JP2010031188A - 手塗り可能なゾルゲル膜形成用塗布液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゾルゲル膜を得るための塗布液であり、固形分及び溶媒を有し、該固形分はアルコキシシランを酸性水溶液中で加水分解及び重縮合することで得られる酸化ケイ素オリゴマーを有し、該溶媒は、エチレングリコールモノアルキルエーテルと前記酸性水溶液とを有し、前記酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、塗布液中での固形分の含有量が8〜30重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上であること。
【選択図】なし
Description
また、本発明で溶媒は、前記エチレングリコールモノアルキルエーテルに加え、炭素数が3以下のアルコール(以下、「低級アルコール」と表記される場合有り)を有することが好ましい。これは、低級アルコールは基板への濡れ性を向上させるからである。炭素数が3以下のアルコールを有する場合、前記エチレングリコールモノアルキルエーテル量は、低級アルコールに対して重量比で0.4〜6倍、好ましくは0.7〜4倍となるように調整されることが好ましい。この低級アルコールの例は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールである。そして、この低級アルコールは、アルコキシシランが加水分解することで発生した低級アルコールであってもよい。
(1)外観評価
ゾルゲル膜の外観、透明性、クラックの有無を目視で評価し、問題ないものを合格(A)、問題のあったものを不合格(B)とした。
“JIS R 3212(1998年)”の『3.12透視ひずみ試験』に準拠して試験を行った。1分以下を、建築用、車両用を始めとするガラス製品として用いることが可能な歪とした。
“JIS K 5600−5−4(1999年)”に準拠して、三菱鉛筆株式会社製ユニ(6B〜9H)を用いて鉛筆硬度試験を行った。7H以上を建築用、車両用を始めとするガラス製品として実用性のある硬度、9H以上を優れた硬度とした。
カッターナイフで膜を削り取り、小阪研究所製サーフコーダET4000Aを用いて、段差測定した。
東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定し、ポリスチレンで換算された数平均分子量(Mn)を算出した。
(塗布液の調製)
メチルトリエトキシシラン(MTES)3.59g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)、5.03g、0.5N酢酸10.46g(水分量がMTES+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。エチレングリコールモノブチルエーテルの沸点は171℃である。
300mm×300mm×3.45mm(厚)のガラス基材の表面を研磨液で研磨し、水洗及び乾燥した。なお、ここで用いた研磨液は、ガラス用研磨剤ミレークA(T)(三井金属鉱業製)を水に混合した2重量%のセリア懸濁液である。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TMOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。MTESの代わりにGPTMSを用いた以外は、実施例1と同様とした。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)2.54g、テトラエトキシシラン(TEOS)9.36g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)10.06g、0.5N酢酸8.03g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。酸化ケイ素オリゴマー成分の重量比を変更した以外は、実施例2と同様とした。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、ゾル溶液を得た。その後、ゾル溶液10gと平均粒径60nmのITO超微粒子が分散された溶液(ITO超微粒子の含有量30重量%、溶媒:イソプロピルアルコール;三菱マテリアル社製ITO微粒子分散液(30重量%))5gとを混合し塗布液を得た。塗布液の固形分の含有量は20重量%、酸化ケイ素オリゴマー成分量は10重量%、固形分中の酸化ケイ素量は50重量%、粘度は5.4mPa・sであった。他は、実施例1と同様である。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、ゾル溶液を得た。その後、ゾル溶液10gと平均粒径60nmのSiO2超微粒子が分散された溶液(SiO2超微粒子の含有量30重量%、溶媒:イソプロピルアルコール;日産化学社製SiO2微粒子分散液(30重量%))5gとを混合し塗布液を得た。塗布液の固形分の含有量は20重量%、アルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマー成分量は10重量%、固形分中の酸化ケイ素量は50重量%、粘度は5.8mPa・sであった。他は、実施例1と同様である。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)2.07g、テトラエトキシシラン(TEOS)11.83g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)6.65g、0.5N酢酸9.45g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、ゾル溶液を得た。その後、ゾル溶液12gと青色の有機顔料分散液(銅フタロシアニン系顔料、顔料濃度10重量%、溶媒:イソプロピルアルコール)3gとを混合し塗布液を得た。塗布液の固形分の含有量は20重量%、アルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマー成分量は13重量%、固形分中の酸化ケイ素量は87重量%、粘度は5.8mPa・sであった。他は、実施例1と同様である。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.64g、テトラエトキシシラン(TEOS)3.64g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)22.82g、0.5N酢酸2.91g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。酸化ケイ素オリゴマーの濃度を変更した以外は、実施例2と同様とした。本比較例での塗布液の性状を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)2.54g、テトラエトキシシラン(TEOS)9.36g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)10.06g、0.5N酢酸8.03g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で60時間攪拌して塗布液を得た。攪拌時間を長くすることで数平均分子量が変わっている以外は、実施例3と同様である。本比較例での塗布液の性状、該塗布液が塗布されてなる基材の物性値を表1に示す。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エタノール(EtOH)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。本比較例と実施例2との差異は、エチレングリコールモノブチルエーテルがエタノールとなっている点である。エタノールの沸点は78.0℃、粘度は1.1mPa・sであった。塗布液の粘度は4.6mPa・sであった。実施例1と同様に塗布を行ったところ、膜面に不織布の払拭方向にスジ状のムラ(スジムラ)が見られた。透視歪試験を行ったところ、3分と大きかった。本比較例での塗布液の性状、該塗布液が塗布されてなる基材の物性値を表1に示した。
Claims (8)
- ゾルゲル膜を得るための塗布液であり、該塗布液は固形分及び溶媒を有し、該固形分はアルコキシシランを酸性水溶液中で加水分解及び重縮合することで得られる酸化ケイ素オリゴマーを有し、該溶媒は、エチレングリコールモノアルキルエーテルと前記酸性水溶液とを有し、前記酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、塗布液中の固形分の含有量が8〜30重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上である塗布液。
- 炭素数が3以下のアルコールを含み、エチレングリコールモノアルキルエーテルが該アルコールに対して重量比で0.4〜6倍である請求項1に記載の塗布液。
- アルコキシシランがトリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランを有する請求項1又は2に記載の塗布液。
- 前記トリアルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマーと前記テトラアルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマーとの重量比が、20:80〜50:50である請求項3に記載の塗布液。
- 塗布液に含まれる水分量が、前記アルコキシシラン量に対して、モル比で5倍以上である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗布液。
- 前記固形分が、平均粒径が10〜200nmの微粒子を有する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗布液。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗布液を基材に塗布する工程を有する、ゾルゲル膜の製法。
- 塗布液に基材を塗布する手段が、塗布液を保持した部材を基材に接触させる手段、及び塗布液を基材に給液した後、部材で前記塗布液を引き延ばす手段から選ばれる少なくとも一つである請求項7に記載のゾルゲル膜の製法。
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