JP2006103152A - 可逆性感熱記録媒体およびその製造方法並びに製造用転写セット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】離型性フィルム1に保護層2を重ね、その上に親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層(以下、インク受容層と略記する。)3を重ねて一体化し、このインクジェットインク受容層3の表面にはインクジェット印刷4を施してなる転写シート5を設け、この転写シート5と、別途設けた基材シート6上に可逆性感熱記録層7を設けた被転写材8とからなる可逆性感熱記録媒体の製造用転写セットとする。
【選択図】図1
Description
図1に示すように、第1実施形態は、離型性フィルム1に保護層2を重ね、その上に親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層(以下、インク受容層と略記する。)3を重ねて一体化し、このインクジェットインク受容層3の表面にはインクジェット印刷4を施してなる転写シート5を設け、この転写シート5と、別途設けた基材シート6上に可逆性感熱記録層7を設けた被転写材8とからなる可逆性感熱記録媒体の製造用転写セットである。
また、上述した以外にも光熱変換物質を可逆性感熱記録層の含有させる方法もある。
、コーティング法や印刷法で塗工され、使用する材料の種類によって変わるが、層厚0.5〜20μmが好ましく、さらには1〜10μmがより好ましい。この紫外線吸収層を形成する高分子樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられ、これらを単独もしくは2種類以上を混合することができる。
(1)転写シートの作製
離型性フィルムとして50μm厚のPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製:ダイアホイルMR)を用い、エポキシアクリレート系紫外線硬化樹脂からなる塗料をコーティングし、160W/cm×10m/min にて紫外線を照射し、層厚5μmの保護層を形成した。
エチレングリコールにエチレンオキシドを付加重合した後、ブチレンオキシドを付加重合し、さらにエチレンオキシドを付加重合して得たポリアルキレンオキシドにオクタデカン−1,18−ジカルボン酸メチルを加えエステル交換反応を行って重量平均分子量15万の樹脂を得た。そして、これに熱安定剤としてトコフェロール(BASF製UVINUL2000AO)を1部添加して樹脂Aを作製した。
アルミニウムが蒸着されたPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−CHI、厚さ100μm)に下記の組成物をエチルアルコールに溶解して塗工し、100℃で5分間加熱乾燥し、層厚3μmの溶剤バリア性を有する接着層を形成した。
アルコール可溶性ポリアミド樹脂(鉛市製:FR−101) 5重量部
エチルアルコール 25重量部
塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸共重合体(日信化学社製:ソルバインMF)
100重量部
テトラエチレングリコールアクリレート 50重量部
光重合開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア184) 2重量部
ポリエステル系可塑剤(DIC社製:P−29) 25重量部
ベヘン酸ステアリル 40重量部
ドデカン2酸 8重量部
THF 800重量部
(1)で得られた転写シートのインク受容層にインクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製:PX−V700)で印刷を行い、(2)で得られた可逆性感熱記録材料付きフィルムの可逆性感熱記録材料の上に加熱ロール(ロール温度:150℃,ラミネート速度:2m/min,ロール線圧:20kg/cm)でラミネートし、離型フィルムを剥がして保護層付きインク受容層と可逆性感熱記録層を有するシート作成した。
カード基材として、(3)で得られた保護層付きインク受容層と可逆性感熱記録層を有するシートと、オーバーシートとしてPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−CHI、厚さ100μm)とコアシートとしてPETG製シート(三菱樹脂製:ディアフィクスPG−WHI、厚さ560μm)を用いた。
可逆性感熱記録層付きフィルムの基材シートを、アルミニウムが蒸着されていないPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−CHI、厚さ100μm)を用いたことと、可逆性感熱記録材料の組成と製膜方法を以下の方法にしたこと以外は実施例1と全く同様にして保護層付きインク受容層と可逆性感熱記録層とを有するシートおよびカードを作製した。
下記の可逆性感熱記録材料の組成物をペイントシェーカーを用いて2時間分散した。
ロイコ染料:クリスタルバイオレットラクトン 10重量部
電子受容性化合物:ヒドロキシフェニルプロピオンノベヘニルヒドラジド 20重量部
樹脂:アクリルポリオール(三菱レーヨン社製:LR−1503) 50重量部
溶剤:トルエン 150重量部
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製:コロネートL,固形分75%)
5重量部
可逆性感熱記録層の上に下記の組成物からなる光熱変換層材料を塗工し、130℃で5分間加熱乾燥し、層厚1μmの光熱変換層を形成したこと以外は実施例1と全く同様にして可逆性感熱記録層付きフィルムを作製し、カード状可逆性感熱記録媒体を作製した。
ポリエステルウレタン(東洋紡績社製:バイロンUR−8200、固形分:30%)
257重量部
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製:コロネートL,固形分:75%)
21重量部
フタロシアニン系色素(山本化成社製:D99−038) 7重量部
MIBK 170重量部
トルエン 170重量部
実施例2において、可逆性感熱記録層の上に実施例3で示した光熱変換層と同じ組成の光熱変換層を形成したこと以外は実施例2と同様にして、可逆性感熱記録材料付きフィルムを作製し、さらにカード状可逆性感熱記録媒体を作製した。
実施例1において、樹脂AをT型マニホールドダイで100μm厚のポリエチレンフィルムの上に10μm厚に溶融成形を行い、熱ロールで保護層上の接着層の上にラミネートしてインク受容層を形成したこと以外は、実施例1と全く同様にして転写シートを作製し、さらにカード状の可逆性感熱記録媒体を作製した。
(転写シートの作製)
離型フィルムとして50μm厚のPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製:ダイアホイルMR)を用い、エポキシアクリレート系紫外線硬化樹脂からなる塗料をコーティングし、160W/cm×10m/min にて紫外線を照射し、層厚5μmの保護層を形成した。
THF 100重量部
オーバーシートにPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−CHI、厚さ100μm)と、コアシートにPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−WHI、厚さ560μm)を用いた。
得られた転写シートの昇華転写印刷受理層に昇華転写印刷プリンタで印刷を行った。次いで、ハーフカットを考慮して受理層をカード形状のカード基材に重ね合わせ、温度120℃、圧力10kg/cm2で5分間プレスして転写した。その後、支持体を剥離してカード基材上に昇華転写印刷受理層、バリア層、可逆性感熱記録層、保護層をこの順に有するカードを作製した。
インク受容層を以下の処方に変更したこと以外は実施例1と全く同様にして保護層付きインク受容層と可逆性感熱記録層とを有するシートおよびカードを作製した。
シリカ(水澤化学社製:ミズカシルP78A):5重量部とポリビニルアルコール(日本合成化学社製:ゴーセファイマーZ200):2重量部を蒸留水:100重量部に溶解させ、均一な溶液にして接着層の上に塗工し、100℃で10分間加熱乾燥し、層厚10μmのインク受容層を形成し、保護層とインク受容層を有する転写シートを作製した。
インク受容層を以下の処方に変更した以外は実施例1と全く同様にして保護層付きインク受容層と可逆性感熱記録層と有するシートおよびカードを作製した。
飽和ポリエステル樹脂(日本合成化学社製:ポリエスターSP−170):10重量部をトルエン:900重量部に溶解させ、均一な溶液にして接着層の上に塗工し、100℃で10分間加熱乾燥し、層厚10μmのインク受容層を形成し、保護層とインク受容層を有する転写シートを作製した。
(1)インク受容層の印刷適性
転写シートのインク受容層にインクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製:PX−V700)で印刷を行い、印刷品位を目視で評価した。
実施例1の[(4)カード状可逆性感熱記録媒体の作製]に記載の加熱加圧プレス条件、または下記の転写(加熱加圧プレス)条件で転写されたカードをJIS X 6301(1998年版)で規定されている方法を用いて層間剥離試験を行った。
転写条件:転写シートのインク受容層にインクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製:PX−V700)で印刷を行った。次いで、カード形状に合わせハーフカットを行い、位置を考慮してインク受容層をカード形状のカード基材に重ね合わせ、温度120℃、圧力10kg/cm2で5分間プレスして転写した。
得られたカードをサーマルヘッドで印字、ヒーターバーで消去できるカードリーダライタ(以下R/Wと表記)で印字消去を行い、印字濃度と消去濃度をマクベス反射濃度計(RD−918S)で測定した。そして、印字状態と消去状態の差(コントラスト)を評価した。
得られたカードを800nmの発振波長の半導体レーザを照射し、印字消去を行い、印字濃度と消去濃度をマクベス反射濃度計(RD−918S)で測定した。そして、印字状態と消去状態の差(コントラスト)を評価した。
得られたカードをR/Wで500回、1000回のリライト耐久性テストを行い、印字消去の品位と外観(表面キズ)を評価した。
得られたカード800nmの発振波長の半導体レーザを照射し、繰り返し印字消去を行い、1,000回、3,000回のリライト耐久性テストを行った。
それぞれ、3段階(○:良好,△:特性は低下したが使用可能、×:使用不可)で評価し、結果を表1に示した。
(1)転写シートの作製
実施例1と全く同様にして離型性フィルムの上に、保護層および接着層を形成し、次に実施例1で用いた可逆性感熱記録材料組成物(I)をTHFに溶解して塗工し、110℃で5分間加熱乾燥した後、160W/cm×10m/minにて紫外線照射し、層厚10μmの可逆性感熱記録層を形成し、その上の一部に真空蒸着法により0.05μm厚のアルミニウム蒸着層を形成した。
オーバーシートにPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−CHI、厚さ100μm)を用い、コアシートにPETG製シート(三菱樹脂社製:ディアフィクスPG−WHI、厚さ560μm)を用いた。
得られた転写シートのインク受容層にインクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製:PX−V700)で印刷を行った。次いで、カード形状に合わせハーフカットを行い、位置を考慮してインク受容層をカード形状のカード基材に重ね合わせ、温度120℃、圧力10kg/cm2で5分間プレスして転写した。そして、離型フィルムを剥離してカード基材上に印刷されたインク受容層、可逆性感熱記録層、保護層が順次積層されたカードを作製した。
(1)転写シートの作製
離型性フィルムとして50μm厚のPETフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム社製:ダイアホイルMR)を用い、エポキシアクリレート系紫外線硬化樹脂からなる塗料をコーティングし、160W/cm×10m/minにて紫外線を照射し、層厚5μmの保護層を形成した。
実施例6のとカード基材の作製工程と全く同様にして、カード基材を作製した。
実施例6のカードの作製工程と全く同様にして、カードを作製した。
保護層と可逆性感熱記録層の間の接着層の代わりに下記の組成物からなる光熱変換層材料を塗工し、130℃で5分間加熱乾燥し、層厚1μmの光熱変換層を保護層と可逆感熱記録層の間に形成したこと以外は実施例6と全く同様にして、転写シートとカード基材を作製し、さらにカードを作製した。なお、光熱変換層は接着層の機能も有する。
ポリエステルウレタン(東洋紡績社製:バイロンUR−8200,固形分:30%)
257重量部
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製:コロネートL,固形分:75%)
21重量部
フタロシアニン系色素(山本化成社製:D99−038) 7重量部
MIB 170重量部
トルエン 170重量部
実施例7において、保護層と可逆性感熱記録層の間の接着層の代わりに実施例8で用いた光熱変換層材料の組成物を塗工し、130℃で5分間加熱乾燥し、層厚1μmの光熱変換層を保護層と可逆感熱記録層の間に形成したこと以外は実施例7と同様にして転写シートとカード基材を作製し、さらにカードを作製した。なお、光熱変換層は接着層の機能も有する。
実施例1で用いた樹脂AをT型マニホールドダイで100μm厚のポリエチレンフィルムの上に10μm厚に溶融成形を行い、熱ロールでアルミニウム蒸着層の上にラミネートしてインク受容層を形成したこと以外は実施例6と同様にして転写シートとカード基材を作製し、さらにカードを作製した。
実施例6において、インク受容層の代わりに下記組成の昇華転写印刷受理層材料をTHFに溶解してアルミニウム蒸着層の上に塗工し、100℃で5分間加熱乾燥し、層厚3μmの昇華転写印刷受理層を形成したことと昇華転写印刷プリンタで印刷したこと以外は実施例6と全く同様にして転写シートを作製し、カードを作製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(日信化学社製:ソルバインC) 10重量部
THF 100重量部
実施例7において、インク受容層のかわりに比較例4で用いた組成の昇華転写印刷受理層材料をTHFに溶解して可逆性感熱記録層の上に塗工し、100℃で5分間加熱乾燥し、層厚3μmの昇華転写印刷受理層を形成したことと昇華転写プリンタで印刷したこと以外は実施例7と全く同様にして転写シートを作製し、カードを作製した。
以上の実施例6〜10および比較例4〜7について得られたカードの評価(1)〜(6)を前記同様に行い、結果を表2に示した。なお、実施例6,8,10と比較例4,6,7はアルミニウム蒸着がされた部分について印字消去を行い、評価を行った。
インク受容層を以下の処方に変更した以外は実施例6と全く同様にして可逆性感熱記録層とインク受容層を有する転写シートを作製した。
〈処方を変更したインク受容層〉
シリカ(水澤化学社製:ミズカシルP78A):5重量部とポリビニルアルコール(日本合成化学社製:ゴーセファイマーZ200):2重量部を蒸留水:100重量部に溶解させ、均一な溶液にしてアルミニウム蒸着層の上に塗工し、100℃で10分間加熱乾燥し、層厚10μmのインク受容層を形成し、保護層とインク受容層を有する転写シートを作製した。
インク受容層を以下の処方に変更した以外は実施例6と全く同様にして可逆性感熱記録層とインク受容層を有する転写シートを作製した。
〈処方を変更したインク受容層〉
飽和ポリエステル樹脂(日本合成化学社製:ポリエスターSP−170):10重量部をトルエン:900重量部に溶解させ、均一な溶液にしてアルミニウム蒸着層の上に塗工し、100℃で10分間加熱乾燥し、層厚10μmのインク受容層を形成し、保護層とインク受容層を有する転写シートを作製した。
2 保護層
3 インクジェットインク受容層
4 インク
5、9 転写シート
6 基材シート
7 可逆性感熱記録層
8 被転写材
Claims (8)
- 離型性フィルムに保護層を重ね、その上に親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層を重ねて一体化し、前記インクジェットインク受容層の表面にはインクジェット印刷を施してなる転写シートと、基材上に可逆性感熱記録層を設けた被転写材とからなる可逆性感熱記録媒体の製造用転写セット。
- 光熱変換層が、可逆性感熱記録層に熱伝導可能な近接した位置に配置されている請求項1に記載の可逆性感熱記録媒体の製造用転写セット。
- 請求項1または2に記載の可逆性感熱記録媒体の製造用転写セットにおける転写シートを、被転写材に転写して一体化してなる可逆性感熱記録媒体。
- 離型性フィルムに保護層および可逆性感熱記録層を重ね、その上に親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層を重ねて一体化し、前記インクジェットインク受容層の表面にはインクジェット印刷を施してなる転写シートと、被転写材である基材シートとからなる可逆性感熱記録媒体の製造用転写セット。
- 光熱変換層が可逆性感熱記録層に熱伝導可能な近接した位置に配置されている請求項4に記載の可逆性感熱記録媒体の製造用転写セット。
- 離型性フィルムに保護層および可逆性感熱記録層を重ね、その上に親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層を、前記可逆性感熱記録層が不溶な溶剤を用いたコーティングにより形成し、前記インクジェットインク受容層の表面にはインクジェット印刷を施した転写シートを設け、この転写シートを被転写基材に転写することからなる可逆性感熱記録媒体の製造方法。
- 離型性フィルムに保護層および可逆性感熱記録層を重ね、その上に親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層を無溶剤コーティングにより形成し、前記インクジェットインク受容層の表面にはインクジェット印刷を施した転写シートを設け、この転写シートを被転写基材に転写することからなる可逆性感熱記録媒体の製造方法。
- 離型性フィルムに保護層および可逆性感熱記録層を重ね、親水性の熱接着性樹脂からなるインクジェットインク受容層を別途フィルム化して形成し、このフィルムを前記可逆性感熱記録層の上に貼付し、当該インクジェットインク受容層の表面にはインクジェット印刷を施した転写シートを設け、この転写シートを被転写基材に転写することからなる可逆性感熱記録媒体の製造方法。
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