JP2006111702A - 塗布液の生成方法、レンズの製造方法および塗布液 - Google Patents

塗布液の生成方法、レンズの製造方法および塗布液 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐擦傷性および反射防止層との密着性の高いレンズの製造方法およびポットライフの長い塗布液を提供する。
【解決手段】 レンズ基材の上にハードコート層を塗布した後に、有機系の反射防止膜を湿式で成膜したレンズを製造する際に、ハードコート層を塗布するために用いられる塗布液を金属酸化物微粒子およびシラン化合物を含む第1の成分に、シラン化合物の加水分解基数の1.5から4.5倍の分子数の水を含む第2の成分を加えて調合する。この範囲の水を過剰に加えて調合された塗布液によるハードコート層に、湿式法により有機系の反射防止膜を重ねて成膜することができ、十分な耐擦傷性を備えたレンズを製造できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼鏡などに用いられるプラスチック製またはガラス製のレンズの製造方法に関するものである。さらに、レンズ基材に塗布する塗布液の生成方法に関するものである。
眼鏡レンズは、ガラスレンズに加え、軽量で安全で、カラーバリエーションの豊富なプラスチックレンズも用いられている。これらレンズ、特に、プラスチックレンズは、表面に傷が付きやすいため、基板の表面にシリコン系のハードコート層(皮膜)を設けられている。
特開平7−149520号公報 特開平11−130982号公報
特許文献1では、ガラスやプラスチック等の基材表面にハードコート層に相当する、コーティング膜として、金属酸化物の中でも高い屈折率を有する酸化チタンを含有し、さらに酸化亜鉛を被覆させ、無色で耐光性に優れたコーティング膜を形成することが開示されている。また、コーティング膜は、チタンアルキシドまたはチタン塩溶液の加水分解により、アルコール中に酸化チタン粒子を分散させたゲルを製造することが開示されている。この加水分解時に使用される水の量は、加水分解性基と等モル程度であり、加水分解の終了後に水は添加されていない。
また、特許文献2には、ハードコート層として、金属酸化物のコロイド状分散体(ゾル)と、有機ケイ素化合物であるシランカップリング剤を主成分としたものが開示されている。金属酸化物のゾルは、ハードコート層の上に積層される、無機蒸着膜(反射防止膜)との密着性および耐摩耗性のために主に付与している。さらに、特許文献2においては、ハードコート層を形成する際の、加熱硬化による筋状の模様などのクラックを防止するために、金属酸化物と有機ケイ素化合物とを主成分するコーティング用組成物の全重量に対し、10〜50重量部の水を含有するようにし、そのハードコート層の上に蒸着法により無機物質からなる反射防止膜を形成している。
近年、ハードコート層の上に蒸着により無機物質からなる反射防止膜を形成する代わりに、多孔質シリカや有機ケイ素化合物などの有機物を用いて湿式で、反射防止膜を形成する、いわゆる有機系の反射防止膜に関して提案されている。湿式法を採用することにより、真空プロセスが不要となり、製造装置も簡易化できるなどのメリットが得られる。しかしながら、蒸着法により反射防止膜の製造する技術が確立されているのに対し、湿式法は、その途上にあり、ハードコート層との密着性や、ハードコート層自体の耐擦傷性との関係を見極め、製造方法を確立することが急務となっている。
本発明においては、レンズ基材の上に、直に、またはプライマー層を介してハードコート層を塗布した後に、有機系の反射防止膜が湿式で成膜されたレンズを製造する際に、ハードコート層を塗布するために用いられる塗布液を金属酸化物微粒子およびシラン化合物を含む第1の成分に、シラン化合物の加水分解基数の1.5から4.5倍の分子数の水を含む第2の成分を加えて調合する調合工程を有する塗布液の生成方法を提供する。
このハードコート層用の塗布液は、液中に加水分解に理論的に必要な水分、すなわち等モル程度の水分も含めて、第2の成分として上記の量の水、すなわち1.5倍から4.5倍の分子数に相当する水を加えることで、Siカップリング剤(シラン化合物)の液中での縮合を防止できる。したがって、この塗布液によりハードコート層を成膜した際には、3次元結合を増やし、硬さを備えたハードコート層を形成できる。本願の発明者らの実験によると、加える水の分子数が加水分解基の1.5倍以下だと、湿式法で成膜された有機系の反射防止膜との関係において硬化が不十分であり、有機系の反射防止膜が形成されたレンズでは耐擦傷性やクラックの防止などの効果が十分には得られない。一方、加える水の分子数が加水分解基の4.5倍を超えると縮合を防止できる効果はほぼ飽和するために水分を過剰に加える意味はほとんどなく、逆に、ハードコート層を成膜するためにレンズ基板にその塗布液を塗布した際にはじきが発生し易くなる。したがって、塗布液の塗れ性が悪く、レンズ基材に塗れたとしても外観不良の要因になり易く、ディップなどの湿式法では反射防止膜を形成することが難しい。
また、本発明の塗布液の生成方法により生成された塗布液は、本願発明者らの実験によると、ポットライフが長いという新たな効果が得られることが分かった。したがって、本発明の塗布液の製造方法により製造された塗布液は、長期間にわたり保管が可能であり、そして、保管された塗布液を用いてレンズを製造しても、製造直後の塗布液で形成したハードコート層を備えたレンズと同等の性能のものを提供できる。
調合工程では、第2の成分を、最初に過剰に添加しても良いが、加水分解反応の進行をスムーズに行なうことを考えると、第2の成分は分割して多段階で加えることが望ましい。すなわち、第2の成分のうち、加水分解に必要なモル数程度の水は第1の成分と共に最初に加えて攪拌し、その後、いわゆる加水分解時または加水分解後に、第2の成分の残りの過剰な水分に相当する分を加えることが望ましい。加水分解時は発熱を伴うため、この点でも、一度に大量の水を加えるよりも段階的に分割して加えることが望ましい。
塗布液の第2の成分は、加水分解に対して影響を与えない水分であれば良い。例えば、蒸留水または酸性水溶液は好ましいものである。
塗布液の第1の成分は、多官能エポキシ化合物を含むことが望ましい。シラン化合物などは硬度に寄与する成分であり、さらに多官能エポキシ化合物は、柔軟性や接着性に寄与するので、これを含ませた塗布液でハードコート層を形成することで、基板とハードコート層の密着性、さらには、ハードコート層と反射防止膜との密着性を向上できる。
本発明の塗布液金属酸化物微粒子は、ルチル型の結晶構造を備えた酸化チタンを用いることが望ましい。ルチル型酸化チタンであれば、1.67程度の高屈折率を実現する酸化チタンと同様に高屈折率であり、その一方で、酸化チタンのように光活性が強くないので、シランカップリング剤(シラン化合物)等の有機物を分解することもなく、安定した性能を発揮できる。
本発明の塗布液の第1の成分は、40重量%から70重量%の金属酸化物微粒子と、10重量%から50重量%のシラン化合物と、5重量%から40重量%の多官能エポキシ化合物を含むことが望ましい。これらの組成を、この範囲にすることにより、ハードコート層を形成した際に、白濁することを防止でき、また、クラックの発生をさらに抑制できる。そして、基材とハードコート層、およびハードコート層と反射防止膜との密着性も良い。
本発明の塗布液の生成方法により生成された塗布液を用いて、レンズ基材の上に、直に、またはプライマー層を介してハードコート層を生成する工程と、ハードコート層に重ねて、有機系の反射防止膜を湿式で成膜する工程とを有するレンズの製造方法を提供する。本発明の製造方法により、ハードコート層と、有機系の反射防止膜とを備えたレンズであって、膜の硬度が高く、耐擦傷性および膜同士の密着性も高いレンズを提供できる。すなわち、本発明の水分を過剰に備えた塗布液によりハードコート層を成膜することにより、塗布された後の焼固(アニール)において、十分な水酸基(OH基)が残り、Siカップリング剤の縮合を防止できる。このため、3次元結合を多く備えたハードコート層を形成できるので、その上に有機系の反射防止膜を湿式で成膜したときに、結果として十分な硬度を備えた膜によりレンズ基材を覆うことができ、また、透明性も高いレンズを提供できる。また、3次元結合を多く備えたハードコート層に反射防止膜を重ねて成膜することによりその間の密着性も高くなり、その結果、耐久性の高い膜によりレンズを覆うことができる。したがって、反射防止層の部分的な剥がれ落ちがなく、傷に強い層(膜)を備えた商品価値の高いレンズを提供できる。
さらに、本発明においては、レンズ基材の上に、直に、またはプライマー層を介してハードコート層を塗布した後に、有機系の反射防止膜が湿式で成膜されたレンズを製造する際に、ハードコート層を塗布するために用いられ、金属酸化物微粒子およびシラン化合物を含む第1の成分と、シラン化合物の加水分解基数の1.5から4.5倍の分子数の水を含む第2の成分とを含む塗布液を提供する。
本発明の塗布液の金属酸化物微粒子としては、例えば、メタノール分散アンチモン酸化物被覆酸化チタン含有複合酸化物ゾル、あるいは、Si,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,In,Tiから選ばれる1種以上の金属酸化物からなる、微粒子または複合微粒子を使用できる。金属酸化物微粒子の最外表面を有機ケイ素化合物で改質処理を施した微粒子であっても良く、混合物、固溶状態、他の複合状態で含んでいるものが挙げられる。酸化チタンは無定型であっても、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型或いはペロブスカイト型チタン化合物であっても良いが、ルチル型の酸化チタンが望ましいことは上述した通りである。
これらは分散媒たとえば水やアルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたものである。また複合酸化物微粒子は、その表面が有機ケイ素化合物又はアミン系化合物で処理され改質されていても良い。
本発明の塗布液のシラン化合物としては、単官能性シラン、あるいは二官能性シラン、三官能性シラン、四官能性シラン等がある。また、シラン化合物は、下記の一般式(A)で表される有機ケイ素化合物である成分を含有する組成物を用いて成膜することが好ましい。
SiX 3−n (A)
(式中、nは0または1である。)
ここで、Rは、重合可能な反応基または加水分解可能な官能基をもつ有機基であり、重合可能な反応基の具体例としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、メルカプト基、シアノ基、アミノ基等が挙げられ、加水分解可能な官能基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等が挙げられる。
は炭素数1〜6の炭化水素基であり、具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ビニル基、フェニル基等が挙げられる。また、Xは加水分解可能な官能基であり、その具体例は、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等のアルコキシ基、クロロ基、ブロモ基等のハロゲン基、アシルオキシ基等が挙げられる。
具体例としては、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトシキ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルジアルコキシメチルシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシラン、テトラメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは2種以上を混合して用いてもかまわない。また、加水分解を行ってから用いた方がより有効である。
本発明の塗布液の多官能性エポキシ化合物としては、例えば、過酸化法で合成されるポリオレフィン系エポキシ樹脂、シクロペンタジエンオキシドやシクロヘキセンオキシドあるいはヘキサヒドロフタル酸とエピクロルヒドリンから得られるポリグリシジルエステルなどの脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールAやカテコール、レゾシノールなどの多価フェノールあるいは(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、ソルビトールなどの多価アルコールとエピクロルヒドリンから得られるポリグリシジルエーテル、エポキシ化植物油、ノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリンから得られるエポキシノボラック、フェノールフタレインとエピクロルヒドリンから得られるエポキシ樹脂、グリシジルメタクリレートとメチルメタクリレートアクリル系モノマーあるいはスチレンなどの共重合体、さらには上記エポキシ化合物とモノカルボン酸含有(メタ)アクリル酸とのグリシジル基開環反応により得られるエポキシアクリレートなどが挙げられる。
さらに、多官能性エポキシ化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル、等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
さらに、塗布液などに含まれる成分は、上記に限定されない。例えば、ハードコート層を形成するときに、上記成分の他に必要に応じて添加剤を用いることが可能である。硬化触媒として、過塩素酸,過塩素酸アンモニウム,過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸類、Cu(II),Zn(II),Co(II),Ni(II),Be(II),Ce(III),Ta(III),Ti(III),Mn(III),La(III),Cr(III),V(III),Co(III),Fe(III),Al(III),Ce(IV),Zr(IV),V(IV)等を中心金属原子とするアセチルアセトネ−ト、アミン、グリシン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩等が挙げられる。この中でも最も好ましい硬化触媒としては、過塩素酸マグネシウム、Al(III),Fe(III)のアセチルアセトネ−トが挙げられる。添加量は、固形分濃度の0.01〜5.0重量%の範囲内が望ましい。
また、製造過程においては、上記成分に加えて溶剤などが用いられる。希釈に用いられる溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等がある。また、必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防止剤、分散染料・油溶染料・蛍光染料・顔料、フォトクロミック化合物等を添加し、層を形成するコーティング液の塗布性および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
また、本発明において湿式法で成膜される有機系の反射防止層は、多孔質シリカ微粒子および有機ケイ素化合物を主成分として含むことが望ましい。さらに、多官能エポキシ化合物を少量含有させ、より密着性を向上させることも望ましい。有機ケイ素化合物(シラン化合物)および多官能エポキシ化合物の具体的な例は上述した通りである。特に、反射防止層としては、40重量%から85重量%の多孔質シリカ微粒子と、5重量%から60重量%の有機ケイ素化合物と、最大で10重量%の多官能エポキシ化合物とを含むことが望ましい。
以下では本発明の実施例および比較例を説明する。
(実施例1)
(ハードコート層用の塗布液の調合)
塗布液HC1を調合した。先ず、プロピレングリコールメチルエーテル68部、ルチル型酸化チタン複合ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名オプトレイク1120Z)625部を混合した後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン141部、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコールEX313)25部を第1の成分として混合した。
この混合液に0.1N塩酸水溶液39部を撹拌しながら滴下し、さらに4時間撹拌後、蒸留水を100部添加した。
したがって、本例の塗布液HC1は、まず、加水分解用に塩酸水溶液として、第1の成分に含まれるシラン化合物であるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解基数の1.2倍に相当する水を加え、時間を置いて3.1倍に相当する水を、蒸留水と追加して加え、合計では4.3倍に相当する水(第2の成分)を添加している。なお、図1に、ハードコート層用の塗布液HC1に添加した水分量を、加水分解基数の倍数で示してある。他の実施例において調整したハードコート層用の塗布液においても同様である。
そして、一昼夜熟成させた後、Fe(III)アセチルアセトネート1.9部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7001)0.3部、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタル」)1.3部を添加して、塗布液HC1を得た。
(ハードコート層の形成)
この塗布液HC1をディッピング方式(引き上げ速度35cm毎分)でレンズ基材に塗布した。レンズ基材としては、セイコーエプソン(株)製、セイコースーパーソブリン用レンズ生地(以下SSVと略す。)を用いた。以下の実施例および比較例においても同様である。塗布後、80℃で30分間風乾した後、120℃で90分焼成を行い2.3μm厚のハードコート層が形成されたレンズを得た。
この塗布液HC1によるハードコート層の焼成後固形分(第1の成分)は、50%重量の金属酸化物微粒子(ルチル型酸化チタン複合ゾル)と、40重量%の有機ケイ素(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)と、10重量%の多官能エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)とを含んでいる。図1に、本例のレンズに成膜されたハードコート層の成分を重量%で示してある。他の実施例および比較例においても同様である。
(反射防止層用の塗布液の調合)
次に、反射防止層用の塗布液(低屈液)AR1を調製した。先ず、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン14部、テトラメトキシシラン15部を混合したものに0.1N塩酸水溶液13部を撹拌しながら滴下し、さらに4時間撹拌後一昼夜熟成させた。この混合液にプロピレングリコールメチルエーテル878部、中空シリカゾル(触媒化成工業(株)製、商品名オスカル特殊品)80部、過塩素酸マグネシウム0.04部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7001)0.3部を添加して、反射防止層用の塗布液AR1を得た。
(反射防止層の形成)
この塗布液AR1により反射防止層を形成する前に、レンズ表面(ハードコート層の表面)をプラズマ処理し親水化した。プラズマ処理は、レンズの凸凹面が横になるようカゴにセットし、60秒間行なった。条件は以下の通りである。
真空度:90〜110×10−3Torr
電流:70±10mA
電圧:0.6±0.1KV
この後、塗布液AR1を湿式(ディッピング方式)で、引き上げ速度15cm毎分で、ハードコート層付きのレンズに塗布した。塗布後80℃で30分間風乾した後、120℃で60分焼成を行い、約100nm厚の反射防止層(低屈膜)がハードコート層に重ねて成膜されたレンズを得た。
塗布液AR1による反射防止層の焼成後固形分は、25%重量のγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、15重量%のテトラメトキシシランと、60%重量の中空シリカゾルを含んでいる。
(撥水層の形成)
さらに、この反射防止層付のレンズの表面をフッ素系シラン化合物で撥水処理し、撥水層付きレンズを得た。
(ポットライフ試験)
さらに塗布液HC1を調合後、5℃で1ヶ月保管し、その状態の塗布液HC1を用い、上記と同じ工程でハードコート層および有機系の反射防止膜を備えたレンズを製造した。
このようにして得られたそれぞれのレンズについて、以下に述べる耐擦傷性の試験を行い、性能をチェックした。試験およびその結果については以下で纏めて説明する。
(実施例2)
(ハードコート層用の塗布液の調合)
塗布液HC2を調合した。先ず、プロピレングリコールメチルエーテル78部、ルチル型酸化チタン複合ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名オプトレイク1120Z)688部を混合した後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン124部、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコールEX313)25部を混合した。この第1の成分を含む混合液に0.1N塩酸水溶液34部を撹拌しながら滴下し、さらに4時間撹拌後、蒸留水を50部添加した。
本例の塗布液HC2は、まず、加水分解用に塩酸水溶液として、第1の成分のシラン化合物であるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解基数の1.2倍に相当する水を加え、時間を置いて、加水分解基数の1.8倍に相当する水を、蒸留水として追加し、合計では加水分解基数の3倍に相当する水(第2の成分)を添加している。
そして、一昼夜熟成させた後、Fe(III)アセチルアセトネート1.7部、過塩素酸マグネシウム0.5部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7001)0.3部、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタル」)1.3部を添加し、塗布液HC2を得た。
(ハードコート層の形成)
この塗布液HC2をディッピング方式(引き上げ速度35cm毎分)でレンズ基材に塗布した。塗布後80℃で30分間風乾した後、120℃で90分焼成を行い2.3μm厚のハードコート層を備えたレンズを得た。
この塗布液HC2によるハードコート層の焼成後固形分(第1の成分)は、55%重量の金属酸化物微粒子(ルチル型酸化チタン複合ゾル)と、35重量%の有機ケイ素(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)と、10重量%の多官能エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)とを含んでいる。
(反射防止層の形成)
次に、このハードコート層付のレンズを、実施例1と同様にプラズマ処理し、実施例1と同様の湿式法により有機系の塗布液AR1を塗布し、反射防止層付のレンズを得た。
(撥水層)
さらに、この反射防止層付のレンズの表面をフッ素系シラン化合物で撥水処理し、撥水層付のレンズを得た。
(ポットライフ試験)
さらに塗布液HC2を調合後、5℃で1ヶ月保管し、その状態の塗布液HC2を用い、上記と同じ工程でハードコート層および有機系の反射防止膜を備えたレンズを製造した。
このようにして得られたそれぞれのレンズについて、以下に述べる耐擦傷性の試験を行い、性能をチェックした。
(実施例3)
(ハードコート層用の塗布液の調合)
塗布液HC3を調合した。先ず、プロピレングリコールメチルエーテル137部、ルチル型酸化チタン複合ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名オプトレイク1120Z)625部を混合した後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン106部、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコールEX313)50部を混合した。
このような第1の成分を含む混合液に0.1N塩酸水溶液79部を撹拌しながら滴下し、さらに4時間撹拌した。したがって、本例の塗布液HC3では、第1の成分のシラン化合物であるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解基数の3.3倍に相当する水を第2の成分として塩酸水溶液の形で過剰に加えている。
そして、一昼夜熟成させた後、Fe(III)アセチルアセトネート2.1部、過塩素酸マグネシウム0.7部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7001)0.3部、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタル」)1.3部を添加し、塗布液HC3を得た。
(ハードコート層の形成)
この塗布液HC3をディッピング方式(引き上げ速度35cm毎分)でレンズ基材に塗布した。塗布後は、80℃で30分間風乾した後、120℃で90分焼成を行い2.3μm厚のハードコート層付きのレンズを得た。
この塗布液HC3によるハードコート層の焼成後固形分(第1の成分)は、50%重量の金属酸化物微粒子(ルチル型酸化チタン複合ゾル)と、30重量%の有機ケイ素(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)と、20重量%の多官能エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)とを含んでいる。
(反射防止層の形成)
このハードコート層付のレンズを、実施例1と同様にプラズマ処理し、実施例1と同様の湿式法に有機系の塗布液AR1を塗布し、反射防止層付きのレンズを得た。
(撥水層)
さらに、この反射防止層付のレンズの表面をフッ素系シラン化合物で撥水処理し、撥水層付のレンズを得た。
(ポットライフ試験)
さらに塗布液HC3を調合後、5℃で1ヶ月保管し、その状態の塗布液HC3を用い、上記と同じ工程でハードコート層および有機系の反射防止膜を備えたレンズを製造した。
このようにして得られたそれぞれのレンズについて、以下に述べる耐擦傷性の試験を行い、性能をチェックした。
(比較例1)
(ハードコート層用の塗布液の調合)
塗布液HC4を調合した。先ず、プロピレングリコールメチルエーテル168部、ルチル型酸化チタン複合ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名オプトレイク1120Z)625部を混合した後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン141部、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコールEX313)25部を混合して第1の成分を備えた混合液とした。この混合液に0.1N塩酸水溶液39部を撹拌しながら滴下し、さらに4時間撹拌した。
本例の塗布液HC4は、第1の成分のシラン化合物であるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解基数の1.2倍に相当する程度の水を、塩酸水溶液として加えている。
そして、一昼夜熟成させた後、Fe(III)アセチルアセトネート1.9部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7001)0.3部、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタル」)1.3部を添加し、塗布液HC4を得た。
(ハードコート層の形成)
この塗布液HC4を用い、ディッピング方式(引き上げ速度35cm毎分)でレンズ基材に塗布した。塗布後80℃で30分間風乾した後、120℃で90分焼成を行い2.3μm厚のハードコート層付きレンズを得た。
この塗布液HC4によるハードコート層の焼成後固形分(第1の成分)は、50%重量の金属酸化物微粒子(ルチル型酸化チタン複合ゾル)と、40重量%の有機ケイ素(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)と、10重量%の多官能エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)とを含んでおり、これら第1の成分比は実施例1と同じである。
(反射防止層の形成)
ハードコート層付のレンズを、実施例1と同様にプラズマ処理し、実施例1と同じ方法により有機系の塗布液AR1を塗布し、反射防止膜付きのレンズを得た。
(撥水層の形成)
さらに、この反射防止層付のレンズをフッ素系シラン化合物で撥水処理し、撥水層付のレンズを得た。
(ポットライフ試験)
さらに塗布液HC4を調合後、5℃で1ヶ月保管し、その状態の塗布液HC4を用い、上記と同じ工程でハードコート層および有機系の反射防止膜を備えたレンズを製造した。
このようにして得られたそれぞれのレンズについて、以下に述べる耐擦傷性の試験を行い、性能をチェックした。
(比較例2)
(ハードコート層用の塗布液の調合)
塗布液HC5を調合した。先ず、プロピレングリコールメチルエーテル38部、ルチル型酸化チタン複合ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名オプトレイク1120Z)625部を混合した後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン141部、グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名デナコールEX313)25部を混合した。この第1の成分を含む混合液に、0.1N塩酸水溶液39部を撹拌しながら滴下し、さらに4時間撹拌後、蒸留水を130部添加した。
したがって、本例の塗布液HC5は、加水分解用に塩酸水溶液として、第1の成分のシラン化合物であるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解基数の1.2倍に相当する水を加え、時間を置いて、4.0倍に相当する水を、蒸留水の形で追加し、合計では5.2倍に相当する水を第2の成分として添加している。
そして、一昼夜熟成させた後、Fe(III)アセチルアセトネート1.9部、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7001)0.3部、フェノール系酸化防止剤(川口化学工業(株)製、商品名「アンテージクリスタル」)1.3部を添加し、塗布液HC5を得た。
(ハードコート層の形成)
この塗布液HC5をディッピング方式(引き上げ速度35cm毎分)でレンズ基材に塗布した。しかしながら、塗布直後にはじきが発生し、均一な塗布が出来なかった。したがって、均一なハードコート層を備えたレンズを得ることができず、このハードコート層に重ねて湿式法により有機系の反射防止膜を成膜することができなかった。
この塗布液HC5によるハードコート層の焼成後固形分(第1の成分)は、50%重量の金属酸化物微粒子(ルチル型酸化チタン複合ゾル)と、40重量%の有機ケイ素(γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)と、10重量%の多官能エポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)とを含んでいる。
(ポットライフ試験)
さらに塗布液HC5を調合後、5℃で1ヶ月保管し、その状態の塗布液HC5を用い、上記と同じ工程でハードコート層の成膜を試みた。しかしながら、同様に塗布直後にはじきが発生し、均一な塗布が出来なかった。
(評価方法・評価基準)
実施例1〜3において製造されたそれぞれのレンズと、比較例1において製造されたレンズについて、耐擦傷性の評価をした。それらの結果を図2に示してある。
耐擦傷性の試験は、ハードコート層、反射防止層および撥水層を備えたレンズに、ボンスター#0000 スチールウール(日本スチールウール(株)製)で1kgの荷重をかけ、10往復表面を摩擦し、傷ついた程度を目視で観察した。この耐擦傷性の評価基準は、傷の程度を目視の観察により10段階(1(悪)〜10(良))にランク付けした。「◎」は段階10〜8で非常に耐擦傷性が高く、「〇」は段階7〜6で耐擦傷性が高く、「△」は段階5〜4で耐擦傷性は若干低く、「×」は段階3〜1で耐擦傷性が低いことを示している。
図2に示したように、実施例1から3で調合された塗布液HC1〜3を用いてハードコート層を成膜したレンズは、調合後1ヶ月経過した塗布液を用いてハードコート層を成膜したレンズも含めて、耐擦傷性は「◎」という最上級の評価が得られた。これに対して、比較例1において調合された塗布液HC4を用いてハードコート層を成膜したレンズは、調合後1ヶ月経過した塗布液を用いてハードコート層を成膜したレンズも含めて、耐擦傷性の評価は、調合直後は「〇」で、1ヶ月保管後は「△」であった。したがって、実施例1〜3の塗布液によるレンズに対して、耐擦傷性が低いことが分かった。さらに、比較例2において調合された塗布液HC5では、調合後1ヶ月経過した塗布液を用いた場合でも、塗布直後にはじきが発生し均一な成膜ができず、湿式法では、反射防止膜が成膜できず、耐擦傷性の評価ができなかった。
これらの結果より、湿式法により、有機系の反射防止膜を重ねて成膜するハードコート層用の塗布液としては、金属酸化物およびシラン化合物を含む第1の成分に加え、加水分解基数の1.5〜4.5倍に相当する範囲の水分を第2の成分として加えることが望ましいことが分かる。塗布液を調合する際に、加水分解基数の1.2倍の水分を加えた例(比較例1)では、耐擦傷性が低く、有機系の反射防止膜を重ねて成膜したレンズ用としては、ハードコート層の硬さが不足しており、また、反射防止層との密着性も低いということが考えられる。逆に、塗布液を調合する際に、加水分解基数の5.2倍の水分を加えた例(比較例2)では、塗布直後にはじきが発生し均一な成膜ができず、湿式法では有機系の反射防止膜を成膜できないことが分かった。
ハードコート層用の塗布液として、第2の成分として加水分解に理論的に必要な水(等モル)を含めて1.5倍から4.5倍の分子数に相当する水を加えることで、Siカップリング剤の液中での縮合を防止し、この塗布液によりハードコート層を成膜した際には、3次元結合を増やし、硬さを備えたハードコート層を形成できるためであると考えられる。そして、加水分解基に対し水の分子数が1.5倍以下だと、硬さやクラックの防止などの効果が十分には得られず、4.5倍を超えると飽和し、レンズ基板に塗布した際にはじきが発生し易くなり、塗れ性が悪くなるためであると考えられる。
さらに、今回のこれらの実験により、金属酸化物およびシラン化合物を含む第1の成分に加え、加水分解基数の1.5〜4.5倍に相当する範囲の水分を第2の成分として加えたハードコート層用の塗布液は、ポットライフも長いことが判明した。したがって、この塗布液は、調合してから長期間の保管に耐えられるので、使い勝手が良く、ロスも少ないので、低コストで高性能のレンズを製造することができる。
ハードコート層用の塗布液としては、上述した実施例において採用した範囲の第1の成分を含むことが望ましい。すなわち、ハードコート層を焼固した際に、第1の成分として、ルチル型酸化チタン微粒子を40重量%〜70重量%、望ましくは50重量%〜60重量%を含有し、有機ケイ素化合物を10重量%〜50重量%、望ましくは20重量%〜40重量%を含有し、さらに多官能性エポキシ化合物を5重量%〜40重量%、望ましくは5重量%〜20重量%を含有することが望ましい。
なお、上記では基板がプラスチックレンズを例に説明しているが、ガラスレンズであっても同様の効果を得ることができる。さらに、眼鏡レンズに限らず、カメラ用ンレンズであっても良く、さらに、本発明は、その他の光学素子、例えば、プリズムなどにも適用できる。
また、上記の実施例では、レンズ基材に直にハードコート層を形成しているが、プライマー層に重ねてハードコート層を形成する場合にも本発明を適用できる。また、有機系の反射防止層は、上記の実施例1〜3で用いた液AR1の組成に限らず、多官能エポキシ化合物を少量含有させ、さらに密着性を向上させることも有用である。
実施例および比較例に用いたハードコート層用の塗布液の配合および主成分を示す図である。 実施例および比較例のレンズの評価を示す図である。

Claims (8)

  1. レンズ基材の上に、直に、またはプライマー層を介してハードコート層を塗布した後に、有機系の反射防止膜が湿式で成膜されたレンズを製造する際に、前記ハードコート層を塗布するために用いられる塗布液を、金属酸化物微粒子およびシラン化合物を含む第1の成分に、前記シラン化合物の加水分解基数の1.5から4.5倍の分子数の水を含む第2の成分を加えて調合する調合工程を有する、塗布液の生成方法。
  2. 請求項1において、前記調合工程では、前記第2の成分を、多段階で加える、塗布液の生成方法。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の塗布液の生成方法において、前記第2の成分は、蒸留水または酸性水溶液を含む、塗布液の生成方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の塗布液の生成方法において、前記第1の成分は、多官能エポキシ化合物を含む、塗布液の生成方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布液の生成方法において、前記金属酸化物微粒子は、ルチル型の結晶構造を備えた酸化チタンである、塗布液の生成方法。
  6. 請求項4において、前記第1の成分は、40重量%から70重量%の前記金属酸化物微粒子と、10重量%から50重量%の前記シラン化合物と、5重量%から40重量%の前記多官能エポキシ化合物とを含む、塗布液の生成方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の塗布液の生成方法により生成された塗布液を用いて、レンズ基材の上に、直に、またはプライマー層を介してハードコート層を生成する工程と、
    前記ハードコート層に重ねて、有機系の反射防止膜を湿式で成膜する工程とを有する、レンズの製造方法。
  8. レンズ基材の上に、直に、またはプライマー層を介してハードコート層を塗布した後に、有機系の反射防止膜が湿式で成膜されたレンズを製造する際に、前記ハードコート層を塗布するために用いられる塗布液であって、
    金属酸化物微粒子およびシラン化合物を含む第1の成分と、前記シラン化合物の加水分解基数の1.5から4.5倍の分子数の水を含む第2の成分とを含む、塗布液。
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