JP2003133602A - メンブレンを有する半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

メンブレンを有する半導体装置およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコン基板の一面側からメンブレンおよび
メンブレン下の空洞部を形成してなる赤外線センサにお
いて、犠牲層のディッシングを起こすことなくCMP技
術により平坦なメンブレンを得る。 【解決手段】 シリコン基板10の一面11上に耐研磨
性に優れエッチングが可能な酸化シリコン膜12を形成
し、この酸化シリコン膜12に溝16を形成した後、エ
ッチングに対する耐性を有し且つ酸化シリコン膜12よ
りも研磨性に優れた多結晶シリコン膜14を、溝16の
内部に充填しつつ酸化シリコン膜12の上に形成する。
次に、酸化シリコン膜12をストッパとして、多結晶シ
リコン膜14をCMP法にて研磨して酸化シリコン膜1
2の上面を平坦面とし、その上にメンブレン20を形成
する。続いて、メンブレン20に形成したエッチングホ
ール28、29を介して酸化シリコン膜12をエッチン
グすることにより空洞部13を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の一面
側に、エッチングにより形成された空洞部および該空洞
部を覆うように形成されたメンブレンを有する半導体装
置およびその製造方法に関し、特に、メンブレンの平坦
化に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体装置は、単結晶シリコン
等の半導体基板の一面上に、等方性エッチング材料で犠
牲層を形成し、その犠牲層の上に、窒化シリコンや酸化
シリコンなどを堆積し、後に、犠牲層を選択的にエッチ
ング除去し、空洞部を形成することでメンブレンを形成
している。
【0003】その際には、犠牲層の端部とその周囲のエ
ッチングストッパとの間で段差が生じないようにするこ
とが、結果的に、メンブレンの平坦化につながる。その
ようなものとしては、例えば、特開平7−43216号
公報に記載のものが提案されている。
【0004】このものは、犠牲層として多結晶シリコン
を成膜してパターニングし、メンブレン横方向のエッチ
ングストッパとなるBPSG(Boro−Phosph
o−Silicate Glass)を堆積し、その
後、側壁がテーパ形状となるように多結晶シリコン上の
BPSGを除去することにより、犠牲層に極端な段差を
生じさせないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来公報に記載の技術では、BPSGと多結晶シリコ
ンとの間に段差が形成されることに変わりはない。その
ため、犠牲層エッチング後において、この段差形状はメ
ンブレンに継承され、結果、空洞部上に位置するメンブ
レンの端部にも段差形状が発生することとなる。する
と、メンブレンの段差部に応力が集中し、メンブレンの
破壊耐圧が低下してしまう。
【0006】この問題に対して、犠牲層端部の段差を無
くして平坦化するためには、化学的機械的研磨(Che
mical Mechanical Polish、以
下、CMPという)を用いることで達成できると考えら
れる。つまり、エッチングストッパおよび犠牲層を所望
形状にパターニングした後、CMPを行い平坦化した後
に、メンブレンを形成し、空洞部形成のための犠牲層エ
ッチングを行うようにすれば、上記段差を防止できる。
【0007】しかし、それでも、メンブレンサイズ(空
洞部のサイズ)すなわち犠牲層である多結晶シリコンの
面積が大きいと、CMP後には、多結晶シリコン犠牲層
の中央部が凹形状となるディッシングが発生する。それ
により、CMP後の犠牲層の上にメンブレンを形成する
と、空洞部形成後のメンブレンも、上記ディッシングの
影響を受けてたわんだ形状(凹形状)となってしまい、
メンブレンの平坦化が達成できない。
【0008】そこで、本発明は上記問題に鑑み、半導体
基板の一面側に、エッチングにより空洞部を形成すると
ともに該空洞部を覆うようにメンブレンを形成してなる
半導体装置において、犠牲層のディッシングを起こすこ
となくCMP技術により平坦なメンブレンを得ることを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、半導体基板(10)の
一面(11)側に、エッチングにより空洞部(13)を
形成するとともに空洞部を覆うようにメンブレン(2
0)を形成してなる半導体装置の製造方法において、半
導体基板の一面上に耐研磨性に優れエッチングが可能な
材料よりなる第1の膜(12)を形成する工程と、第1
の膜において空洞部となるべき部位の外周部に、半導体
基板の一面に到達する溝(16)を形成する工程と、エ
ッチングに対する耐性を有し且つ第1の膜よりも研磨性
に優れた材料よりなる第2の膜(14)を、溝の内部に
充填しつつ第1の膜の上に形成する工程と、第1の膜を
ストッパとして、第1の膜の上の第2の膜を化学的機械
的研磨(CMP)法にて研磨することにより除去し、第
1の膜の上面を平坦面とする工程と、平坦面となった第
1の膜の上面にメンブレンを形成する工程と、メンブレ
ンのうち空洞部に対応する部位に、メンブレンの表面か
ら第1の膜に到達するエッチングホール(28、29)
を形成する工程と、エッチングホールを介して第1の膜
をエッチングして除去することにより空洞部を形成する
工程とを備えることを特徴とする。
【0010】本製造方法によれば、メンブレン(20)
下において、耐エッチング性を有する第2の膜(14)
をエッチングストッパとして、エッチングが可能な第1
の膜(12)が犠牲層エッチングされ除去されること
で、メンブレン下の空洞部(13)を形成することがで
き、半導体装置を製造することができる。
【0011】ここで、CMPでは、研磨性に優れた第2
の膜(14)を除去して平坦にすれば良く、その下の比
較的耐研磨性に優れた(比較的研磨レートの遅い)犠牲
層としての第1の膜(12)がCMPのストッパとな
り、第1の膜の平坦性を確保することができる。
【0012】そのため、CMPを行っても、従来の多結
晶シリコンの犠牲層のようなディッシングは起こりにく
くなることから、平坦面となった第1の膜(12)の上
に形成されるメンブレン(20)も平坦なものを得るこ
とができる。
【0013】こうして、本発明によれば、犠牲層のディ
ッシングを起こすことなくCMP技術により平坦なメン
ブレンを得ることのできるメンブレンを有する半導体装
置のの製造方法を提供することができる。
【0014】ここで、請求項2に記載の発明のように、
犠牲層となる第1の膜(12)としては、従来の多結晶
シリコンよりも研磨レートの遅い酸化シリコンを用い、
エッチングストッパとなる第2の膜(14)としては多
結晶シリコンを用いることにより、請求項1の発明の効
果を適切に実現することができる。
【0015】また、請求項3に記載の発明では、半導体
基板(10)と、半導体基板の一面(11)側にエッチ
ングにより形成された空洞部(13)と、空洞部を覆う
ように半導体基板の一面上に設けられたメンブレン(2
0)とを備える半導体装置において、空洞部の外周に位
置する半導体基板の一面とメンブレンとの間には、耐研
磨性に優れエッチングが可能な材料よりなる第1の膜
(12)が介在しており、空洞部の側面となる第1の膜
の端面には、エッチングに対する耐性を有し且つ第1の
膜よりも研磨性に優れた材料よりなる第2の膜(14)
が形成されており、空洞部の内周に位置するメンブレン
には、厚さ方向に貫通するエッチングホール(28)が
設けられていることを特徴とする。
【0016】本発明のメンブレンを有する半導体装置
は、上記請求項1に記載の製造方法により適切に製造さ
れうるもので、その効果は請求項1の発明と同様であ
る。
【0017】ここで、請求項4に記載の発明のように、
第1の膜(12)は酸化シリコンからなり、第2の膜
(14)は多結晶シリコンからなるものにでき、それに
より、請求項3の発明の効果を適切に発揮させることが
できる。
【0018】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態は、本発明のメンブレン
を有する半導体装置を、複数の熱電対の起電力を利用し
たサーモパイル型の赤外線センサに適用したものとして
説明する。
【0020】本発明の実施形態に係る赤外線センサS1
の概略平面構成を図1に示し、概略断面構成を図2に示
す。なお、図1中のハッチングは、各部の識別を容易に
するために施したもので断面を示すものではない。
【0021】赤外線センサS1は、シリコン基板(本発
明でいう半導体基板)10を備え、このシリコン基板1
0は、図1に示すように、矩形板状をなしている。図
1、図2に示すように、シリコン基板10の一面11の
上には、矩形枠状の酸化シリコン膜(本発明でいう第1
の膜)12が形成されている。この酸化シリコン膜(S
iO2膜)12は、図1では点々ハッチングにて示して
ある。
【0022】この酸化シリコン膜12の矩形状の空洞部
13は、酸化シリコン膜12をエッチング除去すること
で形成されている。つまり、シリコン基板10の一面1
1側には、エッチングにより形成された空洞部13が備
えられている。
【0023】そして、図2に示すように、空洞部13の
側面となる酸化シリコン膜12の内周端面には、多結晶
シリコン膜(本発明でいう第2の膜、以下、側面多結晶
シリコン膜という)14が形成されている。この側面多
結晶シリコン膜14は、図1では破線にて示してある。
【0024】そして、図2に示すように(図1では省
略)、酸化シリコン膜12の上には、空洞部13を覆う
ように多結晶シリコン膜(以下、上面多結晶シリコン膜
という)15が形成されており、この上面多結晶シリコ
ン膜15の上には、各種配線や膜等を積層してなるセン
シング部としてのメンブレン20が形成されている。つ
まり、メンブレン20は空洞部13を覆うようにシリコ
ン基板10の一面11上に設けられている。
【0025】ここで、酸化シリコン膜(第1の膜)12
は、空洞部13の外周に位置するシリコン基板10の一
面11とメンブレン20との間に介在しているが、この
酸化シリコン膜12は、耐研磨性に優れ且つ上記空洞部
13を形成するためのエッチングが可能なものである。
酸化シリコン膜12は、CVD(化学気相成長法)、ス
パッタ、熱酸化等により成膜可能である。
【0026】また、側面多結晶シリコン膜(第2の膜)
14は、上記空洞部13を形成するためのエッチングに
対する耐性を有し且つ酸化シリコン膜12よりも研磨性
に優れたものである。なお、側面および上面多結晶シリ
コン膜14、15はCVD等により成膜可能なものであ
る。
【0027】なお、本実施形態においては、第1の膜1
2は、第2の膜14よりも耐研磨性に優れ(研磨レート
の遅い)且つ上記エッチングが可能な材料よりなるもの
であれば良く、第2の膜14は、上記エッチングに対す
る耐性を有し且つ第1の膜12よりも研磨性に優れた
(研磨レートの速い)材料よりなるものであれば良く、
そのようなものであれば、上記酸化シリコンや多結晶シ
リコンに代えて用いることができる。
【0028】また、メンブレン20は、図2に示すよう
に、シリコン基板10の一面11側から、窒化シリコン
膜(SiN膜)21、酸化シリコン膜(SiO2膜)2
2、多結晶シリコン配線23、層間絶縁膜24、アルミ
配線25、および保護膜26が順次積層されてなるもの
である。
【0029】なお、図1においては、メンブレン20の
うち、膜21、22、24、26は省略し、多結晶シリ
コン配線(斜線ハッチングにて図示)23、およびアル
ミ配線25のみ示してある。
【0030】図2に示すように、窒化シリコン膜21お
よび酸化シリコン膜22は、シリコン基板10の一面1
1上のほぼ全域に形成されている。これら窒化シリコン
膜21および酸化シリコン膜22はCVD法等により成
膜され、絶縁膜として構成されるものである。
【0031】多結晶シリコン配線23は、酸化シリコン
膜22の上に形成されており、図1に示すように、空洞
部13の中央部から空洞部13の外側のシリコン基板1
0の部分に渡って、複数本放射状に形成されている。こ
の多結晶シリコン配線23は、CVD法等により成膜さ
れたもので配線抵抗を下げるために不純物を導入してあ
る。
【0032】層間絶縁膜24は、図2に示すように、多
結晶シリコン配線23の上および多結晶シリコン配線2
3が形成されていない酸化シリコン膜22の上に、形成
されている。この層間絶縁膜24は、メンブレン20内
の各種配線の電気的絶縁を行うものであり、本例では、
CVD法等により成膜された酸化シリコン膜よりなる。
【0033】アルミ配線25は、層間絶縁膜24の上に
形成されており、図1に示すように、隣接する各多結晶
シリコン配線23の間を接続するように、複数本放射状
に形成されている。このアルミ配線25は、スパッタ法
や蒸着法等により形成されたアルミニウムよりなり、各
アルミ配線25は、層間絶縁膜24に形成された開口部
(コンタクトホール)25aを介して多結晶シリコン配
線23と電気的に接続されている。なお、層間絶縁膜2
4は、アルミ配線25と多結晶シリコン配線23とが電
気的接続部以外で重ならない場合は、省略が可能であ
る。
【0034】このようにして、複数本の多結晶シリコン
配線23およびアルミ配線25が直列に接続されること
によって、赤外線センサS1の熱電対が構成されてお
り、この熱電対23、25は、図1に示す様に、複数回
折り返された折り返し形状を有している。複数個の折り
返し部つまりコンタクトホール25aの各々が、両配線
23、25の接合部となっており、この接合部25aに
てゼーベック効果によって起電力が発生するようになっ
ている。
【0035】そして、熱電対23、25の両端部のアル
ミ配線25にはそれぞれ、図1、図2に示す様に、外部
と電気的に接続するためのアルミパッド25bが形成さ
れている。そして、空洞部13上に位置する接合部25
aが温接点、空洞部13の外側のシリコン基板10の部
分に位置する接合部25aが冷接点となり、両接点の温
度差に基づく熱電対23、25の電圧が、上記両アルミ
パッド25bの間に出力されるようになっている。
【0036】また、保護膜26は、アルミ配線25の上
およびアルミ配線25が形成されていない層間絶縁膜2
4の上に、形成されている。この保護膜26はCVD法
等にて成膜された窒化シリコン膜等よりなる。また、こ
の保護膜26には、上記アルミパッド25bを露出させ
るための開口部が形成されている。
【0037】以上のように、メンブレン20は、各配線
および各膜21〜26により構成されている。そして、
空洞部13の内周に位置するメンブレン20には、厚さ
方向に貫通するエッチングホール28が設けられてい
る。
【0038】また、図2に示すように、メンブレン20
の上には、赤外線吸収膜27が形成されている。この赤
外線吸収膜27は、図1にて一点鎖線で示すように、空
洞部13上の中央に相当する部位にて、上記温接点であ
る接合部25aを覆うように形成されている。
【0039】この赤外線吸収膜27は、赤外線を吸収し
て温接点の温度を効率よく上昇させるためのものであ
り、本例では、ポリエステル樹脂にカーボン(C)を含
有させ焼き固めたものである。
【0040】このような構成を有する本実施形態の赤外
線センサS1は、次のように作動する。空洞部13上の
メンブレン20に位置する温接点25aは、空洞部13
の外側のシリコン基板10(厚肉部)上に位置する冷接
点25aよりも熱引き性が小さい。
【0041】そのため、メンブレン20上にて赤外線を
受光すると、赤外線吸収膜27の効果と相まって、温接
点の方が冷接点よりも高温となる。そして、温接点と冷
接点との温度差に応じた熱電対23、25の電圧が、両
アルミパッド25bから出力されることで、赤外線の検
出が可能となっている。
【0042】次に、上記赤外線センサS1の製造方法に
ついて説明する。図3および図4は、本製造方法を上記
図2に対応した断面にて示す工程図である。なお、本製
造方法は、通常ウェハ状態にて行われ、該ウェハに上記
赤外線センサS1を複数個のチップ単位で製造した後、
ダイシングカットするものである。
【0043】[図3(a)に示す工程]まず、シリコン
基板10の一面11に、耐研磨性に優れエッチングが可
能な材料よりなる第1の膜としての酸化シリコン膜12
を形成する(第1の膜形成工程)。酸化シリコン膜12
は、CVD、スパッタ、熱酸化等により成膜する。
【0044】次に、酸化シリコン膜(第1の膜)12に
おいて空洞部13となるべき部位の外周部に、シリコン
基板10の一面11に到達する溝16を形成する(溝形
成工程)。本例では、ドライエッチングやウェットエッ
チング等により、空洞部13の外形を画定する矩形環状
の溝16を形成する。
【0045】[図3(b)に示す工程]次に、エッチン
グに対する耐性を有し且つ酸化シリコン膜(第1の膜)
12よりも研磨性に優れた材料よりなる第2の膜として
の多結晶シリコン膜14を、CVD等によって、溝16
の内部に充填しつつ酸化シリコン膜12の上にも形成す
る(第2の膜形成工程)。
【0046】そして、酸化シリコン膜12をストッパと
して、酸化シリコン膜12の上の多結晶シリコン膜14
(図3(b)中、図示せず)を化学的機械的研磨(CM
P)法にて研磨することにより除去し、酸化シリコン膜
12の上面を平坦面とする(CMP工程)。このときの
状態が図3(b)に示される。
【0047】ここで、CMP法は周知のものであるが、
例えば、アンモニア等を含むアルカリ液にコロイド状の
酸化珪素を含有させたスラリーを用いて行う。それによ
れば、化学反応と機械的研磨との両方の作用により、図
3(b)に示すように、酸化シリコン膜12の表面およ
び酸化シリコン膜12に埋め込まれた多結晶シリコン膜
(第2の膜)14の表面が、同一平面に平坦化される。
【0048】[図3(c)に示す工程]次に、平坦化さ
れた酸化シリコン膜12の上に、後工程の犠牲層エッチ
ングにおいてエッチングストッパとなり、メンブレン2
0がエッチングされないようにするための上記上面多結
晶シリコン膜15を、CVD等により形成する。
【0049】[図3(d)に示す工程]次に、上面多結
晶シリコン膜15の上にメンブレン20を形成する(メ
ンブレン形成工程)。本例では、まず、CVD法等によ
り窒化シリコン膜21および酸化シリコン膜22を形成
し、その上に、多結晶シリコンを成膜し、これをフォト
リソグラフ法等によりパターニングして多結晶シリコン
配線23を形成する。
【0050】次に、CVD法等にて層間絶縁膜24を成
膜し、層間絶縁膜24における所望の部位に、フォトリ
ソグラフ法等により上記コンタクトホール25aを形成
した後、スパッタ法や蒸着法等によりアルミニウムの膜
を成膜し、これをフォトリソグラフ法等によりパターニ
ングしてアルミ配線25および上記アルミパッド25b
を形成する。
【0051】次に、CVD法等にて保護膜26を成膜
し、これをフォトリソグラフ法等によりパターニングし
て、上記アルミパッド25bを露出させるための開口部
を形成する。こうして、各配線および各膜21〜26に
よりなるメンブレン20が形成される。
【0052】[図4(a)に示す工程]次に、メンブレ
ン20のうち空洞部13に対応する部位に、メンブレン
20の表面から酸化シリコン膜(第1の膜)12に到達
するエッチングホール28、29を形成する(エッチン
グホール形成工程)。
【0053】具体的には、まず、メンブレン20の表面
から酸化シリコン膜12へ届くように、ドライまたはウ
ェットエッチングにより第1のエッチングホール28を
形成する。続いて、メンブレン20の最表面を、酸化シ
リコン12のエッチング液に対し耐性のあるレジスト等
の有機材料膜30で覆う。この有機材料膜30は塗布法
等にて成膜できる。
【0054】このとき、有機材料膜30によって第1の
エッチングホール28は充填され、塞がる。次に、第1
のエッチングホール28の部分にて、有機材料膜30を
フォトエッチングやドライエッチングする等により、第
1のエッチングホール28よりもひと回り小さく且つ酸
化シリコン膜12に到達する第2のエッチングホール2
9を形成する。
【0055】このようにエッチングホール28、29を
2回に分けて形成することで、第2のエッチングホール
29の側面は、有機材料膜30にて覆われたものとな
る。そのため、酸化シリコン膜(犠牲層)12のエッチ
ングの際に、メンブレン20を構成する窒化シリコン膜
21、酸化シリコン膜22、層間絶縁膜24および保護
膜26をエッチング液から保護することができる。
【0056】[図4(b)に示す工程]次に、第2のエ
ッチングホール29を介して酸化シリコン膜(第1の
膜)12をエッチングして除去することにより空洞部1
3を形成する(犠牲層エッチング工程)。酸化シリコン
膜12のエッチング液としては、フッ酸等のエッチング
液が用いられる。
【0057】なお、従来の多結晶シリコン犠牲層の場合
は、エッチングにより発生したH2の気泡がエッチング
ホールから逃げ切れずに、メンブレンを破壊することが
ある。しかし、本例では、酸化シリコンを犠牲層として
エッチングするため、H2の気泡は発生せず、この気泡
によるメンブレン20の破壊を抑制することができる。
【0058】この後、有機材料膜30を除去し、メンブ
レン20の上に赤外線吸収膜27を形成することによ
り、上記赤外線センサS1ができあがる。なお、この有
機材料膜30の除去に伴い、第1のエッチングホール2
8がメンブレン20に残る。この後、ダイシングカット
を行い、チップ毎に分断する。
【0059】ところで、本実施形態の製造方法によれ
ば、メンブレン20下において、耐エッチング性を有す
る側面多結晶シリコン膜(第2の膜)14をエッチング
ストッパとして、エッチングが可能な酸化シリコン膜
(第1の膜)12が犠牲層エッチングされ除去されるこ
とで、メンブレン20下の空洞部13を形成することが
でき、赤外線センサS1を製造することができる。
【0060】ここで、CMPでは、研磨性に優れた多結
晶シリコン膜14を除去して平坦にすれば良く、その下
の比較的耐研磨性に優れた(比較的研磨レートの遅い)
犠牲層としての酸化シリコン膜12がCMPのストッパ
となり、酸化シリコン膜12の平坦性を確保することが
できる。
【0061】そのため、CMPを行っても、従来の多結
晶シリコンの犠牲層のようなディッシングは起こりにく
くなることから、平坦面となった酸化シリコン膜12の
上に形成されるメンブレン20も平坦なものを得ること
ができる。
【0062】こうして、本実施形態によれば、犠牲層1
2のディッシングを起こすことなくCMP技術により平
坦なメンブレン20を得ることのできるメンブレンを有
する赤外線センサおよびその製造方法を提供することが
できる。
【0063】(他の実施形態)なお、メンブレンの下に
空洞部を形成する理由は、メンブレンの熱逃げを抑制す
るためであるが、空洞部を介したメンブレンの熱逃げを
さらに抑制するために、図5に示すように、空洞部13
の深さを犠牲層である酸化シリコン膜12の厚さよりも
深く確保したい場合がある。
【0064】その場合には、上記の犠牲層エッチング工
程を行った後、さらに、TMAH(水酸化テトラメチル
アンモニウム)のような異方性アルカリエッチング液で
シリコン基板10を異方性エッチングすればよい。この
とき、シリコン基板10としては主表面は(100)面
のものを用いる。
【0065】それによって、図5に示すように、シリコ
ン基板10における空洞部13の底部が(100)面、
側面が(111)面となる。また、この場合、上記の有
機材料膜30は、アルカリエッチング液に対しても耐性
のあるフッ素系の有機材料にする。また、上面多結晶シ
リコン膜15として高濃度のボロンを添加したものにす
ることにより、メンブレン20のエッチングを抑制しつ
つシリコン基板10をエッチングすれば良い。
【0066】図5では、高濃度のボロンを添加した上面
多結晶シリコン膜15は、上記異方性エッチング後も残
るが、側面多結晶シリコン膜14はシリコン基板10と
ともにエッチングされる。しかし、図5の例において
は、側面多結晶シリコン膜14となる多結晶シリコンに
も高濃度のボロンを添加して、側面および上面の多結晶
シリコン膜14、15の両方を残しても良い。
【0067】なお、本発明は上記した赤外線センサ以外
にも、半導体基板の一面側に、エッチングにより凹部を
形成するとともに該凹部を覆うようにメンブレンを形成
してなる半導体装置であれば適用可能であり、例えば、
圧力センサ、フローセンサ、ガスセンサ等に適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る赤外線センサの概略平
面図である。
【図2】図1に示す赤外線センサの概略断面図である。
【図3】図1に示す赤外線センサの製造方法を断面的に
示す工程図である。
【図4】図3に続く製造方法を断面的に示す工程図であ
る。
【図5】本発明の他の実施形態に係る赤外線センサの概
略断面図である。
【符号の説明】
10…シリコン基板(半導体基板)、11…シリコン基
板の一面、12…酸化シリコン膜、13…空洞部、14
…多結晶シリコン膜、16…溝、20…メンブレン、2
8…第1のエッチングホール、29…第2のエッチング
ホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/32 H01L 35/32 A Fターム(参考) 2G065 AB02 BA11 DA20 2G066 BA08 BA55 4M112 AA10 BA10 CA01 DA03 DA04 DA05 DA06 DA08 DA09 DA11 EA03 EA04 EA06 EA07 EA11 EA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板(10)の一面(11)側
    に、エッチングにより空洞部(13)を形成するととも
    に前記空洞部を覆うようにメンブレン(20)を形成し
    てなる半導体装置の製造方法において、 前記半導体基板の一面上に耐研磨性に優れ前記エッチン
    グが可能な材料よりなる第1の膜(12)を形成する工
    程と、 前記第1の膜において前記空洞部となるべき部位の外周
    部に、前記半導体基板の一面に到達する溝(16)を形
    成する工程と、 前記エッチングに対する耐性を有し且つ前記第1の膜よ
    りも研磨性に優れた材料よりなる第2の膜(14)を、
    前記溝の内部に充填しつつ前記第1の膜の上に形成する
    工程と、 前記第1の膜をストッパとして、前記第1の膜の上の前
    記第2の膜を化学的機械的研磨(CMP)法にて研磨す
    ることにより除去し、前記第1の膜の上面を平坦面とす
    る工程と、 平坦面となった前記第1の膜の上面に前記メンブレンを
    形成する工程と、 前記メンブレンのうち前記空洞部に対応する部位に、前
    記メンブレンの表面から前記第1の膜に到達するエッチ
    ングホール(28、29)を形成する工程と、 前記エッチングホールを介して、前記第1の膜をエッチ
    ングして除去することにより、前記空洞部を形成する工
    程とを備えることを特徴とするメンブレンを有する半導
    体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の膜(12)は酸化シリコンか
    らなり、前記第2の膜(14)は多結晶シリコンからな
    ることを特徴とする請求項1に記載のメンブレンを有す
    る半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板(10)と、 前記半導体基板の一面(11)側にエッチングにより形
    成された空洞部(13)と、 前記空洞部を覆うように前記半導体基板の一面上に設け
    られたメンブレン(20)とを備える半導体装置におい
    て、 前記空洞部の外周に位置する前記半導体基板の一面と前
    記メンブレンとの間には、耐研磨性に優れ前記エッチン
    グが可能な材料よりなる第1の膜(12)が介在してお
    り、 前記空洞部の側面となる前記第1の膜の端面には、前記
    エッチングに対する耐性を有し且つ前記第1の膜よりも
    研磨性に優れた材料よりなる第2の膜(14)が形成さ
    れており、 前記空洞部の内周に位置する前記メンブレンには、厚さ
    方向に貫通するエッチングホール(28)が設けられて
    いることを特徴とするメンブレンを有する半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の膜(12)は酸化シリコンか
    らなり、前記第2の膜(14)は多結晶シリコンからな
    ることを特徴とする請求項3に記載のメンブレンを有す
    る半導体装置。
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