JPH11154210A - Icカード - Google Patents

Icカード

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JPH11154210A
JPH11154210A JP31979197A JP31979197A JPH11154210A JP H11154210 A JPH11154210 A JP H11154210A JP 31979197 A JP31979197 A JP 31979197A JP 31979197 A JP31979197 A JP 31979197A JP H11154210 A JPH11154210 A JP H11154210A
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JP
Japan
Prior art keywords
card
reversible thermosensitive
reversible
sheet
leuco dye
Prior art date
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Pending
Application number
JP31979197A
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English (en)
Inventor
Ikuo Fujita
郁夫 藤田
Shingo Tatezawa
伸吾 立澤
Tatsuhiko Suzuki
龍彦 鈴木
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TOIN KK
TOOIN KK
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
TOIN KK
TOOIN KK
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
Application filed by TOIN KK, TOOIN KK, Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical TOIN KK
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Publication of JPH11154210A publication Critical patent/JPH11154210A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リライタブル表示材料による目視可能な情報
を表示する手段を持ち、かつ製造の効率が高い方法で形
成されたICカードを実現することにある。 【解決手段】 通常無色ないし淡色のロイコ染料及び加
熱により該ロイコ染料を発色させかつこれを再加熱によ
り消色させる可逆顕色剤を含有する可逆性感熱層を少な
くとも1層具備した可逆性感熱記録シートを一方のオー
バーシートとして使用し、ICチップモジュールを組み
込んだ若しくはそれを組み込むべき他方のオーバーシー
トと前記可逆性感熱記録シートとの間にコア材を射出成
形するかあるいは両シートをコア材を介して熱接着せし
めることによってICカードを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リライタブル表示
材料を具備したICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年ICチップを搭載したICカードの
需要が高まり、これまで磁気カードが使用されてきた分
野に限らず、従来磁気カードが利用できなかった分野ま
でその利用分野が広がっている。その理由は、ICカー
ドの持つ、高セキュリティー性や、磁気カードより高い
記憶容量と言ったカードが保持する情報についての特徴
のほかに、非接触式ICカードに見られるように、カー
ドの使用形態においても磁気カードに比べて優れた点が
認められる場合があるからである。
【0003】このようにICカードは多くの点で磁気カ
ードに比べ優れた点が多いが、さらに利用者の利便性を
考えると、カードの記憶している情報の一部、例えばプ
リペイドカードに使用された場合の残高等の情報が目視
可能な情報としてカードに印字できると言った、従来磁
気カードで使用されてきた技術も重要である。
【0004】また、ICカードは記憶容量を磁気カード
より高くすることが可能であり、これによって使用分野
のみならず、カードの仕様期間も長期化することが可能
であるが、これに伴いカードの表示材料においても、再
度書き換え可能なリライタブル表示材料の重要性が高く
なってくる。
【0005】そのような表示材料として、多くの磁気カ
ードではロイコ染料を使用した感熱記録材料が使用され
ているが、このような感熱記録材料を磁気カードのよう
にカード原反に塗布すると言った方法で設けるのは、I
Cカードの製造工程上難しい。そのため、従来は、リラ
イタブル表示材料による目視可能な情報を表示する手段
を有しており、かつ効率良く製造することが可能なIC
カードを得るには至っていなかった。
【0006】なお、本明細書では、情報を記録する材料
と言う意味を強調する場合は「記録材料」と言う言葉を
使用し、目視可能な情報を表示する「材料」あるいは
「手段」と言う意味を強調する場合には「表示材料」と
言う言葉を使用することにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、リライタブル表示材料による目視
可能な情報を表示する手段を持ち、かつ製造の効率が高
い方法で形成されたICカードを実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討した結果、以下の本発明に至った。 (1) フィルムの一面に、通常無色ないし淡色のロイ
コ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させかつこれ
を再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する可逆性
感熱層と、保護層とを順次積層してなる可逆性感熱記録
シートの、該可逆性感熱層とは反対の面と、ICチップ
モジュールを組み込んだシートのICチップ側の面と
を、それぞれ対向させ、両シート間の空隙に樹脂を射出
成形してなることを特徴とするICカード。
【0009】(2) 透明フィルムの一面に、通常無色
ないし淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を
発色させかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤
を含有する可逆性感熱層を設けてなる可逆性感熱記録シ
ートの、該可逆性感熱層側の面と、ICチップモジュー
ルを組み込んだシートのICチップ側の面とを、それぞ
れ対向させ、両シート間の空隙に樹脂を射出成形してな
ることを特徴とするICカード。
【0010】(3) フィルムの一面に、通常無色ない
し淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色
させかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含
有する可逆性感熱層と、保護層とを順次積層してなる可
逆性感熱記録シートの、該可逆性感熱層とは反対の面
と、ICチップモジュールを組み込んだシートのICチ
ップ側の面とを、それぞれ対向させ、さらに両シート間
にコア材をはさみこんだ後に、全てのシートを熱接着せ
しめてなることを特徴とするICカード。
【0011】(4) 透明フィルムの一面に、通常無色
ないし淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を
発色させかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤
を含有する可逆性感熱層を設けてなる可逆性感熱記録シ
ートの、該可逆性感熱層側の面と、ICチップモジュー
ルを組み込んだシートのICチップ側の面とを、それぞ
れ対向させ、さらに両シート間にコア材をはさみこんだ
後に、全てのシートを熱接着せしめてなることを特徴と
するICカード。
【0012】(5) フィルムの一面に、通常無色ない
し淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色
させかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含
有する可逆性感熱層と、保護層とを順次積層してなる可
逆性感熱記録シートの、該可逆性感熱層とは反対の面に
コア材を密着させ、さらに該コア材の可逆性感熱層とは
反対の面にオーバーシートを密着させた後に熱接着によ
り一枚のシートに成形されたICカード基材のオーバー
シート側に、ICモジュールを埋設するための凹部を形
成した後、上記凹部にICモジュールを埋設してなるこ
とを特徴とするICカード。
【0013】(6) 透明フィルムの一面に、通常無色
ないし淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を
発色させかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤
を含有する可逆性感熱層を設けてなる可逆性感熱記録シ
ートの、該可逆性感熱層側の面にコア材を密着させ、さ
らに該コア材の可逆性感熱層とは反対の面にオーバーシ
ートを密着させた後に熱接着により一枚のシートに成形
されたICカード基材のオーバーシート側に、ICモジ
ュールを埋設するための凹部を形成した後、上記凹部に
ICモジュールを埋設してなることを特徴とするICカ
ード。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明のICカードの好適
な実施形態について図面を参照しつつより詳細に説明す
る。なお、本発明のICカードは、ICチップを主たる
構成要素とするICモジュールが一部に組み込まれたも
のであるが、当然ながらこのICモジュールは、ICカ
ードの形態によって各種異なることになる。それらは大
きく分けると、接触式、非接触式、両機能を合わせ持っ
たハイブリッド式に分類される。
【0015】図1は、接触式ICカード用ICモジュー
ルの一実施形態の断面図であり、ICモジュール基盤2
を挟んで、ICチップ1、外部コンタクト3が設けられ
ている。このような、ICモジュールを組み込んだシー
トの一実施形態を図2に示す。図2は、接触式ICカー
ド用ICモジュールを設けたシートの一実施形態の断面
図であり、オーバーシート用フィルム基材5にICモジ
ュール4が組み込まれている。この場合、図2に示され
るように、外部コンタクト用に開けられた穴の面積より
モジュール基盤の面積を大きくすることにより、ICカ
ードとして成形された後にICチップがはがれ落ちる事
故への対策をとり、より安全性の高いICカードを作る
ことが可能である。
【0016】また、図3は、アンテナ付き非接触式IC
カード用ICモジュールを設けたシートの一実施形態の
平面図であり、非接触式ICカードの1つで近接型と呼
ばれる方式のICモジュールを設置したシートである。
この場合は、通信用のループアンテナ7がオーバーシー
ト用フィルム基材6上に設けられ、ICモジュール8と
接続されている。図4は、図3で示すものの断面図であ
り、オーバーシート用フィルム基材6上にループアンテ
ナ7が設けられ、ICモジュール8と接続されている。
このほか、非接触ICカードには、静電結合を利用した
密着型、マイクロ波を利用したマイクロ波型などが存在
するが、本発明はそれらに何ら制限されるものではな
い。
【0017】さらに、ハイブリッド式では、1枚のカー
ドを接触式と非接触式の両方の利用に供することができ
るが、このような機能を実現するために、それぞれ独立
した接触式のICモジュールと非接触式のICモジュー
ルの両方を備えたICカードや、1種類のICチップで
両方の機能をもつICチップを使用したもののどちらも
利用可能である。
【0018】図5は、ハイブリット式ICカード用IC
モジュールを設けたシートの一実施形態の断面図を示す
もので、オーバーシート用フィルム基材6上にループア
ンテナ9が設けられると共に外部コンタクト3を有する
ICモジュール11が接続されており、1つのICチッ
プで接触式、非接触式の両方の機能を持っている。
【0019】本発明は、特定の感熱記録材料を特定の層
構成で設けたシートを利用したICカードに関するもの
であり、上記ICモジュールの説明に利用したICモジ
ュールの具体的な構造になんら限定されるものではな
い。
【0020】図6は、本発明の非接触式ICカードの一
実施形態(第1の実施形態)の断面図である。図6に示
すように、第1の実施形態にかかるICカードにおいて
は、フィルム16の一面に、通常無色ないし淡色のロイ
コ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させかつこれ
を再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する可逆性
感熱層15と、保護層14とを順次積層してなる可逆性
感熱記録シート(一方のオーバーシート)の、可逆性感
熱層15とは反対の面と、ICチップモジュール13を
組み込んだシート(他方のオーバーシート)18のIC
チップ側の面とを、それぞれ対向させ、両シート16,
18間の空隙に樹脂(コア材)17を射出成形すること
によって形成されている。なお、両シート16,18の
間の間隔は特に制限されないが、300〜1000μm
程度が好ましい。
【0021】図7は、本発明の非接触式ICカードの他
の実施形態(第2の実施形態)の断面図である。図7に
示すように、第2の実施形態にかかるICカードにおい
ては、透明フィルム19の一面に、通常無色ないし淡色
のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させか
つこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する
可逆性感熱層15を設けてなる可逆性感熱記録シート
(一方のオーバーシート)の、可逆性感熱層15側の面
と、ICチップモジュール13を組み込んだシート(他
方のオーバーシート)18のICチップ側の面とを、そ
れぞれ対向させ、両シート15,18間の空隙に樹脂
(コア材)17を射出成形することによって形成されて
いる。なお、両シート15,18の間の間隔は特に制限
されないが、300〜1000μm程度が好ましい。
【0022】図8は、本発明の接触式ICカードの一実
施形態(第3の実施形態)の断面図である。図8に示す
ように、第3の実施形態にかかるICカードにおいて
は、フィルム16の一面に、通常無色ないし淡色のロイ
コ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させかつこれ
を再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する可逆性
感熱層15と、保護層14とを順次積層してなる可逆性
感熱記録シート(一方のオーバーシート)の、可逆性感
熱層15とは反対の面と、ICチップモジュール20を
組み込んだシート(他方のオーバーシート)18のIC
チップ側の面とを、それぞれ対向させ、さらに両シート
16,18間にコア材17をはさみこんだ後に、全ての
シートを熱接着せしめることによって形成されている。
なお、上記熱接着せしめる際の条件は特に制限されない
が、90〜150℃、5〜30Kgf/cm2程度が好
ましい。また、コア材17の厚みも特に制限されない
が、100〜1000μm程度が好ましい。
【0023】図9は、本発明の接触式ICカードの他の
実施形態(第4の実施形態)の断面図である。図9に示
すように、第4の実施形態にかかるICカードにおいて
は、透明フィルム19の一面に、通常無色ないし淡色の
ロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させかつ
これを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する可
逆性感熱層15を設けてなる可逆性感熱記録シート(一
方のオーバーシート)の、可逆性感熱層15側の面と、
ICチップモジュール20を組み込んだシート(他方の
オーバーシート)18のICチップ側の面とを、それぞ
れ対向させ、さらに両シート15,18間にコア材17
をはさみこんだ後に、全てのシートを熱接着せしめるこ
とによって形成されている。なお、上記熱接着せしめる
際の条件は特に制限されないが、90〜150℃、5〜
30Kgf/cm2程度が好ましい。また、コア材17
の厚みも特に制限されないが、100〜1000μm程
度が好ましい。
【0024】図12は、本発明の接触式ICカードの他
の実施形態(第5の実施形態)の断面図であり、図10
及び図11は図12に示すICカードを得る過程におけ
るICカード用基材の状態をそれぞれ示す断面図であ
る。図10〜図12に示すように、第5の実施形態にか
かるICカードにおいては、フィルム23の一面に、通
常無色ないし淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ
染料を発色させかつこれを再加熱により消色させる可逆
顕色剤を含有する可逆性感熱層22と、保護層21とを
順次積層してなる可逆性感熱記録シート(一方のオーバ
ーシート)の、可逆性感熱層22とは反対の面にコア材
24を密着させ、さらにコア材24の可逆性感熱層22
とは反対の面にオーバーシート(他方のオーバーシー
ト)25を密着させた後に熱接着により一枚のシートに
成形されたICカード基材のオーバーシート25側に、
ICモジュール27を埋設するための凹部26を形成し
た後、上記凹部26にICモジュール27を埋設するこ
とによって形成されている。なお、上記熱接着せしめる
際の条件は特に制限されないが、90〜150℃、5〜
30Kgf/cm2程度が好ましい。また、コア材24
の厚みも特に制限されないが、100〜1000μm程
度が好ましい。
【0025】図13は、本発明の接触式ICカードの更
に他の実施形態(第6の実施形態)の断面図である。図
13に示すように、第6の実施形態にかかるICカード
においては、透明フィルム28の一面に、通常無色ない
し淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色
させかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含
有する可逆性感熱層22を設けてなる可逆性感熱記録シ
ート(一方のオーバーシート)の、可逆性感熱層22側
の面にコア材24を密着させ、さらにコア材24の可逆
性感熱層22とは反対の面にオーバーシート(他方のオ
ーバーシート)25を密着させた後に熱接着により一枚
のシートに成形されたICカード基材のオーバーシート
25側に、ICモジュール27を埋設するための凹部2
6を形成した後、上記凹部26にICモジュール27を
埋設することによって形成されている。なお、上記熱接
着せしめる際の条件は特に制限されないが、90〜15
0℃、5〜30Kgf/cm2程度が好ましい。また、
コア材24の厚みも特に制限されないが、100〜10
00μm程度が好ましい。
【0026】上記本発明のICカードにおいて、「オー
バーシート」とは射出成形や熱接着によって作られるI
Cカードの、外側の2面を形成するシート状材料であ
り、本発明のICカードでは少なくとも1方の面に可逆
性感熱層が設けられている。つまり本発明にかかる、
「フィルムの一面に、通常無色ないし淡色のロイコ染料
及び加熱により該ロイコ染料を発色させかつこれを再加
熱により消色させる可逆顕色剤を含有する可逆性感熱層
と、保護層とを順次積層してなる可逆性感熱記録シー
ト」等は、オーバーシートと同義である。さらに、「I
Cチップモジュールを組み込んだシート」も同様に、オ
ーバーシートとして理解して良い。これら、オーバーシ
ートを形成するシート状基材としては、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム、グリコール変性ポリ
エチレンテレフタレート(PETG)フィルム、アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)フィ
ルム、塩化ビニル樹脂フィルム、等の合成樹脂フィルム
が使用できる。
【0027】さらに、本発明のICカードにおいては、
オーバーシート間に射出成形あるいは熱接着により「コ
ア材」が挿入されることになるが、このコア材として
は、ABS、PETG、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、塩化ビニル等の合成樹脂を使用することが
できる。
【0028】なお、本明細書中でいうところの「熱接
着」とは、互いに接着可能な熱可塑性樹脂同士を密着さ
せ、熱と圧力により融着させる場合と、助剤として必要
な接着剤をオーバーシートまたはコア材の一方あるいは
両方の面に設けた後、両者を密着させ、熱と圧力により
接着させる場合の両方を意味する。かかる接着剤(助
剤)としては公知の接着剤を使用することができる。
【0029】次に、本発明のICカードに用いる可逆性
感熱記録材料について説明する。本発明のICカード
は、通常無色ないし淡色のロイコ染料と、加熱により該
ロイコ染料を発色させかつこれを再加熱により消色させ
る可逆顕色剤とを含有する可逆性感熱層を具備してな
る。ここで言うロイコ染料としては、通常の感熱紙等に
使用される公知のロイコ染料を用いることができ、それ
らの具体例は、特開平7−68933号公報、特開平8
−175013号公報及び特開平6−210955号公
報に記載されている。このようなロイコ染料を使用した
可逆性感熱記録材料は、特に特定の顕色剤を選択するこ
とにより、発色消色の可逆性を実現することができる
が、具体的には、染料と顕色剤の溶融混合物が冷却する
速度を変えることにより、発色状態と消色状態を選択的
に生成することができる。従って、このような可逆性感
熱記録材料を用いると、熱接着や射出成形等の加熱を必
要とする成形方法の過程で仮に可逆性感熱記録材料が発
色に十分な熱を経験したとしても、発色部分を後から消
去することができるため、従来の感熱記録材料のように
熱による地肌被りが問題になることはない。このよう
な、ロイコ系の可逆性感熱記録材料を実現するための可
逆顕色剤としては、特開平6−210954号公報、特
開平6−171225号公報、特開平7−68933号
公報、特開平8−175013号公報及び特開平7−6
8934号公報に記載されたものを使用することができ
る。
【0030】さらに、本発明のICカードの可逆性感熱
層上に設ける保護層は、可逆性感熱記録材料に画像の書
き込みと消去を繰り返した場合の、可逆性感熱層の劣化
を防止するために設けられるものである。また、可逆性
感熱層上に設けた保護層を中間層とし、さらに公知の保
護層を設けることも可能である。このような保護層を形
成する材料としては、水溶性高分子、ラテックス類、重
合性化合物、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂等があ
る。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、ニ
トロセルロース、メタアクリル酸エステル、アクリル酸
オリゴマ−、アクリル酸エステルオリゴマ−、エチレン
性不飽和結合を有するポリアクリレート系化合物等が挙
げられる。また必要に応じて、エポキシ化合物、尿素誘
導体、ビニル化合物等の架橋剤、リン酸系、スルホン酸
系、ポリアミド系、アミン系等の硬化剤等を添加するこ
とができる。必要であれば、保護層あるいは中間層が、
2層ないしは3層以上の複数の層から構成されていても
よい。
【0031】あるいは、ICカードの表面に透明フィル
ムが位置する構成(前記の第2、第4、第6の実施形
態)では、透明フィルム自体が可逆性感熱層の保護層の
役割も果たすので、厚みとしては好ましくは50μm以
下、より好ましくは10μm以下で、コーティングなど
の加工に耐える程度の厚さがあればよい。透明フィルム
がこれ以上厚いと、発色感度の低下等が生じ易くなる傾
向にある。このような透明フィルムとしては、PET、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリ
レート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、
ポリエチレンナフタレート、ポリイミドなどの耐熱性が
良好なフィルムが好ましい。基材としては、高分子フィ
ルムが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、塩化ビニルなどのフィルムが適している。
【0032】本発明のICカードの可逆性感熱層に用い
ることのできるバインダー樹脂の具体例としては、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合
体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩
化ビニリデン、塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体、
塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、各種ポリ
エステル、各種ポリアミド、各種ポリアクリル酸エステ
ル、各種ポリメタクリル酸エステル、アクリレート・メ
タクリレート共重合体、シリコーン樹脂、ニトロセルロ
ース、ポリプロピレン、デンプン類、ヒドロキシエチル
セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、
変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン
/無水マレイン酸共重合体、ポリウレタン、ポリアクリ
ル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリ
ロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/
ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
尿素−ホルマリン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチ
レン樹脂、フェノール樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線
硬化性樹脂、ポリオール樹脂、あるいはイソシアネート
系の架橋剤で硬化されたポリオール樹脂等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0033】また、可逆性感熱層とフィルム基材との間
に、接着性、可逆性感熱層の強度向上、可逆性感熱層の
発色特性向上等の目的のために、下引き層を設けること
も可能である。あるいは、フィルム基材上に予め印刷を
施し地紋印刷とすることも可能である。勿論ICモジュ
ール側のオーバーシートの、ICカードの表面となる面
には、予め印刷を施すことも可能である。
【0034】また、可逆性感熱層の発色感度及び消色温
度を調節するための添加剤として、熱可融性物質を可逆
性感熱層中に含有させることができる。かかる熱可融性
物質としては60℃〜200℃の融点を有するものが好
ましく、特に80℃〜180℃の融点を有するものが好
ましい。また、一般の感熱記録紙に用いられている増感
剤を使用することもできる。例えば、N−ヒドロキシメ
チルステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミ
チン酸アミドなどのワックス類、2−ベンジルオキシナ
フタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェニ
ル、4−アリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導
体、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、
2,2′−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエ
ーテル、ビス(4−メトキシフェニル)エーテル等のポ
リエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジ
ル、シュウ酸ビス(p−メチルベンジル)エステル等の
炭酸またはシュウ酸ジエステル誘導体等を併用して添加
することができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0035】また、可逆性感熱層、保護層等には、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸
金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、
酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワッ
クス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム等の分散剤、さらに界面活性剤、蛍光染料
などを含有させることもできる。
【0036】本発明にかかる可逆性感熱記録シートを構
成する各層を支持体上に形成する方法は、特に制限され
るものではなく、従来の方法により形成することができ
る。例えば、エア−ナイフコ−タ−、ブレ−ドコ−タ
−、バ−コ−タ−、カ−テンコ−タ−、グラビアコータ
ー等の塗抹装置、平版、凸版、凹版、フレキソ、グラビ
ア、スクリーン、ホットメルト等の方式による各種印刷
機等を用いる事ができる。さらに通常の乾燥工程の他、
UV照射・EB照射により各層を保持させる事ができ
る。これらの方法により、1層ずつあるいは多層同時に
塗抹、印刷することができる。
【0037】本発明にかかる可逆性感熱記録材料におい
て、発色記録画像を形成するためには加熱に引き続き急
速な冷却が起これば良く、記録画像の消色を行うために
は加熱後の冷却速度が遅ければ良い。例えば、適当な方
法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押し当てる
等して急速に冷却することにより、発色状態を発現させ
ることができる。また、サーマルヘッド、レーザー光等
を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱終了後に
直ちに冷却する為、発色状態を保持させることができ
る。一方、適当な熱源(サーマルヘッド、レーザー光、
熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱ヒーター、並
びにタングステンランプやハロゲンランプ等の光源から
の輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱すると、可逆
性感熱層だけでなく支持体等も加熱される為、熱源を除
いた後の冷却速度が遅いため消色状態になる。従って、
同じ加熱温度および/または同じ熱源を用いても、冷却
速度を制御することにより発色状態および消色状態を任
意に発現させることができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明のICカード
についてより具体的に説明するが、本発明のICカード
は後述する実施例に記載のものに限定されるものではな
い。なお、本明細書中における「部」は、特に明記しな
い限り「重量部」を示す。
【0039】(A)可逆性感熱塗液の作製 ロイコ染料として3−ジ−n−ブチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン20部、可逆顕色剤として
N−[3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオノ]−
N´−n−オクタデカノヒドラジド100部、バインダ
ー樹脂としてポリオール樹脂80部(商品名:ニッポラ
ン800、日本ポリウレタン工業社製)、溶媒としてト
ルエン600部を混合して、ボールミルで24時間粉砕
し、可逆性感熱塗液を作製した。
【0040】(B)保護層塗液の作製 アロニックスM8030(東亜合成化学工業製)90
部、N−ビニル−2−ピロリドン5部、イルガキュア5
00(日本チバガイギー製)5部、ミズカシルP−52
7(水澤化学製)10部を混合して十分撹拌し、紫外線
硬化性の保護層塗液を作製した。
【0041】実施例1 (A)で作製した可逆性感熱塗液を固形塗工量5g/
2、(B)で作製した保護層塗液を固形塗工量2.0
g/m2になるように厚み75μmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)シートに順次積層して一方のオーバ
ーシート(可逆性感熱記録シート)とした。一方、厚み
100μmのグリコール変性ポリエチレンテレフタレー
ト(PETG)シートに、非接触式ICカード用ICモ
ジュールを組み込み、もう一方のオーバーシートとし
た。次に、上記可逆性感熱記録シートの可逆性感熱層と
は反対の面と、ICチップモジュールを組み込んだオー
バーシートのICチップ側の面とをそれぞれ対向させ、
金型内に設置し、該両シート間の空隙にPETG樹脂を
射出して、トータルのカードの厚みが0.8mmになる
ようにして本発明のICカードを得た。この実施例1で
得られた非接触式ICカードの断面図を図6に示す。図
6では、可逆性感熱記録シート用フィルム基材(PET
シート)16上に可逆性感熱層15、保護層14が順次
積層され、一方、オーバーシート用フィルム基材(PE
TGシート)18上にループアンテナ12が設けられか
つICモジュール13が接続されており、可逆性感熱記
録シート用フィルム基材16とオーバーシート用フィル
ム基材18との間にコア材(PETG樹脂)17が射出
成形されているものが示されている。
【0042】実施例2 (A)で作製した可逆性感熱塗液を固形塗工量5g/m2
になるように厚み6μmの透明ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)シートに塗布して一方のオーバーシート
(可逆性感熱記録シート)とした。一方、厚み100μ
mのグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PE
TG)シートに、非接触式ICカード用ICモジュール
を組み込み、もう一方のオーバーシートとした。次に、
上記可逆性感熱記録シートの可逆性感熱層側の面と、I
Cチップモジュールを組み込んだオーバーシートのIC
チップ側の面とをそれぞれ対向させ、金型内に設置し、
該両シート間の空隙にPETG樹脂を射出して、トータ
ルのカードの厚みが0.8mmになるようにして本発明
のICカードを得た。この実施例2で得られた非接触式
ICカードの断面図を図7に示す。図7では、透明フィ
ルム(透明PETシート)19上に可逆性感熱層15が
設けられ、一方、オーバーシート用フィルム基材(PE
TGシート)18上にループアンテナ12が設けられか
つICモジュール13が接続されており、可逆性感熱層
15とオーバーシート用フィルム基材18との間にコア
材(PETG樹脂)17が射出成形されているものが示
されている。
【0043】実施例3 (A)で作製した可逆性感熱塗液を固形塗工量5g/
2、(B)で作製した保護層塗液を固形塗工量2.0
g/m2になるように厚み100μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)シートに順次積層して一方のオー
バーシート(可逆性感熱記録シート)とした。一方、厚
み100μmのグリコール変性ポリエチレンテレフタレ
ート(PETG)シートに、外部コンタクト用の穴を形
成した後、接触式ICカード用ICモジュールを組み込
み、もう一方のオーバーシートとした。次に、上記可逆
性感熱記録シートの可逆性感熱層とは反対の面と、IC
チップモジュールを組み込んだオーバーシートのICチ
ップ側の面とをそれぞれ対向させ、該両シート間に厚み
560μmのPETG樹脂よりなるシート状コア材を挟
み込み、これらを密着して仮止めを施した後に、120
℃、10Kgf/cm2のプレス条件で熱接着せしめて
本発明のICカードを得た。この実施例3で得られた接
触式ICカードの断面図を図8に示す。図8では、可逆
性感熱記録シート用フィルム基材(PETシート)16
上に可逆性感熱層15、保護層14が順次積層され、一
方、オーバーシート用フィルム基材(PETGシート)
18上にICモジュール20が設けられており、可逆性
感熱記録シート用フィルム基材16とオーバーシート用
フィルム基材18とがコア材(PETG樹脂)17を介
して熱接着されているものが示されている。
【0044】実施例4 (A)で作製した可逆性感熱塗液を固形塗工量5g/m2
になるように厚み6μmの透明ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)シートに塗布して一方のオーバーシート
(可逆性感熱記録シート)とした。一方、厚み100μ
mのグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PE
TG)シートに、外部コンタクト用の穴を形成した後、
接触式ICカード用ICモジュールを組み込み、もう一
方のオーバーシートとした。次に、上記可逆性感熱記録
シートの可逆性感熱層側の面と、ICチップモジュール
を組み込んだオーバーシートのICチップ側の面とをそ
れぞれ対向させ、該両シート間に厚み660μmのPE
TG樹脂よりなるシート状コア材を挟み込み、これらを
密着して仮止めを施した後に、120℃、10Kgf/
cm2のプレス条件で熱接着せしめて本発明のICカー
ドを得た。この実施例4で得られた接触式ICカードの
断面図を図9に示す。図9では、透明フィルム(透明P
ETシート)19上に可逆性感熱層15が設けられ、一
方、オーバーシート用フィルム基材(PETGシート)
18にICモジュール20が設けられており、可逆性感
熱層15とオーバーシート用フィルム基材18とがコア
材(PETG樹脂)17を介して熱接着されているもの
が示されている。
【0046】実施例5 (A)で作製した可逆性感熱塗液を固形塗工量5g/
2、(B)で作製した保護層塗液を固形塗工量2.0
g/m2になるように厚み100μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)シートに順次積層して一方のオー
バーシート(可逆性感熱記録シート)とした。一方、厚
み100μmのグリコール変性ポリエチレンテレフタレ
ート(PETG)シートをもう一方のオーバーシートと
した。次に、厚み560μmのPETG樹脂よりなるシ
ート状コア材の一方の面に上記可逆性感熱記録シートの
可逆性感熱層とは反対の面を密着し、さらに該コア材の
もう一方の面に上記PETGシートを密着して仮止めを
施した後に、120℃、10Kgf/cm2のプレス条件
で熱接着せしめてICカード用基材を得た。このように
して得られたICカード用基材の断面図を図10に示
す。図10では、可逆性感熱記録シート用フィルム基材
(PETシート)23上に可逆性感熱層22、保護層2
1が順次積層されており、可逆性感熱記録シート用フィ
ルム基材23とオーバーシート用フィルム基材(PET
Gシート)25とがコア材(PETG樹脂)24を介し
て熱接着されているものが示されている。
【0047】さらに、このICカード用基材の可逆性感
熱層とは反対の面に、接触式ICカード用ICモジュー
ルを埋設するのに必要な凹部を形成した。このようにI
Cモジュールを埋設するための凹部を設けたICカード
用基材の断面図を図11に示す。図11では、図10に
示すICカード用基材にICモジュール埋設用の凹部2
6が設けられているものが示されている。
【0048】そして最後に、先にICカード用基材に設
けられた凹部にICモジュールを接着剤で固定し、本発
明のICカードを得た。この実施例5で得られた接触式
ICカードの断面図を図12に示す。図12では、図1
1に示すICカード用基材の凹部26にICモジュール
27が埋設されているものが示されている。
【0049】実施例6 (A)で作製した可逆性感熱塗液を固形塗工量5g/m2
になるように厚み6μmの透明ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)シートに塗布して一方のオーバーシート
(可逆性感熱記録シート)とした。一方、厚み100μ
mのグリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PE
TG)シートをもう一方のオーバーシートとした。次
に、厚み660μmのPETG樹脂よりなるシート状コ
ア材の一方の面に上記可逆性感熱記録シートの可逆性感
熱層側の面を密着し、さらに該コア材のもう一方の面に
上記PETGシートを密着して仮止めを施した後に、1
20℃、10Kgf/cm2のプレス条件で熱接着せし
めてICカード用基材を得た。さらに、このICカード
用基材の可逆性感熱層とは反対の面に、接触式ICカー
ド用ICモジュールを埋設するのに必要な凹部を形成し
た後、その凹部にICモジュールを接着剤で固定し、本
発明のICカードを得た。この実施例6で得られた接触
式ICカードの断面図を図13に示す。図13では、透
明フィルム(透明PETシート)28上に可逆性感熱層
22が設けられ、可逆性感熱層22とオーバーシート用
フィルム基材(PETGシート)25とがコア材(PE
TG樹脂)24を介して熱接着されてなるICカード用
基材の凹部26にICモジュール27が埋設されている
ものが示されている。
【0050】上記実施例1〜6で得られたICカードの
可逆性感熱層は、何れも濃度計マクベスRD918によ
る値が0.2以下であった。これは、本実施例で使用し
たロイコ染料と顕色剤による可逆性感熱記録材料は、こ
れら実施例の製造工程で経験する熱の履歴が何れも消色
モードとなっているため、地肌の被りとして残らず、消
色後の色を呈しているためである。なお、仮に別の可逆
顕色剤による可逆性感熱記録材料を用いた場合であっ
て、このような製造工程で経験する熱履歴が発色モード
になるような系であっても、適当な消去条件により地肌
を消色させることが可能であるため、実用上問題は生じ
ない。
【0051】次に、上記実施例1〜6で得られたICカ
ードの可逆性感熱層に感熱ヘッドで印字したところ、濃
度計マクベスRD918による値が0.7以上の視認性
のある記録が得られた。次いで、これらの表示を熱ロー
ラにより消去した後、同様の印字を行い、再印字可能で
あることが確認された。さらにこのような繰り返し印字
を50回行い、印字濃度が初期値(0.7)以上である
ことが確認された。
【0052】また、実施例1〜6で得られたICカード
においては、オーバーシート並びにコア材の接着性は十
分であり、カードを破壊することなく可逆性感熱層を剥
離することは難しく、これによって十分なセキュリティ
ー性が確保されることが確認された。
【0053】
【発明の効果】本発明により、リライタブル表示材料に
よる目視可能な情報を表示する手段を持ち、かつ製造の
効率が高い方法で形成されたICカードを実現すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接触式ICカード用ICモジュールの一実施形
態の断面図である。
【図2】接触式ICカード用ICモジュールを設けたシ
ートの一実施形態の断面図である。
【図3】アンテナ付き非接触式ICカード用ICモジュ
ールを設けたシートの一実施形態の平面図である。
【図4】アンテナ付き非接触式ICカード用ICモジュ
ールを設けたシートの一実施形態の断面図である。
【図5】ハイブリット式ICカード用ICモジュールを
設けたシートの一実施形態の断面図である。
【図6】本発明の非接触式ICカードの一実施形態の断
面図である。
【図7】本発明の非接触式ICカードの他の実施形態の
断面図である。
【図8】本発明の接触式ICカードの一実施形態の断面
図である。
【図9】本発明の接触式ICカードの他の実施形態の断
面図である。
【図10】熱接着によって形成された、可逆性感熱層を
具備した本発明にかかるICカード用基材の一実施形態
の断面図である。
【図11】図10に示すICカード用基材に、ICモジ
ュールを埋設するための凹部を設けた状態を示すICカ
ード用基材の断面図である。
【図12】図11に示すICカード用基材の凹部にIC
モジュールを埋設してなる、本発明の接触式ICカード
の他の実施形態の断面図である。
【図13】本発明の接触式ICカードの更に他の実施形
態の断面図である。
【符号の説明】
1…ICチップ、2…ICモジュール基盤、3…外部コ
ンタクト、4,8,11,13,20,27…ICモジ
ュール、5,6,18,25…オーバーシート用フィル
ム基材、7,9,12…ループアンテナ、14,21…
保護層、15,22…可逆性感熱層、16,19,2
3,28…可逆性感熱記録シート用フィルム基材、1
7,24…コア材、26…ICモジュールの埋設用凹
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 龍彦 千葉県柏市新十余二16番地1 トーイン株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムの一面に、通常無色ないし淡色
    のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させか
    つこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する
    可逆性感熱層と、保護層とを順次積層してなる可逆性感
    熱記録シートの、該可逆性感熱層とは反対の面と、IC
    チップモジュールを組み込んだシートのICチップ側の
    面とを、それぞれ対向させ、両シート間の空隙に樹脂を
    射出成形してなることを特徴とするICカード。
  2. 【請求項2】 透明フィルムの一面に、通常無色ないし
    淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色さ
    せかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有
    する可逆性感熱層を設けてなる可逆性感熱記録シート
    の、該可逆性感熱層側の面と、ICチップモジュールを
    組み込んだシートのICチップ側の面とを、それぞれ対
    向させ、両シート間の空隙に樹脂を射出成形してなるこ
    とを特徴とするICカード。
  3. 【請求項3】 フィルムの一面に、通常無色ないし淡色
    のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させか
    つこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する
    可逆性感熱層と、保護層とを順次積層してなる可逆性感
    熱記録シートの、該可逆性感熱層とは反対の面と、IC
    チップモジュールを組み込んだシートのICチップ側の
    面とを、それぞれ対向させ、さらに両シート間にコア材
    をはさみこんだ後に、全てのシートを熱接着せしめてな
    ることを特徴とするICカード。
  4. 【請求項4】 透明フィルムの一面に、通常無色ないし
    淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色さ
    せかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有
    する可逆性感熱層を設けてなる可逆性感熱記録シート
    の、該可逆性感熱層側の面と、ICチップモジュールを
    組み込んだシートのICチップ側の面とを、それぞれ対
    向させ、さらに両シート間にコア材をはさみこんだ後
    に、全てのシートを熱接着せしめてなることを特徴とす
    るICカード。
  5. 【請求項5】 フィルムの一面に、通常無色ないし淡色
    のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色させか
    つこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有する
    可逆性感熱層と、保護層とを順次積層してなる可逆性感
    熱記録シートの、該可逆性感熱層とは反対の面にコア材
    を密着させ、さらに該コア材の可逆性感熱層とは反対の
    面にオーバーシートを密着させた後に熱接着により一枚
    のシートに成形されたICカード基材のオーバーシート
    側に、ICモジュールを埋設するための凹部を形成した
    後、該凹部にICモジュールを埋設してなることを特徴
    とするICカード。
  6. 【請求項6】 透明フィルムの一面に、通常無色ないし
    淡色のロイコ染料及び加熱により該ロイコ染料を発色さ
    せかつこれを再加熱により消色させる可逆顕色剤を含有
    する可逆性感熱層を設けてなる可逆性感熱記録シート
    の、該可逆性感熱層側の面にコア材を密着させ、さらに
    該コア材の可逆性感熱層とは反対の面にオーバーシート
    を密着させた後に熱接着により一枚のシートに成形され
    たICカード基材のオーバーシート側に、ICモジュー
    ルを埋設するための凹部を形成した後、該凹部にICモ
    ジュールを埋設してなることを特徴とするICカード。
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