JP2003118798A - 飲料ディスペンサ - Google Patents

飲料ディスペンサ

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JP2003118798A JP2001314288A JP2001314288A JP2003118798A JP 2003118798 A JP2003118798 A JP 2003118798A JP 2001314288 A JP2001314288 A JP 2001314288A JP 2001314288 A JP2001314288 A JP 2001314288A JP 2003118798 A JP2003118798 A JP 2003118798A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】飲料ディスペンサにおいて、注出のしすぎを回
避した上で所望量の発泡飲料を的確に注出する。 【解決手段】このビールサーバにおいては、調圧制御回
路が、ビール樽に対する炭酸ガスの供給圧を制御目標圧
力の近傍に保つように調圧バルブを適宜開閉制御する。
一方、注出制御回路は、注出ボタンのオン操作に応じ
て、注出コックを所定の注出時間の間だけ液注出状態及
び泡注出状態にそれぞれ保つことにより液状態及び泡状
態のビールを順次自動注出する。この場合、前記注出時
間は、注出ボタンのオン操作時、そのときの圧力センサ
による検出圧力Pxが目標上限圧力P0”以下であった
場合は、制御目標圧力P0に基づき決定される(ステッ
プ304)。一方、そのときの圧力センサによる検出圧
力Pxが目標上限圧力P0”より大きかった場合は、検
出圧力Pxに基づき決定される(ステップ306)。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、飲料容器内に貯え
た例えばビール等の発泡飲料をガス供給手段により供給
した炭酸ガスの圧力によって注出バルブまで圧送し該注
出バルブの開状態にて外部に注出し閉状態にて封止する
ようにした飲料ディスペンサに係り、特に所望量の飲料
の自動注出を可能とする飲料ディスペンサに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の装置としては、飲料容器
内に対する炭酸ガスの供給圧が所定の制御目標圧力とな
るようにガス供給手段に介装した調圧バルブを制御する
調圧制御手段と、指示手段による指示に応答して、注出
バルブを所定の注出時間の間だけ開くことにより所望量
の発泡飲料を注出するようにした自動注出制御手段とを
備え、飲料容器に対する炭酸ガスの供給圧を常に適切な
大きさに保ちながら所望量の発泡飲料を自動的に注出し
ようとしたものがあった。この場合、例えば実開昭64
−42299号公報に示されているように、指示手段に
よる指示時、前記自動注出制御手段が注出バルブを開く
注出時間をそのときの制御目標圧力に基づき決定するよ
うにして、飲料容器に対する炭酸ガスの供給圧の大きさ
に関わらず常に所望量の発泡飲料を注出できるようにし
ようとしたものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、飲料
容器に対する実際の炭酸ガスの供給圧を常に制御目標圧
力と同じ大きさに保つことは困難である。特に、実際の
炭酸ガスの供給圧が制御目標圧力より高い場合は、発泡
飲料の注出によってガス圧が下がるのを待つか、又は飲
料容器内の炭酸ガスを抜く機構を別途設けておいて同機
構の制御によりガス圧を下げるようにするかなどしなけ
ればならなかったため、実際の炭酸ガスの供給圧を制御
目標圧力に追従させることが困難であった。したがっ
て、この場合、上記制御目標圧力に基づき注出時間を決
定する従来装置においては、実際より低い圧力に基づき
注出時間を決定することになるため、注出時間が長くな
りすぎて、発泡飲料を多く注出しすぎて外部のジョッキ
などから溢れさせてしまうことがあった。 【0004】一方、上記問題に対処するために、ガス供
給手段が飲料容器内に供給している炭酸ガスの圧力を検
出する圧力センサを設けておいて該圧力センサにより検
出した実際の炭酸ガスの供給圧に基づき注出時間を決定
するようにするということが考えられるが、この場合、
特に、実際の炭酸ガスの供給圧が制御目標圧力の近傍で
あった場合は、発泡飲料の注出時、注出に伴うガス圧の
低下とそれに対する調圧制御手段のフィードバック制御
により実際の炭酸ガス圧が制御目標圧力の近傍にて不安
定となりがちであるため、適切な注出時間を決定して所
望量の発泡飲料を的確に注出することが困難となる。 【0005】 【発明の概要】本発明の目的は、注出のしすぎを回避し
た上で所望量の発泡飲料を的確に注出する飲料ディスペ
ンサを提供することにある。 【0006】本発明の構成上の特徴は、前記調圧制御手
段及び自動注出制御手段を備えた飲料ディスペンサにお
いて、前記ガス供給手段が飲料容器内に供給している炭
酸ガスの圧力を検出する圧力センサと、前記指示手段に
よる指示時、圧力センサにより検出されたそのときの炭
酸ガスの供給圧が前記制御目標圧力より所定圧だけ高い
閾圧以下であった場合は前記自動注出制御手段が参照す
る注出時間を制御目標圧力に基づき決定し、前記圧力セ
ンサによる検出圧が前記閾圧より高かった場合は前記注
出時間を前記検出圧に基づき決定する注出時間決定手段
とを設けたことにある。 【0007】上記構成を有する飲料ディスペンサにおい
ては、実際の炭酸ガスの供給圧が制御目標圧力の近傍以
下であった場合は、制御目標圧力に基づき注出時間が決
定される。したがって、この場合、発泡飲料注出中の不
安定な実際の炭酸ガス圧に基づき不適切な注出時間を決
定することもないため、所望量の発泡飲料を的確に注出
することができる。一方、実際の炭酸ガスの供給圧が制
御目標圧力より所定圧以上高かった場合は、圧力センサ
により検出された実際の炭酸ガスの供給圧に基づき注出
時間が決定される。したがって、この場合、実際の炭酸
ガスの供給圧より低い圧力に基づき長すぎる注出時間を
決定することもないため、発泡飲料を多く注出しすぎて
外部のジョッキなどから溢れさせることを回避できる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。同実施形態は、本発明によ
る飲料ディスペンサとして図1,2に示したビールサー
バを採用したものである。このビールサーバは、ビール
樽80(飲料容器)内に貯えたビール(発泡飲料)を、
ガスボンベ90(ガス供給手段)により供給した炭酸ガ
スの圧力によって本体10の前面に配設した注出コック
11(注出バルブ)まで圧送し適宜注出するようにした
ものである。 【0009】注出コック11は、図示しない弁機構を内
蔵して構成されており、切換駆動機構12によるレバー
11aの傾倒操作に応じて、ビール樽80から圧送され
たビールを液ノズル11bから液状態にて注出する液注
出状態(開状態)と、前記ビールを泡ノズル11cから
泡状態にて注出する泡注出状態(開状態)と、前記ビー
ルを封止する中立状態(閉状態)とで切り換えられるよ
うになっている。注出コック11の下方には、ビールジ
ョッキを載置するためのジョッキ台13が配設されてい
る。ジョッキ台13は、注出コック11からのビールの
注出状況に応じて傾動駆動機構14により駆動されて起
立状態又は傾斜状態に保たれるようになっている。 【0010】本体10内には、ビール樽80からサイフ
ォン管81、ディスペンサヘッド82、及びビール供給
ホース83を通して圧送されたビールを注出コック11
まで導くビール供給管15が収容されている。ビール供
給管15のコイル状中間部15aは、冷却装置16によ
り冷却される冷却水を貯えた冷却水タンク17内に収容
されており、この冷却水タンク17内の冷却水によって
供給管中間部15a内のビールが注出コック11に供給
されるまでに冷却されるようになっている。ビール供給
管15のコイル状中間部15aの上流位置には、同位置
におけるビールの温度を検出する温度センサ18が収容
されている。 【0011】本体10内には、ガス供給管19(ガス供
給手段)も収容されている。ガス供給管19は、ガスボ
ンベ90から定圧バルブ91により所定圧力(例えば、
0.5MPa)に減圧されてガス供給ホース92を通し
て供給された炭酸ガスを、ガス供給ホース84及びディ
スペンサヘッド82を通してビール樽80内に供給する
ものである。ガス供給管19には、電気的に開閉制御さ
れて上記ビール樽80に供給する炭酸ガスの圧力を調整
する調圧バルブ21と、同炭酸ガスの圧力を検出する圧
力センサ22が介装されている。調圧バルブ21の下流
及び圧力センサ22の上流には、それぞれガス供給管1
9の開度を調整するための開度調整バルブ21a,22
aが介装されている。 【0012】本体10の前面には、操作パネル23が設
けられている。操作パネル23は、注出ボタン23a、
液ボタン23b、及び泡ボタン23cを備えている(図
2にのみ示す)。注出ボタン23aは、所定量のビール
を自動的に注出する自動注出モード、又は自動注出モー
ドにて注出するビールの量を設定するための注出量設定
モードのうちから当該ビールサーバの動作モードを選択
するためのものである。液ボタン23b及び泡ボタン2
3cは、注出ボタン23aによる注出量設定モードの選
択中などにそれぞれ液状態及び泡状態のビールの注出の
開始及び停止を指示するためのものである。各ボタン2
3a〜23cは、非操作時に常にオフ状態に保たれる常
開スイッチである。 【0013】各駆動機構12,14及び操作パネル23
には、注出制御回路24が接続されている。注出制御回
路24はマイクロコンピュータにより構成されており、
図3に示したフローチャートに対応したプログラムを実
行して、各駆動機構12,14の作動を制御する。注出
制御回路24は、注出量設定モードにて計測した基準注
出時間T1,T2を記憶するためのメモリ24aと、そ
れぞれ液状態及び泡状態のビールの注出時間を計測する
ための液注出タイマ24b及び泡注出タイマ24cとを
内蔵している。 【0014】各センサ18,22及び調圧バルブ21に
は、調圧制御回路25が接続されている。調圧制御回路
25もマイクロコンピュータにより構成されており、図
4,5に示したフローチャートに対応したプログラムを
実行して調圧バルブ21の作動を制御する。調圧制御回
路25は、注出量設定モードにおける基準注出時間T
1,T2の設定記憶時にビール樽80に対する炭酸ガス
の供給圧Psを記憶するメモリ25aを内蔵している。
各制御回路24,25は互いに接続されており、それぞ
れの制御情報を相互に入出力できるようになっている。 【0015】次に、上記のように構成した当該ビールサ
ーバの動作について、図3〜5のフローチャートに沿っ
て説明する。最初、図示しない電源スイッチが投入され
ると、冷却装置16が冷却水タンク17内の水を冷却し
始めるとともに、各制御回路24,25がそれぞれ図
3,4のステップ100,200にてプログラムの実行
を開始する。注出制御回路24は、まず、ステップ10
2にて、いずれかのボタン23a〜23cがオン操作さ
れるのを待つ。 【0016】上記ステップ102における待機中、ジョ
ッキ台13にビールジョッキが載置されて、液ボタン2
3bがオン操作されると、注出制御回路24はプログラ
ムをステップ104へ進めて液状態のビールの注出を開
始する。このとき、注出制御回路24は、液ボタン23
bがオン状態に保たれている間、注出コック11を液注
出状態に保ち、ビール樽80から圧送されたビールを注
出コック11により液状態にて注出する。 【0017】一方、上記ステップ102における待機
中、泡ボタン23cがオン操作された場合、注出制御回
路24はプログラムをステップ106へ進めて泡状態の
ビールの注出を開始する。このとき、注出制御回路24
は、泡ボタン23cがオン状態に保たれている間、注出
コック11を泡注出状態に保ち、ビール樽80から圧送
されたビールを注出コック11から泡状態にて注出す
る。 【0018】一方、上記ステップ102における待機
中、注出ボタン23aがオン操作されてかつそのオン状
態が所定時間以上保たれた場合、当該ビールサーバは注
出量設定モードとなり、注出制御回路24はプログラム
をステップ108へ進めて注出量設定処理を実行する。
同処理中、注出制御回路24は、液ボタン23b又は泡
ボタン23cがオン操作される毎に、注出コック11を
液注出状態又は泡注出状態に切り換えて液状態又は泡状
態のビールを注出する。そして、各状態のビールを注出
した各総時間を液注出タイマ24b及び泡注出タイマ2
4cを用いてそれぞれ基準注出時間T1,T2として計
測しメモリ24aに記憶する。これにより、ジョッキ台
13上のビールジョッキ内に所望量のビールが注出さ
れ、同注出に要した時間が基準注出時間T1,T2とし
て設定記憶されることになる。なお、上記ビールの注出
中、ジョッキ台13は傾動駆動機構14により駆動され
て傾斜状態及び起立状態に適宜保たれる。上記注出の完
了後、注出ボタン23aのオン状態が解除されると、注
出制御回路24はこの注出量設定処理を終了してプログ
ラムをステップ102へ戻す。 【0019】ところで、前記電源スイッチの投入時に
は、調圧制御回路25も図4のステップ200にてプロ
グラムの実行を開始している。調圧制御回路25は、プ
ログラムの実行開始時、まずステップ202にて初期設
定を実行して、制御目標圧力P0、目標下限圧力P
0’、及び目標上限圧力P0”の初期値を設定する。具
体的には、そのとき圧力センサ22により検出したビー
ル樽80に対する炭酸ガスの供給圧Pxを制御目標圧力
P0の初期値として設定し、その制御目標圧力P0より
所定圧(例えば、0.005MPa)だけ低い圧力を目
標下限圧力P0’として設定し、その制御目標圧力P0
より所定圧(例えば、0.015MPa)だけ高い圧力
を目標上限圧力P0”として設定する。ただし、検出圧
力Pxが所定の最大目標圧力Pmax(例えば、0.3
9MPa)より高かった場合は最大目標圧力Pmaxを
制御目標圧力P0の初期値として設定し、検出圧力Px
が所定の最小目標圧力Pmin(例えば、0.2MP
a)より低かった場合は最小目標圧力Pminを制御目
標圧力P0の初期値として設定する。また、このときフ
ラグFLGの値を“0”に設定する。フラグFLGは、
値“1”にて液状態のビールの注出が開始されたことを
表すものである。 【0020】上記初期設定後、調圧制御回路25は、ス
テップ204〜232からなる循環処理を繰り返し実行
して、ガスボンベ90からビール樽80への炭酸ガスの
供給圧を制御する。 【0021】ステップ204〜208は、上記炭酸ガス
の供給圧を制御目標圧力P0の近傍に保つための処理で
ある。この場合、調圧制御回路25は、まずステップ2
04にて、圧力センサ22により検出したビール樽80
に対する炭酸ガスの供給圧Pxと、前記ステップ202
又は後述するステップ228にて設定した目標下限圧力
P0’及び目標上限圧力P0”とを比較判定する。この
とき、検出圧力Pxが目標下限圧力P0’より低かった
場合は、プログラムをステップ206へ進めて調圧バル
ブ21を開き炭酸ガスの供給圧を上げる。一方、このと
き検出圧力Pxが目標上限圧力P0”より高かった場合
は、プログラムをステップ208へ進めて調圧バルブ2
1を閉じ上記ガス圧の上昇を停止させる。また、このと
き検出圧力Pxが制御目標圧力P0の近傍にあって目標
下限圧力P0’と目標上限圧力P0”の間にあった場合
は、調圧バルブ21のそれまでの状態を保ったままプロ
グラムをステップ210へ進める。上記循環処理中、こ
れらステップ204〜208からなる処理が繰り返し実
行されることにより、調圧バルブ21が適宜開閉制御さ
れて、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給圧は、通
常、図6に示したように、調圧バルブ21が開かれるこ
とによる上昇とビールの注出に伴う低下を繰り返しなが
ら、目標下限圧力P0’と目標上限圧力P0”の間に保
たれることになる。 【0022】ステップ210においては、注出制御回路
24が後述するビールの自動注出を開始しようとしてい
るか否かを判定し、このとき自動注出開始時でなければ
「NO」と判定してプログラムをステップ212へ進め
る。ステップ212においては、フラグFLGが値
“1”であるか否かを判定するが、最初、前記ステップ
202の初期設定によりフラグFLGが値“0”に設定
されたままであれば、「NO」と判定してプログラムを
ステップ214へ進める。ステップ214においては、
注出制御回路24の制御下にて注出コック11が液状態
のビールの注出を開始しようとしているか否かを判定
し、このときビールの注出開始時でなければ「NO」と
判定してプログラムをステップ204へ戻す。 【0023】上記ステップ204〜214からなる処理
の繰り返し実行中、液ボタン23bがオン操作されるか
又は後述する自動注出が指示されるかして、注出コック
11が注出制御回路24の制御下にて液注出状態に移行
して液状態のビールの注出を開始すると、調圧制御回路
25はステップ214にて「YES」と判定してプログ
ラムをステップ216以降へ進める。ステップ216に
おいては、温度センサ18により、注出開始時の飲料供
給管15内のビールの温度を注出前温度kaとして計測
する。ステップ218においては、フラグFLGの値を
液状態のビールの注出が開始されたことを表す値“1”
に設定する。ステップ220においては、注出制御回路
24の制御下にて注出コック11が上記開始した液状態
のビールの注出を停止しようとしているか否かを判定
し、このときビールの注出停止時でなければ「NO」と
判定してプログラムをステップ204へ戻す。 【0024】上記ステップ218におけるフラグFLG
の設定により、調圧制御回路25は、次回以降、ステッ
プ212の実行時に「YES」と判定してステップ21
4〜218の処理を実行することなくプログラムをステ
ップ220へ進めるようになるため、以後、ステップ2
04〜208からなる処理及びステップ210,21
2,220の各判定処理を繰り返し実行することにな
る。この繰り返し実行中、注出コック11は液注出状態
に保たれて液状態のビールを注出し続ける。そして、液
ボタン23bのオン状態が解除されるか又は自動注出が
終了するかして、注出コック11が注出制御回路24の
制御下にて中立状態に戻され上記液状態のビールの注出
を停止すると、調圧制御回路25はステップ220にて
「YES」と判定してプログラムをステップ222以降
へ進める。ステップ222においては、温度センサ18
により、注出終了時の飲料供給管15内のビールの温度
を注出後温度kbとして計測する。ステップ224にお
いては、フラグFLGの値を再び値“0”に設定する。 【0025】ステップ226においては、上記ステップ
216,222にてそれぞれ計測した注出前温度ka及
び注出後温度kbの変化率から、予め実験などに基づき
設定記憶したマップを参照してビール樽80の温度Kを
推定し算出する。ステップ228においては、同算出し
た樽温度Kから、予め記憶した図7に示したマップを参
照して、ビール樽80に対する炭酸ガスの適切な供給圧
を制御目標圧力P0として算出する。樽温度K及び制御
目標圧力P0は、樽温度Kが所定温度K1(例えば、1
5℃)以上かつ所定温度K2(例えば、34℃)以下で
あって制御目標圧力P0が最小目標圧力Pminより低
くならずかつ最大目標圧力Pmaxより高くならない範
囲においては比例関係にあり、樽温度Kが高くなるにつ
れて制御目標圧力P0も高い値に設定するようにして、
ビール中の炭酸ガス量を常に飲用に適した所定量に保つ
ようにしている。一方、樽温度Kが所定温度K1以下で
ある領域においては、樽温度Kが低くなっても制御目標
圧力P0をそれ以上に低くすることなく最小目標圧力P
minに保つようにして、ビールを確実に注出コック1
1まで圧送するようにしている。また、樽温度Kが所定
温度K2以上である領域においては、樽温度Kが高くな
っても制御目標圧力P0をそれ以上に高くすることなく
最大目標圧力Pmaxに保つようにして、ビール樽80
が膨張したりビールの流速が速くなりすぎたりするのを
回避するようにしている。そして、調圧制御回路25
は、前記ステップ202の初期設定時と同様に、算出し
た制御目標圧力P0より所定圧だけ低い圧力を目標下限
圧力P0’として設定し、同制御目標圧力P0より所定
圧だけ高い圧力を目標上限圧力P0”として設定する。 【0026】ステップ230においては、当該ビールサ
ーバが注出量設定モードにあって注出制御回路24が前
述した注出量設定処理の実行中であるか否かを判定し、
このとき注出量設定中でなければ「NO」と判定してプ
ログラムをステップ204へ戻す。一方、このとき注出
量設定中であれば、「YES」と判定して、ステップ2
32にて上記ステップ228にて算出した制御目標圧力
P0を設定時圧力Psとしてメモリ25aに記憶する。
このとき、既にメモリ25aに設定時圧力Psが記憶さ
れている場合には、その記憶されている設定時圧力Ps
を書き換えて更新する。そして、プログラムをステップ
204へ戻して、再びステップ206〜214からなる
処理を繰り返し実行する。 【0027】上述のように、調圧制御回路25は、ステ
ップ202における初期設定後、ステップ204〜23
2からなる循環処理を繰り返し実行する。このとき、当
該ビールサーバの動作モードに関わらず注出コック11
が液状態のビールを注出する毎に注出前温度ka及び注
出後温度kbを計測し、同計測した各温度ka,kbに
基づき樽温度Kを推定して算出する。そして、同算出し
た樽温度Kに応じて制御目標圧力P0を算出し、ビール
樽80に対する炭酸ガスの供給圧を目標下限圧力P0’
と目標上限圧力P0”の間に保って同算出した制御目標
圧力P0の近傍に保つように調圧バルブ21を適宜開閉
制御する。また、注出量設定中であれば、上記算出した
制御目標圧力P0を設定時圧力Psとして記憶する。 【0028】次に、上記注出量設定モードにて設定した
量のビールを自動的に注出するようにした当該ビールサ
ーバの自動注出モードについて説明する。注出制御回路
24は、前記図3のステップ102における待機中、注
出ボタン23aがオン操作されてかつそのオン状態が所
定時間内に解除されると、プログラムをステップ110
以降へ進めてビールの自動注出を開始する。このとき、
調圧制御回路25は、図4のステップ210にて「YE
S」と判定してプログラムをステップ234へ進め、補
正値α1,α2を算出する。補正値α1,α2は、前記
注出量設定モードにて液状態及び泡状態のビールに対し
それぞれ計測して設定した基準注出時間T1,T2を補
正して自動注出モードにて実際に液状態及び泡状態のビ
ールを注出する注出時間T1’,T2’を決定するため
のものであり、炭酸ガスの圧力差を思量した上で基準注
出時間T1,T2の設定時と同量のビールを注出できる
ようにその値を決定されるものである。 【0029】ここで、補正値α1,α2の算出方法と用
い方について具体的に説明する。まず、一般に、注出量
Qと、ビール樽80に対する炭酸ガスの供給圧P、及び
注出時間Tとの関係は、供給圧Pが所定圧以上である条
件下において、下記数1のように表される。 【0030】 【数1】Q=(a・P+b)・T 上記式中において、a,bはそれぞれ実験により予め求
められる定数である。上記数1を前述した注出量設定モ
ードにおけるビール注出時について適用すると、液状態
及び泡状態のビールについてそれぞれ下記数2,3が成
り立つ。 【0031】 【数2】Q1=(a1・Ps+b1)・T1 【0032】 【数3】Q2=(a2・Ps+b2)・T2 なお、a1,b1,a2,b2を定める際、基準とする
注出量Q1,Q2は、液状態のビールについては質量と
し、泡状態のビールについては体積とするとよい。 【0033】次に、自動注出モードにおけるビール注出
時、上記注出量設定モードにおける注出時と同量の注出
量Q1,Q2を得ようとすれば、その注出に要する注出
時間T1’,T2’はそのときの炭酸ガスの供給圧Pを
用いて下記数4,5により与えられる。 【0034】 【数4】Q1=(a1・P+b1)・T1’ 【0035】 【数5】Q2=(a2・P+b2)・T2’ 数2〜5から、下記数6,7が成立する。 【0036】 【数6】T1’={(a1・Ps+b1)/(a1・P
+b1)}・T1 【0037】 【数7】T2’={(a2・Ps+b2)/(a2・P
+b2)}・T2 ここで、補正値α1,α2を下記数8,9のように定め
る。 【0038】 【数8】 α1=(a1・Ps+b1)/(a1・P+b1) 【0039】 【数9】 α2=(a2・Ps+b2)/(a2・P+b2) 数8,9を用いれば、数6,7は下記数10,11のよ
うに表される。 【0040】 【数10】T1’=α1・T1 【0041】 【数11】T2’=α2・T2 これにより、炭酸ガスの圧力差を思量した上で、基準注
出時間T1,T2の設定時と同量のビールを注出するの
に要する注出時間T1’,T2’を算出することができ
る。 【0042】調圧制御回路25は、前記ステップ234
における補正値α1,α2の算出の際、図5にて詳細に
示したように、まず、そのときの圧力センサ22による
検出圧力Pxと目標上限圧力P0”とを比較判定する
(ステップ302)。このとき、前記図4のステップ2
04〜208からなる処理の繰り返し実行によりビール
樽80に対する炭酸ガスの供給圧が制御目標圧力P0に
十分に追従していてその近傍に保たれており、圧力セン
サ22による検出圧力Pxが目標上限圧力P0”以下で
あった場合は、プログラムをステップ304へ進めて、
上記数8,9にて炭酸ガスの供給圧Pとして制御目標圧
力P0を採用した下記数12,13の算出式に従い補正
値α1,α2を算出する。 【0043】 【数12】 α1=(a1・Ps+b1)/(a1・P0+b1) 【0044】 【数13】 α2=(a2・Ps+b2)/(a2・P0+b2) 一方、前記電源スイッチの投入若しくはビール樽80の
交換から間もない場合など、圧力センサ22により検出
されたガス供給圧Pxが制御目標圧力P0に十分に追従
しておらず目標上限圧力P0”より大きかった場合は、
プログラムをステップ306へ進めて、上記数8,9に
て炭酸ガスの供給圧Pとして検出圧力Pxを採用した下
記数14,15の算出式に従い補正値α1,α2を算出
する。 【0045】 【数14】 α1=(a1・Ps+b1)/(a1・Px+b1) 【0046】 【数15】 α2=(a2・Ps+b2)/(a2・Px+b2) 上記ステップ304又はステップ306における補正値
α1,α2の算出後、調圧制御回路25は、図4のステ
ップ236にて同算出した補正値α1,α2を注出制御
回路24に対して出力する。このとき、注出制御回路2
4は、その調圧制御回路25から入力した補正値α1,
α2に基づいて、図3のステップ110にて、上記数1
0,11の算出式に従い注出時間T1’,T2’を決定
する。そして、ステップ112にて、液注出タイマ24
b及び泡注出タイマ24cにより時間を計測しながら同
決定した注出時間T1’,T2’の間だけ注出コック1
1を液注出状態及び泡注出状態にそれぞれ保つことによ
り、液状態及び泡状態のビールを順次注出する。なお、
上記ビールの注出中、ジョッキ台13は傾動駆動機構1
4により駆動されて傾斜状態及び起立状態に適宜保たれ
る。上記自動注出が完了すると、注出制御回路24はプ
ログラムをステップ102へ戻して再びいずれかのボタ
ン23a〜23cが操作されるのを待つ。 【0047】上述のように、上記実施形態においては、
調圧制御回路25が、図4のステップ204〜208か
らなる処理を繰り返し実行して、ビール樽80に対する
炭酸ガスの供給圧を制御目標圧力P0の近傍に保つよう
に調圧バルブ21を適宜開閉制御する。一方、注出制御
回路24は、注出ボタン23aのオン操作に応じて図3
のステップ112の処理を実行し、注出コック11を注
出時間T1’,T2’の間だけ液注出状態及び泡注出状
態にそれぞれ保つことにより、液状態及び泡状態のビー
ルを順次自動注出する。 【0048】上記場合において、注出時間T1’,T
2’は、予め設定されている基準注出時間T1,T2と
補正値α1,α2とに基づき決定される。ここで、補正
値α1,α2は、注出ボタン23aのオン操作時、その
ときの圧力センサ22による検出圧力Pxが目標上限圧
力P0”以下であった場合は、図5のステップ304に
て、基準注出時間T1,T2設定時の圧力Psと制御目
標圧力P0とに基づき算出される。一方、そのときの圧
力センサ22による検出圧力Pxが目標上限圧力P0”
より大きかった場合は、図5のステップ306にて、設
定時圧力Psと圧力センサ22による検出圧力Pxとに
基づき算出される。 【0049】すなわち、上記実施形態においては、実際
の炭酸ガスの供給圧Pxが制御目標圧力P0の近傍以下
であった場合は、制御目標圧力P0に基づき注出時間T
1’,T2’が決定されることになる。したがって、こ
の場合、図6に示したようなビール注出中の不安定な実
際の炭酸ガス圧に基づき不適切な注出時間を決定するこ
ともないため、注出量設定モードにて設定した所望量の
ビールを的確に注出することができる。一方、実際の炭
酸ガスの供給圧Pxが制御目標圧力P0より所定圧以上
高かった場合は、圧力センサにより検出された実際の炭
酸ガスの供給圧Pxに基づき注出時間T1’,T2’が
決定されることになる。したがって、この場合、実際の
炭酸ガスの供給圧より低い圧力に基づき長すぎる注出時
間を決定することもないため、ビールを多く注出しすぎ
て外部のジョッキなどから溢れさせることを回避でき
る。 【0050】なお、上記実施形態においては、補正値α
1,α2の算出の際に参照する圧力を制御目標圧力P0
と検出圧力Pxのうちから選択するための閾圧として目
標上限圧力P0”を採用したが、閾圧としては、目標上
限圧力P0”より若干高い圧力を設定しておくようにし
てもよい。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施形態に係るビールサーバの
全体概略図である。 【図2】前記ビールサーバの電気制御部を表すブロック
図である。 【図3】図1,2の注出制御回路により実行されるプロ
グラムに対応したフローチャートである。 【図4】図1,2の調圧制御回路により実行されるプロ
グラムに対応したフローチャートである。 【図5】図4の補正値の算出の詳細を表すフローチャー
トである。 【図6】図1,2の調圧バルブの状態と炭酸ガスの供給
圧との関係を表すタイムチャートである。 【図7】図1,2のビール樽の温度と制御目標圧力との
関係を表すグラフである。 【符号の説明】 10…ビールサーバ本体、11…注出コック、19…ガ
ス供給管、21…調圧バルブ、22…圧力センサ、23
a…注出ボタン、24…注出制御回路、25…調圧制御
回路、80…ビール樽、90…ガスボンベ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】飲料容器内に貯えた発泡飲料をガス供給手
    段により供給した炭酸ガスの圧力によって注出バルブま
    で圧送し該注出バルブの開状態にて外部に注出し閉状態
    にて封止するようにした飲料ディスペンサであって、 前記飲料容器内に対する炭酸ガスの供給圧が所定の制御
    目標圧力となるように前記ガス供給手段に介装した調圧
    バルブを制御する調圧制御手段と、 指示手段による指示に応答して、前記注出バルブを所定
    の注出時間の間だけ開くことにより所望量の発泡飲料を
    注出するようにした自動注出制御手段とを備えた飲料デ
    ィスペンサにおいて、 前記ガス供給手段が飲料容器内に供給している炭酸ガス
    の圧力を検出する圧力センサと、 前記指示手段による指示時、前記圧力センサにより検出
    されたそのときの炭酸ガスの供給圧が前記制御目標圧力
    より所定圧だけ高い閾圧以下であった場合は前記自動注
    出制御手段が参照する注出時間を前記制御目標圧力に基
    づき決定し、前記圧力センサによる検出圧が前記閾圧よ
    り高かった場合は前記注出時間を前記検出圧に基づき決
    定する注出時間決定手段とを設けたことを特徴とする飲
    料ディスペンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010173664A (ja) * 2009-01-28 2010-08-12 Asahi Breweries Ltd 炭酸ガス圧力調整器
CN111960371A (zh) * 2015-11-25 2020-11-20 科拉温股份有限公司 具有控制器的饮料抽取器

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CN111960371A (zh) * 2015-11-25 2020-11-20 科拉温股份有限公司 具有控制器的饮料抽取器

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