JP2003117895A - 微小構造体 - Google Patents
微小構造体Info
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Abstract
低下を防止し、歩留まりを向上させることができる微小
構造体を提供する。 【解決手段】 この微小構造体10は、第1〜第6層の
薄膜3-1,3-2,3-3,3-4,3-5,3-6が接合されて
積層されたものであり、第2層の薄膜3-2と第4層の薄
膜3-4は、それぞれ内側に円形の空隙3aを有する。こ
れにより、薄膜間の接触面積が小さくなり、必要な接合
強度が得られる。
Description
って製造される微小ギアや微細光学部品、あるいはこれ
らを形成する金型等の微小構造体に関し、特に、製造装
置が大型化せずに、微小構造体の強度低下を防止し、歩
留まりを向上させることができる微小構造体に関する。
がコンピュータで設計された複雑な形状の3次元物体を
短期間で形成する方法として急速に普及している。この
積層造形方法で作製された3次元物体は、種々の装置の
部品のモデル(プロトタイプ)として、部品の動作や形
状の良否を調べるために利用されている。この積層造形
方法は、サイズが数cm以上の比較的大きな部品に適用
されることが多かったが、近年においては、精密に加工
して形成される微小構造体、例えば、微小ギアや微細光
学部品にもこの方法が適用されている。
の製造方法として、例えば、特開平10−305488
号公報に示されるものがある。
製造方法を示す。まず、同図(a)に示すように、基板
1としてSiウェハを準備し、表面に離型層2として熱
酸化膜を0.1μm成長させ、その上にスパッタリング
法によりAlの薄膜3を0.5μmの厚さで着膜する。
表面にフォトレジスト4を塗布し、通常のフォトリソグ
ラフィ法によりAlの薄膜3をエッチングし、所望の微
小構造体の断面形状を有する複数の薄膜(第1〜第nの
薄膜)3-1〜3-nを所定の間隔で形成する。なお、同図
(b)〜(e)には第1の薄膜3-1のみを示す。複数の
薄膜3-1〜3-nを形成した後、フォトレジスト4を剥離
液にて除去する。このようにして形成した各薄膜3-1〜
3-nは、解像度1μm以下、精度0.1μm以下の微細
かつ精密なものとなっている。
〜3-nが形成された基板1を真空槽5内に導入し、真空
槽5内にあるステージ6と対向させ、真空槽5内を約1
0-5Pa程度まで排気する。そしてステージ6の表面及
び第1の薄膜3-1の表面にArガス7を源とするFAB
(Fast Atom Beam)処理を施す。これは
Arガス7を1KV程度の電圧で加速して第1の薄膜3
-1及びステージ6の表面に照射し、これらの表面の酸化
膜、不純物などを除去し清浄な表面を形成する工程であ
る。
6と基板1を接近させ、清浄なステージ6の表面と清浄
な第1の薄膜3-1の表面を接触させ、更に荷重として5
0kgf/cm2をかけ5分間押し付けて、ステージ6
と第1の薄膜3-1の表面を接合する。
ジ6と基板1を元の位置に引き離すと、第1の薄膜3-1
とステージ6との接合力の方が、第1の薄膜3-1と基板
1表面の離型層2との密着力よりも大きいため、第1の
薄膜3-1は基板1からステージ6側に転写される。
板1を相対的に移動し、同様にして第2の薄膜3-2にF
AB処理を施し、接合転写することにより、第1の薄膜
3-1の上に第2の薄膜3-2を積層する。最初の接合工程
との違いは、FAB処理の工程においてステージ6表面
にFAB処理を施すのではなく、第1の薄膜3-1の裏面
(それまで基板1に接触していた面)に照射し、そこを
清浄化することである。また、第1の薄膜3-1と第2の
薄膜3-2の相対的な位置出しを行うために、ステージ6
側又は基板1側に、x−y(水平)平面内のアライメン
ト機構(図示せず)が設けられている。
することにより、同図(f)に示すように、微小構造体
10が製造される。この様な方法により製造した微小構
造体10はAl製であるが、他の材料で製造するには、
基板上に形成する薄膜を他の金属(銅、インジウムな
ど)やセラミックスなどの絶縁体(アルミナなど)にす
ればよい。
造体の製造方法によると、薄膜間の接合強度を確保する
ため、薄膜同士の接触面積が大きくなると、これに従っ
て圧接荷重を大きくする必要があることから、製造装置
の剛性を高める必要が生じ、その結果、装置の大型化、
高価格、低寿命を招くといった問題を生じる。例えば、
六角錘状の構造体を作製する場合、図7に示すように、
最下層(第1層)の薄膜3-1と第2層の薄膜3-2との接
触面積は第5層の薄膜3-5と最上層(第6層)の薄膜3
-6との接触面積に対し約2倍あるため、圧接に必要な荷
重も2倍を要する。
と、面積の大きな薄膜の圧接応力(単位面積あたりの荷
重)が減少してしまい、その結果、薄膜同士の接合応力
が減少するため、完成した微小構造体の強度が弱まった
り、最悪の場合、作製の途中で薄膜が転写できずに歩留
まりが著しく下がってしまうという問題を生じる。
化せずに、微小構造体の強度低下を防止し、歩留まりを
向上させることができる微小構造体を提供することにあ
る。
決するため、複数の薄膜が接合されて積層された微小構
造体において、前記複数の薄膜のうちの1つあるいは複
数の薄膜は、前記薄膜同士の接触面積が所定の面積以下
となるように空隙を有することを特徴とする微小構造体
を提供する。
に応じて空隙を設けることにより、薄膜同士の接触面積
が小さくなり、必要な接合強度が得られる。
施の形態に係る微小構造体を示す。この微小構造体10
は、略六角錘状の構造体であり、Alからなる第1層〜
第6層の薄膜3-1,3-2,3-3,3-4,3-5,3-6を従
来の技術で説明したのと同様の製造方法により積層して
製造される。第2層の薄膜3-2と第4層の薄膜3-4は、
接触面積が一定の面積以下となるように、それぞれ内側
に円形の空隙3aを有する。
て形成された第1層〜第6層の薄膜3-1,3-2,3-3,
3-4,3-5,3-6を示す。第1層の薄膜3-1の一辺3b
の長さは100ミクロン程度、各層の薄膜3-1〜3-6の
膜厚は約2ミクロン、微小構造体10の全体の高さは1
2ミクロン程度となる。
薄膜3-1と第2層の薄膜3-2を接合する際には、薄膜3
-1,3-2間の接触面積は第2層の薄膜3-2の上面の面積
となるので、空隙3aの面積だけ接触面積が減少し、そ
の分圧接応力が増加し、接合強度が向上する。第3層を
積層する場合も、接合面積は第2層の空隙3aの面積だ
け減少するので、やはり圧接応力が増加する。第4層以
降も同様に空隙3aの面積だけ圧接応力が増加する。な
お、第6層の薄膜3-6の圧接においては空隙3aがない
ため、圧接応力の増加は期待できないが、この微小構造
体10の例では、第6層の薄膜3-6の面積は十分に小さ
いため、空隙3aを設けなくても、十分な圧接応力が得
られる。積層後の微小構造体10は、外部から見ても空
隙3aの存在は分からないため、外観を損ねることはな
く、また強度も実際の使用に支障のない程度に設計する
ことができる。
に係る微小構造体を示す。この微小構造体は、微小ギア
の構造体であり、同図(b)に示すように、基板1上に
離型層2を介して形成された第1〜第6層の薄膜3-1〜
3-6を積層して製造される。第1、第3、第5層の薄膜
3-1,3-3,3-5は、8枚の歯3cを備え、中央に軸用
の穴3dを有する。第2、第4、第6層の薄膜3-2,3
-4,3-6は、第1、第3、第5層の薄膜3-1,3-3,3
-5と同様に8枚の歯3cを備え、中央に軸用の穴3dを
有し、さらに、穴3dの周囲にギヤの歯3cの強度を損
なうことがないように8個の空隙3aを有する。
接触面積は、8個の空隙3aの面積だけ減少するので、
同一荷重を印加する場合に比べて圧接応力が増加し、接
合強度が向上し、微小ギア全体の強度が向上する。
に係る微小構造体を示す。この微小構造体10は、第2
の実施の形態と同様に、微小ギアの構造体であり、同図
(b)に示すように、基板1上に離型層2を介して形成
された第1〜第6層の薄膜3 -1〜3-6を積層して製造さ
れる。この第3の実施の形態は、奇数層の薄膜3-1,3
-3,3-5に連結穴3eを設け、偶数層の薄膜3-2,
3-4,3-6の空隙3aを互いに連結した点が、第2の実
施の形態と異なる。連結穴3eの大きさは気体が出入り
できれば良いので、直径数ミクロン程度で十分である。
よび第4層の薄膜3-2,3-4に設けた空隙3aは、連結
穴3eおよび空隙3aを介して外気に連通しているの
で、各層の積層工程を真空槽内で行っても、積層後の空
隙3aが真空状態にならないため、微小ギヤを大気圧下
若しくは高圧下で使用した場合の圧力差による歯3cの
変形を防ぐことができる。
微小構造体を示す。この第4の実施の形態は、第1の実
施の形態において、空隙3aが外気と連結するようにス
リット3fを第2および第4層の薄膜3-2,3-4に設け
たものである。これにより、第3の実施の形態と同様の
効果が得られる。
す。この実施例では、図3で示した微小ギアの製造を例
に挙げてその手順について述べる。まず、基板1として
Siウエハを準備し、この表面にポリイミドをスピンコ
ーティング法にて5ミクロン塗布し、硬化、表面のフッ
化処理を施し離型層2を形成する。更にこの上にスパッ
タリング法によりAlの薄膜3を2ミクロン着膜する。
膜厚は着膜中に水晶振動子でモニターすることにより正
確に設定できる。引き続き通常のフォトリソグラフィー
を用いて薄膜3をパターニングして微小ギアの各層の薄
膜3-1〜3-6のパターンを一括して形成する。なお、同
図には、第1層および第2層の薄膜3-1,3-2しか示し
ていない。薄膜3のエッチングは湿式エッチングよりも
ドライエッチング、望ましくは反応性イオンエッチング
(RIE)の方が、パターンの角が丸まらず基板1の表
面に対して端面が垂直となるので好ましい。同様に図5
(b)に示すように、この基板1と対向するようにステ
ージの表面に設けた対向基板16を接合装置の真空槽内
に導入し、以下、従来の技術で説明したのと同様に、位
置決め工程、表面のFAB照射による清浄化工程、そし
て圧接工程を経て、第1層の薄膜3-1を対向基板16に
転写する。引き続き同図(d)のように、相対的な位置
決めを行なった後、第1層の薄膜3-1上に第2層の薄膜
3-2を積層転写する。この工程を繰り返すことにより、
対向基板16上には複数の薄膜3-1〜3-6からなる微小
ギアが完成する。
体によれば、薄膜に設けた空隙によって薄膜同士の接触
面積が小さくなり、必要な接合強度が得られるので、製
造装置が大型化せずに、微小構造体の強度低下を防止
し、歩留まりを向上させることができる。
構造体の断面図、(b)はその微小構造体の各断面に対
応する薄膜パターンを示す図である。
構造体の断面図、(b)はその微小構造体の各断面に対
応する薄膜パターンを示す図である。
構造体の断面図、(b)はその微小構造体の各断面に対
応する薄膜パターンを示す図である。
構造体の断面図、(b)はその微小構造体の各断面に対
応する薄膜パターンを示す図である。
造体の製造工程を示す図である。
ーンを示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】複数の薄膜が接合されて積層された微小構
造体において、 前記複数の薄膜のうちの1つあるいは複数の薄膜は、前
記薄膜同士の接触面積が所定の面積以下となるように空
隙を有することを特徴とする微小構造体。 - 【請求項2】前記空隙は、連通穴によって外気に連通さ
れていることを特徴とする請求項1記載の微小構造体。 - 【請求項3】前記連通穴は、前記薄膜に垂直な方向に形
成されたことを特徴とする請求項2記載の微小構造体。 - 【請求項4】前記連通穴は、前記空隙から前記薄膜の縁
まで延びるスリットであることを特徴とする請求項2記
載の微小構造体。 - 【請求項5】前記複数の薄膜は、前記空隙を有する薄膜
と前記空隙を有しない薄膜とを交互に積層してなること
を特徴とする請求項1記載の微小構造体。 - 【請求項6】前記空隙を有しない前記薄膜は、隣接する
2つの前記薄膜が有する前記空隙を連結する連結穴を備
えたことを特徴とする請求項5記載の微小構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001309927A JP4318416B2 (ja) | 2001-10-05 | 2001-10-05 | 微小構造体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003117895A true JP2003117895A (ja) | 2003-04-23 |
JP4318416B2 JP4318416B2 (ja) | 2009-08-26 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006187685A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-20 | Fuji Xerox Co Ltd | 微小構造体、マイクロリアクタ、熱交換器、および微小構造体の製造方法 |
JP2011005605A (ja) * | 2009-06-26 | 2011-01-13 | Fuji Xerox Co Ltd | 微小構造体、ドナー基板、及び微小構造体の製造方法 |
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2001
- 2001-10-05 JP JP2001309927A patent/JP4318416B2/ja not_active Expired - Fee Related
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