JP2003126770A - ハードコート被膜の形成方法及びハードコーティング用組成物 - Google Patents

ハードコート被膜の形成方法及びハードコーティング用組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードコート液の利用効率が高いハードコー
ト被膜の形成方法及びそれに用いられるハードコーティ
ング用組成物を提供する。 【解決手段】 ハードコーティング用組成物を、インク
ジェット方式の微小ノズルから微小液滴として被塗布物
に吐出して塗装する。また、かかるハードコーティング
用組成物として、重合性有機化合物、無機微粒子並びに
溶媒として水及び有機溶剤を含有し、かつ、固形分が1
〜19重量%、水分が30〜84重量%、高沸点有機溶
剤が10〜45重量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗布物に耐擦傷
性のハードコート被膜を形成できるハードコート被膜の
形成方法及びその方法に用いられるハードコーティング
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズや携帯機器の表示装
置を保護する有機カバーガラス等のプラスチック製の光
学物品では、ガラス製のものと比べて傷が付きやすいた
め、ハードコート被膜を形成し、耐擦傷性を与えること
が行われる。このハードコート被膜は、耐擦傷性の付与
の他、反射防止膜などの蒸着膜との密着性向上、染色性
の安定化等多くの機能を付与する加工であるため、プラ
スチック製の光学物品では極めて有用である。
【0003】ハードコート被膜の形成方法としては、液
状のハードコーティング用組成物(以下、ハードコート
液と略称する場合がある)を光学物品に均一に塗布し、
その後硬化させるのが一般的である。ハードコート液を
光学物品に均一に塗装できる方法として、スピンコート
法とディッピング(浸漬)法が知られている。
【0004】スピンコート法では、光学物品を高速回転
させつつ表面に液滴を滴下し、遠心力で液膜を塗り広げ
る。
【0005】ディッピング法は、光学物品を治具で保持
し、ハードコート液中に浸漬、放置後、引き上げること
によりハードコート液膜を形成する。
【0006】ハードコート液を塗布後、乾燥・焼成工程
で液膜の乾燥と硬化を行ってハードコート被膜を光学物
品表面に形成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スピン
コート法では、滴下したハードコート液の大部分を高速
回転による振り切り工程で廃棄してしまう。この廃棄物
の回収、再利用も考えられるが、不純物の混入や回収設
備の設置による装置コスト上昇等の問題がある。
【0008】一方、ディッピング法では、多数の光学物
品とこれを保持する治具の両方を浸漬できうる大型の浸
漬槽と駆動設備が必要になる。また、このような大型の
浸漬槽に入ったハードコート液を維持管理するために
は、攪拌、フィルタリング、冷却、空調等様々な付帯設
備が必要となる。よって必然的に装置は大型化し、コン
パクト性が失われると同時に、多くの電力エネルギーを
必要とする。さらには、揮発成分の補充、ハードコート
液の補充等、繁雑な日常の液管理が必要となる。かつ、
ハードコート液を長時間使用すると、液が劣化して耐久
品質が低下するため、その時点で液を大量に廃棄しなけ
ればならない。
【0009】以上のように、スピンコート法及びディッ
ピング法では、ハードコート液の利用効率が低い。その
一方で、光学物品の高機能化のためハードコート液自体
の価格は上昇しており、表面処理工程におけるハードコ
ート液のコストが占める割合が大きくなっている。その
ため、ハードコート液の有効利用が強く求められてい
る。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ハードコート液の利用効率が高いハードコート被膜
の形成方法を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、かかるハードコート液の
利用効率が高いハードコート被膜の形成方法に用いられ
るハードコーティング用組成物を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、鋭意検討した結果、ハードコート液の必
要量を被塗布物の必要な場所にだけ塗布できるコーティ
ング技術として、インクジェット方式による塗布方法が
有利と考えた。インクジェット方式では、装置を小型化
できる上、少ない電力で塗布でき、しかもハードコート
液の利用効率が高いことから、生産コストを低減できる
と共に、溶剤使用量の低減、廃棄物の低減等の環境対策
の進歩が期待できる。
【0013】インクジェット方式による塗布方法は、ハ
ードコーティング用組成物をインクジェットヘッドの1
0〜100μm径の微小なノズルから液滴として吐出す
る方法であるため、ディッピング法やスピンコート法で
用いられているハードコーティング用組成物をそのまま
用いると、乾燥、増粘によるノズルの目詰まりで吐出が
不安定であることが認められる。
【0014】この吐出の不安定性に対しては、乾燥を防
止するためにハードコーティング用組成物の水の配合量
をディッピング法やスピンコート法よりも多くすること
が有効であるが、その一方、吐出を安定させるため、水
分量を多くすると、光学物品表面に着弾した微小液滴
が、光学物品表面ではじかれて均一な塗膜を形成でき
ず、塗装ムラが発生することが認められる。
【0015】このように、インクジェット方式で微小液
滴として吐出されるハードコーティング用組成物では、
ノズルでの安定吐出性と被塗布物表面での均一塗布性の
相反する性質を兼ね備えなければならない。
【0016】多くの実験を重ねた結果、吐出性に関して
は固形分の影響が大きく、ハードコーティング用組成物
の固形分を1〜19重量%の範囲とすることが良いこと
が分かった。また、ハードコーティング用組成物の水分
に関しては、30重量%以上と多く配合することにより
安定吐出性を確保できることを見い出した。
【0017】一方、塗布性に関しては、被塗布物の表面
の濡れ性などの影響が大きいこと、濡れ性を改良できる
有機溶剤を配合することが有効であること、これらのこ
とから、ハードコーティング用組成物の水分に関して
は、水分含有量が0.5〜90重量%の広い範囲で良好
な塗布性が得られることを見い出した。
【0018】水分の配合量を組成物全体の30重量%以
上と多く配合して安定吐出性を確保したハードコーティ
ング用組成物を被塗布物表面に均一に塗布できる目安と
して、ハードコーティング用組成物の被塗布物の表面に
対する接触角θの半値θ/2を15°以下にするように
調製し、あるいは、そのような濡れ性の被塗布物表面と
することによって、インクジェット方式のノズルから微
小液滴として吐出されて被塗布物に着弾したときに被塗
布物によってはじかれることなく均一な塗膜を形成でき
ることを見い出した。
【0019】この場合、ハードコーティング用組成物に
含まれる有機溶剤として、有機溶剤を水9に対して1の
重量比で希釈した水溶液の被塗布物の表面に対する接触
角θの半値θ/2が15°以下である接触角低下溶剤を
選定することが望ましいことを見い出した。具体的に
は、水と相溶性のある沸点が135℃以上の高沸点有機
溶剤、とりわけセロソルブ類が好ましい。
【0020】被塗布物の表面の濡れ性を改良する方法と
して、紫外線照射による表面改質処理を例示することが
できる。
【0021】従って、請求項1記載の発明は、重合性有
機化合物、無機微粒子並びに溶媒として水及び有機溶剤
を含有するハードコーティング用組成物を、インクジェ
ット方式の微小ノズルから微小液滴として被塗布物に吐
出して塗布し、塗布したハードコーティング用組成物を
硬化させてハードコート被膜を形成することを特徴とす
るハードコート被膜の形成方法を提供する。
【0022】請求項2記載の発明は、被塗布物に重合性
有機化合物、無機微粒子並びに溶媒として水及び有機溶
剤を含有するハードコーティング用組成物を塗布し、塗
布したハードコーティング用組成物を硬化させてハード
コート被膜を形成する方法において、前記ハードコーテ
ィング用組成物が、組成物全体の30重量%以上の水を
含有し、かつ、前記被塗布物の前記ハードコーティング
用組成物を塗布する表面に対する接触角θの半値θ/2
が15°以下であることを特徴とするハードコート被膜
の形成方法を提供する。
【0023】請求項3記載の発明は、被塗布物に重合性
有機化合物、無機微粒子並びに溶媒として水及び有機溶
剤を含有するハードコーティング用組成物を塗布し、塗
布したハードコーティング用組成物を硬化させてハード
コート被膜を形成する方法において、前記水の全組成物
に対する配合量が30重量%以上であり、前記有機溶剤
が、水9に対して1の重量比で薄めた水溶液の前記被塗
布物の前記ハードコーティング用組成物を塗布する表面
に対する接触角θの半値θ/2が15°以下である接触
角低下溶剤を含有することを特徴とするハードコート被
膜の形成方法を提供する。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1〜3いず
れかに記載のハードコート被膜の形成方法において、前
記被塗布物の前記ハードコーティング用組成物を塗布す
る表面が表面改質処理されていることを特徴とするハー
ドコート被膜の形成方法を提供する。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項3記載のハ
ードコート被膜の形成方法において、前記接触角低下溶
剤が、水と相溶性があり、沸点が135℃以上の溶剤で
あることを特徴とするハードコート被膜の形成方法を提
供する。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項4記載のハ
ードコート被膜の形成方法において、前記表面改質処理
が、紫外線照射であることを特徴とするハードコート被
膜の形成方法を提供する。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項5記載のハ
ードコート被膜の形成方法において、前記接触角低下溶
剤が、セロソルブ類であることを特徴とするハードコー
ト被膜の形成方法を提供する。
【0028】請求項8記載の発明は、請求項2又は3記
載のハードコート被膜の形成方法において、前記ハード
コーティング用組成物を塗布する方法が、微小ノズルか
ら微小液滴を吐出して塗装するインクジェット方式であ
ることを特徴とするハードコート被膜の形成方法を提供
する。
【0029】請求項9記載の発明は、重合性有機化合
物、無機微粒子並びに溶媒として水及び有機溶剤を含有
し、かつ全組成物に対して固形分の配合量が1〜19重
量%、水の配合量が0.5〜90重量%であって、微小
ノズルから微小液滴を吐出して塗装するインクジェット
方式に用いられることを特徴とするハードコーティング
用組成物を提供する。
【0030】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
ハードコーティング用組成物において、前記有機溶剤
が、水と相溶性のある沸点が135℃以上の高沸点有機
溶剤を全組成物に対して10〜45重量%の配合量で含
有することを特徴とするハードコーティング用組成物を
提供する。
【0031】請求項11記載の発明は、請求項9又は1
0記載のハードコーティング用組成物において、前記水
の配合量が、30〜84重量%であることを特徴とする
ハードコーティング用組成物を提供する。
【0032】請求項12記載の発明は、重合性有機化合
物、無機微粒子並びに溶媒として水及び有機溶剤を含有
し、かつ全組成物に対して、固形分の配合量が1〜19
重量%、前記水の配合量が30〜84重量%、水と相溶
性のある沸点が135℃以上の高沸点有機溶剤の配合量
が10〜45重量%であることを特徴とするハードコー
ティング用組成物を提供する。
【0033】請求項13記載の発明は、請求項9又は1
2記載のハードコーティング用組成物において、前記重
合性有機化合物が、一分子中に重合性基と加水分解性基
とを含む有機けい素化合物であることを特徴とするハー
ドコーティング用組成物を提供する。
【0034】請求項14記載の発明は、請求項10又は
12記載のハードコーティング用組成物において、前記
高沸点有機溶剤が、セロソルブ類であることを特徴とす
るハードコーティング用組成物を提供する。
【0035】請求項15記載の発明は、請求項9又は1
2記載のハードコーティング用組成物において、前記無
機微粒子が、粒径1〜100ミリミクロンのSi、A
l、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、
Zr、In、Tiから選ばれる1種以上の金属酸化物か
らなる微粒子および/またはSi、Al、Sn、Sb、
Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In、Ti
からなる群から選ばれる2種以上の金属酸化物から構成
される複合微粒子であることを特徴とするハードコーテ
ィング用組成物を提供する。
【0036】請求項16記載の発明は、請求項12記載
のハードコーティング用組成物において、微小ノズルか
ら微小液滴を吐出して塗装するインクジェット方式に用
いられることを特徴とするハードコーティング用組成物
を提供する。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明のハードコート被膜
の形成方法及びハードコーティング用組成物の実施の形
態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限
定されるものではない。
【0038】本発明のハードコート被膜の形成方法は、
被塗布物にハードコーティング用組成物を塗布し、塗布
したハードコーティング用組成物を硬化させてハードコ
ート被膜を形成するものである。
【0039】本発明のハードコート被膜の形成方法の対
象となる被塗布物としては、耐擦傷性が必要なものであ
れば、全て適用可能であり、例えば、眼鏡レンズ、調光
用レンズ、サングラス、カメラレンズ、望遠鏡レンズ、
拡大鏡レンズ、プロジェクターレンズ、ピックアップレ
ンズ、マイクロレンズ等の各種光学レンズおよび光学ミ
ラー、光学フィルター、半導体露光用のステッパー、携
帯機器の有機カバーガラス等の光学物品に適用すること
ができる。
【0040】被塗布物の材質としては、特に制限され
ず、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、チオウレ
タン系樹脂、チオエポキシ樹脂、アリルカーボネート樹
脂等、光学物品に用いられている樹脂を例示することが
できる。
【0041】ハードコーティング用組成物の塗布方法と
しては、必要量を被塗布物の必要な場所にだけ塗布でき
るインクジェット方式のノズルから微小液滴として被塗
布物に吐出して塗膜を形成する方法が好ましい。
【0042】インクジェット方式は、10〜100μm
径の微小なノズル開口部と圧力発生素子とが設けられた
圧力室にインクが充填され、圧力発生素子を電子的に制
御することによって圧力室内のインクを加圧し、その圧
力で、ノズル開口部からインクを微小な液滴として吐出
するものである。
【0043】圧力発生素子の種類により、ピエゾ素子に
よる圧電振動子を用いたピエゾ方式や、発熱素子を用
い、インクを加熱して気泡を発生させ、その圧力を利用
するいわゆるバブルジェット(登録商標)方式など、種
々の方式がある。本発明では、いずれのインクジェット
方式も用いることができる。
【0044】図1は、ピエゾ方式のインクジェットヘッ
ドのノズル部分を示した断面図である。このインクジェ
ットヘッド10は、インクを収納するケース20の先端
の収納空間21を閉塞してノズルプレート31と流路形
成基板32で構成される流路ユニット30が取り付けら
れている。流路ユニット30と収納空間21の間は樹脂
フィルムで構成されるダイヤフラム40で分離されてい
る。ノズルプレート31には内方へ行くに従い拡径する
ノズル開口部51が設けられている。ダイヤフラム40
と流路形成基板32の間には、ノズル開口部51と共通
インク室52とを連通させるノズル連通口53、圧力室
54、インク供給口55が設けられている。アクチュエ
ーターとして圧電振動子60が収納空間21に固定さ
れ、その自由端面は圧力室54に臨んでおり、ステンレ
ス鋼板41を介してダイヤフラム40に固定されてい
る。圧電振動子60は、圧電体61と内部電極62とが
交互に積層され、矢印で示すように、縦方向に伸縮し、
ダイヤフラム40を押したり引いたりすることで圧力室
54を加圧したり減圧することができるようになってい
る。そして、圧電振動子60が伸長したときに、圧力室
54の中のインクが加圧され、その圧力でノズル開口部
51よりインクが液滴として吐出される。なお、ノズル
プレート31のノズル開口部51は、目詰まりが起き難
くなるように撥水処理がされている。
【0045】インクジェットヘッド10は、このような
ノズルが等ピッチで列状に配置されており、それぞれの
ノズルの液滴の吐出が間欠的に制御される。
【0046】このようなインクジェット方式では、ノズ
ル開口部51で、インクが増粘したり、乾燥すると、ノ
ズル開口部51が目詰まりし、安定吐出ができなくな
る。
【0047】吐出されるインクとしてハードコーティン
グ用組成物を用いる場合、このような安定吐出性に加え
て、被塗布物の表面に着弾した微小液滴が集合して均一
な塗膜を形成する均一塗布性が必要である。吐出された
微小液滴が被塗布物の光学物品の表面で均一な塗膜を形
成できないと、光学性能に悪影響があるため、ハードコ
ート被膜として好ましくない。
【0048】そのため、インクジェットヘッド用のハー
ドコーティング用組成物は、微小ノズルで目詰まりを生
じにくい吐出性と被塗布物表面で均一な塗膜を形成でき
る塗布性を両立させる必要がある。
【0049】インクジェットヘッド用のハードコーティ
ング用組成物は、スピンコート法やディッピング法に用
いられているハードコーティング用組成物と同様に、ハ
ードコート被膜を形成するために、重合性有機化合物、
無機微粒子並びに溶媒として水及び有機溶剤を含有す
る。
【0050】まず、本発明者は、ハードコーティング用
組成物の固形分と水分に着目し、図1に示したインクジ
ェットヘッドを用いた吐出性とチオウレタン製のプラス
チック眼鏡レンズに対する塗布性とを固形分と水分量を
変えて検討した。表1に水分量を一定にして固形分を変
えた場合の吐出性と塗布性の結果を示す。また、表2に
固形分を一定にして水分量を変えた場合の吐出性と塗布
性の結果を示す。表中、ハジキは、吐出された液滴が表
面ではじかれて膜を形成しない場合を示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表1より、固形分を多くすると、ノズルで
目詰まりしやすくなり、吐出性が低下する。表2より、
水分量を多くすると、乾燥し難くなるため吐出性は良好
になる一方、塗布性が悪くなり、均一な塗膜を形成でき
にくくなる傾向が認められる。また、水分量を低くして
もそれほど吐出性に影響を与えないことが分かった。
【0054】実験結果より、吐出性とチオウレタン製の
眼鏡レンズに対する塗布性を両立させるため、インクジ
ェット用のハードコーティング用組成物では、固形分は
1〜19重量%、特に5〜15重量%の範囲が好ましい
ことが分かった。なお、固形分とは、ハードコート被膜
を構成する成分であり、具体的には重合性有機化合物、
無機微粒子、界面活性剤等の溶媒を除いた成分である。
また、重合性有機化合物は、例えばアルコキシ基等の加
水分解性基を有する場合、加水分解により配合量よりも
実際の固形分となる量が少なくなる場合がある。
【0055】表2の結果より、塗布性に対する水分の好
ましい範囲は0.5〜30重量%、特に好ましい範囲は
5〜26重量%、最も好ましい範囲は18〜24重量%
である。但し、塗布性に関しては、被塗布物の表面の影
響が大きく、被塗布物の表面の濡れ性が良好であれば、
水分量の上限が90重量%までは塗布性を確保できると
考えられる。
【0056】上記結果から、インクジェットヘッド用の
ハードコーティング用組成物では、一般的には固形分は
1〜19重量%、水分量は0.5〜90重量%の範囲と
することが好ましいことが分かった。
【0057】しかしながら、その後の実験により、有機
溶剤の種類を選定することによって、水分量を多くして
安定吐出性を確保できると共に、水分量を多くしても塗
布性を良好にできることを見い出した。
【0058】即ち、水分量は組成物全体の30重量%以
上とすることが望ましく、水分の配合量を多くすること
によって、インクジェット方式のノズル開口部51での
乾燥や増粘を抑制し、かつ撥水処理されているノズル開
口部51で撥水されることにより、ノズル開口部51で
の目詰まりを防止し、安定吐出が可能となる。より好ま
しい水分量の範囲は全組成物に対して38〜84重量
%、最も好ましい水分量の範囲は50〜70重量%であ
る。水分量が多すぎると、有機溶剤の配合量が少なくな
り、塗布性が悪くなる場合がある。
【0059】なお、従来のディッピング法やスピンコー
ト法で用いられているハードコーティング用組成物は、
固形分が約20〜25重量%程度である。また、溶媒と
しては、乾燥を速くするために有機溶剤が主であり、水
分は重合性有機化合物の加水分解を行えるために十分な
20重量%程度である。このようなディッピング法やス
ピンコート法で用いられているハードコーティング用組
成物をインクジェット方式で塗布しようとすると、固形
分が多い上に水分量が少ないため、ノズル開口部での目
詰まりが激しく、安定吐出は望めない。
【0060】本発明のハードコーティング用組成物で
は、水分量を組成物全体の30重量%以上と水分リッチ
とすることが望ましい。従来このように水分量を多くし
たハードコーティング用組成物では、均一塗布性が望め
なかったが、本発明のハードコート被膜の形成方法にお
いては、被塗布物に対する接触角に着目して解決してい
る。
【0061】即ち、水分量を組成物全体の30重量%以
上配合し、かつ、被塗布物表面に対する接触角θの半値
θ/2が、15°以下となるようにハードコーティング
用組成物を調製する。あるいはこのような接触角となる
ように被塗布物表面の濡れ性を改良する。このようなハ
ードコーティング用組成物とするには、具体的には、水
9に対して1の重量比で薄めた水溶液の被塗布物表面に
対する接触角θの半値θ/2が15°以下の有機溶剤を
用いる。なお、本明細書における接触角の測定では、有
機溶剤の接触角を測定する場合は水9に対して1の重量
比で薄めた水溶液の接触角を測定し、ハードコーティン
グ用組成物の接触角を測定する場合はハードコーティン
グ用組成物そのものの接触角を測定する。有機溶剤の接
触角の測定方法において水の割合を多くしているのは、
接触角が小さすぎると測定が困難になるので、水分量を
多くして接触角を大きくし、接触角の測定を容易にする
ためである。また、接触角を測定する固体試料は、実際
にハードコーティング用組成物を塗布する表面を有する
平板である。
【0062】接触角の測定方法を図2に示す。図示しな
い注射器状の液滴調整器に測定する水溶液試料を入れ
る。(a)に示すように、上下左右に位置を変更可能な
図示しない試料台に表面を水平に調整した固体試料を載
置し、光学鏡でこの固体試料表面を観察する。光学鏡に
は回転可能な回転クロスが組み込まれている。固体試料
の直上に配置された液滴調整器の針先に液滴を作る。
【0063】次に、(b)に示すように、固体試料の表
面を上昇させ、液滴を固体試料表面に触れさせる。その
後、(c)に示すように、元の位置まで固体試料を下降
させ、針先より液滴を固定試料表面に移行させ、更に、
液滴を回転クロスの中心に合わせる。
【0064】そして、(d)に示すように、回転クロス
を回転させて液滴と固体試料表面の接線を作り、その角
度θを読み取る。このθが接触角である。
【0065】この読み取り方法では個人誤差があるの
で、液滴が円の一部であるという仮定に基づき、(e)
〜(g)に示す接触角の読み取り方法が行われる。
【0066】まず、(e)に示すように、回転クロスを
45゜に合わせ、クロスが液滴の両側と左右対称に接す
るように試料台を調整する。次に、(f)に示すよう
に、試料台を上昇させ、クロスの中心を液滴の頂点に合
わせる。そして、(g)に示すように、液滴の頂点と固
体試料と液滴の接点を結び、その延長上の角度を測定す
る。その角度が接触角θの半値θ/2となる。接触角θ
よりもその半値θ/2の方が一般的に用いられる。
【0067】表3に、水に溶解性の有機溶剤の種類とそ
の分子量、沸点及び水9に対して1の重量比で薄めた水
溶液の接触角θの半値θ/2を示す。接触角測定装置
は、協和界面科学株式会社製の接触角計OA−D型を用
いた。固体試料は、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材
からなる平面板を用いた。
【0068】
【表3】
【0069】図3に、表3に示した有機溶剤のそれぞれ
の接触角θの半値θ/2をグラフとして示した。
【0070】水分を50重量%と60重量%をそれぞれ
含み、固形分が10重量%、残りを上述した有機溶剤を
含むハードコーティング用組成物を調製し、実際にイン
クジェット方式のヘッドから吐出させた結果では、ブチ
ルセロソルブが最も良好な塗布性を示し、均一に塗膜を
形成することができた。次に、イソプロピルセロソル
ブ、その次にエチルセロソルブの塗布性が良好であり、
それ以外の有機溶剤はそれほど塗布性が良くないことが
認められた。なお、セロソルブは、エチレングリコール
モノアルキルエーテルの通称である。従って、実用的に
は、エチルセロソルブの水9に対して1の重量比で薄め
た水溶液の接触角(θ/2)が15°であるから、前述
した測定方法で測定した接触角θの半値θ/2が15°
以下、好ましくは10°以下、最も好ましくはブチルセ
ロソルブの5.3°以下である有機溶剤を用いることに
よって、水分量を多くしても均一塗布性を確保できるこ
とが確認できた。実際のハードコーティング用組成物に
おいても、被塗布物のハードコーティング用組成物を塗
布する実際の表面に対するハードコーティング用組成物
そのものの接触角θの半値θ/2が15°以下、好まし
くは10°以下、最も好ましくは6°以下に調製するこ
とにより、良好な塗布性を示すことが認められた。
【0071】表3より、接触角に対して分子量と沸点と
が相関性があり、分子量に関しては90以上、特に10
0以上、最適には115以上が好ましく、沸点に関して
は、135℃以上、特に150℃以上、最適には170
℃以上が好ましい。
【0072】以上の実験結果より、ハードコーティング
用組成物においては、被塗布物のハードコーティング用
組成物を塗布する表面に対する接触角θの半値θ/2を
15°以下とすることにより、塗布性を良好にすること
ができる。このような塗布性を有するハードコーティン
グ用組成物とするには、被塗布物のハードコーティング
用組成物を塗布する表面に対する水9に対して1の重量
比で薄めた水溶液の接触角θの半値θ/2が15°以下
の接触角低下溶剤を配合することが有効である。具体的
には、沸点が135℃以上、特に150℃以上、最適に
は170℃以上で水と相溶性のある高沸点有機溶剤であ
る。なお、相溶性とは、同時に配合する水と均一な溶液
を形成できることを意味する。
【0073】高沸点有機溶剤としては、上述したエチル
セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ等のセロソルブ類以外の溶剤も使用可能である。高沸
点有機溶剤の配合量は、組成物全体の10〜45重量
%、特に15〜40重量%の範囲とすることが好まし
い。
【0074】このように、イソプロピルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ等の高沸点有機溶剤を用いることによっ
て、塗布性が良好になる理由としては、被塗布物に対す
る濡れ性が良好なことに加えて、インクジェットヘッド
から吐出された微小液滴が、被塗布物の表面に着弾する
までの間の空気中で、微小液滴の表面からの溶媒の蒸発
が抑制されることが、良好な塗布性の原因であると考え
られる。
【0075】本発明のハードコーティング用組成物にお
ける有機溶剤としては、高沸点有機溶剤の1種を単独で
又は2種以上を混合して高沸点の有機溶剤のみを用いる
ことができるが、ハードコーティング用組成物の接触角
θの半値θ/2を15°以下となるようにすることがで
きれば、低沸点の有機溶剤を配合することができる。
【0076】低沸点溶剤としては、メタノール、エタノ
ール、IPA、ブタノール等のアルコール類、MEK、
2−ペンタノン、MIBK、2−ヘプタノン等のケトン
類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソ
プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸secブ
チル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸ブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエス
テル類、メチルセロソルブ、1,4−ジオキサン等の低
沸点溶剤の1種を単独で又は2種以上を高沸点有機溶剤
に適宜混合して用いることができる。これらの低沸点有
機溶剤は、後述する無機微粒子を分散する分散媒として
ハードコーティング用組成物に配合することが好まし
い。また、重合性有機化合物中の加水分解性基の加水分
解によってもハードコーティング用組成物に配合される
場合がある。
【0077】また、有機溶剤として、沸点が200℃以
上の高沸点の水溶性有機溶剤を目詰まり防止の液状湿潤
剤として配合することができる。水溶性有機溶剤として
は、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、グリセリン等の炭素数2〜10の2価〜5価アル
コール類、ホルムアミド類、イミダゾリジノン類、ピロ
リドン、アミノ類等の含窒素炭化水素溶媒、あるいは含
硫黄炭化水素溶媒の1種を単独で又は2種以上を混合し
て添加することができる。このような高沸点の水溶性有
機溶剤は、接触角低下溶剤として配合することも可能で
ある。
【0078】以上の結果をまとめると、インクジェット
用のハードコーティング用組成物においては、安定吐出
性と均一塗布性を両立させるため、固形分の配合量は、
上述した通り、組成物全体の1〜19重量%、特に5〜
15重量%の範囲が好ましい。固形分を多くすると、ノ
ズルで目詰まりしやすくなり、吐出性が低下する。水分
の配合量は、組成物全体の0.5〜90重量%、特に3
8〜84重量%、最も好ましくは50〜70重量%の範
囲である。有機溶剤の配合量は、固形分と水分以外の成
分であり、組成物全体の10〜98.5重量%、特に1
5〜55重量%、最適には20〜50重量%の範囲が好
ましい。有機溶剤の配合量が少なすぎると、塗布性が悪
くなる場合があり、一方、配合量が多すぎると、水分量
が少なくなって吐出性が悪くなる場合がある。また、有
機溶剤を構成する接触角低下溶剤又は高沸点有機溶剤の
配合量は、組成物全体の10〜45重量%、特に15〜
40重量%の範囲とすることが好ましい。接触角低下溶
剤又は高沸点有機溶剤を配合することにより、水分リッ
チとしても良好な塗布性が得られる。
【0079】このようなハードコーティング用組成物
は、従来のディッピング法やスピンコート法に用いられ
ているハードコーティング用組成物と比較して固形分が
少ないが、インクジェットによる塗布は、ディッピング
法やスピンコート法よりも厚く塗布することができるた
め、ハードコート被膜として必要な膜厚は確保すること
ができる。
【0080】上記接触角θは固体の液体による濡れを評
価する尺度である。そのため、被塗布物の表面の性質に
よっても接触角は変化する。被塗布物表面に対して表面
改質処理を施すことにより、接触角θを低下させること
ができる。
【0081】本発明のハードコーティング用組成物を用
いれば、濡れ性が良いため、通常の被塗布物表面にイン
クジェット方式で均一な塗膜を形成することが可能であ
るが、被塗布物と被膜の密着性及び更に濡れ性を向上さ
せる目的で、被塗布物表面を予めアルカリ処理、酸処
理、界面活性剤処理、無機あるいは有機物の微粒子によ
る研磨処理、酸化剤処理、プライマー処理、紫外線照射
処理、アルゴン又は酸素雰囲気下で高周波放電によるプ
ラズマ処理、アルゴン、酸素又は窒素などのイオンビー
ム処理などによって、表面改質処理を行うことが好まし
い。また、超純水による洗浄を行うことが好ましい。
【0082】上述した表面改質処理の中でも、紫外線照
射処理が透明な光学物品の表面に対して良好な濡れ性を
付与することができる。紫外線照射処理としては、低圧
水銀ランプを用いて、主として波長が185nm及び2
54nmの紫外線を1〜3000mJ/cm2の光量で
照射する方法や、エキシマランプを用いて、主として波
長が172nmの紫外線を1〜3000mJ/cm2
光量で照射する方法を例示することができる。
【0083】このような紫外線は、活性酸素やオゾンを
生成し、被塗布物表面の有機物を分解して清浄化するこ
とが可能であり、また、被塗布物表面に直接作用して被
塗布物表面にヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボ
ニル基等の親水性基を生成し、濡れ性を向上させること
ができる。
【0084】前述したハードコーティング用組成物の溶
媒を構成する有機溶剤の種類や組成だけでなく、被塗布
物に表面改質処理を施すことによって、接触角θの半値
θ/2を低下させることが可能である。例えば、実施例
1と実施例2に示すように、アセトンで洗浄したチオウ
レタン系の平板に対するハードコーティング用組成物の
接触角θの半値θ/2が11.5°である場合(実施例
1)、紫外線照射を行ったチオウレタン系の平板では、
5.9°に下げることができる(実施例2)。従って、
ハードコーティング用組成物の被塗布物表面に対する接
触角θの半値θ/2を15°以下にするためには、被塗
布物表面に対する表面改質処理及びハードコーティング
用組成物の有機溶剤の種類と組成の選択のいずれか一方
又は両方を採用することによって達成することができ
る。
【0085】なお、本発明のハードコート被膜の形成方
法における塗布方法としては、このようなインクジェッ
ト方式のみならず、例えばスプレー方式による塗布方法
等、液滴として被塗布物に噴射される塗布方法も含まれ
る。
【0086】スプレー方式は、ハードコーティング用組
成物を被塗布物にノズルより液滴として噴霧し、被塗布
物表面に均一なハードコーティング用組成物の塗膜を形
成するものである。スプレー方式では、ノズルでの目詰
まりは考慮する必要はないが、被塗布物表面で液滴が集
合して均一塗膜を形成する点では、インクジェット方式
と同じである。そのため、ハードコーティング用組成物
及び被塗布物表面の性質としては、インクジェット方式
で用いられると同様の濡れ性が要求される。
【0087】以下、本発明のハードコーティング用組成
物の有機溶剤以外の組成成分について説明する。本発明
のコーティング用組成物における固形分としては、ハー
ドコート被膜として十分な性能を確保するため、重合性
有機化合物及び無機微粒子を必須成分として含有する。
【0088】重合性有機化合物はハードコート被膜にお
ける、いわゆるバインダーとして機能するものである。
重合性有機化合物としては、例えば、一分子中にビニル
基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ
基、メルカプト基、シアノ基、イソシアノ基、アミノ基
等の重合可能な重合性基とアルコキシ基等の加水分解性
基とを含む有機けい素化合物を用いることができる。重
合性有機化合物としてかかる有機ケイ素化合物を用いる
ことによってシリコン系ハードコート被膜を形成するこ
とができる。
【0089】一分子中に重合性基と加水分解性基とを含
む有機けい素化合物としては、ビニルトリアルコキシシ
ラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メト
キシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラ
ン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メ
タクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタク
リルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、メルカ
プトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ
−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン等を例示す
ることができる。
【0090】また、一分子中にエポキシ基と加水分解性
基とを含む有機けい素化合物としては、モノエポキシ基
含有トリアルコキシシランが好ましい。モノエポキシ基
含有トリアルコキシシランとしては、グリシドキシメチ
ルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキ
シシラン、グリシドキシメチルトリプロポキシシラン、
グリシドキシメチルトリブトキシシラン、α−グリシド
キシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチ
ルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリプ
ロポキシシラン、α−グリシドキシエチルトリブトキシ
シラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、
β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリ
シドキシエチルトリプロポキシシラン、β−グリシドキ
シエチルトリブトキシシラン、α−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリプロポ
キシシラン、α−グリシドキシプロピルトリブトキシシ
ラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グ
リシドキシプロピルトリプロポキシシラン、β−グリシ
ドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブト
キシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラ
ン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、α−
グリシドキシブチルトリプロポキシシラン、α−グリシ
ドキシブチルトリブトキシシラン、β−グリシドキシブ
チルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリ
エトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリプロポキ
シシラン、β−グリシドキシブチルトリブトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシブチルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシブ
チルトリブトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリ
メトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシ
シラン、δ−グリシドキシブチルトリプロポキシシラ
ン、δ−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β−
メチルグリシドキシメチルトリメトキシシラン、β−メ
チルグリシドキシメチルトリエトキシシラン、β−メチ
ルグリシドキシメチルトリプロポキシシラン、β−メチ
ルグリシドキシメチルトリブトキシシラン、β−メチル
−α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−メ
チル−α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β
−メチル−α−グリシドキシエチルトリプロポキシシラ
ン、β−メチル−α−グリシドキシエチルトリブトキシ
シラン、β−メチル−β−グリシドキシエチルトリメト
キシシラン、β−メチル−β−グリシドキシエチルトリ
エトキシシラン、β−メチル−β−グリシドキシエチル
トリプロポキシシラン、β−メチル−β−グリシドキシ
エチルトリブトキシシラン、β−メチル−α−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、β−メチル−α−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−メチル−
α−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、β−
メチル−α−グリシドキシプロピルトリブトキシシラ
ン、β−メチル−β−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、β−メチル−β−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、β−メチル−β−グリシドキシプロピ
ルトリプロポキシシラン、β−メチル−β−グリシドキ
シプロピルトリブトキシシラン、β−メチル−γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−メチル−γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−メチ
ル−γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
β−メチル−γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシ
ラン、β−メチル−α−グリシドキシブチルトリメトキ
シシラン、β−メチル−α−グリシドキシブチルトリエ
トキシシラン、β−メチル−α−グリシドキシブチルト
リプロポキシシラン、β−メチル−α−グリシドキシブ
チルトリブトキシシラン、β−メチル−β−グリシドキ
シブチルトリメトキシシラン、β−メチル−β−グリシ
ドキシブチルトリエトキシシラン、β−メチル−β−グ
リシドキシブチルトリプロポキシシラン、β−メチル−
β−グリシドキシブチルトリブトキシシラン、β−メチ
ル−γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−
メチル−γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、
β−メチル−γ−グリシドキシブチルトリプロポキシシ
ラン、β−メチル−γ−グリシドキシブチルトリブトキ
シシラン、β−メチル−δ−グリシドキシブチルトリメ
トキシシラン、β−メチル−δ−グリシドキシブチルト
リエトキシシラン、β−メチル−δ−グリシドキシブチ
ルトリプロポキシシラン、β−メチル−δ−グリシドキ
シブチルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン等の脂肪族エポキシ化合物、あ
るいは、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルト
リメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)メチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)メチルトリプロポキシシラン、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチルトリブトキシシラ
ン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメト
キシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロ
ピルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)プロピルトリプロポキシシラン、(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)プロピルトリブトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル
トリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)ブチルトリプロポキシシラン、(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)ブチルトリブトキシシラン等の脂環式
エポキシ化合物を例示することができる。
【0091】重合性有機化合物の配合量は、ハードコー
ティング用組成物の固形分の10〜90重量%、特に2
0〜80重量%、最適には30〜70重量%の範囲が好
ましい。配合量が少なすぎるとプラスチック被塗布物や
後に成膜する反射防止膜との密着性が悪くなる場合があ
り、一方、配合量が多すぎると硬化被膜にクラックが生
じる場合がある。
【0092】無機微粒子は、ハードコート被膜のいわゆ
るフィラーとして機能するもので、一般に粒径が1〜1
00mμm程度のものが用いられる。具体的には、S
i,A1,Sn,Sb,Ce,La,Fe,Zn,W,
Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の金属酸化物か
らなる微粒子及び/又はSi,A1,Sn,Sb,T
a,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiか
ら選ばれる2種以上の金属酸化物から構成される複合微
粒子を例示することができる。
【0093】無機微粒子の具体例としては、SiO2
SiO,Al23,Fe23,CeO2,SnO2,Sb
25,Ta25,CeO2,WO3,ZrO2,TiO,
Ti23,Ti25,TiO2等の微粒子が、分散媒た
とえば水、アルコール系もしくはセロソルブ類その他の
有機溶剤にコロイド状に分散したものである。または、
Si,A1,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Z
n,W,Zr,In,Tiの無機酸化物の2種以上によ
って構成される複合微粒子が水、アルコール系もしくは
セロソルブ類その他の有機溶剤にコロイド状に分散した
ものである。
【0094】また、これらの無機微粒子のハードコート
液中での分散安定性を高めるために、これらの微粒子表
面を有機珪素化合物又はアミン系化合物で処理したもの
を使用することも可能である。この表面処理に用いられ
る有機珪素化合物としては、単官能性シラン、三官能性
シラン、四官能性シラン等を例示できる。処理に際して
は、加水分解基が微粒子の水酸基と反応した状態が好ま
しいが、一部残存した状態でも安定性にはなんら問題は
ない。アミン化合物としては、アンモニウム、エチルア
ミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−プ
ロピルアミン等のアルキルアミン、ベンジルアミン等の
アラルキルアミン、ピペリジン等の脂環式アミン、モノ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノ
ールアミン等を例示できる。これらの有機珪素化合物と
アミン化合物の添加量は無機微粒子の重量に対して1〜
15重量%程度の範囲が好ましい。
【0095】ハードコーティング用組成物の固形分中に
おける無機微粒子の配合量は、20〜80重量%、特に
30〜70重量%程度が好ましい。配合量を少なくする
と、組成物の粘度が低くなるが、ハードコート被膜を形
成するために十分な厚さの被膜の膜厚を確保できなくな
る場合があり、一方、配合量が多すぎると、被膜にクラ
ックが発生する場合がある。
【0096】本発明のハードコーティング用組成物の硬
化速度を早くする目的でジシランを配合することも可能
である。
【0097】このジシランとしては、下記一般式(1)
で示される化合物を例示することができる。
【0098】
【化1】
【0099】(式中、R1、R2は炭素数1〜6の炭化水
素基であり、X1、X2は加水分解性基であり、Yはカー
ボネート基又はエポキシ基を含有する有機基であり、m
及びkは0又は1である。) R1、R2の炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル
基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基などが
挙げられる。X1、X2の加水分解性基としては、メトキ
シ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ
基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、アシルオキ
シ基等が挙げられる。
【0100】また、Yのカーボネート基又はエポキシ基
を含有する有機基としては、下記のものを例示すること
ができる。
【0101】
【化2】
【0102】
【化3】
【0103】
【化4】
【0104】
【化5】
【0105】
【化6】
【0106】
【化7】
【0107】
【化8】
【0108】
【化9】
【0109】
【化10】
【0110】
【化11】
【0111】これらのジシラン化合物は、従来公知の方
法で合成することができる。例えば、ジアリルカーボネ
ートとトリクロロシラン等を付加反応させ、その後アル
コキシ化させることにより得ることができる。あるい
は、両末端に付加可能な置換基を持ち、更にその内部に
エポキシ化可能な官能基を含む化合物にトリクロロシラ
ンなどを付加反応させ、その後アルコキシ化させること
により得ることができる。
【0112】ジシランの配合により、硬化速度が向上し
て硬化時間が短くなることは、塗膜形成工程における塗
布表面へのゴミや不純物の付着の可能性を少なくして歩
留まりを向上させることができる。更に、染色性を向上
させる効果や、次に述べる多官能性エポキシ化合物の配
合量を少なくする効果、あるいは塗工する対象物の表面
に存在する傷などの不良個所の存在を目立たなくする上
でも優れた効果を有する。
【0113】このジシランの配合量は、固形分の3〜4
0重量%、特に5〜20重量%の範囲が好ましい。配合
量が少なすぎると反応促進効果が現れない場合があり、
一方、配合量が多すぎると塗膜の耐水性が悪くなった
り、塗液のポットライフが短くなる場合がある。
【0114】また、本発明のハードコーティング用組成
物では、染色成分としての役割や耐水性、耐温水性を向
上させるために、多官能性エポキシ化合物を配合するこ
とが好ましい。この多官能性エポキシ化合物は、塗料、
接着剤、注型用などに広く用いられている。例えば、過
酸化法で合成されるポリオレフィン系エポキシ樹脂、シ
クロペンタジエンオキシドやシクロヘキセンオキシド、
更にヘキサヒドロフタル酸とエピクロルヒドリンから得
られるポリグリシジルエステル等の脂環式エポキシ樹
脂、ビスフェノールAやカテコール、レゾシノール等の
多価フェノール、あるいは(ポリ)エチレングリコー
ル、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ジグリセロール、ソルビトール等の多
価アルコールとエピクロルヒドリンから得られるポリグ
リシジルエーテル、エポキシ化植物油、ノボラック型フ
ェノール樹脂とエピクロルヒドリンから得られるエポキ
シノボラック、フェノールフタレインとエピクロルヒド
リンから得られるエポキシ樹脂、グリシジルメタクリレ
ートとメチルメタクリレートアクリル系モノマーあるい
はスチレンなどの共重合体、更には上記エポキシ化合物
とモノカルボン酸含有(メタ)アクリル酸とのグリシジ
ル基開環反応により得られるエポキシアクリレートなど
が挙げられる。
【0115】更に多官能性エポキシ化合物として、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリ
コールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセ
ロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペン
タエリスリトールトリグリシジルエーテル、ジペンタエ
リスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリ
スリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテ
トラグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリ
シジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロン
ジオールグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキ
シシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂
環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグ
リシジルエーテル、オルトフタル酸ジグリシジルエーテ
ル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、ク
レゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族
エポキシ化合物などを例示することができる。
【0116】この中でも、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエー
テル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロー
ルトリグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテルなど
の脂肪族エポキシ化合物が好ましい。
【0117】多官能性エポキシ化合物の配合量は、固形
分の5〜40重量%、特に5〜20重量%の範囲が好ま
しい。配合量が少なすぎると塗膜の耐水性が不十分とな
る場合があり、一方、配合量が多すぎると、反射防止膜
をハードコート被膜の上に形成した場合に、無機蒸着膜
との密着性が不十分となる場合がある。
【0118】また、一般式がSi(OR)4で表される
四官能性シラン化合物を添加することも有用である。具
体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、テトラアリロキシシラ
ン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テト
ラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2
−エチルヘキシロキシ)シラン等を例示できる。これら
は単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
また、これらは無溶媒下又はアルコールなどの有機溶剤
中で、酸の存在下で加水分解して使用する方が好まし
い。
【0119】また、本発明の組成物には硬化触媒を配合
することができる。硬化触媒としては、例えば次の
(1)〜(4)の群を挙げることができる。 (1)Fe(III)、Al(III)、Sn(IV)
又はTi(IV)の金属元素を中心原子とするアセチル
アセトネート、(2)過塩素酸マグネシウム又は過塩素
酸アンモニウム、(3)脂肪酸の飽和又は不飽和カルボ
ン酸、芳香族カルボン酸、あるいはこれらの酸の無水
物、(4)LI(I)、Cu(II)、Mn(II)又
はMn(III)の金属原子を中心原子とするアセチル
アセトネートから選ばれる1種又は2種以上を併用して
用いることができる。特に、(1)〜(3)の群の硬化
触媒と(4)の群の硬化触媒との併用触媒が、ポットラ
イフが向上するため、好ましい。
【0120】硬化触媒の配合量は、ハードコーティング
用組成物の固形分の0.2〜10重量%、特に0.5〜
3重量%の範囲とすることが好ましい。配合量が少なす
ぎると配合の効果が現れない場合があり、一方、配合量
を多くしてもそれ以上硬化速度が向上しないため不経済
になる場合がある。
【0121】本発明のハードコーティング用組成物で
は、上述した成分以外に、顔料、染料等の着色剤、紫外
線吸収剤、レベリング剤、界面活性剤、粘度調整剤、p
H調整剤、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン
・ヒンダードフェノール系などの耐光耐熱安定剤、酸化
防止剤、耐電防止剤等の成分を含むことができる。これ
らの成分は、固形分を構成する。
【0122】本発明のハードコーティング用組成物をイ
ンクジェット方式によって被塗布物に塗布する方法とし
ては、図4(a)に示すように、インクジェットヘッド
10にハードコート液を充填し、インクジェットヘッド
10を平坦な表面の被塗布物1aの表面と概ね等間隔を
保ちながら、被塗布物との相対位置を制御しつつ、被塗
布物の表面を走査させ、インクジェットヘッドのノズル
から吐出を制御することによって、被塗布物の必要な部
分にハードコート液を均一に塗布することができる。こ
の場合、インクジェットヘッドだけを動かしてもよく、
あるいはインクジェットヘッドをX軸方向に移動させ、
被塗布物をタイミングをとってY軸方向に移動させる方
法でも良い。
【0123】眼鏡レンズのような曲面を有する被塗布物
を塗装する場合は、図4(b)に示すように、平板の被
塗布物1aと同様に、インクジェットヘッド10を水平
方向に動かして、被塗布物1bを載置する台とほぼ等間
隔を保つようにすることにより、ほぼ均一に塗布するこ
とができる。被塗布物1bの曲面とインクジェットヘッ
ド10との距離は曲面の位置によって異なるが、実際上
はほとんど影響がない。また、被塗布物を支持するステ
ージに首振り運動させることで、インクジェットヘッド
と被塗布物の表面との間隔を概ね一定にするような塗装
方法を採用してもよい。
【0124】また、インクジェットヘッドでハードコー
ト液を必要量よりやや多く塗布し、余分のハードコート
液を被塗布物を高速回転させることにより除いて均一な
塗膜を形成する塗布方法も可能である。この場合、イン
クジェットヘッドからの吐出を間欠的ではなくほぼ連続
的にする塗装方法も可能である。
【0125】ハードコート被膜の膜厚としては、0.0
5〜30μmの範囲が好ましい。膜厚が薄すぎると基本
となる性能がでない場合があり、一方、厚すぎると表面
の平滑性が損なわれたり、光学的歪みが発生する場合が
ある。インクジェット方式による1回の塗布で十分な塗
膜の厚みが得られない場合は、複数回の重ね塗りを行う
ことができる。
【0126】本発明のハードコーティング用組成物を用
いてインクジェット方式等で被塗布物を塗装した後、4
0〜200℃、好ましくは80〜130℃の温度で、3
0分〜8時間乾燥させることにより、ハードコート被膜
を被塗布物表面に形成することができる。
【0127】以上説明した組成物は、熱硬化性であった
が、被塗布物が熱可塑性の樹脂である場合は、上述した
重合性有機化合物に代えて紫外線硬化型又は電子ビーム
硬化型の重合性有機化合物を用いることが好ましい。
【0128】例えば、紫外線の照射によりシラノール基
を生成するシリコーン化合物とシラノール基と縮合反応
するハロゲン原子やアミノ基等の反応基を有するオルガ
ノポリシロキサンとを主成分とする光硬化性シリコーン
組成物、三菱レイヨン(株)製のUK−6074等のア
クリル系紫外線硬化型モノマー組成物を例示することが
できる。
【0129】また、本発明のハードコーティング用組成
物は、熱硬化、電子線硬化及び光硬化の2つ以上の硬化
方法を併用し、例えば熱硬化と光硬化を併用することも
可能である。
【0130】このようにして得られたハードコート被膜
に必要により反射防止膜を形成することができる。この
反射防止膜は、無機膜を真空蒸着法、イオンプレーティ
ング法、スパッタリング法などで成膜して形成できる。
真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に
照射するイオンビームアシスト法を用いても良い。ま
た、膜構成としては単層又は2層以上の多層とすること
ができる。
【0131】反射防止膜形成に用いられる無機材料とし
ては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、
Ti23、Ti25、Al23、Ta25、CeO2
MgO、Y23、SnO2、MgF2、WO3等が挙げら
れる。これらの無機材料は単独で又は2種以上の混合物
として用いることができる。
【0132】反射防止膜を形成する際には、密着性を高
めるために、ハードコート被膜の表面処理を行うことが
望ましい。この表面処理としては、酸処理、アルカリ処
理、紫外線照射処理、アルゴン又は酸素雰囲気下で高周
波放電によるプラズマ処理、アルゴン、酸素又は窒素な
どのイオンビーム処理などが例示できる。
【0133】
【実施例】上記表1、表2の実験例を示す。
【0134】<実験例1>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、有機溶媒としてイソプロピルセロ
ソルブを108.04g添加し、5分間攪拌した。その
後、純水を50g添加し、1時間攪拌した。更に、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L
−7001」)の5%希釈液を1.5g及びシリコン系
界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−76
04」)の5%希釈液を1g添加し、10分間攪拌し
た。次に、無機微粒子として、メタノール分散酸化ケイ
素−酸化ジルコニウム−酸化チタン複合微粒子ゾル(商
品名:オプトレイク1120−U25A8、触媒化成工
業株式会社製、固形分25%)を71.21g添加し、
1時間攪拌した。更に、室温で20〜36時間熟成させ
て、固形分10重量%、水分21重量%のハードコーテ
ィング用組成物を調製した。
【0135】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填し、吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0136】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材
からなる平面板に、上記ハードコーティング用組成物
0.09gを連続吐出させた後、120℃で90分間硬
化した。このようにして得られたハードコート被膜には
塗りムラがなく、良好な外観であった。
【0137】<実験例2>実験例1の組成物の調製にお
けるイソプロピルセロソルブの添加量を133.04
g、純水の添加量を25gとした以外は全く同様にし
て、固形分10重量%、水分11重量%のハードコーテ
ィング用組成物を調製した。
【0138】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填して吐
出させたところ、液滴は安定して吐出され、ノズルに目
詰まりは認められなかった。
【0139】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材
からなる平面板に、上記ハードコーティング用組成物
0.09gを連続吐出させた後、120℃で90分間硬
化した。このようにして得られたハードコート被膜には
塗りムラがなく、良好な外観であった。
【0140】<実験例3>実験例1におけるγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランの添加量を4.9
g、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
の添加量を2.32g、0.1N塩酸の添加量を1.8
3g、イソプロピルセロソルブの添加量を152.76
g、メタノール分散酸化ケイ素−酸化ジルコニウム−酸
化チタン複合微粒子ゾルの添加量を35.61gとした
以外は全く同様にして、固形分5重量%、水分21重量
%のハードコーティング用組成物を調製した。
【0141】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填して吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0142】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材
からなる平面板に、上記ハードコーティング用組成物
0.09gを連続吐出させた後、120℃で90分間硬
化した。このようにして得られたハードコート被膜には
塗りムラがなく、良好な外観であった。
【0143】<実験例4>シランカップリング剤とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、イソプロピルセロソルブを83.
04g添加し、5分間攪拌した。その後、純水を75g
添加し、1時間攪拌した。更に、シリコン系界面活性剤
(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7001」)の
5%希釈液を1.5g及びシリコン系界面活性剤(日本
ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)の5%希
釈液を1g添加し、10分間攪拌した。
【0144】次に、メタノール分散酸化ケイ素−酸化ジ
ルコニウム−酸化チタン複合微粒子ゾル(商品名:オプ
トレイク1120−U25A8、触媒化成工業株式会社
製、固形分25%)を71.21g添加し、1時間攪拌
した。更に、室温で20〜36時間熟成させて、固形分
10重量%、水分31重量%のハードコーティング用組
成物を調製した。
【0145】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填して吐
出させたところ、液滴は安定して吐出され、ノズルに目
詰まりは認められなかった。
【0146】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材
からなる平面板に、上記ハードコーティング用組成物
0.09gを連続吐出させた後、120℃で90分間硬
化した。このようにして得られたハードコート被膜には
ハジキによる若干のムラがあり、外観不良であると認め
られる。
【0147】この実験例では塗膜に外観不良が生じた
が、被塗布物の表面を改質して濡れ性を改良すれば、塗
膜の外観不良を改善できる可能性がある。
【0148】<実験例5>実験例1におけるγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランの添加量を19.9
1g、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンの添加量を9.28g、0.1N塩酸の添加量を7.
29g、イソプロピルセロソルブの添加量を18.60
g、メタノール分散酸化ケイ素−酸化ジルコニウム−酸
化チタン複合微粒子ゾルの添加量を142.41gとし
た以外は全く同様にして、固形分20重量%、水分21
重量%のハードコーティング用組成物を調製した。
【0149】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填して吐
出させたところ、液滴は安定して吐出せず、ノズルに目
詰まりが発生したことが認められた。
【0150】次に、本発明の実施例と比較例を示す。
【0151】<実施例1>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、有機溶剤としてブチルセロソルブ
を36.69g添加し、5分間攪拌した。その後、純水
を121.35g添加し、1時間攪拌した。更に、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)社製、商品名
「L−7001」のブチルセロソルブ5%希釈液を1.
50g及びシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)
社製、商品名「L−7604」のブチルセロソルブ5%
希釈液を1.00g添加し、10分間攪拌した。次に、
無機微粒子として、メタノール分散酸化ケイ素一酸化ジ
ルコニウム−酸化チタン複合微粒子ゾル(商品名:オプ
トレイク1120−U25A8、触媒化成工業(株)社
製、固形分25%)を71.21g添加し、1時間攪拌
した。更に、室温で20〜36時間熟成させて、固形分
10重量%、水分50重量%、ブチルセロソルブ16重
量%、メタノール21重量%のハードコーティング用組
成物250gを調製した。
【0152】アセトンで洗浄した厚さ3mm、外径70
mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材からな
る平面板に対するこのハードコーティング用組成物その
ものの接触角θの半値(θ/2)の測定値は、平均1
1.5°であった。
【0153】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填し、吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0154】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズに、
上記ハードコーティング組成物0.09gを連続吐出さ
せた後、120℃で90分間硬化した。このようにして
得られたハ−ドコート被膜は、塗りむらがなく、良好な
外観であった。
【0155】<実施例2>チオウレタン系のプラスチッ
クレンズ素材からなる平面板に対して低圧水銀ランプを
30秒照射し、300mJ/cm2の光量で紫外線照射
処理を行った。
【0156】この紫外線照射処理を行ったプラスチック
レンズ素材の平面板に対する上記実施例1で調製したハ
ードコーティング用組成物そのものの接触角θの半値
(θ/2)は、平均5.93°に低下した。
【0157】この平面板に、実施例1のハードコーティ
ング組成物0.09gを連続吐出させた後、120℃で
90分間硬化した。このようにして得られたハ−ドコー
ト被膜は、塗りむらがなく、良好な外観であり、ハード
コート被膜の密着性も良好であった。
【0158】<実施例3>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、有機溶剤としてブチルセロソルブ
を65.10g添加し、5分間攪拌した。その後、純水
を75.14g添加し、1時間攪拌した。更に、シリコ
ン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−
7001」)のブチルセロソルブ5%希釈液を1.50
g及びシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、
商品名「L−7604」)のブチルセロソルブ5%希釈
液を1.00g添加し、10分間攪拌した。次に、無機
微粒子として、水分散コロイダルシリカ(商品名:CA
TALOID SN、触媒化成工業(株)製、固形分2
0%)を89.01g添加し、1時間攪拌した。更に、
室温で20〜36時間熟成させて、固形分10重量%、
水分約60重量%、ブチルセロソルブ27重量%のハー
ドコーティング用組成物250gを調製した。
【0159】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填し、吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0160】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズに、
上記ハードコーティング用組成物0.09gを連続吐出
させた後、120℃で90分間硬化した。このようにし
て得られたハードコート被膜には塗りムラがなく、良好
な外観であった。
【0161】<実施例4>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、有機溶剤としてブチルセロソルブ
を90.10g添加し、5分間攪拌した。その後、純水
を50.14g添加し、1時間攪拌した。更に、シリコ
ン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−
7001」)のブチルセロソルブ5%希釈液を1.50
g及びシリコン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、
商品名「L−7604」)のブチルセロソルブ5%希釈
液を1.00g添加し、10分間攪拌した。次に、無機
微粒子として、水分散コロイダルシリカ(商品名:CA
TALOID SN、触媒化成工業(株)製、固形分2
0%)を89.01g添加し、1時間攪拌した。更に、
室温で20〜36時間熟成させて、固形分10重量%、
水分約50重量%、ブチルセロソルブ37重量%のハー
ドコーティング用組成物250gを調製した。
【0162】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填し、吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0163】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズに、
上記ハードコーティング用組成物0.09gを連続吐出
させた後、120℃で90分間硬化した。このようにし
て得られたハードコート被膜には塗りムラがなく、良好
な外観であった。
【0164】<実施例5>図5(a)に示すスプレー装
置を用いて、レンズに実施例1で調製したハードコーテ
ィング用組成物を塗布した。
【0165】アセトンで洗浄したチオウレタン系のレン
ズ1を固定部材2に固定した。レンズ1の直上に配置し
たエア霧化式スプレーノズル3から液圧0.07MP
a、空気圧0.21MPaでハードコーティング用組成
物0.18gを霧状4に吐出させた。レンズ1を固定部
材2から取りだした後、120℃で90分間硬化した。
【0166】このようにして得られたハードコート被膜
には塗りムラがなく、良好な外観であった。
【0167】<実施例6>図5(b)に示すようなスプ
レー装置を用いて、レンズに実施例1で調製したハード
コーティング用組成物を塗布した。このスプレー装置
は、レンズ1の中心に両方向に回転自在に支持された回
転部材5の中心軸を一致させてレンズ1を回転部材5に
固定し、レンズ1の直上に配置したエア霧化式スプレー
ノズル3から液体4をレンズに塗布するようになってい
る。
【0168】アセトンで洗浄したチオウレタン系のレン
ズ1を回転部材5に固定した。レンズ1の直上に配置し
たエア霧化式スプレーノズル3から液圧0.07MP
a、空気圧0.21MPaでハードコーティング用組成
物0.35gを霧状4に吐出させた。ハードコーティン
グ用組成物がレンズ表面全体に塗布された後、回転部材
5を1500rpmで回転させ、0.8秒間保持した
後、即停止させた。レンズ1を回転部材5から取りだし
た後、120℃で90分間硬化した。
【0169】このようにして得られたハードコート被膜
には塗りムラがなく、良好な外観であった。
【0170】<実施例7>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。その後、純水を140.25g添加し、
1時間攪拌した。更に、シリコン系界面活性剤(日本ユ
ニカー(株)社製、商品名「L−7001」のブチルセ
ロソルブ5%希釈液を1.50g及びシリコン系界面活
性剤(日本ユニカー(株)社製、商品名「L−760
4」のブチルセロソルブ5%希釈液)を1.00g添加
し、10分間攪拌した。次に、無機微粒子として、ブチ
ルセロソルブ分散酸化ケイ素一酸化ジルコニウム−酸化
チタン複合微粒子ゾル(商品名:オプトレイク1120
−U25A8、触媒化成工業(株)社製、固形分20
%)を89.00g添加し、1時間攪拌した。更に、室
温で20〜36時間熟成させて、固形分10重量%、水
分58重量%、ブチルセロソルブ29重量%のハードコ
ーティング用組成物250gを調製した。
【0171】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填し、吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0172】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズに、
図4(b)に示すように、インクジェットヘッドを水平
方向に動かして上記ハードコーティング組成物0.09
gを連続吐出させて塗装した。その後、120℃で90
分間硬化した。このようにして得られたハ−ドコート被
膜は、塗りむらがなく、良好な外観であった。
【0173】<実施例8>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1
3.54g及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン3.65gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を5.00g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、有機溶剤としてブチルセロソルブ
を58.43g添加し、5分間攪拌した。その後、純水
を107.59g添加し、1時間攪拌した。更に、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)社製、商品名
「L−7604」)のブチルセロソルブ5.88%希釈
液を2.13g添加し、10分間攪拌した。次に、エポ
キシメタクリレートを10.98g添加し5分間攪拌し
た。次に、無機微粒子として、水分散コロイド状シリカ
(触媒化成工業(株)製、商品名CATALOID S
N、固形分20%)を46.77g添加し、5分間攪拌
した後、過塩素酸マグネシウムを0.11g添加し、1
時間攪拌した。更に、室温で20〜36時間熟成させ
て、固形分12.5重量%、水分60重量%、ブチルセ
ロソルブ25重量%のハードコーティング用組成物25
0gを調製した。
【0174】なお、エポキシメタクリレートは、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ケムテック
ス(株)製、商品名「デナコールEX−212」)を6
00g、メタクリル酸を189g、ジメチルアミノエチ
ルメタクリレートを3g、ハイドロキノンメチルエーテ
ルを0.4g、ブチルセロソルブを338gを混合し、
攪拌を行いながら70℃で2時間、80℃で2時間、続
いて90℃で6時間反応させて得られたものである。
【0175】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填し、吐
出させたところ、液滴は安定して吐出し、ノズルに目詰
まりは認められなかった。
【0176】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmの光硬化型のアクリル系プラスチックレンズ
に、図4(b)に示すように、インクジェットヘッドを
水平方向に動かして上記ハードコーティング組成物0.
09gを連続吐出させて塗装した。その後、120℃で
90分間硬化した。このようにして得られたハ−ドコー
ト被膜は、塗りむらがなく、良好な外観であった。
【0177】<比較例1>シランカップリング剤とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.
96g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン4.64gを混合し、5分間攪拌した。これに
0.1N塩酸を3.65g添加し、1時間攪拌して加水
分解を行った。次に、イソプロピルセロソルブを83.
04g添加し、5分間攪拌した。その後、純水を75g
添加し、1時間攪拌した。更に、シリコン系界面活性剤
(日本ユニカー(株)製、商品名「L−7001」)の
5%希釈液を1.5g及びシリコン系界面活性剤(日本
ユニカー(株)製、商品名「L−7604」)の5%希
釈液を1g添加し、10分間攪拌した。
【0178】次に、メタノール分散酸化ケイ素−酸化ジ
ルコニウム−酸化チタン複合微粒子ゾル(商品名:オプ
トレイク1120−U25A8、触媒化成工業株式会社
製、固形分25%)を71.21g添加し、1時間攪拌
した。更に、室温で20〜36時間熟成させて、固形分
10重量%、水分31重量%、イソプロピルセロソルブ
34重量%、メタノール21重量%のハードコーティン
グ用組成物250gを調製した。
【0179】アセトンで洗浄した厚さ3mm、外径70
mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材からな
る平面板に対するこのハードコーティング用組成物その
ものの接触角θの半値(θ/2)の測定値は、平均1
6.9°であった。
【0180】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填して吐
出させたところ、液滴は安定して吐出され、ノズルに目
詰まりは認められなかった。
【0181】また、アセトンで洗浄した厚さ3mm、外
径70mmのチオウレタン系のプラスチックレンズ素材
からなる平面板に、上記ハードコーティング用組成物
0.09gを連続吐出させた後、120℃で90分間硬
化した。このようにして得られたハードコート被膜には
ハジキによる若干のムラがあり、外観不良であると認め
られる。
【0182】<比較例2>重合性有機ケイ素化合物とし
て、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1
9.91g及びγ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン9.28gを混合し、5分間攪拌した。これ
に0.1N塩酸を7.29g添加し、1時間攪拌して加
水分解を行った。次に、有機溶剤としてイソプロピルセ
ロソルブを18.60g添加し、5分間攪拌した。その
後、純水を50g添加し、1時間攪拌した。更に、シリ
コン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L
−7001」)の5%希釈液を1.5g及びシリコン系
界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名「L−76
04」)の5%希釈液を1g添加し、10分間攪拌し
た。次に、無機微粒子として、メタノール分散酸化ケイ
素−酸化ジルコニウム−酸化チタン複合微粒子ゾル(商
品名:オプトレイク1120−U25A8、触媒化成工
業株式会社製、固形分25%)を142.41g添加
し、1時間攪拌した。更に、室温で20〜36時間熟成
させて、固形分20重量%、水分23重量%、イソプロ
プルセロソルブ8重量%、メタノール43重量%のハー
ドコーティング用組成物250gを調製した。
【0183】このハードコーティング用組成物を図1に
示したピエゾ方式のインクジェットヘッドに充填して吐
出させたところ、液滴は安定して吐出せず、ノズルに目
詰まりが発生したことが認められた。
【0184】
【発明の効果】本発明のハードコート被膜の形成方法に
よれば、インクジェット方式でハードコーティング用組
成物を塗布するので、ハードコーティング用組成物の利
用効率が高い。
【0185】また、本発明のハードコート被膜の形成方
法によれば、水分量を多く配合しても濡れ性を良好にし
ているので、インクジェット方式で被塗布物表面に均一
なハードコート被膜を形成することができる。
【0186】また、本発明のハードコート被膜の形成方
法によれば、濡れ性の良好な溶剤を用いているので、水
分量を多く配合してもインクジェット方式で被塗布物表
面に均一なハードコート被膜を形成することができる。
【0187】本発明のハードコーティング用組成物は、
固形分を少なくしたことにより、インクジェットヘッド
での吐出安定性に優れ、インクジェット方式での微小液
滴の吐出による塗膜形成に適した特性を有する。
【0188】本発明のハードコーティング用組成物は、
固形分、水分及び溶剤をインクジェット方式による塗装
のために最適化されたもので、インクジェットノズルで
の吐出性に優れると共に、吐出された微小液滴で被塗布
物の表面に均一に塗膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピエゾ方式のインクジェットヘッドのノズル部
分を拡大した断面図である。
【図2】(a)〜(g)は、接触角を測定する方法を示
すフローチャートである。
【図3】各有機溶剤の接触角θの半値(θ/2)を示す
グラフである。
【図4】インクジェットによる塗布方法を示す概念図で
ある。
【図5】(a)、(b)は、それぞれ実施例で用いたス
プレー塗布方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 被塗布物 10 インクジェットヘッド 20 ケース 21 収納空間 30 流路ユニット 31 ノズルプレート 32 流路形成基板 40 ダイヤフラム 41 ステンレス鋼板 51 ノズル開口部 52 共通インク室 53 ノズル連通口 54 圧力室 55 インク供給口 60 圧電振動子 61 圧電体 62 内部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 143/04 143/04 Fターム(参考) 4D075 AC07 BB46Z CA02 CA37 DA11 DB34 DB43 DB47 DB48 DB50 DC24 EA06 EA07 EB42 EB43 EB56 EB60 EC02 EC03 EC30 EC53 4J038 FA211 GA01 GA06 GA07 GA09 GA10 GA13 HA156 HA216 JA25 KA06 KA20 MA06 NA11 PA06 PA17 PB08

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性有機化合物、無機微粒子並びに溶
    媒として水及び有機溶剤を含有するハードコーティング
    用組成物を、インクジェット方式の微小ノズルから微小
    液滴として被塗布物に吐出して塗布し、塗布したハード
    コーティング用組成物を硬化させてハードコート被膜を
    形成することを特徴とするハードコート被膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 被塗布物に重合性有機化合物、無機微粒
    子並びに溶媒として水及び有機溶剤を含有するハードコ
    ーティング用組成物を塗布し、塗布したハードコーティ
    ング用組成物を硬化させてハードコート被膜を形成する
    方法において、 前記ハードコーティング用組成物が、組成物全体の30
    重量%以上の水を含有し、かつ、前記被塗布物の前記ハ
    ードコーティング用組成物を塗布する表面に対する接触
    角θの半値θ/2が15°以下であることを特徴とする
    ハードコート被膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 被塗布物に重合性有機化合物、無機微粒
    子並びに溶媒として水及び有機溶剤を含有するハードコ
    ーティング用組成物を塗布し、塗布したハードコーティ
    ング用組成物を硬化させてハードコート被膜を形成する
    方法において、 前記水の全組成物に対する配合量が30重量%以上であ
    り、前記有機溶剤が、水9に対して1の重量比で薄めた
    水溶液の前記被塗布物の前記ハードコーティング用組成
    物を塗布する表面に対する接触角θの半値θ/2が15
    °以下である接触角低下溶剤を含有することを特徴とす
    るハードコート被膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載のハードコ
    ート被膜の形成方法において、 前記被塗布物の前記ハードコーティング用組成物を塗布
    する表面が表面改質処理されていることを特徴とするハ
    ードコート被膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のハードコート被膜の形成
    方法において、 前記接触角低下溶剤が、水と相溶性があり、沸点が13
    5℃以上の溶剤であることを特徴とするハードコート被
    膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のハードコート被膜の形成
    方法において、 前記表面改質処理が、紫外線照射であることを特徴とす
    るハードコート被膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項5記載のハードコート被膜の形成
    方法において、 前記接触角低下溶剤が、セロソルブ類であることを特徴
    とするハードコート被膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3記載のハードコート被膜
    の形成方法において、 前記ハードコーティング用組成物を塗布する方法が、微
    小ノズルから微小液滴を吐出して塗装するインクジェッ
    ト方式であることを特徴とするハードコート被膜の形成
    方法。
  9. 【請求項9】 重合性有機化合物、無機微粒子並びに溶
    媒として水及び有機溶剤を含有し、かつ全組成物に対し
    て固形分の配合量が1〜19重量%、水の配合量が0.
    5〜90重量%であって、微小ノズルから微小液滴を吐
    出して塗装するインクジェット方式に用いられることを
    特徴とするハードコーティング用組成物。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のハードコーティング用
    組成物において、 前記有機溶剤が、水と相溶性のある沸点が135℃以上
    の高沸点有機溶剤を全組成物に対して10〜45重量%
    の配合量で含有することを特徴とするハードコーティン
    グ用組成物。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載のハードコーテ
    ィング用組成物において、 前記水の配合量が、30〜84重量%であることを特徴
    とするハードコーティング用組成物。
  12. 【請求項12】 重合性有機化合物、無機微粒子並びに
    溶媒として水及び有機溶剤を含有し、かつ全組成物に対
    して、固形分の配合量が1〜19重量%、前記水の配合
    量が30〜84重量%、水と相溶性のある沸点が135
    ℃以上の高沸点有機溶剤の配合量が10〜45重量%で
    あることを特徴とするハードコーティング用組成物。
  13. 【請求項13】 請求項9又は12記載のハードコーテ
    ィング用組成物において、 前記重合性有機化合物が、一分子中に重合性基と加水分
    解性基とを含む有機けい素化合物であることを特徴とす
    るハードコーティング用組成物。
  14. 【請求項14】 請求項10又は12記載のハードコー
    ティング用組成物において、 前記高沸点有機溶剤が、セロソルブ類であることを特徴
    とするハードコーティング用組成物。
  15. 【請求項15】 請求項9又は12記載のハードコーテ
    ィング用組成物において、 前記無機微粒子が、粒径1〜100ミリミクロンのS
    i、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Z
    n、W、Zr、In、Tiから選ばれる1種以上の金属
    酸化物からなる微粒子および/またはSi、Al、S
    n、Sb、Ta、Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、
    In、Tiからなる群から選ばれる2種以上の金属酸化
    物から構成される複合微粒子であることを特徴とするハ
    ードコーティング用組成物。
  16. 【請求項16】 請求項12記載のハードコーティング
    用組成物において、 微小ノズルから微小液滴を吐出して塗装するインクジェ
    ット方式に用いられることを特徴とするハードコーティ
    ング用組成物。
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JP2010031188A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Central Glass Co Ltd 手塗り可能なゾルゲル膜形成用塗布液

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