JPH11277777A - 可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法及び装置 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法及び装置

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JPH11277777A
JPH11277777A JP8427298A JP8427298A JPH11277777A JP H11277777 A JPH11277777 A JP H11277777A JP 8427298 A JP8427298 A JP 8427298A JP 8427298 A JP8427298 A JP 8427298A JP H11277777 A JPH11277777 A JP H11277777A
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erasing
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JP8427298A
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Hiroshi Fujii
浩 藤井
Minoru Fujita
実 藤田
Haruhiko Osawa
晴彦 大澤
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Kyodo Printing Co Ltd
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Kyodo Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理時間の増長、装置規模の拡大、及び印字
精度の低下を防止し、かつ、簡便な構成で印字濃度の向
上を図ることが可能な可逆性感熱記録媒体の印字・消去
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 発色型リライトカード1の印字・消去方
法において、発色型リライトカード1に、サーマルヘッ
ド9により印字する前に、発色型リライトカード1を冷
却素子(金属ロール)7により冷却する冷却工程を有す
る。また、冷却工程を、サーマルヘッド9により印字し
た後、若しくは、サーマルヘッド9により印字する前及
びサーマルヘッド9により印字した後の双方において行
っても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆性感熱記録媒体
の印字・消去方法及び装置に関し、特に、発色型リライ
トカードに適用して好適な可逆性感熱記録媒体の印字・
消去方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、IDカードやプリペイドカード等
の各種カードにおいては、残高や、所定のポイント等の
情報を磁気記録により記録する方式が採用されていた。
【0003】しかし、磁気記録は、情報の記録性におい
ては優れているものの、記録した情報を直接目視するこ
とが困難であり、カード保持者における情報の判断が困
難であるという問題が生じていた。
【0004】そこで、情報をカード表面に表示するた
め、可逆性感熱記録媒体をカードに適用することが提案
された。この可逆性感熱記録媒体は加熱により、印字・
消去が可逆的に可能な媒体であり、しかも、加熱記録は
現像が不要であり、発色濃度が高く、安価であることか
ら、広く利用されることとなった。
【0005】また、従来利用されている可逆性感熱記録
媒体としては、透明・白濁型(有機高分子/低分子マト
リクス型)の可逆性感熱記録媒体と、発色型(ロイコ
型)の可逆性感熱記録媒体とに大別される。
【0006】ここで、透明・白濁型(有機高分子/低分
子マトリクス型)の可逆性感熱記録媒体と発色型(ロイ
コ型)の可逆性感熱記録媒体とを比較すると、透明・白
濁型(有機高分子/低分子マトリクス型)の可逆性感熱
記録媒体は、情報を記録した場合、その情報が透明・白
濁に視認されるため、青や赤等の様々な色を発色可能な
発色型(ロイコ型)の可逆性感熱記録媒体に比べて、や
や視認性が悪く、さらに、発色の多様性の面で劣る。従
って、今後、カードに適用される可逆性感熱記録媒体と
しては、透明・白濁型(有機高分子/低分子マトリクス
型)の可逆性感熱記録媒体から、発色型(ロイコ型)の
可逆性感熱記録媒体に移行されることが予想されてい
る。
【0007】ここで、発色型(ロイコ型)の可逆性感熱
記録媒体を、発色型リライトカードに適用した場合の従
来の印字・消去技術について図8を参照して説明する。
【0008】図8に、従来の発色型リライトカードの印
字・消去装置の概略図を示す。図8に示されるように、
この印字・消去装置は、発色型リライトカード1に印字
された情報を消去するための消去バー5と、発色型リラ
イトカード1に情報を記録するためのサーマルヘッド9
と、発色型リライトカード1を搬送するための2つのプ
ラテンロール3とから構成されている。
【0009】消去バー5は、所定の温度以上で発色型リ
ライトカード1の表面を加熱するための部材であり、こ
の消去バー5の加熱の後、徐冷されることにより、発色
型リライトカード1の表面に印字された文字等の情報は
消去される。
【0010】また、サーマルヘッド9は、送信された信
号により、その表面に信号に対応した発熱が可能な部材
であり、プラテンロール3により搬送された発色型リラ
イトカード1は、このサーマルヘッド9により加熱さ
れ、その後の急冷により表面に画像形成(印字等)がな
される。
【0011】従って、図8に示されるような従来の印字
・消去技術によれば、簡便な方法で、可逆的に発色型リ
ライトカード1の表面に画像を印字・消去することが可
能であるとしている。
【0012】一方、従来の可逆性感熱記録媒体の印字・
消去方法及び装置をさらに発展させた公知の技術とし
て、特開平5−270144号公報に開示された「可逆
的感熱記録方法及び装置」がある。
【0013】この技術の主要目的は、消色を十分に行う
ことにより、繰り返して印字・消去を実行してもコント
ラストが低下することの少ない印字・消去技術を提供す
ることである。
【0014】そのために、当該公報に開示された発明
は、当該公報の請求項1にも記載されているように、印
字のためのサーマルヘッドと共に、表面温度の制御可能
なプラテンロールを用いていることをその要旨としてい
る。
【0015】即ち、従来の印字・消去技術においては、
サーマルヘッドによって加熱印字が実行されるのである
が、必要以上の温度、即ちエネルギにより加熱が行わ
れ、かつ、必要以上の急冷によりその印字が実行される
ことにより、以下に示すような問題が発生することが指
摘されている(同公報段落8記載)。
【0016】例えば、必要以上の温度、即ちエネルギに
より加熱が行われると、加熱の際の可逆性感熱記録媒体
の表面の損傷を招く結果となる。また、必要以上の急冷
によりその印字が実行されることにより、急冷後は、可
逆性感熱記録媒体に含有される発色体組成物が強い規則
性の凝縮構造を保持したまま存在することにより、一旦
その印字を消去する段になると、この強い規則性の凝縮
構造が印字を形成していることから、十分な消去が実行
できず、印字濃度のコントラストが低下するという結果
を招く。
【0017】従って、上記問題点を解決するためには、
可逆性感熱記録媒体に対する温度を微妙に管理すること
が必要となるが、サーマルヘッドではこのような微妙な
温度管理が困難であることに鑑み、補助熱源として、表
面温度の微妙な制御が可能なプラテンロールを採用した
ものである。
【0018】このようなプラテンロールを用いることに
より、当該公報に記載された発明は、加熱印字後の急冷
を抑えて、規則性の凝縮構造の強度を制限し、消去を十
分にして、ある一定の印字濃度を保持することにより、
上記目的を達成することが可能であるとしている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】発色型リライトカード
を可逆的に印字・消去が可能な記録媒体として用いるた
めには、上述のように、その印字・消去工程において消
去バー等の消去手段による印字の加熱消去工程が不可欠
である。
【0020】しかし、この消去バー等による消去工程
は、発色型リライトカードを一定温度以上に加熱する工
程であるため、消去バー等による消去工程を経た直後の
発色型リライトカードは基材を含めたカード全体が温め
られた状態となっている。
【0021】一方、発色型リライトカードの印字濃度
は、印字のために加熱した温度がどのくらいの速さで冷
却したか、即ち、印字のためのサーマルヘッド等の印字
手段の温度と、この印字温度を低下させる基材となる発
色型リライトカードの温度との温度勾配に依存する。
【0022】そのため、この消去バー等による消去工程
を経た直後に、サーマルヘッドによる印字工程を実行し
た場合は、発色型リライトカードの温度とサーマルヘッ
ドの温度との温度勾配が小さいため、発色型リライトカ
ードの印字濃度が低下してしまうという問題点があっ
た。
【0023】ここで、上記印字濃度に関する問題点を解
決するための従来の技術について、図9を参照して説明
する。
【0024】図9に、従来の印字・消去装置の概略図を
示す。ただし、図8に示される部材と同様な部材には、
同じ番号を付す。図9に示される従来の印字・消去装置
の構成は、前述の図8に示される構成と同様となってい
る。
【0025】ただし、図9に示される印字・消去装置で
は、上述の、発色型リライトカード1が消去バー5によ
り印字消去された直後にサーマルヘッド9により加熱印
字した場合印字濃度が低下する、という問題点を回避す
るため、印字・消去工程が2段階の工程となっている。
【0026】即ち、図9に示される装置の印字・消去技
術では、まず、通常通り、消去バー5の前(初期位置)
に配置された発色型リライトカード1を、プラテンロー
ル3により搬送して、その表面の印字を、消去バー5の
加熱、及び徐冷により消去する(図9の(a))。
【0027】次に、印字が消去された発色型リライトカ
ード1をそのまま直接サーマルヘッド9により加熱印字
するのではなく、印字が消去された発色型リライトカー
ド1の位置を一旦、初期位置の近辺に戻し、所定時間そ
の戻された位置において停止させ、冷却させる。即ち、
一定のインターバルを挿入する。
【0028】その後、十分に冷却された発色型リライト
カード1をプラテンロール3により再び搬送し、サーマ
ルヘッド9により加熱印字を実行する(図9の
(b))。
【0029】従って、図9に示されるような従来の印字
・消去装置においては、消去バー5により印字が消去さ
れた発色型リライトカード1の温度を、サーマルヘッド
9による加熱印字の前にインターバルを挿入することに
より冷却しているため、有効に印字濃度の低下を回避す
ることができるとしている。
【0030】しかしながら、図9に示されるような従来
の印字・消去技術においては、発色型リライトカード1
を冷却するためのインターバルを設けなければならない
ため、必然的に印字・消去のための処理時間が長くなっ
てしまうという問題点がある。
【0031】一方、上述のような、発色型リライトカー
ド1をサーマルヘッド9で加熱印字する前に一旦戻して
冷却して再び搬送する、というインターバルを設けず
に、発色型リライトカード1を冷却するためには、例え
ば図8に示されるような消去バー5とサーマルヘッド9
との間の間隔を長くすれば良いかに見える。
【0032】このように、消去バー5とサーマルヘッド
9との間の間隔を長くすることにより、発色型リライト
カード1の印字が消去バー5により消去され、その温度
が上昇していたとしても、サーマルヘッド9の印字位置
に発色型リライトカード1が到着する頃には、プラテン
ロール3により搬送されている間に十分に冷却されるこ
ととなるので、印字濃度が低下するという問題を回避す
ることができる。
【0033】しかしながら、この方法では、消去バー5
とサーマルヘッド9との間の間隔が長くなった分、必然
的に印字・消去のための装置のサイズが大きくなってし
まい、また、消去バー5とサーマルヘッド9との間を発
色型リライトカード1を搬送するために余計な時間が必
要となり、処理時間も増大することになり実用的ではな
い。
【0034】一方、前述の公報に開示された発明にあっ
ては、表面温度の微妙な制御が可能なプラテンロールを
用いて、必要以上の急冷を防止することにより、印字の
際の発色を引き起こす発色体組成物の凝縮構造を比較的
弱い凝縮構造とすることによって、印字の十分な消去を
可能にし、印字した場合のコントラストを向上させてい
るのであるが、印字を十分に消去することによるコント
ラストの向上については言及されているものの、印字を
実行した結果得られる印字濃度、即ち、印字を消去した
後の可逆性感熱記録媒体の温度と、サーマルヘッドの温
度との温度勾配については何ら言及されておらず、印字
を実行する場合に、温度勾配が不十分なために印字濃度
が低下してしまうという問題点は含有されているままで
ある。
【0035】さらに、サーマルヘッドと当接するプラテ
ンロールには、一般に厚くゴムが巻かれており熱伝導製
が悪いこと、プラテンロールは、印字、及び搬送の精度
を出す役割を担っており、そのうえ、冷却素子を入れて
回転できるようにしなければならず、機能的負荷が大き
く、印字等の精度を維持するのが難しいという問題点を
有している。
【0036】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、処理時間の増長、装置規模の拡大、及び印字精度の
低下を防止し、かつ、簡便な構成で印字濃度の向上を図
ることが可能な可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法及
び装置を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
加熱手段による消去工程の後、サーマルヘッドで印字す
る可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法において、前記
消去工程後、前記可逆性感熱記録媒体に印字する前、及
び前記可逆性感熱記録媒体に印字した後のうちの少なく
ともいずれか一方において、前記可逆性感熱記録媒体
を、冷却素子を用いて冷却する冷却工程を有することを
特徴とする。
【0038】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記可逆性感熱記録媒体が、発色型のリラ
イトカードを含むことを特徴とする。
【0039】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載の発明において、前記冷却素子の温度が、少なくと
も、該可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法を用いる場
所の環境温度以下であることを特徴とする。
【0040】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の発明において、前記冷却素子が、ペル
チェ素子、ヒートパイプ、アルミニウム若しくは銅その
他の金属による金属ロール、及びアルミニウム若しくは
銅その他の金属による金属板のうちの少なくともいずれ
か1つにより形成されていることを特徴とする。
【0041】請求項5記載の発明は、加熱手段による消
去工程の後、サーマルヘッドで印字する可逆性感熱記録
媒体の印字・消去方法において、前記消去工程後、前記
可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性感熱
記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか一方
において、前記可逆性感熱記録媒体を、空気その他の不
活性ガスによる空冷により冷却する冷却工程を有するこ
とを特徴とする。
【0042】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記可逆性感熱記録媒体が、発色型のリラ
イトカードを含むことを特徴とする。
【0043】請求項7記載の発明は、加熱手段による消
去工程の後、サーマルヘッドで印字する可逆性感熱記録
媒体の印字・消去装置において、前記消去工程後、前記
可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性感熱
記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか一方
において、前記可逆性感熱記録媒体を冷却する冷却素子
を有することを特徴とする。
【0044】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、前記可逆性感熱記録媒体が、発色型のリラ
イトカードを含むことを特徴とする。
【0045】請求項9記載の発明は、請求項7又は8に
記載の発明において、前記冷却素子の温度が、少なくと
も、該可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置を用いる場
所の環境温度以下であることを特徴とする。
【0046】請求項10記載の発明は、請求項7から9
のいずれかに記載の発明は、前記消去工程の加熱手段が
消去バーであり、前記冷却素子が、ペルチェ素子、ヒー
トパイプ、アルミニウム若しくは銅その他の金属による
金属ロール、及びアルミニウム若しくは銅その他の金属
による金属板のうちの少なくともいずれか1つにより形
成されていることを特徴とする。
【0047】請求項11記載の発明は、加熱手段による
消去工程の後、サーマルヘッドで印字する可逆性感熱記
録媒体の印字・消去装置において、前記消去工程後、前
記可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性感
熱記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか一
方において、前記可逆性感熱記録媒体を、空気その他の
不活性ガスによる空冷により冷却させる空冷装置を有す
ることを特徴とする。
【0048】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の発明において、前記可逆性感熱記録媒体が、発色型の
リライトカードを含むことを特徴とする。
【0049】ただし、ここでいう冷却工程若しくは冷却
手段とは、自然冷却を越える程度の冷却を引き起こす工
程若しくは手段のことをいう。即ち、本発明に示される
ような冷却工程若しくは冷却手段を設けずとも、消去工
程若しくは消去手段を経た可逆性感熱記録媒体が印字手
段に到るまでには、その搬送中において、自然冷却によ
り、ある程度の温度低下が認められるが、本発明はこの
ような自然冷却は、冷却工程若しくは冷却手段に含め
ず、上述のように自然冷却を越える程度の冷却を引き起
こす工程若しくは手段のことを冷却工程若しくは冷却手
段とする。
【0050】言いかえれば、自然冷却以上の効果を引き
起こすものであれば、本発明に示される冷却工程若しく
は冷却手段に含まれる。
【0051】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る可逆性感熱記
録媒体の印字・消去方法及び装置の実施形態について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0052】図1に本発明に係る可逆性感熱記録媒体の
印字・消去装置の第1の実施形態の概略図を示す。ただ
し、図1を用いて行う以下の説明は、本発明に係る可逆
性感熱記録媒体の印字・消去方法の第1の実施形態の説
明をも兼ねている。また、図1において従来の技術であ
る図8に示される部材と同様の部材には同じ番号を付
す。
【0053】図1に示されるように、本発明に係る可逆
性感熱記録媒体の印字・消去装置の第1の実施形態は、
発色型リライトカード1を搬送するプラテンロール3
と、発色型リライトカード1に印字された画像を消去す
るための消去バー5と、発色型リライトカード1に加熱
印字を実行するためのサーマルヘッド9と、サーマルヘ
ッド9による加熱印字の前に発色型リライトカード1を
冷却するための、発色型リライトカード1の表面側、及
び裏面側のそれぞれに設けられた冷却素子7とから構成
される。
【0054】なお、本発明に適用可能な可逆性感熱記録
媒体としては、加熱により印字・消去が可能な記録層を
具備する媒体であり、特に、ロイコ染料、顕減色剤およ
びバインダー樹脂により構成され、熱によって可逆的に
発色/消色を繰り返す層(可逆性感熱記録層)を具備す
る媒体である発色型リライトカード等の媒体を使用する
ことが好ましい。
【0055】例えば、上述のロイコ染料は、通常無色な
いし淡色の電子供与性染料前駆体といわれるものであ
る。また、顕減色剤は、電子受容性化合物といわれるも
のであり、加熱後の冷却速度の違いにより染料前駆体に
可逆的な色調変化を生じさせるものであり、炭素数6以
上の脂肪族炭化水素基を少なくとも1つ有するフェノー
ル性化合物又はフタル酸化合物、あるいはフェノール性
水酸基とアミノ基とを有する酸性化合物が用いられる。
【0056】また、顕減色剤には、4,4’−イソプロ
ピリデンフェノール、ベンジル−p−ヒドロキシベンゾ
エート、4,4’−ジヒドロキシ−3,5’−ジアリル
ジフェニルスルフォン、メチルービス(ヒドロキシフェ
ニル)アセテート、没食子酸エステル、p−フェニルフ
ェノール等が挙げられる。ロイコ染料としてはクリスタ
ルバイオレットラクトン、3−インドリノ−3−p−ジ
メチルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、2−(2
−クロルフェニルアミン)−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニルアミ
ノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p
−ブチルアニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミ
ノ−6−クロロフルオラン、2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−エチル−p−トルイジノ)−フルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオ
ラン、3−N−メチルシクロヘキシルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−N−エチルペンチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等を挙げ
ることが出来る。
【0057】前記通常無色ないし淡色の電子供与性染料
前駆体はそれぞれ1種または2種以上を混合して使用し
てもよい。
【0058】バインダー樹脂としては、デンプン類、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸ソーダ、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタ
クリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重
合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体
のアルカリ塩等の水溶性高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ウレタン、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジ
エン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合
体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン
/酢酸ビニル共重合体等のラテックスなどがあげられ
る。これらは単独であるいは2種以上混合して用いても
良い。
【0059】上述のような可逆性感熱記録材料におい
て、発色を行うには加熱に引き続き急速な冷却が起これ
ば良く、消色を行うには加熱後の冷却速度が遅ければ良
い。例えば、適当な熱源(消去バー、サーマルヘッド、
レーザー光、熱ロール、熱スタンプ、高周波加熱、電熱
ヒーターからの輻射熱、熱風等)で比較的長い時間加熱
すると、記録層だけでなく支持体等も加熱される為に冷
却速度が遅く、相分離状態(消色状態)になる。一方、
適当な方法で加熱した後、低温の金属ブロックなどを押
し当てる等して急速に冷却することにより、発色状態を
発現させることができる。また、サーマルヘッド、レー
ザー光等を用いて極めて短い時間だけ加熱すると、加熱
終了後に直ちに冷却(固化)が始まる為、発色状態を発
現させることができる。従って、同じ加熱温度および/
または同じ熱源を用いても、冷却速度を制御することに
より発色状態および消色状態を任意に発現させることが
できる。ここで、可逆性感熱記録媒体に利用される可逆
性感熱記録層は3〜6μmの厚さに形成されるのが一般
的である。
【0060】ここで、消色状態(消去)にするための加
熱手段(熱源)としては、可逆性感熱記録層のせん断応
力が少なく、装置もコンパクトにできるため、消去バー
とするのが好ましい。したがって、以下の説明は、消去
するための加熱手段として消去バーを用いた場合につい
て述べる。
【0061】次に、冷却素子7は、発色型リライトカー
ド1の搬送方向に対して、消去バー5とサーマルヘッド
9との間に形成されている。この冷却素子7の位置を位
置とする。
【0062】図1に示される冷却素子7は、以下に説明
するように、消去バー5により加熱消去が実行され、そ
の温度が上昇した発色型リライトカード1を冷却させる
部材であるため、この冷却を引き起こすのに必要にして
十分な部材であれば任意のものを用いることが可能であ
り、例えば、ペルチェ素子、ヒートパイプ、アルミニウ
ム若しくは銅その他の金属による金属ロール、及びアル
ミニウム若しくは銅その他の金属による金属板等により
形成されていることが好ましい。
【0063】ただし、図1に示される場合では、冷却素
子7として、直径8mmの金属ロールを用いた場合を図
示している。金属ロールは回転可能で冷却効率に優れる
とともに、最も簡便な構造の冷却素子である。また、金
属ロールを冷却素子7として用いる場合は、直径が大き
い程その表面積も大きくなるため冷却効率が向上する
が、その装置規模も大きくなる。従って、金属ロールの
直径は、5mm以上、15mm以下であることが好まし
い。
【0064】また、冷却素子7としては、発色型リライ
トカード1を冷却するため、空気その他の不活性ガスに
よる空冷手段を用いても良い。さらに、上記冷却素子と
空冷手段とを組み合わせて使用しても良い。
【0065】また、冷却素子7の温度としては、本発明
の効果を必要かつ十分に発揮させる温度として、10°
C以上、周囲の環境温度、すなわち室温以下であること
が好ましい。例えば、冷却素子7の温度を室温以上とし
ても、本発明の効果が発揮できない訳でもないが、より
効果的にするためには、室温以下程度が好ましい。
【0066】さらに、冷却素子7の温度が低ければ低い
ほど、発色型リライトカード1を十分に冷却可能のよう
に見えるが、実際には、冷却素子7の温度を10°C以
下に低下させても、顕著な効果の変化があるわけでもな
いため、冷却素子7の温度を低下させるために必要な部
材等との関係から、冷却素子7の下限温度としては10
°C程度が好ましい。
【0067】また、冷却素子7は、図1に示される場合
では、発色型リライトカード1の印字面側である表面側
と、発色型リライトカード1の裏面側との両側から冷却
可能のように設けられているが、本発明は、このように
両側に冷却素子7が設けられている場合に限定されず、
冷却素子7は、表面側及び裏面側のうちの少なくともい
ずれか一方の側に設けられていれば良く、冷却効率の点
からは発色型リライトカードの表面側から冷却する方が
好ましいが、装置の設計のしやすさから、どちら側に設
けるように選択しても良い。
【0068】ここで、図1に示されるプラテンロール
3、サーマルヘッド9、及び冷却素子7の一例につい
て、図4を参照して説明する。図4に、図1に示される
プラテンロール3、サーマルヘッド9、及び冷却素子7
の一例の斜視図を示す。ただし、冷却素子7は、金属ロ
ールの冷却素子である。
【0069】図4に示されるように、プラテンロール3
上にはサーマルヘッド9が設けられ、プラテンロール3
により搬送される発色型リライトカードは、冷却素子
(金属ロール)7により冷却される。ここで、プラテン
ロール3の素材としては、シリコン製ゴムが用いられる
のが一般的である。
【0070】次に、図1に示される本発明に係る可逆性
感熱記録媒体の印字・消去装置の第1の実施形態の動
作、及び本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去
方法の第1の実施形態の動作について、図1を参照して
説明する。
【0071】まず、発色型リライトカード1は、プラテ
ンロール3により消去バー5の位置に搬送される。消去
バー5の位置に搬送された発色型リライトカード1は、
消去バー5により加熱される。消去バーによる加熱は、
発色型リライトカードの消去バーと接した部位が均一に
加熱され、それが連続的に行われるので、消去バー5に
より加熱された発色型リライトカード1は、徐冷される
ことになり、その表面に印字された画像が消去される。
この徐冷は発色型リライトカード1が、消去バー5の位
置から冷却素子7の位置に搬送される間に行われる。
【0072】消去バー5による加熱が行われた発色型リ
ライトカード1は、プラテンロール3により冷却素子7
の位置に搬送される。冷却素子7の位置に搬送された発
色型リライトカード1は、冷却素子7が接触することに
より、若しくは冷却素子7が空冷手段の場合は空冷され
ることにより、冷却される。
【0073】冷却素子7による冷却が行われた発色型リ
ライトカード1は、プラテンロール3によりサーマルヘ
ッド9の位置の搬送され、加熱印字が実行される。ここ
で、発色型リライトカード1は、冷却素子7により冷却
されているため、サーマルヘッド9によって加熱印字が
実行された場合、サーマルヘッド9の温度と発色型リラ
イトカード1の温度との温度勾配が大きくなり、十分な
急冷が実行されることとなる。
【0074】ここで、図1に示される本発明に係る可逆
性感熱記録媒体の印字・消去装置の第1の実施形態、及
び本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法の
第1の実施形態を適用した場合における、発色型リライ
トカード1の表面温度の変化について図7を参照して説
明する。
【0075】図7に、発色型リライトカード1の位置と
その表面温度との関係のグラフを示す。図7に示される
ように、消去バー5の位置にある発色型リライトカード
1は、消去バー5による消去のための加熱が実行されて
いるため、その温度は消去バー5の温度と同程度となっ
ている。
【0076】そして、加熱消去が終了した発色型リライ
トカード1は冷却素子7の位置に搬送されるが、この搬
送中においても多少の温度低下は認められる。そして、
冷却素子7の位置に到達した発色型リライトカード1
は、冷却素子7により冷却されその温度は効率的に室温
まで低下し、この時の温度勾配では発色することはな
い。
【0077】冷却素子7による冷却が終了した発色型リ
ライトカード1は、サーマルヘッド9の位置に搬送され
るが、この搬送中においても、若干の温度変化は認めら
れる。しかしながら、発色型リライトカード1が冷却素
子7により冷却された後であるので、この温度変化は、
前述の搬送中の温度変化に比しても小さい。
【0078】そして、サーマルヘッド9の位置に到着し
た発色型リライトカード1は、その印字部分がサーマル
ヘッド9により加熱される。この加熱温度は一般的に、
消去バー5の消去温度よりも高い。
【0079】そして、サーマルヘッド9による加熱印字
が終了した発色型リライトカード1はサーマルヘッド9
の位置から送出されるが、その印字部分の温度は、発色
型リライトカード1の印字部分以外の温度が、既に冷却
素子7により充分に冷却されていることから、急激に低
下し、急冷工程となる。従って、図7からも明らかなよ
うに、印字部分の急冷が適切に実行される。
【0080】以上の説明から明らかなように、本発明に
係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置の第1の実施
形態、及び本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消
去方法の第1の実施形態によれば、消去バー5とサーマ
ルヘッド9との間に形成された冷却素子7により、発色
型リライトカード1が冷却されるため、サーマルヘッド
9による加熱印字を実行した場合に十分な急冷が行われ
ることとなり、その印字濃度を向上させることができ
る。
【0081】次に、本発明に係る可逆性感熱記録媒体の
印字・消去方法及び装置の第2の実施形態について、図
面を参照して詳細に説明する。
【0082】図2に本発明に係る可逆性感熱記録媒体の
印字・消去装置の第2の実施形態の概略図を示す。ただ
し、図2を用いて行う以下の説明は、本発明に係る可逆
性感熱記録媒体の印字・消去方法の第2の実施形態の説
明をも兼ねている。また、図2において前述の図1に示
される部材と同様の部材には同じ番号を付す。
【0083】図2に示されるように、この本発明に係る
可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置の第2の実施形態
に係る構成が、前述の第1の実施形態の構成と異なる点
は、冷却素子7の位置である。その他の点は同様であ
る。
【0084】即ち、図2に示される本発明に係る可逆性
感熱記録媒体の印字・消去装置の第2の実施形態におい
ては、冷却素子7が、発色型リライトカード1の搬送方
向に対して、サーマルヘッド9の後に設けられている。
このように、図2に示される冷却素子7の位置を位置
という。
【0085】図2に示される可逆性感熱記録媒体の印字
・消去装置の第2の実施形態によれば、プラテンロール
3により搬送される発色型リライトカード1は、消去バ
ー5によりその表面の印字が消去された後、サーマルヘ
ッド9により加熱印字が実行される。
【0086】そして、サーマルヘッド9による加熱印字
が実行された後において、冷却素子7により発色型リラ
イトカード1の冷却が実行される。
【0087】ただし、図2に示される場合においても、
本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置の第
1の実施形態の説明において説明したように、冷却素子
7として、発色型リライトカード1を冷却させるための
任意の冷却素子を用いることが可能であるし、また、図
2に示されるように、発色型リライトカード1の表面
側、及び裏面側の双方に冷却素子7を設ける必要は無
く、発色型リライトカード1の表面側、及び裏面側の少
なくとも一方の側に冷却素子7を設ければ良いことも同
様である。
【0088】従って、本発明に係る可逆性感熱記録媒体
の印字・消去装置の第2の実施形態、及び本発明に係る
可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法の第2の実施形態
によれば、サーマルヘッド9により発色型リライトカー
ド1を加熱印字した後に、発色型リライトカード1を冷
却素子7により冷却しているため、消去バーによる加熱
により発色型リライトカード全体が加熱され、熱をもっ
た状態からでも、加熱印字後の急冷を適切に実行するこ
とができ、その印字濃度を十分にすることができる。
【0089】次に、本発明に係る可逆性感熱記録媒体の
印字・消去方法及び装置の第3の実施形態について、図
面を参照して詳細に説明する。
【0090】図3に本発明に係る可逆性感熱記録媒体の
印字・消去装置の第3の実施形態の概略図を示す。ただ
し、図3を用いて行う以下の説明は、本発明に係る可逆
性感熱記録媒体の印字・消去方法の第3の実施形態の説
明をも兼ねている。また、図3において前述の図1に示
される部材と同様の部材には同じ番号を付す。
【0091】図3に示されるように、この本発明に係る
可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置の第3の実施形態
に係る構成が、前述の第1の実施形態の構成と異なる点
は、冷却素子の位置である。その他の点は同様である。
【0092】即ち、図3に示される本発明に係る可逆性
感熱記録媒体の印字・消去装置の第3の実施形態におい
ては、冷却素子7aが、発色型リライトカード1の搬送
方向に対して、消去バー5とサーマルヘッド9との間、
及び冷却素子7aが、サーマルヘッド9の後に設けられ
ている。このように、図3に示される冷却素子の位置を
位置という。
【0093】図3に示される可逆性感熱記録媒体の印字
・消去装置の第3の実施形態によれば、プラテンロール
3により搬送される発色型リライトカード1は、消去バ
ー5によりその表面の印字が消去された後、冷却素子7
aにより冷却され、その後、サーマルヘッド9により加
熱印字が実行される。
【0094】そして、サーマルヘッド9による加熱印字
が実行された後において、冷却素子7bにより発色型リ
ライトカード1の冷却が実行される。
【0095】ただし、図3に示される場合においても、
本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置の第
1の実施形態の説明において説明したように、冷却素子
7a、及び冷却素子7bとして、発色型リライトカード
1を冷却させるための任意の冷却素子を用いることが可
能であるし、また、図3に示されるように、発色型リラ
イトカード1の表面側、及び裏面側の双方に冷却素子7
a及び冷却素子7bを設ける必要は無く、発色型リライ
トカード1の表面側、及び裏面側の少なくとも一方の側
に冷却素子7a及び冷却素子7bを設ければ良いことも
同様である。
【0096】従って、本発明に係る可逆性感熱記録媒体
の印字・消去装置の第3の実施形態、及び本発明に係る
可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法の第3の実施形態
によれば、消去バー5とサーマルヘッド9との間に形成
された冷却素子7aにより、発色型リライトカード1が
冷却され、さらに、サーマルヘッド9による加熱印字を
実行した後に、発色型リライトカード1を冷却素子7b
により冷却しているため、加熱印字後の急冷をさらに確
実かつ適切に実行することができ、その印字濃度を十分
にすることができる。
【0097】次に、本発明を適用した場合の効果につい
て、図5を参照して説明する。図5の(a)は、室温が
25°Cの場合、冷却素子の温度を変化させ、さらに、
上記位置、、及びに冷却素子を設けた場合のそれ
ぞれの発色型リライトカードの印字濃度の関係を示す表
であり、図5の(b)は、本発明に係る可逆性感熱記録
媒体の印字・消去装置から冷却素子を除去した場合の、
それぞれの室温における印字濃度の関係を示す表であ
る。
【0098】ただし、印字方法としては、その印字密度
が8dot/mmであり、印字エネルギが0.5mJ/
dotであるサーマルヘッドを用いて実行した。
【0099】また、印字された画像の消去方法として
は、幅3.5mmであり、95°Cに加熱された消去バ
ーを用いた。
【0100】また、冷却素子7としては、その直径が8
mmである、回転可能な銅の金属ロールを用いた。
【0101】また、印字濃度の測定には、光学濃度測定
方法として、マクベスRD918を使用した。
【0102】また、加熱印字が実行される発色型リライ
トカードとしては、図6に示される構造の発色型リライ
トカードを用いた。図6に、本発明に係る可逆性感熱記
録媒体の印字・消去方法及び装置が適用される発色型リ
ライトカードの一例の断面図を示す。この発色型リライ
トカードは、基材100上に可逆性感熱記録層300が
形成され、可逆性感熱記録層300上に、保護層500
が形成され、この保護層500中に、無機多孔質フィラ
ー700と有機多孔質フィラー900とが含有されてい
る構造となっている。
【0103】図6に示される発色型リライトカードを構
成する各層の構造は以下の通りである。 基材100 白色ポリエチレンテレフタレート(PET)を厚さ18
8μmに形成した。
【0104】可逆性感熱記録層300 下記の組成の材料をペイントシェーカーで1時間分散し
て塗料とし、ワイヤーバーで塗工し、乾燥させ(80°
C、5分間)、紫外線照射(160W/cm、30m/
分、1パス)を行い硬化させ、乾燥膜厚6μmに形成し
た。 ・ロイコ染料(3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、山本化成(株)製、商品名OD
B) 1重量部 ・顕減色剤(N−(4−ヒドロキシフェニル)−N’−
n−オクタデシル尿素、特開平6−210954) 3
重量部 ・熱可塑性樹脂(アクリル樹脂、三菱レイヨン(株)
製、商品名ダイヤナールBR−80) 3重量部 ・紫外線硬化型樹脂(BASF(株)製、商品名LAR
OMER LR8864) 1重量部 ・光重合開始剤(チバガイギー(株)製、商品名ダロキ
ュア1173) 0.05重量部 ・溶剤(MEK:トルエン=1:1) 50重量部
【0105】保護層500 下記の組成の材料をペイントシェーカーで10分間分散
して塗料とし、ワイヤーバーで塗工し、乾燥させ(80
°C、1分間)、紫外線照射(160W/cm、30m
/分、1パス)行った後、乾燥膜厚2μmに形成した。 ・紫外線硬化型塗料(大日本インキ化学工業(株)製、
商品名ユニディック17−806、固形分80%) 1
00重量部 ・有機高分子フィラー(ベンゾグアナミン・メラミン縮
合物、(株)日本触媒製、商品名エポスターGP−H5
0、平均粒子径=5μm、pH=7(水による抽出物無
し)、屈折率=1.52) 2重量部 ・無機多孔質フィラー(富士シリシア化学(株)製、商
品名サイリシア436、平均粒子径=2.5μm、pH
=7.5、屈折率=1.46) 2重量部 ・溶剤(MEK:トルエン=1:1) 150重量部
【0106】以上を踏まえて、図5を参照すると、ま
ず、図5の(a)から、冷却素子のそれぞれの位置の印
字濃度は、冷却素子の温度がどのような温度であって
も、>≧の順に印字濃度が向上していることが分
かる。
【0107】従って、サーマルヘッドの後に冷却素子を
設けるよりも、サーマルヘッドの前に冷却素子を設けた
方が好ましく、さらに、サーマルヘッドの前後の双方に
冷却素子を設けることがより好ましいことが分かる。
【0108】また、冷却素子の位置に関わらず、冷却素
子の温度が低下するに従って、印字濃度が上昇している
ことが分かる。ただし、表には記載されていないが、冷
却素子の温度が10°C程度になると、その後温度を低
下させても、印字濃度に関しては顕著な変化は認められ
ない。
【0109】特に、図5の(b)に示される冷却素子が
無い場合の、室温と印字濃度との関係を考慮すると、冷
却素子の温度が、少なくとも室温以下であれば、冷却素
子の位置がどのような位置にあったとしても、本発明に
係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法及び装置を適
用した場合の発色型リライトカードの印字濃度は、冷却
素子が無い場合の発色型リライトカードの印字濃度より
も高くなる。
【0110】また、図5の(b)に示されるように、室
温が例えば25°Cの場合、冷却素子が無い場合の印字
濃度は1.10となっているが、図5の(a)に示され
るように、冷却素子の温度が30°C(>室温)であっ
ても、冷却素子7の位置がである場合は、その印字濃
度が1.11となっている。
【0111】即ち、図5の(a)及び図5 の(b)か
らも明らかなように、一定の場合には、冷却素子の温度
が室温よりも高くとも、本発明に係る可逆性感熱記録媒
体の印字・消去方法及び装置を適用した場合の発色型リ
ライトカードの印字濃度が、冷却素子が無い場合の発色
型リライトカードの印字濃度より高くなる。
【0112】従って、冷却素子の温度は、十分な印字濃
度を確保するために、望ましくは室温以下であることが
好ましいことが分かる。
【0113】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、可逆性感熱記録媒体を加熱印字する前、及び
加熱印字した後の少なくともいずれか一方において、可
逆性感熱記録媒体を冷却するための冷却素子による、又
は、空気その他の不活性ガスによる冷却工程、若しくは
冷却手段を有しているため、可逆性感熱記録媒体に印字
された画像を加熱により消去して、可逆性感熱記録媒体
の温度が上昇している場合であっても、加熱印字の際の
温度と、可逆性感熱記録媒体の温度との温度勾配を十分
にすることができ、可逆性感熱記録媒体の急冷を適切に
実行することができるので、装置規模を大きくすること
なく、かつ、印字精度を低下させることなく、印字濃度
を向上させることが可能な可逆性感熱記録媒体の印字・
消去方法及び装置を提供することができる。
【0114】また、可逆性感熱記録媒体を冷却するため
のインターバルを設ける必要が無くなるので、処理時間
を短縮しつつ、印字濃度を向上させることが可能な可逆
性感熱記録媒体の印字・消去方法及び装置を提供するこ
とができる。
【0115】また、冷却素子が、ペルチェ素子、ヒート
パイプ、アルミニウム若しくは銅その他の金属による金
属ロール、及びアルミニウム若しくは銅その他の金属に
よる金属板のうちの少なくともいずれか1つにより形成
されていることから、比較的容易に入手可能な部材で冷
却工程及び冷却手段を形成するすることができ、その実
施、製造を容易にすることが可能な可逆性感熱記録媒体
の印字・消去方法及び装置を提供することができる。
【0116】さらに、冷却工程若しくは冷却手段が、空
気その他の不活性ガスによる空冷により可逆性感熱記録
媒体を冷却する工程若しくは工程であることから、可逆
性感熱記録媒体の表面に接触せずに、冷却を行うことが
可能な可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法及び装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去
装置の第1の実施形態、及び本発明に係る可逆性感熱記
録媒体の印字・消去方法の第1の実施形態が適用される
装置を示す概略図である。
【図2】本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去
装置の第2の実施形態、及び本発明に係る可逆性感熱記
録媒体の印字・消去方法の第2の実施形態が適用される
装置を示す概略図である。
【図3】本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去
装置の第3の実施形態、及び本発明に係る可逆性感熱記
録媒体の印字・消去方法の第3の実施形態が適用される
装置を示す概略図である。
【図4】本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消去
方法及び装置の一実施形態に使用されるサーマルヘッ
ド、プラテンロール、及び冷却素子の斜視図である。
【図5】本発明を発色型リライトカードに適用した場合
の印字濃度を示す表であり、(a)は、室温が25°C
の場合、冷却素子の温度を変化させ、さらに、位置、
、及びに冷却素子を設けた場合のそれぞれの発色型
リライトカードの印字濃度の関係を示す表であり、
(b)は、本発明に係る可逆性感熱記録媒体の印字・消
去装置から冷却素子を除去した場合の、それぞれの室温
における印字濃度の関係を示す表である。
【図6】本発明が用いられる発色型リライトカードの一
例の断面図である。
【図7】図1に示される可逆性感熱記録媒体の印字・消
去方法及び装置を適用した場合の発色型リライトカード
の温度と位置との関係を示すグラフである。
【図8】従来の印字・消去装置の構成の概略図である。
【図9】従来の印字・消去装置の動作の概略図である。
【符号の説明】
1 発色型リライトカード 3 プラテンロール 5 消去バー 7,7a,7b 冷却素子(金属ロール) 9 サーマルヘッド 100 基材 300 可逆性感熱記録層 500 保護層 700 無機多孔質フィラー 900 有機多孔質フィラー

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段による消去工程の後、サーマル
    ヘッドで印字する可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法
    において、前記消去工程後、 前記可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性
    感熱記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか
    一方において、 前記可逆性感熱記録媒体を、冷却素子を用いて冷却する
    冷却工程を有することを特徴とする可逆性感熱記録媒体
    の印字・消去方法。
  2. 【請求項2】 前記可逆性感熱記録媒体が、 発色型のリライトカードを含むことを特徴とする請求項
    1記載の可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却素子の温度が、 少なくとも、該可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法を
    用いる場所の環境温度以下であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の可逆性感熱記録媒体の印字・消去方
    法。
  4. 【請求項4】 前記冷却素子が、 ペルチェ素子、ヒートパイプ、アルミニウム若しくは銅
    その他の金属による金属ロール、及びアルミニウム若し
    くは銅その他の金属による金属板のうちの少なくともい
    ずれか1つにより形成されていることを特徴とする請求
    項1から3のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の印
    字・消去方法。
  5. 【請求項5】 加熱手段による消去工程の後、サーマル
    ヘッドで印字する可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法
    において、前記消去工程後、 前記可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性
    感熱記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか
    一方において、 前記可逆性感熱記録媒体を、空気その他の不活性ガスに
    よる空冷により冷却する冷却工程を有することを特徴と
    する可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法。
  6. 【請求項6】 前記可逆性感熱記録媒体が、 発色型のリライトカードを含むことを特徴とする請求項
    5記載の可逆性感熱記録媒体の印字・消去方法。
  7. 【請求項7】 加熱手段による消去工程の後、サーマル
    ヘッドで印字する可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置
    において、前記消去工程後、 前記可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性
    感熱記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか
    一方において、 前記可逆性感熱記録媒体を冷却する冷却素子を有するこ
    とを特徴とする可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置。
  8. 【請求項8】 前記可逆性感熱記録媒体が、 発色型のリライトカードを含むことを特徴とする請求項
    7記載の可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置。
  9. 【請求項9】 前記冷却素子の温度が、 少なくとも、該可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置を
    用いる場所の環境温度以下であることを特徴とする請求
    項7又は8に記載の可逆性感熱記録媒体の印字・消去装
    置。
  10. 【請求項10】 前記消去工程の加熱手段が消去バーで
    あり、前記冷却素子が、 ペルチェ素子、ヒートパイプ、アルミニウム若しくは銅
    その他の金属による金属ロール、及びアルミニウム若し
    くは銅その他の金属による金属板のうちの少なくともい
    ずれか1つにより形成されていることを特徴とする請求
    項7から9のいずれかに記載の可逆性感熱記録媒体の印
    字・消去装置。
  11. 【請求項11】 加熱手段による消去工程の後、サーマ
    ルヘッドで印字する可逆性感熱記録媒体の印字・消去装
    置において、前記消去工程後、 前記可逆性感熱記録媒体に印字する前、及び前記可逆性
    感熱記録媒体に印字した後のうちの少なくともいずれか
    一方において、 前記可逆性感熱記録媒体を、空気その他の不活性ガスに
    よる空冷により冷却させる空冷装置を有することを特徴
    とする可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置。
  12. 【請求項12】 前記可逆性感熱記録媒体が、 発色型のリライトカードを含むことを特徴とする請求項
    11記載の可逆性感熱記録媒体の印字・消去装置。
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