JP2010031188A - 手塗り可能なゾルゲル膜形成用塗布液 - Google Patents

手塗り可能なゾルゲル膜形成用塗布液 Download PDF

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崇 齋尾
Soichi Kumon
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Yoshinori Akamatsu
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Abstract

【課題】本発明は、塗布液の成分を検討することにより、手塗りなどの省設備で塗布可能な塗布手段であっても、硬度、透明性を初めとする外観、透視歪、膜厚等の点で品質が良いゾルゲル膜を得ることが可能な塗布液を提供することを課題とする。
【解決手段】ゾルゲル膜を得るための塗布液であり、固形分及び溶媒を有し、該固形分はアルコキシシランを酸性水溶液中で加水分解及び重縮合することで得られる酸化ケイ素オリゴマーを有し、該溶媒は、エチレングリコールモノアルキルエーテルと前記酸性水溶液とを有し、前記酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、塗布液中での固形分の含有量が8〜30重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上であること。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルコキシド化合物を加水分解及び重縮合する工程を有する方法を経て形成された膜、すなわちゾルゲル膜に関する。
ゾルゲル膜は、アルコキシド化合物を加水分解及び重縮合反応させてオリゴマーを有する塗布液を形成し、これを基材に塗布、そして乾燥させる等の工程を経て形成された膜である。ゾルゲル膜は、光学的、電気的、化学的に機能を生じせしめることが可能な機能性材料を導入することが可能なので、様々な用途での使用、提案がなされている。特に、0.5μmを超える膜厚をもつゾルゲル膜は、光学的、化学的な機能を付与することを考えた場合、有用性が高い。
一方、ゾルゲル膜の実用を考えた場合、膜の耐摩耗性、及び硬度を高いものとすることが重要な検討課題である。特許文献1では、有機ケイ素化合物10〜30重量%、金属酸化物微粒子ゾル30〜60重量%、水溶性有機溶媒10〜50重量%、硬化触媒0.1〜5重量%に、界面活性剤の添加量を調整することでディッピング法により平滑性に優れ、かつ耐摩耗性にも優れる被膜が得られることが開示されている。
また、特許文献2では、トリアルコキシシラン100重量部とテトラアルコキシシラン130重量部とからなる有機ケイ素化合物の部分縮合物と、シリカ微粒子とを含有することを特徴とする被覆用組成物が開示されている。さらに、特許文献3ではシリコンアルコキシド濃度がSiO換算で3質量%を超え9質量%未満であり、水及び酸の濃度を調整することで硬いシリカ系膜を形成することができる形成溶液が開示されている。
特許文献4では、アルキルアルコキシシラン100重量部とテトラアルコキシシラン0.1〜20重量部とを加水分解重縮合した共重合体、及びシリカ微粒子からなる被覆用組成物が開示され、膜の表面平滑性が検討されている。
他方、ゾルゲル膜の硬度、透視歪、膜厚等の品質には、基材への塗布液の塗布手段が大きな影響を与える。塗布液の性状は、塗布液の基材への塗布手段に大きな制限を与えるにもかかわらず、ゾルゲル膜についての塗布液を扱う先行技術の多くは、塗布方法は問わないとしている。そして、多くの先行技術は、事実上、ディップコート法、スピンコート法、フローコート法、スプレーコート法などの手段を用いて、塗布液を塗布することが前提となっている。
そのため、手塗りなどの省設備で塗布可能な塗布手段であっても、硬度、透明性を初めとする外観、透視歪、膜厚等の点で品質が良いゾルゲル膜を得ることが可能な塗布液は、上記したゾルゲル膜の産業上での利用可能性から意義の高いものである。また、この塗布手段は、塗布液の基材への塗着効率が良く、資源を無駄にし難いことから、省資源化の観点からも意義の高いものである。
特許文献5では、有機高分子化合物と金属酸化物とが化学的に結合した複合体を含む、手塗りや手動によるスプレーコーティングが可能なコーティング剤が開示されているものの、形成される膜の耐摩耗性や耐候性については改善すべき余地が大きく、さらなる検討を必要としている。
特開2002−228989号公報 特開平01−306476号公報 特開2006―111851号公報 特開平08−283661号公報 特開2001−316635号公報
手塗りなどの手段による塗布方法に供すことが可能な塗布液とするためには、基材に塗布された塗布液のレベリングや溶媒の乾燥を塗布液含有の成分によって制御がなされる必要がある。この制御がうまくなされないと、得られるゾルゲル膜は、スジやクラックなどの欠陥を有するものとなりやすい。
本発明は、塗布液の成分を検討することにより、手塗りなどの省設備で塗布可能な塗布手段であっても、硬度、透明性を初めとする外観、透視歪、膜厚等の点で品質が良いゾルゲル膜を得ることが可能な塗布液を提供することを課題とする。
本発明のゾルゲル膜を得るための塗布液は、固形分(膜を形成する材)及び溶媒を有し、該固形分はアルコキシシランを酸性水溶液中で加水分解及び重縮合することで得られる酸化ケイ素オリゴマーを有し、該溶媒は、エチレングリコールモノアルキルエーテルと前記酸性水溶液を有し、前記酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、塗布液中の固形分の含有量が8〜30重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上であることを特徴とする。
ここで、ゾルゲル膜とは、基材上に形成される膜で、前記酸化ケイ素オリゴマーを経て得られた酸化ケイ素化合物を有する膜のことで、好ましくは0.5μm〜5μmの膜厚を有し、より好ましくは、該酸化ケイ素化合物がシロキサン結合を介して基材と結合して形成された膜のことを言う。
基材に塗布された塗布液のレベリング、すなわちゾルゲル膜を形成する固形分厚みの平滑化及び均質化の達成度合いは、ゾルゲル膜表層のスジムラ、膜中に内在しうる泡の大きさの程度、膜の透視歪みの大小、クラックの存在有無、ヘーズ値などに表れる外観品質に大きな影響を与える。さらに、厚い膜を得ようとすれば、クラックがより発生しやすくなるため、技術的障壁はより高いものとなる。本発明では、この平滑化及び均質化の達成度合いについては、「レベリング性」と表記する場合がある。
手塗りなどの塗布手段では、その製造過程に起因して塗布液に対してより高いレベリング性が要求されるため、塗布液成分の最適化によって達成させる必要がある。本発明でレベリング性に与える要因を考察した結果、塗布液の溶媒の揮発速度、塗布液の粘度、塗布液中の固形分濃度などが塗布された塗布液のレベリング性に影響を与えるものであるとの知見を得た。
そして、特には、塗布液の粘度が7mPa・s以下の場合にレベリング性に優れ、品質の良いゾルゲル膜を得やすいとの知見を得た。尚、本発明での粘度は、全て25℃で測定されたものを示している。
そして、塗布液中の固形分の形態と含有量、溶媒種を適切化することで、手塗りなどの省設備で塗布可能な塗布手段であっても、品質の高いゾルゲル膜を得ることが可能な塗布液を達成せしめた。塗布液のレベリング性の向上は、塗布された塗布液中の固形分相に溶媒成分の保持させやすくなることに繋がる。溶媒を成す化学種の粘度が高いと、該固形分相への溶媒成分の保持されやすさは、形成されるゾルゲル膜の空隙率の向上、すなわち被膜の硬度を低下させることに繋がる。
本発明では、沸点が100℃以上、かつ粘度が3.5mPa・s(25℃測定)以下の有機溶媒を使用することで、この問題の解決を図り、該溶媒として、中でもエチレングリコールモノアルキルエーテルを使用することで、ゾルゲル膜の硬度を高いものとせしめることに奏功した。
本発明では、塗布液の固形分において、酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、好ましくは500〜3000とされ、塗布液中の固形分の含有量が8〜30重量%、好ましくは9〜25重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上、好ましくは20重量%以上とされる。
塗布液中の固形分の含有量が8重量%未満では、塗布液のハジキ欠陥が生じやすく、固形分が30重量%超では、塗布液の粘度が高くなり、レベリング性が悪くなりやすい。
さらに、酸化ケイ素オリゴマーの数平均分子量は500〜4000とされる。数平均分子量が4000超の場合、塗布液の粘度が7mPa・sを超えたものとなりやすく、レベリング性の低下が見られる。また、アルコキシシランの加水分解反応が進行する条件では、同時に重縮合反応も進行するため、数平均分子量は500未満に制御することは難しい。尚、ここでいう数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析において、ポリスチレン換算で計算される数平均分子量を示す。
尚、本発明で「手塗り」とは、塗布液を保持した部材を基材に接触させる手段、塗布液を基材に給液した後、部材で前記塗布液を引き延ばす手段から選ばれる少なくとも一つの手段で基材上に塗布液を塗布する技術手段のことを指す。塗布液を保持する部材、塗布液を引き延ばす部材としては、布、紙、不織布、ガーゼ、スポンジ、フェルトなどが挙げられる。該部材を基材に接触させる手段、塗布液を引き延ばす手段は、人の手によるもの、ロボットや機械などによるものなどがある。
本発明のゾルゲル膜を得るための塗布液は、基材に塗布する際のレベリング性に優れ、塗布液を効率良く基材に塗着させることができる。自動車などの輸送機、建築物、産業機器、電気製品などに使用される窓ガラス用又は鏡用の基材、又は表示装置、半導体基板などに使用される基材などに対して、目視的に均質なゾルゲル膜を低コストで成膜せしめることに奏功する。
そして、本発明の塗布液は、手塗りであっても、目視的に均質なゾルゲル膜を形成せしめるので、塗布される基材の形状は、平面、曲面のいずれのものとしてもよい。
本発明のゾルゲル膜を得るための塗布液は、固形分及び溶媒を有し、該固形分はアルコキシシランを酸性水溶液中で加水分解及び重縮合することで得られる酸化ケイ素オリゴマーを有し、該溶媒は、前記沸点がエチレングリコールモノアルキルエーテルと前記酸性水溶液とを有し、前記酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、塗布液中の固形分の含有量が8〜30重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上であることを特徴とする。
本発明での溶媒は、酸性水溶液とエチレングリコールモノアルキルエーテルを有する。酸性水溶液は、用いられるアルコキシシランのアルコキシ基の加水分解速度に応じて、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、フタル酸、コハク酸などの有機酸等の酸触媒を有する水溶液が選択されることが好ましい。そして、アルコキシシランの加水分解及び重縮合時の溶液、すなわち、酸化ケイ素オリゴマーを有する溶液(酸化ケイ素オリゴマーを有する溶液を「シリカゾル溶液」と表記する場合有り)中でのpH値が1乃至5となるように酸触媒が添加されることが好ましい。
例えば、テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランを出発原料とする場合、pH値が2程度であるとポットライフが長くなるため、pH値が1.5〜2.5となるようにすることが好ましく、該pH値に設定しやすい酢酸、フタル酸等の酸解離定数が低い弱酸を酸触媒として用いることが好ましい。
また、酢酸やフタル酸等の酸解離定数が低い弱酸は、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸に比較して、塗布液中の水分量が変わった場合も、pH値の変化が小さい。そのため、塗布液を保持した部材を基材に接触させるコーティング方法を用いる場合でも、塗布工程中、塗布液に含まれる有機溶媒や水の蒸発、乾燥が生じて、酸触媒濃度が変わったとしても、pH値の変化が小さくなるために好ましい。
エチレングリコールモノアルキルエーテルは、一般式[1]で表されるエチレングリコールモノアルキルエーテルであることが好ましく、Rはメチル、エチル、プロピル、又はブチル基であることが好ましい。
HOCHCHOR [1]
また、本発明で溶媒は、前記エチレングリコールモノアルキルエーテルに加え、炭素数が3以下のアルコール(以下、「低級アルコール」と表記される場合有り)を有することが好ましい。これは、低級アルコールは基板への濡れ性を向上させるからである。炭素数が3以下のアルコールを有する場合、前記エチレングリコールモノアルキルエーテル量は、低級アルコールに対して重量比で0.4〜6倍、好ましくは0.7〜4倍となるように調整されることが好ましい。この低級アルコールの例は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールである。そして、この低級アルコールは、アルコキシシランが加水分解することで発生した低級アルコールであってもよい。
本発明の溶媒は、酸性水溶液とエチレングリコールモノアルキルエーテルとを有している。そして、好適な形態として、さらに低級アルコールを有している。酸性水溶液とエチレングリコールモノアルキルエーテルを溶媒の主成分とした場合、溶媒の主成分量は、塗布液の粘度を低く抑えるために、溶媒総量に対して、重量比で0.5〜1倍量、好ましくは、0.7〜1倍量とすることが好ましい。この中で、酸性水溶液の量は、アルコキシシランの加水分解反応に必要な水分量を確保するための量が必要であり、塗布液に含まれる水分量が前記アルコキシシラン量に対して、好適にはモル比で5倍以上、さらには7倍以上、20倍以下となるように、溶媒総量に対して、酸性水溶液を重量比で0.01〜0.8倍量、好ましくは、0.1〜0.5倍量とすることが好ましい。
本発明の塗布液で使用されるアルコキシシランとしては、トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランを用いることが好ましい。トリアルコキシシランからの加水分解・重縮合物では、網目構造を形成するシロキサン結合[−Si−O−Si−]が、一つのケイ素あたり3個となる。これから形成される重縮合物は、シロキサンネットワークによる網目架橋を形成しつつ、ケイ素原子に結合する有機基のために、重縮合体の構造中に空間的な余裕が生じせしめる。従って、ゲル化時の発生応力が比較的小さく、形成される膜でクラックが生じにくい。
反応活性基が2個以下のアルコキシシランを使用した場合、3個のものを使用した場合と比べ、重縮合体の構造中に空間的余裕をより生じさせるが、鎖状のネットワークしか形成しないので、得られる膜の耐摩耗性などが低下する傾向がある。
また、実用上十分な膜の耐摩耗性を有することが要求される用途、例えば建築用や車両用を始めとする窓に、本発明で得られる膜を用いる場合、酸化ケイ素オリゴマーから形成されるケイ素化合物の架橋密度を高いものとすることが好ましい。そのためには、アルコキシシランには、シロキサン結合が4個形成されるテトラアルコキシシランが使用されることが好ましい。
テトラアルコキシシランの使用は、耐摩耗性の高い膜の形成に奏功する。テトラアルコキシシランは、シロキサン結合が4個形成されるために膜の架橋密度がより高くなるためである。
しかしながら、該化学種の使用は、膜形成過程におけるゲル化時に、架橋構造中の空間的な余裕を少なくする傾向があるので、膜中にクラックが生じやすくなる。これを考慮すると、使用されるアルコキシシランの一つは、トリアルコキシシランを用いる必要がある。そして、塗布液において、トリアルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマーと前記テトラアルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマーとの重量比が、20:80〜50:50、好ましくは25:75〜40:60にとなるように調整されることが好ましい。これにより、“JIS K 5600−5−4(1999年)”に準拠した鉛筆硬度試験において、7H以上の硬さを持つ膜を得ることが可能である。
トリアルコキシシランには、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン等を使用できる。
さらに、3つのアルコキシ基以外に化学結合する有機基により、何らかの機能を付与することも可能である。例えば、耐摩耗性を向上させる目的でエポキシ基やオキセタニル基がついた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、5、6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5、6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−オキセタニルプロピルトリメトキシシラン、3−オキセタニルプロピルトリエトキシシラン等を使用できる。
前記テトラアルコキシシランには、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシランなどを使用することが可能である。そして、前記トリ及びテトラアルコキシシランは、それぞれ単独種の化合物を使用してもよいし、複種の化合物を使用してもよい。
また、本発明の塗布液には、ゾルゲル膜に種々の機能を付与する目的や膜の耐摩耗性、耐クラック性を向上させる目的のために、平均粒径が10乃至200nmの微粒子が含まれていてもよい。この場合、塗布液中に含まれる粒径が10乃至200nmの微粒子は、塗布液中の酸化ケイ素オリゴマー成分100重量部に対して0.1〜200重量部とすることが好ましい。
前記微粒子は、微粒子が塗布液中で凝集することなく、均一に分散していることが好ましい。前記微粒子の分散は、あらかじめ分散媒に分散させて分散液を形成した後、塗布液と混合させても良いし、また塗布液中で分散を行っても良い。微粒子の分散は、ボールミル、ジェットミル、ビーズミル、サンドミル、超音波分散法などの方法を用いる事が出来る。尚、ここで言う微粒子の平均粒径とは、動的光散乱法により、液体中の数平均の粒子径を測定することで得られる。
前記微粒子には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、ITO、ATOなどの酸化物微粒子、鉄、金、銀、銅などの金属微粒子などを用いることが出来る。これら微粒子は、膜に様々な機能性を付与することが可能である。特に、ITOは1000nm以上の波長の近赤外線を効率的に遮蔽することが知られており、ITOを含んだ塗布液は赤外線カット膜を作製する塗布液として有用である。さらに、前記微粒子は膜の耐クラック性の向上にも寄与する場合がある。
また、酸化亜鉛は380nm以下の波長の紫外線を効率的に遮蔽することが知られており、酸化亜鉛微粒子を含んだ塗布液は紫外線カット膜を作製する塗布液として有用である。さらにまた、紫外線を遮蔽する材料として、酸化チタン微粒子、酸化セリウム微粒子、ベンゾフェノン系分子、あるいは、ベンゾトリアゾール系分子などが含まれていても良い。
さらに、塗布液に可視領域に吸収を持つ染料、有機顔料、無機顔料、あるいは、金属微粒子が含まれる場合は、着色膜を作製する塗布液として用いることができる。また、本発明の塗布液により形成される膜に機能性を付与する目的で、有機、無機、又は有機―無機ハイブリッドの機能性材料を添加しても良い。
塗布液のレベリング性をさらに向上させる目的で、塗布液にレベリング剤を微量添加してもよい。レベリング剤は、界面活性剤系、シリコーン系などのレベリング剤を選ぶことが可能であるが、本発明の塗布液との相溶性を考慮すると、水溶性のレベリング剤を用いることが好ましい。
また、塗布液を形成する際に、さらに金属錯体を硬化触媒として添加して塗布液を形成してもよい。該硬化触媒を添加すると、得られるゾルゲル膜の硬度、耐摩耗性が向上するので好適である。該硬化触媒は、塗布液中の酸化ケイ素オリゴマー量に重量比で、0.05倍量迄加えてもよい。0.05倍量超では、添加量に対する触媒効果が薄くなる傾向があるので、大量の触媒を添加する必要はない。他方、触媒効果を発揮させるためには、硬化触媒は処理剤中の酸化ケイ素オリゴマー量に重量比で、0.0001倍量以上添加することが好ましい。
硬化触媒は、特に、スズ、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなどの金属錯体がより好適に用いられる。ここで、金属錯体は弗化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、アセチルアセトナート塩などが好ましい。
本発明の塗布液はレベリング性が高いため、手塗りなどのような表面が平滑で透視歪の少ないゾルゲル膜を得ることが難しい手段を用いた場合でも、基材上に、膜厚が0.5〜5μmの比較的厚膜であって、透視歪が1分以下で、透明性を初めとする外観、硬度、及び耐久性等が良好なゾルゲル膜を作製することが可能である。また、その他平滑化や均質化が比較的容易なスピンコーティング、ディップコーティング、フローコーティング、スプレーコーティングなどの手段を用いても、当然ながら基材に塗布することができる。
尚、前記透視歪は“JIS R 3212(1998年)”の3.12透視ひずみ試験の項目に記載される方法で定義される。本発明で定義される方法による透視歪の測定では、基材+膜で測定することになるが、基材の透視歪が0.5分以下と低い場合には、膜が形成された基材で得られる測定値を膜の透視歪とみなしてよい。尚、基材の透視歪が0.5分超の場合、基材を薄く加工して基材の透視歪を0.5分以下と小さくする。又は、同じ手法で、透視歪が0.5分以下の基材でゾルゲル膜が形成された基材を形成し、該基材から得られる透視歪を膜の透視歪として準用してもよい。
本発明の塗布液を、手塗りで基材に塗布する場合、布、スポンジ、刷毛、ブラシ、不織布等の部材に塗布液を含浸、浸透させる等の手段で塗布液を保持させ、該部材をロボットや人間の手等で基材に接触させることで基材上に塗布液を塗着させる。または、基材に塗布液を給液した後、塗布液に布、スポンジ、刷毛、ブラシ、不織布等の部材を接触させ、給液された塗布液を引き延ばしてもよい。さらには、これらの組み合わせとしてもよい。
そして、本発明の塗布液の被塗布対象である基材は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス基材の場合には、建築用や車両用を始めとする窓や鏡、ディスプレイ用に使用されているフロ−ト板ガラス、又はロ−ルアウト法で製造されたソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス等無機質の透明性がある板ガラスを使用できる。当該板ガラスには、無色のもの、着色のもの共に使用可能で、他の機能性膜との組み合わせ、ガラスの形状等に特に限定されるものではない。
基材の形状は、平板、曲げ板を問わず、さらには、風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の各種強化ガラスの他に網入りガラスも使用できる。さらには、ホウケイ酸塩ガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス、低膨張結晶化ガラス、ゼロ膨張結晶化ガラス、TFT用ガラス、PDP用ガラス、光学フィルター用基材ガラス等の各種ガラス基材を用いることができる。
また、ガラス基材以外にポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂基材を使用してもよい。
さらに、本発明の塗布液が塗布される基材は、その被塗布面に被膜が形成されていても良い。例えば、基材の被塗布面に形成されている被膜(下地膜)が化学的耐久性に劣る場合、本発明の塗布液から形成される被膜は、厚い被膜をクラックが生じることなく形成させられるので、下地膜が水、酸、アルカリなどからダメージを受けるのを防ぐ効果がある。また、下地膜が耐傷付き性に劣る場合、本発明の塗布液から形成される被膜は、下地膜に傷がつくのを防ぐ効果がある。
さらにまた、本発明の塗布液から形成される被膜の上に、さらに被膜を形成してもよい。
次に本発明を実施する手順の一例を説明する。塗布液は、アルコキシシラン、エチレングリコールモノアルキルエーテル、及び酸性触媒等を含む水を所定量混合、攪拌することで得られる。前記攪拌のための時間は、10分から20日が好ましく、特に1時間から4日が好ましいが、室温以外で攪拌する場合はこれに限定されるわけではない。加熱した場合、反応を促進させ、攪拌時間を短くすることが可能である。
以上のようにアルコキシシランの加水分解は、十分な量の水と酸触媒を添加し行うことができ、その反応は十分に進行させる必要がある。一方、加水分解反応が起こると同時に、加水分解物は脱水反応である重縮合反応を起こす。塗布液の粘度や膜の耐摩耗性の観点から見た場合、重縮合反応の進行は好ましくないため、加水分解反応は進行するが、重縮合反応は進行しにくいように、反応開始前に水をアルコキシシランの5モル倍以上、好ましくは7モル倍以上含む塗布液とすることが望ましい。
ここで、2種以上のアルコキシシランを用いた場合、加水分解反応は別々に行い、後で混合しても良いし、一緒に行っても良い。なお、他の塗布液の調製例としては、上記のようなアルコキシシランを溶媒で希釈したものと、溶媒で希釈した酸性水溶液を徐々に混合する方法がる。この例は、急激な反応を避けることができ、より均質な反応が得られやすい。
そして、調製された塗布液を基材に塗布し、乾燥する。乾燥雰囲気は、室温で乾燥してもよいが、ゾルゲル膜により高い耐摩耗性や硬さが必要であれば、50〜300℃で焼成を行うのが望ましい。これにより、ゾルゲル膜は、鉛筆硬度において7H以上の硬さを持つ膜となる。
以下に本発明の実施例について説明する。
〔ゾルゲル膜の評価方法〕
(1)外観評価
ゾルゲル膜の外観、透明性、クラックの有無を目視で評価し、問題ないものを合格(A)、問題のあったものを不合格(B)とした。
(2)透視歪
“JIS R 3212(1998年)”の『3.12透視ひずみ試験』に準拠して試験を行った。1分以下を、建築用、車両用を始めとするガラス製品として用いることが可能な歪とした。
(3)鉛筆硬度試験
“JIS K 5600−5−4(1999年)”に準拠して、三菱鉛筆株式会社製ユニ(6B〜9H)を用いて鉛筆硬度試験を行った。7H以上を建築用、車両用を始めとするガラス製品として実用性のある硬度、9H以上を優れた硬度とした。
(4)膜厚
カッターナイフで膜を削り取り、小阪研究所製サーフコーダET4000Aを用いて、段差測定した。
(5)酸化ケイ素オリゴマーの数平均分子量の測定
東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定し、ポリスチレンで換算された数平均分子量(Mn)を算出した。
実施例1
(塗布液の調製)
メチルトリエトキシシラン(MTES)3.59g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)、5.03g、0.5N酢酸10.46g(水分量がMTES+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。エチレングリコールモノブチルエーテルの沸点は171℃である。
塗布液の性状を表1に示す。塗布液の酸化ケイ素オリゴマーの含有量は15重量%、該オリゴマーの数平均分子量は2108、粘度は5.6mPa・s、またMTES由来の酸化ケイ素オリゴマー成分とTMOS由来の酸化ケイ素オリゴマー成分の重量比は30:70であった。尚、表1では、塗布液中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量を「塗布液中の酸化ケイ素量」、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量を「固形分中の酸化ケイ素量」として表記した。また、表1中での酸化ケイ素オリゴマー成分の比は、重量比で表されている。
(ゾルゲル膜が形成された基材の作製)
300mm×300mm×3.45mm(厚)のガラス基材の表面を研磨液で研磨し、水洗及び乾燥した。なお、ここで用いた研磨液は、ガラス用研磨剤ミレークA(T)(三井金属鉱業製)を水に混合した2重量%のセリア懸濁液である。
上記塗布液3gが含浸された不織布を手作業で基材に接触させて、塗布された処理剤を該不織布で基材片側全面に十分引き延ばした。結果、不織布への含浸によるロスが若干あったものの、ほぼ全量が基板上に付着した。塗布は、温度25℃、相対湿度45%RHの環境で行った。
その後、200℃で10分間焼成し、室温まで冷却させて外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材を得た。得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。透視歪試験において0.5分以下、鉛筆硬度試験において9Hと、建築用、車両用などのガラス製品として優れたレベルであった。
Figure 2010031188
実施例2
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TMOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。MTESの代わりにGPTMSを用いた以外は、実施例1と同様とした。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
実施例3
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)2.54g、テトラエトキシシラン(TEOS)9.36g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)10.06g、0.5N酢酸8.03g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。酸化ケイ素オリゴマー成分の重量比を変更した以外は、実施例2と同様とした。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
実施例4
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、ゾル溶液を得た。その後、ゾル溶液10gと平均粒径60nmのITO超微粒子が分散された溶液(ITO超微粒子の含有量30重量%、溶媒:イソプロピルアルコール;三菱マテリアル社製ITO微粒子分散液(30重量%))5gとを混合し塗布液を得た。塗布液の固形分の含有量は20重量%、酸化ケイ素オリゴマー成分量は10重量%、固形分中の酸化ケイ素量は50重量%、粘度は5.4mPa・sであった。他は、実施例1と同様である。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
実施例5
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、ゾル溶液を得た。その後、ゾル溶液10gと平均粒径60nmのSiO超微粒子が分散された溶液(SiO超微粒子の含有量30重量%、溶媒:イソプロピルアルコール;日産化学社製SiO微粒子分散液(30重量%))5gとを混合し塗布液を得た。塗布液の固形分の含有量は20重量%、アルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマー成分量は10重量%、固形分中の酸化ケイ素量は50重量%、粘度は5.8mPa・sであった。他は、実施例1と同様である。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
実施例6
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)2.07g、テトラエトキシシラン(TEOS)11.83g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)6.65g、0.5N酢酸9.45g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、ゾル溶液を得た。その後、ゾル溶液12gと青色の有機顔料分散液(銅フタロシアニン系顔料、顔料濃度10重量%、溶媒:イソプロピルアルコール)3gとを混合し塗布液を得た。塗布液の固形分の含有量は20重量%、アルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマー成分量は13重量%、固形分中の酸化ケイ素量は87重量%、粘度は5.8mPa・sであった。他は、実施例1と同様である。結果、外観が良好なゾルゲル膜が形成された基材が得られた。本実施例での塗布液の性状、得られたゾルゲル膜が形成された基材の物性値を表1に示す。
比較例1
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)0.64g、テトラエトキシシラン(TEOS)3.64g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)22.82g、0.5N酢酸2.91g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。酸化ケイ素オリゴマーの濃度を変更した以外は、実施例2と同様とした。本比較例での塗布液の性状を表1に示す。
本比較例では、塗布液中の固形分の含有量は、5重量%であった。そして、実施例1と同様に塗布を行ったところ、塗料がガラス基板にはじかれて、良好な被膜を得ることが出来なかった。
比較例2
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)2.54g、テトラエトキシシラン(TEOS)9.36g、エチレングリコールモノブチルエーテル(EB)10.06g、0.5N酢酸8.03g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で60時間攪拌して塗布液を得た。攪拌時間を長くすることで数平均分子量が変わっている以外は、実施例3と同様である。本比較例での塗布液の性状、該塗布液が塗布されてなる基材の物性値を表1に示す。
塗布液の粘度は7.9mPa・sと実施例3よりも高かった。実施例1と同様に塗布を行ったところ、膜面に不織布の払拭方向にスジ状のムラ(スジムラ)が見られた。透視歪試験を行ったところ、2分と大きかった。
比較例3
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)1.91g、テトラエトキシシラン(TEOS)10.92g、エタノール(EtOH)8.45g、0.5N酢酸8.72g(水分量がGPTMS+TEOSの8mol倍)を混合し、30℃で16時間攪拌して、塗布液を得た。本比較例と実施例2との差異は、エチレングリコールモノブチルエーテルがエタノールとなっている点である。エタノールの沸点は78.0℃、粘度は1.1mPa・sであった。塗布液の粘度は4.6mPa・sであった。実施例1と同様に塗布を行ったところ、膜面に不織布の払拭方向にスジ状のムラ(スジムラ)が見られた。透視歪試験を行ったところ、3分と大きかった。本比較例での塗布液の性状、該塗布液が塗布されてなる基材の物性値を表1に示した。

Claims (8)

  1. ゾルゲル膜を得るための塗布液であり、該塗布液は固形分及び溶媒を有し、該固形分はアルコキシシランを酸性水溶液中で加水分解及び重縮合することで得られる酸化ケイ素オリゴマーを有し、該溶媒は、エチレングリコールモノアルキルエーテルと前記酸性水溶液とを有し、前記酸化ケイ素オリゴマーのポリスチレン換算の数平均分子量が500〜4000、塗布液中の固形分の含有量が8〜30重量%、固形分中の酸化ケイ素オリゴマーの含有量が10重量%以上である塗布液。
  2. 炭素数が3以下のアルコールを含み、エチレングリコールモノアルキルエーテルが該アルコールに対して重量比で0.4〜6倍である請求項1に記載の塗布液。
  3. アルコキシシランがトリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランを有する請求項1又は2に記載の塗布液。
  4. 前記トリアルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマーと前記テトラアルコキシシラン由来の酸化ケイ素オリゴマーとの重量比が、20:80〜50:50である請求項3に記載の塗布液。
  5. 塗布液に含まれる水分量が、前記アルコキシシラン量に対して、モル比で5倍以上である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の塗布液。
  6. 前記固形分が、平均粒径が10〜200nmの微粒子を有する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の塗布液。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の塗布液を基材に塗布する工程を有する、ゾルゲル膜の製法。
  8. 塗布液に基材を塗布する手段が、塗布液を保持した部材を基材に接触させる手段、及び塗布液を基材に給液した後、部材で前記塗布液を引き延ばす手段から選ばれる少なくとも一つである請求項7に記載のゾルゲル膜の製法。
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