JP2003133558A - 基板装置及びその製造方法、電気光学装置並びに電子機器 - Google Patents

基板装置及びその製造方法、電気光学装置並びに電子機器

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JP2003133558A
JP2003133558A JP2001322795A JP2001322795A JP2003133558A JP 2003133558 A JP2003133558 A JP 2003133558A JP 2001322795 A JP2001322795 A JP 2001322795A JP 2001322795 A JP2001322795 A JP 2001322795A JP 2003133558 A JP2003133558 A JP 2003133558A
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Tomohiko Hayashi
朋彦 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TFTが形成された基板装置において、良好
なトランジスタ特性を長期に亘って維持し、更に湿度、
温度等の使用環境の影響を受け難くする。しかもPチャ
ネル型TFTを構築した場合に、耐湿性や耐熱性を向上
させることによるTFTの機能低下を抑制可能とする。 【解決手段】 基板上に、ソース領域、チャネル領域及
びドレイン領域を含む半導体層を形成し、この上にゲー
ト絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜は、酸化膜を含んで
なり、ゲート絶縁膜と半導体層との界面から離れた位置
における酸化膜中に窒素原子を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
(以下適宜、TFTと称す)が形成されたTFTアレイ
基板装置や半導体基板装置等の基板装置及びその製造方
法、そのような基板装置を備えた液晶装置等の電気光学
装置並びに電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】この種の基板装置は例えば、石英基板等の
基板上に、ソース領域、ドレイン領域及びチャネル領域
を含むポリシリコン膜等又はアモルファスシリコン等の
半導体膜を備える。この半導体膜表面には、ドライ酸化
又はウエット酸化による熱酸化膜等、HTO(高温酸
化)膜、TEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケー
ト)膜、若しくはプラズマ酸化膜からゲート絶縁膜が形
成される。更に、このゲート絶縁膜上にゲート電極膜が
形成されることにより、基板上にTFTが構築される。
係るTFTは、例えば液晶装置等の電気光学装置の画像
表示領域内における各画素に作り込まれることにより、
TFTアレイ基板装置における画素スイッチング用素子
として用いられる。或いは、該画像表示領域の周囲にお
ける周辺領域に作り込まれることにより、該基板装置の
駆動回路の一部としても用いられる。
【0003】そして、画像表示領域内には、キャリアが
電子であるためにキャリア移動度に優れた、即ちスイッ
チング特性に優れたNチャネル型TFTが作り込まれる
のが一般的であり、周辺領域には、このようなNチャネル
型TFTとPチャネル型TFTとを一組としてなると共
に駆動電流が微小で済む等の長所を有するCMOS型
(相補型)TFTが作り込まれるのが一般的である。
【0004】このように画像表示領域や周辺領域にTF
Tが作り込まれた基板装置は、TFTアクティブマトリ
クス駆動方式の液晶装置等を初めとする各種電気光学装
置に広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この種の基板装置にお
いては、良好なトランジスタ特性を長期に亘って維持す
るという一般的要請がある。更に、例えば湿気が多い、
温度が高い等の各種使用環境下でも寿命が短くならない
ことが望まれている。
【0006】しかしながら、本願発明者らによる研究に
よれば、前述の基板装置の場合には、例えば動作時間と
して5000時間程度でトランジスタ特性の劣化が顕在
化してしまうとことが判明している。より具体的には、
基板装置の製造当初には、これに作り込まれたTFTが
良好なトランジスタ特性を示す場合にも、例えば上記5
000時間といった通常の製品レベルで要求される寿命
内で、TFTにおける閾値電圧が高まって通常の駆動電
圧ではスイッチング素子として機能しなくなったり、T
FTにおけるオフ電流(即ちリーク電流)が増加して規
定のデューティー比に対処できなくなったりする。この
ようにトランジスタ特性が劣化してしまうと、最終的に
は例えば当該基板装置を備えてなる電気光学装置におけ
るコントラスト比や明るさ低下等の画像品位の低下が引
き起こされて、装置寿命を短命化してしまうという問題
点がある。特に、湿気の多い東南アジア等の地域で当該
基板装置を備えた各種電気光学装置を使用する場合や、
プロジェクタのライトバルブ用途で強力な投射光を当該
基板装置に照射するような場合には、高湿や高温の影響
で、TFTの特性が一層劣化しやすいことも判明してい
る。即ち、湿度、温度等の使用環境の影響により装置寿
命が一定しないという製造者にとっては実践上重大な問
題点もある。
【0007】尚、ゲート絶縁膜を構成する酸化膜等を、
耐湿性や耐熱性に優れた膜に改良することも考えられる
が、仮に耐湿性や耐熱性を向上できたとしても、ゲート絶
縁膜はTFTの心臓部ともいえるチャネル領域と界面を
介して接しているので、むやみにゲート絶縁膜の材質や
構造に手を加えると、今度はチャネル領域におけるキャ
リア移動度が低下するなど、TFTの基本的機能が低下
してしまうという問題点が発生する。
【0008】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、良好なトランジスタ特性を長期に亘って維持
することが可能なトランジスタ素子を備えており、特に
湿度、温度等の使用環境の影響を受け難く、しかも特に
Pチャネル型のトランジスタ素子を構築した場合には耐
湿性や耐熱性を向上させることによるトランジスタ素子
の機能低下を抑制可能な基板装置及びその製造方法を提
供すること並びにそのような基板装置を備えた電気光学
装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の基板装置は上記
課題を解決するために、基板と、該基板上に形成されて
おりソース領域、チャネル領域及びドレイン領域を含む
半導体層と、少なくとも前記チャネル領域における前記
半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁
膜上に形成されたゲート電極膜とを備えており、前記ゲ
ート絶縁膜は、酸化膜を含んでなり前記ゲート絶縁膜と
前記半導体層との界面から離れた位置における前記酸化
膜中に窒素原子を含む。
【0010】本発明の基板装置によれば、基板上に、チ
ャネル領域等を含む半導体層、ゲート絶縁膜及びゲート
電極膜が積層されてトランジスタ素子が構築される。こ
こで特に、ゲート絶縁膜を構成する酸化膜中には、この
ゲート絶縁膜と半導体層との界面から離れた位置に窒素
原子を含む。例えば、窒素原子を含む膜が、ゲート絶縁
膜と半導体層との界面と並行に、該界面から距離を隔て
て酸化膜中に存在していてもよいし、ゲート絶縁膜にお
けるその膜厚方向の中央付近に、濃度ピークを持つよう
に窒素原子が概ね膜状に分布していてもよい。このた
め、窒素原子が存在していない従来の基板装置と比べ
て、トランジスタ特性の経時劣化や、特に高湿、高温等
の使用環境下におけるトランジスタ特性の劣化を低減で
きる。これにより、長期に亘って且つ使用環境によらず
に安定した性能を保持し得るトランジスタ素子を備える
ことにより、基板装置を長寿命化できる。更にまた、こ
のような窒素原子は、半導体層とゲート絶縁膜との界面
から離れて存在しているので、当該トランジスタ素子を
Pチャネル型とした場合に、この窒素原子の存在により
界面付近に蓄積される正孔によって、チャネル領域のキ
ャリアたる正孔の移動度が劣化してしまう事態を効果的
に回避できる。
【0011】このように本発明の基板装置でトランジス
タ特性の劣化を低減可能である理由を以下に考察する。
【0012】先ず本願発明者らの研究によれば、従来の
ゲート絶縁膜としてドライ酸化膜が用いられている基板
装置の場合、通常動作を続けていくと、Pチャンネルト
ランジスタ素子でもNチャネルトランジスタ素子でも、
トランジスタ素子をオンするためのゲート電圧の閾値で
あるVthが、エンハンス側にずれていく現象が確認さ
れている。そして、所定電圧までのゲート電圧をトラン
ジスタ素子に供給可能な電源回路を備えた基板装置であ
れば、このずれにより閾値Vthが当該所定電圧を超え
てしまうと、動作不能になる訳である。係る閾値Vth
がずれていく現象は、特にPチャネルトランジスタ素子
で目立つ。このようなトランジスタ特性の劣化原因は、
主に、製造中又は製造後にゲート絶縁膜に水分が入るこ
とにより、HO分子がゲート絶縁膜と半導体層との界
面付近に拡散して、正電荷が発生することによると考え
られる。また、トランジスタ素子動作時のチャネル抵抗
による発熱により(例えばドレイン領域付近で400℃
程度になって)、ゲート絶縁膜と半導体層との界面の水
素原子が脱離してトランジスタ特性における移動度が低
下することや、ホットキャリア注入現象(即ち、チャネ
ルホットエレクトロン注入現象及びドレインアバランシ
ェホットキャリア注入現象)も原因の一つであると考え
られる。
【0013】本発明の基板装置の如くゲート絶縁膜を酸
化シリコン膜から成膜する時には、単結晶シリコン間に
酸素が入ると膨張して、Si−Si結合や歪んだSi−
O−Si結合が発生し、正孔トラップとなる。ここで特
に、ゲート絶縁膜中に水分が入ると、Siという正電
荷、電子トラップ及び界面準位を増加させる。このよう
に、電子、正孔トラップ及び正電荷の発生並びに界面準
位の増加が上述した閾値Vthのずれの主要因であると
考察される。
【0014】そこで本発明の基板装置では特に、ゲート
絶縁膜中に窒素原子を存在させることにより、窒化膜結
合を混在させて耐湿性を向上させる。これにより、ゲー
ト絶縁膜と半導体層との界面及びその付近に入る水分量
を低減でき、上述のSi−H結合やS−OH結合の発生
を低減させて、上述した閾値Vthのずれの主要因であ
る正電荷の発生並びに界面準位の増加を低減できる。
【0015】加えて、本発明の基板装置では、ゲート絶
縁膜中に窒素原子を存在させることにより、上述した閾
値Vthのずれの要因である、電子、正孔トラップ及び
正電荷、負電荷の発生並びに界面準位の増加を低減す
る。更にまた本発明の基板装置では、このような窒素原
子は、半導体層とゲート絶縁膜との界面から離れて存在
しているので、当該トランジスタ素子をPチャネル型と
した場合に、窒素原子の存在に起因した界面付近におけ
る正孔の蓄積量が低減される。従って、当該トランジス
タ素子をPチャネル型とした場合に、この窒素原子の存
在により界面付近に蓄積される正孔によって、チャネル
領域のキャリアたる正孔がクーロン散乱して、その移動
度が劣化してしまう事態を効果的に回避できる。仮に、
窒素原子が半導体層とゲート絶縁膜との界面自体に存在
していたならば、係るクーロン散乱により、基本的にキ
ャリア移動度が低いPチャネル型トランジスタ素子にお
ける移動度が一層低下してしまい、必要なトランジスタ
特性を実現するのが実用上困難になってしまうのであ
る。
【0016】尚、このような窒素原子による各種効果は
例えば、ゲート絶縁膜の中央付近や、界面と反対側の表
面に形成される窒素原子を含む膜が、数nm〜200n
m程度の膜厚を有し且つ窒素原子を数重量%〜50重量
%程度含むことにより大なり小なり得られる。
【0017】以上の結果、本発明の基板装置によれば、
良好なトランジスタ特性を長期に亘って維持することが
可能となり、特に湿度、温度等の使用環境の影響を受け
難いトランジスタ素子を構築できる。しかも特にPチャ
ネル型のトランジスタ素子を構築した場合には、耐湿性
や耐熱性を向上させることによるトランジスタ素子の機
能低下を抑制可能となる。
【0018】本発明の基板装置の一態様では、前記窒素
原子は、前記界面と反対側に位置する前記ゲート絶縁膜
の表面から離れた位置における前記酸化膜中に存在して
いる。
【0019】この態様によれば、窒素原子は、界面と反
対側に位置するゲート絶縁膜の表面から離れた位置にお
ける酸化膜中、例えば酸化膜におけるその膜厚方向の中
央付近に存在しているが、半導体層とゲート絶縁膜との
界面から離れている分だけ、前述したPチャネル型トラ
ンジスタ素子の場合のクーロン散乱によるキャリア移動
度の低下は、界面自体に窒素原子が存在する場合と比較
して小さくて済む。そして、このような窒素原子の存在
により、良好なトランジスタ特性を長期に亘って維持す
ることが可能となり、特に湿度、温度等の使用環境の影
響を受け難いトランジスタ素子を構築できる。
【0020】本発明の基板装置の他の態様では、前記窒
素原子は、前記界面と反対側に位置する前記ゲート絶縁
膜の表面に存在している。
【0021】この態様によれば、窒素原子は、界面と反
対側に位置するゲート絶縁膜の表面に存在しているの
で、ほぼゲート絶縁膜の膜厚分だけ半導体層とゲート絶
縁膜との界面から離れていることとなる。従って、前述
したPチャネル型トランジスタ素子の場合のクーロン散
乱によるキャリア移動度の低下は、界面自体に窒素原子
が存在する場合と比較して小さくて済む。そして、この
ような窒素原子の存在により、良好なトランジスタ特性
を長期に亘って維持することが可能となり、特に湿度、
温度等の使用環境の影響を受け難いトランジスタ素子を
構築できる。
【0022】本発明の基板装置の他の態様では、前記半
導体層は、低温又は高温ポリシリコン若しくはアモルフ
ァスシリコンからなる。
【0023】この態様によれば、基板上には、低温ポリ
シリコンTFT又は高温ポリシリコンTFT若しくはア
モルファスシリコンTFTが構築されるが、ポリシリコ
ン膜又はアモルファスシリコンとゲート絶縁膜との界面
から若干離れた酸化膜中に窒素原子を存在させることに
より、このようなTFTにおけるトランジスタ特性の劣
化を効果的に防ぐことができ、ポリシリコンTFT又は
アモルファスシリコンTFTを備えてなる基板装置を長
寿命化できる。
【0024】本発明の基板装置の他の態様では、前記ゲ
ート絶縁膜は、熱酸化膜、HTO膜、TEOS膜及びプ
ラズマ酸化膜のうち少なくともいずれか一つからなる。
【0025】この態様によれば、ゲート絶縁膜は、比較
的容易に良質の絶縁膜を形成できる。この際、また半導
体層とゲート絶縁膜との界面から若干離れた酸化膜中に
窒素原子を存在させることにより、TFTにおけるトラ
ンジスタ特性の劣化を効果的に防ぐことができ、基板装
置を長寿命化できる。
【0026】本発明の基板装置の他の態様では、前記基
板上には、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲ
ート電極膜からなるPチャネル型の薄膜トランジスタが
形成されている。
【0027】この態様によれば、基板上にPチャネル型
TFTが構築されるので、前述の如きクーロン散乱によ
るキャリア移動度の低下が小さくて済むという効果が十
分に発揮される。
【0028】この態様では、前記Pチャネル型の薄膜ト
ランジスタは、前記基板上の周辺領域において周辺回路
を構成するCMOS型トランジスタの一部をなすように
構成してもよい。
【0029】このように構成すれば、CMOSトランジ
スタの一部を構成するPチャネル型TFTは、上述の如
く界面から若干離れた酸化膜中に窒素原子が存在するT
FTであるので、駆動電流特性等に優れたCMOSを用
いて周辺回路を構成しつつ、その長寿命化を図ることが
可能となる。
【0030】本発明の基板装置の他の態様では、前記基
板上には、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲ
ート電極膜からなる薄膜トランジスタがアレイ状に複数
配列されている。
【0031】この態様によれば、例えばTFTアクティ
ブマトリクス駆動方式の液晶装置等の電気光学装置に好
適に用いられるTFTアレイ基板装置を構築できる。
【0032】この態様では、前記アレイ状に複数配列さ
れた薄膜トランジスタは夫々、Nチャネル型であり且つ
前記基板上の画像表示領域において画素スイッチング用
に画素毎に設けられているように構成してもよい。
【0033】このように構成すれば、画素スイッチング
用のTFTとしては、電子がキャリアであるため、キャ
リア移動度に優れたNチャネル型TFTから構築でき
る。同時に、周辺回路については、このNチャネル型T
FTと同一プロセスで同時形成可能なNチャネル型TF
Tに加えて前述の如きPチャネル型TFTを含んでなる
CMOS型TFTから構築できる。従って装置全体とし
て、優れた特性のトランジスタを備えてなると共に寿命
の長い基板装置を実現できる。
【0034】本発明の電気光学装置は上記課題を解決す
るために、上述した本発明の基板装置(その各種態様も
含む)を備える。
【0035】本発明の電気光学装置によれば、上述した
本発明の基板装置を備えて構成されているので、長期に
亘って且つ使用環境によらずに安定した性能を保持し得
る長寿命の基板装置を実現できる。
【0036】本発明の電気光学装置の一態様では、前記
基板装置に対向配置された対向基板と、前記基板装置と
前記対向基板との間に挟持された電気光学物質とを備え
る。
【0037】この態様によれば、例えば液晶等の電気光
学物質が一対の基板装置及び対向基板間に挟持されてな
る、液晶装置等の電気光学装置を実現できる。
【0038】本発明の電子機器は上記課題を解決するた
めに、上述した本発明の基板装置(その各種態様も含
む)を具備してなる。
【0039】この態様によれば、上述した本発明の基板
装置を具備してなるので、高性能で長寿命の電気光学装
置を表示部として有する、投射型表示装置或いはプロジ
ェクタ、液晶テレビ、パソコンやモバイル或いは携帯端
末のモニター部、ページャ、携帯電話の表示部、カメラ
のファインダ部などの各種電子機器を実現できる。
【0040】本発明の第1の基板装置の製造方法は上記
課題を解決するために、基板上に、半導体層を形成する
半導体層形成工程と、該半導体層を酸化することで該半
導体層の表面に酸化膜を形成する第1酸化工程と、該酸
化膜上から窒素原子を含むガス雰囲気でアニールを行な
うことで窒素原子を前記酸化膜と前記半導体層との暫定
的な界面に導入するアニール工程と、前記暫定的な界面
よりも前記基板側にある前記半導体層を更に酸化するこ
とで前記暫定的な界面よりも前記基板側に酸化膜を更に
形成する第2酸化工程とを含む。
【0041】本発明の第1の基板装置の製造方法によれ
ば、先ず基板上に形成した半導体層を酸化することで該
半導体層の表面に酸化膜を形成する。その後、この酸化
膜上から、窒素原子を含むガス雰囲気でランプアニール
又は縦型炉或いは横型炉などのアニールを行なうこと
で、窒素原子を、酸化膜と半導体層との暫定的な界面に
導入する。その後、この暫定的な界面よりも基板側にあ
る半導体層を更に酸化することで、この暫定的な界面よ
りも基板側に酸化膜を更に形成する。これにより、ゲー
ト絶縁膜と半導体層との界面は、窒素原子が存在する暫
定的な界面よりも、基板側に存在することになる。即
ち、窒素原子は、この界面から離れて存在することとな
り、上述した本発明の基板装置を比較的簡単に製造でき
る。
【0042】尚、窒素原子を導入する際には、上述した
アニールに代えて又は加えて、プラズマ技術、イオン注
入等の他の公知技術を用いて、窒素原子を酸化膜と半導
体層との暫定的な界面に導入してもよい。
【0043】本発明の第2の基板装置の製造方法は上記
課題を解決するために、基板上に、半導体層を形成する
半導体層形成工程と、該半導体層を窒化することで該半
導体層の表面に窒化膜を形成する窒化工程と、該窒化膜
を介して前記半導体層を酸化することで前記窒化膜より
も前記基板側に酸化膜を形成する酸化工程とを含む。
【0044】本発明の第2の基板装置の製造方法によれ
ば、先ず基板上に形成した半導体層を、例えばN
(一酸化二窒素)ガス、NO(一酸化一窒素)ガス及び
NH(アンモニア)ガスのうち少なくとも一つを含む
ガスを用いて窒化することで、この半導体層の表面に窒
化膜を形成する。その後、この窒化膜を介して半導体層
を酸化することで、窒化膜よりも基板側に酸化膜を形成
する。これにより、ゲート絶縁膜と半導体層との界面
は、窒素原子が存在する面よりも、基板側に存在するこ
とになる。即ち、窒素原子は、この界面から離れて存在
することとなり、上述した本発明の基板装置を比較的簡
単に製造できる。
【0045】本発明の第3の基板装置の製造方法は上記
課題を解決するために、基板上に、半導体層を形成する
半導体層形成工程と、該半導体層を酸化することで該半
導体層の表面に酸化膜を形成する第1酸化工程と、該酸
化膜上からプラズマ技術又はイオン注入で、窒素原子を
前記酸化膜内に注入する注入工程と、前記窒素原子が注
入された酸化膜と前記半導体層との暫定的な界面よりも
前記基板側にある前記半導体層を更に酸化することで前
記暫定的な界面よりも前記基板側に酸化膜を更に形成す
る第2酸化工程とを含む。
【0046】本発明の第3の基板装置の製造方法によれ
ば、先ず基板上に形成した半導体層を酸化することで該
半導体層の表面に酸化膜を形成する。その後、この酸化
膜上から、プラズマ技術又はイオン注入で、窒素原子
を、この酸化膜内に注入する。その後、この酸化膜と半
導体層との暫定的な界面よりも基板側にある半導体層を
更に酸化することで、この暫定的な界面よりも基板側に
酸化膜を更に形成する。これにより、ゲート絶縁膜と半
導体層との界面は、窒素原子が注入された酸化膜部分よ
りも、基板側に存在することになる。即ち、窒素原子
は、この界面から離れて存在することとなり、上述した
本発明の基板装置を比較的簡単に製造できる。
【0047】本発明の第4の基板装置の製造方法は上記
課題を解決するために、基板上に、半導体層を形成する
半導体層形成工程と、該半導体層を窒素原子を含むガス
及び酸素を含むガスで酸化することで該半導体層の表面
に酸化膜を形成する第1酸化工程と、前記酸化膜と前記
半導体層との暫定的な界面よりも前記基板側にある前記
半導体層を、酸化することで前記暫定的な界面よりも前
記基板側に酸化膜を更に形成する第2酸化工程とを含
む。
【0048】本発明の第4の基板装置の製造方法によれ
ば、先ず基板上に形成した半導体層を、窒素原子を含む
ガス及び酸素を含むガスで酸化することで、該半導体層
の表面に、窒素原子をほぼ全体に含む酸化膜を形成す
る。その後、この酸化膜と半導体層との暫定的な界面よ
りも基板側にある半導体層を、窒素を希釈した酸素ある
いは酸素のみのガスで更に酸化することで、この暫定的
な界面よりも基板側に酸化膜を更に形成する。これによ
り、ゲート絶縁膜と半導体層との界面は、窒素原子をほ
ぼ全体に含む酸化膜部分よりも、基板側に存在すること
になる。即ち、窒素原子は、この界面から離れて存在す
ることとなり、上述した本発明の基板装置を比較的簡単
に製造できる。
【0049】尚、窒素及び酸素を含むガスで酸化する第
1酸化工程に代えて又は加えて、窒素を含まず且つ酸素
を含むガスで酸化して酸化膜を形成した後に、窒素を含
むガス雰囲気中でアニールすることにより、窒素原子
を、この酸化膜中に導入することも可能である。
【0050】本発明の第5の基板装置の製造方法は上記
課題を解決するために、基板上に、半導体層を形成する
半導体層形成工程と、該半導体層を酸化することで該半
導体層の表面に酸化膜を形成する第1酸化工程と、該酸
化膜上からプラズマ技術又はイオン注入で、前記酸化膜
と前記半導体層との界面から離れた位置に、窒素原子の
濃度ピークがくるように該窒素原子を前記酸化膜内に注
入する注入工程とを含む。
【0051】本発明の第5の基板装置の製造方法によれ
ば、先ず基板上に形成した半導体層を酸化することで該
半導体層の表面に酸化膜を形成する。その後、この酸化
膜上から、プラズマ技術又はイオン注入で、酸化膜と半
導体層との界面から離れた位置に、窒素原子の濃度ピー
クがくるように該窒素原子を酸化膜内に注入する。これ
により、窒素原子は、この界面から離れて存在すること
となり、上述した本発明の基板装置を比較的簡単に製造
できる。
【0052】本発明の第5の基板装置の製造方法の一態
様では、前記注入工程後に、前記界面よりも前記基板側
にある前記半導体層を更に酸化することで前記界面より
も前記基板側に酸化膜を更に形成する第2酸化工程を更
に含む。
【0053】この態様によれば、窒素原子を注入後に、
界面よりも基板側にある半導体層を更に酸化すること
で、この(結果として暫定的な)界面よりも基板側に酸
化膜を更に形成する。これにより、ゲート絶縁膜と半導
体層との界面は、窒素原子が注入された酸化膜部分より
も、基板側に存在することになる。即ち、窒素原子は、
この界面から離れて存在することとなり、上述した本発
明の基板装置を比較的簡単に製造できる。
【0054】本発明の第1から第4の基板装置の製造方
法の一態様又は第5の基板装置の製造方法の他の態様で
は、前記第2酸化工程又は前記酸化工程は、ランプアニ
ール又は縦型拡散炉により、酸素雰囲気でウェット酸化
又はドライ酸化する工程を含む。
【0055】この態様では、窒素原子を含む酸化膜や窒
化膜上からその下側にある半導体層を酸化させるために
は、例えば、酸素雰囲気で、ランプアニール又は縦型拡
散炉により、600〜1500℃程度の高温で、ウェット
酸化又はドライ酸化する。これにより、例えば数nm〜
200nm程度の膜厚を有するゲート酸化膜を形成で
き、しかもゲート絶縁膜と半導体層との界面から離れた
ゲート絶縁膜中或いはゲート絶縁膜表面に窒素原子を含
む構成が得られる。
【0056】本発明の第1から第5の基板装置の製造方
法の他の態様では、前記半導体層形成工程は、低温又は
高温ポリシリコン膜若しくはアモルファスシリコン膜を
形成する工程を含む。
【0057】この態様によれば、基板上に、低温ポリシ
リコンTFT又は高温ポリシリコンTFT若しくはアモ
ルファスシリコンTFTが構築される上述した本発明の
基板装置を比較的容易に製造できる。
【0058】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0060】(基板装置の第1実施形態)先ず第1実施
形態の基板装置の製造方法及び構成について図1から図
3を参照して説明する。図1は、第1実施形態の製造方
法を順を追って示す工程図であり、工程毎のTFT付近
における断面構造を示している。図2は、図1の工程
(3)における半導体層(ポリシリコン膜)とゲート絶
縁膜(熱酸化膜)との暫定的界面付近の結晶構造を示す
模式図である。図3は、図1の工程(4)の段階におけ
る、ゲート絶縁膜から半導体層に至る部分における酸素
及びケイ素の2次強度と、導入された窒素濃度とをゲー
ト絶縁膜表面からの深度に対して示す特性図である。
【0061】図1において工程(1)では、石英基板2
00が用意され、工程(2)では、その上にポリシリコン
膜が形成された後、フォトリソグラフィ及びエッチング
により、TFTのソース領域、チャネル領域及びドレイ
ン領域を含む所定パターンのポリシリコン膜202が形
成される。このようなポリシリコン膜202としては、
低温ポリシリコン膜でもよいし、高温ポリシリコン膜、
またはアモルファスシリコンでもよい。また、石英基板
200に代えて、プラスチック基板や、ガラス基板等を
用いてもよい。
【0062】次に、工程(3)では、ドライ酸化又はウエ
ット酸化により、半導体層202の表面に、熱酸化シリ
コン膜204aが形成される。
【0063】この工程(3)の状態では、図2に示すよ
うに、ポリシリコン膜202を構成する単結晶シリコン
間に酸素が入ると膨張して、Si−Si結合や歪んだS
i−O−Si結合が発生し、正孔トラップとなる。他
方、熱酸化シリコン膜204aとポリシリコン膜202
との暫定的界面付近203に水分(HO分子)が入る
と、Siという正電荷、電子トラップ及び界面準位を
増加させる。
【0064】このように、工程(3)の段階では、正孔
トラップ及び正電荷の発生並びに界面準位の増加が、上
述した閾値Vthのずれの主要因として潜在している。
【0065】しかるに本実施形態においては工程(4)
で、ファーネス(拡散炉)内にて、窒素原子を含むガス
の雰囲気中でアニールすることにより、窒素原子を熱酸
化シリコン膜204a及びこれとポリシリコン膜202
との暫定的界面付近203に導入する。係るガスは、N
Oガス、NOガス、NHガス等の窒素原子を含むガ
スが用いられる。尚、暫定的界面付近203とは、この
段階では界面付近のことであるが、後工程により半導体
層202と酸化シリコン膜との界面は、基板200側に
移動するため、この工程(4)における界面及び界面付
近のことを、暫定的界面及び暫定的界面付近203と夫
々呼ぶこととしている。
【0066】このように窒素原子を導入することによ
り、熱酸化シリコン膜204a内及びこれとポリシリコ
ン膜202との暫定的界面付近203に窒素原子が存在
する構造を比較的容易に得ることができる。
【0067】こうして窒素原子を導入すると、例えば窒
素原子は図3の特性図に示したような濃度分布を持つよ
うになる。即ち、図3に示したように、窒素原子の濃度
ピークは、暫定的界面付近203に位置する。
【0068】次に、工程(5)では、暫定的界面付近2
03よりも基板200側にあるポリシリコン膜202
を、ランプアニール又は縦型拡散炉によりウェット酸化
又はドライ酸化することで、暫定的界面付近203より
も基板200側に熱酸化シリコン膜204bを更に形成
する。ここでは例えば、ランプアニール又は縦型拡散炉
により、600〜1500℃程度の高温でウェット酸化
し、数nm〜2μm程度の膜厚を有する熱酸化シリコン
膜204bを形成する。すると、熱酸化シリコン膜20
4a及び熱酸化シリコン膜204bを含んでなるゲート
絶縁膜204とポリシリコン膜202との界面205か
ら離れた位置に、窒素原子を含む構成が得られる。
【0069】その後、工程(6)では、ゲート絶縁膜2
04上に、導電性のポリシリコン膜等からなるゲート電
極206が形成される。更に、工程(7)では、ソース
領域にコンタクトホール221を介して接続されたソー
ス電極線208が、例えばAl(アルミニウム)等の金
属膜から、第1層間絶縁膜211上に形成される。他
方、ドレイン領域にコンタクトホール222を介して接
続されたドレイン電極線210が、例えばITO(イン
ジウムティンオキサイド)等の導電膜から、第2層間絶
縁膜212上に形成される。
【0070】以上の工程(1)〜(7)により、基板2
00上にTFTが構築される。
【0071】本実施形態の基板装置では特に、暫定的界
面付近203に窒素原子を存在させることにより、窒化
膜結合を混在させて耐湿性を向上させる。これにより、
暫定的界面付近203に入る水分量を低減でき、上述の
Si−H結合やS−OH結合の発生を低減させて前述し
た閾値Vthのずれの主要因である、正電荷の発生並び
に界面準位の増加を低減できる。
【0072】加えて、暫定的界面付近203に窒素原子
を存在させることにより、前述した閾値Vthのずれの
要因である、正孔トラップ及び正電荷の発生並びに界面
準位の増加を低減する。
【0073】また、暫定的界面付近203に窒素原子を
存在させることにより、窒化膜結合を混在させて耐湿性
を向上させる。これにより、暫定的界面付近203に入
る水分量を低減でき、上述のSi−H結合やS−OH結
合の発生を低減させて正電荷の発生並びに界面準位の増
加を低減できる。
【0074】因みに、耐湿性については酸化膜(SiO
膜)と比べて、窒化膜(Si 膜)が優れてい
る。しかしながら仮に、本発明の如き基板装置において
窒化膜でゲート絶縁膜を構成したのでは、TFTのIV
特性は、プールフレンケル電流が流れることによりスイ
ッチング素子として利用できない特性となってしまう。
更に、窒化膜からゲート絶縁膜を構成したのでは、半導
体層とのコンタクトをとるためのコンタクトホールを既
存のエッチング技術により開孔することが極めて困難と
なってしまう。
【0075】そこで本実施形態の基板装置では、ゲート
絶縁膜は、窒化膜(窒化シリコン膜)からではなく酸化
シリコン膜で形成しつつ、酸化シリコン膜内やこれと半
導体層との暫定的界面に窒素原子を存在させることによ
り、該酸化シリコン膜内や暫定的界面に窒素リッチな領
域を設けるようにしている。このように構成すれば、本
実施形態の基板装置のTFTのIV特性は、ゲート絶縁
膜として通常の酸化膜を用いたTFTと同様にFN電流
が流れるIV特性とすることができ、スイッチング素子
として好適に利用できる。更に、図1の工程(7)でコ
ンタクトホール221や222を開孔する際に、窒化膜
のようにエッチングし難いことはなく、既存のドライエ
ッチング技術やウエットエッチング技術により比較的容
易に且つ高精度でコンタクトホールを開孔可能となる。
【0076】このように本実施形態の基板装置は、ゲー
ト絶縁膜としての従来からの熱酸化シリコン膜の構造上
や製造上や長所を損なうこと無く、特性劣化に対する耐
性に優れた窒化膜の長所をも適度に持たせることを可能
なら占める点で非常に画期的である。
【0077】そして特に本実施形態の基板装置によれ
ば、窒素原子は、ポリシリコン膜202とゲート絶縁膜
204との界面205から離れて存在しているので、T
FTをPチャネル型とした場合に、窒素原子の存在に起
因した界面付近における正孔の蓄積量が低減される。従
って、このPチャネル型TFTにおいては、窒素原子の
存在により界面205付近に蓄積される正孔によって、
ポリシリコン膜202のチャネル領域のキャリアたる正
孔がクーロン散乱して、その移動度が劣化してしまう事
態を効果的に回避できる。
【0078】尚、窒素原子を僅かに入れただけでも、同
傾向の効果が確認されている。また、技術的には比較的
容易に20重量%位まで導入することが可能であるが、
窒素濃度を高めることにより更なる効果が期待できる。
【0079】ここで、窒素原子の導入量を変化させた複
数の実施例及び窒素原子を導入しない比較例における動
作時間に対する閾値Vthの初期値からのずれ量Vdd
(V)を図4に示す。図4では、ファーネス内温度を1
000℃又は1150℃とし、ファーネス内の雰囲気中
におけるNOガス濃度を20流量%又は5流量%と
し、拡散時間を20分又は10分にした各実施例につい
てのVddと、比較例(Reference)についての電圧V
ddとを示してある。
【0080】図4において比較例として示すように、従
来のゲート絶縁膜としてドライ酸化膜が用いられている
基板装置の場合、通常動作を続けていくと、TFTをオ
ンするためのゲート電圧の閾値Vthが、エンハンス側
にずれていき、1000時間程度で、ずれ量Vddが例
えば電源回路における供給電圧増加により対処可能な電
圧を超えてしまう。これに対して、窒素原子を暫定的界
面付近203に導入した各実施例では、導入量に応じて
ずれ量Vddが減少している。特に、窒素原子を含むガ
ス濃度を高くする程、ずれ量Vddの増加は抑制される
ことが分かる。
【0081】以上詳細に説明したように本実施形態の基
板装置によれば、トランジスタ特性の経時劣化や、特に
高湿、高温等の使用環境下におけるトランジスタ特性の
劣化を低減できる。これにより、長期に亘って且つ使用
環境によらずに安定した性能を保持し得るTFTを備え
ることにより、基板装置を長寿命化できる。
【0082】尚、以上説明した実施形態における当該基
板装置の仕様に応じて、ポリシリコン膜202にドープ
する不純物の種類を代えて、Nチャネル型のTFTを構
築してもよいし、Pチャネル型のTFTを構築してもよ
い。いずれの場合にも、トランジスタ特性の劣化を抑制
する効果が得られる。但し、Pチャネル型TFTを構築
すれば特に、前述の如く窒素原子の存在によるキャリア
移動度の低下を抑制できる。
【0083】また本実施形態では、図1の工程(4)に
おいてファーネス内で窒素原子を含むガス雰囲気中でア
ニールを行なうことにより暫定的界面付近203に窒素
原子を導入したが、この工程は、既存技術であるプラズ
マ技術、ランプアニール、レーザーアニール又はイオン
注入で行ってもよい。
【0084】(基板装置の第2実施形態)次に図5を参
照して本発明の第2実施形態の基板装置の製造方法及び
構成について説明する。図5は、第2実施形態の製造方
法を順を追って示す工程図であり、工程毎のTFT付近
の断面構造を示している。尚、図5において、図1に示
した第1実施形態と同様の構成要素には同様の参照符号
を付し、それらの説明は省略する。
【0085】図5において第2実施形態では、第1実施
形態における図1に示した工程(1)及び工程(2)と
同様に、工程(1)及び工程(2)が行われる。
【0086】次に、工程(3)では、ポリシリコン膜2
02を、例えばNO(一酸化二窒素)ガス、NO(一
酸化一窒素)ガス及びNH(アンモニア)ガスのうち
少なくとも一つを含むガスを用いて窒化することで、こ
のポリシリコン膜202の表面に窒化酸化膜204cを
形成する。
【0087】次に、工程(4)では、窒化酸化膜204
cとポリシリコン膜202との暫定的界面付近203よ
りも基板200側にあるポリシリコン膜202を、ラン
プアニール又は縦型拡散炉によりでウェット酸化又はド
ライ酸化することで、この暫定的界面付近203よりも
基板200側に熱酸化シリコン膜204dを更に形成す
る。ここでは例えば、ランプアニール又は縦型拡散炉に
より、600〜1500℃程度の高温でウェット酸化
し、数nm〜2μm程度の膜厚を有する熱酸化膜204
dを形成する。すると、窒化酸化膜204c及び熱酸化
膜204dを含んでなるゲート絶縁膜204とポリシリ
コン膜202との界面205から離れた位置に、窒素原
子を含む構成が得られる。
【0088】その後、工程(5)及び工程(6)では、
第1実施形態における図1に示した工程(6)及び工程
(7)と同様の工程が行われる。
【0089】以上のように製造される第2実施形態の基
板装置においては、窒素原子は、界面205と反対側に
位置するゲート絶縁膜204の表面に窒化シリコン膜2
04dとして存在しているので、ほぼゲート絶縁膜20
4の膜厚分だけ界面205から離れている構造が得られ
る。
【0090】(基板装置の第3実施形態)次に本発明の
第3実施形態の基板装置の製造方法及び構成について説
明する。尚、第3実施形態の工程図は、図1に示した第
1実施形態と類似であるので、ここでは、図1を参照し
て第3実施形態の説明を行う。
【0091】図1において第3実施形態では、先ず第1
実施形態における図1に示した工程(1)から工程
(3)と同様の工程が行われる。
【0092】その後、第1実施形態における工程(4)
に代えて、酸化膜204a上から、プラズマ技術又はイ
オン注入で、窒素原子をこの酸化膜204a内に注入す
る。
【0093】その後、第1実施形態における図1に示し
た工程(5)から工程(7)と同様の工程が行われる。
【0094】以上により、ゲート絶縁膜204とポリシ
リコン膜202との界面205は、窒素原子が注入され
た酸化膜部分よりも、基板側に存在することになる。即
ち、窒素原子が、この界面205から離れて存在する構
造が得られる。
【0095】(基板装置の第4実施形態)次に本発明の
第4実施形態の基板装置の製造方法及び構成について説
明する。尚、第4実施形態の工程図は、図1に示した第
1実施形態と類似であるので、ここでは、図1を参照し
て第4実施形態の説明を行う。
【0096】図1において第4実施形態では、先ず第1
実施形態における図1に示した工程(1)及び工程
(2)と同様の工程が行われる。
【0097】その後、第1実施形態における工程(3)
及び(4)に代えて、ポリシリコン膜202を、窒素及
び酸素を含むガスで酸化(酸窒化)することで、ポリシ
リコン膜202の表面に、窒素原子をほぼ全体に含む酸
化膜204aを形成する。
【0098】その後、第1実施形態における図1に示し
た工程(5)から工程(7)と同様の工程が行われる。
【0099】以上により、ゲート絶縁膜204とポリシ
リコン膜202との界面205は、窒素原子をほぼ全体
に含む酸化膜部分よりも、基板側に存在することにな
る。即ち、窒素原子が、この界面205から離れて存在
する構造が得られる。
【0100】(基板装置の第5実施形態)次に図6を参
照して本発明の第5実施形態の基板装置の製造方法及び
構成について説明する。図6は、第5実施形態の製造方
法を順を追って示す工程図であり、工程毎のTFT付近
の断面構造を示している。尚、図6において、図1に示
した第1実施形態と同様の構成要素には同様の参照符号
を付し、それらの説明は省略する。
【0101】図6において第5実施形態では、第1実施
形態における図1に示した工程(1)及び工程(2)と
同様に、工程(1)及び工程(2)が行われる。
【0102】次に、工程(3)では、ドライ酸化又はウ
エット酸化により、半導体層202の表面をゲート絶縁
膜として最終的に必要な膜厚分だけ酸化して、熱酸化シ
リコン膜からなるゲート絶縁膜204を形成する。
【0103】次に、工程(4)では、このゲート絶縁膜
204上から、プラズマ技術又はイオン注入で、ゲート
絶縁膜204とポリシリコン膜202との界面205か
ら離れた位置に、窒素原子の濃度ピークがくるように該
窒素原子をゲート絶縁膜204内に注入する。
【0104】その後、工程(5)及び工程(6)では、
第1実施形態における図1に示した工程(6)及び工程
(7)と同様の工程が行われる。
【0105】以上により、ゲート絶縁膜204とポリシ
リコン膜202との界面205は、窒素原子を主に含む
酸化膜部分よりも、基板側に存在することになる。即
ち、窒素原子が、この界面205から離れて存在する構
造が得られる。
【0106】尚、第5実施形態では、ゲート絶縁膜20
4を熱酸化膜で形成する際に、ゲート絶縁膜として最終
的に必要な膜厚分よりも薄く形成しておき、プラズマ技
術又はイオン注入による窒素原子の注入後に、第1実施
形態における工程(5)と同様に暫定的界面下に更なる
酸化膜を形成する工程を追加的に行ってもよい。このよ
うにすれば、窒素原子が存在する酸化膜部分を、ゲート
絶縁膜とポリシリコン膜との界面から確実に離すことが
できる。
【0107】(基板装置の第6実施形態)次に図7を参
照して本発明の第6実施形態の基板装置の製造方法及び
構成について説明する。図7は、第6実施形態の製造方
法を順を追って示す工程図であり、工程毎のTFT付近
の断面構造を示している。尚、図7において、図1に示
した第1実施形態と同様の構成要素には同様の参照符号
を付し、それらの説明は省略する。
【0108】図7において工程(1)では、石英基板2
00上の全面に酸化シリコン膜201が形成される。そ
して、その工程(2)では、酸化シリコン膜201上に
半導体層としてのポリシリコン膜202が形成され、以
下、第1乃至第5実施形態の場合と同様の工程が順次行
われ、最終的に酸化シリコン膜201上にTFT構造が
構築される。
【0109】以上のように製造される第6実施形態の基
板装置においても、工程(4)においてポリシリコン膜
202とゲート絶縁膜204との暫定的界面付近203
に窒素原子が導入されるので、第1実施形態と同様の本
願発明独自の効果が得られる。
【0110】(電気光学装置の実施形態)次に図8から
図12を参照して本発明の基板装置を備えた電気光学装
置の実施形態について説明する。本実施形態は、上述し
た基板装置の第1から第6実施形態のいずれかをTFT
アレイ基板として備えたものであり、該TFTアレイ基
板と対向基板とを対向配置して、両者間に液晶等の電気
光学物質を挟持してなる電気光学装置に係る実施形態で
ある。
【0111】先ず図8から図10を参照して、本実施形
態の電気光学装置の画像表示領域における構成について
その動作と共に説明する。ここに、図8は、電気光学装
置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された
複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であ
る。図9は、データ線、走査線、画素電極等が形成され
たTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図
であり、図10は、図9のA−A’断面図である。尚、
図10においては、各層や各部材を図面上で認識可能な
程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異な
らしめてある。
【0112】図8において、特に上述した基板装置の第
1から第6実施形態をTFTアレイ基板として備えてな
る本実施形態の電気光学装置では、その画像表示領域を
構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素
電極9aと当該画素電極9aを制御するためのTFT3
0とがマトリクス状に複数形成されており、画像信号が
供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電
気的に接続されている。また、TFT30のゲートに走
査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミング
で、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、
Gmを、この順に線順次で印加するように構成されてい
る。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に
接続されており、スイッチング素子であるTFT30を
一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ
線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを
所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電
気光学物質に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、
S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された
対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。電
気光学物質は、印加される電圧レベルにより分子集合の
配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表
示を可能にする。ここで、保持された画像信号がリーク
するのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に
形成される電気光学物質容量と並列に蓄積容量70を付
加する。
【0113】図9において、特に上述した基板装置の第
1から第6実施形態をTFTアレイ基板として備えてな
る本実施形態の電気光学装置においては、TFTアレイ
基板上に、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a
(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられ
ており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ
線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。
データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリ
コン膜等からなる半導体層1aのうち後述のソース領域
に電気的接続されており、画素電極9aは、コンタクト
ホール8を介して半導体層1aのうち後述のドレイン領
域に電気的接続されている。また、半導体層1aのうち
チャネル領域(図中右下がりの斜線の領域)に対向する
ように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲー
ト電極として機能する。容量線3bは、走査線3aに沿
ってほぼ直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差
する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中、上向
き)に突出した突出部とを有する。また、図中太線で示
した矩形の島状領域には夫々、各TFTの少なくともチ
ャネル領域をTFTアレイ基板側から見て一画素毎に夫
々覆う位置に、島状の第1遮光膜11aが設けられてい
る。
【0114】次に図10の断面図に示すように、電気光
学装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向
配置される透明な対向基板20とを備えている。TFT
アレイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板
20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFT
アレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、
その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施さ
れた配向膜16が設けられている。画素電極9aは例え
ば、ITO膜(Indium Tin Oxide膜)などの透明導電性
薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド薄
膜などの有機薄膜からなる。他方、対向基板20には、
その全面に渡って対向電極(共通電極)21が設けられ
ており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処
理が施された配向膜22が設けられている。TFTアレ
イ基板10には、図10に示すように、各画素電極9a
に隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチング制御
する画素スイッチング用TFT30が設けられている。
対向基板20には、更に図10に示すように、各画素の
開口領域(即ち、画像表示領域内において実際に入射光
が透過して表示に有効に寄与する領域)以外の領域に、
第2遮光膜23が設けられている。
【0115】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、後述のシール材(図
11及び図12参照)により囲まれた空間に液晶等の電
気光学物質が封入され、電気光学物質層50が形成され
る。電気光学物質層50は、画素電極9aからの電界が
印加されていない状態で配向膜16及び22により所定
の配向状態をとる。電気光学物質層50は、例えば一種
又は数種類のネマティック液晶を混合した電気光学物質
からなる。シール材は、TFT基板10及び対向基板2
0をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化
性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間
の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガ
ラスビーズ等のスペーサが混入されている。
【0116】図9及び図10において本実施の形態で
は、データ線6a、走査線3a及び容量線3b並びにT
FT30を含む図9中右上がりの斜線が引かれた網目状
の領域においては、TFTアレイ基板10が凹状に窪ん
でおり、画像表示領域の平坦化用の溝が形成されてい
る。
【0117】図10に示すように、画素スイッチング用
TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基
板10と各画素スイッチング用TFT30との間には、
一画素毎に島状に第1遮光膜11aが設けられている。
第1遮光膜11aは、例えば、不透明な高融点金属であ
るTi(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステ
ン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)及びPd
(パラジウム)のうちの少なくとも一つを含む、金属単
体、合金、金属シリサイド等から構成される。
【0118】更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイ
ッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12
が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光
膜11aから電気的絶縁するために設けられるものであ
る。更に、第1層間絶縁膜12は、TFTアレイ基板1
0の全面に形成されることにより、画素スイッチング用
TFT30のための下地膜としての機能をも有する。
【0119】本実施の形態では、ゲート絶縁膜2を走査
線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用
い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1fと
し、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積
容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されて
いる。
【0120】図10において、画素スイッチング用TF
T30は、LDD(Lightly DopedDrain)構造を有して
おり、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチ
ャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1
a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶
縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高
濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備
えている。高濃度ドレイン領域1eには、複数の画素電
極9aのうちの対応する一つが接続されている。本実施
の形態では特にデータ線6aは、Al(アルミニウム)
等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの
遮光性の薄膜から構成されている。また、走査線3a、
ゲート絶縁膜2及び第1層間絶縁膜12の上には、高濃
度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及び高濃
度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々
形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。更に、
データ線6a及び第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ド
レイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第
3層間絶縁膜7が形成されている。
【0121】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打
ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査
線3aの一部であるゲート電極をマスクとして高濃度で
不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及
びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTで
あってもよい。また本実施の形態では、画素スイッチン
グ用TFT30のゲート電極をソース−ドレイン領域間
に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これ
らの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この
際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるよう
にする。
【0122】次に図11及び図12を参照して、以上の
ように構成された電気光学装置の全体構成を説明する。
尚、図11は、TFTアレイ基板10をその上に形成さ
れた各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図
であり、図12は、対向基板20を含めて示す図11の
H−H’断面図である。
【0123】図11において、TFTアレイ基板10の
上には、シール材52がその縁に沿って設けられてお
り、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ
或いは異なる材料から成る額縁としての第3遮光膜53
が設けられている。シール材52の外側の領域には、デ
ータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がT
FTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走
査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿っ
て設けられている。更にTFTアレイ基板10の残る一
辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回
路104間をつなぐための複数の配線105が設けられ
ている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも
1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板2
0との間で電気的導通をとるための上下導通材106が
設けられている。そして、図20に示すように、図11
に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2
0が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固
着されている。
【0124】本実施形態では好ましくは、画像表示領域
に作り込む画素スイッチング用のTFT30について
は、上述した各実施形態の基板装置における窒素原子が
ゲート絶縁膜中に導入されたNチャネル型TFTから構
成するとよい。同時に、周辺領域に作り込むデータ線駆
動回路101、走査線駆動回路104等の周辺回路を、
CMOS型TFTを含めて構成すると共にこのCMOS
中のPチャネル型TFTについては、上述した各実施形
態の基板装置における窒素原子がゲート絶縁膜中に導入
されたPチャネル型TFTから構成するとよい。
【0125】このように構成すれば、電子がキャリアで
あるためキャリア移動度に優れたNチャネル型TFTを
用いて、画素スイッチングを高駆動周波数で良好に行え
ると共に、駆動電流特性等に優れたCMOSを用いて周
辺回路を構成しつつ装置全体の長寿命化を図ることが可
能となる。
【0126】以上図8から図12を参照して説明した電
気光学装置の実施形態では、データ線駆動回路101及
び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に
設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッ
ドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、
TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電
フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにし
てもよい。また、本願発明をTFTアクティブマトリク
ス駆動方式以外の、TFD(Thin Film Diode)アクテ
ィブマトリクス方式、パッシブマトリクス駆動方式など
いずれの方式に適用しても高品位の画像表示が可能な電
気光学装置を実現できる。更にまた、上述の電気光学装
置では、対向基板20の外面及びTFTアレイ基板10
の外面には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モ
ード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA
(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispe
rsedLiquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマ
リーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に
応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが
所定の方向で配置される。
【0127】(電子機器)次に、以上詳細に説明した電
気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例
たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全
体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに図
13は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
【0128】図13において、本実施形態における投射
型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100
は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装
置100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RG
B用のライトバルブ100R、100G及び100Bと
して用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プ
ロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白
色光源のランプユニット1102から投射光が発せられ
ると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイック
ミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光
成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバル
ブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。こ
の際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、
入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レ
ンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して
導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及
び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成
分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成
された後、投射レンズ1114を介してスクリーン11
20にカラー画像として投射される。
【0129】本発明は、上述した各実施形態に限られる
ものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れ
る発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能
であり、そのような変更を伴なう基板装置及びその製造
方法、電気光学装置並びに電子機器もまた本発明の技術
的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基板装置の第1実施形態の製造方法
を順を追って示す工程図である。
【図2】 図1の工程(3)における半導体層とゲート
絶縁膜との暫定的界面付近における結晶構造を示す模式
図である。
【図3】 図1の工程(4)で導入された窒素濃度と、
ゲート絶縁膜から半導体層に至る部分における酸素及び
ケイ素の2次強度とをゲート絶縁膜表面からの深度に対
して示す特性図である。
【図4】 窒素原子の導入量を変化させた複数の実施例
及び窒素原子を導入しない比較例における動作時間に対
する閾値Vthの初期値からのずれ量Vdd(V)を示
す特性図である。
【図5】 本発明の基板装置の第2実施形態の製造方法
を順を追って示す工程図である。
【図6】 本発明の基板装置の第5実施形態の製造方法
を順を追って示す工程図である。
【図7】 本発明の基板装置の第6実施形態の製造方法
を順を追って示す工程図である。
【図8】 本発明の電気光学装置の実施形態における画
像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設け
られた各種素子、配線等の等価回路である。
【図9】 図8の電気光学装置におけるデータ線、走査
線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接
する複数の画素群の平面図である。
【図10】 図9のA−A’断面図である。
【図11】 本発明の電気光学装置の実施形態における
TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共
に対向基板の側から見た平面図である。
【図12】 図11のH−H’断面図である。
【図13】 本発明の電子機器の実施形態に係る投射型
カラー表示装置の概略ブロック図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 2…ゲート絶縁膜 3a…走査線 3b…容量線 5…コンタクトホール 6a…データ線 8…コンタクトホール 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 10a…画像表示領域 11a…第1遮光膜 20…対向基板 21…対向電極 23…第2遮光膜 30…画素スイッチング用TFT 50…電気光学物質層 52…シール材 70…蓄積容量 101…データ線駆動回路 104…走査線駆動回路 200…石英基板 201…酸化シリコン膜 202…ポリシリコン膜 203…暫定的界面付近 204…ゲート絶縁膜 204a…熱酸化シリコン膜 204b…熱酸化シリコン膜 204c…窒化シリコン膜 204d…熱酸化シリコン膜 205…界面付近 206…ゲート電極膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/336 H01L 29/78 617V 617U Fターム(参考) 2H092 JA28 JA34 JA37 JA41 KA04 KA05 KA11 MA26 MA27 NA11 5C094 AA22 AA25 AA31 AA43 BA03 CA19 DA09 DA13 DB01 EA04 FA02 FB12 FB14 FB15 GB10 5F058 BA07 BB04 BB07 BD02 BD04 BD15 BF62 BF63 BF64 BH04 BJ10 5F110 AA14 AA30 BB02 BB04 CC02 DD01 DD02 DD03 DD11 EE09 EE28 FF02 FF04 FF06 FF09 FF23 FF25 FF26 FF29 GG02 GG13 GG15 HJ13 HL03 HL07 HM14 HM15 NN03 NN46 NN72 NN73 QQ11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 該基板上に形成されておりソース領域、チャネル領域及
    びドレイン領域を含む半導体層と、 少なくとも前記チャネル領域における前記半導体層上に
    形成されたゲート絶縁膜と、 該ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極膜と を備えており、 前記ゲート絶縁膜は、酸化膜を含んでなり前記ゲート絶
    縁膜と前記半導体層との界面から離れた位置における前
    記酸化膜中に窒素原子を含むことを特徴とする基板装
    置。
  2. 【請求項2】 前記窒素原子は、前記界面と反対側に位
    置する前記ゲート絶縁膜の表面から離れた位置における
    前記酸化膜中に存在していることを特徴とする請求項1
    に記載の基板装置。
  3. 【請求項3】 前記窒素原子は、前記界面と反対側に位
    置する前記ゲート絶縁膜の表面に存在していることを特
    徴とする請求項1に記載の基板装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体層は、低温又は高温ポリシリ
    コン膜若しくはアモルファスシリコン膜からなることを
    特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の基板
    装置。
  5. 【請求項5】 前記ゲート絶縁膜は、熱酸化膜、HTO
    膜、TEOS膜及びプラズマ酸化膜のうち少なくともい
    ずれか一つからなることを特徴とする請求項1から4の
    いずれか一項に記載の基板装置。
  6. 【請求項6】 前記基板上には、前記半導体層、前記ゲ
    ート絶縁膜及び前記ゲート電極膜からなるPチャネル型
    の薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とする
    請求項1から5のいずれか一項に記載の基板装置。
  7. 【請求項7】 前記Pチャネル型の薄膜トランジスタ
    は、前記基板上の周辺領域において周辺回路を構成する
    CMOS型(相補型)トランジスタの一部をなすことを
    特徴とする請求項6に記載の基板装置。
  8. 【請求項8】 前記基板上には、前記半導体層、前記ゲ
    ート絶縁膜及び前記ゲート電極膜からなる薄膜トランジ
    スタがアレイ状に複数配列されていることを特徴とする
    請求項1から7のいずれか一項に記載の基板装置。
  9. 【請求項9】 前記アレイ状に複数配列された薄膜トラ
    ンジスタは夫々、Nチャネル型であり且つ前記基板上の
    画像表示領域において画素スイッチング用に画素毎に設
    けられていることを特徴とする請求項8に記載の基板装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか一項に記載
    の基板装置を備えてなることを特徴とする電気光学装
    置。
  11. 【請求項11】 前記基板装置に対向配置された対向基
    板と、前記基板装置と前記対向基板との間に挟持された
    電気光学物質とを備えたことを特徴とする請求項10に
    記載の電気光学装置。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11に記載の電気光学
    装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
  13. 【請求項13】 基板上に、半導体層を形成する半導体
    層形成工程と、 該半導体層を酸化することで該半導体層の表面に酸化膜
    を形成する第1酸化工程と、該酸化膜上から窒素原子を
    含むガス雰囲気でアニールを行なうことで窒素原子を前
    記酸化膜と前記半導体層との暫定的な界面に導入するア
    ニール工程と、前記暫定的な界面よりも前記基板側にあ
    る前記半導体層を更に酸化することで前記暫定的な界面
    よりも前記基板側に酸化膜を更に形成する第2酸化工程
    とを含むことを特徴とする基板装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 基板上に、半導体層を形成する半導体
    層形成工程と、 該半導体層を窒化することで該半導体層の表面に窒化膜
    を形成する窒化工程と、該窒化膜を介して前記半導体層
    を酸化することで前記窒化膜よりも前記基板側に酸化膜
    を形成する酸化工程とを含むことを特徴とする基板装置
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 基板上に、半導体層を形成する半導体
    層形成工程と、 該半導体層を酸化することで該半導体層の表面に酸化膜
    を形成する第1酸化工程と、該酸化膜上からプラズマ技
    術又はイオン注入で、窒素原子を前記酸化膜内に注入す
    る注入工程と、前記窒素原子が注入された酸化膜と前記
    半導体層との暫定的な界面よりも前記基板側にある前記
    半導体層を更に酸化することで前記暫定的な界面よりも
    前記基板側に酸化膜を更に形成する第2酸化工程とを含
    むことを特徴とする基板装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 基板上に、半導体層を形成する半導体
    層形成工程と、 該半導体層を窒素及び酸素を含むガスで酸化することで
    該半導体層の表面に酸化膜を形成する第1酸化工程と、
    前記酸化膜と前記半導体層との暫定的な界面よりも前記
    基板側にある前記半導体層を、窒素を含まず且つ酸素を
    含むガスで更に酸化することで前記暫定的な界面よりも
    前記基板側に酸化膜を更に形成する第2酸化工程とを含
    むことを特徴とする基板装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 基板上に、半導体層を形成する半導体
    層形成工程と、 該半導体層を酸化することで該半導体層の表面に酸化膜
    を形成する第1酸化工程と、該酸化膜上からプラズマ技
    術又はイオン注入で、前記酸化膜と前記半導体層との暫
    定的な界面から離れた位置に、窒素原子の濃度ピークが
    くるように該窒素原子を前記酸化膜内に注入する注入工
    程とを含むことを特徴とする基板装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記注入工程後に、前記界面よりも前
    記基板側にある前記半導体層を更に酸化することで前記
    界面よりも前記基板側に酸化膜を更に形成する第2酸化
    工程を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の基
    板装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記第2酸化工程又は前記酸化工程
    は、ランプアニール又は縦型拡散炉により、ウェット酸化
    又はドライ酸化する工程を含むことを特徴とする請求項
    13から16及び18のいずれか一項に記載の基板装置
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記半導体層形成工程は、低温又は高
    温ポリシリコン膜若しくはアモルファスシリコン膜を形
    成する工程を含むことを特徴とする請求項13から18
    のいずれか一項に記載の基板装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006332172A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置及び半導体装置の製造方法

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