JP4258100B2 - 半導体圧力センサの製造方法 - Google Patents

半導体圧力センサの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1のシリコン基板と第2のシリコン基板とをシリコン酸化膜を介して貼り合わせてなる半導体基板に対して、第2のシリコン基板の一部をエッチングして除去することにより、残された部分の第1のシリコン基板及びシリコン酸化膜によって圧力検出用のダイヤフラムを形成するようにした半導体圧力センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の半導体圧力センサの製造方法としては、例えば、特許第2803321号公報に記載のものが提案されている。その製造方法は、一般に次のようである。表面回路素子やゲージ抵抗等を形成するための第1のシリコン基板と、その第1のシリコン基板の支持及びダイヤフラム用のキャビティを形成するための第2のシリコン基板とを、シリコン酸化膜(以下、埋込酸化膜という)を介して貼り合わせた半導体基板(SOI基板)を用意する。
【0003】
その後、半導体圧力センサに必要なダイヤフラムを形成するため、第2のシリコン基板を裏面(貼り合わせ面と反対側の面)からエッチングし、シリコン酸化膜をエッチングストッパとすることにより、残された部分の第1のシリコン基板によって圧力検出用のダイヤフラムを形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ダイヤフラム形成後においては、第1のシリコン基板の貼り合わせ面が露出しないように、埋込酸化膜を残す必要がある。これは、次の理由による。SOI基板においては、第1のシリコン基板の貼り合わせ面側には、表面回路素子等を形成するために必要な埋め込みN+拡散層が形成されており、このN+拡散層の拡散を防止するため、第2のシリコン基板の貼り合わせ面に埋込酸化膜を形成し、例えば1100℃程度で熱処理しながら第1のシリコン基板に貼り合わせている。
【0005】
このとき、第1のシリコン基板と埋込酸化膜との貼り合わせ界面には、部分的に接合されていない部分、いわゆるボイドが多かれ少なかれ発生する。もしも、埋込酸化膜を残さずに第1のシリコン基板(SOI層)のみのダイヤフラムとすると、ダイヤフラムのエッジ部に上記ボイドが発生していた場合、そこからエッチング液が染み込んでしまい、第1のシリコン基板がエッチングされてしまう。
【0006】
また、ダイヤフラムが形成されたSOI基板は、通常、第2のシリコン基板側をガラス等の台座に接合してダイヤフラムを形成するキャビティ内を真空としている。ここで、ダイヤフラムのエッジ部にボイドが存在すると、そこから、リークが発生し、キャビティ内の真空度が悪化し、センサ特性に悪影響を及ぼすこともある。従って、上記不具合を回避するために、ダイヤフラム形成後においては、エッチングストッパとなる埋込酸化膜を残す必要がある。
【0007】
しかしながら、埋込酸化膜を残すようにダイヤフラムエッチングを行うにあたって、従来の方法では、次のような問題点がある。それは、埋込酸化膜を残したダイヤフラムをエッチングにより形成する工程以降にある。一般的な半導体製造方法を用いてダイヤフラムエッチングのマスクを形成する場合、表面素子等が既に形成されていることから、低温(〜400℃程度)で成膜可能なPE−CVD(プラズマCVD)等を用いる。その膜種としては、SiO系(シリコン酸化膜)、SiN系(シリコン窒化膜)が一般的である。
【0008】
ここで、マスクとしてSiO系の膜を用いると、第2のシリコン基板をエッチングする際のエッチング液、例えばKOH、TMAH(テトラメチルアンモニウム)等は、Si/SiOエッチング選択比が数十程度と小さいため、第2のシリコン基板のシリコンエッチングを行なう際、エッチングされるべき領域外の領域がエッチングされてしまう。
【0009】
実際には、シリコンを数百μmの深さまでエッチングするが、マスクとしてのSiO系膜は〜1μm程度が限界である。Si/SiOエッチング選択比が数十程度の制約で、工程を成立させるためには、シリコンエッチング深さをせいぜい数十μmと浅くするか、もしくはSiO系膜を数十μm成膜して厚くするかという手段を採用することとなる。
【0010】
ウエハ割れの観点からは、シリコン厚数十μmというのは薄すぎて実用的ではなく、SiO系膜を数十μm成膜するというのも、厚くなるほど膜自体のクラックが発生しやすいことや、スループットの点で実用的ではない。また、SiO系膜にピンホールが存在すると、マスキングされるべき領域が部分的にエッチングされてしまうことはいうまでもない。こういったことから、SiO系膜をマスクに用いた場合、歩留り良くダイヤフラムを形成することはできない。
【0011】
一方、ダイヤフラムエッチングのマスクとして、SiN系の膜を用いると、エッチング選択比については数百程度以上が確保可能となりダイヤフラムエッチングは可能となるが、次のような問題がある。この種の半導体圧力センサは、一般には、他の基板に接合され、ダイヤフラムと他の基板との間に形成されたキャビティを真空室とする構成が採用される。例えば、SOI基板の第2のシリコン基板とガラス基板とを、真空雰囲気中にて陽極接合する。
【0012】
このようなガラス基板を接合することによりキャビティを真空室とする工程に、半導体圧力センサを供するためには、エッチングマスクであるSiN系膜を除去しなければならない。除去方法としては、ガス放電プラズマ等を用いたいわゆるドライエッチング、もしくは弗酸系エッチング液等を用いたいわゆるウエットエッチングが、一般的である。
【0013】
しかし、マスクであるSiN系膜をドライエッチングによって除去すると、除去後の第2のシリコン基板の面、即ち、他の基板との接合面が粗くなってしまう。特に、上記したガラス基板と陽極接合する場合は、安定した陽極接合が可能な鏡面を確保することが困難である。
【0014】
また、マスクであるSiN系膜を弗酸系エッチング液によるウェットエッチングによって除去する場合、SiN系膜と埋込酸化膜とのエッチングレートは、二桁程度SiN系膜の方が遅い。そのため、SiN系膜を除去すると、埋込酸化膜は完全にエッチングされてしまい、ダイヤフラムが埋込酸化膜を残した構成ではなくなってしまう。同時に埋込酸化膜は横方向にもエッチングされてしまうため、ダイヤフラムの横方向の形状が大きくなってしまう。実際には、SiN系膜厚は〜1μm、埋込酸化膜厚はせいぜい〜3μm程度であるため、SiN系膜を弗酸系エッチング液でエッチングすることは好ましくない。
【0015】
ここで、SiN系膜を埋込酸化膜よりも速いエッチングレートで除去可能なエッチング液としてりん酸があるが、そうはいっても、エッチングレートを大きくするために例えば180℃と非常に高温で処理しなければならず、このように高温処理を行っても、エッチングレートは、せいぜい10nm/分程度である。
【0016】
そのため、スループットの観点からは実用的でないし、また、既に形成されている表面素子の保護のための材料(レジスト等)も高温・長時間りん酸エッチングに耐えうるものは一般的にはない。こういったことから、埋込酸化膜を残したダイヤフラムを形成するとなると、一般的な半導体製造方法では、なかなか困難である。
【0017】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、SOI基板に対して、第2のシリコン基板の一部をエッチングして除去することにより、残された部分の第1のシリコン基板及び埋込酸化膜によって圧力検出用のダイヤフラムを形成するようにした半導体圧力センサの製造方法において、ダイヤフラムに残される埋込酸化膜を、適切に所望の形状とできるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明においては、ダイヤフラム(1)を形成する際のエッチング用のマスクとして、第2のシリコン基板(12)の表面に、当該表面側からシリコン酸化膜(6)、シリコン窒化膜(7)が順次積層されてなる積層膜を形成する工程と、この積層膜をマスクとして第2のシリコン基板をエッチングすることによりダイヤフラムを形成する工程と、しかる後、積層膜のシリコン窒化膜をドライエッチングにより除去する工程と、ダイヤフラムを構成する第1のシリコン基板(11)が露出しないように、積層膜のシリコン酸化膜をウェットエッチングにより除去する工程と、を実行するものであり、積層膜のシリコン酸化膜(6)は、半導体基板(10)のシリコン酸化膜(13)よりも膜厚が薄いものであり、積層膜を除去した後、半導体基板(10)の第2のシリコン基板(12)側を台座(20)と接合する工程を実行することを特徴としている。
【0019】
本発明では、ダイヤフラムを形成する際のエッチング用のマスクとして、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜を用いている。そのため、ダイヤフラム形成後、積層膜の上層部分であるシリコン窒化膜をドライエッチングにより除去する際に、第2のシリコン基板のうちダイヤフラム以外の表面は、下層のシリコン酸化膜により保護され、このドライエッチングにより粗くなることはない。
【0020】
また、積層膜の下層部分であるシリコン酸化膜をウェットエッチングにより除去する際に、ダイヤフラムを構成する第1のシリコン基板が露出しないように、ダイヤフラムのシリコン酸化膜(埋込酸化膜)を残す。このウェットエッチングにおいて、ダイヤフラムにて残される埋込酸化膜の膜厚等を決めておき、この膜厚から逆算して積層膜のシリコン酸化膜の膜厚等を設定しておけば、最終的にダイヤフラムに残される埋込酸化膜を所望の形状にすることができる。
【0021】
このように、本発明によれば、ダイヤフラムを形成する際のエッチング用のマスクとしてシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜を用い、ダイヤフラム形成後のマスクの除去を上記の様に行うことにより、第2のシリコン基板のうちダイヤフラム以外の部分の表面の平坦性を維持しつつ、ダイヤフラムに残される埋込酸化膜を適切に所望の形状とできる。
【0022】
ここで、本発明では、マスクである積層膜のシリコン酸化膜(6)を、半導体基板(10)のシリコン酸化膜(13)(埋込酸化膜)よりも膜厚が薄いものとしているので、積層膜のシリコン酸化膜の除去において、積層膜のシリコン酸化膜の方を埋込酸化膜よりも容易に速く除去する構成にでき、好ましい。
【0023】
また、発明では、積層膜のシリコン窒化膜(7)及びシリコン酸化膜(6)を除去した後、半導体基板(10)の第2のシリコン基板(12)側をガラス台座(20)と陽極接合する工程を実行することを特徴としている。本発明の製造方法によれば、第2のシリコン基板のうちダイヤフラム以外の表面は、積層膜の除去によって粗くなることはないため、本発明のように、第2のシリコン基板側をガラス台座と陽極接合しても、良好な接合性を実現することができる。
【0024】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る半導体圧力センサの製造方法を示す工程図である。本製造方法は、最終的に図2(d)に概略断面構成を示す半導体圧力センサ100を製造するもので、図1及び図2(a)〜(c)は工程途中の状態を示す図である。
【0026】
まず、図2(d)に示す様に、本実施形態の半導体圧力センサ100は、圧力検出用のダイヤフラム1が形成された半導体基板10とガラス台座(ガラス基板)20とを接合したウェハを、チップ単位にダイシングカットすることにより形成されたものである。
【0027】
ここで、半導体基板10は、第1のシリコン基板11と第2のシリコン基板12とを、これら第1及び第2のシリコン基板11、12の間に埋め込まれたシリコン酸化膜(以下、埋込酸化膜という)13を介して貼り合わされてなるSOI(シリコン−オン−インシュレータ)基板である。
【0028】
半導体基板10の第2のシリコン基板12側の主表面から第2のシリコン基板12に、凹部を形成することにより、該凹部に対応する部分に残された第1のシリコン基板11及び埋込酸化膜13によって、上記ダイヤフラム1が形成されている。そして、第2のシリコン基板12の主表面には、ガラス台座20が陽極接合され、ダイヤフラム1とガラス台座20との間のキャビティ2に真空室を形成している。
【0029】
このダイヤフラム1の第1のシリコン基板11における主表面側には、ダイヤフラム1の歪みに基づく電気信号を発生するゲージ拡散抵抗(歪みゲージ)3が、ブリッジ回路を構成するように形成されている。また、第1のシリコン基板11のうちダイヤフラム1以外の部位には、p層やn層の拡散によって、バイポーラトランジスタやMOSトランジスタ等の複数個の回路素子4が形成されており、これら回路素子4により、ゲージ拡散抵抗3からの電気信号を検出する回路部が構成されている。
【0030】
また、これら回路素子4及びゲージ拡散抵抗3の各表面素子は、第1のシリコン基板11を厚み方向に突き抜け埋込酸化膜13に達するトレンチ溝5を介して互いに絶縁分離されている。トレンチ溝5内には、ポリシリコン等が充填され絶縁性を高めている。このように、各表面素子3、4をPN接合による分離のみでは無くて、素子面積を小さくすることが可能なトレンチ溝5による絶縁分離を採用することにより、よりいっそうチップの小型化に有利である。
【0031】
次に、本センサ100の製造方法について製造工程順に説明していく。まず、ウェハ状態の上記半導体基板10を用意する。この半導体基板10は、第1のシリコン基板11の貼り合わせ面側に、上記表面素子3、4等を形成するために必要なN+拡散層11aが形成されており、このN+拡散層11aの拡散を防止するため、第2のシリコン基板12の貼り合わせ面に埋込酸化膜13を形成し、例えば1100℃程度で熱処理しながら第1のシリコン基板11に貼り合わせたものである。
【0032】
そして、図1(a)に示す様に、一般的な半導体製造方法を用いて、第1のシリコン基板11の主表面(半導体基板10の表面)に、トレンチ溝5、ゲージ拡散抵抗3やバイポーラ、MOSトランジスタ等の回路素子4を形成する(表面素子形成工程)。なお、実際には、図1(a)〜図2(c)までの工程は、ウェハ状態にて行われるものであるが、最終的にダイシングカットされたチップを単位として示してある。また、図1、図2においては、配線や保護膜は省略してある。
【0033】
次に、図1(b)に示す様に、半導体基板10においてガラス台座20との接合面となる第2のシリコン基板12の主表面(半導体基板10の裏面)を、研削、研磨することにより、第2のシリコン基板12を薄肉化する(研削・研磨工程)。
【0034】
これは、後述のダイヤフラムエッチング工程(図2(a)参照)にて、シリコンの異方性エッチングを用いるので、ガラス基板20との接合面積を増加させる等の目的でテーパ部1aを短くしたり、ガラス基板20との接合の際にうまく接合を行うべく第2のシリコン基板12の主表面を鏡面とするためである。
【0035】
次に、図1(c)に示す様に、ダイヤフラム1を形成する際のエッチング用のマスクとして、第2のシリコン基板12の主表面に、当該主表面側から、シリコン酸化膜6、シリコン窒化膜7を順次積層し、積層膜を形成する(積層膜形成工程)。この積層膜6、7は、CVDやスパッタ等により成膜することができる。
【0036】
また、積層膜6、7の膜厚としては、後述のマスク除去工程(図2(b)及び(c)参照)の後、埋込酸化膜13が十分残り得る膜厚とする。また、シリコン窒化膜7の膜厚としては、シリコン窒化膜7がシリコン酸化膜6のエッチングストッパとなりうる膜厚以上で、且つ、ダイヤフラムエッチング工程の際にもマスクとなりうる膜厚以上であればよい。例えば、埋込酸化膜13が1.3μm、シリコン酸化膜6が0.2μm、シリコン窒化膜7が1.0μmである。
【0037】
次に、図1(d)に示す様に、第2のシリコン基板12の主表面に形成された積層膜6、7のうちダイヤフラム1を形成すべき部位に対応した部位の積層膜6、7を、エッチングして除去することによりパターニングし、所望のパターンを有するマスクを形成する(マスク形成工程)。
【0038】
ここで、本例では、シリコン窒化膜7のパターニングはドライエッチングを用いることが好ましい。シリコン窒化膜7のパターニングは、ウェットエッチングでも良いが、ウエットエッチングでは一般的な半導体製造方法によれば弗酸系エッチング液を用いなければならない。弗酸系エッチング液では、シリコン窒化膜7のパターニング終了以降、シリコン酸化膜6が急激にエッチングされてサイドエッチングされる等の可能性がある。
【0039】
次に、下地のシリコン酸化膜6をフッ酸系エッチング液でパターニングする。このシリコン酸化膜6のエッチングは短時間で済むため、このとき、第1のシリコン基板11に形成された表面素子3、4を、一般的な半導体製造に用いられるレジストにて被覆しておけば、これら表面素子3、4の保護は可能である。なお、このシリコン酸化膜6のパターニングは、ドライエッチングでも良い。
【0040】
次に、図2(a)に示す様に、上記したシリコン酸化膜6とシリコン窒化膜7との積層膜をマスクとして、第2のシリコン基板12をエッチングすることにより、ダイヤフラム1を形成する(ダイヤフラムエッチング工程)。このときシリコンのエッチング液としては、例えば、KOHやTMAH(テトラメチルアンモニウム)等を用いる。
【0041】
第2のシリコン基板12を、その主表面側から異方性エッチングを施すことにより、埋込酸化膜13がエッチングストッパーとなって、上記テーパ部1aを有する凹部が形成される。そして、この凹部に対応して残された部分の第1のシリコン基板11及び埋込酸化膜13によってダイヤフラム1が形成される。
【0042】
また、このエッチングの際には、第1のシリコン基板11の表面をエッチング液から保護することは、如何なる方法でも良い。例えば、ワックスによる保護や、ウェハ外周部をシールし表面にエッチング液を回り込ませない製造装置による保護等である。
【0043】
このようにして、ダイヤフラム1を形成した後、次に、図2(b)、(c)に示すマスク除去工程を行う。積層膜6、7のシリコン窒化膜7をドライエッチングにより除去する工程(シリコン窒化膜除去工程)と、ダイヤフラム1を構成する第1のシリコン基板11が露出しないように積層膜6、7のシリコン酸化膜6をウェットエッチングにより除去する工程(シリコン酸化膜除去工程)とを順次実行し、ダイヤフラムエッチング工程に用いたマスクを全面除去する。
【0044】
まず、図2(b)に示すシリコン窒化膜除去工程では、積層膜6、7の上層部分であるシリコン窒化膜7を、シリコン窒化物を選択的にエッチング可能なガス(例えばCF4系ガス等)を用いてドライエッチングにより除去する。この際、第2のシリコン基板12のうちダイヤフラム1以外の主表面、即ち、ガラス台座20との接合面(台座接合面)は、下層のシリコン酸化膜6により被覆保護されているため、このドライエッチングにより粗くなることはない。
【0045】
次に、図2(c)に示すシリコン酸化膜除去工程では、積層膜6、7の下層部分であるシリコン酸化膜6を、フッ酸系エッチング液等を用いたウェットエッチングにより除去する。この際、ダイヤフラム1を構成する第1のシリコン基板11が露出しないように、ダイヤフラム1の埋込酸化膜13を残す。
【0046】
ここで、シリコン酸化膜6は、CVDやスパッタ等により成膜された酸化膜であり、熱酸化により形成された埋込酸化膜(熱酸化膜)13よりも膜密度が小さく、比較的エッチングされやすい。そのため、エッチング液に対する耐性は、埋込酸化膜13の方がシリコン酸化膜6よりも大きいため、シリコン酸化膜6を除去しても、埋込酸化膜13を残すことができる。
【0047】
本例では、積層膜6、7のシリコン酸化膜6の膜厚を0.2μmとし、埋込酸化膜13の膜厚1.3μmよりも薄くしている。そのため、シリコン酸化膜除去工程において、シリコン酸化膜6の方を埋込酸化膜13よりも速く除去する構成を、容易に実現することができ、好ましい。
【0048】
また、シリコン酸化膜除去工程でのウェットエッチングにおいて、ダイヤフラム1にて残される埋込酸化膜13の膜厚等を決めておき、この膜厚から逆算して積層膜6、7のシリコン酸化膜6の膜厚等を設定しておけば、最終的にダイヤフラム1に残される埋込酸化膜13を所望の形状にすることができる。
【0049】
また、シリコン酸化膜6をウェットエッチングで除去する方法では、第2のシリコン基板12の主表面(台座接合面)が粗くなることはなく鏡面が保持され、ガラス台座20との陽極接合に耐えうる界面を確保可能である。また、フッ酸系エッチング液が等方性エッチングの特性を持つため、埋込酸化膜13は、ダイヤフラム1の端部にて丸められた形状となり、破壊強度が向上する。
【0050】
このようにして、積層膜6、7のシリコン窒化膜7及びシリコン酸化膜6を除去した後、図2(d)に示す様に、半導体基板10の第2のシリコン基板12側をガラス台座(ガラス基板)20と陽極接合する(台座接合工程)。これにより、ダイヤフラム1とガラス台座20との間のキャビティ2に真空室が形成され、絶対圧センサ構造となる。
【0051】
最後に、半導体基板10とガラス台座20とが接合されたウェハをダイシングカットしてチップ単位に分断する(ダイシングカット工程)。このダイシングカット工程の終了に伴い、半導体圧力センサ100が完成する。
【0052】
かかる半導体圧力センサ100においては、第1のシリコン基板11の主表面側から圧力が印加されると、ダイヤフラム1が歪み、このダイヤフラム1の歪みに基づいてゲージ拡散抵抗3の抵抗値が変化し、上記ブリッジ回路における電圧値が変化する。この変化した電圧値が電気信号として上記回路部にて検出されることにより、印加圧力が検出されるようになっている。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、ダイヤフラムエッチング用のマスクとしてシリコン酸化膜6とシリコン窒化膜7との積層膜を用い、ダイヤフラム形成後のマスクの除去を、上記シリコン窒化膜除去工程と上記シリコン酸化膜除去工程とによって行うことにより、第2のシリコン基板12のうちダイヤフラム1以外の部分の表面の平坦性を維持しつつ、ダイヤフラム1に残される埋込酸化膜13を適切に所望の形状とできる。
【0054】
そして、ダイヤフラム1の形成後においては、第1のシリコン基板11と埋込酸化膜13との貼り合わせ界面が露出しないようにできる。当該貼り合わせ界面に存在するボイドが露出しない形とできるため、第1のシリコン基板11の過剰なエッチングやキャビティ2内の真空度の悪化といった不具合を回避することができる。
【0055】
なお、ガラス台座20に対して、キャビティ2へ連通するような圧力導入孔を形成することにより、相対圧型センサとして構成されたものに対しても、本実施形態は適用可能である。また、ガラス台座20の代わりに、ポリシリコンよりなる台座を第2のシリコン基板12と接合しても良い。この場合にも、第2のシリコン基板12における台座接合面の鏡面を保持することは必要であり、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体圧力センサの製造方法を示す工程図である。
【図2】図2に続く製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1…ダイヤフラム、6…シリコン酸化膜、7…シリコン窒化膜、
10…半導体基板、11…第1のシリコン基板、12…第2のシリコン基板、
13…半導体基板のシリコン酸化膜(埋込酸化膜)、20…ガラス台座。

Claims (1)

  1. 第1のシリコン基板(11)と第2のシリコン基板(12)とをシリコン酸化膜(13)を介して貼り合わせてなる半導体基板(10)を用意し、
    前記第2のシリコン基板の一部をエッチングして除去することにより、残された部分の前記第1のシリコン基板及び前記シリコン酸化膜によって圧力検出用のダイヤフラム(1)を形成するようにした半導体圧力センサの製造方法であって、
    前記ダイヤフラムを形成する際のエッチング用のマスクとして、前記第2のシリコン基板の表面に、当該表面側からシリコン酸化膜(6)、シリコン窒化膜(7)が順次積層されてなる積層膜を形成する工程と、
    前記積層膜をマスクとして前記第2のシリコン基板をエッチングすることにより、前記ダイヤフラムを形成する工程と、
    しかる後、前記積層膜の前記シリコン窒化膜をドライエッチングにより除去する工程と、
    前記ダイヤフラムを構成する前記第1のシリコン基板が露出しないように、前記積層膜の前記シリコン酸化膜をウェットエッチングにより除去する工程とを実行するものであり、
    前記積層膜の前記シリコン酸化膜(6)は、前記半導体基板(10)の前記シリコン酸化膜(13)よりも膜厚が薄いものであり、
    前記積層膜を除去した後、前記半導体基板(10)の前記第2のシリコン基板(12)側を台座(20)と接合する工程を実行することを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
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