JP3969482B2 - 塗膜防水工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物等における塗膜防水工法において、防水塗膜が破断しやすい部位に適用するための補強用の防水テープを用いた塗膜防水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンション等の建築物の屋上、バルコニー等における防水工法として、近年ポリウレタン樹脂系防水材等を用いた塗膜防水工法が多く採用されている。この塗膜防水工法は施工部位に樹脂を直接塗工するため、塩化ビニル樹脂製防水シート等の成型シートを用いるシート系の防水工法に比べ、施工部位の形状にかかわらず容易に防水塗膜を形成できる利点がある。
【0003】
しかし塗膜防水工法は、施工部位の凹凸形状によって厚さムラが生じ易いという欠点がある。よって、例えば架台やパラペット等の出隅部分においては防水塗膜が薄く施工されやすく、この場合には、数ヶ月から数年で防水塗膜が破断するという問題があった。
【0004】
また、入隅部分では他の部位に比べて下地材に亀裂が発生しやすく、目地部分においても建物の動きによる伸縮が激しいために、出隅部分と同様に防水施工終了後数ヶ月から数年で防水塗膜に亀裂が発生することがあり、上記同様の問題があった。
【0005】
このため、従来より、当該個所にガラスクロス等の補強布を貼付けたり、塗膜防水材よりも伸長性に優れるシーリング材を塗工して耐亀裂性を増強する方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のうち、ガラスクロスを貼り付ける方法においては、ガラスクロスの裁断、貼付けに非常に手間がかかり、また、ガラスクロスが反り上がって防水塗膜上に飛び出すことがあり作業に熟練を要する。さらに、塗膜防水層の厚さが薄くなった場合に、ガラスクロス自体には防水性能がなく、ガラスクロスの補強効果だけでは充分な防水性能が確保できないという問題も生じていた。
【0007】
また、シーリング材を塗工する方法においては、シーリング材自体が防水性能を有するものの以下の問題があった。すなわち、塗膜防水の施工に先立ってシーリング材を塗工する場合には、シーリング材の養生時間が必要となるために工期が長くなる問題、また、出隅部分においてはシーリング材でも充分な厚さがつけ難く、目地部分においてはシーリング材が目減りするために、複数回塗工する必要がある問題等である。
【0008】
一方、シーリング材を塗膜防水材の施工後に塗工する場合には、シーリング材の塗工部分と未塗工部分との境目に、未塗工部分の汚れ防止のための養生テープを貼り付ける必要があり、また塗工後にシーリング材をヘラ等で均す熟練作業が必要となるので施工が煩雑になる。さらに、シーリング材の種類によっては塗膜防水材との充分な接着強度が得られず、シーリング材と塗膜防水材の界面で剥離しやすい場合がある。
【0009】
また、前述のガラスクロスを貼り付ける方法では、目地部分に施工した場合や下地に亀裂が発生した場合に、塗膜防水層に引っ張り応力(ゼロスパンテンション)がかかり、塗膜防水層が破断しやすいという問題があった。さらに、目地部分にシーリング材を施工した後に塗膜防水層を塗工する場合では、塗膜防水材が目地の動きに追従しきれずに、やはり塗膜防水層が破断しやすいという問題があった。
【0010】
したがって、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、出隅部、入隅部、目地部において、充分な防水膜の厚さを確保し、耐亀裂性に優れる防水膜を簡便に施工できる塗膜防水工法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の塗膜防水工法は、JIS−A6021に規定される引張性能試験において、引張強さが1N/mm 以上であり、かつ破断時の伸び率が100%以上である防水テープを、防水施工個所の出隅、入隅、目地のいずれか一ヶ所以上に貼着した後に、塗膜防水材を前記防水テープの貼着部分および未貼着部分の上に塗工することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、テープ自身が防水性を有するので、出隅部、入隅部、目地部のような凹凸形状の施工においても、充分な防水効果を得ることができる。また、適度な引張強さと伸び率を有するので、耐亀裂性に優れる。さらに、テープ形状であるので施工が容易である。そして、補強の必要な部位に上記防水テープを貼着することにより、防水層の厚さが確保できる、下地に発生する亀裂に対する抵抗性が増す、テープと塗膜防水材の強い接着強度が得られる、さらに補強処理後の養生時間が必要なく、従来工法に比べて防水性能の高い塗膜防水層を短時間で形成できる等の効果が得られる。
【0013】
また、本発明は、前記塗膜防水材がポリウレタン樹脂系塗膜防水材であることが好ましい。塗膜防水材をポリウレタン樹脂系塗膜防水材とすることにより、さらに防水性に優れ、かつ防水テープとの接着力の高い塗膜防水層を形成できる。
【0014】
また、本発明は、前記防水テープがポリウレタン樹脂系防水テープであることが好ましい。この態様によれば、後から塗工する塗膜防水材との接着性が良好であり、しかも、充分な防水性および伸び率を有する。
【0015】
また、本発明は、前記防水テープの少なくとも片面に感圧性接着剤層が設けられていることが好ましい。この態様によれば、テープが圧着で簡単に固定できるので、さらに施工性に優れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の防水テープについて説明する。
【0018】
本発明においては、防水テープが充分な耐亀裂性を有することが必要であるため、JIS−A6021に規定される引張性能試験において、引張強さが1N/mm2以上であり、かつ破断時の伸び率が100%以上であることが必要である。
【0019】
上記範囲の強さと伸び率を有することにより、施工部分が出隅部、入隅部、目地部のような凹凸形状であっても密着可能であり、下地からの剥離等を防止できるとともに、耐亀裂性にも優れる施工が可能となる。引張強さが1N/mm2以下、または破断時の伸び率が100%以下の場合、下地に発生した亀裂に対して充分な追従性がないためにテープが破断しやすい。
【0020】
ここで、JIS−A6021に規定される引張性能試験とは、ダンベル状3号形の形状で、500mm/minの引張速度で試験片が破断するまで引っ張った時の引張強さと破断時の伸び率である。
【0021】
本発明においては、上記の引張強さ、および破断時の伸び率を有する防水テープであれば、テープ材質は特に限定されず、ポリウレタン樹脂系、塩化ビニル樹脂系、アクリルゴム系、クロロプレンゴム系、ゴムアスファルト系、加硫ゴム系、非加硫ゴム系等が例示できる。加硫ゴム系または非加硫ゴム系の材質としては、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン等が例示できる。これらのうち、塗膜防水材と良好な接着強度を得るためには、防水テープが各種塗膜防水材との接着性に優れるポリウレタン樹脂系防水テープであることが好ましい。
【0022】
ここで、上記防水テープに採用されるポリウレタン樹脂とは、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られる、ポリウレタン結合を有する弾性樹脂を意味する。ただし、ポリイソシアネートとポリアミンとを反応させて得られる、ポリウレア結合を含んでいてもよい。上記ポリウレタン樹脂としては、従来から使用されている公知の熱可塑性ポリウレタンや熱硬化性ポリウレタンが使用できる。
【0023】
また、本発明の防水テープとしては、前記の引張強さ、および破断時の伸び率を有していれば、発泡樹脂製であってもよく、非発泡樹脂製であってもよい。
【0024】
また、本発明の防水テープは、必要に応じて可塑剤等の添加剤を含有していてもよい。可塑剤の例としては、フタル酸ジオクチル等の汎用可塑剤、トリフェニルホスフェート等の難燃性可塑剤が挙げられる。ただし、可塑剤の含有量が多くなると、後から塗工される塗膜防水材との接着力が低下しやすいので、可塑剤の含有量は5質量%以下が好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。
【0025】
本発明においては、上記防水テープの塗膜防水材を塗工する面に、プライマ、接着剤等を塗工することが、防水テープと塗膜防水材との接着強度を向上できて好ましい。このプライマ、接着剤等の塗工は、特に防水テープの材質がポリウレタン樹脂系以外の材質である場合に有効である。
【0026】
また、防水テープの少なくとも片面には感圧性接着剤層が設けられていることが好ましい。感圧性接着剤層が設けられていると、テープの貼着に接着剤等を塗工する手間が省略でき好ましい。防水テープの片面に設けられる感圧性接着剤としては従来から使用されている公知のものが使用でき、例えば、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系が挙げられる。また、感圧性接着剤層には離型紙が設けられていることが好ましく、さらに、離型紙はテープの長手方向に二分割されていることがより好ましい。これによりテープの保管性が良く、施工時に離型紙が剥しやすく、効率的に貼着することができる。離型紙としては離型剤を塗った紙や、感圧性接着剤と親和性の低い合成樹脂シート等が使用できる。
【0027】
本発明においては、防水テープ自身が防水材の役目も果たす。したがって、防水テープはメッシュ状ではなくフィルム状またはシート状であることが好ましい。防水テープの厚さは任意であるが、防水性能の点から0.5〜5mmが好ましい。また、テープは一層でも二層以上を貼り重ねても良い。さらに、防水テープの幅についても任意であるが、10〜500mmが好ましく、より好ましくは30〜300mmである。10mmより細いと補強面に対して幅が狭く、何列も貼り合わせなければならないので効率的でなく好ましくない。また、500mmより広いと下地とテープの間に空気が入りやすく、空気が入らないように貼着するのに手間がかかるので好ましくない。
【0028】
次に、上記の防水テープを用いた本発明の塗膜防水工法の一実施形態について、従来工法と比較して説明する。ここで、図1は本発明の防水テープを出隅部分に適用した概略構成図、図2は従来のガラスクロスを用いた防水工法を出隅部分に適用した際の概略構成図である。
【0029】
本実施形態では、図1に示すように、下地1上の補強が必要な出隅部分の上から、防水テープ2を貼着し、さらに防水テープ2を貼着した部分と未貼着の部分に塗膜防水材を塗工して塗膜防水層3を形成する。
【0030】
ここで、下地1は本発明の防水工法において防水加工が必要な面であり本実施形態では出隅部分である。このような凹凸面としては、例えば、建築物の屋上やバルコニーの床面、垂直面等のコンクリート、モルタル、パネル、断熱ボード等より形成されている面が挙げられる。
【0031】
まず、下地1上に前記の防水テープ2を貼着する。ここで、防水テープ2は下地1に直接貼着してもよく、またはプライマを塗工してから貼着してもよい。この場合、プライマの種類は特に限定されないが、ウレタン樹脂系プライマ、エポキシ樹脂系プライマ等の、下地1と防水テープ2が充分接着できる種類が好ましい。また、プライマとして、防水テープ2貼着後に塗工する塗膜防水材と同じものを使用すると材料が統一できるのでさらに好ましい。この際、プライマは下地1の全体に塗工されていてもよく、防水テープ2の貼着部分にのみ塗工されていてもよい。
【0032】
次に、防水テープ2を貼着した部分と未貼着の部分の上に塗膜防水材を塗工して塗膜防水層3を形成する。塗膜防水層3を構成する塗膜防水材の材質は、防水テープ2との接着力、総合的な防水性能の点で、ポリウレタン樹脂系塗膜防水材が好ましく、防水テープ2と塗膜防水材が共にポリウレタン樹脂系であることが特に好ましい。塗膜防水材としてのポリウレタン樹脂の種類は特に限定されず、従来から使用されている公知のものが使用できる。特に過剰のポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする主剤と、ポリオール、ポリアミンおよび水から選ばれる少なくとも1種を主成分とする硬化剤とを混合するウレタン樹脂系防水材が好ましい。
【0033】
また、ポリウレタン樹脂系の塗膜防水材の種類としても特に限定されず、例えば、二液硬化型の手塗りウレタン防水材、超速硬化型の吹き付けウレタン防水材、また、イソシアネート基末端プレポリマーを主成分とする一液型ウレタン防水材等が挙げられる。
【0034】
塗膜防水層3は防水テープ2を貼着した部分と未貼着の部分に同時または別個に塗膜防水材を塗工して形成される。防水テープ2の貼着部分と未貼着部分との段差を小さくするために、塗膜防水材の塗工に先立って、防水テープ2の貼着部分と未貼着部分の境目に、あらかじめ塗膜防水層3と同じ塗膜防水材、増粘材を添加した塗膜防水材、または、テープと塗膜防水材の双方に接着性の良いシーリング材等を塗工してもよい。また、塗膜防水層3は塗膜防水材を一層または二層以上塗工することで形成される。塗膜厚さは任意であるが、充分な防水性能を得るためには1mm以上が好ましい。
【0035】
さらに塗膜防水材の塗工後に、耐候性を良くするためにトップコートを塗工することができる。トップコートとしては従来から使用されている公知のものが使用でき、例えばアクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、フッ素樹脂系が例示でき、それぞれ溶剤型、無溶剤型、水性型のいずれもが使用できる。
【0036】
このように、本実施形態の防水工法によれば、防水テープ2を貼着することにより、出隅部分において塗膜防水材自身の塗膜厚さが薄くなったとしても、防水テープ2が防水材の役目を兼ねるため、結果としては充分な防水層の厚さが確保されている。さらに、下地に直接塗膜防水材を塗布せず、防水テープにより下地と塗膜防水材が絶縁されるため、下地の挙動が緩和され防水層が破断しにくくなる。よって、塗膜防水層3の膜厚が確保しにくい出隅部分でも充分な防水効果を確保することができ、しかも、防水テープ2の貼着後直ちに塗膜防水材が施工できるので施工性にも優れる。一方、図2に示すように、補強材としてガラスクロス4を使用した従来工法の場合には、出隅部分において塗膜防水層3の厚さが薄くなってしまうので、充分な防水性能が確保できない。
【0037】
図3には、本発明の防水工法の他の実施形態であって、入隅部分に本発明の方法を適用した防水工法の概略構成図が示されている。図4は従来のシーリング材を用いた防水工法を入隅部分に適用した概略構成図である。なお、以下の実施形態の説明においては、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0038】
図3の実施形態においても、防水テープ2を貼着直後に塗膜防水材を塗工して塗膜防水層3を形成することが可能であり、上記の出隅に適用した場合と同様、入隅部分に適用した場合においても充分な防水層の厚さと補強効果が確保されている。これに対し、図4に示すようなシーリング材5を塗工する方法では、防水層の厚さと補強効果は確保されているものの、シーリング材5の硬化までの養生時間を待つ必要があるために施工時間が延びてしまう。
【0039】
図5には、本発明のさらに他の実施形態であって、目地部分に本発明の方法を適用した防水工法の概略構成図が示されている。図6は従来のシーリング材を用いた防水工法を目地部分に適用した概略構成図である。
【0040】
図5の実施形態においても、入隅部分に適用した図3と同様に、防水テープ2の貼着直後に塗膜防水材を塗工して塗膜防水層3が形成可能であり、しかも充分な防水層の厚さと補強効果が確保されている。これに対し、図6のシーリング材5を塗工する従来の方法では、防水層の厚さと補強効果は確保されているものの、シーリング材5の硬化まで養生時間が必要であり、さらにシーリング材5が硬化時の収縮等によって目減りする為に塗膜防水層3にへこみが発生している。
【0041】
このように、ガラスクロスを用いた従来の工法では出隅部分等で防水塗膜が薄くなってしまい、また、シーリング材を塗工した場合にもシーリング材が充分に硬化するまで塗膜防水材を施工することができないのに対し、本発明の防水工法は、防水テープを貼着することにより、塗膜防水層の膜厚がつけ難い部位でも充分な防水層の厚さを確保することができ、しかも防水テープの貼着後直ちに塗膜防水材が施工できる。したがって、本発明の防水テープおよびそれを用いた防水工法は、被防水下地が出隅部分の他、入隅部分、目地部分、亀裂部分等の場合に好適である。また被防水下地がコンクリートパネルや断熱ボード等の板状体である場合には、板状体のジョイント部分及び端部にも使用できる。
【0042】
【実施例】
下地に発生した亀裂に対する、防水層の耐亀裂抵抗性を調べるため、以下の試験を行った。図7は、耐亀裂抵抗性試験に用いた試験体の概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A’矢示線に沿った断面図である。
【0043】
実施例1
図7に示すように、中央に亀裂部分7を有する120mm×400mm×10mmのモルタル板6を準備した。モルタル板6の上面の100mm×300mmの範囲に以下の手順で塗膜防水層を塗工し、耐亀裂抵抗性試験を行った。
【0044】
まず、下地にイソシアネート基含有量3.2質量%のポリウレタン樹脂系プライマ(旭硝子ポリウレタン建材社製、商品名:サラセーヌP)を刷毛を用いて1m2当たり0.2kg塗布した。
【0045】
プライマを塗布してから3時間後に、防水テープ2を、図7(b)に示すようにモルタル板6の亀裂部分7が防水テープ2の中央になるように貼着した。防水テープ2としては、厚さ1mm、引張り強度が3MPa、破断時の伸び率が400%のポリウレタン樹脂系シート(日本発条社製、商品名:ニッパレイD)を幅60mmに裁断し、裏面にアクリル系感庄性接着剤層を設けたものを用いた。
【0046】
防水テープ2を貼着した後に、2液混合型ポリウレタン樹脂系塗膜防水材(旭硝子ポリウレタン建材社製、商品名:サラセーヌC)を、防水テープ2と防水層3との合計の厚さが2mmとなるように、ゴムベラを用いて塗工した。
【0047】
上記防水材を塗工してから16時間後に、アクリルウレタン系トップコート(旭硝子ポリウレタン建材社製、商品名:サラセーヌT)を、刷毛を用いて1m2当たり0.2kg塗布し、防水層3の塗工を完了した。
【0048】
防水層3の塗工完了の7日後に、図7(b)に示す矢印方向に、試験体のモルタル板6を、引張り試験機で、引張り速度5mm/分で引張り、亀裂部分7の幅を徐々に広げて防水層3の状況を確認した。
【0049】
その結果、亀裂部分7の幅が50mmに達しても、防水テープ2を含む防水層3には異常は認められず、耐亀裂抵抗性は良好であった。
【0050】
比較例1
実施例1と同様に、以下の手順で防水層を塗工し、耐亀裂抵抗性試験を行った。
【0051】
まず、実施例1と同様にポリウレタン樹脂系プライマを、刷毛を用いて1m2当たり0.2kg塗布した。プライマを塗布してから3時間後に、実施例と同じポリウレタン樹脂系塗膜防水材を、厚さが0.3mmになるように、ゴムベラを用いて塗工した。
【0052】
防水材を塗工した直後に、3.5×3.5mmの格子状にガラス繊維を設置したガラスクロス(旭硝子ポリウレタン建材社製、商品名:サラセーヌクロス#2000)を、防水材塗工面のサイズ(100×300mm)に裁断して貼着した。
【0053】
ガラスクロスを貼着して16時間後に、さらにポリウレタン樹脂系塗膜防水材を、厚さが1.7mm(塗膜防水層の合計厚さ2mm)になるように、ゴムベラを用いて塗布した。
【0054】
さらに塗膜防水層を塗工してから16時間後に、アクリルウレタン系トップコートを、刷毛を用いて1m2当たり0.2kg塗布し、防水層の塗工を完了した。
【0055】
防水層設置完了の7日後に、実施例1と同様に、耐亀裂抵抗性試験を実施したところ、亀裂部分7の幅が11mmに達した時点で防水層が破断した。
【0056】
以上のように、本発明の防水テープを用いた塗膜防水工法は、従来の方法に比べ施工時間が短く、耐亀裂抵抗性に優れる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、亀裂の発生しやすい箇所の補強効果に優れる防水層を簡便に施工でき、建築物の屋上、バルコニー等の塗膜防水工法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防水工法の出隅部分における一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】従来の防水工法の出隅部分における一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の防水工法の入隅部分における一実施形態を示す概略構成図である。
【図4】従来の防水工法の入隅部分における一実施形態を示す概略構成図である。
【図5】本発明の防水工法の目地部分における一実施形態を示す概略構成図である。
【図6】従来の防水工法の目地部分における一実施形態を示す概略構成図である。
【図7】耐亀裂抵抗性試験に用いた試験体の概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A’矢示線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 下地
2 防水テープ
3 塗膜防水層
4 ガラスクロス
5 シーリング材
6 モルタル板
7 亀裂部分

Claims (4)

  1. JIS−A6021に規定される引張性能試験において、引張強さが1N/mm 以上であり、かつ破断時の伸び率が100%以上である防水テープを、防水施工個所の出隅、入隅、目地のいずれか一ヶ所以上に貼着した後に、塗膜防水材を前記防水テープの貼着部分および未貼着部分の上に塗工することを特徴とする塗膜防水工法。
  2. 前記塗膜防水材がポリウレタン樹脂系塗膜防水材である、請求項に記載の塗膜防水工法。
  3. 前記防水テープがポリウレタン樹脂系防水テープである、請求項1又は2に記載の塗膜防水工法。
  4. 前記防水テープの少なくとも片面に感圧性接着剤層が設けられている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の塗膜防水工法。
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