JP2006289622A - 情報表示媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラスチックシートを積層一体化して形成される可逆性感熱記録層を備えた情報表示媒体を、媒体の表裏両面の最外層に同じ材質のプラスチックシートを貼り合わせて成形し、可逆性感熱記録層を配した側の最外層のプラスチックシートの厚みT1と、他側の最外層のプラスチックシートの厚みT2が次の関係式を満たして形成する。
(関係式)0.5 < T1/T2 < 1.0
【選択図】図1
Description
しかしながら、温度加熱によって可視画像を可逆的に表示し消去する可逆性感熱記録層を設けたカードにあっては、前記手法によって成形時にカードを平滑にできたとしても、画像の表示又は書き換えのためにプリンタにカードを通した際に、サーマルヘッド、ヒーターバー、加熱スタンプ等からの温度加熱によって、カード全体が熱が加えられた方向に沿って凹形に反り返ってしまい、前記記録層への印字品質が低下するという問題があった。可逆性感熱記録層を装備したカードでは、繰り返しの温度加熱によっても印字品位が劣化することのないカード構造が要請されているのが現状である。
(関係式)0.5 < T1/T2 < 1.0
電子供与性呈色性化合物(発色剤)としては、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ染料が好適に使用される。ラクトン環が開環したり閉環したりすることにより、発色と消色をする。ロイコ染料は単独または混合して用いることもできる。
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
また、R1及びR2の炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。X1及びX2はヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは表1で表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を表わす。
脂肪族カルボン化合物としては以下のような化合物が例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等。
2−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこはく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドテシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2−エイコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルジチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸等。
可逆性感熱記録層に含有させる樹脂の具体例としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等の架橋剤と反応する基を持つ樹脂、または架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
さらに、これらの樹脂に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収骨格やシロキサン結合骨格をブロック共重合やグラフト共重合させた樹脂等が挙げられる。
これらの添加剤には、たとえば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、消色促進剤等がある。消色促進剤として好ましくは、ヘテロ原子を含む2価の基と炭素数8以上のアルキル鎖を有する化合物であったり、N,N’−2置換基を有する化合物であったりするが、これらの化合物に限定されるものではない。
架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、有機すず化合物等の金属化合物等が挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくても良い。すなわち、未反応硬化剤が存在していても良い。
有機低分子化合物としては、高分子樹脂母材内に0.1〜2.0μm程度の直径の集合体となって、熱処理によって融解又は結晶化するものであり、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪族二塩基酸、脂肪族二塩基酸エステル、脂肪族ケトン、脂肪族エーテル、脂肪族アルコール及びその誘導体からなる結晶性低分子化合物が挙げられ、これらを単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。有機低分子化合物としては、融点が50〜150℃の範囲内のものが好ましく用いられる。
とりわけ、炭素数12以上の脂肪酸エステルと炭素数10以上の脂肪族二塩基酸とを併用した組み合わせで使用することが好ましい。炭素数12以上の脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸メチル、ベヘン酸エチル、ベヘン酸ブチル、ベヘン酸オクチル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、リグノセリン酸メチル、リグノセリン酸エチル、リグノセリン酸ステアリル、リグノセリン酸ベヘニル等が挙げられる。炭素数10以上の脂肪族二塩基酸の具体例としては、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等が挙げられる。
その構成材料としては、コアシートとの一体化性(接着性あるいは熱融着性)を考慮し、非晶質ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物が用いられ、具体的には、一種類の非晶質ポリエステル樹脂組成物を含むものの他に、例えば複数の非晶質ポリエステル樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物や非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物等を用いることができる。
なお、ここでは非晶質ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分との脱水縮合体から得られるものであって、かつ、カード製造においてプレス融着等の実用上行なわれる熱加工を行なっても結晶化による白濁化や融着不良等の実害を起こさないものをいい、分子構造上結晶性の低いものの他、例えば結晶化処理前のPBT(ポリブチレンテレフタレート)等も含む概念で広く意味する。
非晶質ポリエステル系樹脂の原材料となる芳香族ジカルボン酸成分として好ましく用いられる代表的なものとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられるが、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸で置換しても良い。
他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等が挙げられる。なお、これらの他のジカルボン酸成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
また、該非晶質ポリエステル系樹脂の原材料となるジオール成分として好ましく用いられる代表的なものとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられるが、エチレングリコールの一部を他のジオール成分で置換しても良い。
他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコール等が挙げられる。
なお、これらの他のジオール成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオールの量も適宜選択することができる。
また、非晶質ポリエステル系樹脂のうち、テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させて形成されたポリエチレンテレフタレートがコストの点から好ましいが、テレフタル酸以外の他のジカルボン酸成分及び/又はエチレングリコール以外の他のジオール成分を含んだ共重合ポリエステルを使用することも有効である。
共重合ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分の60モル%以上がテレフタル酸であり、残りのジカルボン酸成分が他のジカルボン酸成分で置換されたジカルボン酸成分と、ジオール成分の60モル%以上がエチレングリコールで、残りのジオール成分が他のジオール成分で置換されたジオール成分とを縮合重合させた共重合ポリエステルが挙げられる。さらに芳香族ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートと上記の共重合ポリエステルとの混合物であっても良い。
このような混合物の場合に、特に好適に使用できる共重合ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコールの約30モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換して作製された、実質的に非晶質性の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、例えばイーストマンケミカル社製の商品名が「PETG」のものを用いることができる。
前記非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物における、該ポリカーボネート樹脂とは、主鎖にカーボネート結合(−O−CO−O−)を有する重合体を広く意味する。
ポリカーボネート系樹脂としては、フェノールとアセトンとから合成されるビスフェノールAから界面重合法、エステル交換法、ピリジン法等によって製造されるもの、ビスフェノールAとジカルボン酸誘導体(例えばテレ(イソ)フタル酸ジクロリド等)との共重合体により得られるポリエステルカーボネート、ビスフェノールAの誘導体(例えばテトラメチルビスフェノールA等)の重合により得られるものを例示することができる。
また、支持シート及びオーバーシートとして、単層フィルムだけではなく、例えば、非晶質ポリエステル樹脂フィルムと他の種類の異なるフィルムとの2層以上の積層体であっても良い。さらに、必要に応じて、着色剤、滑剤、フィラー、衝撃改良剤等の添加剤を含有させたフィルムを用いることもできる。
支持シートとオーバーシートの厚みは、作製する情報表示カードの厚さによって選定されるが、一般的には50μm〜250μm、さらには75μm〜200μmであることがより好ましく、両シートの厚みは前記関係式により特定される範囲に設定される。
熱可塑性樹脂としては、非晶質ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂・非晶質ポリエステル系樹脂アロイが好ましく用いることができるが、これらに限らず、ポリオレフィン系樹脂、結晶性ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、生分解性樹脂等の汎用のものを用いることができる。
また、コアシートの材料として、耐熱性が良好なエンジニアリングプラスチックを使用することができる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、これらの1種類または2種類以上を主成分とするフィルムやシートが好ましく使用される。
また、接着性だけでなく、耐熱性等の複数の機能を持たせるには、コアシートを2層以上とすることが好ましい。この場合、2層以上からなるコアシートを予め作製しておいて、それを用いてオーバーシート等と重ねてプレスにかけても良いし、複数のコアシートを用意し、熱プレス時にオーバーシート等と重ねて融着させることができる。
コアシートを3層構成にする例を挙げれば、非晶質ポリエステル系樹脂/ポリカーボネート樹脂/非晶質ポリエステル系樹脂あるいは非晶質ポリエステル系樹脂/ポリカーボネート樹脂・非晶質ポリエステル系樹脂アロイ/非晶質ポリエステル系樹脂とすることができ、外層の非晶質ポリエステル系樹脂によって低温における接着性を、中層のポリカーボネート樹脂またはポリカーボネート樹脂・非晶質ポリエステル系樹脂アロイによって耐熱性をもたせることができる。
ここで外層に用いる非晶質ポリエステル系樹脂とは、非晶質ポリエステル系樹脂単体もしくは非晶質ポリエステル系樹脂を主成分とするアロイ物を、また、中層のポリカーボネート樹脂とはポリカーボネート樹脂単体もしくはポリカーボネート樹脂を主成分とするアロイ物を、それぞれ意味している。外層および中層は目的とする用途により、層厚を自由に設定することができる。
また、コアシートは透明、半透明または不透明のいずれでもよく、白色や有彩色に着色されてもよく、仕様用途に応じて、適宜設計されることが好ましい。半透明フィルムおよび不透明なフィルムとする場合には、樹脂の中に無機顔料や有機顔料を配合することができる。透明フィルムとする場合にも透明性を損なわない量の顔料を配合することができる。また、コアシートの中には、上記顔料以外にも可塑剤、耐電防止剤等、各種添加剤を配合することができる。コアシートの表面は、接合加工の脱気のためにエンボス加工等が施されていることが好ましい。
コアシートの厚みは、50μm〜5mmであることが好ましく、さらには200μm〜600μmがより好ましい。
なお、前記支持シート、オーバーシート及びコアシートの製造方法は特に限定されず、各々公知の方法により製造することができる。ICモジュールを搭載したインレットシートも、公知の方法により製造することができる。
両シートの厚みの比(T1/T2)が0.5以下の場合は、カード作製直後の反りが大きくなりすぎて、カードを手に持ったときに明らかに変形していると認識され、いびつな外観となる。また、0.5以下の場合はプリンタを通しての消去と印字を5、6回繰り返さないと画像が鮮明に印字できず、初期の印字品位が極めて悪い。一方、1.0以上の場合は、初期の印字品位は良好なものの、印字を繰り返す毎に加熱によって反りが大きくなり、消去と印字を5、6回以上繰り返すと印字ムラや印字抜けが生じて印字品位が劣化する。
一般に消去用のヒーターバーは通電発熱体からなり、処理速度10〜100mm/sec,温度80〜180℃,接触圧力30〜600g/cmの条件で情報表示カードの可逆性感熱記録層側の接触させながら消去を行う。処理速度、温度、接触圧力は情報表示媒体の処理時間や情報表示媒体への加熱や剪断力による負担等を考慮し、任意にかえることができ、処理速度20〜80mm/sec,温度100〜170℃,接触圧力50〜350g/cmが好ましい。
表示はサーマルヘッドで行い、用いる可逆性感熱記録材料で異なるが、0.2〜0.7mJ/dotのエネルギーを印加して行う。これも消去と同様に情報表示媒体の処理時間や情報表示媒体への加熱や剪断力による負担等を考慮し、任意に変えて設定することができる。
画像の表示または書き換えは、画像をヒーターバー等で消去した後、サーマルヘッドで表示する方法やヒーターバーとサーマルヘッドを並列に設置し、ヒーターバーで消去した直後にサーマルヘッドで表示する方法やサーマルヘッドのみで消去しながら表示する方法(オーバーライト方式)がある。
リライタブルシート1として、120μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)を支持シートとし、その上にロイコ染料系の可逆性感熱記録層を積層したシート(株式会社リコー製、商品名「リコーRECO−View CRフィルム530RE」を用意し、これを300mm×300mmのサイズに裁断した。
コアシート2として、200μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PG−WET」)、また、オーバーシート3として、125μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)を用意し、それぞれ300mm×300mmのサイズに裁断した。
各シートを上からリライタブルシート1、コアシート2、オーバーシート3の順に重ね合わせ、これを、プレス温度:150℃、シート面圧:20kgf/cm2、加熱時間:20分間の加工条件で加熱プレスを行なってプラスチックカード用シートを一体成形した。
そして、成形されたシートを打ち抜き刃でカードの輪郭形状に切断し、表面に可逆性感熱記録層を有する情報表示カードを作製した。
カードを構成する可逆性感熱記録層側の最外層シートである支持シートの厚み(T1)は120μm、他側の最外層シートであるオーバーシート3の厚み(T2)は125μmであり、両シートの厚みの比(T1/T2)は0.96である。
リライタブルシート1の支持シートを100μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を120μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.83である。
なお、プリンタは、パナソニックコミュニケーションズ株式会社製のKU−R28112KFLを用い、サーマルヘッド印字条件:0.50mJ/dots、ヒーターバー消去条件:128℃(速度:28mm/sec)で印字と消去を行なった。
また、書き換え操作の度に目視により可逆性感熱記録層に印字された画像の表示状態を確認したところ、両実施例の情報表示カードはともに画像が鮮明に表示されて、印字ムラや印字抜けがなく、印字が高品位に行なわれていることを確認できた。
この結果、10回の繰り返しで、反りの量はほぼ収束していると判断できることがわかった。
リライタブルシート1として、100μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)を支持シートとし、その上にロイコ染料系の可逆性感熱記録層を積層したシート(株式会社リコー製、商品名「リコーRECO−View CRフィルム530RE」を用意し、これを300mm×300mmのサイズに裁断した。
コアシート2として、200μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PG−WET」)、また、オーバーシート3として、140μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)を用意し、それぞれ300mm×300mmのサイズに裁断した。
各シートを上からリライタブルシート1、コアシート2、オーバーシート3の順に重ね合わせ、これを、プレス温度:150℃、シート面圧:20kgf/cm2、加熱時間:20分間の加工条件で加熱プレスを行なってプラスチックカード用シートを一体成形した。
そして、成形されたシートを打ち抜き刃でカードの輪郭形状に切断し、表面に可逆性感熱記録層を有する情報表示カードを作製した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.71である。
リライタブルシート1の支持シートを150μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を170μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.88である。
リライタブルシート1の支持シートを140μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を150μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.93である。
リライタブルシート1の支持シートを100μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を150μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.67である。
リライタブルシート1の支持シートを70μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を120μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.58である。
プリンタとして、CLEARJET社製のCX−ONEを用い、サーマルヘッド印字条件:0.5mJ/dots、ヒーターバー消去条件:160℃(速度:60mm/sec)で印字と消去を行い、評価したこと以外は実施例2−1と同様にした。
プリンタとして、パナソニックコミュニケーションズ株式会社製のKU−R28112KFLを用い、サーマルヘッド印字条件:0.5mJ/dots、ヒーターバー消去条件:140℃(速度:56mm/sec)で印字と消去を行い、評価したこと以外は実施例2−1と同様にした。
リライタブルシート1の支持シートを150μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を140μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は1.07である。
リライタブルシート1の支持シートを70μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を150μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.47である。
その結果を表5に示す。カードの反りの測定方法、反り量の表示は実施例1と同様である。プリンタは表5に示したものを使用した。
作製直後(初期状態)のカードの反り量:L1は0mm≦L1<1.0mmは良好な状態として「○」、−0.6mm≦L1<0mmは使用可能として「△」、L1<−0.6mm又は1.0mm≦L1は使用不可として「×」をつけた。
10回の書き換え操作を行なった後のカードの反り量:L10は0mm≦L10<1.0mmを良好な状態として「○」、−0.6mm≦L10<0mmは使用可能として「△」,L10<−0.6mm又は1.0mm≦L10は使用不可として「×」をつけた。
〈印字品位の評価〉
印字品位の評価は目視で行い、印字ムラや印字抜けがなく画像が鮮明に表示されているものは「○」、印字ムラや印字抜けはないが画像の鮮明さが足りないものは「△」、印字ムラや印字抜けがあるものは「×」をつけた。
〈総合評価〉
総合評価として、前記両評価結果がいずれも良好なものは「○」、反りの評価が使用不可ではないが画像の鮮明さが不足しているものは「△」、両評価の何れかが劣り使用に問題のあるものは「×」をつけた。
リライタブルシート1として、50μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)を支持シートとし、その上にロイコ染料系の可逆性感熱記録層を積層したシート(株式会社リコー製、商品名「リコーRECO−View CRフィルム530RE」を用意し、これを300mm×300mmのサイズに裁断した。
また、100μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PG−WET」)からなるコアシート2と、80μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)からなるオーバーシート3と、38μm厚の延伸PETフィルムにICチップとアンテナコイルからなるICモジュール(図示せず)を搭載したインレットシート4とを用意し、それぞれ300mm×300mmのサイズに裁断した。
各シートを上からリライタブルシート1、コアシート2、インレットシート4、コアシート2、オーバーシート3の順に重ね合わせ、これを、プレス温度:150℃、シート面圧:20kgf/cm2、加熱時間:20分間の加工条件で加熱プレスを行なってプラスチックカード用シートを一体成形した。
そして、成形されたシートを打ち抜き刃でカードの輪郭形状に切断し、表面に可逆性感熱記録層を有する情報表示カードを作製した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.63である。
リライタブルシート1の支持シートを100μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3を125μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作成した。
支持シートの厚み(T1)とオーバーシート3の厚み(T2)の比(T1/T2)は0.8である。
中でも、実施例2−4(T1/T2=0.67),実施例2−5(T1/T2=0.58),および実施例3−1(T1/T2=0.63)は10回書き換え後の印字品位も良好であり、他の実施例と比較しても優れていた。
一方、比較例2−1(T1/T2=1.07)は10回書き換え後の状態で印字不良となっており、また比較例2−2(T1/T2=0.47)は初期において印字不良となっていた。
Claims (5)
- プラスチックシートを積層一体化して形成される情報表示媒体であって一側の面に温度変化により可視画像を表示し又は消去する可逆性感熱記録層を備えた情報表示媒体において、
情報表示媒体の表裏両面の最外層は、同じ材質のプラスチックシートを貼り合わせてなり、可逆性感熱記録層を配した側の最外層のプラスチックシートの厚みT1と、他側の最外層のプラスチックシートの厚みT2が次の関係式を満たして形成されたことを特徴とする情報表示媒体。
(関係式)0.5 < T1/T2 < 1.0 - ICチップとアンテナコイルを有する非接触式ICモジュールを有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示媒体。
- 可逆性感熱記録層が、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を含有し、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る構成のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示媒体。
- 可逆性感熱記録層が、高分子樹脂母材と高分子樹脂母材に分散された有機低分子化合物を主成分として温度により透明状態と不透明状態とに可逆的に変化する構成のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示媒体。
- 可逆性感熱記録層の可視画像を10〜100mm/secの速度で、80〜180℃の温度の熱源に接触させながら消去することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の情報表示媒体。
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