JP2003110046A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

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    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
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    • H01L2224/161Disposition
    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速で動作する電子部品を搭載する多層配線
基板において、同時スイッチングノイズとEMIノイズ
が増大する。 【解決手段】 絶縁基板2の上面に搭載された半導体素
子11a・11bに内部の電源配線層もしくは接地配線層4
〜6,7〜9が絶縁層2c,2d,2f,2gを挟んで
対向配置されて形成された内蔵キャパシタを介して電源
供給する多層配線基板1であって、内蔵キャパシタは、
半導体素子11a・11bの各動作周波数帯域から高調波成
分の周波数帯域の範囲において異なる共振周波数を有す
る複数のものが並列接続され、かつ異なる共振周波数間
に発生する反共振周波数における合成インピーダンス値
を所定値以下とした多層配線基板1である。合成インピ
ーダンス値の小さい周波数帯域を広くし、共振周波数を
任意に設定できることから、同時スイッチングノイズと
EMIノイズを共に低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子をはじめ
とする電子部品が搭載される多層配線基板に関し、より
詳細には高速で動作する複数の半導体素子を搭載するの
に好適な配線構造を有する多層配線基板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロプロセッサやASIC(Appl
ication Specific Integrated Circuit)等に代表され
る半導体素子をはじめとする電子部品が搭載され、電子
回路基板等に使用される多層配線基板においては、内部
配線用の配線導体の形成にあたって、アルミナセラミッ
クス等のセラミックスから成る絶縁層とタングステン
(W)等の高融点金属から成る配線導体層とを交互に積
層して多層配線基板を形成していた。
【0003】一方、情報処理能力の向上の要求が高まる
中で、半導体素子の動作速度の高速化が進み、内部配線
用の配線導体のうち信号配線には、特性インピーダンス
の整合や信号配線間のクロストークノイズの低減等の電
気特性の向上が求められてきた。そこで、このような要
求に対応するために信号配線の配線構造はストリップ線
路構造とされ、信号配線の上下に絶縁層を介して広面積
の電源配線層もしくは接地(グランド)配線層を形成し
ていた。
【0004】しかしながら、このような多層配線基板
は、絶縁層の比誘電率が10程度のアルミナセラミックス
等から成るために、信号配線間の電磁気的な結合が大き
くなることからクロストークノイズが増大し、その結
果、半導体素子の動作速度の高速化に対応できないとい
う問題点が発生する。
【0005】そこで、比誘電率が10程度のアルミナセラ
ミックスに代えて比誘電率が3〜5と比較的小さいガラ
スエポキシ樹脂基材,ポリイミドまたはエポキシ樹脂等
の有機系材料を絶縁層とする多層配線基板が用いられる
ようになってきた。
【0006】このような多層配線基板は、有機系材料か
ら成る絶縁層上にメッキ法,蒸着法またはスパッタリン
グ法等による薄膜形成技術を用いて銅(Cu)から成る
内部配線用導体膜を形成し、フォトリソグラフィ法やエ
ッチング法により微細なパターンの配線導体を有する配
線導体層を形成して、この絶縁層と配線導体層とを交互
に積層することによって、半導体素子の高速動作が可能
な多層配線基板を作製することが行なわれている。
【0007】また、一方では半導体素子への電源供給に
関する問題点として、半導体素子の動作速度の高速化に
伴い同時スイッチングノイズの問題点が発生してきた。
これは、半導体素子のスイッチングに必要な電源電圧
が、多層配線基板の外部から電源配線および接地配線を
通って供給されるため、電源配線もしくは接地配線のイ
ンダクタンス成分により、半導体素子のスイッチング動
作が複数の信号配線で同時に起きた場合に電源配線およ
び接地配線にノイズが発生するものである。
【0008】このような問題点を解決するため、多層配
線基板内に広面積の電源配線層と接地配線層とが絶縁層
を介して対向形成されて成るキャパシタを内蔵する方法
が行なわれている。このように、広面積の電源配線層と
接地配線層とを対向形成することで数nFという大きな
容量のキャパシタンス値のキャパシタを多層配線基板内
に内蔵することができ、内蔵キャパシタのインピーダン
ス値が小さくなることから同時スイッチングノイズを低
減することが可能となる。ここで、インピーダンス値は
インダクタンス値の平方根に比例し、キャパシタンス値
の平方根に反比例する。一般的に、内蔵キャパシタのイ
ンピーダンス値が小さくなると同時スイッチングノイズ
が低減されることが知られている。
【0009】また、多層配線基板を搭載する電気システ
ムに対する小型化の要求からMCM(Multi Chip Modul
e)等に代表されるように多層配線基板上に複数の半導体
素子や電子部品を搭載することも行なわれてきた。この
複数の半導体素子の動作周波数は、同一の場合や異なる
場合等、電気システムに応じて選択される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、更なる
情報処理能力の向上が求められる中で、半導体素子の動
作周波数が1GHzを超えるといった動作速度の高速化
が急激に進んできた。このような中で、多層配線基板内
に伝送される電気信号の高調波成分により同時スイッチ
ングノイズが大きくなるという新たな問題点が発生して
きた。この高調波成分とはデジタル信号に含まれるより
高周波の周波数成分のことであり、半導体素子の動作周
波数(基本波)の整数倍の周波数で大きな成分を有し、
高調波成分の周波数が大きくなるに連れ成分が減少する
ものである。特に動作周波数の5倍程度までの周波数の
高調波成分が大きな成分を有することが知られている。
従って、半導体素子の動作周波数の5倍程度までの周波
数帯域においてもインピーダンス値を小さくする必要が
あることがわかってきた。
【0011】このとき、従来の構造の多層配線基板にお
いては、単一のキャパシタンス値を有する複数の内蔵キ
ャパシタを形成した構造のため、その内蔵キャパシタの
インピーダンス特性が有する共振周波数を半導体素子の
動作周波数付近に設定することで、動作周波数付近のイ
ンピーダンス値を小さくすることはできたが、高調波成
分の周波数帯域のインピーダンス値に関しては考慮され
ていなかった。従って、半導体素子の動作周波数が低い
領域では同時スイッチングノイズを低減することができ
たが、動作周波数が数GHz以上となる高周波領域では
内蔵キャパシタのインピーダンス値が大きくなり、同時
スイッチングノイズが大きくなるという問題点を有して
いた。特に、複数の半導体素子を搭載した多層配線基板
においては、異なる動作周波数の半導体素子が同一の内
蔵キャパシタを共有していたため、内蔵キャパシタの共
振周波数を複数の半導体素子の動作周波数付近に合わせ
ることは困難であった。また、動作周波数が異なる半導
体素子の高調波成分により、同時スイッチングノイズが
大きくなるという問題点を有していた。
【0012】また、内蔵キャパシタのインピーダンス特
性に含まれる反共振周波数が、高調波成分の周波数と一
致する場合には、その高調波が電源配線および接地配線
の電磁気的ノイズとして作用するため、EMI(Electr
o Magnetic Interference)ノイズが大きくなってしま
うという問題点があることも分かってきた。
【0013】本発明は上記問題点を解決すべく完成され
たものであり、その目的は、同時スイッチングノイズと
EMIノイズを共に低減することができる、高速で動作
する半導体素子等の電子部品を搭載する電子回路基板等
に好適な多層配線基板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板の上面に半
導体素子接続用電極および下面に半導体素子に電源供給
するための外部電極が設けられ、内部に電源配線層と接
地配線層とが前記絶縁層を挟んで対向配置されて形成さ
れた複数の内蔵キャパシタを具備し、前記外部電極より
前記内蔵キャパシタを介して複数の前記半導体素子に電
源供給する多層配線基板であって、複数の前記内蔵キャ
パシタは複数の前記半導体素子に対応させて形成されて
おり、複数の前記半導体素子のそれぞれの動作周波数帯
域から高調波成分の周波数帯域の範囲において異なる共
振周波数を有する複数のものが並列接続されるように形
成され、かつ前記異なる共振周波数間に発生する反共振
周波数における合成インピーダンス値が所定値以下であ
ることを特徴とするものである。
【0015】本発明の多層配線基板によれば、絶縁基板
の内部に電源配線層と接地配線層とが絶縁層を挟んで対
向配置されて形成された内蔵キャパシタを複数の半導体
素子のそれぞれに対応させて形成し、この内蔵キャパシ
タをそれぞれの半導体素子の動作周波数領域から高調波
成分の範囲において異なる共振周波数を有する複数のも
のが並列接続されるように形成したことから、インピー
ダンス値が最も低い共振周波数をそれぞれの内蔵キャパ
シタ毎に半導体素子の動作周波数から高調波成分の周波
数帯域の範囲で分散させて設定することができ、さら
に、異なる共振周波数間に発生する反共振周波数におけ
る合成インピーダンス値を所定値以下としたことから、
それぞれの半導体素子の動作周波数領域から高調波成分
の広い周波数範囲において、内蔵キャパシタのインピー
ダンス値を小さくすることができる。
【0016】また、複数の内蔵キャパシタの反共振周波
数における合成インピーダンス値を1Ω以下としたとき
には、電源配線層および接地配線層のインダクタンス成
分が小さくなり、複数の半導体素子の動作周波数が数G
Hz以上の高周波帯域においても、その高調波成分の周
波数帯域を含めて同時スイッチングノイズを低減するこ
とが可能となる。
【0017】また、電源配線層および接地配線層を広面
積として数nFという大きなキャパシタンス値を有する
内蔵キャパシタを形成することができるため、半導体素
子の動作周波数が数MHzと低い周波数帯域においても
同時スイッチングノイズを低減することが可能である。
【0018】さらには、内蔵キャパシタのインピーダン
ス特性に含まれる反共振周波数を、複数の内蔵キャパシ
タのキャパシタンス値を制御することによって、電気信
号に含まれる高調波成分の周波数と一致しない周波数に
設定できることから、EMIノイズを低減することも可
能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層配線基板につ
いて添付図面に基づき詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の多層配線基板の実施の形態
の一例を示す断面図である。
【0021】図1において、1は多層配線基板、2は絶
縁基板であり、絶縁基板2は複数の絶縁層2a〜2hが
積層されて形成されている。この例の多層配線基板1に
おいては、絶縁層2a〜2hは基本的には同じ比誘電率
を有する絶縁材料で形成されている。絶縁層2b上には
信号配線群3が形成され、絶縁層2c上には信号配線群
3に対向させて広面積の電源配線層もしくは接地配線層
4が形成されており、信号配線群3はマイクロストリッ
プ線路構造を有している。
【0022】このように信号配線群3に対向して広面積
の電源配線層もしくは接地配線層4を形成すると、信号
配線群3に含まれる信号配線間の電磁気的な結合が小さ
くなるため、信号配線間に生じるクロストークノイズを
低減することが可能となる。また、信号配線の配線幅お
よび信号配線群3と電源配線層もしくは接地配線層4と
の間に介在する絶縁層2bの厚みを適宜設定すること
で、信号配線群3の特性インピーダンスを任意の値に設
定することができるため、良好な伝送特性を有する信号
配線群3を形成することが可能となる。信号配線群3の
特性インピーダンスは、一般的には50Ωに設定される場
合が多い。
【0023】なお、信号配線群3に含まれる複数の信号
配線は、それぞれ異なる電気信号を伝送するものとして
もよい。
【0024】この例では、多層配線基板1の上面にはマ
イクロプロセッサやASIC等の複数の半導体素子11a
・11bが搭載され、錫−鉛合金(Sn−Pb)等の半田
や金(Au)等から成る導体バンプ12および複数の半導
体素子11a・11bを接続するための半導体素子接続用電
極13を介して多層配線基板1と電気的に接続されてい
る。また、多層配線基板1の複数の半導体素子11a・11
bを搭載する上面と反対側の下面には複数の半導体素子
11a・11bに電源供給を行なうための外部電極10を有し
ている。
【0025】また、5〜9は4と同じく広面積の電源配
線層もしくは接地配線層であり、この例では、これら電
源配線層もしくは接地配線層4〜6により、2個の内蔵
キャパシタが形成され、電源配線層もしくは接地配線層
7〜9により、2個の内蔵キャパシタが形成されてい
る。このとき、電源配線層もしくは接地配線層4,6,
7および9と電源配線層もしくは接地配線層5および8
は異なるものである。つまり、4,6,7および9が電
源配線層の場合、5および8は接地配線層であり、4,
6,7および9が接地配線層の場合、5および8は電源
配線層である。
【0026】これを図5(a)および図5(b)を用いて
詳細に説明する。
【0027】図5(a)は、本発明の多層配線基板の実
施の形態の一例を示す要部断面図であり、図1における
4,6,7および9が接地配線層であり、5および8が
電源配線層の場合のものである。図5(a)において、
接地配線層69,67,65,63は図1に示す電源配線層もし
くは接地配線層4,6,7および9に相当するものであ
る。また、電源配線層76および74は図1に示す電源配線
層もしくは接地配線層5および8に相当するものであ
る。図5(a)において、接地配線は外部電極61からビ
アホール62を通じて接地配線層63へ接続され、ビアホー
ル64を通じて接地配線層65へ接続され、ビアホール66を
通じて接地配線層67へ接続され、ビアホール68を通じて
接地配線層69に接続されるとともに、ビアホール70を通
じて半導体素子接続用電極71に接続されている。また、
電源配線は外部電極72からビアホール73を通じて電源配
線層74へ接続され、ビアホール75を通じて電源配線層76
へ接続されるとともにビアホール77を通じて半導体素子
接続用電極78に接続されている。これにより、接地配線
層69と電源配線層76との間に第一の内蔵キャパシタ、接
地配線層67と電源配線層76との間に第二の内蔵キャパシ
タ、接地配線層65と電源配線層74との間に第三の内蔵キ
ャパシタ、接地配線層63と電源配線層74との間に第4の
内蔵キャパシタが形成されており、これらの電気回路は
図5(b)と同様の電気回路図で表すことができる。従
って、この場合においても4個の内蔵キャパシタは並列
に接続されている。
【0028】また、図1に示す例においては、上面に電
源配線層もしくは接地配線層5が形成された絶縁層2d
の厚みは、上面に電源配線層もしくは接地配線層4が形
成された絶縁層2cの厚みより大きく設定されている。
同様に上面に電源配線層もしくは接地配線層8が形成さ
れた絶縁層2gの厚みは、上面に電源配線層もしくは接
地配線層7が形成された絶縁層2fの厚みより大きく設
定されている。これにより、電源配線層もしくは接地配
線層4と電源配線層もしくは接地配線層5との間に形成
された第一の内蔵キャパシタと、電源配線層もしくは接
地配線層5と電源配線層もしくは接地配線層6の間に形
成された第二の内蔵キャパシタのキャパシタンス値は異
なるものとなり、電源配線層もしくは接地配線層7と電
源配線層もしくは接地配線層8の間に形成された第三の
内蔵キャパシタと、電源配線層もしくは接地配線層8と
電源配線層もしくは接地配線層9の間に形成された第四
の内蔵キャパシタとのキャパシタンス値もそれぞれ異な
るため、図2に示すように、それぞれの内蔵キャパシタ
は異なる共振周波数を含むインピーダンス特性となる。
【0029】図2は、本発明の多層配線基板における内
蔵キャパシタのインピーダンス特性の一例を示す線図で
ある。図2において横軸は周波数を表し、縦軸は内蔵キ
ャパシタのインピーダンス値を表している。ここで、異
なる共振周波数を有する複数のキャパシタが並列に形成
されている場合は、それぞれの内蔵キャパシタが有する
共振周波数はそのままに、インピーダンス特性の交点
(反共振点)においてインピーダンス特性が合成され、
反共振点の周波数、つまり反共振周波数はそれぞれのイ
ンピーダンス特性の交差する近傍の周波数となる。
【0030】また、同時スイッチングノイズは広面積の
電源配線層もしくは接地配線層4〜9で形成された内蔵
キャパシタのインピーダンス値が小さいほど低減するこ
とができる。とりわけ、複数の半導体素子11a・11bの
各動作周波数が数GHz以上の高周波領域においては、
動作周波数の整数倍の周波数において大きな成分をもつ
高調波成分が含まれ、特に高調波成分が大きくなる複数
の半導体素子11a・11bの各動作周波数の5倍程度まで
の周波数帯を含む周波数領域のインピーダンス値を低減
することで、高速で動作する複数の半導体素子11a・11
bの同時スイッチングノイズの低減が可能である。
【0031】ここで、内蔵キャパシタのインピーダンス
値は共振周波数において最も小さくなる。本発明の多層
配線基板1によれば、異なる共振周波数を有する複数の
内蔵キャパシタを並列に形成したことにより、それぞれ
の内蔵キャパシタ毎に共振周波数を複数の半導体素子11
a・11bの各動作周波数帯域から高調波成分の周波数帯
域の間の範囲で任意に設定することが可能である。図2
に示す例では、第一の内蔵キャパシタおよび第二の内蔵
キャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数
を半導体素子11aの動作周波数帯域から高調波周波数帯
域に合わせ、第三の内蔵キャパシタおよび第四の内蔵キ
ャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数を
半導体素子11b高調波成分の周波数帯域に合わせてい
る。内蔵キャパシタのインピーダンス特性に含まれる共
振周波数は、広面積の電源配線層もしくは接地配線層4
〜9で形成された内蔵キャパシタのキャパシタンス値お
よびインダクタンス値を変えることで任意に設定するこ
とが可能である。この例では、上面に電源配線層もしく
は接地配線層5が形成された絶縁層2dの厚みおよび上
面に電源配線層もしくは接地配線層8が形成された絶縁
層2gの厚みを変えることで、内蔵キャパシタのキャパ
シタンス値を変えて、内蔵キャパシタのインピーダンス
特性に含まれる共振周波数を所望の値に設定している。
なお、この例では、第二の内蔵キャパシタが形成された
絶縁層2dの厚みは、第一の内蔵キャパシタが形成され
た絶縁層2cの厚みの1.5倍、第四の内蔵キャパシタが
形成された絶縁層2gの厚みは、第三の内蔵キャパシタ
が形成された絶縁層2fの厚みの1.5倍としている。
【0032】さらに、これらの共振周波数間に発生する
反共振周波数における合成インピーダンス値を所定値以
下としたことから、半導体素子11a・11bの各動作周波
数から高調波成分の周波数帯域の範囲における合成イン
ピーダンス値を広い周波数帯域で小さくすることができ
る。ここで、複数の内蔵キャパシタのそれぞれのインピ
ータンス特性に含まれる共振周波数間に発生する反共振
周波数における合成インピーダンス値は、それぞれの内
蔵キャパシタのキャパシタンス値,tanδ,抵抗成分お
よび内蔵キャパシタの個数により、任意に設定すること
が可能である。本発明の多層配線基板1における合成イ
ンピーダンス値の値は、半導体素子11a・11bの各動作
周波数と許容される同時スイッチングノイズ量と、その
要求特性を満たすように適宜設定される。
【0033】また、反共振周波数における合成インピー
ダンス値を1Ω以下とすることにより、複数の半導体素
子11a・11bの各動作周波数が数GHz以上の高周波領
域においても十分に効果的な同時スイッチングノイズの
低減を行なうことが可能となる。ここで、合成インピー
ダンス値を1Ω以下とすることが効果的な半導体素子11
a・11bの各動作周波数は1〜10GHz程度であり、そ
の時の高調波成分の周波数は半導体素子11a・11bの各
動作周波数の5倍で換算すると5〜50GHz程度とな
る。
【0034】また、電源配線層および接地配線層4〜9
を広面積として数nFという大きなキャパシタンス値を
有する内蔵キャパシタを形成することができるため、半
導体素子の動作周波数が数MHzと低い周波数帯域にお
いても同時スイッチングノイズを低減することが可能で
ある。
【0035】なお、多層配線基板1内に形成された広面
積の電源配線層および接地配線層4〜9によって形成さ
れた内蔵キャパシタのインピーダンス特性に含まれる反
共振周波数が複数の半導体素子11a・11bの各動作周波
数と一致すると、EMIノイズが大きくなる傾向があ
る。従って、内蔵キャパシタが有するインピーダンス特
性の反共振周波数は複数の半導体素子11a・11bの各動
作周波数と一致しない周波数に設定することが好まし
く、これによりさらに効果的にEMIノイズを低減する
ことが可能となる。
【0036】本発明の多層配線基板では、複数の内蔵キ
ャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数を
適宜設定することにより、反共振周波数を複数の半導体
素子11a・11bの各動作周波数と一致しない周波数に設
定することが可能なため、効果的にEMIノイズを低減
することが可能となる。
【0037】次に、図3および図4を用いて、本発明の
多層配線基板の実施の形態の他の例を説明する。
【0038】図3は図1と同様の断面図である。図3に
おいて、31は多層配線基板、32は絶縁基板であり、絶縁
基板32は複数の絶縁層32a〜32hが積層されて形成され
ている。この例の多層配線基板31においては、絶縁層32
a〜32hは基本的には同じ比誘電率を有する絶縁材料で
形成されている。絶縁層32b上には信号配線群23が形成
され、絶縁層32c上には信号配線群33に対向させて広面
積の電源配線層もしくは接地配線層34が形成されてお
り、信号配線群33はマイクロストリップ線路構造を有し
ている。
【0039】なお、信号配線群33に含まれる複数の信号
配線は、それぞれ異なる電気信号を伝送するものとして
もよい。
【0040】この例では、多層配線基板31の上面にはマ
イクロプロセッサやASIC等の半導体素子311aおよ
び311bが搭載され、錫鉛合金(Sn−Pb)等の半田
や金(Au)等から成る導体バンプ312および半導体素
子311aおよび311bを接続するための半導体素子接続用
電極313を介して多層配線基板31と電気的に接続されて
いる。また、多層配線基板31の半導体素子311aおよび3
11bを搭載する上面と反対側の下面には半導体素子311
aおよび311bに電源供給を行なうための外部電極310を
有している。
【0041】また、35〜39は34と同じく広面積の電源配
線層もしくは接地配線層であり、この例では、これら電
源配線層もしくは接地配線層34〜36により、2個の内蔵
キャパシタが形成され、電源配線層もしくは接地配線層
37〜39により、2個の内蔵キャパシタが形成されてい
る。このとき、電源配線層もしくは接地配線層34,36,
37および39と電源配線層もしくは接地配線層35および38
は異なるものである。つまり、34,36,37および39が電
源配線層の場合、35および38は接地配線層であり、34,
36,37および39が接地配線層の場合、35および38は電源
配線層である。
【0042】また、この例において、電源配線層もしく
は接地配線層34〜35および37〜38は略同一面積の広面積
配線層であり、電源配線層もしくは接地配線層36および
39は電源配線層もしくは接地配線層34〜35および37〜38
と比較して面積が小さい広面積配線層で形成されてい
る。これにより、電源配線層もしくは接地配線層34と電
源配線層もしくは接地配線層35との間に第一の内蔵キャ
パシタが形成され、電源配線層もしくは接地配線層35と
電源配線層もしくは接地配線層36の間に第一の内蔵キャ
パシタより電源配線層と接地配線層の対向する面積が小
さい第二の内蔵キャパシタが形成されることとなる。同
様に電源配線層もしくは接地配線層37と電源配線層もし
くは接地配線層38との間に第三の内蔵キャパシタが形成
され、電源配線層もしくは接地配線層38と電源配線層も
しくは接地配線層39の間に第三の内蔵キャパシタより電
源配線層と接地配線層の対向する面積が小さい第四の内
蔵キャパシタが形成されることとなる。そして、それぞ
れの内蔵キャパシタは電源配線層と接地配線層の対向す
る面積が異なるために、異なるキャパシタンス値を有す
るものとなり、それぞれの内蔵キャパシタは異なる共振
周波数を含むインピーダンス特性となる。
【0043】この例では、第一の内蔵キャパシタのイン
ピーダンス特性に含まれる共振周波数を半導体素子311
aの各動作周波数帯域に合わせ、第二の内蔵キャパシタ
のインピーダンス特性に含まれる共振周波数を高調波成
分の周波数帯域に合わせている。同様に第三の内蔵キャ
パシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数を半
導体素子311bの各動作周波数帯域に合わせ、第二の内
蔵キャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波
数を高調波成分の周波数帯域に合わせている。内蔵キャ
パシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数は、
広面積の電源配線層もしくは接地配線層34〜39で形成さ
れた内蔵キャパシタのキャパシタンス値を変えることで
任意に設定することが可能である。この例では、電源配
線層もしくは接地配線層36または39の広面積配線層の面
積を変えることで、内蔵キャパシタのキャパシタンス値
を変えて、内蔵キャパシタのインピーダンス特性に含ま
れる共振周波数を所望の値に設定している。
【0044】また、これらの共振周波数間に発生する反
共振周波数における合成インピーダンス値を所定値以下
として、複数の半導体素子311a・311bの各動作周波数
から高調波成分の周波数帯域の範囲における合成インピ
ーダンス値を広い周波数帯域で小さくしている。特に、
反共振周波数における合成インピーダンス値を1Ω以下
とすることにより、複数の半導体素子311a・311bの各
動作周波数が数GHz以上の高周波領域においても十分
に効果的な同時スイッチングノイズの低減を行なうこと
が可能となる。
【0045】また、電源配線層および接地配線層を広面
積として数nFという大きなキャパシタンス値を有する
内蔵キャパシタを形成することができるため、複数の半
導体素子の動作周波数が数MHzと低い周波数帯域にお
いても同時スイッチングノイズを低減することが可能で
ある。
【0046】さらに、複数の内蔵キャパシタのインピー
ダンス特性に含まれる共振周波数を適宜設定することに
より、反共振周波数を複数の半導体素子311a・311bの
各動作周波数と一致しない周波数に設定すると、さらに
効果的にEMIノイズを低減することが可能となる。
【0047】このような構造とすると、絶縁層厚みを変
えて異なる共振周波数を有する複数の内蔵キャパシタを
形成する場合に比べて、インピーダンス特性に含まれる
共振周波数の設定周波数範囲をより広げることが可能な
ため、複数の半導体素子311a・311bの動作周波数の高
速化により対応し易くなる。
【0048】なお、この例では電源配線層もしくは接地
配線層35に対して電源配線層もしくは接地配線層36の広
面積配線層の面積を小さくしているが、電源配線層もし
くは接地配線層36に対して電源配線層もしくは接地配線
層35の広面積配線層の面積を小さくしても同様の効果が
得られる。また、電源配線層もしくは接地配線層38に対
して電源配線層もしくは接地配線層39の広面積配線層の
面積を小さくしているが、電源配線層もしくは接地配線
層39に対して電源配線層もしくは接地配線層38の広面積
配線層の面積を小さくしても同様の効果が得られる。
【0049】次に、図4は図1と同様の断面図である。
図4において、41は多層配線基板、42は絶縁基板であ
り、絶縁基板42は複数の絶縁層42a〜42hが積層されて
形成されている。この例の多層配線基板41においては、
絶縁層42a〜42c,42e,42fおよび42hは基本的には同
じ比誘電率を有する絶縁材料で形成されている。絶縁層
42b上には信号配線群43が形成され、絶縁層42c上には
信号配線群43に対向させて広面積の電源配線層もしくは
接地配線層44が形成されており、信号配線群43はマイク
ロストリップ線路構造を有している。
【0050】なお、信号配線群43に含まれる複数の信号
配線は、それぞれ異なる電気信号を伝送するものとして
もよい。
【0051】この例では、多層配線基板41の上面にはマ
イクロプロセッサやASIC等の複数の半導体素子411
aおよび411bが搭載され、錫鉛合金(Sn−Pb)等
の半田や金(Au)等から成る導体バンプ412および複
数の半導体素子411a・411bを接続するための半導体素
子接続用電極413を介して多層配線基板41と電気的に接
続されている。また、多層配線基板41の複数の半導体素
子411a・411bを搭載する上面と反対側の下面には複数
の半導体素子411a・411bに電源供給を行なうための外
部電極410を有している。
【0052】また、45〜49は44と同じく広面積の電源配
線層もしくは接地配線層であり、この例では、これら電
源配線層もしくは接地配線層44〜46により、2個の内蔵
キャパシタが形成され、電源配線層もしくは接地配線層
47〜49により、2個の内蔵キャパシタが形成されてい
る。このとき、電源配線層もしくは接地配線層44,46,
47および49と電源配線層もしくは接地配線層45および48
は異なるものである。つまり、44,46,47および49が電
源配線層の場合、45および48は接地配線層であり、44,
46,47および49が接地配線層の場合、45および48は電源
配線層である。
【0053】また、この例において、上面に電源配線層
もしくは接地配線層45が形成された絶縁層42dは、上面
に電源配線層もしくは接地配線層44が形成された絶縁層
42cより比誘電率が大きい絶縁材料で形成されている。
これにより、電源配線層もしくは接地配線層44と電源配
線層もしくは接地配線層45との間に形成された第一の内
蔵キャパシタと、電源配線層もしくは接地配線層45と電
源配線層もしくは接地配線層46の間に形成された第二の
内蔵キャパシタとのキャパシタンス値が異なるものとな
り、それぞれの内蔵キャパシタは異なる共振周波数を含
むインピーダンス特性となる。同様に上面に電源配線層
もしくは接地配線層48が形成された絶縁層42gは、上面
に電源配線層もしくは接地配線層47が形成された絶縁層
42fより比誘電率が大きい絶縁材料で形成されている。
これにより、電源配線層もしくは接地配線層47と電源配
線層もしくは接地配線層48との間に形成された第三の内
蔵キャパシタと、電源配線層もしくは接地配線層48と電
源配線層もしくは接地配線層49の間に形成された第四の
内蔵キャパシタとのキャパシタンス値が異なるものとな
り、それぞれの内蔵キャパシタは異なる共振周波数を含
むインピーダンス特性となる。
【0054】この例では、第一の内蔵キャパシタのイン
ピーダンス特性に含まれる共振周波数を半導体素子411
aの各動作周波数帯域に合わせ、第二の内蔵キャパシタ
のインピーダンス特性に含まれる共振周波数を高調波成
分の周波数帯域に合わせている。同様に、第三の内蔵キ
ャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数を
半導体素子411bの各動作周波数帯域に合わせ、第四の
内蔵キャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周
波数を高調波成分の周波数帯域に合わせている。内蔵キ
ャパシタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数
は、広面積の電源配線層もしくは接地配線層44〜49で形
成された内蔵キャパシタのキャパシタンス値を変えるこ
とで任意に設定することが可能である。この例では、上
面に電源配線層もしくは接地配線層45が形成された絶縁
層42d、同様に上面に電源配線層もしくは接地配線層48
が形成された絶縁層42gの比誘電率を変えることで、内
蔵キャパシタのキャパシタンス値を変えて、内蔵キャパ
シタのインピーダンス特性に含まれる共振周波数を所望
の値に設定している。
【0055】また、電源配線層および接地配線層を広面
積として数nFという大きなキャパシタンス値を有する
内蔵キャパシタを形成することができるため、複数の半
導体素子の動作周波数が数MHzと低い周波数帯域にお
いても同時スイッチングノイズを低減することが可能で
ある。
【0056】さらに、これらの共振周波数間に発生する
反共振周波数における合成インピーダンス値を所定値以
下として、複数の半導体素子411a・411bの各動作周波
数から高調波成分の周波数帯域の範囲における合成イン
ピーダンス値を広い周波数帯域で小さくしている。特
に、反共振周波数における合成インピーダンス値を1Ω
以下とすることにより、複数の半導体素子411a・411b
の各動作周波数が数GHz以上の高周波領域においても
十分に効果的な同時スイッチングノイズの低減を行なう
ことが可能となる。
【0057】本発明の多層配線基板においては、同様の
配線構造をさらに多層に積層して多層配線基板を構成し
てもよい。
【0058】また、信号配線の構造は、信号配線に対向
して形成された電源配線層もしくは接地配線層を有する
マイクロストリップ構造の他、信号配線の上下に電源配
線層もしくは接地配線層を有するストリップ構造、信号
配線に隣接して電源配線層もしくは接地配線層を形成し
たコプレーナ構造であってもよく、多層配線基板に要求
される仕様等に応じて適宜選択して用いることができ
る。
【0059】また、チップ抵抗・薄膜抵抗・コイルイン
ダクタ・クロスインダクタ・チップコンデンサまたは電
解コンデンサ等といったものを取着して多層配線基板を
構成してもよい。
【0060】また、各絶縁層の平面視における形状は、
正方形状や長方形状の他に、菱形状、六角形状または八
角形状等の形状であってもよい。
【0061】そして、このような本発明の多層配線基板
は、半導体素子収納用パッケージ等の電子部品収納用パ
ッケージや電子部品搭載用基板、多数の半導体素子が搭
載されるいわゆるマルチチップモジュールやマルチチッ
プパッケージ、あるいはマザーボード等として使用され
る。
【0062】本発明の多層配線基板おいて、各絶縁層
は、例えばセラミックグリーンシート積層法によって、
酸化アルミニウム質焼結体・窒化アルミニウム質焼結体
・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ムライト質焼
結体またはガラスセラミックス等の無機絶縁材料を使用
して、あるいはポリイミド・エポキシ樹脂・フッ素樹脂
・ポリノルボルネンまたはベンゾシクロブテン等の有機
絶縁材料を使用して、あるいはセラミックス粉末等の無
機絶縁物粉末をエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で結合し
て成る複合絶縁材料などの電気絶縁材料を使用して形成
される。
【0063】これらの絶縁層は以下のようにして作製さ
れる。例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合で
あれば、まず、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カル
シウムまたは酸化マグネシウム等の原料粉末に適当な有
機バインダや溶剤等を添加混合して泥漿状となすととも
に、これを従来周知のドクターブレード法を採用してシ
ート状となすことによってセラミックグリーンシートを
得る。そして、各信号配線群および各配線導体層と成る
金属ペーストを所定のパターンに印刷塗布して上下に積
層し、最後にこの積層体を還元雰囲気中、約1600℃の温
度で焼成することによって製作される。
【0064】また、例えばエポキシ樹脂から成る場合で
あれば、一般に酸化アルミニウム質焼結体から成るセラ
ミックスやガラス繊維を織り込んだ布にエポキシ樹脂を
含浸させて形成されるガラスエポキシ樹脂等から成る絶
縁層の上面に、有機樹脂前駆体をスピンコート法もしく
はカーテンコート法等の塗布技術により被着させ、これ
を熱硬化処理することによって形成されるエポキシ樹脂
等の有機樹脂から成る絶縁層と、銅を無電解めっき法や
蒸着法等の薄膜形成技術およびフォトリソグラフィー技
術を採用することによって形成される薄膜配線導体層と
を交互に積層し、約170℃程度の温度で加熱硬化するこ
とによって製作される。
【0065】これらの絶縁層の厚みとしては、使用する
材料の特性に応じて、要求される仕様に対応する機械的
強度や電気的特性等の条件を満たすように適宣設定され
る。
【0066】また、異なる比誘電率を有する絶縁層を得
るための方法としては、例えば酸化アルミニウム・窒化
アルミニウム・炭化珪素・窒化珪素・ムライトまたはガ
ラスセラミックス等の無機絶縁材料や、あるいはポリイ
ミド・エポキシ樹脂・フッ素樹脂・ポリノルボルネンま
たはベンゾシクロブテン等の有機絶縁材料にチタン酸バ
リウム・チタン酸ストロンチウム・チタン酸カルシウム
またはチタン酸マグネシウム等の高誘電体材料の粉末を
添加混合し、しかるべき温度で加熱硬化することによっ
て、所望の比誘電率のものを得るようにすればよい。
【0067】このとき、無機絶縁材料や有機絶縁材料に
添加混合する高誘電体材料の粒径は、無機絶縁材料ある
いは有機絶縁材料に高誘電体材料を添加混合したことに
よって起こる絶縁層内の比誘電率のバラツキの発生の低
下や、絶縁層の粘度変化による加工性の低下を低減する
ため、0.5μm〜50μmの範囲とすることが望ましい。
【0068】また、無機絶縁材料や有機絶縁材料に添加
混合する高誘電体材料の含有量は、絶縁層の比誘電率を
大きな値とするためと、無機絶縁材料や有機絶縁材料と
高誘電体材料の接着強度の低下を防止するために、5重
量%〜75重量%とすることが望ましい。
【0069】また、各信号配線群や電源層もしくは接地
層としての広面積パターンは、例えばタングステン
(W)・モリブデン(Mo)・モリブデンマンガン(M
o−Mn)・銅(Cu)・銀(Ag)または銀パラジウ
ム(Ag−Pd)等の金属粉末メタライズ、あるいは銅
(Cu)・銀(Ag)・ニッケル(Ni)・クロム(C
r)・チタン(Ti)・金(Au)またはニオブ(N
b)やそれらの合金等の金属材料の薄膜等により形成す
ればよい。
【0070】具体的には各信号配線群や電源層もしくは
接地層としての広面積パターンをWの金属粉末メタライ
ズで形成する場合は、W粉末に適当な有機バインダや溶
剤等を添加混合して得た金属ペーストを絶縁層と成るセ
ラミックグリーンシートに所定のパターンに印刷塗布
し、これをセラミックグリーンシートの積層体とともに
焼成することによって形成することができる。
【0071】他方、金属材料の薄膜で形成する場合は、
例えばスパッタリング法・真空蒸着法またはメッキ法に
より金属膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により
所定の配線パターンに形成することができる。
【0072】このような多層配線基板は、各信号配線群
が配設されている絶縁層の比誘電率に応じて、各信号配
線群の配線幅を適宣設定することで、各信号配線群の信
号配線の特性インピーダンス値を同一値とすることがで
きる。
【0073】なお、本発明は上記の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更を行なうことは何ら差し支えない。例え
ば、3つ以上の信号配線群を異なる絶縁層間に形成した
ものについて適用してもよい。また、多層配線基板内に
形成するキャパシタの数を3個以上としてもよい。さら
に、電源層もしくは接地層のパターンの形状を、多数の
開口部を有するいわゆるメッシュパターンの形状として
もよい。
【0074】
【発明の効果】本発明の多層配線基板によれば、複数の
絶縁層が積層されて成る絶縁基板の上面に半導体素子接
続用電極および下面に半導体素子に電源供給するための
外部電極が設けられ、内部に電源配線層と接地配線層と
が前記絶縁層を挟んで対向配置されて形成された複数の
内蔵キャパシタを具備し、前記外部電極より前記内蔵キ
ャパシタを介して複数の前記半導体素子に電源供給する
多層配線基板であって、複数の前記内蔵キャパシタは、
複数の前記半導体素子に対応させて形成されており、複
数の前記半導体素子のそれぞれの動作周波数帯域から高
調波成分の周波数帯域の範囲において異なる共振周波数
を有する複数のものが並列接続されるように形成され、
かつ前記異なる共振周波数間に発生する反共振周波数に
おける合成インピーダンス値が所定値以下であるものと
したことから、インピーダンス値が最も低い共振周波数
をそれぞれの内蔵キャパシタ毎に半導体素子の動作周波
数から高調波成分の周波数帯域の範囲で分散させて設定
することができ、それぞれの半導体素子の動作周波数領
域から高調波成分の広い周波数範囲において、内蔵キャ
パシタのインピーダンス値を小さくすることができる。
【0075】また、複数の内蔵キャパシタの反共振周波
数における合成インピーダンス値を1Ω以下としたとき
には、電源配線層および接地配線層のインダクタンス成
分が小さくなり、複数の半導体素子の動作周波数が数G
Hz以上の高周波帯域においても、その高調波成分の周
波数帯域を含めて同時スイッチングノイズを低減するこ
とが可能となる。
【0076】また、電源配線層および接地配線層を広面
積として数nFという大きなキャパシタンス値を有する
内蔵キャパシタを形成することができるため、半導体素
子の動作周波数が数MHzと低い周波数帯域においても
同時スイッチングノイズを低減することが可能である。
【0077】さらには、内蔵キャパシタのインピーダン
ス特性に含まれる反共振周波数を、複数の内蔵キャパシ
タのキャパシタンス値を制御することによって、電気信
号に含まれる高調波成分の周波数と一致しない周波数に
設定できることから、EMIノイズを低減することも可
能となる。
【0078】以上の結果、本発明によれば、同時スイッ
チングノイズとEMIノイズを共に低減することができ
る、高速で動作する半導体素子等の電子部品を搭載する
電子回路基板等に好適な多層配線基板を提供することが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の実施の形態の一例を示
す断面図である。
【図2】本発明の多層配線基板における内蔵キャパシタ
のインピーダンス特性の一例を示す線図である。
【図3】本発明の多層配線基板の実施の形態の他の例を
示す断面図である。
【図4】本発明の多層配線基板の実施の形態の他の例を
示す断面図である。
【図5】(a)は本発明の多層配線基板の実施の形態の
一例を示す要部断面図であり、(b)は、本発明の多層
配線基板の内蔵キャパシタのインピーダンス特性の一例
を示す図である。
【符号の説明】
1、31、41・・・多層配線基板 2、32、42・・・絶縁基板 2a〜2h、32a〜32h、42a〜42h・・・絶縁層 4〜9、34〜39、44〜49・・・電源配線層もしくは接地
配線層 10、310、410・・・外部電極 13、313、413・・・半導体素子接続用電極 11a、11b、311a、311b、411a、411b・・・半導体
素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板
    の上面に半導体素子接続用電極および下面に半導体素子
    に電源供給するための外部電極が設けられ、内部に電源
    配線層と接地配線層とが前記絶縁層を挟んで対向配置さ
    れて形成された複数の内蔵キャパシタを具備し、前記外
    部電極より前記内蔵キャパシタを介して複数の前記半導
    体素子に電源供給する多層配線基板であって、複数の前
    記内蔵キャパシタは、複数の前記半導体素子に対応させ
    て形成されており、複数の前記半導体素子のそれぞれの
    動作周波数帯域から高調波成分の周波数帯域の範囲にお
    いて異なる共振周波数を有する複数のものが並列接続さ
    れるように形成され、かつ前記異なる共振周波数間に発
    生する反共振周波数における合成インピーダンス値が所
    定値以下であることを特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】 前記複数の内蔵キャパシタの反共振周波
    数における合成インピーダンス値を1Ω以下としたこと
    を特徴とする請求項1記載の多層配線基板。
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