JP2003118243A - 情報記録媒体用記録基材及びこれを用いた情報記録媒体 - Google Patents
情報記録媒体用記録基材及びこれを用いた情報記録媒体Info
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Abstract
かつ、リライトの繰り返し動作に対して、物理的劣化等
を生じない、リライト耐久性に優れた情報記録媒体を提
供すること。 【解決手段】 情報記録媒体は、少なくとも1層のプラ
スチックフィルム上に、温度によって可逆的に可視画像
を表示し又は可視画像を消去する可逆性記録層を有する
積層体の該可逆性記録層上に、少なくとも1枚のシート
を積層したことを特徴とする情報記録媒体。
Description
視画像を表示及び消去することが可能な情報記録媒体に
関する。
は、画像記録手段として、ドット単位で加熱制御が可能
なサーマルヘッドが用いられてきた。また、画像消去手
段として、サーマルヘッド、あるいはエリア全面での消
去が可能なヒーターバーや加熱スタンプ等が用いられて
きた。この場合、サーマルヘッド等の画像記録手段や画
像消去手段を、リライト記録媒体の表面に直接接触させ
て加熱することにより、リライト記録媒体の印字や消去
を行っていた。表面に保護層を設けたとしても、画像記
録や消去の観点から数μm程度の層しか設けることがで
きない。リライト記録媒体の情報の書換え動作におい
て、熱、圧力、せん弾力、擦傷力等がリライト記録媒体
の表面に加わる。そのため、記録媒体の表面が物理的に
劣化し、情報書換えの繰り返し使用回数に限界があっ
た。
録媒体ならば、使用限界回数以上になったら廃棄すれば
よいが、例えば、ICチップやアンテナコイル等の高価
な部品を搭載したリライト記録媒体では廃棄しにくい。
しかも、ICチップの耐久性は高いので、リライト記録
媒体の書換え限度回数で廃棄したのでは、不経済であ
る。このことは、コスト的に実用化への障壁となってい
た。
ザ光をリライト記録媒体の表面に照射することによっ
て、接触せずに可視画像を形成する方法が有効と考え、
それに対応したリライト記録媒体の開発がすすめられて
いる。
ずに情報書換えを行う場合でも、表面に記録層が露出し
ていると、日常的な使用により表面が磨耗して物理的劣
化が生じる。また、近年においては、機能面、デザイン
面から、表面に印刷が要求されることも多いが、リライ
ト記録媒体の材質や表面を保護するためのコーティング
層の材質によっては、印刷を施すことができなかった
り、施した印刷が容易に劣化したり等の問題があった。
解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、耐久
性のある印刷層を設けることが可能で、かつ、リライト
の繰り返し動作に対して、物理的劣化を生じない、リラ
イト耐久性に優れた可逆性情報記録媒体を提供すること
にある。
記録基材は、情報記録媒体を構成する記録基材であっ
て、少なくとも1層のプラスチックフィルム上に、温度
によって可逆的に可視画像を表示し又は可視画像を消去
する可逆性記録層を有する積層体であることを特徴とす
る。本発明の情報記録媒体は、少なくとも1層のプラス
チックフィルム上に、温度によって可逆的に可視画像を
表示し又は可視画像を消去する可逆性記録層を有する積
層体の可逆性記録層上に、少なくとも1枚のシートを積
層したことを特徴とする。ここで、可逆性記録層とシー
トとの間に、さらにICチップ又はICチップとアンテ
ナを有することができる。また、可逆性記録層と、IC
チップ又はICチップとアンテナとの間に中間シートを
有することができる。また、ICチップ又はICチップ
とアンテナは、フィルム上に配線されていてもよい。ま
た、可逆性記録層は、光熱変換物質を含有することがで
きる。ここで、光熱変換物質は、赤外線吸収色素である
ことができる。
チックフィルム上に可逆性記録層を有する積層体(以下
「記録基材」という)と、この可逆性記録層の上に、少
なくとも1枚のシートを有する積層体である。ここで、
記録基材に積層されるシートにはオーバーシートが含ま
れる。
実施形態について説明する。なお、同一の構成要素には
同一の記号を付して、説明を省略する。図1は、本発明
の第1の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面
図である。図1の(a)は情報記録媒体を形成する前の
状態を示す断面図であり、(b)は、プレスにより情報
記録媒体を形成した後の構成を示す図である。本実施形
態においては、プラスチックフィルム2の一方の面に可
逆性記録層1を有する記録基材3と、オーバーシート4
とを、可逆性記録層1を介して積層する。プラスチック
フィルム2とオーバーシート4の外側から加熱加圧プレ
ス加工を行うことにより積層体が形成される。ここで、
記録基材を構成するプラスチックフィルム2は透明であ
る。
スチックフィルム上に塗布等により形成されてもよい
し、ホットメルト等の接着剤層を介して積層されてもよ
い。したがって、可逆性記録層の厚さは、厚くすること
も薄くすることもでき、用途に応じて、1μm〜100
μmの範囲内で適宜選択されて形成される。ここでは、
可逆性記録層の厚さを容易に変更することができるの
で、コスト等を考慮しつつ、用途に応じた最適な記録基
材を提供することができる。
ーシートとを重ねてプレスするという、簡単な工程で、
情報記録媒体を形成することができる。また、可逆性記
録層を覆うプラスチックフィルムは透明であるので、透
明プラスチックフィルムを通して可逆性記録層の可視化
部分を外部から観察することができる。さらに、印刷を
透明なプラスチックフィルムの裏面に施すことができる
ので、印刷の耐久性にも優れている。ここで、透明なプ
ラスチックフィルムは十分な厚さを有するので、接触や
磨耗等が起こっても、可視化部分は透明シートで保護さ
れており、リライト耐久性にも優れている。また、可逆
性記録層は、表面の透明なプラスチックフィルムで紫外
線が遮蔽されるので、紫外線劣化が防止される。
に、さらに中間シートを有する第2の実施形態に係る情
報記録媒体について説明する。図2の(a)は情報記録
媒体を形成する前の状態を示す断面図であり、(b)
は、プレスにより情報記録媒体を形成した後の構成を示
す図である。本実施形態においては、プラスチックフィ
ルム2の一方の面に可逆性記録層1を有する記録基材3
とオーバーシート4との間に中間シート5を有し、中間
シート5は可逆性記録層1上に重ねられ、プラスチック
フィルム2とオーバーシート4の外側から加熱加圧プレ
ス加工を行うことにより積層体が形成される。本実施形
態によれば、プラスチックシートや可逆性記録層とシー
トとの熱圧着性が良好でない場合でも、これらのシート
との熱圧着性が良好な材料を中間シートとすることによ
り、接着性良好な積層体を形成することができる。
に、アンテナコイルを備えたICチップを挿入した情報
記録媒体について説明する。図3に、本発明の第3の実
施形態に係る情報記録媒体の構成を示す。図3の(a)
において、記録基材3を構成するプラスチックフィルム
2とオーバーシート4との間にアンテナコイルを備えた
ICチップ6を挿入する。記録基材3とオーバーシート
4の上下から加熱加圧プレスを行って積層すると、図3
の(b)に示す構成の情報記録媒体が形成される。な
お、アンテナコイルは、印刷やエッチングにより形成す
ることができる。
に、さらに中間シートを有する第4の実施形態に係る情
報記録媒体について説明する。図4の(a)は情報記録
媒体を形成する前の状態を示す断面図であり、(b)
は、プレスにより情報記録媒体を形成した後の構成を示
す図である。本実施形態においては、プラスチックフィ
ルム2の一方の面に可逆性記録層1を有する記録基材
と、オーバーシート4との間に、中間シート5とアンテ
ナコイルを備えたICチップ6とをこの順に配置し、プ
ラスチックフィルム2とオーバーシート4の外側から加
熱加圧プレス加工を行うことにより積層体が形成され
る。本実施形態によれば、オーバーシートだけでは可逆
性記録層やICチップ等の凹凸を吸収し難い場合でも、
中間シートを配置することにより、かかる凹凸を十分に
吸収して、情報記録媒体の表面を平坦に仕上げることが
できる。
プ6は、フィルムに配置されていてもよい。この実施形
態について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の
第5の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図
である。図5の(a)は、可逆性記録層1とオーバーシ
ート4との間に、アンテナコイルを接続したICチップ
を配置したフィルム7を挟み込んだ状態を示す。記録基
材3とオーバーシート4の上下から加熱加圧プレスを行
い、積層して図5の(b)に示す情報記録媒体を形成す
る。
が配設されたフィルム7が、中間シートを介して配置さ
れている情報記録媒体について説明する。図6は、第6
の実施形態に係る情報記録媒体の構成を示す断面図であ
る。図6の(a)は、記録基材3とオーバーシート4と
の間に、中間シート5とアンテナコイルを接続したIC
チップを配設したフィルム7とがこの順に挟み込まれて
いる。プラスチックフィルム2とオーバーシート4の上
下から、加熱加圧プレスを行い、図6の(b)に示す情
報記録媒体を形成する。
記録媒体を構成するための構成部材として優れており、
上記実施形態に限定されるものではない。例えば、可逆
性記録層上に接着剤層を形成しておき、紙、金属、プラ
スチック等の基材上に貼付して情報記録媒体を形成する
こともできる。この場合には、接着剤層の表面に剥離シ
ート等を設けておいてもよい。
ることによって、透明/白濁の状態変化を生じて可視状
態になるものと、加熱後の冷却速度を調整することによ
って、発色して可視状態になるもののいずれかを使用す
ることができる。前者の場合の例としては、高分子樹脂
母材に結晶性の有機低分子化合物を分散させたものが挙
げられ、後者の例としては、高分子樹脂母材に電子供与
性呈色化合物と電子受容性化合物とを分散させたものが
挙げられる。
材内に0.1〜2.0μm程度の直径の集合体となっ
て、熱処理によって融解又は結晶化するものであり、例
えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミ
ド、脂肪族二塩基酸、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪族
ケトン、脂肪族エーテル、脂肪族アルコール及びその誘
導体からなる結晶性低分子化合物が挙げられ、これらを
単独で、又は2種類以上を混合して用いることができ
る。有機低分子化合物としては、融点が50〜150℃
の範囲内のものが好ましく用いられる。
酸エステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸とを併用
した組み合わせで使用することが好ましい。炭素数12
以上の脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸
メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ステアリ
ル、ステアリン酸べヘニル、べヘン酸メチル、ベヘン酸
エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸
ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチ
ル、リグノセリン酸エチル、リグノセリン酸ステアリ
ル、リグノセリン酸ベヘニル等が挙げられる。炭素数1
0以上の脂肪族二塩基酸の具体例としては、セバシン
酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。
ラクトン環部分を有するロイコ染料が好適に使用され
る。例えば、クリスタルバイオレット、3−(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタ
リド、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド等のフタリド化合物、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−
(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シ
クロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ク
ロロ−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン等
のフルオラン化合物が挙げられる。これらの化合物は、
分子構造中にラクトン環部分を持ち、そのラクトン環が
開環したり閉環したりすることにより、発色と消色す
る。
類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩、スルホン
酸、スルホン酸塩類が挙げられる。具体的には、ドデシ
ルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシル
ホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホス
ホン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテト
ラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒド
ロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン
酸、α−ヒドロキシエイコ酸、α−ヒドロキシドコサン
酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘ
キサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等が挙げ
られる。フェノール化合物としては、4'−ヒドロキシ
−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル
−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシ
フェニル)−N'−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシ
フェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド等が挙げられ
る。
としては、透明で製膜性の良い合成樹脂が好ましく、具
体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、そ
の他の酢酸ビニル化合物、塩化ビニル系共重合体、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ABS樹脂、ABS樹脂等で、透明なアモルフ
ァス樹脂が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以
上を混合して使用することができる。可逆性記録層に、
電子線又は紫外線等の放射線硬化性樹脂を混合すると、
高温領域での弾性率が高くなり、リライト耐久性を向上
させることができる。かかる樹脂としては、例えば、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート等の硬化性に優れた多官能
アクリレートモノマーが良好に使用できる。紫外線硬化
の場合は、ベンゾイン系、アセトフェノン系、チオキサ
ンソン系、パーオキシド系等の光重合開始剤を適量添加
して硬化重合させる。
記録層に含有させてもよい。使用される光熱変換物質と
しては、例えば赤外吸収色素やカーボンブラック等が挙
げられ、使用する半導体レーザ光の発振波長付近に吸収
ピークを持つものが選択される。一般には、波長100
nm〜1,000nm、好ましくは700〜900nm
の半導体レーザを使用することができ、赤外吸収色素と
しては、かかる波長領域に吸収ピークを有するシアニン
系色素、ポリメチン系色素、アントラキノン系色素等が
好ましく用いられる。これらの中では、フタロシアニン
系色素又はナフタロシアニン系色素が好ましい。構造的
に、熱や紫外線による分解等の劣化に対して耐久性があ
るので、リライト回数の向上を図ることができるからで
ある。耐候性、耐熱性等の化学的安定性の見地からは、
特に、各種金属と錯体を形成しているものが好ましい。
は、熱圧着する材料を主成分とするものであることが好
ましく、アンテナコイル、ICチップ等の凹凸を吸収す
ることができるものであることが好ましく、加熱加圧プ
レスにより変形するものが好ましい。例えば、加熱、加
圧等で熱変形する熱可塑性樹脂が好ましい材料として挙
げられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されるわけ
ではないが、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体等の塩化
ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、非晶性ポリエス
テル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂、PC樹脂等の汎用プラスチックの
1又は2以上を主成分とするフィルムやシートが好まし
く用いられる。また、耐熱性が良好なエンジニアリング
・プラスチックを用いることもでき、例えば、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン等を主成分とするフィルム
やシートが挙げられる。ただし、ガラス転移温度(T
g)や融解温度等が高すぎる材料では、プレス加工の際
に、可逆性記録層やICチップ等の劣化や破壊が起こる
ことも考えられるので、プレス加工温度を考慮して適宜
選択されることが好ましい。プラスチックフィルムやオ
ーバーシートは単層でもよいが、2層以上の積層体であ
ってもよい。この場合、各層は同一組成の樹脂からなっ
ても、異なっていてもよい。
好ましい。透明な耐久性のあるプラスチックフィルムを
可逆性記録層の表面に設けることにより、可逆性記録層
に記録された情報を明瞭に確認することができる。ま
た、透明シートの裏面に印刷を施すことができるので、
印刷層が磨耗等により劣化することもない。
加熱加圧プレス加工により変形しやすい材料であること
が好ましい。例えば、熱可塑性樹脂が好ましく用いら
れ、具体的には、上述した塩化ビニル系樹脂、オレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチ
レン系樹脂等が挙げられ、これらを単独で、又は2種類
以上をブレンドして用いることができる。また、中間シ
ートとしては、熱硬化性樹脂を使用することもできる。
この場合には、熱硬化性樹脂が室温で柔らかい状態のま
まICチップ等とオーバーシートとを重ねて加熱プレス
し、硬化させることにより、情報記録媒体を形成するこ
とができる。かかる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。ま
た、中間シートは単層体でも積層体でもよく、積層体の
場合に、各層は同一でも異なっていてもよい。例えば、
熱可塑性樹脂層/耐熱性フィルム/熱可塑性樹脂層のよ
うな層構成をとることができる。
さは特に限定されるものではないが、記録基材の保護の
観点から、オーバーシートが50μm〜500μmであ
ることが好ましい。プラスチックフィルムの厚さは50
μm〜500μmであり、記録基材の厚さは100μm
〜600μmであり、可逆性記録層は1〜100μmで
あることが好ましい。可逆性記録層の厚さがこの範囲内
であれば、可視画像のコントラストが得られ、画像の印
字や消去の速度も満たされるからである。本発明におい
て、情報記録媒体を構成する各層に、適宜添加剤等を添
加することができる。プラスチックフィルム、オーバー
シート、中間シートには、用途、必要に応じて、適宜、
コロナ処理、易接着コート等の表面処理を施してもよ
い。例えば、情報記録媒体がカードやラベルとして用い
られる場合には、印刷が施される場合も多いので、表面
処理を施すことが好ましい。本発明の情報記録媒体は、
記録基材とオーバーシートとの間に、中間シート、IC
チップ等を挿入して、プレス加工することにより、形成
される。プレス加工の条件は、プレス温度が100℃〜
150℃であることが好ましく、プレス圧力が10kg
/cm2〜50kg/cm2であることが好ましく、プレ
ス時間は10分〜60分であることが好ましい。本発明
の情報記録媒体は、例えば、ポイントカード、プリペイ
ドカード、クレジットカード、IDカード等のカード
や、物流向けのコンテナ用ラベル等に好適にである。本
発明の情報記録媒体は、レーザを使用して可視状態とす
ることができる。使用されるレーザとしては、通常使用
されるものを用いることができる。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)可逆性記録層を有する記録基材の作成 188μm厚の透明なポリエチレンテレフタレート(以
下「PET」と称すこともある)フィルムの表面に、下
記に示す書換え可能・可視化可能な可逆性記録層用組成
物をテトラヒドロフランに溶解した塗布液を塗工し、1
10℃で5分間、加熱乾燥した。その後、160W/c
m・10m/分でUV光を照射して、厚さ10μmの可
逆性記録層を形成した。 (可逆性記録層用組成物) 塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体 100質量部 (日信化学社製、商品名「ソルバインMF」) テトラエチレングリコールジアクリレート 50質量部 光重合開始剤 2質量部 (チバガイギー社製、商品名「イルガキュア−184」) ステアリン酸ステアリル 40質量部 エイコサン二酸 8質量部 フタロシアニン系色素(山本化成社製、商品名「D99−038」)2質量部
μmのPETシートを、形成された可逆性記録層の上に
重ね、プレス温度が120℃、プレス圧力が20kg/
cm2、プレス時間が30分で加熱プレスを行って積層
体を形成し、情報記録媒体を形成した。得られた情報記
録媒体を裁断し、打ち抜いて、大きさが54mm×86
mmのカード形状の情報記録媒体を作製した。
ーザが搭載された専用カードリーダ・ライターを用い
て、印字と消去の繰り返し動作を行った。3,000回
の印字と消去の動作(リライト)を繰り返しても、物理
的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであるこ
とが分かった。
を構成する可逆性記録層の厚さを50μmに変更し、記
録基材とオーバーシートとの間に、アンテナ用ループコ
イルを配線したICチップを挿入して熱プレスを行った
以外は実施例1と同様にして、情報記録媒体を作成し
た。得られた情報記録媒体について、実施例1と同様の
評価を行ったところ、3,000回印字と消去の動作を
繰り返しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に
優れたものであることが分かった。
録層の上に、中間シートとして厚さ100μmの非晶性
ポリエステルフィルムと、アンテナ用ループコイルを配
線したICチップとを、この順に重ねて、記録基材とオ
ーバーシートとの間に挿入した以外は実施例1と同様に
して、カード形状の情報記録媒体を作成した。得られた
カード形状の情報記録媒体について、実施例1と同様の
評価を行ったところ、3,000回印字と消去の動作を
繰り返しても、物理的劣化を生じず、リライト耐久性に
優れたものであることが分かった。
用ループコイルを配線したICチップの替りに、エッチ
ングにより形成されたアンテナを接続したICチップ配
線したフィルムを、記録基材とオーバーシートとの間に
挿入した以外は実施例1と同様にして、カード形状の情
報記録媒体を作成した。得られたカード形状の情報記録
媒体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、
3,000回印字と消去の動作を繰り返しても、物理的
劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであること
が分かった。
用ループコイルを配線したICチップの替りに、エッチ
ングにより形成されたアンテナを接続したICチップを
配線したフィルムを用いた以外は実施例3と同様にし
て、カード形状の情報記録媒体を作成した。得られた情
報記録媒体について、実施例1と同様の評価を行ったと
ころ、3,000回印字と消去の動作を繰り返しても、
物理的劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであ
ることが分かった。
録層を、以下のようにして形成された可逆性記録層に変
更した以外は実施例1と同様にして、カード形状の情報
記録媒体を作成した。すなわち、まず下記に示す分散液
をペイントシェーカーを使用して2時間分散した後、下
記に示す硬化剤を添加して、十分に攪拌して塗布液を調
整し、透明PETフィルム上に塗布し、130℃で5分
間乾燥させた。その後、60℃で16時間エージングを
行って記録基材を作製した。分散液 色素前駆体(クリスタルバイオレットラクトン) 10質量部 電子受容性化合物 (ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジド) 20質量部 樹脂母材 50質量部 (アクリルポリオール:「LR−1503」、三菱レーヨン社製) 溶剤(トルエン) 150質量部硬化剤 イソシアネート化合物 5質量部 (コロネートL:固形分75質量%、日本ポリウレタン社製)
録層の組成を実施例6の可逆性記録層と同一の組成に変
更した以外は実施例1と同様にして、カード形状の情報
記録媒体を作製した。得られたカード形状の情報記録媒
体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、
3,000回印字と消去の動作を繰り返しても、物理的
劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであること
が分かった。
録層の組成を実施例6の可逆性記録層と同一の組成に変
更した以外は実施例1と同様にして、カード形状の情報
記録媒体を作製した。得られたカード形状の情報記録媒
体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、
3,000回印字と消去の動作を繰り返しても、物理的
劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであること
が分かった。
録層の組成を実施例6の可逆性記録層と同一の組成に変
更した以外は実施例4と同様にして、カード形状の情報
記録媒体を作製した。得られたカード形状の情報記録媒
体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、
3,000回印字と消去の動作を繰り返しても、物理的
劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであること
が分かった。
記録層の組成を実施例6の可逆性記録層と同一の組成に
変更した以外は実施例5と同様にして、カード形状の情
報記録媒体を作製した。得られたカード形状の情報記録
媒体について、実施例1と同様の評価を行ったところ、
3,000回印字と消去の動作を繰り返しても、物理的
劣化を生じず、リライト耐久性に優れたものであること
が分かった。
久性のある印刷層を設けることができ、かつ、印字と消
去の繰り返し動作に対して物理的劣化の生じない、リラ
イト耐久性に優れた情報記録媒体を提供することができ
る。また、かかる情報記録媒体に好適な情報記録媒体用
記録基材を提供することができる。
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 情報記録媒体を構成する記録基材であっ
て、少なくとも1層のプラスチックフィルム上に、温度
によって可逆的に可視画像を表示し又は可視画像を消去
する可逆性記録層を有する積層体であることを特徴とす
る情報記録媒体用記録基材。 - 【請求項2】 少なくとも1層のプラスチックフィルム
上に、温度によって可逆的に可視画像を表示し又は可視
画像を消去する可逆性記録層を有する積層体の該可逆性
記録層上に、少なくとも1枚のシートを積層したことを
特徴とする情報記録媒体。 - 【請求項3】 前記可逆性記録層と前記シートとの間
に、さらにICチップ又はICチップとアンテナを有す
ることを特徴とする請求項2記載の情報記録媒体。 - 【請求項4】 前記可逆性記録層と、前記ICチップ又
はICチップとアンテナとの間に中間シートを有するこ
とを特徴とする請求項2又は3に記載の情報記録媒体。 - 【請求項5】 前記ICチップ又はICチップとアンテ
ナが、フィルム上に配線されていることを特徴とする請
求項2から4のいずれか1項記載の情報記録媒体。 - 【請求項6】 前記可逆性記録層が、光熱変換物質を含
有することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項
記載の情報記録媒体。 - 【請求項7】 前記光熱変換物質が、赤外線吸収色素で
あることを特徴とする請求項6に記載の情報記録媒体。
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