JP2003127535A - インクジェット記録用紙の製造方法及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙の製造方法及びインクジェット記録用紙

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JP2003127535A
JP2003127535A JP2001330562A JP2001330562A JP2003127535A JP 2003127535 A JP2003127535 A JP 2003127535A JP 2001330562 A JP2001330562 A JP 2001330562A JP 2001330562 A JP2001330562 A JP 2001330562A JP 2003127535 A JP2003127535 A JP 2003127535A
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Kiyoshi Endo
喜芳 遠藤
Kaneo Mamiya
周雄 間宮
Tomohiko Sakai
智彦 坂井
Masako Kikuchi
雅子 菊地
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひび割れが少なく、かつ、生産性が向上した
インクジェット記録用紙の製造方法及びその製造方法で
製造されたインクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも無機微粒子分散物
と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供給
し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方法
において、該無機微粒子分散物が、無機微粒子と水性媒
体を分散して製造され、無機微粒子の温度が10℃以上
30℃以下の状態で水性媒体中に分散されることを特徴
とするインクジェット記録用紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)の製造方法及び
その製造方法で製造されたインクジェット記録用紙に関
し、更に詳しくは塗布故障が無く、生産性が高いインク
ジェット記録用紙の製造方法及びその製造方法で製造さ
れたインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有しており、近年急速に普及してきている。一方、写
真等の高画質印刷にも用いられており、記録シートとし
てインク吸収量が多く、シート上に異物、クラック(ひ
びわれ)等の故障が無いことが要求されている。
【0003】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。例えば、特開昭5
2−53012号に記載されている低サイズ原紙に表面
加工用の塗料を湿潤させた記録用紙、特開昭55−58
30号に記載されている支持体表面にインク吸収性の塗
層を設けた記録用紙、特開昭56−157号に記載され
ている層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記
録用紙、特開昭57−107878号に記載されている
無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−
110287号に記載されている2つの空孔分布ピーク
を有する記録用紙、特開昭62−111782号に記載
されている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開
昭59−68292号、同59−123696号および
同60−18383号などに記載されている不定形亀裂
を有する記録用紙、特開昭61−135786号、同6
1−148092号および同62−149475号等に
記載されている微粉末層を有する記録用紙、特開昭63
−252779号、特開平1−108083号、同2−
136279号、同3−65376号および同3−27
976号等に記載されている特定の物性値を有する顔料
や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−14
091号、同60−219083号、同60−2109
84号、同61−20797号、同61−188183
号、特開平5−278324号、同6−92011号、
同6−183134号、同7−137431号、同7−
276789号等に記載されているコロイド状シリカ等
の微粒子シリカを含有する記録用紙、および特開平2−
276671号、同3−67684号、同3−2150
82号、同3−251488号、同4−67986号、
同4−263983号および同5−16517号などに
記載されているアルミナ水和物微粒子を含有する記録用
紙等が多数知られている。また特願2000−1585
8号に、生産性向上を狙った無機顔料分散物の製造方法
があるが、無機顔料分散物に限ったもので、これだけで
は満足するものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る課題は、特にひび割れが少なく、かつ、生産性を向上
させることができるインクジェット記録用紙の製造方法
及びその製造方法で製造されたインクジェット記録用紙
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成によって達成された。
【0006】1.支持体上に少なくとも無機微粒子分散
物と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供
給し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方
法において、該無機微粒子分散物が、無機微粒子と水性
媒体を分散して製造され、無機微粒子の温度が10℃以
上30℃以下の状態で水性媒体中に分散されることを特
徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
【0007】2.支持体上に少なくとも無機微粒子分散
物と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供
給し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方
法において、該無機微粒子分散物と水溶性ポリマー溶液
をバッチで混合する際、混合中の撹拌回転数と混合後の
撹拌回転数を変化させることを特徴とするインクジェッ
ト記録用紙の製造方法。
【0008】3.混合中の撹拌回転数が混合後の撹拌回
転数より大きいことを特徴とする前記2記載のインクジ
ェット記録用紙の製造方法。
【0009】4.支持体上に少なくとも無機微粒子分散
物と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供
給し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方
法において、該無機微粒子分散物と水溶性ポリマー溶液
をバッチで撹拌混合する際、混合中の粘度に対応して撹
拌回転数を制御することを特徴とするインクジェット記
録用紙の製造方法。
【0010】5.支持体上に少なくとも無機微粒子分散
物と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供
給し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方
法において、該無機微粒子分散物の混合前の温度より該
水溶性ポリマー溶液の温度が高く、かつ該無機微粒子分
散物の混合前の温度が35〜45℃であり、該水溶性ポ
リマー溶液の温度が、45℃〜70℃であり、かつ混合
後、塗布前の温度が30〜50℃であることを特徴とす
るインクジェット記録用紙の製造方法。
【0011】6.支持体上に少なくとも無機微粒子分散
物と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供
給し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方
法において、塗布液を作製後、脱泡したのちに塗布する
ことを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
【0012】7.前記1〜6のいずれか1項記載の製造
方法で製造されたことを特徴とするインクジェット記録
用紙。
【0013】本発明を更に詳しく説明する。本発明のイ
ンクジェット記録用紙は、無機微粒子を支持体に塗布
し、空隙層を有する塗膜を形成するものである。該塗膜
を形成するには、無機微粒子と水溶性ポリマーを混合し
塗布液とし、塗布する事が必要である。一般的に無機微
粒子と水溶性ポリマーを混合する際、バッチ(釜)の中
に、無機微粒子分散物と水溶性ポリマーを別々に添加し
ながら攪拌し混合する方法をとっている。この場合、局
所的に濃度が高くなり、混合した際、増粘現象が起こ
り、これと同時に無機微粒子分散物の凝集が促進され
る。これが、塗布した際のひび割れの原因となる。また
泡もひび割れの原因になる。増粘すると塗布機への供給
が出来なくなり、製造中止になってしまう。増粘、泡を
抑制することが、塗布故障を無くし、生産性を向上させ
るのに有効である。このことにつき鋭意検討の結果 増
粘を抑制する手段として、1)無機微粒子分散物の粘度
を下げる。2)無機微粒子分散物と水溶性ポリマー溶液
を混合する際の局所的増粘を抑制する。3)混合後の増
粘を抑制する方法を見いだした。
【0014】無機微粒子分散物の粘度に大きく影響する
因子として、無機微粒子を水性媒体に分散する際の、無
機微粒子の温度があり。無機微粒子の温度が10℃未満
又は30℃を越えると分散物の粘度が上昇することを見
いだした。
【0015】また、無機微粒子分散物と水溶性ポリマー
溶液を混合する際の攪拌を制御することで増粘、泡を抑
制できる。混合中に増粘が激しいためこのときに撹拌回
転数を上げることで増粘を抑制できる、混合後は、撹拌
回転数を下げ、泡の発生を抑制する。混合中の粘度をモ
ニターしながら、撹拌回転数を制御することも有効な手
段である。粘度計としては、振動式タイプの物が好まし
い。更に、無機微粒子分散物の温度より水溶性ポリマー
の温度を高くすることで、混合中の増粘を抑制できるこ
とも見いだした。無機微粒子分散物の混合前温度は35
〜45℃であるが、35℃未満又は45℃を越えると分
散物の粘度が増粘する傾向を示す。水溶性ポリマー溶液
は、45〜70℃であるが、45℃未満だと増粘し、7
0℃を越えた場合、温度を維持するのに多大な設備が必
要となる。また混合後の塗布液温度も増粘に大きく影響
し、50℃を越えると、経時で増粘していくことを見い
だした。更に、塗布液を作製後、塗布前に、脱泡するこ
とが、特にインクジェット記録用紙の製造法に有効であ
ることも見いだした。脱泡手段としては、超音波、減
圧、遠心薄膜方式等が挙げられ、特に制限は無い。
【0016】無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭
酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、炭酸
マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレー等の他
各種の天然または合成の無機微粒子を使用することが出
来る。
【0017】中でもシリカは低い屈折率を有するために
透明性が要求されるインクジェット記録用紙のインク受
容層(以下、空隙層ともいう)を形成するのに好ましく
用いられる。
【0018】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成された
微粒子シリカ等が好ましく用いられるが、コロイダルシ
リカまたは気相法で合成された微粒子シリカがより好ま
しく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高
い空隙率が得られる。無機微粒子の1次粒子平均粒径は
3〜100nmが好ましく、より好ましくは4〜50n
m、最も好ましくは4〜20nmである。
【0019】最も好ましく用いられる、1次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成された微粒
子シリカとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロ
ジルが市販されている。
【0020】無機微粒子分散液を作る際、無機微粒子と
水性媒体を所望比率で分散するが、無機微粒子の質量濃
度として5〜40%が好ましい。特に好ましくは10〜
35%である。質量濃度が低いと生産効率が劣り、大量
の分散液を必要とする、更に分散性が劣る方向になる。
また、質量濃度が高すぎると、分散液の粘度が高くな
り、後工程でのハンドリングに負荷がかかる。質量濃度
とは無機微粒子質量/(無機微粒子質量+水性媒体質
量)×100で求めた値である。
【0021】分散方法としては、連続式、バッチ式どち
らでも良いが、生産効率上、連続式が好ましい。分散機
としては、ローラミルタイプ、ニーダータイプ、ピンミ
キサータイプ、高圧ホモジナイザー、湿式メディア型粉
砕機(サンドミル、ボールミル)、連続式高速撹拌型分
散機、超音波分散機等があげられる。
【0022】分散時の温度を上げすぎると、凝集が進行
するため、分散過程での温度は、50℃以下が好まし
い。
【0023】前記水性媒体としては、少なくとも、カチ
オン性ポリマーが含有されていることが好ましい。更
に、硬膜剤も含有していることが好ましい。
【0024】前記カチオン性ポリマーは、第4級アンモ
ニウム塩基を有するポリマーが好ましく、特に好ましく
は第4級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合
体または他の共重合し得る1または2以上のモノマーと
の共重合体である。
【0025】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
の例としては例えば以下の例を挙げることが出来る。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】上記第4級アンモニウム塩基と共重合し得
るモノマーはエチレン性不飽和基を有する化合物であ
り、例えば以下の具体例を挙げることが出来る。
【0029】
【化3】
【0030】特に第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーが共重合体である場合、カチオン性モノ
マーの比率は10モル%以上が好ましく、より好ましく
は20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上であ
る。
【0031】第4級アンモニウム塩基を有するモノマー
は単一でも2種類以上であっても良い。
【0032】以下に本発明のカチオン性ポリマーの具体
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0033】
【化4】
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0037】上記第4級アンモニウム塩基を有するカチ
オン性ポリマーは第4級アンモニウム塩基のために水溶
性が一般に高いが、共重合する第4級アンモニウム塩基
を含まないモノマーの組成や比率によっては水に充分に
溶解しないことがあるが、水混和性有機溶媒と水との混
合溶媒に溶解させることにより溶解し得るものであれば
本発明に使用できる。
【0038】ここで水混和性有機溶媒とは、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
などのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、グリセリンなどのグリコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類など、水に対して通常10%以上溶解し
得る有機溶媒を言う。この場合、有機溶媒の使用量は水
の使用量以下であることが好ましい。
【0039】本発明のカチオン性ポリマーは数平均分子
量が10万以下であることが好ましい。ここで数平均分
子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから
求められたポリエチレングリコール値に換算した値であ
る。
【0040】数平均分子量が10万を越える場合には、
カチオン性ポリマーの溶液を表面がアニオン性である無
機微粒子を含有する分散液に添加した際に凝集物の発生
が激しく、またその後分散処理を施しても均一な分散液
に成りにくく粗大粒子が多数存在して均一な分散液に成
りにくい。このようなカチオン性ポリマーと無機微粒子
を含有する複合微粒子分散液を使用してインクジェット
記録用紙を作製した場合、高い光沢性が得られにくい。
特に好ましい数平均分子量は5万以下である。数平均分
子量の下限は染料の耐水性の点から通常2000以上で
ある。
【0041】上記無機微粒子とカチオン性ポリマーの比
率は、無機微粒子の種類や粒径、あるいはカチオン性ポ
リマーの種類や数平均分子量で変わり得る。
【0042】本発明において、上記比率は無機微粒子の
表面がカチオン性に置き換わって安定化させる必要があ
ることから、1:0.01〜1:1であることが好まし
い。
【0043】上記の分散液を調製する際には、各種の添
加剤を添加して調製することが出来る。
【0044】例えば、ノニオン性またはカチオン性の各
種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成
するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水
性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、
各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性また
はカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒
(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、
pH調整剤など、必要に応じて適宜使用することが出来
る。
【0045】特に水混和性有機溶媒は、無機微粒子とカ
チオン性ポリマーを混合した際の微小なダマの形成が抑
制されるために好ましい。そのような水混和性有機溶媒
は分散液中に好ましくは0.1〜20質量%、特に好ま
しくは0.5〜10質量%使用される。
【0046】カチオン性分散液を調製する際のpHは無
機微粒子の種類やカチオン性ポリマーの種類、各種の添
加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1
〜8であり、特に2〜7が好ましい。
【0047】本発明の水溶性ポリマーとしては、例えば
ゼラチン(酸処理ゼラチンが好ましい)、ポリビニルピ
ロリドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プ
ルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、カチ
オン変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコー
ル(平均分子量が10万以上が好ましい)、ヒドロキシ
エチルセルロース、デキストラン、デキストリン、水溶
性ポリビニルブチラールを挙げることができ、これらの
親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を
併用しても良い。
【0048】特に好ましい親水性バインダーは、ポリビ
ニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコー
ルである。
【0049】本発明に好ましく用いられるポリビニルア
ルコールは平均重合度が300〜4000のものであ
り、特に平均分子量が1000以上のものが得られる皮
膜の脆弱性が良好であることから好ましい。
【0050】また、ポリビニルアルコールのケン化度は
70〜100%のものが好ましく、80〜100%のも
のが特に好ましい。
【0051】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
は、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢
酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られ
る。
【0052】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルジメチル(3−メタクリルアミド)
アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリ
ルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−
(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0053】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、より好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0054】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は500〜4000が好ましく、更に1000〜40
00が好ましい。
【0055】また、カチオン変性ポリビニルアルコール
のケン化度は通常60〜100モル%、好ましくは70
〜99モル%である。
【0056】本発明で特に好ましいのは微粒子シリカを
1次粒子として使用し、親水性バインダーとしてポリビ
ニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールを用い
る場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノー
ル基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行
い、軟凝集体が形成されて空隙率が高く成りやすい。
【0057】上記水溶性ポリマーと無機微粒子の比率
は、通常1:10〜1:3であり、特に好ましくは1:
8〜1:5である。
【0058】上記水溶性ポリマーは、溶解性を上げる
為、100℃以上150℃以下で溶解するのが好まし
い。
【0059】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り
絶乾質量%を示す。
【0060】 実施例1 (無機微粒子分散物(S−1〜3)の作製) 水性媒体(以後A液と称す)として、 水 800L ホウ酸 5.8kg 硼砂 6.4kg 5%硝酸 3.4L エタノール 16.0L P−9(10%溶液) 440L を混合、溶解した。無機微粒子として1次粒子の平均粒
径が約7nmの気相法シリカ(日本アエロジル製:A3
00以後A300と称す)を温度が25℃になるよう、
保存しておいたものを用意した。
【0061】A液を8.3kg/min、A300を
2.2kg/minの割合でフロージェットミキサー
(粉研製、以後FJMと称す)に供給した。FJMから
出てきた分散液をファインフローミル(太平洋機工製、
以後FFMと称す)に通し、その後、RL125V(連
続式湿式メディア型粉砕機、アシザワ製、以後RLと称
す)を用い、FFMからでてきた分散液を、モノーポン
プを用いRLに10kg/minで供給した。FJM、
FFMの条件は周速30m/sec、RL条件は、ビー
ズ径0.3mmジルコニア、滞留時間3分、ロータ回転
周速10m/secで行った。A液の温度は10℃、R
Lから出てきた分散液の温度は25℃であった。得られ
た分散液に水を加えシリカ質量濃度が17%になるよう
に調整し、温度を35℃にし、無機微粒子分散物(S−
1)を得た。
【0062】A300の温度を8℃及び35℃に変化さ
せ、S−1と同様にS−2、S−3を分散したが、S−
2、S−3共、FJMから分散物が出てきたときに、凝
固しており、分散不可能な状態であった。
【0063】(水溶性ポリマー溶液(PVA−1)の作
製)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:P
VA235)の41kgと水560Lを、ジャケット付
釜で攪拌機を用い混ぜ、10分静置後、ジャケット温度
を120℃にし溶解した。目視で溶解性を確認した所、
30分でダマ(未溶解物)が無くなり溶解し水溶性ポリ
マー溶液(PVA−1)を得た。
【0064】実施例2 (塗布液1〜9、記録用紙1〜9の作製)無機微粒子分
散物(S−1)100Lを40℃に保温、撹拌し、その
中へ55℃に保温した水溶性ポリマー溶液(PVA−
1)40Lを添加した。PVA−1を添加中の撹拌は翼
径10cmの翼を360rpmで行った。PVA−1の
添加終了まで5分を要した。添加終了後も撹拌回転数は
360rpmで行った。10分間撹拌を続け、塗布液の
温度を、40℃にし、粘度、泡の状態を評価した。(塗
布液1の作製)その後、脱泡をせずこの塗布液を1L/
minでスライドホッパー塗布機に供給し支持体上に塗
布し記録用紙1を得た。同様に、混合前後の撹拌回転
数、無機微粒子分散物、水溶性ポリマー溶液、塗布液の
温度、脱泡の有無を変化させ塗布液2〜9を作製し、支
持体にこの塗布液を塗布し、記録用紙2〜9を作製し
た。脱泡は超音波式脱泡器を用いた。
【0065】(塗布液10、記録用紙10の作製)PV
A−1のなかへS−1を添加した以外は、塗布液2、記
録用紙2と同様の方法で塗布液10、記録用紙10を作
製した。
【0066】(塗布液11、記録用紙11の作製)塗布
液1〜10を作製したジャケット付容器に振動式粘度計
を設置し、S−1を40℃で100L投入し、その中へ
PVA−1を55℃で添加した。添加に5分を要した。
塗布液粘度をモニターしながら撹拌回転数を自動制御さ
せ、塗布液粘度が0.040Pa・sになるように混合
した。尚、塗布液温度を40℃にするために、ジャケッ
トには40℃の温水を流した。PVA−1添加終了後、
0.040Pa・sになるまでの時間は5minかかっ
た。撹拌回転数は100〜500rpmの範囲で制御し
た。結果、PVA−1添加終了までは、200〜500
rpm、終了後は100〜220rpmの範囲で撹拌回
転数は制御していた。
【0067】作製した塗布液11を塗布液1〜10と同
様に塗布し、記録用紙11を得た。支持体は両面をポリ
エチレンで被覆した紙支持体(厚みが220μmでイン
ク吸収層面のポリエチレン中にはポリエチレンに対して
13質量%のアナターゼ型酸化チタンを含有)を用い、
200μmの厚さで塗布した。塗布直後に0℃に保たれ
た冷却ゾーンで20秒間冷却した後、25℃の風(相対
湿度が15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が2
5%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で
60秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜
60%の雰囲気下で、2分間調湿した。
【0068】(塗布液の評価) 粘度:落下式粘度計をもちいて測定した 泡状態:目視で評価 ◎:泡全く無し ○:少し泡有り △:泡多いが塗布可能 ×:クリーム状 (記録用紙の評価) ひび割れ 塗布面の0.3m2当たりのひび割れ点数を目視でカウ
ントした。ひび割れ点数は、通常10点以下であれば実
用上問題ないと考えられる。
【0069】記録用紙の内容と、評価結果を以下の表に
示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1から、本発明の製造方法は、ひび割れ
が少なく、かつ、生産性が向上したインクジェット記録
用紙の製造方法であることが判る。
【0072】
【発明の効果】本発明により、ひび割れが少なく、か
つ、生産性が向上したインクジェット記録用紙の製造方
法及びその製造方法で製造されたインクジェット記録用
紙を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 雅子 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA33 BA35 BA41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも無機微粒子分散物
    と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供給
    し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方法
    において、該無機微粒子分散物が、無機微粒子と水性媒
    体を分散して製造され、無機微粒子の温度が10℃以上
    30℃以下の状態で水性媒体中に分散されることを特徴
    とするインクジェット記録用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも無機微粒子分散物
    と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供給
    し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方法
    において、該無機微粒子分散物と水溶性ポリマー溶液を
    バッチで混合する際、混合中の撹拌回転数と混合後の撹
    拌回転数を変化させることを特徴とするインクジェット
    記録用紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合中の撹拌回転数が混合後の撹拌回転
    数より大きいことを特徴とする請求項2記載のインクジ
    ェット記録用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも無機微粒子分散物
    と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供給
    し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方法
    において、該無機微粒子分散物と水溶性ポリマー溶液を
    バッチで撹拌混合する際、混合中の粘度に対応して撹拌
    回転数を制御することを特徴とするインクジェット記録
    用紙の製造方法。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも無機微粒子分散物
    と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供給
    し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方法
    において、該無機微粒子分散物の混合前の温度より該水
    溶性ポリマー溶液の温度が高く、かつ該無機微粒子分散
    物の混合前の温度が35〜45℃であり、該水溶性ポリ
    マー溶液の温度が、45℃〜70℃であり、かつ混合
    後、塗布前の温度が30〜50℃であることを特徴とす
    るインクジェット記録用紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に少なくとも無機微粒子分散物
    と水溶性ポリマー溶液を混合した塗布液を塗布機に供給
    し塗布して製造するインクジェット記録用紙の製造方法
    において、塗布液を作製後、脱泡したのちに塗布するこ
    とを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造
    方法で製造されたことを特徴とするインクジェット記録
    用紙。
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