JP2003128782A - 全芳香族ポリエステルアミド及びポリエステルアミド樹脂組成物 - Google Patents

全芳香族ポリエステルアミド及びポリエステルアミド樹脂組成物

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JP2003128782A
JP2003128782A JP2001332020A JP2001332020A JP2003128782A JP 2003128782 A JP2003128782 A JP 2003128782A JP 2001332020 A JP2001332020 A JP 2001332020A JP 2001332020 A JP2001332020 A JP 2001332020A JP 2003128782 A JP2003128782 A JP 2003128782A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G69/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
    • C08G69/44Polyester-amides

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融状態での粘度や張力に優れ、通常の重合
装置で製造可能で、且つブロー成形及び溶融延伸加工等
が容易であり、色相に優れた全芳香族ポリエステルアミ
ドを提供する。 【解決手段】 必須の構成成分として下記一般式
(I),(II),(III) で表される構成単位を含み、全
構成単位に対して(I)の構成単位が50〜85モル%、
(II)の構成単位が14〜49モル%、(III) の構成単位が
1〜15モル%であることを特徴とする溶融時に光学的異
方性を示す全芳香族ポリエステルアミド。 【化1】 (ここで、Ar1 は1,4 −フェニレン、Ar2 は2,6 −ナフ
タレン、Ar3 は少なくとも1個の芳香環を含む2価の
基、ZはNHまたはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数
1〜6のアルキル基、またはアリール基を意味する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロー成形及び溶
融延伸加工が容易であり、色相に優れた全芳香族ポリエ
ステルアミドに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液晶性
ポリマーは、優れた流動性、機械強度、耐熱性、耐薬品
性、電気的性質をバランス良く有するため、高機能エン
ジニアリングプラスチックスとして好適に広く利用され
ているが、その大部分は専ら射出成形により得られるも
のであった。
【0003】一方、近年の著しい産業の発展に伴い、か
かる液晶性ポリマーの用途も多岐にわたり一層高度化、
特殊化する傾向にあり、これをブロー成形及び溶融延伸
加工等により効率良く経済的に成形加工してその優れた
物性を保持した中空成形品、フィルム、繊維等を得るこ
とが期待される。例えば、自動車エンジンルーム内の配
管、容器類は、高温雰囲気下で使用され、しかも高度の
機械物性等も要求されるため、従来は専ら金属製のもの
が用いられてきた分野であるが、軽量化、防錆化、加工
コスト低減等のため、これらを上記の如き優れた特性を
有する液晶性ポリマーのブロー成形により得ることが望
まれている。
【0004】しかしながら、液晶性ポリマーは、流動
性、機械物性に優れている反面、一般にブロー成形法を
適用する上で最も重要とされる特性である溶融状態での
粘度や張力が低いため、ブロー成形法により所望の形状
の成形品を得ることは至難である。この改良法として、
固有粘度の高い高重合度ポリエステル樹脂を用いる方
法、分岐を有するポリエステル樹脂を用いる方法、更に
各種フィラーを添加する方法等が考えられているが、い
ずれも改良効果は少なく、これらの加工法に対する材料
として不充分である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決し、ブロー成形及び溶融延伸加工の容易な全芳香
族ポリマーの提供を目的として鋭意研究した結果、ポリ
マー骨格中にアミノ安息香酸単位を特定量含ませ、且つ
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸単位と4−ヒドロキシ
安息香酸単位を特定の限定された比率で組み合わせるこ
とが上記目的達成のために有効であることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、必須の構成成分として下記
一般式(I),(II),(III) で表される構成単位を含
み、全構成単位に対して(I)の構成単位が50〜85モル
%、(II)の構成単位が14〜49モル%、(III) の構成単
位が1〜15モル%であることを特徴とする溶融時に光学
的異方性を示す全芳香族ポリエステルアミドである。
【0007】
【化2】
【0008】(ここで、Ar1 は1,4 −フェニレン、Ar2
は2,6 −ナフタレン、Ar3 は少なくとも1個の芳香環を
含む2価の基、ZはNHまたはNRをそれぞれ意味し、
Rは炭素数1〜6のアルキル基、またはアリール基を意
味する。)
【0009】
【発明の実施の形態】上記(I)〜(III) の構成単位を
具現化するには通常のエステル形成能を有する種々の化
合物が使用される。以下に本発明を構成する全芳香族ポ
リエステルアミドを形成するために必要な原料化合物に
ついて順を追って詳しく説明する。
【0010】構成単位(I)は、4−ヒドロキシ安息香
酸から導入される。
【0011】構成単位(II)は、2−ヒドロキシ−6−
ナフトエ酸から導入される。
【0012】構成単位(III) は、アミノカルボキシアリ
ール部分であり、該アミノ基は置換または非置換のいず
れでもよい。構成単位(III) を導入するためのモノマー
の例としては、p−アミノ安息香酸、p−N−メチルア
ミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、3−メチル−4−
アミノ安息香酸、2−クロロ−4−アミノ安息香酸、4
−アミノ−1−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0013】本発明では、上記構成単位(I)〜(III)
を含み、全構成単位に対して(I)の構成単位が50〜85
モル%(好ましくは60〜80モル%、より好ましくは65〜
75モル%)、(II)の構成単位が14〜49モル%(好まし
くは18〜38モル%、より好ましくは22〜32モル%)、(I
II) の構成単位が1〜15モル%(好ましくは2〜12モル
%、より好ましくは3〜10モル%)の範囲にあることが
必要である。
【0014】構成単位(I)が50モル%未満では、ポリ
マー色相が低下し、品質上好ましくない。また85モル%
を超えると、反応途中で反応物が固まり、目的の分子量
のポリエステルアミドを得ることができない。構成単位
(II)が14モル%未満では、反応途中で反応物が高融点
化により固まり、目的の分子量のポリエステルアミドを
得ることができない。また49モル%を超えると、ポリマ
ー色相が低下し、品質上好ましくない。更に、構成単位
(III) が1モル%未満では、溶融状態での粘度や張力が
低く、ブロー成形や溶融延伸加工が容易なポリマーとな
らず、また15モル%を超えると、反応途中で反応物がゲ
ル化した固まり、目的の分子量のポリエステルアミドを
得ることができない。
【0015】また、本発明のポリエステルアミドには、
本発明の目的を阻害しない範囲で少量の公知の他の構成
単位を導入することもできる。公知の他の構成単位とし
ては、テレフタル酸に代表されるジカルボン酸単位、ハ
イドロキノン、ジヒドロキシビフェニルに代表されるジ
オール単位を挙げることができる。
【0016】尚、特開昭57−177020号公報に
は、構成単位(I)、(II)、(III)を夫々0〜45モル
%、10〜90モル%、5〜45モル%の割合で含む共重合ポ
リエステルアミドが提案されているが、構成単位(I)
が0〜45モル%であるため、構成単位(II)又は(III)
が多くなり、色相良好な目的の分子量のポリエステルア
ミドを得ることができない。
【0017】また、特開昭54−77691号公報に
は、構成単位(I)、(II)を夫々10〜90モル%、10〜
90モル%の割合で含む共重合ポリエステルが提案されて
いるが、構成単位(III) を含んでいないため、溶融状態
での粘度や張力が低くなり、ブロー成形や溶融延伸加工
が容易なポリマーを得ることはできない。
【0018】本発明の全芳香族ポリエステルアミドは、
直接重合法やエステル交換法を用いて重合され、重合に
際しては、溶融重合法、溶液重合法、スラリー重合法、
固相重合法等が用いられる。
【0019】本発明では、重合に際し、重合モノマーに
対するアシル化剤や、酸塩化物誘導体として末端を活性
化したモノマーを使用できる。アシル化剤としては、無
水酢酸等の酸無水物等が挙げられる。
【0020】これらの重合に際しては種々の触媒の使用
が可能であり、代表的なものはジアルキル錫酸化物、ジ
アリール錫酸化物、二酸化チタン、アルコキシチタンけ
い酸塩類、チタンアルコラート類、カルボン酸のアルカ
リ及びアルカリ土類金属塩類、BF3 の如きルイス酸塩等
が挙げられる。触媒の使用量は一般にはモノマーの全重
量に基いて約 0.001乃至1重量%、特に約0.003 乃至
0.2重量%が好ましい。
【0021】また、溶液重合又はスラリー重合を行う場
合、溶媒としては流動パラフィン、高耐熱性合成油、不
活性鉱物油等が用いられる。
【0022】反応条件としては、反応温度200 〜380
℃、最終到達圧力0.1 〜760 Torr(即ち、13〜101,080
Pa)である。特に溶融反応では、反応温度260 〜380
℃、好ましくは300 〜360 ℃、最終到達圧力1〜100 To
rr(即ち、133 〜13,300 Pa )、好ましくは1〜50 Tor
r (即ち、133 〜6,670 Pa)である。
【0023】溶融重合は、反応系内が所定温度に達した
後、減圧を開始して所定の減圧度にして行う。撹拌機の
トルクが所定値に達した後、不活性ガスを導入し、減圧
状態から常圧を経て、所定の加圧状態にして反応系から
ポリマーを排出する。
【0024】上記重合方法により製造されたポリマーは
更に常圧又は減圧、不活性ガス中で加熱する固相重合に
より分子量の増加を図ることができる。固相重合反応の
好ましい条件は、反応温度230 〜350 ℃、好ましくは26
0 〜330 ℃、最終到達圧力10〜760 Torr(即ち、1,330
〜101,080 Pa)である。
【0025】溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマ
ーであることは、本発明において熱安定性と易加工性を
併せ持つ上で不可欠な要素である。上記構成単位(I)
〜(III)からなる全芳香族ポリエステルアミドは、構成
成分およびポリマー中のシーケンス分布によっては、異
方性溶融相を形成しないものも存在するが、本発明に係
わるポリマーは溶融時に光学的異方性を示す全芳香族ポ
リエステルアミドに限られる。
【0026】溶融異方性の性質は直交偏光子を利用した
慣用の偏光検査方法により確認することができる。より
具体的には溶融異方性の確認はオリンパス社製偏光顕微
鏡を使用しリンカム社製ホットステージにのせた試料を
溶融し、窒素雰囲気下で150倍の倍率で観察することに
より実施できる。上記ポリマーは光学的に異方性であ
り、直交偏光子間に挿入したとき光を透過させる。試料
が光学的に異方性であると、例えば溶融静止液状態であ
っても偏光は透過する。
【0027】本発明の加工性の指標としては液晶性及び
融点(液晶性発現温度)が考えられる。液晶性を示すか
否かは溶融時の流動性に深く係わり、本願のポリエステ
ルアミドは溶融状態で液晶性を示すことが不可欠であ
る。
【0028】ネマチックな液晶性ポリマーは融点以上で
著しく粘性低下を生じるので、一般的に融点またはそれ
以上の温度で液晶性を示すことが加工性の指標となる。
融点(液晶性発現温度)は、出来得る限り高い方が耐熱
性の観点からは好ましいが、ポリマーの溶融加工時の熱
劣化や成形機の加熱能力等を考慮すると、380 ℃以下で
あることが望ましい目安となる。
【0029】更に、融点より10〜40℃高い温度で、剪断
速度 1000sec-1における溶融粘度が1×106 Pa・s 以下
であることが好ましい。更に好ましくは1×103 Pa・s
以下である。これらの溶融粘度は液晶性を具備すること
で概ね実現される。
【0030】ブロー成形及び溶融延伸加工では固有粘度
の高い高重合度の液晶性ポリマーが必要になるが、溶融
重合時間を延長したり、溶融重合後に固相重合を行って
高分子量化しても、これらの成形性を改良できる程の高
溶融粘度化には不十分である。従って、ブロー成形温度
及び溶融延伸温度よりも高い温度で低溶融粘度の液晶性
ポリマーを製造し、これらの成形加工温度で高い溶融粘
度を示す液晶性ポリマーは、製造性と成形加工性を兼ね
備えた液晶性ポリマーとなる。つまり、温度による溶融
粘度の変化が大きいものが好ましい。特に、融点より10
℃高い温度での剪断速度 1000sec-1における溶融粘度を
A、融点より30℃高い温度での剪断速度1000sec-1にお
ける溶融粘度をBとした際に、その関係が下記式を満足
する全芳香族ポリエステルアミドが好ましい。下記式の
値が0.018未満だと、ブロー成形及び溶融延伸加工
での溶融粘度が低くなり、成形加工性が悪くなる。
【0031】(LogA−LogB)/20≧0.01
8 次に本発明のポリエステルアミドは使用目的に応じて各
種の繊維状、粉粒状、板状の無機及び有機の充填剤を配
合することができる。
【0032】繊維状充填剤としてはガラス繊維、アスベ
スト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、アルミ
ナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊
維、硼素繊維、チタン酸カリ繊維、ウォラストナイトの
如き珪酸塩の繊維、硫酸マグネシウム繊維、ホウ酸アル
ミニウム繊維、更にステンレス、アルミニウム、チタ
ン、銅、真鍮等の金属の繊維状物などの無機質繊維状物
質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊
維である。尚、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維状物質も使
用することが出来る。
【0033】一方、粉粒状充填剤としてはカーボンブラ
ック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルド
ガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、硅酸カ
ルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、クレー、硅藻
土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナの如き金属
の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金
属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属
の硫酸塩、その他フェライト、炭化硅素、窒化硅素、窒
化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
【0034】又、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフ
レーク、タルク、各種の金属箔等が挙げられる。
【0035】有機充填剤の例を示せば芳香族ポリエステ
ル繊維、液晶性ポリマー繊維、芳香族ポリアミド、ポリ
イミド繊維等の耐熱性高強度合成繊維等である。
【0036】これらの無機及び有機充填剤は一種又は二
種以上併用することが出来る。繊維状充填剤と粒状又は
板状充填剤との併用は特に機械的強度と寸法精度、電気
的性質等を兼備する上で好ましい組み合わせである。無
機充填剤の配合量は、全芳香族ポリエステルアミド100
重量部に対し、120 重量部以下、好ましくは20〜80重量
部である。
【0037】これらの充填剤の使用にあたっては必要な
らば収束剤又は表面処理剤を使用することができる。
【0038】更に本発明のポリエステルアミドには、本
発明の企図する目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹
脂を補助的に添加してもよい。
【0039】この場合に使用する熱可塑性樹脂の例を示
すと、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレィ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等の芳香族ジカルボン酸とジオール等からなる
芳香族ポリエステル、ポリアセタール(ホモ又はコポリ
マー)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、
ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキシド、
ポリフェニレンスルフィド、フッ素樹脂等を挙げること
ができる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合し
て使用することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明で得られる特定の構成単位よりな
る溶融時に異方性を示す全芳香族ポリエステルアミド及
びその組成物は、溶融状態での粘度が高いため、ブロー
成形及び溶融延伸加工が容易であり、効率良く経済的に
加工して液晶性ポリエステルアミドの優れた物性を保持
した中空成形品、フィルムおよび繊維とすることが可能
であり、成形品としての色相も優れている。
【0041】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中の物性測定の方法は以下の通りである。 [融点] パーキンエルマー社製DSC にて、20℃/分の昇温条件で
測定した。 [ポリマー色相] 日本電色工業製色差計を用いて、JIS Z8722に
規定される0°−d方式により測色し、これからJIS
Z8730に規定されるハンター色差式によって色相
L(黒色度)、b値(黄色度)を求めた。 [溶融粘度] 表1に示す測定温度、剪断速度 1000sec-1の条件で、内
径1mm、長さ20mmのオリフィスを用いて東洋精機製キャ
ピログラフで測定した。 実施例1 攪拌機、還流カラム、モノマー投入口、窒素導入口、減
圧/流出ラインを備えた重合容器に、以下の原料モノマ
ー、金属触媒、アシル化剤を仕込み、窒素置換を開始し
た。 (I)4−ヒドロキシ安息香酸211 g(68モル%) (II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸114 g(27モル
%) (III) 4−アミノ安息香酸15g(5モル%) 酢酸カリウム触媒22.5mg 無水酢酸234 g 原料を仕込んだ後、反応系の温度を140 ℃に上げ、140
℃で1時間反応させた。その後、更に325 ℃まで3.3 時
間かけて昇温し、そこから15分かけて10Torr(即ち1330
Pa)まで減圧にして、酢酸、過剰の無水酢酸、その他の
低沸分を留出させながら溶融重合を行った。撹拌トルク
が所定の値に達した後、窒素を導入して減圧状態から常
圧を経て加圧状態にして、重合容器の下部からポリマー
を排出した。
【0042】得られたポリマーについて、上記の通り、
融点、融点より10℃高い温度での溶融粘度(A)、融点
より30℃高い温度での溶融粘度(B)、ポリマー色相を
測定した。溶融状態での温度に対する粘度上昇が大きか
った。 実施例2 原料モノマーの種類、仕込み量を以下の通りとした以外
は、実施例1と同様にして重合を行った。 (I)4−ヒドロキシ安息香酸196 g(63モル%) (II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸114 g(27モル
%) (III) 4−アミノ安息香酸31g(10モル%) 酢酸カリウム触媒22.5mg 無水酢酸234 g 比較例1 原料モノマーの種類、仕込み量を以下の通りとした以外
は、実施例1と同様にして重合を行った。 (I)4−ヒドロキシ安息香酸55g(20モル%) (II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸226 g(60モル
%) (III) 4−アセトアミノ安息香酸77g(20モル%) 酢酸カリウム触媒22.5mg 無水酢酸167 g このポリマーは、溶融状態での温度に対する粘度上昇は
大きいが、ポリマー色相が低下した。 比較例2 原料モノマーの種類、仕込み量を以下の通りとした以外
は、実施例1と同様にして重合を行った。 (I)4−ヒドロキシ安息香酸191 g(60モル%) (II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸87g(20モル
%) (III) 4−アセトアミノ安息香酸89g(20モル%) 酢酸カリウム触媒22.5mg 無水酢酸192 g この例では、反応途中で反応物が固化し、目的の分子量
のポリマーを得ることはできなかった。 比較例3 原料モノマーの種類、仕込み量を以下の通りとした以外
は、実施例1と同様にして重合を行った。 (I)4−ヒドロキシ安息香酸304 g(90モル%) (II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸23g(5モル
%) (III) 4−アミノ安息香酸17g(5モル%) 酢酸カリウム触媒22.5mg 無水酢酸255 g この例では、反応途中で反応物が固化し、目的の分子量
のポリマーを得ることはできなかった。 比較例4 原料モノマーの種類、仕込み量を以下の通りとした以外
は、実施例1と同様にして重合を行った。 (I)4−ヒドロキシ安息香酸226 g(73モル%) (II)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸114 g(27モル
%) 酢酸カリウム触媒22.5mg 無水酢酸234 g このポリマーは、溶融状態での温度に対する粘度上昇が
小さく、目的のポリマーを得ることはできなかった。
【0043】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 77/12 C08L 77/12 D01F 6/82 D01F 6/82 // B29K 77:00 B29K 77:00 105:16 105:16 B29L 22:00 B29L 22:00 Fターム(参考) 4F071 AA54 AB18 AB26 AB28 AD01 AD02 AF15 AF53 AH05 AH19 BA01 BB05 BB06 BB07 BC01 BC04 BC05 4F208 AA30A AA30C AB11 AC07 AG01 AG07 LA08 4J001 DA03 DB04 DC03 DC16 EA27 EA28 EA29 EE23A EE36A FA03 FB01 FC01 JA01 JA10 JA12 JA20 JB04 JB11 JB21 4J002 CF002 CL081 DA036 DA096 DC006 DE136 DE146 DG046 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DK006 DL006 FA016 FA046 FA082 FA086 FA106 FD012 FD016 4L035 BB31 EE07 EE20 LC07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須の構成成分として下記一般式
    (I),(II),(III) で表される構成単位を含み、全
    構成単位に対して(I)の構成単位が50〜85モル%、
    (II)の構成単位が14〜49モル%、(III) の構成単位が
    1〜15モル%であることを特徴とする溶融時に光学的異
    方性を示す全芳香族ポリエステルアミド。 【化1】 (ここで、Ar1 は1,4 −フェニレン、Ar2 は2,6 −ナフ
    タレン、Ar3 は少なくとも1個の芳香環を含む2価の
    基、ZはNHまたはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数
    1〜6のアルキル基、またはアリール基を意味する。)
  2. 【請求項2】 全芳香族ポリエステルアミドの融点より
    10〜40℃高い温度で、剪断速度 1000sec-1における溶融
    粘度が1×106Pa ・s 以下である請求項1記載の全芳香
    族ポリエステルアミド。
  3. 【請求項3】 融点より10℃高い温度での剪断速度 100
    0sec-1における溶融粘度(A)と融点より30℃高い温度
    での剪断速度 1000sec-1における溶融粘度(B)とが下
    記式を満足する請求項1又は2記載の全芳香族ポリエス
    テルアミド。 (LogA−LogB)/20≧0.018
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載の全芳香
    族ポリエステルアミド100 重量部に対し無機又は有機充
    填剤を120 重量部以下配合してなるポリエステルアミド
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項記載の全芳香
    族ポリエステルアミドもしくは請求項4記載のポリエス
    テルアミド樹脂組成物を使用してブロー成形した成形
    品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れか1項記載の全芳香
    族ポリエステルアミドもしくは請求項4記載のポリエス
    テルアミド樹脂組成物を使用して溶融延伸加工した成形
    品。
  7. 【請求項7】 成形品が、中空成形品、フィルム又は繊
    維である請求項5又は6記載の成形品。
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