JP2003112673A

JP2003112673A - 弾性体履板

Info

Publication number: JP2003112673A
Application number: JP2001307765A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Watanabe; 裕明渡辺
Original assignee: Komatsu Ltd
Current assignee: Komatsu Ltd
Priority date: 2001-10-03
Filing date: 2001-10-03
Publication date: 2003-04-15

Abstract

(57)【要約】【課題】芯金とシュープレートへの取付ネジ部を一体
化して、芯金に接着する弾性体パッドに局部的な応力集
中が生じないで、耐久性を高め得るようにした弾性体履
板を提供する。【解決手段】履帯の鉄製のシュープレート２における
接地面側に装着される弾性体履板１０であって、シュー
プレート２との締結用のネジ部１２を芯金１１と一体に
形成され、その芯金１１の平坦にされた接地面側接合面
１５に弾性体パッド１６を接着形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、装軌式車両に用い
られる弾性体履板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、油圧ショベルやブルドーザなどの
装軌式建設機械車両における履帯は、多数の鉄製シュー
プレートを環状に連結されたものが多く使用されている
が、この種の履帯は舗装路面上を走行するとき路面を著
しく損傷することになるので、その鉄製シュープレート
の接地面に、ゴムなどの弾性体を有する弾性体履板を着
脱可能に取付けられたものが用いられている。

【０００３】この種の弾性体履板に関する先行技術とし
ては、例えば実用新案登録第２５９５４４３号公報に開
示されたものが知られている。この公報に記載されてい
る弾性対履板５５は、図６に従来の無限軌道帯用履板の
断面図として示されているように、金属板５１を鉄製履
板５０の踏面の凹凸形状に対応させて波形に形成し、こ
の金属板５１（芯金）の表面側に鉄製履板５０のラグ５
０ａ，５０ｂよりも突出す高さの弾性体にてなる部材を
一体に接着して弾性体パッド５４を構成している。この
弾性体パッド５４は、前記金属板５１に頭部５３ａを溶
接固着されてその裏面側に突出す取付ボルト５３を複数
本、この金属板５１の長さ方向（鉄製履板に装着した際
の履帯の幅方向に対応）両端部寄り位置にて鉄製履板５
０に設けられたボルト貫通孔５０ｄと合致するように裏
面側に突出させて設けられ、その取付ボルト５３によっ
て図示されないナットで締結して鉄製履板５０に一体的
に組付けるようにされている。このように構成されるこ
とにより取付ボルト５３や弾性体５４の破損をなくする
ことができ、耐久性が向上するとともに、弾性体パッド
５４の交換が容易にできると記載されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記先
行技術による弾性体履板５５では、鉄製履板５０に対し
て弾性体履板５５を装着するための取付ボルト５３の頭
部５３ａが弾性体パッド５４と芯金（金属板５１）との
接着面に突出した構造となり、また、その芯金も凹凸に
形成されているので、履帯に取付けられて使用する場
合、その弾性体パッド５４を形成しているゴム質材（弾
性材）の歪集中が生じやすく、結果的に弾性材の寿命が
短くなるという問題点がある。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、芯金とシュープレートへの取付ネ
ジ部を一体化して、芯金に接着する弾性体パッドに局部
的な応力集中が生じないで、耐久性を高め得るようにし
た弾性体履板を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用・効果】前述さ
れた目的を達成するために、本発明による弾性体履板
は、履帯の鉄製のシュープレートにおける接地面側に装
着される弾性体履板であって、シュープレートとの締結
用のネジ部を芯金と一体に形成され、その芯金の接地面
側を平坦にして弾性体パッドを接着形成されていること
を特徴とするものである（第１発明）。

【０００７】本発明によれば、鉄製のシュープレートに
装着するための取付位置に合わせて設けられる取付ボル
トに相当するネジ部を、芯金の上面に一体で突出するよ
うに設けてあるので、芯金の接地面側を平坦にすること
ができる。したがって、弾性体パッドが接着される面で
の凹凸をなくすることができ、弾性体パッドに応力集中
する部分がなく、その耐久性を向上させることができる
という効果を奏するのである。また、芯金は、シュープ
レートへの取付用のネジ部を芯金と一体化することによ
り、その厚みを従来に比べて薄くすることが可能となる
ので、弾性体履板の軽量化が図られ、弾性体の交換時に
おける作業が容易になるという効果がある。また、芯金
の厚さを薄くできるので、弾性体パッドを厚くできて耐
久性を向上させることができる。

【０００８】第１発明におけるシュープレートとの締結
用のネジ部は、芯金の上面から所要長さで一体に突出形
成された軸部外周にネジ切り加工して形成されることを
特徴とする（第２発明）。こうすると、鍛造加工によっ
てネジ軸が芯金と一体にでき、その後にネジ切り加工の
みでネジ部を形成できるので、溶接などの熱的影響が加
わらないという利点がある。

【０００９】第１発明におけるシュープレートとの締結
用のネジ部は、芯金に設けられた接地面側から上面へ貫
通する段付き孔にネジ軸部がその芯金上面から所要長さ
突出するようにボルトを挿入して、そのボルトの頭部を
段付き孔の段形成部に沈めて回動不能にされ、芯金と一
体に形成されることを特徴とする（第３発明）。こうす
ると、ネジ部の形成を容易にすることができ、コストダ
ウンを図ることができる。

【００１０】第３発明にあって、前記ネジ部を形成する
ボルトの頭部は、芯金に設けられる段付き孔の段形成部
に頭部が接地面側へ突出しないように挿入されて、溶接
により固着されているのがよい（第４発明）。こうする
と、段形成部の内周を挿入されるボルトの頭部外形より
大きく形成しておくことで、ボルトを段付き孔に挿入し
て溶接することにより簡単に固着できる。また、前記芯
金に設けられるボルト挿入の段付き孔の段形成部を、挿
入するボルトの頭部と同形に形成して、挿入するボルト
の頭部が廻り止めされているのがよい（第５発明）。こ
うすると、所定寸法のボルトを挿入してから弾性体パッ
ドの接着を行うことにより、芯金とボルトおよび弾性体
パッドが一体化するので、芯金に対する二次加工を行う
ことなくシュープレートへの取付け用のネジ部を設ける
ことができ、コストダウンを図ることができる。なお、
前記段付き孔については、芯金を鍛造することによって
容易に作成することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に、本発明による弾性体履板の
具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明す
る。

【００１２】図１には、本発明にかかる弾性体履板を履
帯の鉄製シュープレートに装着する両者の関係を表わす
正面図（ａ）と、Ａ−Ａ視断面図（ｂ）が示されてい
る。

【００１３】この実施形態の弾性体履板１０は、図１に
て示されるように、履帯を構成する鉄製のシュープレー
ト２の接地側に形成されている凹部３に、芯金１１の外
形が嵌り合う形状に形成されて、その芯金１１の接地面
側に断面台形状にされた弾性体パッドを接着して一体に
なされたものを、前記シュープレート２に設けられた取
付孔に合致する位置で、その芯金１１の上面に突設され
たネジ部１２によって取付けるようにされている。

【００１４】この弾性体履板１０を装着する前記鉄製の
シュープレート２は、その接地面側に形成される凹部３
が履帯として連結された状態での前後方向に所定のピッ
チで二箇所形成されており、前記二箇所の凹部３，３の
前後に都合三個のグローサ４ａ，４ｂ，４ｃが形成され
ており、その中間位置のグローサ４ｂを交わして弾性体
履板１０が装着されるようになっている。

【００１５】前記弾性体履板１０は、前記鉄製のシュー
プレート２の横幅方向に相当する長さＬで、その長さ方
向の両端部から適宜寸法内側寄り位置にてシュープレー
ト２に設けられた取付孔５に合致するネジ部１２が芯金
１１の上面に突設され、またその芯金１１の中間部上面
には、前記シュープレート２を履帯形成のリンク６に締
結する取付ボルトの頭部７を交わす凹部１３が、また幅
方向の中間部で中間位置のグローサ４ｂを交わす溝部１
４がそれぞれ形成されている。弾性体パッド１６は、ゴ
ム質材で断面台形にされて接地面側の中間部に窪みを設
けた成形品で、前記芯金１１の接地面側接合面１５に接
着剤によって接着され、一体にされている。この芯金１
１の接地面側の接合面１５は平坦面にされ、この接合面
に弾性体パッド１６の平面にされた接着面１６ａを接着
される。

【００１６】前記ネジ部１２は、装着するシュープレー
ト２側の取付孔５に合わせて複数本（この実施形態では
左右に二本ずつ計四本）所要長さ（シュープレート２の
取付孔５に挿通して上面でナット８により締結するに要
する長さ寸法）で芯金１１の上面に突設されている。こ
のネジ部１２は、芯金１１を例えば鍛造で形成すると
き、同時に所要長さの軸部を一体に成形され、その各軸
部をダイスを用いて外周にネジが創製されている。

【００１７】このようにされた弾性体履板１０は、鉄製
のシュープレート２の各凹部３に芯金１１の上面部分を
嵌め込まれて、両端部でシュープレート２の取付孔５を
通して芯金１１に設けたネジ部１２を挿入して、シュー
プレート２の背面側で突き出されたネジ部にナット８を
螺合し、締結固着される。こうして、１枚のシュープレ
ート２の接地面側に弾性体履板１０が安定して装着され
る。

【００１８】このように構成される弾性体履板１０は、
シュープレート２に対する締結用のネジ部１２が芯金１
１と一体にされているので、その芯金１１に対して接着
される弾性体パッド１６との接合面１５（接着面１６
ａ）を平坦な面にできるので、弾性体パッド１６を形成
するゴム質材に応力集中が生じる部分がない。したがっ
て、弾性体パッド１６が外力で損傷するのを防止できて
耐久性を高めることができるのである。

【００１９】次に、図２に弾性体履板の他の実施形態を
表わす要部断面図が示されている。この実施形態の弾性
体履板は、基本的には前記実施形態のものと同様であ
り、その一部において構成が異なるものである。したが
って、前記実施形態と同一構造の部分については前記の
ものと同一の符号を付して、その詳細な説明を省略す
る。

【００２０】この実施形態の弾性体履板１０Ａは、シュ
ープレート２Ａにおけるグローサ４ａ，４ｃが前後にの
み形成されるものに適用される。この形式のシュープレ
ート２Ａに用いる弾性体履板１０Ａにあっては、シュー
プレート２Ａの凹部３が一つであるから前述の中間部に
形成される溝を必要としないので、芯金１１Ａの厚さ寸
法を薄くすることが可能になり、その分弾性体パッド１
６の厚さを大きくとることができる。したがって、弾性
体履板１０Ａの重量を軽減できるので、交換作業時の労
力も従来に比べて軽減できる。また、弾性体パッド１６
の部分が厚くなるので、耐久性が向上するという効果が
得られる。

【００２１】また、図３にさらに弾性体履板の他の実施
形態を表わす要部断面図が示されている。この実施形態
の弾性体履板は、基本的には前記実施形態のものと同様
であり、その一部において構成が異なるものである。し
たがって、前記実施形態と同一構造の部分については前
記のものと同一の符号を付して、その詳細な説明を省略
する。

【００２２】この実施形態の弾性体履板１０Ｂは、鉄製
のシュープレート２における接地面側に二個前後方向に
設けられた凹部３，３に嵌合する芯金を、それぞれの凹
部３に嵌り合う幅寸法に形成された、いわば前記実施形
態の弾性体履板１０を二つに分割して各凹部３に装着す
る構成としたものである。その長さ方向の寸法はシュー
プレートの全長寸法Ｌとほぼ同一にされており、芯金１
１Ｂの上面に突設されるネジ部１２は、二本となる。

【００２３】このように形成された弾性体履板１０Ｂに
よれば、グローサ４ａ〜４ｃとの接触がないので芯金１
１Ｂの厚さ寸法を薄くして、その分弾性体パッド１６Ｂ
の高さ寸法を厚くすることができる。この弾性体履板１
０Ｂをシュープレート２の各凹部３，３にそれぞれ装着
して履帯を構成すれば、前記実施形態の場合と同様の作
用効果に加えて、軽量化できるので、弾性体履板の交換
時の労力を軽減して取扱いを容易にするという利点があ
る。

【００２４】また、図４に弾性体履板の他の実施形態を
表わす正面図（ａ）と要部の拡大断面図（ｂ）が示され
ている。なお、この実施形態の弾性体履板は、基本的に
前記実施形態のものと同様であり、ネジ部の構成が異な
るものである。したがって、前記実施形態と同一構造の
部分については前記のものと同一の符号を付して、その
詳細な説明を省略する。

【００２５】この実施形態の弾性体履板１０Ｃは、芯金
１１Ｃと一体に設けられる鉄製のシュープレートとの締
結用のネジ部として、芯金１１Ｃと別個のボルト１７を
組合せて一体化し、弾性体パッド１６との接合面１５を
平坦面にできるように構成されたものである。すなわ
ち、芯金１１Ｃにおけるシュープレートに対する締結用
のネジ部配設位置には、接合面１５側から上面に向って
段付き孔１８（座繰り孔）が穿設され、その段付き孔１
８の座繰り部１８ａを使用されるボルト１７の頭部１７
ａが接合面１５から突出さないように収まる高さに形成
される。この座繰り部１８ａは、予め挿入されたボルト
１７の頭部１７ａ外形よりやや大きく形成されている。
したがって、芯金１０Ｃに対してボルト１７は、所要長
さのものを接合面側から段付き孔１８に挿入して、芯金
１１Ｃの上面からネジ軸部を突出させ、その後において
段付き孔１８の座繰り部１８ａに収まるボルト頭部１７
ａを芯金１１Ｃに溶接して一体化され、芯金１１Ｃの上
面に締結用のネジ部を形成する。

【００２６】このように形成された弾性体履板１０Ｃに
よれば、芯金１１Ｃに別個なボルト１７を組合せた構成
であるので、溶接加工を伴うがネジ部の形成が容易であ
り、芯金と別な材質のものを用いることができるという
利点がある。なお、段付き孔１８の形成については、機
械加工のほかに、芯金を鍛造で製作して形成することも
できる。また、前記ボルト１７の頭部１７ａは、六角形
のほか四角形など角形のみならず円柱形であってもよ
い。そして、ボルト頭部１７ａと芯金１１Ｃとの溶接部
表面はグラインダで面一に仕上げられ、弾性体パッド１
６との接着を損なわないようにされる。したがって、弾
性体パッド１６に対する応力集中が発生することはな
い。

【００２７】前記弾性体履板１０Ｃにおける芯金とボル
トの組合せ構造としては、前述のようにボルト頭部を溶
接して一体化しているが、このほかに、図５に示される
ように、芯金１１Ｄに設けられる段付き孔１８ｄの頭部
収容部１８ｅの形状を、使用するボルト１７′の頭部外
形に合わせて角形の頭部収容部１８ｅとすることによ
り、対応するボルト１７′の頭部１７ｄを嵌め合わせる
ことで、前記実施形態のように溶接することなく廻り止
めの機能を発揮させることができる。このようにされる
弾性体履板１０Ｃによれば、芯金１１Ｄの平坦にされた
接合面１５に弾性体パッド１６を接着することによっ
て、組合されたボルト１７′が閉じ込められて抜け出す
こともない。したがって、前記段付き孔１８ｄを鍛造に
よって形成することで、芯金１１Ｄに二次加工を行うこ
となくネジ部を形成でき、コストダウンを図ることがで
きる。

【００２８】以上の説明では、芯金上面に設けられるネ
ジ部について芯金と一体に形成したり、ボルトを挿入し
てそのネジ軸部を突出させる構造について記載したが、
このほかに所定の箇所で芯金にネジ孔を設けて、ここに
ネジ棒を螺合して形成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明にかかる弾性体履板を履帯の鉄
製シュープレートに装着する両者の関係を表わす正面図
（ａ）と、Ａ−Ａ視断面図（ｂ）である。

【図２】図２は、弾性体履板の他の実施形態を表わす要
部断面図である。

【図３】図３は、弾性体履板の他の実施形態を表わす要
部断面図である。

【図４】図４は、弾性体履板の他の実施形態を表わす正
面図（ａ）と要部の拡大断面図（ｂ）である。

【図５】図５は、芯金と組合せて締結用のネジ部を形成
するボルトの頭部が廻り止め構造の収容部にされた態様
を表わす要部の図である。

【図６】図６は、従来技術による一具体例の無限軌道帯
用履板の断面図である。

【符号の説明】

２，２Ａシュープレート３凹部４ａ，４ｂ，４ｃグローサ５取付孔８ナット１０，１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ弾性体履板１１，１１Ａ，１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄ芯金１２締結用のネジ部１４溝部１５接合面１６，１６Ｂ弾性体パッド１７，１７′ ボルト１７ａボルトの頭部１８，１７ｄ段付き孔１８ａ座繰り部１８ｅボルトの頭部収容部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】履帯の鉄製のシュープレートにおける接
地面側に装着される弾性体履板であって、シュープレー
トとの締結用のネジ部を芯金と一体に形成され、その芯
金の接地面側を平坦にして弾性体パッドを接着形成され
ていることを特徴とする弾性体履板。
【請求項２】前記シュープレートとの締結用のネジ部
は、芯金の上面から所要長さで一体に突出形成された軸
部外周にネジ切り加工して形成されることを特徴とする
請求項１に記載の弾性体履板。
【請求項３】前記シュープレートとの締結用のネジ部
は、芯金に設けられた接地面側から上面へ貫通する段付
き孔にネジ軸部がその芯金上面から所要長さ突出するよ
うにボルトを挿入して、そのボルトの頭部を段付き孔の
段形成部に沈めて回動不能にされ、芯金と一体に形成さ
れることを特徴とする請求項１に記載の弾性体履板。
【請求項４】前記ネジ部を形成するボルトの頭部は、
芯金に設けられる段付き孔の段形成部に頭部が接地面側
へ突出しないように挿入されて、溶接により固着されて
いる請求項３に記載の弾性体履板。
【請求項５】前記芯金に設けられるボルト挿入の段付
き孔の段形成部を、挿入するボルトの頭部と同形に形成
して、挿入するボルトの頭部が廻り止めされている請求
項３に記載の弾性体履板。