JP4483120B2 - 飲料ディスペンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、飲料ディスペンサに関し、詳細には、発泡飲料を注出した後、泡を追加的に盛り付けるようにした飲料ディスペンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、紙コップやグラス、ジョッキ等の飲用容器に、ビールや発泡酒等の発泡飲料を自動定量して注ぐ飲料ディスペンサが知られている。この飲料ディスペンサは、飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、所定量の飲料を分配注出するものであるが、このような飲料ディスペンサの中には、例えばビールディスペンサのように、所定量のビールを分配注出した後に、飲用容器であるビールジョッキに注出されたビールの液面上に、追加的に所定量の泡を盛り付けるものもある。
【0003】
ビールは、ジョッキに注がれた場合、液状のビール自体と、その液面上に積層された泡とが、高さ比で7対3〜8対2程度の状態のときに、視覚的に美味感を与えるが、ジョッキに注がれたビールから炭酸ガスが遊離して自然に発泡する泡(自然発泡)だけでは、必ずしも上述した比率を実現することは難しい。また、自然発泡は泡の木目が粗いため消失しやすく、ビールに含有される炭酸ガスの抜けを抑制する蓋としての機能が短時間しか続かないため、炭酸ガスが抜けてビールの風味が低下しやすいといわれている。
【0004】
そこで、ある種のビールディスペンサは、ディスペンサの内部で、自然発泡よりも木目の細かい泡(以下、クリーミー泡という。)を作り、ビールの注出中は、自然発泡の発生を抑制するようにビールを注出し、所定量のビールが注がれた後に、作られたクリーミー泡をビールの液面上に追加的に所定量盛り付けて、ビールと泡との比を好適化するとともに、ビールの風味を長く持続させるようにしている。
【0005】
ところで、上述したビールディスペンサであっても、ジョッキに注がれたビールから発生する自然発泡を完全に抑えることはできず、またその自然発泡は、常に一定量だけ発生するとは限らない。例えば、直前のビール注出終了から次回の注出開始までの時間間隔が長い場合、すなわちビールがディスペンサの導管内部に停滞している時間が長い場合には、導管の冷却されていない部分に停滞しているビールの温度が上昇して自然発泡量が増加することになる。
【0006】
このため、自然発泡量が多い場合には、追加注出するクリーミー泡の注出量が常に一定であると、自然発泡とクリーミー泡との総量が予期しているよりも多くなって、泡がジョッキから溢れてしまう。
【0007】
そこで、ビールディスペンサには、ジョッキに注がれたビールの液面や泡の上面を検出する光センサ等を用いた液面センサが備えられ、クリーミー泡の注出中にこの液面センサによって検出された泡の上面位置が、ビールジョッキの上縁位置以下の、予め設定された所定高さ位置に到達したとき、制御手段がこの泡の注出を停止させるように制御することにより、泡の溢れ出しを防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した液面センサは他のセンサに比べて高価であるため、ビールディスペンサの製造コストが高くなるという問題がある。また、この液面センサは、液面または泡の上面の検出精度を高めるべく、ビールを注出するビールノズルやクリーミー泡を注出する泡ノズルの近くに配設されるが、これらのノズルの近傍は、ジョッキに注がれたビールの跳ね返りなどによって、ビールが付着しやすく、液面センサにビールが付着すると、液面や泡上面を誤検出する場合もある。そして、製造コストの上昇は製品価格の高騰を招き、また泡上面等の誤検出は製品の信頼性を低下させることになる。なお、この問題は、必ずしもビールディスペンサに限った問題ではなく、追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサであれば同様に該当しうる問題である。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高価な液面センサを用いることなく、注出時間間隔が長い場合にも、追加的に盛り付ける泡の注出精度を高めることができる飲料ディスペンサを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の飲料ディスペンサ(請求項1)は、発泡飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、前記注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、前記発泡飲料を分配注出した後、前記飲用容器に注出された発泡飲料の液面上に追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサにおいて、前記飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出する計時手段と、前記検出された時間間隔に基づいて、前記飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
ここで、上記飲用容器には、紙コップ、プラスチック製のコップ、グラス、カップ、ジョッキ等を含み、また、飲用に直接供するものではないが、ジョッキ等にさらに分配するためのピッチャーなども含む。また、発泡飲料は、ビールや、ビールと類似の発泡酒、その他炭酸飲料も含む。また、追加的に盛り付けられる泡は、発泡飲料がビールや発泡酒である場合、これらの飲料から自然に発生する自然発泡よりも木目が細かいクリーミー泡を意味する。
【0012】
発泡飲料の液面上に泡を盛り付ける、とは、発泡飲料の液面に接して泡を盛り付けるだけでなく、この発泡飲料から生じた自然発泡上に泡を盛り付けることも含む。すなわち、発泡飲料から自然泡が生じている場合には、発泡飲料の液面に接して自然発泡が積層されているため、追加注出した泡(クリーミー泡など)は、この自然発泡に接して積層されるが、この場合であっても、発泡飲料の液面の上方である限りにおいて、「液面上」の意に含まれる。
【0013】
また、計時手段の機能の一部を制御手段が備えるようにしてもよい。すなわち、計時手段を、単に、飲用容器への発泡飲料の注出終了時の時刻(注出終了時刻)と、次の飲用容器への発泡飲料の注出開始時の時刻(注出開始時刻)とを刻み、または検出するものとし、制御手段が、計時手段によって刻まれ、または検出された両時刻(注出終了時刻および注出開始時刻)に基づいて、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を算出するものとしてもよい。
【0014】
飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定する方法については、種々の方法を適用することができる。例えば、請求項2に係る飲料ディスペンサによる方法が好適である。また、推定して得られた自然発泡量に応じて追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するとは、具体的には、泡が飲容器から溢れない範囲で、自然発泡量が多いと推定したときは盛り付ける泡の注出量を少なくし、自然発泡量が少ないと推定したときは盛り付ける泡の注出量を多くすることを意味する。
【0015】
この請求項1に係る飲料ディスペンサによれば、計時手段が、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出し、この検出された時間間隔に基づいて、制御手段が、飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡が飲用容器から溢れないように、追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するため、発泡飲料の注出が停止されている時間間隔の長短に拘らず、次の飲用容器への発泡飲料の注出後に行われる泡の追加注出によって、泡が飲用容器から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な構成要素を用いていないため、製造コストの高騰を抑制するとともに、発泡飲料がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【0016】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項2)は、請求項1に係る飲料ディスペンサにおいて、前記制御手段は、異なる時間間隔(飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔)にそれぞれ対応する自然発泡量を予め実験的に求めて得られた、前記時間間隔と前記自然発泡量との対応テーブルを備え、前記計時手段によって検出された時間間隔に対応する前記自然発泡量を、前記対応テーブルを参照して特定することにより、前記自然発泡量を推定することを特徴とする。
【0017】
この発明は、上述した自然発泡を推定する方法を具体化したものであり、最も簡便な推定方法であるとともに、推定精度も高いため、好適である。なお、実験には、この飲料ディスペンサを設置する環境下におけるティーチング作業も含まれる。
【0018】
なお、時間間隔と自然発泡量とを対応付けた対応テーブルに加えて、自然発泡量と追加注出する泡の注出量とを対応付けた第二の対応テーブルを備えてもよく、さらにこれら二つの対応テーブルを統合して、時間間隔と追加注出する泡の注出量とを直接対応付けた対応テーブルに置換してもよい。ただし、時間間隔に対する自然発泡量は、温度等環境に影響を受けて変動しやすいため、対応関係をその状況に応じて容易に切換え可能とすべく、独立した対応テーブルとして備えるのが好ましい。
【0019】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項3)は、請求項1または2に係る飲料ディスペンサにおいて、前記制御手段は、前記泡を注出しようとする飲用容器についての推定された自然発泡量を、時系列的に少なくとも直前1回の泡の注出における前記決定の内容に応じて補正するとともに、前記補正して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定することを特徴とする。
【0020】
発泡飲料を前回注出してから今回注出するまでの時間間隔が長い場合には、前述したように、発泡飲料の温度が上昇して自然発泡が増加するため、上述した請求項1または2に係る飲料ディスペンサは、この時間間隔に応じて泡の注出量を変えるようにしているが、その注出量を変化させた1回限りで、発泡飲料の温度が元の温度に戻るとは限らない場合がある。すなわち、発泡飲料が内部を通過する注出口近傍の導管の温度は、飲料の注出時間間隔が長くなることによって、外気温の影響を受けて上昇しているため、冷却された飲料が1回だけ通過したことによっては、温度が十分に低下しないことが考えられる。このような状態において、次の注出時間間隔が短かったとしても、温度が十分に低下していない導管を通過した飲料の温度は、温度が十分に低下している導管を通過した飲料の温度よりも高くなるため、自然発泡量は推定量よりも増えることになる。
【0021】
そこで、請求項3に係る飲料ディスペンサは、少なくとも直前1回など過去の泡の注出における決定内容(または、この決定内容と直接対応する時間間隔や、推定した自然発泡量であってもよい)に応じて、今回注出時の自然発泡量の推定内容を補正することにより、例えば直前回の注出時に、泡の注出量を少ないものとして決定していた履歴をも加味して、泡の注出量を適切に決定することができる。
【0022】
なお、過去における、とは、直前1回の注出についての決定内容のみに応じて推定量を補正してもよいし、直前1回を含む過去2回以上の注出についての決定内容に応じて推定量を補正してもよいことを意味する。
【0023】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項4)は、発泡飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、前記注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、前記発泡飲料を分配注出した後、前記飲用容器に注出された発泡飲料の液面上に追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサにおいて、前記飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出する計時手段と、前記飲料ディスペンサの周囲の温度を検出する周囲温度検出手段と、前記検出された時間間隔および周囲温度に基づいて、前記飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
この請求項4に係る飲料ディスペンサによれば、計時手段が、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出し、周囲温度検出手段が、飲料ディスペンサの周囲の温度(外気温度等)を検出し、これら検出された時間間隔および周囲温度に基づいて、制御手段が、飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡が飲用容器から溢れないように、追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するため、発泡飲料の注出が停止されている時間間隔の長短および飲料ディスペンサの周囲温度に拘らず、次の飲用容器への発泡飲料の注出後に行われる泡の追加注出によって、泡が飲用容器から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な構成要素を用いていないため、製造コストの高騰を抑制するとともに、発泡飲料がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【0025】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項5)は、発泡飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、前記注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、前記発泡飲料を分配注出した後、前記飲用容器に注出された発泡飲料の液面上に追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサにおいて、前記飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出する計時手段と、前記発泡飲料の温度を検出する飲料温度検出手段と、前記検出された時間間隔および発泡飲料の温度に基づいて、前記飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この請求項5に係る飲料ディスペンサによれば、計時手段が、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出し、飲料温度検出手段が、発泡飲料の温度を検出し、これら検出された時間間隔および発泡飲料の温度に基づいて、制御手段が、飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡が飲用容器から溢れないように、追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するため、発泡飲料の注出が停止されている時間間隔の長短および発泡飲料の温度に拘らず、次の飲用容器への発泡飲料の注出後に行われる泡の追加注出によって、泡が飲用容器から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な構成要素を用いていないため、製造コストの高騰を抑制するとともに、発泡飲料がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る飲料ディスペンサの実施の形態につき、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0028】
図1は、この発明に係る飲料ディスペンサの実施の形態であるビールディスペンサの要部を示す図、図2は、図1に示したビールディスペンサを含むビール供給システムの全体図、図3は、図1に示したビールディスペンサの制御装置の制御ブロック図、図4は、図3に示した制御装置の処理を示すフローチャートである。
【0029】
図1に示したビールディスペンサ1には、図2に示すように、飲料容器であるビール樽40が、外部導管によって接続されており、このビール樽40には、炭酸ガスを供給するガスボンベ30が接続されている。ガスボンベ30から供給された炭酸ガスによって、ビール樽40の内部は加圧され、この供給された炭酸ガスの一部は、ビール樽40内部に収容された飲料であるビール41に溶け込む。このとき、ガスボンベ30からビール樽40に供給される炭酸ガスの圧力は、ガスボンベ30に取り付けられた減圧弁によって、ビール樽40内のビール41の温度に応じて、適切に調整される。
【0030】
ビール樽40に収容されたビール41は、供給された炭酸ガスによって加圧されて、ビールディスペンサ1に供給される。このビールディスペンサ1に供給されたビール41は、このビールディスペンサ1に配管された導管22の内部を通過して、ビールノズル6から注出され、ジョッキ支持台4上にセットされた飲用容器であるビールジョッキ50に注がれる。ビールディスペンサ1の導管22は、冷却ユニット24によって冷却された冷却水槽23内を、渦巻螺旋状に形成されて通過しており、導管22内を通過するビール41は、この冷却水槽23内を通過する間に、所定の温度まで冷却される。
【0031】
ビールディスペンサ1の内部に導かれた導管22の吐出端には、ビールノズル6、泡ノズル2および注出バルブ20からなる略逆V字状の注出タップが取り付けられており、この注出タップの下方に、ジョッキ支持台4が配設されている。注出タップのビールノズル6は、導管22を通過したビール41を注出するノズルであり、泡ノズル2は、導管22を通過したビール41を、内部に形成された細孔を通過させて所定の壁面に勢いよく衝突させることによって、ビール41を木目細かいクリーミーな泡42(以下、クリーミー泡42という)にしてビール41上に追加注出するノズルである。
【0032】
注出バルブ20は、ビールノズル6からのビール41の注出と停止、および泡ノズル2からのクリーミー泡42の注出と停止を、それぞれ切り換えるバルブであり、注出バルブ20の切換えは、注出バルブ駆動部12から伝達される駆動力によって行われる。
【0033】
注出タップの下方に設けられたジョッキ支持台4は、ビールジョッキ50の底面を支持する略円板状の底板と、ビールジョッキ50の周面の一部を支持する平板状の突当て板とからなり、図1に示すように断面略逆L字状に形成されている。なお、互いに容量が異なるため高さが異なる複数種類のビールジョッキ50の各上縁部が略同一高さ位置で支持されるように、高さ位置の異なる複数の底板を設け、これら複数の底板のうち、ビールジョッキ50の容量に対応する一つを選択的に使用可能としてもよい。例えば、突当て板に、底板を異なる高さ位置にそれぞれ係合支持する支持部を複数形成して、オペレータの選択により、ビールジョッキ50の容量に適合するいずれかの支持部に底板を係合支持させればよい。
【0034】
また、ビールディスペンサ1には、制御装置7が備えられているが、この制御装置7は、図3に示す制御ブロック図に示すように、注出ボタン11およびクロック27からの入力に応じて、注出バルブ駆動部12を制御している。この制御は、ビールノズル6からビール41の注出を開始させる信号を与える注出ボタン11から入力された当該信号を受けて、注出バルブ20をビール注出状態として、ビールノズル6からビール41の注出を開始させ、予め設定された所定時間経過後に、注出バルブ20をビール停止状態として、ビールノズル6からビール41の注出を停止させ、さらに、ビールジョッキ50への前回のビール注出停止(時刻T1)から今回のビール注出開始(時刻T2)までの時間間隔ΔT(=T2−T1)に応じて、今回ビール41を注出したビールジョッキ50に対して追加的に盛り付けるクリーミー泡42の注出量(泡量)を決定し、注出バルブ20をクリーミー泡注出状態として、泡ノズル2からクリーミー泡42の注出を開始させ、注出した泡量が決定した泡量に達したら、注出バルブ20をクリーミー泡注出停止状態として、泡ノズル2からクリーミー泡42の注出を停止させる。
【0035】
ここで、クリーミー泡42の泡量を制御するのは、以下の理由による。すなわち、ビールジョッキ50に前回ビール41を注いで販売してからの時間間隔(販売時間間隔)ΔTが長くなると、注出タップや導管22のうち冷却されていない部分の温度が上昇し、これらの温度上昇は内部を流れるビール41に伝達されて、ビール41の温度が上昇するが、ビール41からの自然発泡量は、ビール41の温度が高いほど多くなって、ビール41の液面上に積層する自然発泡の体積が大きくなり、ビールジョッキ50に追加可能のクリーミー泡42の量は少なくなる。したがって、販売時間間隔ΔTの長短に応じてクリーミー泡の泡量を制御する必要がある。
【0036】
なお、この制御装置7によるクリーミー泡42の泡量の制御は、時間間隔ΔTに応じたビール41から生じる自然発泡量の推定、およびこの推定して得られた自然発泡量に応じたクリーミー泡42の泡量の決定、という2段階の処理を、時間間隔ΔTに、クリーミー泡42の泡量を直接対応付けて統合したものである。
【0037】
次に、この実施の形態のビールディスペンサ1の作用について、図4に示したフローチャートを参照しつつ、説明する。まず、このビールディスペンサ1の導管22には、前述したビール樽40から圧送されて、冷却水槽23によって冷却されたビール41が満たされており、閉鎖されている注出バルブ20によって、供給が停止された状態となっている。
【0038】
ここで、オペレータは、ジョッキ支持台4上に、空のビールジョッキ50を載置し、注出ボタン11を押す。この操作によって、注出ボタン11がON状態であることを表す信号が制御装置7に入力される(ステップ1(S1))。このとき、制御装置7はクロック27から、注出ボタン11がONとなった時刻T2を読み込み(S2)、この時刻T2と前回のビール注出終了時に読み込んだ時刻T1(S7)との差であるビール販売時間間隔ΔT(=T2−T1)を算出する(S3)。なお、前回のビール注出終了時刻T1は、不揮発性メモリ等に記憶されており、ビールディスペンサ1の電源(図示せず)をOFF状態にしても、保持されている。
【0039】
制御装置7は、さらに、注出バルブ駆動部12を駆動させ、注出バルブ駆動部12は、注出タップ内に設けられた注出バルブ20を、ビール注出状態(ビールノズルON)に切り換える(S4)。この結果、注出タップのビールノズル6から、導管22内を圧送されたビール41が、ジョッキ支持台4上に載置されたビールジョッキ50に注がれ、この注出量が所定量に到達する(S5)まで注出が続けられる。
【0040】
このビール41の注出量が所定量に到達したか否かの判定は、ビールノズル6に流量計を設置して所定量の注出量を検出することによって行ってもよいし、あるいは、時間あたりの流量を一定と見なして、所定量に到達するのに要する注出時間が経過したことを検出することによって行ってもよい。なお時間経過を検出する場合は、既設のクロック27から時刻を読み込めばよく、流量を検出する場合は、別途、流量計を設ければよい。
【0041】
ビール41の注出量が予め設定された所定量に達すると、制御装置7は注出バルブ駆動部12を駆動させ、注出バルブ駆動部12は、注出バルブ20をビール注出停止状態(ビールノズルOFF)に切り換える(S6)。この結果、注出タップのビールノズル6からのビール41の注出は停止する。ここで、制御装置7は、注出バルブ駆動部12を駆動させたときの時刻(ビール41の注出停止時刻)T1を読み込み(S7)、この時刻を不揮発性メモリ等に記憶させる。
【0042】
ビールジョッキ50には所定量のビール41が注がれているが、販売時間間隔ΔTが長い場合には、注がれたビール41から生じた自然発泡量は、販売時間間隔ΔTが短い場合よりも多く、したがって、ビールジョッキ50から泡(自然発泡およびクリーミー泡42)が溢れない範囲で追加注出し得るクリーミー泡の泡量は、販売時間間隔ΔTが短い場合よりも減少させる必要がある。
【0043】
そこで、この実施の形態のビールディスペンサ1は、制御装置7が、時間間隔ΔTが10分以内であるとき(S8)は、追加注出するクリーミー泡42の泡量Vを、初期設定値V0に設定し(S11)、時間間隔ΔTが10分超え30分以内であるとき(S8,S9)は、追加注出するクリーミー泡42の泡量Vを、初期設定値V0の2/3に設定し(S12)、時間間隔ΔTが30分超え60分以内であるとき(S9,S10)は、追加注出するクリーミー泡42の泡量Vを、初期設定値V0の1/3に設定し(S13)、時間間隔ΔTが60分超えであるとき(S10)は、クリーミー泡42を注出しない。
【0044】
なお、本実施の形態のビールディスペンサ1においては、例えば、ビール41の所定量(S5)は、ビールジョッキ50の高さの略8割に相当する容量に設定されており、時間間隔ΔTが10分以下であるときにビールジョッキ50の高さの略1割に相当する容量の自然発泡が生じ(液状のビール41の高さが略7.5割の位置まで低くなり、液状のビール41と自然発泡の総高さはビールジョッキ50の高さの略8.5割となる)、時間間隔ΔTが10分超え30分以下であるときにビールジョッキ50の高さの略2割に相当する容量の自然発泡が生じ(液状のビール41の高さが略7割の位置まで低くなり、液状のビール41と自然発泡の総高さはビールジョッキ50の高さの略9割となる)、時間間隔ΔTが30分超え60分以下であるときにビールジョッキ50の高さの略3割に相当する容量の自然発泡が生じ(液状のビール41の高さが略6.5割の位置まで低くなり、液状のビール41と自然発泡の総高さはビールジョッキ50の高さの略9.5割となる)、時間間隔ΔTが60分超えであるときにビールジョッキ50の高さの略4割に相当する容量の自然発泡が生じる(液状のビール41の高さが略6割の位置まで低くなり、液状のビール41と自然発泡の総高さはビールジョッキ50の高さの略10割となる)ことが、所定の実験環境下において求められているため、追加注出するクリーミー泡42の初期設定値V0は、ビールジョッキ50の高さの略1.5割に相当する容量として設定されている。
【0045】
したがって、時間間隔ΔTが10分以下であるときのクリーミー泡42の注出量は、ビールジョッキ50の高さの略1.5割に相当する量(=V0)、時間間隔ΔTが10分超え30分以下であるときのクリーミー泡42の注出量は、ビールジョッキ50の高さの略1割に相当する量(=(2/3)×V0)、時間間隔ΔTが30分超え60分以下であるときのクリーミー泡42の注出量は、ビールジョッキ50の高さの略0.5割に相当する量(=(1/3)×V0)となる。
【0046】
ただし、これらのビール41の所定量やクリーミー泡42の初期設定値V0は、外気温、ビール41の温度、炭酸ガスの圧力等に応じて適宜変更してもよい。また、泡量を切り換える時間間隔ΔTの境界値を10,30,60分とし、各時間間隔ΔTにおける設定泡量Vを、V0,(2/3)×V0,(1/3)×V0,0(=(0/3)×V0)としたが、これらの境界値や設定泡量V、および泡量Vの切換え段数(本実施の形態においては、V0,(2/3)×V0,(1/3)×V0,0の4段)も、外気温等に応じて適宜変更してもよい。また時間間隔ΔTとクリーミー泡42の設定泡量Vとを予め対応付けたルックアップテーブル(LUT)を設定しておき、制御装置7は、LUTを逐次参照して、追加注出量を変更するようにしてもよい。このようにLUTを用いて制御する場合は、LUTの内容を書き換えるだけで、設定泡量Vや対応する時間間隔ΔT、泡量の切換え段等を簡単に変更することができる。
【0047】
また、外気温ごとに対応するLUTを複数種類準備するとともに、外気温を検出する周囲温度検出手段を設け、この周囲温度検出手段によって検出された外気温に応じて、制御装置7が、その外気温に対応する適切なLUTを選択するようにしてもよい。
【0048】
このようにして、追加注出するクリーミー泡42の泡量Vを設定した制御装置7は、販売時間間隔ΔTが60分以下であれば(S8,S9,S10)、注出バルブ駆動部12を駆動させ、注出バルブ駆動部12は、注出タップ内に設けられた注出バルブ20を、泡注出状態(泡ノズルON)に切り換える(S14)。この結果、注出タップの泡ノズル2から、クリーミー泡42が、ビールジョッキ50に注がれ、この注出量が、設定された所定量(=V)に到達する(S15)まで注出が続けられる。
【0049】
このクリーミー泡42の注出量が所定量に到達したか否かの判定は、泡ノズル2に流量計を設置して所定量の注出量を検出することによって行ってもよいし、あるいは、時間あたりのクリーミー泡42の流量を一定と見なして、所定量に到達するのに要する注出時間が経過したことを検出することによって行ってもよい。なお時間経過を検出する場合は、既設のクロック27から時刻を読み込めばよく、クリーミー泡42の流量を検出する場合は、別途、流量計を設ければよい。
【0050】
クリーミー泡42の注出量が予め設定された所定量に達すると、制御装置7は注出バルブ駆動部12を駆動させ、注出バルブ駆動部12は、注出バルブ20を泡注出停止状態(泡ノズルOFF)に切り換える(S16)。この結果、注出タップの泡ノズル2からのクリーミー泡42の注出は停止し、ビールジョッキ50へのビール41およびクリーミー泡42の追加注出の処理が終了する。
【0051】
一方、制御装置7は、販売時間間隔ΔTが60分超えであれば(S10)、クリーミー泡42の追加注出を行うことなく、処理を終了する。
【0052】
以上のように、この実施の形態のビールディスペンサ1によれば、制御装置7が、ビールジョッキ50に注がれたビール41から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡(自然発泡およびクリーミー泡42)がビールジョッキ50から溢れないように、追加的に注出するクリーミー泡42の注出量を決定して、その決定にしたがってクリーミー泡42が注出されるため、ビール41の注出が停止されている時間間隔ΔTの長短に拘らず、次のビールジョッキ50へのビール41の注出後に行われるクリーミー泡42の追加注出によって、泡がビールジョッキ50から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な部品を用いることなく、この液面センサに比べて格段に安価なクロック27を用いているため、ビールディスペンサ1の製造コストの高騰を抑制するとともに、ビール41がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【0053】
図1に示した実施形態のビールディスペンサ1は、今回ビール41を注出したビールジョッキ50に対するクリーミー泡42の注出量を、前回のビールジョッキ50に対するビール注出終了時刻T1からの時間間隔ΔTに応じて設定するものであるが、これは、前回注出終了してから今回注出開始するまでの時間間隔ΔTが長い場合には、注出タップや導管22に停滞しているビール41の温度が上昇して自然発泡量が増加するため、追加注出するクリーミー泡42の注出量を調整するものであった。
【0054】
ところで、時間間隔ΔTが長い場合には、注出されるビール41の温度が上昇するのは、ビール41よりも温度の高い外気から、注出タップや導管22の冷却されていない部分を通じて、注出タップや導管22に停滞しているビール41に温度が伝熱されるためであり、今回のビール注出時に、時間間隔ΔTが長いため、クリーミー泡42の注出量を減じて今回注出分だけを調整しても、注出タップや導管22が、今回注出分のビール41が通過しただけでは、十分に冷却されないことが考えられる。
【0055】
このような場合、今回注出量から次回注出開始までの時間間隔ΔT′は十分に短くても、次回の注出時までに十分に冷却されていない注出タップや導管22を通過したビール41は、これら十分に冷却されていない注出タップや導管22から熱を受けて、自然発泡量は、次回までの時間間隔ΔT′に対応した推定量まで減少しないおそれがある。
【0056】
このように、前回から今回までのビール注出の時間間隔ΔTが、次回のビール注出時まで影響を残す場合には、次回の注出時に、今回注出終了から次回注出開始までの時間間隔ΔT′にのみ対応させて、クリーミー泡42の注出量を設定したのでは、全体の泡量は見込みよりも多くなって、ビールジョッキ50から溢れることになる。
【0057】
そこで、図1に示したビールディスペンサ1において、制御装置7による、時間間隔ΔTに応じた自然発泡の推定量を補正して、クリーミー泡42の追加注出量を設定するように、制御装置7の処理を変更したものが、図5に示すフローチャートである。ただし、このフローチャートは、図4に示したフローチャートと異なる部分のみ抜粋したものであり、他の処理内容(開始〜ステップ7(S7)、およびステップ16(S16)〜終了若しくはステップ27(S27)〜終了)は図4に示したものと同一である。以下、図5に示したフローチャートにしたがって、制御装置7の作用を説明する。
【0058】
今回の注出時に設定された泡量VがV0の場合(S11)は、この設定内容を表すフラグとしてn=0を設定し(S24)、泡量Vが(2/3)×V0の場合(S12)は、この設定内容を表すフラグとしてn=1を設定し(S25)、泡量Vが(1/3)×V0の場合(S13)は、この設定内容を表すフラグとしてn=2を設定し(S26)、泡量Vがゼロ(クリーミー泡42の注出を行わない)の場合は、この設定内容を表すフラグとしてn=3を設定する(S27)。
【0059】
続いて、次回の注出時に、ビール41の注出、停止、時間間隔ΔTの算出および時間間隔ΔTの閾値処理等(開始〜ステップ10(S10))は、図4に示す処理と同様に行われるが、時間間隔ΔTが10分以内であるとき(S8)は、フラグnの内容に応じて(S21,S22)、設定する泡量Vを変更する(S11,S12,S13)。
【0060】
すなわち、前回注出時の泡量Vが、V0または(2/3)×V0であるとき(n=0または1)は、前々回注出終了時から前回注出開始時までの時間間隔ΔTは30分以内であるため、前回注出時にビール41が通過した注出タップ等の温度は十分低下し、今回注出時まで影響は残存していないと見なして(S21)、自然発泡量の推定を補正することなく、今回の時間間隔ΔTにしたがって、泡量VをV0に設定し(S11)、前回注出時の泡量Vが、(1/3)×V0であるとき(n=2)は、前々回注出終了時から前回注出開始時までの時間間隔ΔTは30分超え60分以内であるため、前回注出時にビール41が通過した注出タップ等の温度は十分低下しているとはいえないため、今回注出時まで影響は少し残存していると見なして(S21,S22)、自然発泡量の推定を補正して、泡量Vを(2/3)×V0に設定し(S12)、前回注出時の泡量Vがゼロであるとき(n=3)は、前々回注出終了時から前回注出開始時までの時間間隔ΔTは60分超えであるため、前回注出時にビール41が通過した注出タップ等の温度は低下しているとはいえないため、今回注出時まで影響は残存していると見なして(S22)、自然発泡量の推定を補正して、泡量Vを(1/3)×V0に設定する(S13)。
【0061】
時間間隔ΔTが10分超え30分以内であるとき(S8,S9)も同様に、フラグnの内容に応じて(S23)、設定する泡量Vを変更する(S12,S13)。すなわち、前回注出時の泡量Vが、V0、(2/3)×V0または(1/3)×V0であるとき(n=0、1または2)は、前々回注出終了時から前回注出開始時までの時間間隔ΔTは60分以内であるため、前回注出時にビール41が通過した注出タップ等の温度は十分低下していないが、今回注出時の時間間隔ΔTに応じた泡量の調整範囲であると見なして(S23)、自然発泡量の推定を補正することなく、今回の時間間隔ΔTにしたがって、泡量Vを(2/3)×V0に設定し(S12)、前回注出時の泡量Vがゼロであるとき(n=3)は、前々回注出終了時から前回注出開始時までの時間間隔ΔTは60分超えであるため、前回注出時にビール41が通過した注出タップ等の温度は低下していないとともに、今回注出時まで影響は残存していると見なして(S23)、自然発泡量の推定を補正して、泡量Vを(1/3)×V0に設定する(S13)。
【0062】
なお、時間間隔ΔTが30分超えであるとき(S10)は、前々回注出終了時から前回注出開始時までの時間間隔ΔTは30分超え、または60分超えであるが、もはや前回注出時の影響よりも、今回注出時の時間間隔ΔTに応じた泡量の調整範囲であると考えられるため、自然発泡量の推定を補正することなく、今回の時間間隔ΔTにしたがって、泡量Vを(1/3)×V0に設定し(S13)、または注出を行わずにそのまま終了する。
【0063】
このように、本実施の形態に係るビールディスペンサ1によれば、直前1回の注出時における泡の注出量に応じて、自然発泡量の推定内容を補正することにより、泡の注出量の変更履歴をも加味して、泡の注出量を適切に決定することができる。
【0064】
なお、この実施の形態においては、直前1回の注出履歴のみの影響を加味するものとしたが、さらに遡って、過去複数回の注出履歴の影響をも加味するように、自然発泡量の推定を補正してもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る飲料ディスペンサ(請求項1)によれば、計時手段が、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出し、この検出された時間間隔に基づいて、制御手段が、飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡が飲用容器から溢れないように、追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するため、発泡飲料の注出が停止されている時間間隔の長短に拘らず、次の飲用容器への発泡飲料の注出後に行われる泡の追加注出によって、泡が飲用容器から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な構成要素を用いていないため、製造コストの高騰を抑制するとともに、発泡飲料がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【0066】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項2)によれば、制御手段が、計時手段によって検出された時間間隔に対応する前記自然発泡量を、異なる時間間隔(飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔)にそれぞれ対応する自然発泡量を予め実験的に求めて得られた、時間間隔と自然発泡量との対応テーブルを参照して特定するため、自然発泡量を簡便に推定するすることができ、かつ、実験的に予め求められている上記対応関係に基づいての推定であるため、推定精度を高くすることができる。
【0067】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項3)によれば、少なくとも直前1回における泡の注出量の決定内容に応じて、自然発泡量の推定内容を補正することにより、少なくとも前回の注出時から残存する影響をも加味して、今回の泡の注出量を適切に決定することができる。
【0068】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項4)によれば、計時手段が、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出し、周囲温度検出手段が、飲料ディスペンサの周囲の温度(外気温度等)を検出し、これら検出された時間間隔および周囲温度に基づいて、制御手段が、飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡が飲用容器から溢れないように、追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するため、発泡飲料の注出が停止されている時間間隔の長短および飲料ディスペンサの周囲温度に拘らず、次の飲用容器への発泡飲料の注出後に行われる泡の追加注出によって、泡が飲用容器から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な構成要素を用いていないため、製造コストの高騰を抑制するとともに、発泡飲料がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【0069】
また、この発明の飲料ディスペンサ(請求項5)によれば、計時手段が、飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出し、飲料温度検出手段が、発泡飲料の温度を検出し、これら検出された時間間隔および発泡飲料の温度に基づいて、制御手段が、飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、最終的に泡が飲用容器から溢れないように、追加的に盛り付ける泡の注出量を決定するため、発泡飲料の注出が停止されている時間間隔の長短および発泡飲料の温度に拘らず、次の飲用容器への発泡飲料の注出後に行われる泡の追加注出によって、泡が飲用容器から溢れるのを防止することができる。しかも、液面センサという高価な構成要素を用いていないため、製造コストの高騰を抑制するとともに、発泡飲料がこの液面センサに付着等することによって生じる泡上面の誤検出も起こり得ないため、製品の信頼性を低下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るビールディスペンサの要部を示す図である。
【図2】図1に示したビールディスペンサを含むビール供給システムを示す図である。
【図3】図1に示したビールディスペンサの制御装置の制御ブロック図である。
【図4】図3に示した制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図5】自然発泡量の推定に対して補正を行うようにした実施の形態における制御装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ビールディスペンサ(飲料ディスペンサ)
2 泡ノズル
4 ジョッキ支持台(載置台)
6 ビールノズル
7 制御装置(制御手段)
11 注出ボタン
12 注出バルブ駆動部
20 注出バルブ(開閉バルブ)
22 導管
27 クロック
41 ビール(飲料)
42 クリーミー泡
50 ビールジョッキ(飲用容器)

Claims (5)

  1. 発泡飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、前記注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、前記発泡飲料を分配注出した後、前記飲用容器に注出された発泡飲料の液面上に追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサにおいて、
    前記飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出する計時手段と、
    前記検出された時間間隔に基づいて、前記飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定する制御手段と、を備えたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
  2. 前記制御手段は、異なる時間間隔にそれぞれ対応する自然発泡量を予め実験的に求めて得られた、前記時間間隔と前記自然発泡量との対応テーブルを備え、前記計時手段によって検出された時間間隔に対応する前記自然発泡量を、前記対応テーブルを参照して特定することにより、前記自然発泡量を推定することを特徴とする請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
  3. 前記制御手段は、前記推定した自然発泡量を、過去の泡の注出における決定の内容に応じて補正するとともに、前記補正して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の飲料ディスペンサ。
  4. 発泡飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、前記注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、前記発泡飲料を分配注出した後、前記飲用容器に注出された発泡飲料の液面上に追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサにおいて、
    前記飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出する計時手段と、
    前記飲料ディスペンサの周囲の温度を検出する周囲温度検出手段と、
    前記検出された時間間隔および周囲温度に基づいて、前記飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定する制御手段と、を備えたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
  5. 発泡飲料が供給される注出口に設けられた開閉バルブを開閉操作することによって、前記注出口の下方に配設された載置台上に載置された飲用容器に、前記発泡飲料を分配注出した後、前記飲用容器に注出された発泡飲料の液面上に追加的に泡を盛り付ける飲料ディスペンサにおいて、
    前記飲用容器への発泡飲料の注出終了から次の飲用容器への発泡飲料の注出開始までの時間間隔を検出する計時手段と、
    前記発泡飲料の温度を検出する飲料温度検出手段と、
    前記検出された時間間隔および発泡飲料の温度に基づいて、前記飲用容器に注がれた発泡飲料から生じる自然発泡量を推定し、この推定して得られた自然発泡量に応じて、前記追加的に盛り付ける泡の注出量を決定する制御手段と、を備えたことを特徴とする飲料ディスペンサ。
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