JP3812411B2 - メンブレンを有する半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

メンブレンを有する半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板の一面側に、エッチングにより形成された空洞部および該空洞部を覆うように形成されたメンブレンを有する半導体装置およびその製造方法に関し、特に、メンブレンの平坦化に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の半導体装置は、単結晶シリコン等の半導体基板の一面上に、等方性エッチング材料で犠牲層を形成し、その犠牲層の上に、窒化シリコンや酸化シリコンなどを堆積し、後に、犠牲層を選択的にエッチング除去し、空洞部を形成することでメンブレンを形成している。
【0003】
その際には、犠牲層の端部とその周囲のエッチングストッパとの間で段差が生じないようにすることが、結果的に、メンブレンの平坦化につながる。そのようなものとしては、例えば、特開平7−43216号公報に記載のものが提案されている。
【0004】
このものは、犠牲層として多結晶シリコンを成膜してパターニングし、メンブレン横方向のエッチングストッパとなるBPSG(Boro−Phospho−Silicate Glass)を堆積し、その後、側壁がテーパ形状となるように多結晶シリコン上のBPSGを除去することにより、犠牲層に極端な段差を生じさせないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来公報に記載の技術では、BPSGと多結晶シリコンとの間に段差が形成されることに変わりはない。そのため、犠牲層エッチング後において、この段差形状はメンブレンに継承され、結果、空洞部上に位置するメンブレンの端部にも段差形状が発生することとなる。すると、メンブレンの段差部に応力が集中し、メンブレンの破壊耐圧が低下してしまう。
【0006】
この問題に対して、犠牲層端部の段差を無くして平坦化するためには、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polish、以下、CMPという)を用いることで達成できると考えられる。つまり、エッチングストッパおよび犠牲層を所望形状にパターニングした後、CMPを行い平坦化した後に、メンブレンを形成し、空洞部形成のための犠牲層エッチングを行うようにすれば、上記段差を防止できる。
【0007】
しかし、それでも、メンブレンサイズ(空洞部のサイズ)すなわち犠牲層である多結晶シリコンの面積が大きいと、CMP後には、多結晶シリコン犠牲層の中央部が凹形状となるディッシングが発生する。それにより、CMP後の犠牲層の上にメンブレンを形成すると、空洞部形成後のメンブレンも、上記ディッシングの影響を受けてたわんだ形状(凹形状)となってしまい、メンブレンの平坦化が達成できない。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、半導体基板の一面側に、エッチングにより空洞部を形成するとともに該空洞部を覆うようにメンブレンを形成してなる半導体装置において、犠牲層のディッシングを起こすことなくCMP技術により平坦なメンブレンを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、半導体基板(10)の一面(11)側に、エッチングにより空洞部(13)を形成するとともに空洞部を覆うようにメンブレン(20)を形成してなる半導体装置の製造方法において、半導体基板の一面上に1の膜(12)を形成する工程と、第1の膜において空洞部となるべき部位の外周部に、半導体基板の一面に到達する溝(16)を形成する工程と、エッチングに対する耐性を有し且つ第1の膜よりも研磨レートの速い材料よりなる第2の膜(14)を、溝の内部に充填しつつ第1の膜の上に形成する工程と、第1の膜をストッパとして、第1の膜の上の第2の膜を化学的機械的研磨(CMP)法にて研磨することにより除去し、第1の膜の上面を平坦面とする工程と、平坦面となった第1の膜の上面にメンブレンを形成する工程と、メンブレンのうち空洞部に対応する部位に、メンブレンの表面から第1の膜に到達するエッチングホール(28、29)を形成する工程と、エッチングホールを介して第1の膜をエッチングして除去することにより空洞部を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
本製造方法によれば、メンブレン(20)下において、耐エッチング性を有する第2の膜(14)をエッチングストッパとして、エッチングが可能な第1の膜(12)が犠牲層エッチングされ除去されることで、メンブレン下の空洞部(13)を形成することができ、半導体装置を製造することができる。
【0011】
ここで、CMPでは、研磨性に優れた第2の膜(14)を除去して平坦にすれば良く、その下の比較的耐研磨性に優れた(比較的研磨レートの遅い)犠牲層としての第1の膜(12)がCMPのストッパとなり、第1の膜の平坦性を確保することができる。
【0012】
そのため、CMPを行っても、従来の多結晶シリコンの犠牲層のようなディッシングは起こりにくくなることから、平坦面となった第1の膜(12)の上に形成されるメンブレン(20)も平坦なものを得ることができる。
【0013】
こうして、本発明によれば、犠牲層のディッシングを起こすことなくCMP技術により平坦なメンブレンを得ることのできるメンブレンを有する半導体装置のの製造方法を提供することができる。
【0014】
ここで、請求項2に記載の発明のように、犠牲層となる第1の膜(12)としては、従来の多結晶シリコンよりも研磨レートの遅い酸化シリコンを用い、エッチングストッパとなる第2の膜(14)としては多結晶シリコンを用いることにより、請求項1の発明の効果を適切に実現することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明では、半導体基板(10)と、半導体基板の一面(11)側にエッチングにより形成された空洞部(13)と、空洞部を覆うように半導体基板の一面上に設けられたメンブレン(20)とを備える半導体装置において、空洞部の外周に位置する半導体基板の一面とメンブレンとの間には、1の膜(12)が介在しており、空洞部の側面となる第1の膜の端面には、エッチングに対する耐性を有し且つ第1の膜よりも研磨レートの速い材料よりなる第2の膜(14)が形成されており、空洞部の内周に位置するメンブレンには、厚さ方向に貫通するエッチングホール(28)が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明のメンブレンを有する半導体装置は、上記請求項1に記載の製造方法により適切に製造されうるもので、その効果は請求項1の発明と同様である。
【0017】
ここで、請求項4に記載の発明のように、第1の膜(12)は酸化シリコンからなり、第2の膜(14)は多結晶シリコンからなるものにでき、それにより、請求項3の発明の効果を適切に発揮させることができる。
【0018】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。本実施形態は、本発明のメンブレンを有する半導体装置を、複数の熱電対の起電力を利用したサーモパイル型の赤外線センサに適用したものとして説明する。
【0020】
本発明の実施形態に係る赤外線センサS1の概略平面構成を図1に示し、概略断面構成を図2に示す。なお、図1中のハッチングは、各部の識別を容易にするために施したもので断面を示すものではない。
【0021】
赤外線センサS1は、シリコン基板(本発明でいう半導体基板)10を備え、このシリコン基板10は、図1に示すように、矩形板状をなしている。図1、図2に示すように、シリコン基板10の一面11の上には、矩形枠状の酸化シリコン膜(本発明でいう第1の膜)12が形成されている。この酸化シリコン膜(SiO2膜)12は、図1では点々ハッチングにて示してある。
【0022】
この酸化シリコン膜12の矩形状の空洞部13は、酸化シリコン膜12をエッチング除去することで形成されている。つまり、シリコン基板10の一面11側には、エッチングにより形成された空洞部13が備えられている。
【0023】
そして、図2に示すように、空洞部13の側面となる酸化シリコン膜12の内周端面には、多結晶シリコン膜(本発明でいう第2の膜、以下、側面多結晶シリコン膜という)14が形成されている。この側面多結晶シリコン膜14は、図1では破線にて示してある。
【0024】
そして、図2に示すように(図1では省略)、酸化シリコン膜12の上には、空洞部13を覆うように多結晶シリコン膜(以下、上面多結晶シリコン膜という)15が形成されており、この上面多結晶シリコン膜15の上には、各種配線や膜等を積層してなるセンシング部としてのメンブレン20が形成されている。つまり、メンブレン20は空洞部13を覆うようにシリコン基板10の一面11上に設けられている。
【0025】
ここで、酸化シリコン膜(第1の膜)12は、空洞部13の外周に位置するシリコン基板10の一面11とメンブレン20との間に介在しているが、この酸化シリコン膜12は、耐研磨性に優れ且つ上記空洞部13を形成するためのエッチングが可能なものである。酸化シリコン膜12は、CVD(化学気相成長法)、スパッタ、熱酸化等により成膜可能である。
【0026】
また、側面多結晶シリコン膜(第2の膜)14は、上記空洞部13を形成するためのエッチングに対する耐性を有し且つ酸化シリコン膜12よりも研磨性に優れたものである。なお、側面および上面多結晶シリコン膜14、15はCVD等により成膜可能なものである。
【0027】
なお、本実施形態においては、第1の膜12は、第2の膜14よりも耐研磨性に優れ(研磨レートの遅い)且つ上記エッチングが可能な材料よりなるものであれば良く、第2の膜14は、上記エッチングに対する耐性を有し且つ第1の膜12よりも研磨性に優れた(研磨レートの速い)材料よりなるものであれば良く、そのようなものであれば、上記酸化シリコンや多結晶シリコンに代えて用いることができる。
【0028】
また、メンブレン20は、図2に示すように、シリコン基板10の一面11側から、窒化シリコン膜(SiN膜)21、酸化シリコン膜(SiO2膜)22、多結晶シリコン配線23、層間絶縁膜24、アルミ配線25、および保護膜26が順次積層されてなるものである。
【0029】
なお、図1においては、メンブレン20のうち、膜21、22、24、26は省略し、多結晶シリコン配線(斜線ハッチングにて図示)23、およびアルミ配線25のみ示してある。
【0030】
図2に示すように、窒化シリコン膜21および酸化シリコン膜22は、シリコン基板10の一面11上のほぼ全域に形成されている。これら窒化シリコン膜21および酸化シリコン膜22はCVD法等により成膜され、絶縁膜として構成されるものである。
【0031】
多結晶シリコン配線23は、酸化シリコン膜22の上に形成されており、図1に示すように、空洞部13の中央部から空洞部13の外側のシリコン基板10の部分に渡って、複数本放射状に形成されている。この多結晶シリコン配線23は、CVD法等により成膜されたもので配線抵抗を下げるために不純物を導入してある。
【0032】
層間絶縁膜24は、図2に示すように、多結晶シリコン配線23の上および多結晶シリコン配線23が形成されていない酸化シリコン膜22の上に、形成されている。この層間絶縁膜24は、メンブレン20内の各種配線の電気的絶縁を行うものであり、本例では、CVD法等により成膜された酸化シリコン膜よりなる。
【0033】
アルミ配線25は、層間絶縁膜24の上に形成されており、図1に示すように、隣接する各多結晶シリコン配線23の間を接続するように、複数本放射状に形成されている。このアルミ配線25は、スパッタ法や蒸着法等により形成されたアルミニウムよりなり、各アルミ配線25は、層間絶縁膜24に形成された開口部(コンタクトホール)25aを介して多結晶シリコン配線23と電気的に接続されている。なお、層間絶縁膜24は、アルミ配線25と多結晶シリコン配線23とが電気的接続部以外で重ならない場合は、省略が可能である。
【0034】
このようにして、複数本の多結晶シリコン配線23およびアルミ配線25が直列に接続されることによって、赤外線センサS1の熱電対が構成されており、この熱電対23、25は、図1に示す様に、複数回折り返された折り返し形状を有している。複数個の折り返し部つまりコンタクトホール25aの各々が、両配線23、25の接合部となっており、この接合部25aにてゼーベック効果によって起電力が発生するようになっている。
【0035】
そして、熱電対23、25の両端部のアルミ配線25にはそれぞれ、図1、図2に示す様に、外部と電気的に接続するためのアルミパッド25bが形成されている。そして、空洞部13上に位置する接合部25aが温接点、空洞部13の外側のシリコン基板10の部分に位置する接合部25aが冷接点となり、両接点の温度差に基づく熱電対23、25の電圧が、上記両アルミパッド25bの間に出力されるようになっている。
【0036】
また、保護膜26は、アルミ配線25の上およびアルミ配線25が形成されていない層間絶縁膜24の上に、形成されている。この保護膜26はCVD法等にて成膜された窒化シリコン膜等よりなる。また、この保護膜26には、上記アルミパッド25bを露出させるための開口部が形成されている。
【0037】
以上のように、メンブレン20は、各配線および各膜21〜26により構成されている。そして、空洞部13の内周に位置するメンブレン20には、厚さ方向に貫通するエッチングホール28が設けられている。
【0038】
また、図2に示すように、メンブレン20の上には、赤外線吸収膜27が形成されている。この赤外線吸収膜27は、図1にて一点鎖線で示すように、空洞部13上の中央に相当する部位にて、上記温接点である接合部25aを覆うように形成されている。
【0039】
この赤外線吸収膜27は、赤外線を吸収して温接点の温度を効率よく上昇させるためのものであり、本例では、ポリエステル樹脂にカーボン(C)を含有させ焼き固めたものである。
【0040】
このような構成を有する本実施形態の赤外線センサS1は、次のように作動する。空洞部13上のメンブレン20に位置する温接点25aは、空洞部13の外側のシリコン基板10(厚肉部)上に位置する冷接点25aよりも熱引き性が小さい。
【0041】
そのため、メンブレン20上にて赤外線を受光すると、赤外線吸収膜27の効果と相まって、温接点の方が冷接点よりも高温となる。そして、温接点と冷接点との温度差に応じた熱電対23、25の電圧が、両アルミパッド25bから出力されることで、赤外線の検出が可能となっている。
【0042】
次に、上記赤外線センサS1の製造方法について説明する。図3および図4は、本製造方法を上記図2に対応した断面にて示す工程図である。なお、本製造方法は、通常ウェハ状態にて行われ、該ウェハに上記赤外線センサS1を複数個のチップ単位で製造した後、ダイシングカットするものである。
【0043】
[図3(a)に示す工程]
まず、シリコン基板10の一面11に、耐研磨性に優れエッチングが可能な材料よりなる第1の膜としての酸化シリコン膜12を形成する(第1の膜形成工程)。酸化シリコン膜12は、CVD、スパッタ、熱酸化等により成膜する。
【0044】
次に、酸化シリコン膜(第1の膜)12において空洞部13となるべき部位の外周部に、シリコン基板10の一面11に到達する溝16を形成する(溝形成工程)。本例では、ドライエッチングやウェットエッチング等により、空洞部13の外形を画定する矩形環状の溝16を形成する。
【0045】
[図3(b)に示す工程]
次に、エッチングに対する耐性を有し且つ酸化シリコン膜(第1の膜)12よりも研磨性に優れた材料よりなる第2の膜としての多結晶シリコン膜14を、CVD等によって、溝16の内部に充填しつつ酸化シリコン膜12の上にも形成する(第2の膜形成工程)。
【0046】
そして、酸化シリコン膜12をストッパとして、酸化シリコン膜12の上の多結晶シリコン膜14(図3(b)中、図示せず)を化学的機械的研磨(CMP)法にて研磨することにより除去し、酸化シリコン膜12の上面を平坦面とする(CMP工程)。このときの状態が図3(b)に示される。
【0047】
ここで、CMP法は周知のものであるが、例えば、アンモニア等を含むアルカリ液にコロイド状の酸化珪素を含有させたスラリーを用いて行う。それによれば、化学反応と機械的研磨との両方の作用により、図3(b)に示すように、酸化シリコン膜12の表面および酸化シリコン膜12に埋め込まれた多結晶シリコン膜(第2の膜)14の表面が、同一平面に平坦化される。
【0048】
[図3(c)に示す工程]
次に、平坦化された酸化シリコン膜12の上に、後工程の犠牲層エッチングにおいてエッチングストッパとなり、メンブレン20がエッチングされないようにするための上記上面多結晶シリコン膜15を、CVD等により形成する。
【0049】
[図3(d)に示す工程]
次に、上面多結晶シリコン膜15の上にメンブレン20を形成する(メンブレン形成工程)。本例では、まず、CVD法等により窒化シリコン膜21および酸化シリコン膜22を形成し、その上に、多結晶シリコンを成膜し、これをフォトリソグラフ法等によりパターニングして多結晶シリコン配線23を形成する。
【0050】
次に、CVD法等にて層間絶縁膜24を成膜し、層間絶縁膜24における所望の部位に、フォトリソグラフ法等により上記コンタクトホール25aを形成した後、スパッタ法や蒸着法等によりアルミニウムの膜を成膜し、これをフォトリソグラフ法等によりパターニングしてアルミ配線25および上記アルミパッド25bを形成する。
【0051】
次に、CVD法等にて保護膜26を成膜し、これをフォトリソグラフ法等によりパターニングして、上記アルミパッド25bを露出させるための開口部を形成する。こうして、各配線および各膜21〜26によりなるメンブレン20が形成される。
【0052】
[図4(a)に示す工程]
次に、メンブレン20のうち空洞部13に対応する部位に、メンブレン20の表面から酸化シリコン膜(第1の膜)12に到達するエッチングホール28、29を形成する(エッチングホール形成工程)。
【0053】
具体的には、まず、メンブレン20の表面から酸化シリコン膜12へ届くように、ドライまたはウェットエッチングにより第1のエッチングホール28を形成する。続いて、メンブレン20の最表面を、酸化シリコン12のエッチング液に対し耐性のあるレジスト等の有機材料膜30で覆う。この有機材料膜30は塗布法等にて成膜できる。
【0054】
このとき、有機材料膜30によって第1のエッチングホール28は充填され、塞がる。次に、第1のエッチングホール28の部分にて、有機材料膜30をフォトエッチングやドライエッチングする等により、第1のエッチングホール28よりもひと回り小さく且つ酸化シリコン膜12に到達する第2のエッチングホール29を形成する。
【0055】
このようにエッチングホール28、29を2回に分けて形成することで、第2のエッチングホール29の側面は、有機材料膜30にて覆われたものとなる。そのため、酸化シリコン膜(犠牲層)12のエッチングの際に、メンブレン20を構成する窒化シリコン膜21、酸化シリコン膜22、層間絶縁膜24および保護膜26をエッチング液から保護することができる。
【0056】
[図4(b)に示す工程]
次に、第2のエッチングホール29を介して酸化シリコン膜(第1の膜)12をエッチングして除去することにより空洞部13を形成する(犠牲層エッチング工程)。酸化シリコン膜12のエッチング液としては、フッ酸等のエッチング液が用いられる。
【0057】
なお、従来の多結晶シリコン犠牲層の場合は、エッチングにより発生したH2の気泡がエッチングホールから逃げ切れずに、メンブレンを破壊することがある。しかし、本例では、酸化シリコンを犠牲層としてエッチングするため、H2の気泡は発生せず、この気泡によるメンブレン20の破壊を抑制することができる。
【0058】
この後、有機材料膜30を除去し、メンブレン20の上に赤外線吸収膜27を形成することにより、上記赤外線センサS1ができあがる。なお、この有機材料膜30の除去に伴い、第1のエッチングホール28がメンブレン20に残る。この後、ダイシングカットを行い、チップ毎に分断する。
【0059】
ところで、本実施形態の製造方法によれば、メンブレン20下において、耐エッチング性を有する側面多結晶シリコン膜(第2の膜)14をエッチングストッパとして、エッチングが可能な酸化シリコン膜(第1の膜)12が犠牲層エッチングされ除去されることで、メンブレン20下の空洞部13を形成することができ、赤外線センサS1を製造することができる。
【0060】
ここで、CMPでは、研磨性に優れた多結晶シリコン膜14を除去して平坦にすれば良く、その下の比較的耐研磨性に優れた(比較的研磨レートの遅い)犠牲層としての酸化シリコン膜12がCMPのストッパとなり、酸化シリコン膜12の平坦性を確保することができる。
【0061】
そのため、CMPを行っても、従来の多結晶シリコンの犠牲層のようなディッシングは起こりにくくなることから、平坦面となった酸化シリコン膜12の上に形成されるメンブレン20も平坦なものを得ることができる。
【0062】
こうして、本実施形態によれば、犠牲層12のディッシングを起こすことなくCMP技術により平坦なメンブレン20を得ることのできるメンブレンを有する赤外線センサおよびその製造方法を提供することができる。
【0063】
(他の実施形態)
なお、メンブレンの下に空洞部を形成する理由は、メンブレンの熱逃げを抑制するためであるが、空洞部を介したメンブレンの熱逃げをさらに抑制するために、図5に示すように、空洞部13の深さを犠牲層である酸化シリコン膜12の厚さよりも深く確保したい場合がある。
【0064】
その場合には、上記の犠牲層エッチング工程を行った後、さらに、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)のような異方性アルカリエッチング液でシリコン基板10を異方性エッチングすればよい。このとき、シリコン基板10としては主表面は(100)面のものを用いる。
【0065】
それによって、図5に示すように、シリコン基板10における空洞部13の底部が(100)面、側面が(111)面となる。また、この場合、上記の有機材料膜30は、アルカリエッチング液に対しても耐性のあるフッ素系の有機材料にする。また、上面多結晶シリコン膜15として高濃度のボロンを添加したものにすることにより、メンブレン20のエッチングを抑制しつつシリコン基板10をエッチングすれば良い。
【0066】
図5では、高濃度のボロンを添加した上面多結晶シリコン膜15は、上記異方性エッチング後も残るが、側面多結晶シリコン膜14はシリコン基板10とともにエッチングされる。しかし、図5の例においては、側面多結晶シリコン膜14となる多結晶シリコンにも高濃度のボロンを添加して、側面および上面の多結晶シリコン膜14、15の両方を残しても良い。
【0067】
なお、本発明は上記した赤外線センサ以外にも、半導体基板の一面側に、エッチングにより凹部を形成するとともに該凹部を覆うようにメンブレンを形成してなる半導体装置であれば適用可能であり、例えば、圧力センサ、フローセンサ、ガスセンサ等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る赤外線センサの概略平面図である。
【図2】図1に示す赤外線センサの概略断面図である。
【図3】図1に示す赤外線センサの製造方法を断面的に示す工程図である。
【図4】図3に続く製造方法を断面的に示す工程図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る赤外線センサの概略断面図である。
【符号の説明】
10…シリコン基板(半導体基板)、11…シリコン基板の一面、
12…酸化シリコン膜、13…空洞部、14…多結晶シリコン膜、
16…溝、20…メンブレン、28…第1のエッチングホール、
29…第2のエッチングホール。

Claims (4)

  1. 半導体基板(10)の一面(11)側に、エッチングにより空洞部(13)を形成するとともに前記空洞部を覆うようにメンブレン(20)を形成してなる半導体装置の製造方法において、
    前記半導体基板の一面上に1の膜(12)を形成する工程と、
    前記第1の膜において前記空洞部となるべき部位の外周部に、前記半導体基板の一面に到達する溝(16)を形成する工程と、
    前記エッチングに対する耐性を有し且つ前記第1の膜よりも研磨レートの速い材料よりなる第2の膜(14)を、前記溝の内部に充填しつつ前記第1の膜の上に形成する工程と、
    前記第1の膜をストッパとして、前記第1の膜の上の前記第2の膜を化学的機械的研磨(CMP)法にて研磨することにより除去し、前記第1の膜の上面を平坦面とする工程と、
    平坦面となった前記第1の膜の上面に前記メンブレンを形成する工程と、
    前記メンブレンのうち前記空洞部に対応する部位に、前記メンブレンの表面から前記第1の膜に到達するエッチングホール(28、29)を形成する工程と、
    前記エッチングホールを介して、前記第1の膜をエッチングして除去することにより、前記空洞部を形成する工程とを備えることを特徴とするメンブレンを有する半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の膜(12)は酸化シリコンからなり、前記第2の膜(14)は多結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1に記載のメンブレンを有する半導体装置の製造方法。
  3. 半導体基板(10)と、
    前記半導体基板の一面(11)側にエッチングにより形成された空洞部(13)と、
    前記空洞部を覆うように前記半導体基板の一面上に設けられたメンブレン(20)とを備える半導体装置において、
    前記空洞部の外周に位置する前記半導体基板の一面と前記メンブレンとの間には、1の膜(12)が介在しており、
    前記空洞部の側面となる前記第1の膜の端面には、前記エッチングに対する耐性を有し且つ前記第1の膜よりも研磨レートの速い材料よりなる第2の膜(14)が形成されており、
    前記空洞部の内周に位置する前記メンブレンには、厚さ方向に貫通するエッチングホール(28)が設けられていることを特徴とするメンブレンを有する半導体装置。
  4. 前記第1の膜(12)は酸化シリコンからなり、前記第2の膜(14)は多結晶シリコンからなることを特徴とする請求項3に記載のメンブレンを有する半導体装置。
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