JP2003112873A - エレベーター用作業台装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇降路内の下部寄りのエレベーター機器の保
守作業が容易にでき作業能率を向上することができるエ
レベーター用作業台装置を得る。 【解決手段】 台板６の一側を昇降路１の乗場位置に対
応した壁２側に枢着し、常時は壁２面に沿う引退位置に
配置する。また、両端がそれぞれ壁２側及び台板６の回
動端側に係合し要時に台板６を水平位置に保持する保持
機構７を設け、また、伸縮梯子１１を台板６に連結し常
時は短縮して要時に下方に伸長する。これによって、台
板６、保持機構７、伸縮梯子１１等を昇降路１の下部寄
りに常設して、これらを通常時には引退位置に配置し保
守作業時には台板６を水平位置に保持して伸縮梯子１１
を下垂状態に伸長する。そして、台板６上での作業によ
って昇降路１内機器の保守作業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、昇降路内に設け
られて保守作業時に使用されるエレベーター用作業台装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベーターは従来次に述べるようにし
て保守作業が行われていた。すなわち、建物の最下階の
乗場から昇降路外に保管されている梯子が昇降路内に持
ち込まれる。そして、梯子をピットに仮設して作業員が
ピットに降り、ピット及び昇降路内の下部寄りに設けら
れたエレベーター機器の保守、点検が実施される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の保
守作業において、保守作業時に外部に保管されている梯
子を運搬して昇降路内に搬入する煩雑な手数を要すると
いう問題点があった。また、昇降路内に巻上機等が設け
られた機械室なし形態のエレベーターでは、建物の最下
階の乗場床面から僅かに上がった位置にエレベーターの
巻上機、制御盤等の機器が設置される。このため、これ
ら巻上機等の機器に対して仮設した梯子に作業員がのぼ
って行われる保守作業は作業性が悪く作業能率が低下す
るという問題点があった。

【０００４】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、昇降路内の下部寄りのエレベー
ター機器の保守作業を容易に実施できるエレベーター用
作業台装置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
ター用作業台装置においては、昇降路に設けられた乗場
位置に対応した昇降路の壁側に一側が枢着されて、常時
は壁面に沿う引退位置に配置される台板と、一側が昇降
路の壁側に他側は台板の回動端側に係合されて要時に台
板を水平位置に保持する保持機構と、一端が台板に連結
されて常時は短縮状態に配置され、要時に下垂状態に伸
長される伸縮梯子とが設けられる。

【０００６】また、この発明に係るエレベーター用作業
台装置においては、Ｕ字状に形成された複数のタラップ
部材及びこれらのタラップ部材のＵ字上端に設けられて
隣接した他の上記タラップ部材のＵ字の両側の垂画にそ
れぞれ摺動自在に係合されて垂画の下端で逸脱が阻止さ
れた摺動係合片によって構成され、最上段のタラップ部
材のＵ字の上端が台板の回動端に枢着された伸縮梯子が
設けられる。

【０００７】

【発明の実施の形態】実施の形態１．図１〜図６は、こ
の発明の実施の形態の一例を示す図で、図１は台板が水
平位置に配置された状態を概念的に示す昇降路要部の立
面図、図２は図１の平面を拡大して示す図、図３は図１
の台板が引退位置に配置された状態を示す図１相当図、
図４は図３の平面を拡大して示す図、図５は図３の状態
の台板を水平位置に配置する第一状態を説明する立面
図、図６は図５の状態の台板を水平位置に配置する第二
状態を説明する立面図である。

【０００８】図において、１はエレベーターの昇降路、
２は昇降路１の壁、３は昇降路１における建物の最下階
（図示しない）の乗場床面位置、４は壁２に設置されて
乗場床面位置３から僅かに上がった位置に配置された制
御盤からなるエレベーターの機器、５は昇降路１の壁２
の要部をなし壁２面に装着されたブラケットで、水平方
向に互いに離れて壁２に設置されて乗場床面位置３より
も下方に配置されている。６は台板で、ブラケット５の
相互間に配置され一側が壁２側、すなわちブラケット５
の上端寄りに枢着され、常時は壁２面に沿う引退位置に
配置される。

【０００９】７は保持機構で、一端が壁２側、すなわち
ブラケット５の下端寄りに枢着された第一部材８、一端
が台板６の回動端寄りに枢着され他端は第一部材８の回
動端に枢着された第二部材９並びに第一部材８及び第二
部材９の両者が要時に一直線に配置された状態で上記両
者に係合されて上記両者の相対回動変位を阻止する阻止
片１０によって構成されている。なお、上記両者は台板
６が水平位置に配置された状態で一直線配置となり台板
６の下降回動を阻止する。

【００１０】１１は伸縮梯子で、Ｕ字状に形成された複
数のタラップ部材１２、タラップ部材１２のＵ字上端に
設けられて隣接した他のタラップ部材１２のＵ字の両側
の垂画にそれぞれ摺動自在に係合されて垂画の下端で逸
脱が阻止された摺動係合片１３及び図示が省略してある
が複数のタラップ部材１２を重合状態で結束する掛け金
具等の結束具によって構成されている。なお、伸縮梯部
材１１の最上段におけるタラップ部材１２の上端は台板
６の回動端に枢着されている。

【００１１】１４は嵌合筒で、台板６の回動端部の両側
にそれぞれ固定されて図１に示す状態で中心線が上下方
向に配置される嵌合孔が設けられている。１５は作業用
手摺で、保守作業時すなわち台板６が水平位置に配置さ
れた状態で、人為操作によって嵌合筒１４に下端部が嵌
合されて台板６の回動側の端部に立設される。

【００１２】上記のように構成されたエレベーター用作
業台装置において、ブラケット５、台板６、保持機構７
及び伸縮梯子１１を主要部材とするエレベーター用作業
台装置が昇降路１の下部寄りに常設される。そして、通
常時には台板６が昇降路１の壁２面に沿う引退位置に配
置される。

【００１３】また、伸縮梯子１１は通常時に複数のタラ
ップ部材１２が結束具によって互いに重合状態に結束さ
れることによって短縮され、昇降路１の壁２面に沿う位
置に配置される。これによって、エレベーター用作業台
装置が図３に示すように引退状態に保持される。そし
て、図３に示す状態でエレベーターが支障なく通常運転
される。

【００１４】そして、昇降路１内の下部寄りに設けられ
たエレベーター機器の保守作業時には、次に述べるよう
にしてエレベーター用作業台装置が作業位置に配置され
る。すなわち、図３に示す状態から台板６の回動端が持
ち上げられて図５に示す状態を経て図６に示すように台
板６が作業位置、すなわち水平位置に配置される。この
状態では保持機構７の第一部材８及び第二部材９の両者
が一直線に配置されて阻止片１０によって上記両者の屈
折変位が阻止されて、台板６が水平位置に保持される。

【００１５】次いで、伸縮梯子１１は複数のタラップ部
材１２の結束具による結束が解除されて下垂状態に伸長
される。また、作業用手摺１５が嵌合筒１４の嵌合孔に
嵌合されて台板６の回動側の端部に立設される。これに
よって、台板６が水平位置に保持され、伸縮梯子１１は
下垂状態に伸長され、作業用手摺１５が台板６に立設さ
れて図１に示す状態となり台板６上での作業によって昇
降路１内の下部寄りの制御盤４等の機器の保守作業が行
われる。

【００１６】上記のように構成されたエレベーター用作
業台装置において、昇降路１内の下部寄りの機器の保守
作業時に、外部に保管されている梯子を運搬して昇降路
１内に搬入する手数が不要になる。また、昇降路１内の
下部寄りの機器の保守、点検を水平位置に保持された台
板６上からの作業によって行うことができる。

【００１７】これにより、容易に保守作業を行うことが
でき作業能率を向上することができる。また、台板６か
ら伸縮梯子１１が下垂して設けられるので、エレベータ
ーにおける昇降路１のピット深さの差異に容易に対応す
ることができる。したがって、エレベーターごとにピッ
ト深さに見合った伸縮梯子１１を製作する必要がなく、
エレベーター用作業台装置の生産性を向上することがで
きる。

【００１８】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、昇降路
に設けられた乗場位置に対応した昇降路の壁側に一側が
枢着されて、常時は壁面に沿う引退位置に配置される台
板と、一側が昇降路の壁側に他側は台板の回動端側に係
合されて要時に台板を水平位置に保持する保持機構と、
一端が台板に連結されて常時は短縮状態に配置され、要
時に下垂状態に伸長される伸縮梯子とを設けたものであ
る。

【００１９】これによって、台板、保持機構、伸縮梯子
等からなるエレベーター用作業台装置が昇降路の下部寄
りに常設され、通常時には台板等が昇降路の壁面に沿う
引退位置に配置される。そして、昇降路内の下部寄りに
設けられた機器の保守作業時には、保持機構を介して台
板が作業位置、すなわち水平位置に保持され伸縮梯子は
下垂状態に伸長される。この状態で台板上での作業によ
って昇降路内の下部寄りの機器の保守作業が行われる。
したがって、昇降路内の下部寄りの機器の保守作業時に
外部に保管されている梯子を昇降路内に搬入する手数を
要せず、また昇降路内の下部寄りの機器の保守を水平位
置に保持された台板上からの作業によって行うことがで
きて、容易に保守作業を行うことができ作業能率を向上
する効果がある。

【００２０】また、この発明は以上説明したように、Ｕ
字状に形成された複数のタラップ部材及びこれらのタラ
ップ部材のＵ字上端に設けられて隣接した他の上記タラ
ップ部材のＵ字の両側の垂画にそれぞれ摺動自在に係合
されて垂画の下端で逸脱が阻止された摺動係合片によっ
て構成され、最上段のタラップ部材のＵ字の上端が台板
の回動端に枢着された伸縮梯子を設けたものである。

【００２１】これによって、台板、保持機構、Ｕ字状を
なす複数のタラップ部材が摺動自在に係合されてなる伸
縮梯子等からなるエレベーター用作業台装置が昇降路の
下部寄りに常設され、通常時には台板等が昇降路の壁面
に沿う引退位置に配置される。そして、昇降路内の下部
寄りに設けられた機器の保守作業時には、保持機構を介
して台板が作業位置、すなわち水平位置に保持され、伸
縮梯子は下垂状態に伸長される。この状態で台板上での
作業によって昇降路内の下部寄りの機器の保守作業が行
われる。したがって、昇降路内の下部寄りの機器の保守
作業時に外部に保管されている梯子を昇降路内に搬入す
る手数を要せず、また昇降路内の下部寄りの機器の保守
を水平位置に保持された台板上からの作業によって行う
ことができて、容易に保守作業を行うことができ作業能
率を向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１を示す図で、台板が
水平位置に配置された状態を概念的に示す昇降路要部の
立面図。

【図２】 図１の平面を拡大して示す図。

【図３】 図１の台板が引退位置に配置された状態を示
す図１相当図。

【図４】 図３の平面を拡大して示す図。

【図５】 図３の状態の台板を水平位置に配置する第一
状態を説明する立面図。

【図６】 図５の状態の台板を水平位置に配置する第二
状態を説明する立面図。

【符号の説明】

１ 昇降路、 ２ 壁、 ６ 台板、 ７ 保持
機構、 １１ 伸縮梯子、 １２ タラップ部材、
１３ 摺動係合片。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路に設けられた乗場位置に対応した
   上記昇降路の壁側に一側が枢着されて常時は上記壁面に
   沿う引退位置に配置される台板と、一側が上記壁側に他
   側は上記台板の回動端側に係合されて要時に上記台板を
   水平位置に保持する保持機構と、一端が上記台板に連結
   されて常時は短縮状態に配置され、要時に下垂状態に伸
   長される伸縮梯子とを備えたエレベーター用作業台装
   置。
2. 【請求項２】 伸縮梯子を、Ｕ字状に形成された複数の
   タラップ部材及びこれらのタラップ部材のＵ字上端に設
   けられて隣接した他の上記タラップ部材のＵ字の両側の
   垂画にそれぞれ摺動自在に係合され上記垂画の下端で逸
   脱が阻止された摺動係合片によって構成され、最上段の
   上記タラップ部材のＵ字の上端が上記台板の回動端に枢
   着されたものとしたことを特徴とする請求項１記載のエ
   レベーター用作業台装置。