JP2003129616A - 防水工法およびそれに用いるポリウレタン樹脂製マット - Google Patents

防水工法およびそれに用いるポリウレタン樹脂製マット

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JP2003129616A
JP2003129616A JP2002217775A JP2002217775A JP2003129616A JP 2003129616 A JP2003129616 A JP 2003129616A JP 2002217775 A JP2002217775 A JP 2002217775A JP 2002217775 A JP2002217775 A JP 2002217775A JP 2003129616 A JP2003129616 A JP 2003129616A
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waterproofing
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Hajime Takebayashi
肇 武林
Yukio Akimoto
幸雄 秋元
Yasuhiro Kato
康弘 加藤
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Asahi Glass Polyurethane Material Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種機器等の既存設置物の移動や吊り上げ養
生を必要とせずに簡便に施工でき、しかも防水性能に優
れる防水工法およびそれに用いるポリウレタン樹脂製マ
ットを提供する。 【解決手段】 下地にポリウレタン樹脂製マット3を1
層または2層以上重ねて貼着した後、少なくともマット
3の周縁部7aとマット3の周囲の下地とにかけて、ポ
リウレタン樹脂系塗膜防水材を塗工し、塗膜防水層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンション等の建
築物の屋上、ベランダ、廊下等に用いる、ポリウレタン
樹脂系塗膜防水材を用いる塗膜防水工法、および、それ
に用いるポリウレタン樹脂製マットに関する。
【0002】
【従来の技術】マンション等の建築物の屋上、バルコニ
ー、廊下等における防水工法として、近年、ポリウレタ
ン樹脂系塗膜防水材を用いる塗膜防水工法が多く採用さ
れている。この防水工法は、施工部位に樹脂を直接塗工
するため、塩化ビニル樹脂製等の成型シートを用いるシ
ート防水工法に比べ、施工部位の形状によらず簡便に防
水塗膜を形成できる利点があり、特に改修工事に多くの
実績がある。
【0003】そして、改修工事においては、給排水管等
の架台、物置、エアコンの室外機、各種機器等が既に設
置してあるのが通常である。このため、設置部分に塗膜
防水材を塗工する場合は、機器等の既存設置物を一時的
に移動し、塗工終了後に再設置する必要がある。しか
し、給排水管の架台等は移動が困難であり、エアコンの
室外機等の各種機器は、移動すると再設置までの期間、
その機器が使用できなくなる等の問題があった。
【0004】上記問題を解決するため、既存設置物を移
動せずに、塗膜防水材の施工完了まで上部に吊り上げ
て、下部に防水層を設けるための空間を設ける方法が従
来行われていた。
【0005】また、特開平9−131834号公報に
は、周辺部に接合部を有する未加硫ブチルゴムシート上
に、前記未加硫ブチルゴムシートより小さなサイズに裁
断したポリウレタン樹脂製シートを貼り付けた複合マッ
トを既存設置物の下に接着し、その周辺にポリウレタン
樹脂系塗膜防水材を塗工する技術が開示されている。こ
の方法によれば、既存設置物はマットを接着する間だけ
持ち上げていればよく、機器等の移動や、養生までの長
期間の吊り上げが必要なく、簡便に既存設置物の設置個
所にも防水層を設けることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のうち、
吊り上げて下部に防水層を設けるための空間を設ける方
法は、ベランダ等の天井面や壁面のある部位で、機器等
を吊り上げるためのロープ等を掛ける個所がある場合に
は実施可能であるが、屋上等では機器等の周辺にロープ
等を掛ける個所がないことが多く、実施が困難な場合が
あった。
【0007】また、上記の特開平9−131834号公
報の方法においては、周囲に塗工するポリウレタン樹脂
系塗膜防水材との接合面が、ポリウレタン樹脂系塗膜防
水材との接着性に劣る未加硫ブチルゴムシートとなる。
このため、未加硫ブチルゴムシートの表面に織布または
不織布を圧着または接着しておき、ポリウレタン樹脂系
塗膜防水材の塗工時にその織布または不織布にポリウレ
タン樹脂を浸透させ、アンカー効果により未加硫ブチル
ゴムシートとポリウレタン樹脂系塗膜防水材を接着させ
る必要がある。
【0008】しかし、この複合マットは未加硫ブチルゴ
ムシートに織布または不織布を圧着または接着させる工
程、さらに未加硫ブチルゴムシートとポリウレタン樹脂
製シートを接着する工程があり、複合マットの加工が複
雑になるという問題点があった。
【0009】また、未加硫ゴムはウレタン樹脂系ゴムに
比べ強度や伸び率等の物性面で劣り、上層のポリウレタ
ン樹脂製シートに比べ、下層の未加硫ゴムシート部分の
防水性能が劣る。さらに、下地上に、未加硫ブチルゴム
シート、織布または不織布、ポリウレタン樹脂製シート
またはポリウレタン樹脂系塗膜防水材の順に、異質の材
料を接着させているため、長期の耐久性の面で、それぞ
れの材料の層間で剥離する恐れがあった。
【0010】また、ポリウレタン樹脂系塗膜防水材を塗
工した後の施工面を平滑にするためには、ポリウレタン
樹脂系塗膜防水材の厚さと同じ厚さの複合マットを使用
する必要があり、塗膜厚さに合わせた厚さの複合マット
をあらかじめ準備する必要があった。
【0011】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題を解決し、機器等の設置面においても簡便に施工で
き、しかも長期間の防水性能に優れる塗膜防水工法およ
びそれに用いるポリウレタン樹脂製マットを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の防水工法は、下地にポリウレタン樹脂製マ
ットを1層または2層以上重ねて貼着した後、少なくと
も前記マットの周縁部と前記マットの周囲の下地とにか
けて、ポリウレタン樹脂系塗膜防水材を塗工することを
特徴とする。
【0013】本発明の方法によれば、少なくとも前記マ
ットの周縁部がポリウレタン樹脂であり、後から塗工さ
れるポリウレタン樹脂系塗膜防水材と同種の材料であ
る。よってマットと防水材の接着性に優れ、長期間の使
用においてもマットと防水材が層間で剥離する恐れがな
く、高い防水性能を発揮できる。また、マットと防水材
が接着性に優れるため、アンカーとしての織布や不織布
を用いる必要がないので施工が簡便であり、施工コスト
も安価である。
【0014】本発明の防水工法の好ましい態様として
は、前記マットの周縁部が、その中央部よりも段差をな
して薄くなるように成形されている。この段差部分から
マット周囲の下地にかけてポリウレタン樹脂系塗膜防水
材を塗工することにより、施工面を平滑に仕上げること
ができ、外観に優れる。
【0015】また、本発明のポリウレタン樹脂製マット
は、上記の防水工法に用いるマットであって、JIS−
A6021に規定される引張性能試験において、引張強
さが1N/mm2以上であり、かつ破断時の伸び率が1
00%以上である。これにより、前記マットが十分な耐
亀裂性を有するので、下地に発生した亀裂に対して十分
な追従性があり、マットが破断し難くなる。
【0016】また、本発明のポリウレタン樹脂製マット
の好ましい態様としては、マットの少なくとも片面に感
圧性接着剤層が設けられている。この態様によれば、マ
ットを圧着で簡単に固定でき、接着剤を塗工する手間が
省けるので施工性に優れる。
【0017】さらに、本発明のポリウレタン樹脂製マッ
トの別の好ましい態様としては、前記マットの周縁部
が、その中央部よりも薄くなるように成形されている。
これにより、マット部分の段差が低くなり、ポリウレタ
ン樹脂系塗膜防水材を塗工した際に施工面を平滑に仕上
げることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の一実
施形態について説明する。
【0019】まず、図1を用いて、本発明のポリウレタ
ン樹脂製マット(以下マットともいう)について説明す
る。図1(a)は本発明のポリウレタン樹脂製マットの
一実施形態を示す平面図、図1(b)は、図1(a)の
A−A’断面図である。
【0020】マット3はポリウレタン樹脂製シート7、
感圧性接着剤層8および離型紙9より構成されており、
本実施形態では図1(a)に示すように、その平面形状
が四角形をなしている。また、図1(b)に示すよう
に、シート7の断面形状は、周縁部7aが段差部7bを
介して薄くなるように成形されている。
【0021】本発明においては、シート7の材質はポリ
ウレタン樹脂製である。これにより、後に周縁部7a上
に塗工されるポリウレタン樹脂系塗膜防水材と同種材料
となるので、接着性に優れ、高い防水性能を発揮でき
る。
【0022】ここで、上記ポリウレタン樹脂製シートに
採用されるポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアネート
とポリオールとを反応させて得られる、ポリウレタン結
合を有する弾性樹脂を意味する。ただし、ポリイソシア
ネートとポリアミンとを反応させて得られる、ポリウレ
ア結合を含んでいてもよい。上記ポリウレタン樹脂とし
ては、従来から使用されている公知の熱可塑性ポリウレ
タンや熱硬化性ポリウレタンが使用できる。
【0023】また本発明に用いるポリウレタン樹脂製シ
ートとしては、前記の引張強さ、および破断時の伸び率
を有していれば、発泡樹脂製であっても、非発泡樹脂製
であってもよい。
【0024】また本発明に用いるポリウレタン樹脂製シ
ートは、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有していて
もよい。可塑剤の例としては、フタル酸ジオクチル等の
汎用可塑剤、トリフェニルホスフェート等の難燃性可塑
剤が挙げられる。ただし、可塑剤の含有量が多くなる
と、後から塗工される塗膜防水材との接着力が低下しや
すいので、可塑剤の含有量は5質量%以下が好ましく、
実質的に含有しないことが特に好ましい。
【0025】シート7の平面方向から見た形状は特に限
定されず、既存設置物の形状に合わせて適宜選択可能で
あり、前もって設置個所に合わせて裁断または成形して
おいてもよい。さらに耐候性をよくするためにトップコ
ートを塗工しておいてもよく、下地に貼着した後にトッ
プコートを塗工してもよい。トップコートは耐候性がよ
く、マットとの接着性に優れるものであれば特に限定さ
れない。従来公知の、例えばアクリル樹脂系塗料、アク
リルウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料のそれぞれ
溶剤型、無溶剤型、水性型が使用できる。
【0026】シート7の厚さt1は任意であるが、防水
性能の点から0.5〜10mmが好ましい。0.5mm
未満では十分な耐亀裂性がなく防水性能が低く好ましく
ない。10mmを超えても性能上の支障はないが、作業
性が悪くなりやすい。厚さが必要な場合はシートを2枚
以上重ねて使用すればよい。
【0027】本発明においては、図1(b)に示すよう
に、シート7の断面形状が、周縁部7aがその中央部よ
りも段差7bをなして薄くなるようにあらかじめ一体に
成形されていることが好ましい。これにより、ポリウレ
タン樹脂系塗膜防水材の塗工後の施工面を平滑にするこ
とができる。
【0028】ここで、段差7bの高さ(t1−t2)は、
シート7の厚さt1の10〜90%の範囲であることが
好ましい。t1の10%未満であると、周縁部7a上に
施工されるポリウレタン樹脂系塗膜防水材の厚さが薄く
なり、防水性能が十分に得られない場合があり、t1
90%を超えると、周辺部7aが切れやすくなり好まし
くない。
【0029】また、周縁部7aの幅wは、5〜50mm
の範囲であることが好ましい。5mm未満であると、マ
ットとポリウレタン樹脂系塗膜防水材との接着面積が少
なく、十分な接着強度が得られにくく好ましくない。5
0mmを超えても性能上の支障はないが、作業性が悪く
なりやすい。
【0030】なお、本発明において好ましいシート7の
断面形状は、中央部に比べて周縁部が薄くなっていれば
よく、例えば、段部を設けずに中央部からシートの端部
に向かってテーパー状をなしていてもよい。また、段部
7aを設ける方法としては、図1のようにあらかじめ一
体成形されたシート7を用いてもよく、また、1枚のシ
ート上に、それより小さく切断された他のシートを貼着
して段部を形成してもよい。
【0031】また、シート7の少なくとも片面には感圧
性接着剤層8が設けられていることが好ましい。これに
より、マットを圧着で簡単に固定でき、接着剤を塗工す
る手間が省けるので施工性に優れる。感圧性接着剤とし
ては、従来から使用されている公知のものが使用でき、
例えば、アクリル系、合成ゴム系、天然ゴム系、ウレタ
ン系、エポキシ系、シリコーン系、ポリオレフィン系、
ポリスチレン系、ビニル系、酢酸ビニル系等の各種接着
剤が挙げられる。
【0032】また、感圧性接着剤層8には離型紙9が設
けられていることが好ましく、さらに離型紙9は図1
(b)に示すように、中央付近の分割部9aで左右に2
分割されていることがより好ましい。これによりマット
の保管性がよく、施工時に離型紙9が剥しやすく、効率
的に貼着することができる。離型紙9は離型剤を塗った
紙や、感圧性接着剤層8と親和性の低い合成樹脂シート
等が使用できる。なお、本発明においては感圧性接着剤
層8は必ずしも設ける必要はなく、下地に貼着する前
に、別途接着剤をシート7または下地に塗布してからマ
ットを貼着してもよい。
【0033】さらに、マット3の下面には、通気層を設
けてもよい。例えばマット3の下面に幅0.5mm〜5
mm、高さ0.5mm〜5mmの範囲で溝を設ける方法
や、織布または不織布を貼り付けておく方法等が採用で
きる。また、強度を高めるためにマット3の上面または
下面にガラスクロス等の補強布を貼着してもよい。また
補強布をあらかじめ成形時にシート7中に埋設しておい
てもよい。
【0034】本発明においては、マット3は十分な耐亀
裂性を有するために、JIS−A6021に規定される
引張性能試験において、引張強さが1N/mm2以上で
あり、かつ破断時の伸び率が100%以上であることが
好ましい。引張強さが1N/mm2以下または破断時の
伸び率が100%以下の場合、下地に発生した亀裂に対
して十分な追従性がないためにマットが破断しやすくな
るので好ましくない。ここでJIS−A6021に規定
される引張性能試験とは、ダンベル状3号形の形状で、
500mm/minの引張速度で試験片が破断するまで
引っ張った時の引張強さと破断時の伸び率である。
【0035】次に、上記のマット3を用いた本発明の防
水工法について説明する。図2は本発明の防水工法の一
実施形態を示す施工面の断面図である。この防水工法
は、図2(a)〜(c)の順に施工される。
【0036】まず、図2(a)に示すように下地1から
既存設置物2を一時的に持ち上げ、図2(b)に示すよ
うにポリウレタン樹脂製マット3を既存設置物2の下面
の下地1に貼着する。
【0037】ここで、貼着の方法としては、離型紙9を
剥がし、感圧性接着剤層8を下地1に圧着すればよい。
このとき、離型紙9は中央の分割部9aで2分割されて
いるので施工時に離型紙9が剥しやすく、効率的に貼着
することができる。また、感圧性接着剤層8が設けられ
ていない場合には、シート7側または下地1側に別途接
着剤を塗工した後、下地1に圧着する。
【0038】下地1は、被施工面をなし、例えば、建築
物の屋上、バルコニー、廊下等の床面のコンクリート、
モルタル等より形成されている面である。また、下地1
上の既存設置物2としては、例えば給排水管等の架台、
物置、エアコンの室外機、各種機器等が挙げられる。
【0039】マット3は下地1に直接、またはプライマ
を塗工してから施工される。プライマは特に限定されな
いが、ポリウレタン樹脂系プライマ、エポキシ樹脂系プ
ライマ等の公知のものが使用できる。また、プライマは
ポリウレタン樹脂系塗膜防水材の接着をよくするため
に、塗工するプライマと同じものを使用すると材料が統
一できるのでさらに好ましい。さらに、マット3とポリ
ウレタン樹脂系塗膜防水材との接着力をより強固にする
ために、マット3の周縁部のポリウレタン樹脂系塗膜防
水材が塗工される部分に同様のプライマを塗工してもよ
い。さらにマット3の貼着部分の防水性能を高めるため
に、マット3の下面や周囲にあらかじめシーリング材や
ポリウレタン樹脂系塗膜防水材等を塗工してもよい。
【0040】その後、持ち上げていた既存設置物2をマ
ット3上に設置する。次いで図2(c)に示すように、
マット3の周縁部7aおよび周囲にポリウレタン樹脂系
塗膜防水材を塗工して、ポリウレタン樹脂系塗膜防水層
4を形成する。
【0041】ここで、本発明におけるマット3の周囲と
は、貼着したマット3の周囲の下地1部分であり、ポリ
ウレタン樹脂系塗膜防水材を下地に直接塗工する面であ
る。また、マット3の周縁部とは、マット3上の、マッ
ト3と下地1とが段差する境界部に近接した部分であ
り、マット3上にポリウレタン樹脂系塗膜防水材が塗工
される部分を意味する。
【0042】塗膜防水材の材質はポリウレタン樹脂系で
あれば特に限定されず、従来から使用されている公知の
ものが使用できる。特に過剰のポリイソシアネートとポ
リオールを反応させて得られるイソシアネート基末端プ
レポリマーを主成分とする主剤と、ポリオール、ポリア
ミンおよび水から選ばれる少なくとも1種を主成分とす
る硬化剤とを混合するポリウレタン樹脂系塗膜防水材が
好ましい。また、塗膜防水材の種類は、例えば二液硬化
型の手塗りポリウレタン樹脂系防水材、超速硬化型の吹
き付けポリウレタン樹脂系防水材等が挙げられる。ま
た、イソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする
一液型ポリウレタン樹脂系防水材等も使用できる。
【0043】ポリウレタン樹脂系塗膜防水材は、少なく
とも周縁部7a上の幅wを含むマット3の一部と、マッ
ト3の周囲の下地の所定箇所に施工される。図2(c)
においては、施工後の平面を平滑にするために高さt1
で施工されている。マット3の貼着部分は未貼着部分と
の段差を小さくするために、ポリウレタン樹脂系塗膜防
水層4の施工に先立って、マット3の周辺に、同様の防
水材、増粘材を添加した防水材、マット3と防水材の双
方に接着性のよいシーリング材等を塗工することができ
る。さらに接合個所の強度を高くするために、ガラスク
ロス等の補強布を貼着してもよい。
【0044】塗膜防水層4は1層または2層以上施工可
能であり、厚さは任意であるが、十分な防水性能を得る
ためには1mm以上が好ましい。さらに塗膜防水層4の
表面には、耐候性をよくするためにトップコートを塗工
することができる。トップコートとしては従来から使用
されている公知のものが使用でき、例えばアクリル樹脂
系塗料、アクリルウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗
料のそれぞれ溶剤型、無溶剤型、水性型が使用でき、マ
ット3に塗工するトップコートと同一であっても異なる
ものであってもよい。
【0045】上記の防水工法によれば、既存設置物は一
時的に、マットを貼着する間だけ持ち上げるだけでよ
く、移動や吊り上げ養生が必要なく施工効率がよい。ま
た、マットとポリウレタン樹脂系塗膜防水材は同種のポ
リウレタン樹脂系であるために接着強度が高いので、両
者の間に織布や不織布のようなアンカー材料を設ける必
要がなく、信頼性の高い一体化した防水層を得ることが
できる。
【0046】図3には、本発明の防水工法の他の実施形
態が示されている。なお、以下の実施形態の説明におい
ては、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付
してその説明を省略する。
【0047】図3の実施形態は、大きさの異なるポリウ
レタン樹脂製マットを2枚積層して貼着することにより
段差部を設けている点が図2の実施形態と異なってお
り、図3(a)〜(d)の順に施工される。
【0048】まず、図2の場合と同様に、図3(a)に
示すように下地1から既存設置物2を一時的に持ち上
げ、次に図3(b)に示すようにポリウレタン樹脂製の
マット5を既存設置物2の下面の下地に貼着し、さらに
図3(c)に示すようにポリウレタン樹脂製マット6
を、最初に貼着したマット5より小さなサイズに裁断し
た後に積層して貼着し、その後に持ち上げていた既存設
置物2をマット上に設置する。次いで図3(d)に示す
ように、マット5上の張り出した部分である幅wを含む
マット5の一部と、マット5の周囲にポリウレタン樹脂
系塗膜防水材を塗工し、ポリウレタン樹脂系塗膜防水層
4を形成する。
【0049】このように、本発明においてはマットは1
層だけの使用に限られず、2層以上を貼り重ねて使用し
てもよい。特にマットの厚さが周囲に塗工するポリウレ
タン樹脂系塗膜防水材の厚さよりも薄い場合には、施工
面を平滑にするためにポリウレタン樹脂系塗膜防水材と
同等の厚さ、またはマット上に設置する機器等の質量が
大きい場合にはポリウレタン樹脂系塗膜防水材の厚さ以
上となるように貼り重ねることが好ましい。
【0050】この実施形態によれば、図2の場合と同様
に既存設置物は一時的にマットを貼着する間だけ持ち上
げるだけでよく、マット5とポリウレタン樹脂系塗膜防
水材の接着強度も高い。さらに一種類のマットを裁断し
て積層することにより、マット全体の貼着部分の厚さを
施工現場で簡便に調整することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、給
排水管等の架台、物置、エアコンの室外機、各種機器等
の既存設置物の移動や吊り上げ養生を必要としないので
施工が簡単であり、また、マットとポリウレタン樹脂系
塗膜防水材が同種類の材料であるので一体性が高い防水
層を形成でき、建築物の屋上、バルコニー、廊下等のポ
リウレタン樹脂系の塗膜防水工法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリウレタン樹脂製マットの一実施
形態を示す、(a)平面図、(b)A−A’断面図であ
る。
【図2】 ポリウレタン樹脂製マットを1層貼着した場
合の、本発明の防水工法における一実施形態を示す概略
工程図である。
【図3】 ポリウレタン樹脂製マットを2層貼着した場
合の、本発明の防水工法における一実施形態を示す概略
工程図である。
【符号の説明】
1 下地 2 既存設置物 3、5、6 マット 4 塗膜防水層 7 シート 7a 周縁部 7b 段差部 8 感圧性接着剤層 9 離型紙 9a 分割部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 康弘 埼玉県久喜市河原井町23番 旭硝子ポリウ レタン建材株式会社内 Fターム(参考) 2E220 AA07 AA51 AB04 AB05 BA01 BA19 BA28 BC06 DA02 DB09 EA04 EA05 GA07X GA24X GB37X

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地にポリウレタン樹脂製マットを1層
    または2層以上重ねて貼着した後、少なくとも前記マッ
    トの周縁部と前記マットの周囲の下地とにかけて、ポリ
    ウレタン樹脂系塗膜防水材を塗工することを特徴とする
    防水工法。
  2. 【請求項2】 前記マットの周縁部が、その中央部より
    も薄くなるように成形されている、請求項1に記載の防
    水工法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の防水工法に用いるポリ
    ウレタン樹脂製マットであって、JIS−A6021に
    規定される引張性能試験において、引張強さが1N/m
    2以上であり、かつ破断時の伸び率が100%以上で
    あることを特徴とするポリウレタン樹脂製マット。
  4. 【請求項4】 前記マットの少なくとも片面に感圧性接
    着剤層が設けられている、請求項3に記載のポリウレタ
    ン樹脂製マット。
  5. 【請求項5】 前記マットの周縁部が、その中央部より
    も薄くなるように成形されている、請求項3または4に
    記載のポリウレタン樹脂製マット。
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