JP3822451B2 - 可逆性感熱記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加熱して可視画像を繰り返して表示および消去できる可逆性感熱記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
消費者が磁気カードやICカードなどからなる各種の金融関係のカード類(キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード等)を使用する際、記録された内容を直接に目で確認できないため、支払い金額や残額のチェックを使用者に保証し難く、色素を使った画像形成をカード類に表示することが要望されている。
【0003】
また、従来周知の記録媒体において記録された情報を簡便に目で確認できないという問題は、プリペイド式カード、ポイントカード、身分証明書、保証ラベル、シールなどの周知の情報記録・表示媒体にも同様に起こる。
【0004】
ここで、感熱により色画像を形成できる記録材料としては、分子構造内にラクトン環をもち電子放出によるラクトン環の開環という構造変化により発色を示す電子供与性呈色性化合物(いわゆるロイコ染料)を用いる感熱記録材料が知られている。
【0005】
例えば、特開平2−188293号公報、特開平2−188294号公報にはロイコ染料とその顕減色剤として酸・塩基化合物とバインダーとを必須成分とする記録材料が記載されている。これは酸と塩基の反応速度の違いを利用して発消色をくり返すものである。
【0006】
また、特開平5−124360号公報または特開平6−210954号公報には、顕色剤として長鎖アルキル基をもつ電子受容性化合物を成分とする記録材料が開示されている。これは、顕色剤自体がその長鎖アルキル構造のため、凝集力を有し、ロイコ染料と接触・分離をくり返すことで発色および消色をくり返すものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような電子供与性色素前駆体と電子受容性化合物を分散させた可逆性感熱記録材料からなる記録層を発色させる記録層を有する記録媒体は、文字の書き換えの際に、従来の透明・白濁型の記録材料に比べて高温で長時間の熱処理を必要とするものであり、繰り返し書き換えを行うことによって記録層が熱により劣化して使用に耐えなくなる。
【0008】
記録層の耐熱性と強度を向上させるために、記録層内の高分子樹脂を熱、紫外線または電子線によって架橋する手段を採用できる(特開平5−124360号公報)が、これらの方法で記録層内の高分子樹脂を架橋すると、繰り返し書き換えを行うための耐久性を充分に改善することは困難であり、記録媒体の外観も地肌に変色が生じて見栄えが悪くなる場合があった。
【0009】
また、架橋によって記録層が収縮し、支持体との熱収縮率の差によって完成したカード状記録媒体にカール(反り)が発生するという問題も生じた。
【0010】
通常、記録媒体のコーティングはロール状の支持体を用いて行うことが多く、このまま熱架橋を高い温度で行うと、媒体が変形し元の形状に戻らなくなり、カード化した際にカール(反り)の原因になる。そして、記録媒体がカールすると、安定した印字・消去ができずカード状に形成した記録媒体をカードリーダに通過させたときに走行不良も見られるようになる。なお、低温で架橋すれば、カールや歪みの発生率は低くなるが、それでは製造に長時間を要して生産効率が極めて悪くなってしまう。
【0011】
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、画像の書き換えや消去時に繰り返し受ける加熱に耐えて記録層が劣化せず、しかも変色せずカールしないように可逆性感熱記録媒体を効率よく製造することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、熱架橋性樹脂に電子供与性色素前駆体と電子受容性化合物を分散させた可逆性感熱記録材料からなる記録層を支持体上に形成し、その後、この記録層よりも上側に耐熱性樹脂からなる保護層を重ねて一体化する可逆性感熱記録媒体の製造方法において、前記記録層を架橋により硬化させるための加熱工程を、少なくとも保護層塗工前と保護層塗工後を含めた複数回に分けて行ない、かつ前記加熱工程が、ロール状の可逆性感熱記録媒体における記録層に対する加熱工程と、可逆性感熱記録媒体を平坦なシート状に展開して加熱する工程を含む加熱工程であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法としたのである。
【0013】
上記した工程からなるこの発明の可逆性感熱記録媒体の製造方法は、保護層塗工前、すなわち可逆性感熱記録材料からなる記録層を支持体上に形成し、保護層のない状態で記録層が不完全に架橋して軟質な状態に加熱する。そして、次に保護層を塗工した後に加熱すると、記録層と支持体、および記録層と保護層の間の熱収縮率の差に応じて記録層が、表裏面を平行にずらすように変形しながら硬化し、その際に記録層と支持体、および記録層と保護層の間の加熱による伸縮量が調整され、反りや歪みが吸収されて内部応力が生じない。
【0014】
このように記録層を架橋により硬化させるための加熱工程を、少なくとも保護層塗工前と保護層塗工後を含めた複数回に分けて行なうと、歪みや反りが生じないように低温で長時間加熱する場合に比べて、生産効率が格段に高い製造方法になる。
【0015】
また、前記の熱架橋性樹脂が、イソシアネート化合物とポリオール樹脂からなる熱架橋性樹脂である可逆性感熱記録媒体の製造方法とすると、イソシアネート化合物が架橋剤になり、かつポリオール樹脂が母材となって透明性や製膜性が良く、また耐熱性に優れた熱架橋性樹脂となり、前記複数回の加熱によって記録層と支持体、および記録層と保護層の間の加熱による伸縮量が調整されて反りや歪みが発生するような内部応力が確実に生じない製造方法になる。
【0016】
また、上述の可逆性感熱記録媒体の製造方法において、記録層硬化のための加熱温度が、複数回の加熱工程において後の工程ほど高温の加熱温度を採用すると、記録層と支持体、および記録層と保護層の間の加熱による伸縮量を確実に調整でき、反りや歪みの発生するような内部応力を確実に生じないように可逆性感熱記録媒体を製造できる。
【0017】
また、上記の可逆性感熱記録媒体の製造方法において、記録層硬化のための加熱工程が、ロール状の可逆性感熱記録媒体における記録層に対する加熱工程と、可逆性感熱記録媒体を平坦なシート状に展開して加熱する工程を含む加熱工程では、ロール状の記録層を不完全に架橋状態にしておくことにより、保護層を塗工した後、平坦なシート状に展開して加熱硬化するときに、記録層と支持体、および記録層と保護層の間の熱収縮率の差に応じて記録層が変形し、各層間の伸縮量が調整されて特に反りが発生するような内部応力を有しない可逆性感熱記録媒体を製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施形態の可逆性感熱記録媒体の製造工程を添付図面(図1、2)に基づいて説明する。
【0019】
予め、電子供与性色素前駆体、電子受容性化合物、熱架橋性樹脂および架橋剤を溶剤に溶解もしくは分散させて可逆性感熱記録材料を調整する。
【0020】
ローラ1に巻かれたポリエチレンテレフタレート樹脂などで形成されたフィルム状の支持体2の上に、可逆性感熱記録材料をコーティングする。これを乾燥して記録層3を形成した後、再びロール状に巻き取り、図1に示すロール状物を得る。
【0021】
図1に示すロール状物に対して1回の熱架橋を行い、次いで紫外線硬化樹脂からなる保護層4をコーティングし、紫外線を照射して硬化させる。
【0022】
その後、図2に示すように、支持体2、記録層3、保護層4からなる可逆性感熱記録媒体Aをローラから巻き出しながら所要の大きさのシートに裁断し、これを再び加熱して架橋(エージング)すると、記録媒体は歪みなく平坦なシート状になり、カールのないものになる。また、上記の熱架橋条件は、それぞれ40〜80℃で10〜100時間程度であり、好ましくは40〜60℃で16〜48時間である。
【0023】
なお、シート状の形に戻ろうとする復元力を増してカール防止効果を高めるためには、記録層硬化のための加熱温度が、複数回の加熱工程において後の工程ほど高温の加熱温度であることが好ましい。また、加熱時間については、記録層硬化のための加熱時間が複数回の加熱工程において、後の工程ほど長時間の加熱であることが好ましい。
【0024】
この発明における熱架橋性樹脂は、可逆性感熱記録媒体に繰り返して加熱する際に、耐久性を増すために記録材料の母材として採用される。架橋のために供給するエネルギーとしては、熱、紫外線、電子線などであるが、この発明では熱エネルギーによる架橋を採用している。電子供与性化合物(ロイコ染料)を用いた記録材料では、記録層に紫外線や電子線があたると地肌に変色現象が起こるからである。因みに、このような変色は、紫外線や電子線のエネルギーでロイコ染料が分解されるためと考えられている。
【0025】
熱架橋性樹脂は、母材となる樹脂とその樹脂と架橋する架橋剤を必須成分とする組成物で構成されるが、架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物が一般的な材料である。また、母材となる樹脂はイソシアネート基と反応する水酸基、アミノ基、カルボキシル基などをもつ樹脂が好ましい。
【0026】
すなわち、この発明に用いる熱架橋性樹脂としては、透明性や製膜性が良く耐熱性の高い熱架橋性樹脂が用いられる。熱架橋性樹脂の具体例としては、イソシアネート架橋剤と熱架橋する水酸基、アミノ基、カルボキシル基などもつ樹脂なら何でも良いが、特にアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール樹脂が好ましい。
【0027】
この発明で用いられる電子供与性色素前駆体は、分子構造中にラクトン環部分を有するロイコ染料を用いることができる。
【0028】
ロイコ染料として周知の化合物を例示すると、クリスタルバイオレットラクトン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、3、3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド等のフタリド化合物、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオランなどのフルオラン化合物などである。
【0029】
この発明で用いる電子受容性化合物としては、以下の化合物が挙げられる。すなわち、炭素数6以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物またはフェノール化合物、好ましくは炭素数12以上の脂肪族基を一つ有するフェノール性化合物である。
【0030】
有機リン酸化合物としては、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸が挙げられる。
【0031】
脂肪族カルボン酸化合物としては、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等である。
【0032】
また、フェノール化合物としては4′−ヒドロキシ−4−オクタデシルベンズアニリド、N−オクタデシル−4−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)−N′−オクタデシル尿素、4−ヒドロキシフェニルプロピオノ−ベヘニルヒドラジドなどが挙げられる。
【0033】
上述した電子供与性化合物と電子受容性化合物は母材である高分子バインダーに溶解もしくは分散し、PET、紙などの支持体に記録層として塗布して乾燥させ、層を形成する。
【0034】
配合比は、ロイコ染料10重量部に対して電子受容性化合物が10〜100重量部、好ましくは20〜50重量部、高分子バインダーは10〜200重量部、好ましくは20〜100重量部である。高分子バインダー内には、樹脂およびそのOH価に合わせたイソシアネート化合物が含まれる。
【0035】
また、この発明では記録層上に、繰り返し耐久性やサーマルヘッドとのマッチング性の向上のために保護層を設ける。保護層を形成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂その他の耐熱性の高い樹脂が好ましい。
【0036】
この発明の可逆性感熱記録媒体の記録のための加熱手段としては、サーマルヘッド、スタンプ、ホットプレート、レーザマーカ、熱ペンなどが挙げられる。印字にはサーマルヘッドやレーザマーカ、熱ペンなどで加熱(T1)を行い、急冷してやると発色が固定される。また消去には、サーマルヘッド、棒状ヒーター、ホットスタンプ、加熱ロール、ホットプレートなどで加熱(T2<T1)を行うか、加熱(T1)後徐冷してやることで画像が消去される。このように、加熱温度と加熱時間の制御により可逆的な画像形成が可能である。
【0037】
【実施例および比較例】
【0038】
塗工液を188μmの白色ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製:W400)のロール状支持体に試験用グラビアコーターを用いてコーティングし、130℃で乾燥して厚さ10μmの記録層を設け、ロール状の積層体を作成した。
【0039】
その後、ロール状態で60℃で16hr加熱してエージングを行なった。この上に紫外線硬化樹脂を厚さ2μmになるように塗布し、紫外線で硬化させて保護層とし、得られた可逆性感熱記録媒体をシート状に裁断した後、60℃で48hrのエージングを行い、可逆性感熱記録媒体を得た。
【0040】
<外観の白色性とカール性の評価試験>
以上のように作製した記録媒体をカード状に打ち抜き、カードの地肌の白色性および初期カール性を目視評価した。
その評価基準は、変色なし(白色)を○印、変色ありを×印とし、またカール性が小さいものを○印、カール性が大きいものを×印とする2段階評価とした。
次に、このカードに対して、サーマルヘッド(0.35mJ/dot)で印字を行い、続いて130℃の熱印版で10秒間加熱して消去を行うことを1サイクルとして、これを300サイクル繰り返してカードの変形具合を確認し、反りがほとんど見られないものを○、反りのひどいものを×とする2段階評価とした。
以上の結果を表1にまとめて示した。
【0041】
【表1】
【0042】
〔実施例2〕
記録層塗工後のエージング条件を40℃×48hrで行なったこと以外は実施例1と同様に行なって、カード状の可逆性感熱記録媒体を作成した。そして、外観の白色性とカール性の評価試験を前記同じ条件で行ない、これらの評価を表1中に併記した。
【0043】
記録材料の組成を以上のようにしたこと以外は実施例1と同様に行なって、カード状の可逆性感熱記録媒体を作成した。そして、外観の白色性とカール性の評価試験を前記同じ条件で行ない、これらの評価を表1中に併記した。
【0044】
[比較例1]
記録層の塗工後のみにエージング60℃×48hrを行なった。すなわち、実施例1において、記録層を設けたロール状の積層体を作成し、ロール状態で記録層にエージング60℃×48hrを行ない、保護層塗工後に、得られた可逆性感熱記録媒体をシート状に裁断した後はエージングのための加熱を行わないこと以外は実施例1と同様に行なって、カード状の可逆性感熱記録媒体を作成した。そして、外観の白色性とカール性の評価試験を前記同じ条件で行ない、これらの評価を表1中に併記した。
【0045】
[比較例2]
記録層の塗工後にエージングを行なわず、すなわち、実施例1において、記録層を設けたロール状の積層体を作成し、ロール状態で記録層にエージングを行なわず、保護層塗工後に、得られた可逆性感熱記録媒体をシート状に裁断した後には、60℃×48hrのエージングを行ったこと以外は実施例1と同様に行なって、カード状の可逆性感熱記録媒体を作成した。そして、外観の白色性とカール性の評価試験を前記同じ条件で行ない、これらの評価を表1中に併記した。
【0046】
表1の結果からも明らかなように、記録層を硬化させるための加熱処理(エージング)を所定の段階に複数回に分けて行なわなかった比較例1、2は、300回の繰り返して印字と消去を繰り返すことによりカールが生じた。また、記録層の塗工後のみにエージング60℃×48hrを行い、保護層塗工後はエージングのための加熱を行わない比較例1は、地肌は白色であるが、初期のカールが大きかった。また、記録層の塗工後にエージングを行なわず、保護層塗工後のみにエージングを行った比較例2は、地肌に変色が見られた。
【0047】
一方、全ての条件を満足する製造工程の実施例1〜3は、地肌も白色で初期カールおよび300回の繰り返して印字と消去を繰り返した後もカールの発生量は少なかった。
【0048】
【発明の効果】
この発明では、以上説明したように、記録層を架橋により硬化させるための加熱工程を、少なくとも保護層塗工前と保護層塗工後を含めた複数回に分けて行なう可逆性感熱記録媒体の製造方法としたので、画像の書き換えや消去時に繰り返し加熱を受けても記録層が劣化せず、しかも変色せずに視認性が高く、またカールの起こり難い可逆性感熱記録媒体を効率よく製造できるという利点がある。
【0049】
また、前記の熱架橋性樹脂が、イソシアネート化合物とポリオール樹脂からなる熱架橋性樹脂である可逆性感熱記録媒体の製造方法とすると、透明性や製膜性が良く、また耐熱性に優れた熱架橋性樹脂により、反りや歪みが発生するような内部応力が確実に生じない製造方法になる。
【0050】
また、上述の可逆性感熱記録媒体の製造方法において、記録層硬化のための加熱温度が、複数回の加熱工程において後の工程ほど高温の加熱温度を採用すると、反りや歪みの発生するような内部応力を確実に生じないようにして可逆性感熱記録媒体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造工程におけるロール状の可逆性感熱記録媒体を示す斜視図
【図2】実施形態の製造工程におけるシート状の可逆性感熱記録媒体の断面図
【符号の説明】
1 ローラ
2 支持体
3 記録層
4 保護層
Claims (3)
- 熱架橋性樹脂に電子供与性色素前駆体と電子受容性化合物を分散させた可逆性感熱記録材料からなる記録層を支持体上に形成し、その後、この記録層よりも上側に耐熱性樹脂からなる保護層を重ねて一体化する可逆性感熱記録媒体の製造方法において、
前記記録層を架橋により硬化させるための加熱工程を、少なくとも保護層塗工前と保護層塗工後を含めた複数回に分けて行ない、かつ前記加熱工程が、ロール状の可逆性感熱記録媒体における記録層に対する加熱工程と、可逆性感熱記録媒体を平坦なシート状に展開して加熱する工程を含む加熱工程であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体の製造方法。 - 熱架橋性樹脂が、イソシアネート化合物とポリオール樹脂からなる熱架橋性樹脂である請求項1記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
- 記録層硬化のための加熱温度が、複数回の加熱工程において後の工程ほど高温の加熱温度である請求項1または2に記載の可逆性感熱記録媒体の製造方法。
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