JP2003117624A - 自動車用ホイールの製造方法 - Google Patents

自動車用ホイールの製造方法

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JP2003117624A JP2001313607A JP2001313607A JP2003117624A JP 2003117624 A JP2003117624 A JP 2003117624A JP 2001313607 A JP2001313607 A JP 2001313607A JP 2001313607 A JP2001313607 A JP 2001313607A JP 2003117624 A JP2003117624 A JP 2003117624A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ディスクフランジ部の軽量化を実現できると
共に、製造費用を低減でき得る自動車用ホイールの製造
方法を提案する。 【解決手段】 本発明の自動車用ホイールの製造方法と
して、ディスク成形工程で、波部成形工程によって、板
状基材Bのディスクフランジ部となる領域内で、線状縁
の内側に、波方向が線状縁と直交するように鋸歯状波部
19を形成し、延伸工程によって、鋸歯状波部を延伸
し、鋸歯状波部が形成された部分の全長が長くなり、か
つ、他のディスクフランジ部となる領域に比べて薄肉化
される。これにより、予め、基材幅を短縮した板状基材
を用いてディスクを成形することができ、この場合にも
成形凹縁における嵌合高さが充分確保され、リムとディ
スクとを適切に嵌合することができる。これに伴い、投
入材料を少なくできるから、材料費を抑え、製造コスト
を低減することができ得ると共に、基材幅の短縮分だけ
ディスク軽量化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ホイール
の製造方法に係り、詳しくは、そのディスクを軽量化し
得る成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ホイールは、リムの内周面に形
成されたドロップ部に、ディスクのフランジ部を溶接し
て構成される、いわゆる2ピースタイプのものが主流と
なっている。この2ピースタイプの自動車用ホイールの
製造方法における、ディスクの成形工程としては、略正
方形の平板状材料を、その四角部を円弧状に切り落とし
て形成する円弧状縁と、成形凹縁を生ずることとなる線
状縁とが連成してなる周端縁を有する板状基材を用い
る。この板状基材を、押し圧加工にて絞り加工すること
によりディスク形状を形成した後、ディスクフランジ部
を形成することにより、所望のディスクを成形している
ことが一般的に知られている。
【0003】このようなディスク成形工程では、絞り加
工によって材料が延伸又は収縮することとなるから、形
成されたディスクには比較的薄肉な部分と、厚肉な部分
とが混在していた。なかでも、ディスクフランジ部にあ
っては、板状基材の線状縁から成形凹縁を生ずる部分の
肉厚が、円弧状縁から一般周縁を生ずる部分の肉厚に比
べ厚肉化することとなる。これは、ディスクフランジ部
の、成形凹縁が形成される部分の領域が、一般周縁が形
成される部分の領域に比べ、狭い領域であるために生じ
ている。
【0004】このようなディスクフランジ部は、リムと
の嵌合面を形成する部分であるから、強度と剛性、及び
嵌合領域が必要とされるものの、ディスクフランジ部に
加わる負荷は、ディスクの他の部分に比べ小さいため、
強度及び剛性は充分に確保されている。ここで、上記の
ように絞り加工によって厚肉化する成形凹縁が形成され
る部分では、必要以上の肉厚を有することとなっている
ため、無用な重量をディスクが有していることとなって
いた。これに対し、成形凹縁を大きくすることで軽量化
を図ると、この部分の嵌合高さが短くなるため、ディス
クが座屈し易くなったり、リムとの組み立ての際に適正
に嵌合されず、自動車用ホイールの性能が低下する原因
となり得る等の問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのため、成形凹縁の
部分における嵌合高さを確保しつつ、薄肉化による軽量
化が従来より検討されてきた。例えば、特開平11−2
27401公報に開示されているように、このディスク
の成形工程において、ディスクフランジ部をしごき加工
することにより、ディスクフランジ部を薄肉化して、デ
ィスクの軽量化を行う方法が提案されている。
【0006】ところが、このようにディスクフランジ部
をしごき加工することは、加工に要するエネルギーが多
く、それに伴ってディスクフランジ部に蓄えられる加工
歪みも大きくなる。そのため、ディスクフランジ部の損
耗が進展し易く、比較的早期に自動車の走行安定が損な
われる場合が生じることも考えられる。また、このよう
なしごき加工を行う工程には、多くの時間を必要とする
こと、さらには、しごき加工に使用する冶具への負担が
大きく、早いサイクルで冶具を交換する必要があること
等、ディスク成形工程が複雑化することとなり得るた
め、ディスク成形工程を合理化することが難しく、製造
費用を低減させることに限界が生じていた。
【0007】本発明は、ディスクフランジ部の軽量化を
実現できると共に、製造費用を低減でき得る自動車用ホ
イールの製造方法を提案することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの本発明にかかる第一の手段としては、内周面にドロ
ップ部が形成されたリムと、該リムのドロップ部に、円
周方向に沿って間欠的に複数の成形凹縁が形成されたデ
ィスクフランジ部を内嵌してなるディスクとからなる自
動車用ホイールの製造方法において、円弧状縁と、成形
凹縁を生ずることとなる線状縁とが連成してなる周端縁
を有する板状基材から、ディスクを成形加工するディス
ク成形工程として、ディスクフランジ部となる領域内
で、線状縁の内側に、波方向が該線状縁と直交すること
となる鋸歯状波部を形成する波部成形工程と、鋸歯状波
部を延伸する延伸工程とを備えたことを特徴とする自動
車用ホイールの製造方法である。
【0009】かかる波部成形工程によって、板状基材の
ディスクフランジ部となる領域内で、線状縁の内側に、
波方向が線状縁と直交するように鋸歯状波部を形成する
ことにより、鋸歯状波部の長さは、見かけ上ほとんど変
化しないが、実質的に鋸歯状波部の基材長は長くなる。
これと共に、鋸歯状波部の肉厚も薄肉化される。その
後、延伸工程によって、鋸歯状波部を延伸することによ
り、この部分の全長が長くなり、かつ、他のディスクフ
ランジ部となる領域に比べて薄肉化された部分を生じ
る。而して、ディスク成形工程により、ディスクフラン
ジ部の成形凹縁を生ずる部分で材料が収縮されても、他
のディスクフランジ部と同程度、又は、薄い肉厚とする
ことができ得る。以上より、予め、この線状縁が外側に
延伸することを考慮して、基材幅を短縮した板状基材を
用いてディスクを成形加工することもできる。この場合
でも、鋸歯状波部の形成により線状縁が外側に伸びるこ
とにより、成形凹縁における嵌合高さが充分確保される
こととなるから、リムとディスクとを適切に嵌合するこ
とができ得る。そして、基材幅の短縮分だけ投入材料の
使用量を少なくできるから、材料費を低減することがで
きると共に、軽量化に寄与できるという優れた利点があ
る。
【0010】また、このようなディスク成形工程にあっ
ては、ディスクと車軸とを固定するハブ取り付け面の肉
厚を均一なものとできるように、押し圧加工を行う絞り
加工工程を複数回に分けて実行している場合がある。板
状基材を受け皿形状に成形する第一絞り加工工程、その
後、ディスク形状を成形する第二絞り加工工程、その
後、ディスク形状を整え、ハブ孔を開口する工程、ディ
スクフランジ部を形成する工程等、複数の成形工程が行
われることが一般的に知られている。ここで、第一絞り
加工工程で波部成形工程を行うことが提案される。ま
た、第二絞り加工工程で延伸工程を行うことも提案され
る。これにより、波部成形工程及び/又は延伸工程を新
たに設ける必要がないから、従来からの成形工程内で鋸
歯状波部の形成と、その延伸とが実行されるので、ディ
スク成形工程が繁雑化することもない。
【0011】このような波部成形工程では、鋸歯状パン
チを用いて鋸歯状波部を成形することが提案される。鋸
歯状パンチを使用することにより、押し圧加工に要する
加圧力が比較的小さくてすむから、鋸歯状波部をほぼ均
一な肉厚に成形することが、容易に行い得る。また、延
伸工程にあっても、例えば、平面状パンチを用いて鋸歯
状波部を押し圧成形するようにして、延伸加工を容易に
行うようにしても良い。これにより、鋸歯状波部の形成
と、延伸とが容易かつ迅速に行い得ると共に、ディスク
個体間の差をほぼなくすことができるため、安定してデ
ィスクを成形することができ得るという優れた利点が生
じる。
【0012】一方、本発明にかかる第二の手段として
は、内周面にドロップ部が形成されたリムと、該リムの
ドロップ部に、円周方向に沿って間欠的に複数の成形凹
縁が形成されたディスクフランジ部を内嵌してなるディ
スクとからなる自動車用ホイールの製造方法において、
円弧状縁と、成形凹縁を生ずることとなる線状縁とが連
成してなる周端縁を有する板状基材から、ディスクを成
形加工するディスク成形工程であって、板状基材を、開
口屈曲縁を有する受け皿形状に成形する絞り加工工程に
際して、開口屈曲縁の、線状縁に対向する部位を、他の
部位に比して相対的に小さい屈曲率となるようにしたこ
とを特徴とする自動車用ホイールの製造方法である。
【0013】かかる手段にあっては、板状基材を受け皿
形状に成形する絞り加工工程に際して、その受け皿形状
が有する開口屈曲縁の、線状縁に対向する部位を、他の
部位に比して相対的に小さい屈曲率となるように形成す
るものであるから、線状縁に対向する開口屈曲縁の部位
の、絞り加工による変形量を、他の部位に比べて小さく
できるため、線状縁が板状基材の中心に向かって引張ら
れる変動量を比較的小さくでき得る。このため、線状縁
により生ずる成形凹縁の凹部深さが大きくなることを防
ぎ得るから、結果として、ディスクフランジ部の嵌合高
さが長くなり、リムとディスクとが適切に嵌合すること
ができ得る。ここで、線状縁が内側に引張られる変動量
を小さくできることを考慮して、予め、基材幅を短縮し
た板状基材を用いて成形することもできる。この場合で
も、成形凹縁における嵌合高さを必要分確保でき得るか
ら、リムとディスクとが適切に嵌合される。これに伴っ
て、基材幅の短縮分だけ材料の使用量を少なくできるか
ら、材料費を低減できると共に、ディスクの軽量化に寄
与できる。
【0014】また、開口屈曲縁の、線状縁に対向する部
位の屈曲率を、他の部位の屈曲率に対し40%〜90%
とすることが提案される。かかる範囲においては、適正
にディスクフランジ部に成形凹縁を形成できると共に、
板状基材の基材幅を短縮してディスクを成形する場合に
あっても、成形凹縁における嵌合高さが必要分確保でき
得る。
【0015】このような本発明にかかる自動車用ホイー
ルの製造方法において、ディスク成形工程として、波成
形工程と延伸工程とからなる絞り加工工程と、上記の開
口屈曲縁の、線状縁に対向する部位の屈曲率を、他の部
位の屈曲率に対し小さくする絞り加工工程とを併用する
こともできる。これにより、ディスクフランジ部の成形
凹縁が形成された部位にあって、適正な嵌合高さを確保
できると共に、その肉厚を効率的に薄肉化することがで
きる。而して、基材幅を短くした板状基材で成形でき、
この場合でも必要な嵌合高さを確保できる。これに伴
い、材料使用量を少なくできるため、製造コストを低減
でき得る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を添付図面に従っ
て説明する。図1は自動車用スチールホイールAの縦断
面図である。この自動車用スチールホイールAは、リム
1と、ハブ孔3をその中央に具備するディスク5とから
なる。かかる自動車用スチールホイールAは、リム1の
ドロップ部2の内周面に、ディスク5のディスクフラン
ジ部11を内嵌させて、一体化される。さらに嵌合され
たリム1とディスク5は、隅肉溶接又はスポット溶接に
より接合することにより一体化される。なお、隅肉溶接
には、アーク溶接、レーザー溶接等の公知技術を用いる
ことができる。
【0017】図2は、自動車用スチールホイールAのデ
ィスク5の斜視図である。このディスク5は、中心にハ
ブ孔3を有し、その半径方向外側に位置し周方向に互い
に均等間隔で五個のボルト孔6が形成されている。さら
に、ボルト孔6の半径方向外側から、外方向に向かって
隆起する形状となる隆起部8が形成され、この隆起部8
の外側に周方向に複数個の飾り孔9が備えられている。
この隆起部8及び飾り孔9は、意匠性の向上、剛性の向
上、軽量化、放熱性の向上等の役割を果たしている。な
お、この隆起部8及び飾り孔9は、ホイールの種類によ
り配設されないものもあり得る。
【0018】さらに、この飾り孔9の外側には、ディス
ク5の軸方向と略平行となるディスクフランジ部11が
形成されている。このディスクフランジ部11には、凹
形状の円弧状に形成される成形凹縁14と、線形状に形
成される一般周縁15とが夫々四カ所づつ設けられ、互
いに円周方向で均等間隔となるように間欠的に配設され
てなる周端縁13を形成している。
【0019】このような自動車用スチールホイールAの
材料としては、鉄を主成分とする鋼材料にNi、Cr、
Si、Mn、Ti等の合金元素を添加してなる合金鋼を
好適に用いることができる。
【0020】そして、本発明にかかる自動車用スチール
ホイールAは、リム1とディスク5とをそれぞれ別々に
成形した後、リム1のドロップ部2にディスク5のディ
スクフランジ部11を上述の隅肉溶接又はアーク溶接に
より嵌合されることによって製造されるものである。
【0021】次に本発明の要部にかかるディスク5の成
形工程について、図3〜図10に従って説明する。ディ
スク5は、板状基材Bを加工することにより成形され
る。図3のように、所定の略正方形状とした平板の合金
鋼の四つの角部18を、夫々同じ形状となるように、板
状基材Bの外側方向に凸形状となる円弧状に打抜き加工
を行う。この板状基材Bには、四つの円弧状縁17と、
線状縁16とが互いに連成された外周縁が形成される。
【0022】こうして得られた板状基材Bを、押し圧加
工によって絞り加工を行い、ディスク5のハブ取り付け
部10の形状を成形し、その後リストライク工程によ
り、ディスクフランジ部をディスク5の軸方向となるよ
うに成形する。そして、飾り孔9等を形成して、所望の
ディスク5を得る。ここで、絞り加工は三回の工程に分
けて実行される。
【0023】第一の絞り加工工程について詳細に説明す
る。この第一絞り加工工程では、図4のように、上面が
平面である環状の絞りダイス30と、円筒状の絞りパン
チ31とによって、板状基材Bを押し圧加工することに
より、受け皿部20と環状受け部21とからなる受け皿
状品Cを成形する(図5、図6参照)。図4(a)のよ
うに、絞りダイス30の上に板状基材Bを置く。この
時、板状基材Bの線状縁の内側の、ディスクフランジ部
となる領域が、絞りダイス30に設けられた四個の鋸歯
状ダイス部34に対向するように、板状基材Bを配置す
る。ここで鋸歯状ダイス部34は、絞りダイス30の中
心から、板状基材Bの基材幅の1/2長よりも若干短い
距離にあり、かつ、絞りダイス30の環周をほぼ四等分
する位置に設けられている。そして、板状基材Bの上部
側から、環状の皺押さえブロック32を押し当て、絞り
ダイス30と共に板状基材Bを挟圧する。この皺押さえ
ブロック32には、絞りダイス30の鋸歯状ダイス部3
4に対向する位置に、先端が鋸歯状である鋸歯状パンチ
33が配設されており、この鋸歯状パンチ33が、板状
基材Bに押し圧されると、鋸歯状波部19が形成される
こととなる。
【0024】そして、図4(b)のように、負荷ブロッ
ク36を下降して、絞りパンチ31を板状基材Bに押し
圧することにより、板状基材Bを受け皿形状に成形加工
していく。ここで、絞りダイス30は、その内環縁が縦
断面方向で円弧形状である内環円弧縁35を有してお
り、この内環円弧縁35に沿って板状基材Bが押し圧加
工されると、開口屈曲縁22が形成されることとなる。
この内環円弧縁35の、鋸歯状ダイス部34に対向する
部位は、他の部位に比して相対的に曲率が小さい円弧に
より形成されている。この鋸歯状ダイス部34に対向す
る内環円弧縁35の部位は、曲率が約1/60であり、
その他の部位の曲率は約1/35としている。
【0025】その後、図4(c)のように、負荷ブロッ
ク36に配設した波部形成ブロック37により、鋸歯状
パンチ33が押し圧されて、板状基材Bのディスクフラ
ンジ部11となる領域内で、線状縁の内側に、波方向が
該線状縁と直交することとなる鋸歯状波部19が形成さ
れる(図5参照)。同時に絞りパンチ31が押し圧加工
の下死点に達する。この鋸歯状波部19では、その基材
長が実質的に長くなると共に、肉厚が薄肉化される。さ
らに、絞りダイス30の内環円弧縁35に従って形成さ
れた、開口屈曲縁22は、屈曲率約1/60に形成され
た線状縁16に対向する部位と、約1/35の屈曲率で
形成された部位とにより連成される。このように、板状
基材Bが絞り加工されることにより、線状縁16が内側
に引張られて成形凹縁14aが形成される。ここで、開
口屈曲縁22の、成形凹縁14aに対向する部位におけ
る変形量が、その他の部位における変形量に比べると小
さいことから、成形凹縁14aの凹部が深くなることを
抑制している。
【0026】また、第一絞り加工工程では、次からの工
程での材料の位置基準とするハブ基孔23が開けられ
る。絞り加工での板状基材Bを変形を支持する座面ブロ
ック38の中央に、孔開けパンチ39が設けられ、第一
絞り加工工程終了前に孔開けブロック41により、孔開
けパンチ39を上昇させて、板状ブロックに四角形のハ
ブ基孔23が形成される。ここで、絞りパンチ31に
は、中央に四角形の穴が開けられ、孔開けパンチ39の
ダイスとなる孔開けダイス40が形成されている。
【0027】次に第二絞り加工工程について詳細に説明
する。第二絞り加工工程では、第一絞り加工工程で形成
した受け皿状品Cを押し圧加工により、図7及び図8の
ようなディスク状品Dを成形する。図9(a)のよう
に、下ディスク型42にもうけられたディスクジョイン
ト凸部43に受け皿状品Cのハブ基孔23を配置する。
その後、環上ディスク型44を、その中央に設けられた
ディスクジョイント凹部47に挿入されるディスクジョ
イント凸部43をガイドとして、受け皿基材Cを押し圧
成形する。そして、図9(b)のように所望の形状のデ
ィスク状品Dを形成する。これに伴って、上ディスク型
44に平面上に突設した上延伸圧部45と、下ディスク
型42に平面状に突設した下延伸圧部46とにより、鋸
歯状波部19を挟圧して延伸する。而して、成形凹縁1
4aが外側に延びることとなる。
【0028】また、この第二絞り加工工程により、第一
絞り加工工程で形成された、屈曲率が部分的に異なる開
口屈曲縁22は、周方向に同じ形状に加工される。この
時、屈曲率が小さい部位は、屈曲率が大きい部位に比し
て変形量が大きくなるため、この成形凹縁14aが形成
された、ディスクフランジ部11となる領域は、薄肉化
されることとなる。これにより、この後のリストライク
工程にてディスクフランジ部11が形成される際に、成
形凹縁14が生じる領域が厚肉化されても、周辺領域と
ほぼ同等な肉厚とできる。
【0029】このように、第一絞り加工工程で、線状縁
16に対向する開口屈曲縁22の屈曲率を、その他の部
位より小さくしたから、板状基材Bの線状縁16が中心
に向かって変形する変形量を抑制することができる。さ
らに第二絞り加工工程により、第一絞り加工工程で形成
した鋸歯状波部19を延伸することによって、成形凹部
14が外側に延びることとなる。而して、基材幅を短縮
した板状基材Bで成形した場合でも、ディスクフランジ
部11の嵌合高さは必要量確保でき得る。
【0030】このように第二絞り加工工程で成形したデ
ィスク状品Dは、第三絞り工程(図示せず)でディスク
5の寸法精度を整えると共に、ハブ孔3及びボルト孔6
の孔開け加工を行う。その後、リストライク工程(図示
せず)により、ディスクフランジ部11をディスク5の
軸方向とほぼ平行となるように曲げ加工を行い、リム1
のドロップ部12に内嵌でき、所定の嵌合長を有するデ
ィスクフランジ部11形状とする。この時、成形凹縁1
4が形成された部分が厚肉化されることとなるが、上記
の第一絞り加工工程及び第二絞り加工工程により薄肉化
されているから、ディスクフランジ部11の、その他の
部位と比べても同程度の肉厚となる。また、このリスト
ライク工程では、ハブ孔3のハブ孔フランジ部4を形成
する。そして、飾り孔9の形成工程を実行して、ディス
ク5の成形工程が終了する。
【0031】このように本発明にあっては、ディスクフ
ランジ部11の成形凹縁14を適正に形成できると共
に、成形凹縁14が形成された部位の肉厚が厚肉化され
ることを防ぎ得る。また、基材幅を短縮した板状基材B
を用いてディスク5を成形することができ、これに伴い
投入材料の使用量の低減化と、軽量化を実現でき、さら
にはディスクフランジ部の嵌合高さを確保できて、自動
車の走行安定性を保全できる。また、本発明の製造方法
では、新たに新規な加工工程を設けることなく、ディス
ク5が形成できるという優れた利点も生じる。
【0032】
【発明の効果】本発明の自動車用ホイールの製造方法と
して、ディスク成形工程で、波部成形工程によって、板
状基材のディスクフランジ部となる領域内で、線状縁の
内側に、波方向が線状縁と直交するように鋸歯状波部を
形成し、延伸工程によって、鋸歯状波部を延伸するよう
にしたから、鋸歯状波部が形成された部分の全長が長く
なり、かつ、他のディスクフランジ部となる領域に比べ
て薄肉化される。このため、予め、基材幅を短縮した板
状基材を用いてディスクを成形することができ、この場
合であっても、成形凹縁における嵌合高さを充分確保で
きるから、リムとディスクとを適切に嵌合することがで
きる。そして、投入材料を少なくできるから、材料費を
抑え、製造コストを低減することが可能となる。同時に
基材幅の短縮分だけ軽量化に寄与できる。
【0033】ディスク成形工程において、板状基材を受
け皿形状に成形する第一絞り加工工程で波部成形工程を
行うようにした。また、ディスク形状を成形する第二絞
り加工工程で延伸工程を行うようにした。これにより、
波部成形工程及び/又は延伸工程を新たに設ける必要が
ないから、従来からの成形工程内で鋸歯状波部の形成及
び延伸とが実行できるので、ディスク成形工程が繁雑化
することもないという利点がある。
【0034】また、波部成形工程で、鋸歯状パンチを用
いて鋸歯状波部を成形するようにしたから、押し圧加工
に要する加圧力が比較的小さくてすむので、容易に鋸歯
状波部を成形するできる。これにより、鋸歯状波部の形
成が容易かつ迅速に行い得ると共に、安定してディスク
を成形することができ得る。
【0035】本発明の自動車用ホイールの製造方法とし
て、ディスク成形工程で、板状基材を受け皿形状に成形
する絞り加工工程に際して、その受け皿形状が有する開
口屈曲縁の、線状縁に対向する部位を、他の部位に比し
て相対的に小さい屈曲率に形成するようにしたから、線
状縁に対向する開口屈曲縁の部位における、絞り加工に
より生じる変形量を小さくできるため、線状縁に生ずる
成形凹縁の凹部が深くなることを防ぎ得るから、ディス
クフランジ部の嵌合高さを充分確保でき、リムとディス
クとの嵌合が安定する。これにより、予め、基材幅を短
縮した板状基材を用いてディスクを成形することができ
る。この場合でも、成形凹縁における嵌合高さを必要分
確保でき得るから、リムとディスクとが適切に嵌合でき
る。そして、基材幅の短縮分だけ投入材料を少なくでき
るから、材料費を抑え、製造コストを低減でき得る。さ
らにディスクの軽量化に寄与できる。
【0036】また、開口屈曲縁の、線状縁に対向する部
位の屈曲率を、他の部位の屈曲率に対し40%〜90%
とすることにより、適正にディスクフランジ部に成形凹
縁を形成できるから、予め、基材幅の短い板状基材を用
いても、成形凹縁における嵌合高さが必要分確保でき得
る。
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用スチールホイールAの縦断面図であ
る。
【図2】ディスク5の斜視図である。
【図3】板状基材Bの平面図である。
【図4】第一絞り加工工程を示す工程図である。
【図5】受け皿状品Cの平面図である。
【図6】受け皿状品Cの縦断面図である。
【図7】ディスク状品Dの平面図である。
【図8】ディスク状品Dの縦断面図である。
【図9】第二絞り加工工程を示す工程図である。
【図10】波部成形工程と延伸工程における鋸歯状波部
の変成図である。
【符号の説明】
A 自動車用スチールホイール B 板状基材 1 リム 2 ドロップ部 5 ディスク 11 ディスクフランジ部 14 成形凹縁 16 線状縁 17 円弧状縁 19 鋸歯状波部 22 開口屈曲縁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周面にドロップ部が形成されたリムと、
    該リムのドロップ部に、円周方向に沿って間欠的に複数
    の成形凹縁が形成されたディスクフランジ部を内嵌して
    なるディスクとからなる自動車用ホイールの製造方法に
    おいて、 円弧状縁と、成形凹縁を生ずることとなる線状縁とが連
    成してなる周端縁を有する板状基材から、ディスクを成
    形加工するディスク成形工程として、ディスクフランジ
    部となる領域内で、線状縁の内側に、波方向が該線状縁
    と直交することとなる鋸歯状波部を形成する波部成形工
    程と、鋸歯状波部を延伸する延伸工程とを備えたことを
    特徴とする自動車用ホイールの製造方法。
  2. 【請求項2】板状基材を押し圧加工して、開口屈曲縁を
    有する受け皿形状に成形する第一絞り加工工程と、その
    後、再度押し圧加工することにより、ディスク形状を成
    形する第二絞り加工工程とを備えたディスク成形工程に
    あって、 波部成形工程が第一絞り加工工程で実行されるようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール
    の製造方法。
  3. 【請求項3】延伸工程が第二絞り加工工程で実行される
    ようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動車用
    ホイールの製造方法。
  4. 【請求項4】波部成形工程において、鋸歯状パンチを押
    し圧加工することで、鋸歯状波部を形成するようにした
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用ホイ
    ールの製造方法。
  5. 【請求項5】内周面にドロップ部が形成されたリムと、 該リムのドロップ部に、円周方向に沿って間欠的に複数
    の成形凹縁が形成されたディスクフランジ部を内嵌して
    なるディスクとからなる自動車用ホイールの製造方法に
    おいて、 円弧状縁と、成形凹縁を生ずることとなる線状縁とが連
    成してなる周端縁を有する板状基材から、ディスクを成
    形加工するディスク成形工程であって、 板状基材を、開口屈曲縁を有する受け皿形状に成形する
    絞り加工工程に際して、開口屈曲縁の、線状縁に対向す
    る部位を、他の部位に比して相対的に小さい屈曲率とな
    るようにしたことを特徴とする自動車用ホイールの製造
    方法。
  6. 【請求項6】開口屈曲縁の、線状縁に対向する部位の屈
    曲率が、他の部位の屈曲率に対し40%〜90%である
    請求項5に記載の自動車用ホイールの製造方法。
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