JP2003119107A - 油中水型乳化組成物及びその製造方法 - Google Patents

油中水型乳化組成物及びその製造方法

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JP2003119107A JP2002351774A JP2002351774A JP2003119107A JP 2003119107 A JP2003119107 A JP 2003119107A JP 2002351774 A JP2002351774 A JP 2002351774A JP 2002351774 A JP2002351774 A JP 2002351774A JP 2003119107 A JP2003119107 A JP 2003119107A
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acid ester
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So Shoji
宗 東海林
Kiyoshi Maeno
清 前野
Kiyotaka Kawai
清隆 川合
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Kokyu Alcohol Kogyo Co Ltd
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Kokyu Alcohol Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性、実用特性、皮膚安全性に優れた
化粧品、医薬品基剤等に利用される油中水型組成物及び
その製造方法を提供するにある。 【解決手段】 (イ)特定のポリグリセリン脂肪酸エス
テルと(ロ)液状油性物質と(ハ)直鎖脂肪酸及び分岐
脂肪酸を含む脂肪酸でエステル化したデキストリン脂肪
酸エステルとからなる油性成分と(二)グリセリン及び
/又はジグリセリンと(ホ)水の一部とからなる水性成
分を各々加熱し、混合して得られる油性ゲル成分中に、
水の残部を主要成分とする水溶液成分を加熱し、混合し
て冷却する二段階乳化方法により製造することを特徴と
する油中水型乳化組成物及びその製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保存安定性、実用特
性、皮膚安全性に優れた化粧品、医薬品基剤等に利用さ
れる油中水型乳化組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリ
ン、油基剤及び水を含有することを特徴とする油中水型
乳化組成物は知られている。
【0003】例えば、特開平6−128135号特許公
報には、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン及
び油基剤をあわせた量が50〜75重量%、水の含量2
5〜50重量%(以下、重量%を%と省略記載する)で
あり、25℃における粘度が2500cps以下である
ことを特徴とするW/O型乳化化粧料が提案されてい
る。この化粧料は水分量を少なくして粘度を下げ使用感
を改善することを目的としているが、乳化安定性を保持
する目的からか油性基剤中にワセリン(6.5%)、ラ
ノリン(4.0%)などが多く含有し、べたつき感もあ
り、経日安定性も満足するものではない。また、デキス
トリン脂肪酸エステルの利用についての記載はに当たら
ない。
【0004】特開平9−208443号特許公報には、
脂肪酸とグリシドールから合成されたモノエステル体含
有率の高いポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン
及び水を含有したW/O型乳化化粧料が提案されてい
る。この発明は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステル
を含有する他は前記特開平6−128135号特許公報
の発明と同様な発明であり、使用感と経日安定性に満足
するものではない。
【0005】WO99/25310再公表特許公報に
は、液状油性基剤、液状油性成分のゲル化剤としてデキ
ストリンと直鎖高級飽和脂肪酸エステル、油中水型界面
活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル及び水を含
有し、水相と油相が分離せず長期間安定で、使用時にべ
とつかず、肌上でのびが良い使用感に優れた油中水型乳
化組成物が提案されている。また、デキストリンと直鎖
高級飽和脂肪酸エステルの好ましい例としてデキストリ
ンパルミチン酸エステル(実施例では5%、6%含有)
が、ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例として
ポリグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリン
オレイン酸エステル、ポリグリセリン縮合リシニレイン
酸エステルが記載されている。しかし、この組成物は粘
着性が強く、実用特性、保存安定性においても満足する
ものではなかった。
【0006】以上のごとく、保存安定性と、組成物の粘
着性が少なく、皮膚に塗布したときには伸びが良く、べ
とつき感が少ない等の実用特性と皮膚安全性に優れた油
中水型乳化組成物が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、化粧
料、医薬品基剤に有用なる保存安定性と、組成物の粘着
性が少なく、皮膚に塗布したときにはのびが良く、べと
つき感が少ない等の実用特性と皮膚安全性に優れた油中
水型乳化組成物を提供することであり、本発明の他の目
的は上記油中水型乳化組成物の製造方法を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、特定のポリグリセリン脂肪酸エス
テル及びデキストリン脂肪酸エステルと液状油性物質と
グリセリン及び/又はジグリセリンと水とを含有する油
中水型乳化組成物において、成分組成および製造方法に
関して鋭意研究した結果、製造方法に新規二段階乳化方
法を採用して製造する油中水型乳化組成物が保存安定性
と、更に組成物の粘着性が少なく、皮膚に塗布したとき
にはのびが良く、べとつき感が少ない等の特性を有し、
実用特性及び皮膚安全性にも優れることを見出し、本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、下記の(A−1)成
分と(A−2)成分とを混合して得られる(A)油性ゲ
ル成分に、水を主要成分とする(B)水溶性成分を加え
て混合して製造されることを特徴とする油中水型乳化組
成物である。
【0010】(A)油性ゲル成分 (A−1)成分 (1)HLB値が7未満のポリグリセリンイソステアリ
ン酸エステル・・・2.4〜4.8% (2)HLB値が7以上のポリグリセリンイソステアリ
ン酸エステル・・・1.0〜2.0% (3)液状油性物質・・・12〜25% (4)直鎖脂肪酸及び分岐脂肪酸を含む脂肪酸でエステ
ル化したデキストリン脂肪酸エステル・・・0.2〜
1.0%
【0011】(A−2)成分 (5)グリセリン及び/又はジグリセリン・・・8.0
〜17% (6)水・・・3.0〜10% (B)水溶性成分 (1)水・・・総量を100%とする残量
【0012】また、本発明の乳化組成物において、HL
B値が7未満のポリグリセリンイソステアリン酸エステ
ルとHLB値が7以上のポリグリセリンイソステアリン
酸エステルの含有重量比率が2.2〜3.5:1.0で
あることが好適である。
【0013】また、本発明の乳化組成物において、デキ
ストリン脂肪酸エステルが(イ)直鎖脂肪酸がステアリ
ン酸またはパルミチン酸、(ロ)分岐脂肪酸が2−エチ
ルヘキサン酸またはイソステアリン酸であり、また
(ハ)直鎖脂肪酸と分岐脂肪酸のモル比が93〜70:
7〜30、(二)デキストリンの平均重合度が20〜5
0、(ホ)グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が
1.0〜2.0の範囲で構成するデキストリン脂肪酸エ
ステルの少なくとも一種であることが好適である。
【0014】また、乳化組成物中の水分量100重量部
に対してポリグリセリンラウリン酸エステルの0.4重
量部以上と1,2−ペンタンジオールの3.0重量部以
上とを含有することが好適である。
【0015】また、本発明の乳化組成物において、ブル
ックフィールド型粘度計で測定した25℃における粘度
は5,000cps以上であることが好適である。ま
た、本発明の乳化組成物の製造方法は、(A−1)成分
と(A−2)成分の各々を均一に加熱混合して60〜8
5℃にした後、(A−1)成分と(A−2)を混合して
得られる(A)油性ゲル成分に、均一に加熱溶解して6
0〜85℃にした水を主要成分とする(B)水溶性成分
を加えて混合し、必要に応じて30℃まで冷却して製造
することを特徴とする。
【0016】ここで前述の従来技術である3件の特許公
報の発明と本発明との明らかなる相違点を記載すれば、
(イ)前記3件の化粧料または組成物の製造方法は各々
加熱混合した油性成分(油相)に水性成分(水相)を加
えて混合し冷却する工程である一段階乳化方法に対し
て、本発明では各々加熱混合した油性成分(A−1、油
相)と水性成分(A−2、水相の一部)とを混合し油性
ゲル成分(A)を得る第一の工程とこの油性ゲル成分に
加熱混合した水溶性成分(B,水相)を加えて混合して
冷却する第二の工程とからなる二段階乳化方法である。
【0017】(ロ)WO99/25310再公表特許公
報には前記のごとくデキストリンと直鎖高級飽和脂肪酸
のエステルの利用とポリグリセリンステアリン酸エステ
ル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステル等の利用が記載されてい
るのに対して、本発明ではデキストリンと直鎖脂肪酸及
び分岐脂肪酸を含む脂肪酸のエステルを利用し、また主
にポリグリセリンイソステアリン酸エステルを利用す
る。
【0018】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の構成について説
明する。本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステル
を構成するポリグリセリンは重合度が2〜11のポリグ
リセリンであり、一般には、その平均値が、2,3,
6,10の重合体であるジグリセリン、トリグリセリ
ン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンが適用される。
【0019】特には、常温で液状又はペースト状のポリ
グリセリン脂肪酸エステルが後記する乳化特性に優れ、
脂肪酸はイソステアリン酸が適用される。また、抗菌剤
または防腐剤として利用するにはラウリン酸が好まし
い。イソステアリン酸はオレイン酸からダイマー酸を製
造する時に副生する不飽和側鎖脂肪酸を水素添加する方
法等により得られるメチル側鎖を有するイソステアリン
酸が乳化特性に優れ、好適である。
【0020】また、オレイン酸、リノール酸などの不飽
和脂肪酸は組成物の高温での保存安定性に乏しく、着
色、着臭が生じ、更に、ステアリン酸、縮合リシノレイ
ン酸派低温での保存安定性に乏しく、これらの含有量に
制限があるが、本発明の目的を達成する範囲で適用する
ことも可能である。
【0021】特に、ポリグリセリン脂肪酸エステルの乳
化特性を示すHLB値はポリグリセリンの重合度分布が
広くまた、平均重合度3〜10のポリグリセリンの脂肪
酸エステルでは、モノ、ジ、トリエステルが共存する。
液体油性物質に適合しる乳化剤成分としてポリグリセリ
ン脂肪酸エステルを利用するには後記の液状油状物質の
I.O.B値を参考することにより、その含有量及び含
有比率を選択することが大切である。なお、HLB値は
次のグリフィンの式より算出したものであり、個々のポ
リグリセリン脂肪酸エステルのHLB値は実施例の表に
記載した。
【0022】
【数1】HLB=20(1−SV/NV) SV:エステルのケン化価 NV:脂肪酸の中和価
【0023】HLB値が7未満のポリグリセリンイソス
テアリン酸エステルの含有量は2.4〜4.8%、好ま
しくは2.8〜4.5%である。HLB値が7以上のポ
リグリセリンイソアテアリン酸エステルの含有量は1.
0〜2.0%、好ましくは1.4〜1.5%である。ま
た、本発明の乳化組成物において、HLB値が7未満の
ポリグリセリンイソステアリン酸エステルとHLB値が
7以上のポリグリセリンイソステアリン酸エステルの含
有重量比率は好ましくは2.2〜3.5:1.0、更に
好ましくは2.5〜3.2:1.0である。
【0024】本発明に用いる液状油性物質は、常温(2
0℃)で液状を示すもので、例えば、流動パラフィン
(I.O.B=0)、スクワラン(0)、ポリブテン
(0)、ミリスチン酸イソセチル(0.10)、ミリス
チン酸オクチルドデシル(0.09)、パルミチン酸2
−エチルヘキシル(0.13)、パルミチン酸イソプロ
ピル(0.16)、ジイソステアリン酸プロピレングリ
コール(0.16)、トリ2−エチルヘキサン酸グリセ
リル(0.35)、トリイソステアリン酸グリセリル
(0.16)等が挙げられ、他の大方の不飽和度の低い
液状合成エステル油も適用される。オリーブ油、ホホバ
油、不飽和脂肪酸のエステル油等を含有する場合には、
本発明の乳化組成物の保存安定性に優れ、本発明の目的
を達成する範囲で含有することも可能である。なお、
I.O.B値は「化学の領域第11巻第10号、第71
9〜725頁、1957年、著者藤田」の文献を参照と
した。
【0025】液状油性物質のI.O.B値を目安とし
て、乳化剤成分とそのHLB値を選択することが好まし
い。また、液状油性物質のI.O.B値は0に近いもの
ほど保存安定性に優れた油中水型乳化組成物を容易に得
ることができ、乳化剤成分の種類と配合量は広い適用範
囲を示した。例えば、I.O.B値が高い物質には低い
物質を混合することで保存安定性を向上することが可能
である。すなわち、1種又は2種以上の液状油性物質の
I.O.B値(加重平均値を含む)は0.15以下とす
ることが、油中水型乳化組成物の保存安定性も向上し、
好適である。液状油性物質の含有量は、12〜25%、
好ましくは15〜20%である。
【0026】本発明に用いるグリセリン及び/又はジグ
リセリンの含有量は、前記(A−2)成分中8.0〜1
7%、好ましくは10〜15%である。ここで、グリセ
リン及びジグリセリンに替えて、他の多価アルコールで
ある、プロイレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコー
ル、1,2ペンタンジオール等を用いた場合では本発明
の目的を達成できないものであるが、その一部を本発明
の目的を達成する範囲でかえることも可能である。
【0027】本発明に用いる直鎖脂肪酸及び分岐脂肪酸
を含む脂肪酸でエステル化したデキストリン脂肪酸エス
テルは公知の物質であって、その合成例及び応用例は特
開平8−277302号特許公報及び特開2000−7
2646号特許公報に記載されている。デキストリン脂
肪酸エステルは(イ)直鎖脂肪酸がステアリン酸または
パルミチン酸、(ロ)分岐脂肪酸が2−エチルヘキサン
酸またはイソステアリン酸であり、また(ハ)直鎖脂肪
酸と分岐脂肪酸のモル比が93〜70:7〜30、
(ニ)デキストリンの平均重合度が20〜50、(ホ)
グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜2.
0の範囲で構成するデキストリン脂肪酸エステルの少な
くとも一種であることが好適である。
【0028】例えば、デキストリン(パルミチン酸/2
−エチルヘキサン酸)エステルであるレオパールTTは
前記の特許公報に記載されており千葉製粉株式会社の製
品である。(略号はDFAE−TTとした。)また、デ
キストリン(ステアリン酸/イソステアリン酸)エステ
ルは、ステアリン酸:イソステリン酸のモル比が83:
17、デキストリンの平均重合度は25、脂肪酸の置換
度が1.4である(DFAE−SI)。乳化組成物中の
含有量は0.2〜1.0%、好ましくは0.4〜0.8
%である。これらは液状油性物質中での分散溶解性、増
粘性(ゲル化能)に優れ本発明の乳化組成物の保存安定
性に寄与するものである。
【0029】本発明の乳化組成物は、特に、ポリグリセ
リンラウリン酸エステルと1,2−ペンタンジオールを
含有することにより、抗菌力、防腐力が強化され、種々
の一般細菌、酵母、真菌に対する防腐殺菌作用が認めら
れた。例えば、供試菌として、大腸菌、黄色ブドウ状球
菌、枯草菌、ビール酵母、黒カビを適用して試料に接種
した後、1ヶ月間の経過における菌数の変化を塗抹法に
より観察する。通常の防腐力試験を実施した。本発明の
乳化組成物中の水分量100重量部に対してポリグリセ
リンラウリン酸エステルの0.4重量部以上と1,2−
ペンタンジオールの3.0重量部以上とを含有すること
により、通常の化粧品、医療品に求められる防腐効果が
認められた。
【0030】また、本発明の乳化組成物は、ブルックフ
ィールド型粘度計で測定し、温度25℃、ロータ:N
o.4、回転数:6,12rpmにおける粘度は好まし
くは5,000cps以上、さらには20,000cp
s以上であることが好ましい。水はイオン交換水、蒸留
水等精製水が用いられ、配合量は本発明の乳化組成物に
係る(A−2)成分では、3.0〜10%、(B)水溶
性成分では、他の添加成分を含めこの組成物の総量を1
00%とする残量が適用される。
【0031】本発明の乳化組成物に係る製造方法を記載
する。 (イ)(A)油性ゲル成分の製造 (A−1)成分と(A−2)成分の各々を各別に均一に
加熱混合して60〜85℃、(好ましくは70〜80
℃)にした後、油性成分である(A−1)成分と水性成
分である(A−2)成分を混合して(A)油性ゲル成分
を第一の工程で製造する。
【0032】(ロ)本発明の油中水型乳化組成物の製造 前記(A)油性ゲル成分を均一に混合して60〜85
℃、(好ましくは70〜80℃)にした後、この中に均
一に加熱溶解して60〜85℃(好ましくは70〜80
℃)にした水を主要成分とする(B)水溶性成分を加え
て撹拌混合し、必要に応じて30℃まで冷却撹拌して本
発明の油中水型乳化組成物を第二の工程で製造する。
【0033】この二段階製造方法の第一の工程で得られ
る油性ゲル成分は半透明の高粘性物である。この油性ゲ
ル成分は油中水型乳化組成物の保存安定性の向上に寄与
し、通常の一段階製造方法における油性基剤中に必要と
するゲル化剤または増粘剤の含有量と比較して少量で済
むことが明らかである。この油性基剤中のゲル化剤また
は増粘剤は油中水型乳化物の粘着性を増加し、皮膚に塗
布したときのびを悪くし、べとつき感を増加しているこ
とも明らかである。本発明の油中水型乳化組成物は二段
階製造方法を用いることのより、ゲル化剤の含有量を低
減することが可能となり、優れた保存安定性及び実用特
性を有することが認められた。
【0034】本発明の油中水型乳化組成物はスキンクリ
ーム、サンクリーム、ハンドクリーム、ヘアクリーム、
ヘアトリートメント、マッサージクリーム、軟膏基材等
に適用される。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。表
1、表2に示す組成にて実施例1〜6、比較例1〜4を
調整し、以下に示す評価方法にて保存安定性、実用特性
及び皮膚安全性を評価した。評価結果を表1、表2の下
欄に示した。
【0036】実施例、比較例で用いた原料成分名を下記
の通り略号で示した。 (略号と原料成分名) PGIS−21 :モノイソステアリン酸ジグリセリル PGIS−22 :ジイソステアリン酸ジグリセリル PGIS−31 :モノイソステアリン酸トリグリセリ
ル PGIS−32 :ジイソステアリン酸とリグリセリル PGS−21 :モノステアリン酸ジグリセリル PGO−21 :モノオレイン酸ジグリセリル PGL−101 :モノラウリン酸デカグリセリル PGIS−61 :モノイソステアリン酸ヘキサグリセ
リル PGIS−101:モノイソステアリン酸デカグリセリ
ル PGIS−102:ジイソステアリン酸デカグリセリル PGO−101 :モノオレイン酸デカグリセリル スクワラン :スクワラン MIC :ミリスチン酸イソセチル TOG :トリ2−エチルヘキサン酸グリセリ
ル DISPG :ジイソステアリン酸プロピレングリ
コール DFAE−TT :デキストリン(パルミチン酸/2−
エチルヘキサン酸)エステル・・・レオパールTT(千
葉製粉(株)製) DFAE−KL :デキストリンパルミチン酸エステル
・・・レオパールKL(千葉製粉(株)製) DFAE−SI :デキストリン(ステアリン酸/イソ
ステアリン酸)エステル MCWAX :マイクロクリスタリンワックス PG :プロピレングリコール 1,3−BG :1,3−ブチレングリコール 1,2−PD :1,2−ペンタンジオール MP :パラオキシ安息香酸メチルエステル PHET :2−フェノキシエタノール
【0037】(評価方法) 〈1〉保存安定性 実施例及び比較例を45℃の恒温室に3ヶ月間保存した
後、また、−5℃と45℃を往復する恒温室に5回往復
する期間保存した後にその乳化状態、外観を観察した。
評価結果は、異常が認められない場合(乳化状態が均一
で均質なエマルジョンを形成している場合)を良好とし
「○」で示し、やや異常が認められる場合で実用上問題
がないものは「△」で示し、異常が認められる場合(油
が分離した場合、粒子が粗大になった場合等)を不良と
し「×」で示した。
【0038】〈2〉実用特性 被試験者男子10名、女子10名、合計20名によっ
て、10日間皮膚に塗布して「粘着性,皮膚に塗布した
ときののび」、「べとつき感」、「異臭または皮膚刺激
感」の3評価項目について官能テストを実施した。評価
点を、各項目につき各々「のびが良い」、「べとつき感
が少ない」、「使用後,異臭または刺激を感じない」と
良いと回答した人数の合計数で示した。良いものの評価
は最大点で60(3項目×20名→60点)、悪いもの
の評価は最小点で0となる。本発明の目的とする実用特
性の評価点を50〜60とし「○」、評価点40〜49
を「△」、評価点0〜39を「×」で示した。
【0039】〈3〉皮膚安全性 被試験者男子10名、女子10名、合計20名の前腕屈
側部皮膚に、試料0.05gを、直径1.0cmのリン
ト布のついた円型パッチテスト用絆創膏を用いて24時
間閉塞貼付する。絆創膏除去1時間後及び24時間後の
被試験者20名の皮膚状態を、下記の評価基準に従い判
定評価する。評価には、絆創膏除去1時間後及び24時
間後のうち反応の強いほうを採用することとし、(−)
が20名のときは「○」、(±)が1〜2名のときは
「△」、(±)が3名以上または(+)〜(+++)が
1名以上の場合は、「×」で示した。
【0040】(評価基準) (皮膚状態) (評価) 紅斑、浮腫、水泡 : (+++) 紅斑、浮腫 : (++) 紅斑 : (+) 軽微な紅斑 : (±) 無紅斑、無浮腫 : (−)
【0041】
【表1】 実施例に用いた混合液体油性物質のI.O.B値は、実
施例1:0.0 実施例2:0.0、実施例3:0.06、実施例4:
0.14、実施例5:0.03、実施例6:0.06を
示す。
【0042】
【表2】 比較例に用いた液体油性物質のI.O.B値は、比較例
1:0.0 比較例2:0.0、比較例3.0.0、比較例4:0.
0、を示す。
【0043】表1〜2の結果から明らかなように実施例
1〜6は保存安定性、実用特性、皮膚安全性の全てに優
れた結果を示し、本発明の目的である油中水型乳化組成
物であることが認められた。実施例は本発明の特定する
原料成分、含有量、含有比率、製造方法等の全ての必須
要件に適合し製造されている。比較例はこの全ての要件
に適合するものではなく、例えば、比較例1は実施例2
と同一の成分を含有するが、製造方法は一段階乳化方法
であり、本発明の要件と相違する。
【0044】比較例2はグリセリンの含有量が6.0%
であり本発明の要件と相違する。HLB値は7未満と7
以上のポリグリセリンイソステアリン酸エステルの含有
比率は1.8(HLB<7/HLB≧7)であり本発明
の好ましい要件と相違する。比較例3はスクワランの含
有量が9.0%であり本発明の要件と相違する。比較例
4はポリグリセリンステアリン酸エステル及びデキスト
リンパルミチン酸エステルを含有している。本発明の要
件と相違し、45℃に保存して分離し、着色、着臭が生
じた。
【0045】
【発明の効果】本発明は、保存安定性、実用特性、皮膚
安全性の全てに優れた油中水型乳化組成物及びその製造
方法を明らかに提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川合 清隆 千葉県香取郡大栄町吉岡字久茂富641番地 の6 高級アルコール工業株式会社内 Fターム(参考) 4C083 AB051 AB242 AC012 AC022 AC121 AC122 AC172 AC352 AC421 AC422 AC441 AC442 AC482 AD111 AD112 BB13 CC05 CC19 DD32 EE01 EE10 FF01 FF05 4G065 AA01 AB05X AB06Y AB10Y AB12Y AB32X AB33X BA06 BA07 BA14 BB01 CA04 DA02 EA01 EA02 EA07 FA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A−1)成分と(A−2)成分
    とを混合して得られる(A)油性ゲル成分に、水を主要
    成分とする(B)水溶液成分を加えて混合して製造され
    ることを特徴とする油中水型乳化組成物。 (A)油性ゲル成分 (A−1)成分 (1)HLB値が7未満のポリグリセリンイソステアリ
    ン酸エステル・・・2.4〜4.8重量% (2)HLB値が7以上のポリグリセリンイソステアリ
    ン酸エステル・・・1.0〜2.0重量% (3)液状油性物質・・・12〜25重量% (4)直鎖脂肪酸及び分岐脂肪酸を含む脂肪酸でエステ
    ル化したデキストリン脂肪酸エステル・・・0.2〜
    1.0重量% (A−2)成分 (5)グリセリン及び/又はジグリセリン・・・8.0
    〜17重量% (6)水・・・3.0〜10重量% (B)水溶性成分 (1)水・・・総量を100重量%とする残量
  2. 【請求項2】 HLB値が7未満のポリグリセリンイソ
    ステアリン酸エステルとHLB値が7以上のポリグリセ
    リンイソステアリン酸エステルの含有重量比率が2.2
    〜3.5:1.0である請求項1に記載の油中水型乳化
    組成物。
  3. 【請求項3】 デキストリン脂肪酸エステルが(イ)直
    鎖脂肪酸がステアリン酸またはパルミチン酸、(ロ)分
    岐脂肪酸が2−エチルヘキシル酸またはイソステアリン
    酸であり、また(ハ)直鎖脂肪酸と分岐脂肪酸のモル比
    が93〜70:7〜30、(二)デキストリンの平均重
    合度が20〜50、(ホ)グルコース単位当たりの脂肪
    酸の置換度が1.0〜2.0の範囲で構成するデキスト
    リン脂肪酸エステルの少なくとも一種である請求項1に
    記載の油中水型乳化組成物。
  4. 【請求項4】 更に、組成物中の水分量100重量部に
    対してポリグリセリンラウリン酸エステルの0.4重量
    部以上と1,2−ペンタンジオールの3.0重量部以上
    とを含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の油
    中水型乳化組成物。
  5. 【請求項5】 ブルックフィールド型粘度計で測定した
    25℃における粘度が5,000cps以上である請求
    項1〜請求項4のいずれかに記載の油中水型乳化組成
    物。
  6. 【請求項6】 (A−1)成分と(A−2)成分の各々
    を均一に加熱混合して60〜85℃にした後、(A−
    1)成分と(A−2)成分を混合して得られる(A)油
    性ゲル成分に、均一に過熱溶解して60〜85℃にした
    水を主要成分とする(B)水溶性成分を加えて混合し、
    必要に応じて30℃まで冷却して製造することを特徴と
    する請求項1に記載の油中水型乳化組成物の製造方法。
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