JP4739891B2 - 情報表示媒体 - Google Patents
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しかしながら、温度加熱によって可視画像を可逆的に表示し消去する可逆性感熱記録層を設けたカードにあっては、前記手法によって成形時にカードを平滑にできたとしても、画像の表示又は書き換えのためにプリンタにカードを通した際に、サーマルヘッド、ヒーターバー、加熱スタンプ等からの温度加熱によって、カード全体が熱が加えられた方向に沿って凹形に反り返ってしまい、前記記録層への印字品質が低下するという問題があった。
前記公知のカード作製手法は、カードが加熱・加圧されながら繰り返し使用された時の反り防止を考慮したものではなく、可逆性感熱記録層を装備したカードでは、繰り返しの温度加熱によっても印字品位が劣化することのないカード構造が要請されているのが実状である。
(関係式) 0.5<(T1×α1)/(T2×α2)<1.0
電子供与性呈色性化合物(発色剤)としては、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ染料が好適に使用される。ラクトン環が開環したり閉環したりすることにより、発色と消色をする。ロイコ染料は単独又は混合して用いることもできる。
例えば、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ(n−ブチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−イソブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−sec−ブチル−N−メチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−iso−アミル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−n−プロピル−N−イソプロピルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)フルオラン、
2−(p−アセチルアニリノ)−6−(N−n−アミル−N−n−ブチルアミノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ベンジルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−メチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−エチルアニリノ)フルオラン、2−メチルアミノ−6−(N−プロピルアニリノ)フルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−2−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(N−n−パルミチルアミノ)フルオラン、2−(p−クロロアニリノ)−6−(ジ−n−オクチルアミノ)フルオラン、2−ベンゾイルアミノ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシベンゾイルアミノ)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メトキシ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(p−トルイジノ)−3−(t−ブチル)−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(o−メトキシカルボニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アセチルアミノ−6−(N−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、4−メトキシ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−ジベンジルアミノ−4−クロロ−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−(α−フェニルエチルアミノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−ベンジル−p−トリフロロメチルアニリノ)−4−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ピロリジノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)フルオラン、2−メシジノ−4’,5’−ベンゾ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(m−トリフロロメチルアニリノ)−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、2−(α−ナフチルアミノ)−3,4ベンゾ−4’−ブロモ−6−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−ピペリジノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(N−n−プロピル−p−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、2−(ジ−N−p−クロロフェニル−メチルアミノ)−6−ピロリジノフルオラン、2−(N−n−プロピル−m−トリフロロメチルアニリノ)−6−モルフォリノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジアリルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)フルオラン、
またR1及びR2の炭素数の和が7以下では発色の安定性や消色性が低下するため、炭素数は8以上が好ましく、11以上であることがより好ましい。X1及びX2はヘテロ原子を含む2価の基を示し、好ましくは式2で表わされる基を少なくとも1個以上有する2価の基を表わす。
脂肪族カルボン化合物としては以下のような化合物を例示できる。2−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、2−ヒドロキシエイコサン酸、2−ヒドロキシドコサン酸、2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモドコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等。
2−ドデシルオキシこはく酸、2−テトラデシルオキシこはく酸、2−ヘキサデシルオキシこはく酸、2−オクタデシルオキシこはく酸、2−エイコシルオキシこはく酸、2−ドデシルオキシこはく酸、2−ドテシルチオこはく酸、2−テトラデシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルチオこはく酸、2−オクタデシルチオこはく酸、2−エイコシルチオこはく酸、2−ドコシルチオこはく酸、2−テトラコシルチオこはく酸、2−ヘキサデシルジチオこはく酸、2−オクタデシルジチオこはく酸、2−エイコシルジチオこはく酸、ドデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、ヘキサデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−オクタデシルこはく酸、2−オクタデシル−3−ヘキサデシルこはく酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、ドコシルグルタル酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸、2−ヘキサデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オクタデカノイルオキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸等。
可逆性感熱記録層に含有させる樹脂の具体例としては、アクリルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等架橋剤と反応する基を持つ樹脂、又は架橋剤と反応する基を持つモノマーとそれ以外のモノマーを共重合した樹脂等が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
さらに、これらの樹脂に対してベンゾトリアゾール系紫外線吸収骨格やシロキサン結合骨格をブロック共重合やグラフト共重合させた樹脂等が挙げられる。
これらの添加剤には、例えば界面活性剤、導電剤、充填剤、酸化防止剤、光安定化剤、発色安定化剤、消色促進剤等がある。消色促進剤として好ましくは、ヘテロ原子を含む2価の基と炭素数8以上のアルキル鎖を有する化合物であったり、N,N’−2置換基を有する化合物であったりするが、これらの化合物に限定されるものではない。
架橋促進剤としては、例えば1,4−ジアザ−ビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、有機すず化合物等の金属化合物等が挙げられる。また、硬化剤は添加した全量が架橋反応をしていても、していなくてもよい。すなわち、未反応硬化剤が存在していてもよい。
その構成材料としては、コアシートとの一体化性(接着性或いは熱融着性)を考慮し、非晶質ポリエステル樹脂を含有する樹脂組成物が用いられ、具体的には、一種類の非晶質ポリエステル樹脂組成物を含むものの他に、例えば複数の非晶質ポリエステル樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物や非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ樹脂組成物等を用いることができる。
なお、ここでは非晶質ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分との脱水縮合体から得られるものであって、かつ、カード製造においてプレス融着等の実用上行なわれる熱加工を行なっても結晶化による白濁化や融着不良等の実害を起こさないものをいい、分子構造上結晶性の低いものの他、例えば結晶化処理前のPBT(ポリブチレンテレフタレート)等も含む広い概念のものを意味する。
他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等が挙げられる。なお、これらの他のジカルボン酸成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコール等が挙げられる。
なお、これらの他のジオール成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオールの量も適宜選択することができる。
このような混合物の場合に、特に好適に使用できる共重合ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコールの約30モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換して作製された、実質的に非晶質性の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、例えばイーストマンケミカル社製の商品名が「PETG」のものを用いることができる。
ポリカーボネート系樹脂としては、フェノールとアセトンとから合成されるビスフェノールAから界面重合法、エステル交換法、ピリジン法等によって製造されるもの、ビスフェノールAとジカルボン酸誘導体(例えばテレ(イソ)フタル酸ジクロリド等)との共重合体により得られるポリエステルカーボネート、ビスフェノールAの誘導体(例えばテトラメチルビスフェノールA等)の重合により得られるものを例示することができる。
また、支持シート及びオーバーシートとして、単層フィルムだけではなく、例えば、非晶質ポリエステル樹脂フィルムと他の種類の異なるフィルムとの2層以上の積層体であってもよい。
なお、各シートの20〜100℃の線膨張係数を制御するためにフィラーを添加してもよい。フィラーとしては酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、マイカ等が挙げられるが、これら以外のものでもよい。
さらに、必要に応じて、着色剤、滑剤、衝撃改良剤等の添加剤を含有させたフィルムを用いることもできる。
また、コアシートの材料として、耐熱性が良好なエンジニアリングプラスチックを使用することができる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、これらの1種類または2種類以上を主成分とするフィルムやシートが好ましく使用される。
コアシートを3層構成にする例を挙げれば、非晶質ポリエステル系樹脂/ポリカーボネート樹脂/非晶質ポリエステル系樹脂或いは非晶質ポリエステル系樹脂/ポリカーボネート樹脂・非晶質ポリエステル系樹脂アロイ/非晶質ポリエステル系樹脂とすることができ、外層の非晶質ポリエステル系樹脂によって低温における接着性を、中層のポリカーボネート樹脂又はポリカーボネート樹脂・非晶質ポリエステル系樹脂アロイによって耐熱性をそれぞれ持たせることができる。
ここで外層に用いる非晶質ポリエステル系樹脂とは、非晶質ポリエステル系樹脂単体或いは非晶質ポリエステル系樹脂を主成分とするアロイ物を、また、中層のポリカーボネート樹脂とは、ポリカーボネート樹脂単体或いはポリカーボネート樹脂を主成分とするアロイ物をそれぞれ意味している。外層及び中層は、目的とする用途によって層厚を自由に設定することができる。
なお、前記支持シート、オーバーシート及びコアシートの製造方法は特に限定されず、各々公知の方法により製造することができる。ICモジュールを搭載したインレットシートも、公知の方法により製造することができる。
一般に消去用のヒーターバーは通電発熱体からなり、処理速度10〜100mm/sec,温度80〜180℃,接触圧力30〜600g/cmの条件で、情報表示媒体の可逆性感熱記録層側を接触させながら消去を行う。処理速度、温度、接触圧力は情報表示カードの処理時間やカードへの加熱や剪断力による負担等を考慮し、任意に設定可能であるが、処理速度20〜80mm/sec、温度100〜170℃、接触圧力50〜350g/cmが好ましい。
表示はサーマルヘッドで行われ、使用する可逆性感熱記録材料で異なるが、0.2〜0.7mJ/dotのエネルギーを印加して行う。これも消去と同様に情報表示カードの処理時間やカードへの加熱や剪断力による負担等を考慮し、任意に設定可能である。
画像の表示又は書き換えは、画像をヒーターバー等で消去した後、サーマルヘッドで表示する方法や、ヒーターバーとサーマルヘッドを並列に設置し、ヒーターバーで消去した直後にサーマルヘッドで表示する方法、サーマルヘッドのみで消去しながら表示する方法(オーバーライト方式)等がある。
リライタブルシート1として、T1=70μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PA−C」、平均線膨張係数:α1=7×10−5)を支持シートとし、その上にロイコ染料系の可逆性感熱記録層を積層したシート(株式会社リコー製、商品名「リコーRECO−View CRフィルム530RE」)を用意し、これを300mm×300mmのサイズに裁断した。
コアシート2として、200μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PG−WHT」)、また、オーバーシート3として、T2=200μm厚のポリエステル系フィルム(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクス PG−WET」、平均線膨張係数:α2=4.3×10−5)を用意し、それぞれ300mm×300mmのサイズに裁断した。
各シートを上からリライタブルシート1、コアシート2、オーバーシート3の順に重ね合わせ、これを、プレス温度:150℃、シート面圧:20kgf/cm2、加熱時間:20分間の加工条件で加熱プレスを行なってプラスチックカード用シートを一体成形した。
そして、成形されたシートを打ち抜き刃でカードの輪郭形状に切断し、表面に可逆性感熱記録層を有する情報表示カードを作製した。
カードを構成する可逆性感熱記録層側の最外層シートであるリライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、逆側の最外層シートであるオーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.57である。
オーバーシート3の支持シートを125μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.91である。
なお、プリンタは、パナソニックコミュニケーションズ株式会社製の「KU−R28112KFL」(サーマルヘッド印字条件:0.50mJ/dots、ヒーターバー消去条件:128℃(速度:28mm/sec))を使用した。
また、書き換え操作の度に目視により可逆性感熱記録層に印字された画像の表示状態を確認したところ、両実施例の情報表示カードはともに画像が鮮明に表示されて、印字ムラや印字抜けがなく、印字が高品位に行なわれていることを確認できた。
この結果、10回の繰り返しで、反りの量はほぼ収束していると判断できることがわかった。
リライタブルシート1として、T1=50μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」、平均線膨張係数:α1=7×10−5)を支持シートとし、その上にロイコ染料系の可逆性感熱記録層を積層したシート(前記「リコーRECO−View CRフィルム530RE」)を用意し、これを300mm×300mmのサイズに裁断した。
コアシート2として、200μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WHT」)、また、オーバーシート3として、T2=150μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」,平均線膨張係数:α2=4.3×10−5)を用意し、それぞれ300mm×300mmのサイズに裁断した。
各シートを上からリライタブルシート1、コアシート2、オーバーシート3の順に重ね合わせ、これを、プレス温度:150℃、シート面圧:20kgf/cm2、加熱時間:20分間の加工条件で加熱プレスを行なってプラスチックカード用シートを一体成形した。
そして、成形されたシートを打ち抜き刃でカードの輪郭形状に切断し、表面に可逆性感熱記録層を有する情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.54である。
オーバーシート3をT2=100μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.81である。
リライタブルシート1の支持シートをT1=70μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3をT2=175μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシートの支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.65である。
リライタブルシート1の支持シートをT1=100μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3をT2=175μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.93である。
リライタブルシート1の支持シートをT1=150μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3をT2=250μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.98である。
リライタブルシート1の支持シートをT1=70μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3をT2=250μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.46である。
リライタブルシート1の支持シートをT1=100μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」)、オーバーシート3をT2=150μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は1.09である。
その結果を表2に示す。カードの反りの測定方法、反り量の表示は実施例1と同様である。
プリンタは表2に示したものを使用した。なお、実施例2−1と同一条件で作製した情報表示カードを、CLEARJET社製のプリンタ「CX−ONE」(サーマルヘッド印字条件:0.5mJ/dots、ヒーターバー消去条件:160℃(速度:60mm/sec))で印字と消去を行って評価した結果を実施例2−6として、同様に、パナソニックコミュニケーションズ株式会社製のプリンタ「KU−R28112KFL」(サーマルヘッド印字条件:0.5mJ/dots、ヒーターバー消去条件:140℃(速度:56mm/sec))で印字と消去を行って評価した結果を実施例2−7として、それぞれ同表に示す。
作製直後(初期状態)のカードの反り量をL1とし、0mm≦L1<1.0mmは良好な状態として「○」、−0.6mm≦L1<0mmは使用可能として「△」、L1<−0.6mm又は1.0mm≦L1は使用不可として「×」をつけた。
また、10回の書き換え操作を行なった後のカードの反り量をL10とし、0mm≦L10<1.0mmを良好な状態として「○」、−0.6mm≦L10<0mmは使用可能として「△」、L10<−0.6mm又は1.0mm≦L10は使用不可として「×」をつけた。
〈印字品位の評価〉
印字品位の評価は目視で行い、印字ムラや印字抜けが無く、画像が鮮明に表示されているものは「○」、印字ムラや印字抜けは無いが画像の鮮明さが足りないものは「△」、印字ムラや印字抜けがあるものは「×」をつけた。
〈総合評価〉
総合評価として、前記両評価結果が何れも良好なものは「○」、反りの評価が使用不可ではないが画像の鮮明さが不足しているものは「△」、両評価の何れかがに劣り使用に問題のあるものは「×」をつけた。
(バリア層用塗布液)
紫外線硬化樹脂:5官能アクリレートモノマー 50質量部
(日本化薬製、商品名「KAYARAD D−310」)
光重合開始剤:3質量部
(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「イルガキュア184」)
塗工溶剤:2−プロパノール 50質量部
(可逆性感熱記録層用分散液)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体:100質量部
(日信化学工業株式会社製、商品名「ソルバインC」)
ベヘン酸ステアリル:20質量部
ドデカン2酸:10質量部
テトラヒドロフラン:500質量部
(保護層形成用塗布液)
ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂:15質量部
(大日本インキ社製、商品名「C 7−157」)
フィラー:5質量部
(水澤化学社製、商品名「P527」)
酢酸エチル:85質量部
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.54である。
その結果を表3に示す。カードの反りの測定方法、反り量の表示、印字品位、総合評価の判断基準は実施例2と同様である。
なお、プリンタは、パナソニックコミュニケーションズ株式会社製の「KU−R3000」(サーマルヘッド印字条件:0.2mJ/dots、ヒーターバー消去条件:100℃(速度:28mm/sec))を使用した。
リライタブルシート1として、T1=50μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」、平均線膨張係数:α1=7×10−5)を支持シートとし、その上にロイコ染料系の可逆性感熱記録層を積層したシート(前記「リコーRECO−View CRフィルム530RE」)を用意し、これを300mm×300mmのサイズに裁断した。
また、100μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WHTT」)からなるコアシート2と、T2=125μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PG−WET」、平均線膨張係数:α2=4.3×10−5)からなるオーバーシート3と、38μm厚の延伸PETフィルムにICチップとアンテナコイルからなるICモジュール(図示せず)を搭載したインレットシート4とを用意し、それぞれ300mm×300mmのサイズに裁断した。
各シートを上からリライタブルシート1、コアシート2、インレットシート4、コアシート2、オーバーシート3の順に重ね合わせ、これを、プレス温度:150℃、シート面圧:20kgf/cm2、加熱時間:20分間の加工条件で加熱プレスを行なってプラスチックカード用シートを一体成形した。
そして、成形されたシートを打ち抜き刃でカードの輪郭形状に切断し、表面に可逆性感熱記録層を有する情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.65である。
リライタブルシート1の支持シートをT1=70μm厚のポリエステル系フィルム(前記「ディアフィクス PA−C」)に変更した以外は前記実施例と同様にして情報表示カードを作製した。
リライタブルシート1の支持シートの厚み(T1)、平均線膨張係数(α1)と、オーバーシート3の厚み(T2)、平均線膨張係数(α2)の比〔(T1×α1)/(T2×α2)〕は0.91である。
なかでも、実施例2−1((T1×α1)/(T2×α2)=0.54)、実施例2−3(同=0.65)、及び実施例4−1(同=0.65)は、10回書き換え後の印字品位も良好であり、他の実施例と比較して優れていた。
一方、比較例2−1(同=0.46)は初期状態において印字不良となり、比較例2−2(同=1.09)は10回書き換え後の状態で印字不良となった。
Claims (5)
- プラスチックシートを積層一体化して形成される情報表示媒体であって一側の面に温度変化により可視画像を表示し又は消去する可逆性感熱記録層を備えた情報表示媒体において、
情報表示媒体の表裏両面の最外層に貼り合わせるプラスチックシートの材質を表裏で互いに異ならせるとともに、可逆性感熱記録層を配した側の最外層のプラスチックシートの厚みT1及びその20〜100℃の平均線膨張係数α1と、他側の最外層のプラスチックシートの厚みT2及びその20〜100℃の平均線膨張係数α2とが次の関係式を満たし、初期の成形状態で反りが生じるにように設定されて形成されていることを特徴とする情報表示媒体。
(関係式) 0.5<(T1×α1)/(T2×α2)<1.0 - ICチップとアンテナコイルを有する非接触式ICモジュールを有することを特徴とする請求項1に記載の情報表示媒体。
- 可逆性感熱記録層が、電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物を含有し、加熱温度及び/又は加熱後の冷却速度により相対的に発色した状態と消色した状態を形成し得る構成のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示媒体。
- 可逆性感熱記録層が、高分子樹脂母材と高分子樹脂母材に分散された有機低分子化合物を主成分として温度により透明状態と不透明状態とに可逆的に変化する構成のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報表示媒体。
- 情報表示媒体は、可逆性感熱記録層の可視画像が10〜100mm/secの速度で、80〜180℃の温度の熱源に接触させながら消去されるものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の情報表示媒体。
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