201に入力する。直交検波部201は、SSB変調波にcosωct又はsinωctを乗じて受信信号の同相成分及び直交成分を抽出し、同相成分をローパスフィルタ(LPF)202に、直交成分をローパスフィルタ(LPF)203に出力する。
LPF202、203の出力はそれぞれ、ルートナイキストフィルタ204、205及びダウンサンプラ206、207を介して閾値判定部208、209に入力される。閾値判定部208、209は、硬判定処理を行うことにより受信データ系列を得る。受信データ系列は、パラレル/シリアル変換回路(P/S変換回路)210によって1系統のデータ系列とされる。このようにして、USB化またはLSB化されて送信されたSSB信号を復調してデータ系列を得ることができる。
図11に、シミュレーション結果として、本実施の形態の送信装置100で送信されたSSB信号を受信装置200で受信した場合におけるアイパターンを示す。図11Aのアイパターンは例えば閾値判定回路208で判定するビット1のアイパターンであり、図11Bのアイパターンは例えば閾値判定回路209で判定するビット2のアイパターンであある。図11からも分かる通り、アイパターンのアイが開いているので、誤り率特性の良い受信データを得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信シンボルを1シンボル毎にN倍オーバーサンプリングし、オーバーサンプリングされた信号をN点FFTし、FFTされた信号に含まれるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロにし、一方の成分がゼロにされたFFT信号をIFFTするようにしたことにより、1シンボル単位でヒルベルト変換処理(すなわちSSB化処理)を行うことができる。この結果、受信側では、SSB化によって生成されたヒルベルト変換成分が一意に定まるため、アイパターンが開き、誤り率特性の良い受信データを得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1でも説明したように、本発明の特徴は、1送信シンボル単位でヒルベルト変換処理を行って、SSB信号を形成することである。実施の形態1では、これを実現するために好適な構成を提示した。本実施の形態では、上記のSSB信号形成処理を、実施の形態1とは異なる構成で実現する。
実施の形態1でも説明したように、本発明の特徴は、1送信シンボル単位でヒルベルト変換処理を行って、SSB信号を形成することである。実施の形態1では、これを実現するために好適な構成を提示した。本実施の形態では、上記のSSB信号形成処理を、実施の形態1とは異なる構成で実現する。
図12に、本実施の形態の送信装置の構成を示す。送信装置300は、QPSK変調部301に送信データを入力し、QPSK変調部301によって得たQPSK変調シンボルをシリアル/パラレル変換回路(S/P変換回路)302に送出する。
S/P変換回路302は、順次入力されるシンボルを2系統に分流し、第1の系統のシンボルをN倍オーバーサンプラ303に送出すると共に、第2の系統のシンボルをN倍オーバーサンプラ304に送出する。N倍オーバーサンプラ303、304により得られたサンプリング信号はそれぞれ、ルートナイキストフィルタ305、306によって帯域制限される。
ルートナイキストフィルタ305の出力は、テーブル307及び加算器309に送出される。また、ルートナイキストフィルタ306の出力は、テーブル308及び加算器310に送出される。
テーブル307は、1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する。同様に、テーブル308は、1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する。すなわち、テーブル307、308に、例えば上述した式(2)に準じて求めたヒルベルト変換信号H[x(t)]を格納しておく。そして、テーブル307、308が、1送信シンボル単位のサンプル値(x(t)に相当)をアドレスとして、格納されたヒルベルト変換信号H[x(t)]を出力する。ここで、本実施の形態の場合、QPSK変調を行っているので、シンボルのオーバーサンプル値すなわちx(t)は、「1」又は「−1」のいずれかとなるので、テーブル307、308の構成は簡易なもので済む。
加算器309は、ルートナイキストフィルタ305の出力信号とテーブル308により得られたヒルベルト変換信号とを加算する。また、加算器310は、ルートナイキストフィルタ306の出力信号からテーブル307により得られたヒルベルト変換信号を減算する。これにより、加算器309、310からは、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分が出力される。
加算器309、310の出力は、直交多重化部311によって直交多重される。すなわち、USB伝送を行う場合には、加算器309、310からは、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分が出力され、これらが直交多重化部311によって直交多重され、USB変調波が形成される。同様に、LSB伝送を行う場合には、USB伝送を行う場合の回路構成において、テーブル307及びテーブル308の出力をそれぞれ符号反転させることで実現でき、加算器309、310からは、LSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分が出力され、これらが直交多重化部311によって直交多重され、LSB変調波が形成される。
このように、本実施の形態によれば、第1の送信シンボルをオーバーサンプリングする第1のオーバーサンプラ303と、第2の送信シンボルをオーバーサンプリングする第2のオーバーサンプラ304と、第1のオーバーサンプラ303により得られた1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する第1のテーブル307と、第2のオーバーサンプラ304により得られた1送信シンボル単位のサンプリング値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する第2のテーブル308と、第1のオーバーサンプラ303により得られた信号と第2のテーブル308により得られたヒルベルト変換信号とを加算する第1の加算器309と、第2のオーバーサンプラ304により得られた信号から第1のテーブル307により得られたヒルベルト変換信号を減算する第2の加算器310と、第1の加算器309の出力信号と第2の加算器310の出力信号とを多重する多重化部311とを設けたことにより、1送信シンボル単位でヒルベルト変換処理を行うことができるので、受信側では、SSB化によって生成されたヒルベルト変換成分が一意に定まるため、アイパターンが開き、誤り率特性の良い受信データを得ることができる。
本発明は、送信信号をSSB化して送信する無線通信機器に広く適用可能である。
本発明は、送信信号をSSB(Single Side Band)化して送信する送信装置及びSSB信号形成方法に関する。
従来、送信信号の狭帯域化技術として、SSB技術がある。SSBはアナログ通信全盛の時代に盛んに検討されており、代表的な方式としてはWeaver−SSB方式が挙げられる。一方、ディジタル分野での代表的な方式として、RZ−SSB方式、SSB−QPSK方式(Mujtaba方式)等が挙げられる。Mujtaba方式については、例えば非特許文献1や非特許文献2で紹介されている。
ディジタルSSB技術において、ヒルベルト変換は大変重要である。ここではその基礎について説明する。
一方、時間領域x(t)のヒルベルト変換H[x(t)]は、H[X(ω)]の逆フーリエ変換として定義され、次式により表される。なお、次式において、F−1は逆フーリエ変換を表し、*は畳み込み演算を表すものとする。
つまり、H[x(t)]とx(t)の複素共役x*(t)は互いに直交する。
次に、ヒルベルト変換によって連続時間信号のスペクトルが変化する様子を図的に説明する。今、x(t)が図1Aに示される通り、実軸領域のみの周波数成分にて構成される連続時間信号である場合を考える。これに対するヒルベルト変換H[x(t)]は、式(1)に示される通り、正の周波数成分に−jを、負の周波数成分に+jを乗じることになる。そのため、H[x(t)]のスペクトルは、図1Bに示される通り、虚軸領域のみの周波数成分が、原点を中心とした点対称配置されたかたちとなる。さらにこのH[x(t)]に対してヒルベルト変換を施すと、図1Cに示される通り、スペクトルは実軸領域のみに現れる。ここで、ヒルベルト変換においては式(1)からもわかる通り、コーシーの定理が適用されるため、変換の過程においてエネルギーは常に一定に保たれる。従って、次式が成り立つ。
図1Cの信号に対してさらにヒルベルト変換を行うと−H[x(t)]が得られ(図1D)、もう一度行うと元の系列x(t)に戻る。
(2)USB・LSB生成方法
上述したヒルベルト変換の性質を利用して、USB(Upper Side Band:上側波帯)及びLSB(Lower Side Band:下側波帯)を生成する方法を示す。上述したのと同様、実軸領域のみの周波数成分にて構成される送信データ系列x(t)を考える。x(t)を改めてスペクトル表記すると図2Aに示す通りとなる。これに対するヒルベルト変換は、図1Bにも示したが、jを乗じると、スペクトル全体が+90°回転することになるので、図2Bに示すようなスペクトルが得られる。
上述したヒルベルト変換の性質を利用して、USB(Upper Side Band:上側波帯)及びLSB(Lower Side Band:下側波帯)を生成する方法を示す。上述したのと同様、実軸領域のみの周波数成分にて構成される送信データ系列x(t)を考える。x(t)を改めてスペクトル表記すると図2Aに示す通りとなる。これに対するヒルベルト変換は、図1Bにも示したが、jを乗じると、スペクトル全体が+90°回転することになるので、図2Bに示すようなスペクトルが得られる。
虚数軸成分のみのUSB信号SUSBim(t)、実軸成分のみのLSB信号SLSBre(t)及び虚数軸成分のみのLSB信号SLSBim(t)も同様の手法で生成される。具体的には、虚数軸成分のみのUSB信号SUSBim(t)の形成過程は図3A、図3B及び図3Cに示す通りであり、その結果は式(8)で表される。また、実軸成分のみのLSB信号SLSBre(t)の形成過程は図4A、図4B及び図4Cに示す通りであり、その結果は式(9)で表される。また、虚数軸成分のみのLSB信号SLSBim(t)の形成過程は図5A、図5B及び図5Cに示す通りであり、その結果は式(10)で表される。
(3)構成
上述したUSB及びLSBの生成手法を踏まえると、例えばUSBのみで構成されるSSB−QPSK(USB(Real)とUSB(Imag)の直交多重)変調波を生成するための送信装置の構成は、図6に示すものとすればよい。
上述したUSB及びLSBの生成手法を踏まえると、例えばUSBのみで構成されるSSB−QPSK(USB(Real)とUSB(Imag)の直交多重)変調波を生成するための送信装置の構成は、図6に示すものとすればよい。
図6の送信装置10は、まず、データ生成部11で生成した送信データをシリアル/パ
ラレル変換部(S/P変換部)12でシリアルパラレル変換する。送信装置10は、シリアルパラレル変換された送信系列x(t)及びy(t)をオーバーサンプリング部13、14によってオーバーサンプリングした後、ルートナイキストフィルタ15、16に入力する。ルートナイキストフィルタ15、16はフィルタリング出力u(t)、ν(t)をSSB化・多重化部17に送出する。
ラレル変換部(S/P変換部)12でシリアルパラレル変換する。送信装置10は、シリアルパラレル変換された送信系列x(t)及びy(t)をオーバーサンプリング部13、14によってオーバーサンプリングした後、ルートナイキストフィルタ15、16に入力する。ルートナイキストフィルタ15、16はフィルタリング出力u(t)、ν(t)をSSB化・多重化部17に送出する。
SSB化・多重化部17は、フィルタリング出力u(t)を遅延器18及びヒルベルト変換器19に入力し、フィルタリング出力ν(t)をヒルベルト変換器20及び遅延器21に入力する。
ヒルベルト変換器19、20は、タップ係数1/πtのFIRフィルタより構成されている(式(2)参照)。遅延器18、21は、入力信号をヒルベルト変換処理時間分だけ遅延して出力するものである。
遅延器18の出力は乗算器24に、ヒルベルト変換器19の出力は乗算器25に、ヒルベルト変換器20の出力は乗算器26に、遅延器21の出力は乗算器27にそれぞれ送出される。また、乗算器24、26にはキャリア周波数信号発生器22で発生されたキャリア周波数信号(cosωct)が入力され、乗算器25、27には移相器23によって90°だけ位相がシフトされたキャリア周波数信号(sinωct)が入力される。これにより、乗算器24、26では遅延器18、ヒルベルト変換器20の出力にキャリア周波数信号が乗算され、乗算器25、27ではヒルベルト変換器19、遅延器21の出力に90°位相のずれたキャリア周波数信号が乗算される。
加算器28では乗算器24の出力から乗算器25の出力が減算され、加算器29では乗算器26と乗算器27の出力が加算される。さらに、加算器28と加算器29の出力は加算器30によって加算されることにより、SSB変調波SSSB−QPSK(t)が得られる。すなわち、SSSB−QPSK(t)は次式で表される。
図7に、ヒルベルト変換器19、20の構成例を示す。図7に示すように、ヒルベルト変換器は、1/(πt)をタップ係数としたFIRフィルタによって実現することができる。図7は、送信データu(t)が4倍オーバーサンプリングされたデータである場合の構成例である。また図7は、FIRフィルタのタップ係数が500の場合の構成例である。
Syed Aon Mujtaba, "A Novel Scheme for Transmitting QPSK as a Single-Sideband Signal", IEEE Globalcomm. pp.592-597, 1998 Syed Aon Mujtaba, "Performance Analysis of Coded SSB-QPSK in Mobile Radio Channels", IEEE Globalcomm. pp.112-117, 1998
Syed Aon Mujtaba, "A Novel Scheme for Transmitting QPSK as a Single-Sideband Signal", IEEE Globalcomm. pp.592-597, 1998 Syed Aon Mujtaba, "Performance Analysis of Coded SSB-QPSK in Mobile Radio Channels", IEEE Globalcomm. pp.112-117, 1998
ところで、上述した通り、SSB化を行う際には送信信号をヒルベルト変換する必要があり、ヒルベルト変換は、FIRフィルタを用いて行うのが一般的である。
しかしながら、図7からも分かる通り、時刻t=nにおけるヒルベルト変換系列H[u(n)]は、過去のシンボル情報を含んだ状態で出力される。従って、時刻t=nにおけるシンボル情報と過去のシンボル情報が独立である場合、隣接シンボル間干渉の影響を受
けたことと等価となる。この結果、図8(図8Aは送信ビット1のアイパターンであり、図8Bは送信ビット1と異なる送信ビット2のアイパターン)に示すように、受信側でアイパターンのアイが開かない課題がある。よって、QPSKのような複素ベースバンド信号をSSB化して送信する送信装置に、従来の構成を適用した場合、受信側で正確にデータ復調を行うことが困難となり、ビット誤り率特性が劣化する問題がある。
けたことと等価となる。この結果、図8(図8Aは送信ビット1のアイパターンであり、図8Bは送信ビット1と異なる送信ビット2のアイパターン)に示すように、受信側でアイパターンのアイが開かない課題がある。よって、QPSKのような複素ベースバンド信号をSSB化して送信する送信装置に、従来の構成を適用した場合、受信側で正確にデータ復調を行うことが困難となり、ビット誤り率特性が劣化する問題がある。
本発明の目的は、複素ベースバンド信号をSSB化して送信する送信装置において、受信側でのビット誤り率特性を格段に向上し得る送信装置及びSSB信号形成方法を提供することである。
本発明の送信装置及びSSB信号形成方法は、1シンボル単位でヒルベルト変換処理を施して、SSB信号を形成する。
本発明の一つの態様は、送信シンボルを1シンボル毎にN倍オーバーサンプリングし、オーバーサンプリングされた信号をN点フーリエ変換し、フーリエ変換された信号に含まれるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロにし、一方の成分がゼロにされたフーリエ変換信号を逆フーリエ変換する。
本発明によれば、1シンボル単位でヒルベルト変換処理を施すようにしたので、受信側でのビット誤り率特性を格段に向上させることができる。また、1シンボル単位でのヒルベルト変換処理を、比較的簡易な構成でかつ的確に行うことができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図9に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は、QPSK変調回路101に送信データを入力し、QPSK変調回路101によって得たQPSK変調シンボルをN倍オーバーサンプラ102に出力する。
図9に、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示す。送信装置100は、QPSK変調回路101に送信データを入力し、QPSK変調回路101によって得たQPSK変調シンボルをN倍オーバーサンプラ102に出力する。
N倍オーバーサンプラ102は、順次入力されるシンボルをN倍オーバーサンプリング処理し、これにより得たオーバーサンプリング信号をルートナイキストフィルタ103に送出する。ここで、N倍オーバーサンプラ102のNは任意の正の整数値に設定してよいが、本実施の形態では、N=8に設定した場合、すなわちN倍オーバーサンプラ102のオーバーサンプリング次数Nが8の場合について説明する。ルートナイキストフィルタ103によって帯域制限されたオーバーサンプリング信号は、シリアル/パラレル変換回路(S/P変換回路)104に入力される。
S/P変換回路104の並列数は、オーバーサンプリング次数と同じに設定されている。つまり、本実施の形態の場合には、オーバーサンプリング次数Nが8に設定されているので、S/P変換回路104は、1シンボルについての1番目から8番目のオーバーサンプリング信号を並列化してFFT(Fast Fourier Transform)回路105に入力させる。FFT回路105は、N点の高速フーリエ変換処理を行う。これにより、FFT回路105では、送信シンボル単位で複素フーリエ変換処理を行うことができる。
FFT回路105の出力は、ゼロインサート回路106に送出される。ゼロインサート回路106は、FFT回路105から出力されるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロとする。すなわち、ゼロインサート回路106は、USB伝送を行う場合はLSB成分を、LSB伝送を行う場合はUSB成分を、それぞれゼロにする。例えば、USB伝送を行う場合は、8系統のFFT出力のうち、USB成分に相当する4系統をそのまま続くIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)回路107に出力すると共に、LSB成分に相当する4系統の信号をゼロとしてIFFT回路107に出力する。このように、ゼロインサート回路106によってSSB化が行われる。
送信装置100は、周波数領域の信号とされた送信データ系列を、続くIFFT回路107及びパラレル/シリアル変換回路(P/S変換回路)108によって時間領域の信号に変換する。時間領域に変換された信号は、バンドパスフィルタ(BPF)109によって帯域制限され、続く周波数変換器110によってキャリア搬送波fcが乗じられることで無線信号とされ、図示しないアンテナから送信される。
送信装置100によってSSB化されて送信された無線信号は、通常の直交検波処理により復調することができる。
図10に、送信装置100によりSSB化されて送信された無線信号を受信復調する受信装置の構成を示す。受信装置200は、図示しないアンテナで受信されたSSB変調波を直交検波部201に入力する。直交検波部201は、SSB変調波にcosωct又はsinωctを乗じて受信信号の同相成分及び直交成分を抽出し、同相成分をローパスフィルタ(LPF)202に、直交成分をローパスフィルタ(LPF)203に出力する。
LPF202、203の出力はそれぞれ、ルートナイキストフィルタ204、205及びダウンサンプラ206、207を介して閾値判定部208、209に入力される。閾値判定部208、209は、硬判定処理を行うことにより受信データ系列を得る。受信データ系列は、パラレル/シリアル変換回路(P/S変換回路)210によって1系統のデータ系列とされる。このようにして、USB化またはLSB化されて送信されたSSB信号を復調してデータ系列を得ることができる。
図11に、シミュレーション結果として、本実施の形態の送信装置100で送信されたSSB信号を受信装置200で受信した場合におけるアイパターンを示す。図11Aのアイパターンは例えば閾値判定回路208で判定するビット1のアイパターンであり、図11Bのアイパターンは例えば閾値判定回路209で判定するビット2のアイパターンであある。図11からも分かる通り、アイパターンのアイが開いているので、誤り率特性の良い受信データを得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送信シンボルを1シンボル毎にN倍オーバーサンプリングし、オーバーサンプリングされた信号をN点FFTし、FFTされた信号に含まれるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロにし、一方の成分がゼロにされたFFT信号をIFFTするようにしたことにより、1シンボル単位でヒルベルト変換処理(すなわちSSB化処理)を行うことができる。この結果、受信側では、SSB化によって生成されたヒルベルト変換成分が一意に定まるため、アイパターンが開き、誤り率特性の良い受信データを得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1でも説明したように、本発明の特徴は、1送信シンボル単位でヒルベルト変換処理を行って、SSB信号を形成することである。実施の形態1では、これを実現するために好適な構成を提示した。本実施の形態では、上記のSSB信号形成処理を、実施の形態1とは異なる構成で実現する。
実施の形態1でも説明したように、本発明の特徴は、1送信シンボル単位でヒルベルト変換処理を行って、SSB信号を形成することである。実施の形態1では、これを実現するために好適な構成を提示した。本実施の形態では、上記のSSB信号形成処理を、実施の形態1とは異なる構成で実現する。
図12に、本実施の形態の送信装置の構成を示す。送信装置300は、QPSK変調部301に送信データを入力し、QPSK変調部301によって得たQPSK変調シンボルをシリアル/パラレル変換回路(S/P変換回路)302に送出する。
S/P変換回路302は、順次入力されるシンボルを2系統に分流し、第1の系統のシンボルをN倍オーバーサンプラ303に送出すると共に、第2の系統のシンボルをN倍オーバーサンプラ304に送出する。N倍オーバーサンプラ303、304により得られたサンプリング信号はそれぞれ、ルートナイキストフィルタ305、306によって帯域制限される。
ルートナイキストフィルタ305の出力は、テーブル307及び加算器309に送出される。また、ルートナイキストフィルタ306の出力は、テーブル308及び加算器310に送出される。
テーブル307は、1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する。同様に、テーブル308は、1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する。すなわち、テーブル307、308に、例えば上述した式(2)に準じて求めたヒルベルト変換信号H[x(t)]を格納しておく。そして、テーブル307、308が、1送信シンボル単位のサンプル値(x(t)に相当)をアドレスとして、格納されたヒルベルト変換信号H[x(t)]を出力する。ここで、本実施の形態の場合、QPSK変調を行っているので、シンボルのオーバーサンプル
値すなわちx(t)は、「1」又は「−1」のいずれかとなるので、テーブル307、308の構成は簡易なもので済む。
値すなわちx(t)は、「1」又は「−1」のいずれかとなるので、テーブル307、308の構成は簡易なもので済む。
加算器309は、ルートナイキストフィルタ305の出力信号とテーブル308により得られたヒルベルト変換信号とを加算する。また、加算器310は、ルートナイキストフィルタ306の出力信号からテーブル307により得られたヒルベルト変換信号を減算する。これにより、加算器309、310からは、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分、又はLSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分が出力される。
加算器309、310の出力は、直交多重化部311によって直交多重される。すなわち、USB伝送を行う場合には、加算器309、310からは、USB信号の実数成分とUSB信号の虚数成分が出力され、これらが直交多重化部311によって直交多重され、USB変調波が形成される。同様に、LSB伝送を行う場合には、USB伝送を行う場合の回路構成において、テーブル307及びテーブル308の出力をそれぞれ符号反転させることで実現でき、加算器309、310からは、LSB信号の実数成分とLSB信号の虚数成分が出力され、これらが直交多重化部311によって直交多重され、LSB変調波が形成される。
このように、本実施の形態によれば、第1の送信シンボルをオーバーサンプリングする第1のオーバーサンプラ303と、第2の送信シンボルをオーバーサンプリングする第2のオーバーサンプラ304と、第1のオーバーサンプラ303により得られた1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する第1のテーブル307と、第2のオーバーサンプラ304により得られた1送信シンボル単位のサンプリング値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する第2のテーブル308と、第1のオーバーサンプラ303により得られた信号と第2のテーブル308により得られたヒルベルト変換信号とを加算する第1の加算器309と、第2のオーバーサンプラ304により得られた信号から第1のテーブル307により得られたヒルベルト変換信号を減算する第2の加算器310と、第1の加算器309の出力信号と第2の加算器310の出力信号とを多重する多重化部311とを設けたことにより、1送信シンボル単位でヒルベルト変換処理を行うことができるので、受信側では、SSB化によって生成されたヒルベルト変換成分が一意に定まるため、アイパターンが開き、誤り率特性の良い受信データを得ることができる。
本発明は、送信信号をSSB化して送信する無線通信機器に広く適用可能である。
Claims (3)
- 送信信号をSSB化して送信する送信装置であって、
1送信シンボル毎にN倍オーバーサンプリング処理を施すN倍オーバーサンプラと、
前記N倍オーバーサンプラによって得られたサンプリングデータを、シンボル単位でN系統の並列データに並列化するシリアル/パラレル変換回路と、
前記N系統の並列データをフーリエ変換するN点のフーリエ変換回路と、
前記フーリエ変換回路から出力されるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロとするゼロインサート回路と、
前記ゼロインサート回路の出力を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換回路と、
前記逆フーリエ変換回路の出力をパラレル/シリアル変換するパラレル/シリアル変換回路と、
を具備する送信装置。 - 送信シンボルを1シンボル毎にN倍オーバーサンプリングし、
オーバーサンプリングされた信号をN点フーリエ変換し、
フーリエ変換された信号に含まれるUSB成分信号及びLSB成分信号のうちいずれか一方の成分をゼロにし、
前記一方の成分がゼロにされたフーリエ変換信号を逆フーリエ変換する
SSB信号形成方法。 - 送信信号をSSB化して送信する送信装置であって、
第1の送信シンボルをオーバーサンプリングする第1のオーバーサンプラと、
第2の送信シンボルをオーバーサンプリングする第2のオーバーサンプラと、
前記第1のオーバーサンプラにより得られた1送信シンボル単位のサンプル値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する第1のテーブルと、
前記第2のオーバーサンプラにより得られた1送信シンボル単位のサンプリング値をアドレスとして、ヒルベルト変換信号を出力する第2のテーブルと、
前記第1のオーバーサンプラにより得られた信号と前記第2のテーブルにより得られたヒルベルト変換信号とを加算する第1の加算器と、
前記第2のオーバーサンプラにより得られた信号から前記第1のテーブルにより得られたヒルベルト変換信号を減算する第2の加算器と、
前記第1の加算器の出力信号と、前記第2の加算器の出力信号とを多重する多重化部と、
を具備する送信装置。
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