JP2003118954A - エレベータの整風装置 - Google Patents

エレベータの整風装置

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JP2003118954A
JP2003118954A JP2001316884A JP2001316884A JP2003118954A JP 2003118954 A JP2003118954 A JP 2003118954A JP 2001316884 A JP2001316884 A JP 2001316884A JP 2001316884 A JP2001316884 A JP 2001316884A JP 2003118954 A JP2003118954 A JP 2003118954A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来と同等の整風機能を有して騒音の発生を抑
えることができると共に、かご上やかご下に取り付けら
れている各種の機器の保守・点検等の作業を容易に能率
よく行なうことができるエレベータの整風装置を提供す
る。 【解決手段】昇降路内を昇降するエレベータのかごAの
下部に、その床下の前部側と後部側とに分けて第1の整
風体1と第2の整風体2とを設け、かごAの昇降に応じ
てかごの水平投影面内の空気が、かごの前部側の第1の
整風体1から後部側の第2の整風体2に沿って流動して
かごAの後方側に流れ出るようにする。第1の整風体1
と第2の整風体2との間には、かごAの過超速度時にそ
のかごAを停止させる非常止め装置B等の機器が設けら
れている。これら機器は第1の整風体1と第2の整風体
2との間に配置して外部に露出しているから、その保守
・点検等を整風体1,2に妨げられることなく容易に能
率よく行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エレベータの運
転時の空気の流れによって生じる騒音を抑えるエレベー
タの整風装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、200m、300m級の超高層建築物が
建設されるようになり、このような超高層建築物に設置
されるエレベータにあっては、かごの昇降に要する時間
を従来と同等か、それ以上に短縮するためにその昇降速
度の高速化が求められている。そして、エレベータの昇
降速度の高速化に伴って様々な問題が浮かび上がってき
ている。
【0003】特に、かこ内に伝播する騒音の問題が顕著
であり、その騒音の低減の要求が高まっている。騒音の
低減は、今まで以上にエレベータ性能を代表する重要な
要素となっている。
【0004】実験式ではあるが、音圧はかご周りの流速
に比例することが分かっているので、かご周りの流速を
抑えることが騒音を低減するうえで重要といえる。
【0005】しかしながら、エレベータの昇降速度の高
速化に伴って従来発生しなかった様々な音の問題が現れ
てきている。例を挙げれば、風切り音やバフ音と呼ばれ
る騒音が発生するようになってきている。
【0006】風切り音とは、かごの形状が立方体に近い
形状であることから、その端部で空気の流れ(以下、気
流という)が乱れ、乱流となったり、気流の巻き込みが
発生して騒音となる現象である。
【0007】また、バフ音とは、かごと各階のホールド
アとが近接する関係にあることから、かごがホールドア
の部分を通過する度に気流が圧縮され、流速が大きくな
って騒音が発生する現象である。
【0008】そこで、これらの音の問題を解消するため
に、高速で昇降するエレベータにあっては、かごの上下
部に整風装置を取り付けるようになってきている。
【0009】このエレベータの整風装置は、かごの周り
の気流を整えて乱れをなくし、かご周りの風切り音やバ
フ音を抑えることを主な目的とした装置である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の整風
装置は、かごの水平投影面積全体をほぼ完全に覆うカプ
セル状に構成されており、このためかご上やかご下に取
り付けられている各種の機器を保守・点検する際にはそ
の整風装置をかごから取り外さなければならないことが
多く、保守・点検の作業が面倒で、能率が大幅に低下す
るという問題がある。
【0011】この発明は、このような点に着目してなさ
れたもので、その目的とするところは、従来と同等の整
風機能を有して騒音の発生を抑えることができると共
に、かご上やかご下に取り付けられている各種の機器の
保守・点検等の作業を容易に能率よく行なうことができ
るエレベータの整風装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明はこのような目
的を達成するために、昇降路内を昇降するエレベータの
かごの上下部のうちの少なくとも一方に、かごの一方側
と他方側とに分かれて整風機能を有する第1の整風体と
第2の整風体とが設けられ、これら第1および第2の整
風体がかごから突出する形状となっていることを特徴と
しているものである。
【0013】そして請求項2の発明では、かごの昇降に
応じてかごの水平投影面内の空気が、かごの一方側の第
1の整風体から他方側の第2の整風体に沿って流動して
かごの他方側の外方に流れ出ることを特徴としている。
【0014】請求項3の発明では、第1の整風体が、前
面が昇降路の壁面やホールドアとほぼ平行の平面形状で
あり、背面が整風体の先端部から基端側にわたって湾曲
する円弧形状となっていることを特徴としている。
【0015】請求項4の発明では、第1の整風体の側面
が、整風体の先端部では幅が狭く、基端部では幅の広い
円弧形状となっていることを特徴としている。
【0016】請求項5の発明では、かごの下部に索条物
が吊り下げられており、この索条物が整風体に形成され
た通し穴を通してその下方に垂下されていることを特徴
としている。
【0017】請求項6の発明では、通し穴と索条物との
間の隙間に詰め部材が詰め込まれ、この詰め部材により
前記隙間が密閉されていることを特徴としている。
【0018】請求項7の発明では、第1の整風体の先端
部に、側面から見た形状が三角形状をなす通風制御部材
が取り付けられ、この通風制御部材の左右の幅が昇降路
のホールドアの間口幅より大きくなっていることを特徴
としている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0020】この発明の整風装置は、かごの上部と下部
の両方、またはそのいずれか一方に設けるもので、図1
ないし図3にはかごAの下部の床下に整風装置を設けた
例を示してある。
【0021】図1は整風装置をかごAの前方斜め下方か
ら見た斜視図、図2はかごAの後方斜め下方から見た斜
視図、図3はかごAの側方から見た側面図であり、この
整風装置は第1の整風体1と第2の整風体2とで構成さ
れている。
【0022】これら第1および第2の整風体1,2は、
かごAの床下の一方側である前部側と他方側である後部
側とに分かれて配置され、これら第1の整風体1と第2
の整風体2との間に、かごAの過超速度時にそのかごA
を停止させる非常止め装置B等の機器が設けられてい
る。これら機器はかごAの下梁Cに取り付けられてい
る。
【0023】第1の整風体1は、その前面を構成するフ
ロントパネル3と、側面を構成するサイドパネル4と、
背面を構成するバックパネル5と、下面を構成するエン
ドパネル6とからカプセル状に形成されている。
【0024】フロントパネル3は、かごAが昇降する昇
降路の壁面やその昇降路の途中のホールドアとほぼ平行
の平板状をなし、そのほぼ下半部の両側縁は下方に向か
って漸次幅狭となる円弧形状となっている。そしてこの
フロントパネル3に、その内部を点検する際に開閉する
点検パネル3aが設けられている。
【0025】サイドパネル4は、そのほぼ上半部がフロ
ントパネル3の側縁とほぼ直角に交わる平板状をなし、
その下側の下半部がフロントパネル3の両側縁の円弧形
状に沿って湾曲する円弧状の曲面となっている。
【0026】また、バックパネル5は、図3に示すよう
に、整風体1の下端から基端側にわたって緩やかに湾曲
する円弧形状となっている。そしてこの整風体1の下端
面に通風制御部材7が取り付けられている。この通風制
御部材7は、側面から見た形状が下方に向かって先細の
ほぼ三角形をなし、前面は前記フロントパネル3と面一
をなしてそのフロントパネル3に連なり、また背面は僅
かに円弧状に湾曲して前記バックパネル5に連なってい
る。そしてこの通風制御部材7の左右の幅は、昇降路の
ホールドアの間口幅より大きい関係となっている。
【0027】第2の整風体2は、その背面を構成するバ
ックパネル10と、側面を構成するサイドパネル11と
からなり、第1の整風体1と対向する面が開口する箱形
状に形成されている。
【0028】バックパネル10のほぼ上半部は昇降路の
壁面とほぼ平行の平板状で、下半部の両側縁は下方に向
かって漸次幅狭となる円弧形状となっている。そしてサ
イドパネル11は、そのほぼ上半部がバックパネル10
の側縁とほぼ直角に交わる平板状をなし、下半部はバッ
クパネル10の両側縁の円弧形状に沿って湾曲する円弧
状の曲面となっている。
【0029】次に、作用について説明する。
【0030】図4に示すように、かごAが昇降路20内
を下降するときには、昇降路20内の空気がそのかごA
に対して相対的に上方に流れる。そしてかごAの水平投
影面内の空気は、通風制御部材7の背面から第1の整風
体1のバックパネル5に沿ってかごAの後部側に向かっ
て円滑に流れる。
【0031】この気流の一部は、第2の整風体2におけ
るバックパネル10とサイドパネル11とで囲まれた領
域内に入り、これにより図4に破線で示すように、第2
の整風体2の第1の整風体1と対向する内側に滞留空気
層ができ、この空気層が第1の整風体1と第2の整風体
2との間の隙間を埋める擬似的な塞ぎ体となる。
【0032】このため、通風制御部材7の背面から第1
の整風体1のバックパネル5に沿ってかごAの後部側に
流れる気流はその滞留空気層の下側を通ってかごAの後
方側に円滑に流れ出る。
【0033】ところで、昇降路20内のかごAは、図5
に示すように、かごAの前面が昇降路20の前面側の壁
面に近接し、かごAの後面が昇降路20の後面側の壁面
と比較的大きな間隔をあけて対向する状態にある。
【0034】したがって、第1および第2の整風体1,
2に沿ってかごAの後方側に向かう気流は、そのかごA
の後面と昇降路20の壁面との間の広い面積部分に流出
して流速が低下し、この流速の低下により騒音の発生が
抑えられ、このためかごA回りで発生する騒音を低減
し、静かなエレベータの運転を実現することができる。
【0035】一方、この発明の整風装置は、かごAの前
部側と後部側とに分かれる二つの整風体1,2により構
成され、その整風体1,2間に非常止め装置B等の機器
が設けられており、このため非常止め装置B等の機器が
整風装置により覆われることがなく、その保守・点検等
の作業を容易に能率よく行なうことができる。
【0036】図6は、かごAの床下からテールコードや
コンペンロープ等の索条物Dが吊り下げられ、これがか
ごAの水平投影面内で整風体1のバックパネル5と機械
的に干渉する関係にある場合の実施形態であり、バック
パネル5にはスリット状の通し穴21が形成され、この
通し穴21を通して索条物Dがパックパネル5の下方に
垂下されている。そして通し穴21と索条物Dとの間の
隙間にゴム材等の弾性体からなる詰め物22が詰め込ま
れ、この詰め物22によりその隙間が密閉されている。
【0037】このような構成によれば、かごAから吊り
下げられた索条物Dと整風体1のバックパネル5との干
渉を避けてその索条物Dを適正に支持することができ
る。そして通し穴21の位置を選択することにより、索
条物DをかごAの動バランスを最適とする位置に吊り下
げることができる。
【0038】また、通し穴21と索条物Dとの間の隙間
が詰め物22により密閉されているから、無用な風切り
音の発生や空気の流入を抑えることができる。
【0039】なお、この発明は、整風装置をかごAの下
部に設ける場合に限らず、図1ないし図3に示す整風装
置を反転する状態でかごAの上部の天井上に設けること
も可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
かごの投影水平面内の空気をかごの後方側の広い空間内
に円滑に流出させ、その流速の増加を抑えて騒音を的確
に低減することができると共に、かご上やかご下に取り
付けられている各種の機器の保守・点検等の作業を整風
装置によって妨げられることなく容易に能率よく行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る整風装置の前方斜め
下方から見た斜視図。
【図2】本発明の一実施形態に係る整風装置の後方斜め
下方から見た斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る整風装置の側面図。
【図4】整風装置に対する空気の流れについての説明
図。
【図5】エレベータの昇降路内の構成を示す平面図。
【図6】本発明の他の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…第1の整風体 2…第2の整風体 3…フロントパネル 4…サイドパネル 5…バックパネル 7…通風制御部材 10…バックパネル 11…サイドパネル 20…昇降路 21…通し穴 22…詰め部材 A…かご B…非常止め装置 D…索条物

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇降路内を昇降するエレベータのかごの上
    下部のうちの少なくとも一方に、かごの一方側と他方側
    とに分かれて整風機能を有する第1の整風体と第2の整
    風体とが設けられ、これら第1および第2の整風体がか
    ごから突出する形状となっていることを特徴とするエレ
    ベータの整風装置。
  2. 【請求項2】かごの昇降に応じてかごの水平投影面内の
    空気が、かごの一方側の第1の整風体から他方側の第2
    の整風体に沿って流動してかごの他方側の外方に流れ出
    ることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの整風
    装置。
  3. 【請求項3】第1の整風体は、前面が昇降路の壁面やホ
    ールドアとほぼ平行の平面形状であり、背面が整風体の
    先端部から基端側にわたって湾曲する円弧形状となって
    いることを特徴とする請求項1または2に記載のエレベ
    ータの整風装置。
  4. 【請求項4】第1の整風体の側面は、整風体の先端部で
    は幅が狭く、基端部では幅の広い円弧形状となっている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    エレベータの整風装置。
  5. 【請求項5】かごの下部には索条物が吊り下げられてお
    り、この索条物が整風体に形成された通し穴を通してそ
    の下方に垂下されていることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれかに記載のエレベータの整風装置。
  6. 【請求項6】通し穴と索条物との間の隙間には詰め部材
    が詰め込まれ、この詰め部材により前記隙間が密閉され
    ていることを特徴とする請求項5に記載のエレベータの
    整風装置。
  7. 【請求項7】第1の整風体の先端部には、側面から見た
    形状が三角形状をなす通風制御部材が取り付けられ、こ
    の通風制御部材の左右の幅が昇降路のホールドアの間口
    幅より大きくなっていることを特徴とする請求項1ない
    し6のいずれかに記載のエレベータの整風装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017105573A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 株式会社日立製作所 エレベータ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170051206A (ko) 2015-10-30 2017-05-11 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 엘리베이터
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