JP2003127401A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2003127401A
JP2003127401A JP2001322227A JP2001322227A JP2003127401A JP 2003127401 A JP2003127401 A JP 2003127401A JP 2001322227 A JP2001322227 A JP 2001322227A JP 2001322227 A JP2001322227 A JP 2001322227A JP 2003127401 A JP2003127401 A JP 2003127401A
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cap
drive
recording head
recording apparatus
support shaft
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Application number
JP2001322227A
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English (en)
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Masaru Takahashi
優 高橋
Kojiro Iizuka
浩二郎 飯塚
Hitoshi Hayakawa
均 早川
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップの移動領域を縮小して装置全体の小
型化を図る。 【解決手段】 印字領域と非印字領域との間を往復し印
刷データに対応してノズル形成面からインク滴を吐出す
るインクジェット式の記録ヘッド12と、この記録ヘッ
ド12の移動経路鉛直下方に配設されノズル形成面を封
止可能なキャップ部材9aを有するキャッピング手段9
と、このキャッピング手段9のキャップ部材9aを記録
ヘッド12のノズル形成面封止位置まで上昇させるとと
もにノズル形成面封止位置から鉛直下方の待機位置に下
降させる駆動手段とを備え、この駆動手段は、少なくと
もキャップ部材9aに昇降力を付与するためのカム部材
91と、このカム部材91に駆動力を付与するための遊
星歯車機構81と、この遊星歯車機構81に駆動力を付
与するための紙送りモータ33とを備えた構成とされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドからイ
ンクを吸引排出するためのインク滴吐出回復機能を備え
たインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録装置は、印刷時の
騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で
形成することができるため、昨今においてはカラー印刷
を含めた多くの印刷に使用されている。このようなイン
クジェット式記録装置には、インクカートリッジからの
インクの供給を受ける記録ヘッドと、この記録ヘッドに
対して記録用紙を相対的に移動させる紙送り手段とが備
えられている。そして、印字信号に応じて記録ヘッドを
移動させながら記録用紙にインク滴を吐出させてドット
を形成することで記録が行われる。この場合、キャリッ
ジ上に例えばブラック,イエロー,シアンおよびマゼン
タのインクの吐出が可能な記録ヘッドを搭載し、各イン
クの吐出割合を変えることにより、フルカラー印刷を可
能としている。
【0003】このようなインクジェット式記録装置にお
いては、インクを記録ヘッドのノズル開口からインク滴
として記録用紙に吐出させて印刷を行う関係上、次に示
すような問題を抱えている。すなわち、ノズル開口から
のインク溶媒の蒸発に起因するインク粘度の上昇やノズ
ル形成面におけるインクの固化,塵埃の付着によってノ
ズル開口に目詰まりが発生し、さらには記録ヘッド内に
気泡が混入し、印刷不良を起こすという問題である。
【0004】このため、インクジェット式記録装置に
は、前記した記録ヘッドおよび紙送り手段に加え、非印
刷時に記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピン
グ手段と、このキャッピング手段内にインクを吸引排出
する吸引ポンプと、この吸引ポンプによるインクの吸引
排出後に記録ヘッドのノズル形成面を清掃するワイピン
グ手段とを備えている。
【0005】このうちキャッピング手段およびワイピン
グ手段につき、図14(a)および(b)を用いて詳述
する。同図において、符号201で示すキャリッジは、
非印字領域(ホームポジション)側に突出する係合体2
01aを有し、キャリッジモータ(後述)によって往復
移動するタイミングベルト(図示せず)の一部に結合さ
れている。そして、ガイドロッド202に案内され、用
紙ガイド板203に対向して平行に往復移動し得るよう
に構成されている。
【0006】前記キャリッジ201には、印刷時に用紙
ガイド板203上の記録用紙204に対向するように記
録ヘッド205が装着されている。この記録ヘッド20
5のノズル形成面を封止することが可能なキャッピング
手段206は、記録装置の片側端部における非印字領域
(ホームポジション)に配置されている。このキャッピ
ング手段206は、前記記録ヘッド205のノズル形成
面を封止し得る例えばエラストマーなどの弾性素材から
なる平面ほぼ矩形状のキャップ部材207を有してい
る。
【0007】前記キャッピング手段206におけるキャ
ップ部材207の底部には、インク排出口(図示せず)
が設けられている。このキャップ部材207のインク排
出口には、吸引ポンプ(後述)の一部を構成するチュー
ブ(図示せず)の一方端部が接続されている。
【0008】また、前記キャップ部材207は、キャッ
プホルダ209に対して例えば二色成形法によって一体
に設けられている。このキャップホルダ209は、前記
キャップ部材207の素材より硬質の素材からなる平面
ほぼ矩形状の箱体によって形成されている。そして、キ
ャップホルダ209は、スライダ昇降機構を構成するス
ライダ210上に保持され、前記スライダ210とばね
受部(図示せず)との間に弾装された圧縮ばね211に
よって記録ヘッド側に常時付勢されている。
【0009】前記スライダ210の底部には一対の長孔
212がほぼ水平方向に延在して形成されており、これ
ら各長孔212にはスライダ回動用のアーム214の自
由端部に位置する一対の第一水平軸215aがそれぞれ
移動可能に保持されている。そして、前記アーム214
の反自由端部は、フレーム部材213に第二水平軸21
5bを介して回動可能に保持されている。
【0010】また、前記スライダ210の非印字領域部
には前記係合体201aに係合可能な係合部210cが
設けられており、その両側端部にはそれぞれガイド片2
10bが設けられている。これら各ガイド片210b
は、前記フレーム部材213に設けられた各案内溝21
6によって保持されるように構成されている。これら各
案内溝216の両端部には低所部216aと高所部21
6bが配置されており、これら両部216a,216b
間には傾斜部216cが配置されている。
【0011】前記両ガイド片210bのうち一方のガイ
ド片は、図14(b)に示すように前記フレーム部材2
13に引張ばね217を介して連結されている。これに
より、スライダ210が印字領域方向に接近し、かつ記
録ヘッド205から離間する方向に、すなわち図14
(b)から図14(a)に示す状態になるように下方に
付勢されている。
【0012】一方、図14(b)に示すように、前記キ
ャッピング手段206に隣接する印字領域側には、前記
キャリッジ201の移動に伴って前記記録ヘッド205
のノズル形成面を払拭するワイピング手段220が進退
自在に配置されている。このワイピング手段220は、
例えばゴム等の弾性素材からなるワイピング部材221
およびこのワイピング部材221を保持するホルダ22
2を有している。
【0013】以上の構成において、図14(a)に示す
状態からキャリッジモータの駆動によってキャリッジ2
01が非印字領域側に移動すると、キャリッジ201の
係合体201aがスライダ210の係合部210cに係
合する。そして、なおもキャリッジ201が非印字領域
側に移動することで、図14(b)に示すように引張ば
ね217の弾撥力に抗してスライダ210がアーム21
4を介して上昇する。この場合、スライダ210のガイ
ド片210bが案内溝216の低所部216aから傾斜
部216cを経て高所部216bに移動する。これによ
り、記録ヘッド205のノズル形成面がキャップ部材2
07によって封止される。
【0014】一方、図14(b)に示す状態からキャリ
ッジモータの駆動によってキャリッジ201が印字領域
側に移動すると、キャリッジ201の係合体201aが
スライダ210の係合部210cから離間する。したが
って、引張ばね217の弾撥力によってスライダ210
がアーム214を介して下降する。この場合、スライダ
210のガイド片210bが高所部216bから傾斜部
216cを介して低所部216aに移動する。これによ
り、記録ヘッド205のキャップ部材207による封止
状態が解除される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
インクジェット式記録装置においては、キャッピング手
段がフレーム部材(固定フレーム)にアーム(回動アー
ム)等を介して移動自在に保持されているため、記録ヘ
ッドのノズル形成面を封止・封止解除する場合にキャッ
ピング手段が斜め方向(斜め上方と斜め下方)に移動す
る。この結果、キャッピング手段の移動領域が広くな
り、装置全体が大型化するという課題があった。
【0016】本発明は、このような技術的課題を解決す
るためになされたもので、キャッピング手段の移動領域
を縮小することができ、もって装置全体の小型化を図る
ことができるインクジェット式記録装置を提供すること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ためになされた本発明に係るインクジェット式記録装置
は、印字領域と非印字領域との間を往復し、印刷データ
に対応してノズル形成面からインク滴を吐出するインク
ジェット式の記録ヘッドと、この記録ヘッドの移動経路
鉛直下方に配設され、前記ノズル形成面を封止可能なキ
ャップおよびこのキャップを保持するキャップホルダを
有するキャッピング手段と、このキャッピング手段のキ
ャップを前記記録ヘッドのノズル形成面封止位置まで上
昇させるとともに、ノズル形成面封止位置から鉛直下方
の待機位置に下降させる駆動手段とを備え、この駆動手
段は、少なくとも前記キャップ部材に昇降力を付与する
ためのカム部材と、このカム部材に駆動力を付与するた
めの遊星歯車機構と、この遊星歯車機構に駆動力を付与
するための駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0018】このように構成されているため、カム部材
の進行によるキャップの上昇によって記録ヘッドのノズ
ル形成面が封止され、一方カム部材の退避によるキャッ
プの下降によって記録ヘッドのノズル形成面が封止解除
される。また、キャップのセット・リセット動作が上下
方向の移動動作となるため、キャップの移動領域を縮小
することができ、装置全体の小型化を図ることができ
る。
【0019】ここで、前記記録ヘッドの移動経路鉛直下
方に配設され、鉛直方向に延在する長孔を有する固定フ
レームと、この固定フレームに保持され、前記長孔を挿
通する支持軸と、この支持軸上に配設され、前記キャッ
ピング手段を保持する保持フレームとを備え、前記駆動
手段によって前記支持軸を少なくとも鉛直上方に移動さ
せることが望ましい。このように構成されているため、
キャップ昇降時に支持軸が保持フレームと共に固定フレ
ームの長孔に沿って少なくとも鉛直上方に移動する。
【0020】また、前記カム部材に、前記支持軸を案内
する水平部および傾斜部を有する長孔が設けられ、前記
カム部材を進退させることにより、前記支持軸を鉛直方
向に移動させることが望ましい。このように構成されて
いるため、キャップのセット・リセット動作時にカム部
材の長孔に沿って支持軸が移動する。この場合、長孔の
傾斜部によって支持軸が上下方向に案内され、キャップ
が昇降する。また、長孔の水平部において支持軸を保持
してキャップのセット・リセット動作が可能となるた
め、そのセット・リセット動作が確実に行われる。
【0021】さらに、前記遊星歯車機構が、太陽歯車を
有する駆動軸と、この駆動軸に回動停止二位置間で回動
自在に枢支され、前記太陽歯車に噛合する遊星歯車を回
転自在に保持する保持レバーと、この保持レバーに並設
され、かつ前記駆動軸に回動自在に枢支され、前記遊星
歯車に噛合可能な内歯を有する駆動レバーとを含み、こ
のうち駆動レバーは、前記保持レバーの回動停止状態に
おいて前記太陽歯車の回動による前記内歯と前記遊星歯
車との噛合によって回動し、前記カム部材に駆動力を付
与する枢支レバーによって形成されていることが望まし
い。
【0022】このように構成されているため、キャップ
のセット動作時に太陽歯車(駆動軸)が正方向(反時計
方向)に回動すると、保持レバーが反時計方向に回動す
る。そして、太陽歯車がなおも反時計方向に回動する
と、保持レバーがさらに反時計方向に回動して一方側の
回動停止位置に配置される。この状態のまま、太陽歯車
がさらに反時計方向に回動すると、遊星歯車が内歯に噛
合したまま時計方向に回動し、駆動レバーが時計方向に
回動する。これにより、カム部材が進行し、この進行動
作に伴いキャップが記録ヘッドの移動経路内に上昇し、
記録ヘッドのノズル形成面を封止することができる。な
お、キャッピング手段が記録ヘッドの移動経路内に進行
した後、太陽が反時計方向に回動すると、遊星歯車が内
歯から離間する位置に配置され、遊星歯車と内歯との噛
合が解除されるため、駆動レバーが回動することはな
い。
【0023】一方、キャップのリセット動作時に太陽歯
車(駆動軸)が逆方向(時計方向)に回動すると、保持
レバーが時計方向に回動する。そして、太陽歯車がなお
も時計方向に回動すると、保持レバーがさらに時計方向
に回動して他方側の回動停止位置に配置される。この状
態のまま、太陽歯車がさらに時計方向に回動すると、遊
星歯車が内歯に噛合したまま反時計方向に回動し、駆動
レバーが反時計方向に回動する。これにより、カム部材
が退避し、この退避動作に伴いキャップが記録ヘッドの
移動経路外に下降し、記録ヘッドのノズル形成面を封止
解除することができる。なお、キャップが記録ヘッドの
移動経路外に退避した後、太陽歯車が時計方向に回動す
ると、遊星歯車が内歯から離間する位置に配置され、遊
星歯車と内歯との噛合が解除されるため、駆動レバーが
回動することはない。
【0024】そして、前記駆動軸がインク吸引用ポンプ
のポンプ駆動軸からなることが望ましい。このように構
成されているため、ポンプ駆動軸の回転力をキャップの
駆動力として用いることができるため、部品点数を削減
することができる。
【0025】また、前記駆動源が紙送りモータであり、
この紙送りモータによって前記駆動軸が回転駆動される
ことが望ましい。このように構成されているため、紙送
りモータの回転力をインク吸引用ポンプおよびキャップ
の駆動力として用いることができるため、部品点数を削
減することができる。
【0026】さらに、前記カム部材が、前記インク吸引
用ポンプの動作によって前記記録ヘッドの移動経路下方
において、前記移動経路に沿って移動可能に配設されて
いることが望ましい。このように構成されているため、
インク吸引用ポンプの動作時にカム部材が移動経路の直
角な方向に沿って移動し、この移動に伴いキャップが昇
降する。この場合、インク吸引用ポンプの駆動源をカム
部材の駆動源として用いることができるため、部品点数
を削減することができる。
【0027】さらにまた、前記支持軸にピニオンを固着
するとともに、前記固定フレームにラックを配設し、こ
のラックおよび前記ピニオンによって前記支持軸が鉛直
方向に案内されることが望ましい。このように構成され
ているため、キャップのセット・リセット動作時にラッ
クおよびピニオンよって支持軸が鉛直方向に案内され
る。
【0028】そして、前記ラックが前記固定フレームの
両側に配設され、前記ピニオンが前記支持軸の両端部に
固着されていることが望ましい。このように構成されて
いるため、キャップのセット・リセット動作時にラック
およびピニオンよって支持軸が鉛直方向に案内され、キ
ャップの封止面と記録ヘッドのノズル形成面とが平行に
なるようにキャッピング手段を昇降させることができ
る。
【0029】また、前記キャップホルダに、前記ノズル
形成面を払拭するワイピング部材が設けられていること
が望ましい。このように構成されているため、カム部材
の進行によってワイピング部材がキャップと共に上昇
し、一方カム部材の退避によってワイピング部材がキャ
ップと共に下降する。この場合、ワイピング部材がキャ
ップホルダに設けられていることは、キャップおよびキ
ャップホルダとワイピング部材とを一体に成形すること
ができるため、コストの低廉化を図ることができる。ま
た、キャップとワイピング部材とが一体に成形可能であ
ることは、これら各部材を互いに近接させることができ
るため、インク飛散による汚染領域を縮小することがで
きる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用されたインク
ジェット式記録装置につき、図に示す実施の形態に基づ
いて説明する。図1は本発明が適用されたインクジェッ
ト式記録装置の全体構成の概略を示す斜視図である。図
1において、符号1で示すキャリッジは、キャリッジモ
ータ2によって駆動されるタイミングベルト3を介し、
ガイドロッド4に案内されてプラテン5の軸方向に往復
移動し得るように構成されている。
【0031】このキャリッジ1の下面部(記録用紙6に
対向する側)には記録ヘッド12が装着され、またその
上面部には前記記録ヘッド12にインクを供給するブラ
ックインクカートリッジ7およびカラーインクカートリ
ッジ8が着脱可能に保持されている。
【0032】前記キャリッジ1の非印字領域(ホームポ
ジション)には前記キャッピング手段9が配置されてい
る。このキャッピング手段9(キャップ部材)は前記記
録ヘッド12が直上に移動した時に上昇し、前記記録ヘ
ッド12のノズル形成面を封止し得るように構成されて
いる。キャッピング手段9の下方(側方)には、キャッ
プ部材の内部空間に負圧を与えるためのポンプユニット
としてのインク吸引用ポンプ(チューブポンプ)10が
配置されている。
【0033】前記キャッピング手段9は、記録装置の休
止期間中における前記記録ヘッド205のノズル開口の
乾燥を防止する蓋体としての機能を備えている。また、
印刷とは関係のない駆動信号を前記記録ヘッド205に
印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時の
インク受けとしての機能、および吸引ポンプ(図示せ
ず)からの負圧を前記記録ヘッド205に作用させてイ
ンクを吸引するクリーニング手段としての機能も兼ね備
えている。
【0034】そして、キャッピング手段9におけるキャ
ップホルダ(後述)の印字領域側部には、前記記録ヘッ
ド12のノズル形成面を払拭するワイピング部材11が
設けられている。そして、カム部材(後述)の進行によ
ってワイピング部材11がキャッピング手段9と共に上
昇し、一方カム部材の退避によってワイピング部材11
がキャッピング手段9と共に下降するように構成されて
いる。なお、前記キャッピング手段9の移動動作と前記
インク吸引用ポンプ10の吸引動作には、記録用紙6を
搬送する紙送りモータ(後述)の駆動力が利用される。
【0035】次に、前記したキャッピング手段およびこ
のキャッピング手段の駆動手段につき、図2〜図13を
用いて詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るイン
クジェット式記録装置におけるキャッピング手段駆動手
段の駆動側伝達装置を示す断面図である。図3〜図9
は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置におけ
るキャッピング手段用駆動手段の駆動側伝達装置とその
被駆動側伝達装置を示す斜視図、図10〜図13は、本
実施形態に係るインクジェット式記録装置におけるキャ
ッピング手段用駆動手段の中間伝達装置を示す透視図で
ある。ここで、駆動手段とは、キャッピング手段を上下
鉛直方向に移動させるための手段であって、本実施形態
にあっては紙送りモータおよび駆動側伝達装置と中間伝
達装置とを含む手段をいう。また、キャッピング手段と
は、少なくともキャップおよびキャップホルダと保持フ
レームを含む手段をいう。
【0036】先ず、キャッピング手段につき、図3〜図
9を用いて説明する。図3〜図9に示すように、符号9
で示すキャッピング手段は、前記記録ヘッド12のノズ
ル形成面を封止し得るキャップ部材(キャップ)9aお
よびこのキャップ部材9aを保持するキャップホルダ9
bを有している。そして、後述する駆動力伝達装置から
の駆動力によって進行位置(図8,図9)と退避位置
(図4,図5)に移動し得るように構成されている。
【0037】前記キャップ部材9aは、前記キャップホ
ルダ9bに例えば二色成形法によって一体に設けられて
おり、全体が例えばエラストマーなどの弾性素材からな
る平面ほぼ矩形状の箱体によって形成されている。そし
て、可撓性チューブ(図示せず)を介して前記インク吸
引用ポンプ10(図1に図示)に接続されている。これ
により、クリーニング指令を受けた場合には、記録ヘッ
ド12のノズル形成面を封止した状態においてインク吸
引用ポンプ10による負圧がキャップ部材9aの内部空
間に印加され、記録ヘッド12からインクを強制的に排
出させることができる。なお、前記キャップ部材207
内にはインク吸収シート(図示せず)が収容され、前記
記録ヘッド205からのインクを吸収して一時的に保持
し得るように構成されている。
【0038】一方、前記キャップホルダ9bは、前記キ
ャップ部材9aと同様に平面ほぼ矩形状の箱体からな
り、全体が前記キャップ部材9aの素材(エラストマ
ー)より硬い素材によって形成されている。このキャッ
プホルダ9bの印字領域側端部には、両側に位置し、か
つ上方に突出する一対のキャッピングガイド9dが一体
に設けられている。また、前記キャッピング手段9は、
前記キャップホルダ9bを保持する断面ほぼコ字状の保
持フレーム9eを有している。この保持フレーム9eの
両側部には、前記記録ヘッド12の移動方向(水平方
向)に開口する保持孔(図示せず)が設けられている。
そして、これら保持孔には、前記キャッピング手段9
(保持フレーム)を保持する支持軸9cが回転自在に枢
支されている。この支持軸9cは、前記記録ヘッド12
の移動方向に延在する丸軸によって形成されている。
【0039】前記保持フレーム9eの外側部近傍には、
前記インク吸引用ポンプ10のフレーム側方に位置する
固定フレーム21が配設されている。この固定フレーム
21の両側部には鉛直方向に延在する長孔21aが形成
され、これら長孔21aには前記支持軸9cが挿通して
いる。また、前記固定フレーム21の両側部には、前記
長孔21aに沿って延在するラック−ピニオン機構のラ
ック(共に後述)が配設されている。
【0040】次に、キャッピング手段の駆動手段につ
き、図2〜図13を用いて説明する。なお、キャッピン
グ手段の駆動手段は駆動源(紙送りモータ)および駆動
側伝達装置と中間伝達装置と被駆動側伝達装置(案内装
置)とから構成されているため、「駆動側伝達装置」お
よび「中間伝達装置」と「被駆動側伝達装置」とに分け
て説明する。
【0041】「駆動側伝達装置」図2において、符号3
0で示す駆動側伝達装置は、給排紙機構,インク吸引用
ポンプおよびキャッピング手段に対する駆動力伝達手段
(共通)として機能し、紙送りモータ33からの駆動力
(回転力)を中間伝達装置(後述)に伝達するように構
成されている。この駆動側伝達装置30は紙送りローラ
31を有している。この紙送りローラ31の一端には歯
車32が配置され、紙送りモータ33の軸上に配置され
たピニオン34からアイドラ35を介して駆動されるよ
うに構成されている。また、給紙ローラ駆動軸36の一
端には歯車37が配置され、クラッチ機構を構成する移
動歯車38を介して前記歯車32と噛合してカットシー
トフィーダ(図示せず)に動力を伝達し、記録用紙の給
紙(ローディング)が行われるように構成されている。
【0042】一方、紙送りモータ33からの動力がピニ
オン34,アイドラ39および排紙ローラ41上の排紙
ローラ歯車40に伝達され、さらにこの排紙ローラ歯車
40からの動力が同じく排紙ローラ41上の歯車42,
アイドラ44,従動歯車45を介して駆動軸43に伝達
され、インク吸引用ポンプ10(図1)が駆動される。
この紙送りモータ33からの動力は、駆動軸43を介し
て中間伝達装置に伝達される。
【0043】なお、前記インク吸引用ポンプ10は、板
金製の固定ベース(ポンプフレームの取付用ベース)4
6に対して、ポンプフレーム53(図3)を取り付けた
状態で組み付けられている。その駆動軸43は、固定ベ
ース46およびポンプフレーム53に回転自在に軸支さ
れている。また、前記固定ベース46には、図3に示す
ように、カム部材(後述)の進退方向に延在するガイド
孔46aが設けられている。
【0044】「中間伝達装置」図10〜図13におい
て、符号71で示す中間伝達装置は、遊星歯車機構81
およびカム部材91を有し、前記固定ベース46と前記
ポンプフレーム53との間に配設され、前記駆動側伝達
装置30からの駆動力を従動側伝達装置(後述)に伝達
するように構成されている。前記遊星歯車機構81は、
太陽歯車72を有する前記駆動軸(ポンプ軸)43と、
この駆動軸43のヘッド移動方向に前後して位置する駆
動レバー73および保持レバー74とを備えている。
【0045】前記駆動レバー73は、前記駆動軸43が
挿通する円環状の基部73aおよびこの基部73aに突
出する舌片状のレバー部73bを有し、前記保持レバー
74の反ポンプ側に配設され、かつ前記駆動軸43に所
定の回動ストローク内で回転自在に枢支されている。こ
の駆動レバー73のレバー部73bには、ポンプ側(水
平方向)に突出する円柱状の駆動ピン75が一体に設け
られている。また、駆動レバー73の基部73aには、
前記レバー部73bと反対側に突出し、立ち上がり壁7
6aを外周縁に有する平面扇形状の延在部76が一体に
設けられている。この延在部76の立ち上がり壁76a
には、円周方向に沿う内歯77が設けられている。
【0046】前記保持レバー74は、前記駆動軸43が
挿通する円環状の基部(図示せず)およびこの基部の放
射方向に突出する矩形片状のレバー部74b,74cを
有し、前記駆動軸43に回動方向の二位置間で回転自在
に枢支されている。この保持レバー74のレバー部74
bには、ポンプフレーム円周方向に所定の間隔をもって
並列する両ストッパ53c,53dに対して係合可能な
ストッパ係合部74C,74Dが設けられている。ま
た、レバー部74cには、前記駆動レバー73の内歯7
7に噛合可能な遊星歯車78が前記太陽歯車72に噛合
して回転自在に保持されている。そして、両レバー部7
4b,74cのうち少なくともレバー部74cは、前記
各ストッパ係合部74C,74Dが前記各ストッパ53
c,53dに係合する状態において、前記駆動レバー7
3の回動による外力を受けて弾性変形し得るように構成
されている。これにより、保持レバー74が回動停止
し、かつ駆動レバー73が回動した場合に、遊星歯車7
8と内歯77との噛合による衝撃が吸収される。
【0047】一方、前記カム部材91は、図10〜図1
3に示すように、前記遊星歯車機構81(駆動ピン7
5)に連結され、かつ前記固定ベース46(図3)に進
退自在に配設されている。このカム部材91には、前記
ガイド孔46a内を摺動可能な凸部91aが設けられて
いる。これにより、記録ヘッド12の移動方向と直角な
水平方向に移動し得るように構成されている。また、前
記カム部材91には、図5,図7,図9および図10〜
図13に示すように、第一長孔92および第二長孔93
が設けられている。
【0048】前記第一長孔92は、水平部92a〜92
cおよび傾斜部92d,92eを有し、前記支持軸9c
を案内するように構成されている。前記水平部92aは
前記第一長孔92の低所部に、前記水平部92bはその
高所部に配置されている。また、前記水平部92cは前
記第一長孔92の中間部に配置されている。これら水平
部92a〜92cは、前記カム部材91の進行位置から
退避位置に向かって水平方向に延在する孔部によって形
成されている。そして、前記水平部92aは前記カム部
材91の退避状態において、前記水平部92bは進行
(キャッピング)状態においてそれぞれ前記支持軸9c
を保持するように構成されている。また、前記水平部9
2cは、ワイピング状態において前記支持軸9cを保持
するように構成されている。
【0049】前記傾斜部92dは前記両水平部92a,
92c間に、前記傾斜部92eは前記両水平部92c,
92b間にそれぞれ配置されている。これら傾斜部92
d,92eは、前記カム部材91の進行位置から退避位
置に向かって上る勾配をもつ孔部によって形成されてい
る。そして、前記傾斜部92dはワイピング(キャッピ
ング)時に前記支持軸9cに対して退避位置からワイピ
ング位置への昇降力を付与し、前記傾斜部92eはキャ
ッピング時に前記支持軸9cに対してワイピング位置か
らキャッピング位置への昇降力を付与するように構成さ
れている。前記第二長孔93は、前記第一長孔92の吸
引ポンプ側に配置されている。そして、上下方向に延在
し前記駆動ピン75を案内するように構成されている。
【0050】「被駆動側伝達装置」図4〜図9におい
て、前記中間伝達装置71に連結された従動側伝達装置
は、一対のラック−ピニオン機構102,103および
前記支持軸9cを有している。一方のラック−ピニオン
機構102は前記固定フレーム21の非印字領域側部
に、他方のラック−ピニオン機構103は前記固定フレ
ーム21の印字領域側部にそれぞれ配設されている。こ
れら両ラック−ピニオン機構102,103は、前記固
定フレーム21における左右対称な位置に配置されてい
る。
【0051】また、支持軸9cは、前記両ラック−ピニ
オン機構102,103間に配設されている。また、こ
の支持軸9cの非印字側端部は前記ラック−ピニオン機
構102のピニオン(後述)に挿通して固着されてお
り、この挿通端部は前記第一長孔92内(カム部材9
1)に転動可能に保持されている。これにより、カム部
材91の進退によって支持軸9cが斜め方向に転動し、
この転動(回転)力をラック−ピニオン機構102から
ラック−ピニオン機構103に伝達するように構成され
ている。
【0052】前記ラック−ピニオン機構102は、ラッ
ク102aおよびピニオン102bを有している。前記
ラック102aは、鉛直方向に延在し前記固定フレーム
21の非印字領域側端部に突設されている。前記ピニオ
ン102bは、前記支持軸9cの非印字領域端部に固着
され、前記ラック102aに噛合している。
【0053】一方、前記ラック−ピニオン機構103
は、ラック103aおよびピニオン103bを有し、前
記ラック−ピニオン機構102(支持軸9c)からの回
転力を前記保持フレーム9eの印字領域側端部で受けて
ピニオン103bがラック103aに沿って転動するよ
うに構成されている。このラック−ピニオン機構103
のラック103a,ピニオン103bは、前記ラック−
ピニオン機構102のラック102a,ピニオン10b
と同一の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
【0054】また、前記支持軸9cは、前記したように
保持フレーム9e(保持孔)に回転自在に枢支されると
ともに、前記固定フレーム21の長孔21a内に回転か
つ昇降可能に挿通保持されている。そのため、支持軸9
cがカム部材91からの昇降力を受けて前記支持軸9c
が固定フレーム21の長孔21a内を昇降する際、前記
ラック−ピニオン機構102,103によって案内さ
れ、前記キャップ部材9aの封止面と前記記録ヘッド1
2のノズル形成面とが平行となる姿勢を保持した状態が
維持されるように構成されている。
【0055】以上の構成において、図4,図5および図
10に示すリセット(退避)状態から、太陽歯車72
(駆動軸43)が駆動側伝達装置30(紙送りモータ3
3)からの駆動力を受けて正方向(反時計方向)に回動
を開始すると、この回動力が遊星歯車78を介して保持
レバー74に伝達され、保持レバー74が反時計方向
(図10において矢印e方向)に回動する。この場合、
保持レバー74が矢印e方向に回動すると、ストッパ係
合部74Dがストッパ53dから離間する。
【0056】なお、太陽歯車72の回動開始状態におい
ては、遊星歯車78と内歯77との噛合が解除されてい
るため、駆動レバー73が太陽歯車72からの駆動力を
受けず、図10に示すように回動開始位置に停止したま
まである。また、駆動ピン75および支持軸9cがそれ
ぞれ第二長孔93の始端部(下端部)と第一長孔92の
水平部92aに位置付けられている。
【0057】そして、太陽歯車72がなおも反時計方向
に回動すると、保持レバー74が反時計方向(矢印e方
向)にさらに回動し、ストッパ係合部74Cをストッパ
53cに係合させて一方側の回動停止位置に配置され
る。この場合、保持レバー74が反時計方向に回動する
と、遊星歯車78が内歯77に噛合して時計方向に回転
しながら内歯77上を反時計方向に移動する。このた
め、ストッパ係合部74Cがストッパ53cに係合する
までは、駆動レバー73が時計方向に(カム部材91を
進行させる方向)に回動することはない。
【0058】この状態、すなわちストッパ係合部74C
がストッパ53cに係合した状態のまま、太陽歯車72
がさらに反時計方向に回動すると、遊星歯車78が時計
方向に回転し、駆動レバー73が時計方向への回動を開
始する。この場合、太陽歯車72からの回動力が遊星歯
車78を介して保持レバー74に伝達されるが、レバー
部74bのストッパ係合部74Cがストッパ53cに係
合しているため、保持レバー74が反時計方向(図10
において矢印e方向)に回動することはない。このた
め、太陽歯車72からの回動力が遊星歯車78を介して
ギア保持レバー74に伝達されると、レバー部74cが
レバー部74bに接近するような方向に撓む。
【0059】そして、太陽歯車72がさらに反時計方向
に回動すると、遊星歯車78がさらに時計方向に回動
し、駆動レバー73も時計方向に回動する。この場合、
駆動レバー73が時計方向に回動すると、レバー部73
bも同方向に回動するため、この回動力をカム部材91
が進行力として受け、図10に示す退避位置から進行位
置に向かって矢印g方向に移動する。このカム部材91
の移動に伴い、支持軸9cがカム部材91(第一長孔9
2の傾斜部92d)から回転力と上昇力を受ける。
【0060】このため、支持軸9cが傾斜部92d上を
反時計方向に回転しながら上昇するとともに、ピニオン
102b,103bがラック102a,103aに沿っ
て上方に転動する。この転動に伴い、ワイピング部材1
1が保持フレーム9eと共に記録ヘッド5の移動経路外
から移動経路内のワイピング位置に向かって進行(鉛直
上方)する。そして、図6,図7および図11に示すよ
うに、支持軸9cが傾斜部92dから水平部92cに乗
り上げると、ワイピング部材11がワイピング位置に到
達し、記録ヘッド5の非印字領域側への移動に伴いノズ
ル形成面が払拭される。なお、ワイピング部材11が図
10に示す退避位置からワイピング位置に上昇すると、
駆動ピン75が第二長孔93の始端部(下端部)から移
動して終端部(上端部)に位置付けられる。
【0061】この後、太陽歯車72がさらに反時計方向
に回動すると、遊星歯車78がさらに時計方向に回動
し、これに伴い駆動レバー73も時計方向(矢印f方
向)に回動する。この場合、駆動レバー73が時計方向
に回動すると、レバー部73bも同方向に回動するた
め、カム部材91が図11に示す位置から進行位置に向
かって矢印g方向に移動し、この移動に伴い支持軸9c
がカム部材91(第一長孔92の傾斜部92e)から上
昇力を受ける。
【0062】このため、支持軸9cが傾斜部92e上を
時計方向に回転しながら上昇するとともに、ピニオン1
02b,103bがラック102a,103aに沿って
案内されながら鉛直上方に転動する。この転動に伴い、
キャッピング手段9がワイピング位置からキャッピング
位置(セット位置)に向かって進行(上昇)する。そし
て、図8,図9および図12に示すように、支持軸9c
が傾斜部92eから水平部92bに乗り上げると、キャ
ップ部材9aがキャッピング位置に到達し、キャッピン
グ位置における記録ヘッド5のノズル形成面がキャッピ
ング手段9(キャップ部材9a)によって封止される。
【0063】なお、キャッピング手段9がキャッピング
位置に到達すると、図12に示すように保持レバー74
のレバー部74cが弾性復帰し、遊星歯車78と内歯7
7との噛合が解除される。このため、駆動レバー73が
太陽歯車72からの駆動力を受けず、回動終了位置に配
置される。また、駆動ピン75が第二長孔93の終端部
(上端部)から移動して始端部(下端部)に位置付けら
れる。
【0064】一方、図8,図9および図12に示すセッ
ト状態から、太陽歯車72(駆動軸43)が駆動側伝達
装置30(紙送りモータ33)からの駆動力を受けて逆
方向(時計方向)に回動を開始すると、この回動力が遊
星歯車78を介して保持レバー74に伝達され、保持レ
バー74が時計方向(図12において矢印f方向)に回
動する。この場合、保持レバー74が矢印f方向に回動
すると、ストッパ係合部74Cがストッパ53cから離
間する。
【0065】なお、太陽歯車72の回動開始状態におい
ては、遊星歯車78と内歯77との噛合が解除されてい
るため、駆動レバー73が太陽歯車72からの駆動力を
受けず、図12に示すように回動終了位置に停止したま
まである。また、駆動ピン75および支持軸9cがそれ
ぞれ第二長孔93の始端部(下端部)と第一長孔92の
水平部92bに位置付けられている。
【0066】そして、太陽歯車72がなおも時計方向に
回動すると、保持レバー74が時計方向(矢印f方向)
にさらに回動し、ストッパ係合部74Dをストッパ53
dに係合させて他方側の回動停止位置に配置される。こ
の場合、保持レバー74が時計方向に回動すると、遊星
歯車78が内歯77に噛合して反時計方向に回転しなが
ら内歯77上を時計方向に移動する。このため、ストッ
パ係合部74Dがストッパ53dに係合するまでは、駆
動レバー73が反時計方向(カム部材91を退避させる
方向)に回動することはない。
【0067】この状態、すなわちストッパ係合部74D
がストッパ53dに係合した状態のまま、太陽歯車72
がさらに時計方向に回動すると、遊星歯車78が反時計
方向に回転し、駆動レバー73が反時計方向への回動を
開始する。この場合、太陽歯車72からの回動力が遊星
歯車78を介して保持レバー74に伝達されるが、レバ
ー部74bのストッパ74Dがストッパ53dに係合し
ているため、保持レバー74が時計方向(図12におい
て矢印f方向)に回動することはない。このため、太陽
歯車72からの回動力が遊星歯車78を介して保持レバ
ー74に伝達されると、レバー部74cがレバー部74
bから離間するような方向に撓む。
【0068】そして、太陽歯車72がさらに時計方向に
回動すると、遊星歯車78がさらに反時計方向に回動
し、駆動レバー73も反時計方向に回動する。この場
合、駆動レバー73が反時計方向に回動すると、レバー
部73bも同方向に回動するため、この回動力をカム部
材91が退避力として受け、図12に示すキャッピング
位置(セット位置)から退避位置に向かって矢印h方向
に移動する。このカム部材91の移動に伴い、支持軸9
cが重力によって下降力を受ける。
【0069】このため、支持軸9cが傾斜部92e上を
時計方向に回転しながら下降するとともに、ピニオン1
02b,103bがラック102a,103aに沿って
案内されながら鉛直下方に転動する。この転動に伴い、
ワイピング部材11がキャッピング手段9と共に記録ヘ
ッド5の移動経路内から移動経路外にワイピング位置に
向かって退避(下降)し、キャッピング位置における記
録ヘッド5のノズル形成面が封止解除される。そして、
図6,図7および図13に示すように、ワイピング部材
11がキャッピング手段9と共にさらに下降し、支持軸
9cが傾斜部92eから水平部92cに乗り移ると、ワ
イピング部材11がワイピング位置に到達し、記録ヘッ
ド5の印字領域側への移動に伴いノズル形成面が払拭さ
れる。なお、ワイピング部材11が図12に示す進行位
置からワイピング位置に下降すると、駆動ピン75が第
二長孔93の始端部(下端部)から移動して終端部(上
端部)に位置付けられる。
【0070】この後、太陽歯車72がさらに時計方向に
回動すると、遊星歯車78がさらに反時計方向に回動
し、これに伴い駆動レバー73も反時計方向(矢印e方
向)に回動する。この場合、駆動レバー73が反時計方
向に回動すると、レバー部73bが同方向に回動するた
め、カム部材91が図13に示す位置から退避位置に向
かって矢印h方向に移動し、この移動に伴い支持軸9c
が重力によって下降力を受ける。
【0071】このため、図4,図5および図10に示す
ように、支持軸9cが傾斜部92d上を反時計方向に回
転しながら下降するとともに、ピニオン102b,10
3bがラック102a,103aに沿って案内されなが
ら鉛直下方に転動する。この転動に伴い、キャッピング
手段9が図13に示す位置から退避位置(リセット位
置)に向かって退避(下降)する。そして、支持軸9c
が傾斜部92dから水平部92aに乗り移ると、キャッ
ピング手段9が退避位置に到達する。
【0072】なお、キャッピング手段9がリセット位置
に下降すると、図10に示すように保持レバー74のレ
バー部74cが弾性復帰し、遊星歯車78と内歯77と
の噛合が解除される。このため、駆動レバー73が太陽
歯車72からの駆動力を受けず、回動終了位置に配置さ
れる。また、駆動ピン75が第二長孔93の終端部(上
端部)から移動して始端部(下端部)に位置付けられ
る。
【0073】したがって、本実施形態においては、カム
部材91の進行によるキャッピング手段9の上昇(鉛直
移動)によって記録ヘッド5のノズル形成面が封止さ
れ、一方カム部材91の退避によるキャッピング手段9
の下降(鉛直)によって記録ヘッド5のノズル形成面が
封止解除される。これにより、キャッピング手段9のセ
ット・リセット動作が上下鉛直方向の移動動作となるた
め、キャッピング手段9の移動領域を縮小することがで
き、装置全体の小型化を図ることができる。
【0074】また、本実施形態において、支持軸9cを
鉛直方向に案内するラック−ピニオン機構102,10
3がキャッピング手段9の両側に配設されていること
は、キャップ部材9aの封止面と記録ヘッド12のノズ
ル形成面とが平行になるようにキャッピング手段9を昇
降させることができる。さらに、本実施形態において、
ワイピング部材11がキャップホルダ9bに設けられて
いることは、キャップ9aおよびキャップホルダ9bと
ワイピング部材11とをエラストマー等で一体に成形す
ることができるため、コストの低廉化を図ることができ
る。さらにまた、本実施形態において、キャップ9aと
ワイピング部材11とが一体に成形可能であることは、
これら各部材9a,11を互いに近接させることができ
るため、インク飛散による汚染領域を縮小することがで
きる。
【0075】この他、本実施形態においては、駆動軸4
3がインク吸引用ポンプ10のポンプ駆動軸からなるた
め、ポンプ駆動軸の回転力をキャッピング手段9の駆動
力として用いることができ、部品点数を削減することが
できる。また、本実施形態においては、支持軸9cを案
内する第二長孔92に水平部92b,92cが設けられ
ているため、これら水平部92b,92cにおいて支持
軸9cを保持してワイピング動作およびキャッピング動
作が可能となり、ワイピング動作およびキャッピング動
作を確実に行うことができる。
【0076】
【発明の効果】以上の説明で明らかなとおり、本発明に
係るインクジェット式記録装置によると、キャップの移
動領域を縮小することができ、装置全体の小型化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェット式記録装置
の全体構成の概略を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるキャッピング手段用駆動手段の駆動側伝達装置を
示す断面図である。
【図3】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるキャッピング手段用駆動手段の駆動側伝達装置と
その被駆動側伝達装置を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるキャッピング手段の退避状態を印字領域側から見
た斜視図である。
【図5】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるキャッピング手段の退避状態を非印字領域側から
見た斜視図である。
【図6】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるワイピング部材のワイピング状態を印字領域側か
ら見た斜視図である。
【図7】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるワイピング部材のワイピング状態を非印字領域側
から見た斜視図である。
【図8】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるキャッピング手段のキャッピング状態を印字領域
側から見た斜視図である。
【図9】本実施形態に係るインクジェット式記録装置に
おけるキャッピング手段のキャッピング状態を非印字領
域側から見た斜視図である。
【図10】本実施形態に係るインクジェット式記録装置
におけるキャッピング手段の退避状態を示す透視図であ
る。
【図11】本実施形態に係るインクジェット式記録装置
におけるワイピング部材のワイピング状態(1)を示す
透視図である。
【図12】本実施形態に係るインクジェット式記録装置
におけるキャッピング手段のキャッピング状態を示す透
視図である。
【図13】本実施形態に係るインクジェット式記録装置
におけるワイピング部材のワイピング状態(2)を示す
透視図である。
【図14】(a)および(b)は、従来のインクジェッ
ト式記録装置におけるキャッピング手段用駆動手段を説
明するために示す側面図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 キャリッジモータ 3 タイミングベルト 4 ガイド部材 5 プラテン 6 記録用紙 7 ブラックインクカートリッ
ジ 8 カラーインクカートリッジ 9 キャッピング手段 9a キャップ部材 9b キャップホルダ 9c 支持軸 9e 保持フレーム 10 吸引ポンプ 11 ワイピング部材 12 記録ヘッド 30 駆動側伝達装置 33 紙送りモータ 71 中間伝達装置 72 太陽歯車 73 駆動レバー 74 保持レバー 75 駆動ピン 78 遊星歯車 81 遊星歯車機構 91 カム部材 92 第一長孔 92a〜92c 水平部 92d,92e 傾斜部 93 第二長孔 102,103 ラック−ピニオン機構 102a,103a ラック 102b,103b ピニオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 均 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA17 EA23 FA10 JA05 JA13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字領域と非印字領域との間を往復し、
    印刷データに対応してノズル形成面からインク滴を吐出
    するインクジェット式の記録ヘッドと、 この記録ヘッドの移動経路鉛直下方に配設され、前記ノ
    ズル形成面を封止可能なキャップおよびこのキャップを
    保持するキャップホルダを有するキャッピング手段と、 このキャッピング手段のキャップを前記記録ヘッドのノ
    ズル形成面封止位置まで上昇させるとともに、ノズル形
    成面封止位置から鉛直下方の待機位置に下降させる駆動
    手段とを備え、 この駆動手段は、少なくとも前記キャップ部材に昇降力
    を付与するためのカム部材と、このカム部材に駆動力を
    付与するための遊星歯車機構と、この遊星歯車機構に駆
    動力を付与するための駆動源とを備えたことを特徴とす
    るインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドの移動経路鉛直下方に配
    設され、鉛直方向に延在する長孔を有する固定フレーム
    と、 この固定フレームに保持され、前記長孔を挿通する支持
    軸と、 この支持軸上に配設され、前記キャッピング手段を保持
    する保持フレームとを備え、 前記駆動手段によって前記支持軸を少なくとも鉛直上方
    に移動させることを特徴とする請求項1に記載されたイ
    ンクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記カム部材に、前記支持軸を案内する
    水平部および傾斜部を有する長孔が設けられ、 前記カム部材を進退させることにより、前記支持軸を鉛
    直方向に移動させることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載されたインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記遊星歯車機構が、太陽歯車を有する
    駆動軸と、 この駆動軸に回動停止二位置間で回動自在に枢支され、
    前記太陽歯車に噛合する遊星歯車を回転自在に保持する
    保持レバーと、 この保持レバーに並設され、かつ前記駆動軸に回動自在
    に枢支され、前記遊星歯車に噛合可能な内歯を有する駆
    動レバーとを含み、 このうち駆動レバーは、前記保持レバーの回動停止状態
    において前記太陽歯車の回動による前記内歯と前記遊星
    歯車との噛合によって回動し、前記カム部材に駆動力を
    付与する枢支レバーによって形成されていることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたイ
    ンクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動軸がインク吸引用ポンプのポン
    プ駆動軸からなることを特徴とする請求項4に記載され
    たインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動源が紙送りモータであり、この
    紙送りモータによって前記駆動軸が回転駆動されること
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載されたイン
    クジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記カム部材が、前記インク吸引用ポン
    プの動作によって前記記録ヘッドの移動経路下方におい
    て、前記移動経路に沿って移動可能に配設されているこ
    とを特徴とする請求項5または請求項6に記載されたイ
    ンクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記支持軸にピニオンを固着するととも
    に、 前記固定フレームにラックを配設し、 このラックおよび前記ピニオンによって前記支持軸が鉛
    直方向に案内されることを特徴とする請求項2乃至請求
    項7のいずれかに記載されたインクジェット式記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ラックが前記固定フレームの両側に
    配設され、前記ピニオンが前記支持軸の両端部に固着さ
    れていることを特徴とする請求項8に記載されたインク
    ジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記キャップホルダに、前記ノズル形
    成面を払拭するワイピング部材が設けられていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載され
    たインクジェット式記録装置。
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