JP2003105049A - ポリフェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリフェノール樹脂の製造方法

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JP2003105049A
JP2003105049A JP2001304805A JP2001304805A JP2003105049A JP 2003105049 A JP2003105049 A JP 2003105049A JP 2001304805 A JP2001304805 A JP 2001304805A JP 2001304805 A JP2001304805 A JP 2001304805A JP 2003105049 A JP2003105049 A JP 2003105049A
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Yasumasa Akatsuka
泰昌 赤塚
Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Shiyouichi Tomita
匠一 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】その硬化物が十分なフレキシビリティーと難燃
性を示し、しかも樹脂中の塩素不純物の量が少ないポリ
フェノール樹脂を提供すること。 【解決の手段】フェノールとビスクロロメチルビフェニ
ル、ビスメチロールビフェニルもしくはビスメトキシメ
チルビフェニルとを縮合反応させた後、未反応のフェノ
ールを除去し、再度水に対する溶解性の低い沸点が10
0℃以上の溶剤の存在下でビスクロロメチルビフェニル
と反応させた後、系中に水を加え撹拌下で、溶剤中に残
存する塩酸を水側に溶解せしめた後、再度100℃以上
に加熱し塩酸を含む水を系外に留去し、更に130〜2
50℃で20〜0.001mmHgで溶剤を留去するこ
とを特徴とするポリフェノール樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン系難燃剤や
アンチモン化合物を含有しなくても難燃性に優れる硬化
物を与え、しかもフィルムを形成するだけのフレキシビ
リティーを有するポリフェノール樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させ
ることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品
性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となり、接
着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い
分野に利用されている。従来、最も一般的に使用されて
きたエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ
樹脂が挙げられる。その他難燃剤としてはテトラブロモ
ビスフェノールA及びそのエポキシ化物、或いはテトラ
ブロモビスフェノールAにビスフェノールA型エポキシ
樹脂を反応させた化合物などが一般的に知られている。
またエポキシ樹脂の硬化剤としては酸無水物やアミン系
化合物が知られているが電気・電子部品分野では信頼性
の面からフェノールノボラックが使用されることが多
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような臭素を含有する化合物は、難燃性には優れてい
るものの廃棄、焼却時に環境汚染の原因となる物質を発
生させる可能性がある点が指摘されている。また難燃性
助剤として使用されるアンチモン化合物も同様にその毒
性が懸念されている。近年の環境保護意識の高まりから
エポキシ樹脂組成物においてもハロゲンフリー、アンチ
モンフリーの要望が高まっている。また、フェノールノ
ボラックによるエポキシ樹脂の硬化物は信頼性には優れ
ているものの、その硬化物は剛直でフレキシビリティー
に欠ける。近年の電気・電子部品の形態は従来の大型パ
ッケージやガラス繊維を基材とした基板だけではなく、
ポリイミドやPETフィルム、金属泊上にワニスの状態
で塗布した後、溶剤を除去するシート状の成形物が開発
されている。この様な場合使用される樹脂には十分なフ
レキシビリティーが要求される。また、この様な樹脂を
製造する場合、原料に塩素を含む化合物を用いる場合が
多いが、反応が十分に進行しないと樹脂中に有機塩素が
残存してしまう。この様な有機塩素の存在は、過酷な信
頼性試験の要求される電気・電子部品用途には極めて不
都合である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこうした実
状に鑑み、難燃性に優れた硬化物を与え、シート状に成
形してもフレキシビリティーを損なわず、しかも有機塩
素の残存量が少ないポリフェノール樹脂を求めて鋭意研
究した結果、本発明を完成させるに到った。
【0005】すなわち本発明は、(1)下記式(1)
【0006】
【化3】 (式中、Xは塩素原子、メトキシ基又は水酸基を表
す。)で表される化合物1モルに対しフェノールを通常
1.5〜10モルの割合で縮合反応(1段目縮合反応)
させた後、未反応のフェノールを除去し、得られた化合
物のフェノール性水酸基1当量に対して、式(2)
【0007】
【化4】 で表される化合物を、水に対する溶解性が低い沸点が1
00℃以上の溶剤の存在下で0.01〜0.45モル縮
合反応(2段目縮合反応)させ、反応終了後、系内の温
度を100℃未満に下げた後、系中に水を加え撹拌下
で、溶剤中に残存する塩酸を水側に溶解せしめた後、再
度100℃以上に加熱し塩酸を含む水を系外に留去した
後更に130〜250℃で20〜0.001mmHgで
溶剤を留去することを特徴とするポリフェノール樹脂の
製造方法、(2)ポリフェノー樹脂の軟化点が100〜
150℃である上記(1)記載の製造方法、に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、前記式
(1)で表される化合物1モルに対しフェノールを通常
1.5〜10モル、好ましくは2〜8モルの割合で縮合
反応(1段目縮合反応)させた後、得られた化合物のフ
ェノール性水酸基1当量に対して、前記式(2)で表さ
れる化合物を特定の溶剤の存在下で縮合反応(2段目縮
合反応)させ、塩素除去工程を経た後、更に加熱減圧下
で溶剤を留去する。本発明において得られるポリフェノ
ール樹脂は、通常下記式(3)
【0009】
【化5】 (式中nは平均重合度を表し、通常4以上である。)で
表される。1段目の縮合反応において、Xが塩素の場合
は触媒は特に必要ではないが、メトキシ基又は、水酸基
の場合は酸触媒を用いる。用い得る酸触媒としては塩
酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる
が、特にパラトルエンスルホン酸が好ましい。酸触媒の
使用量としては前記式(3)で表される化合物1モルに
対し通常0.001〜0.1重量部、好ましくは0.0
05〜0.05重量部である。
【0010】1段目の縮合反応は無溶剤下でも溶剤の存
在下でも行うことが出来る。溶剤を使用する場合、用い
得る溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等が挙げられる。溶剤の使用量としては前記式(1)で
表される化合物とフェノールの合計重量に対して通常1
0〜300重量%、好ましくは20〜250重量%であ
る。
【0011】1段目の縮合反応は前記式(1)で表され
る化合物が完全に消失するまで行う。反応温度としては
通常40〜150℃、反応時間としては通常1〜10時
間である。
【0012】縮合反応終了後、中和、水洗などにより酸
触媒を除去し、次いで加熱減圧下で溶剤及び未反応のフ
ェノールを除去する。
【0013】こうして得られた縮合物は、ビフェニル分
子とフェノール分子がメチレン結合を介して結合した構
造を取り、その重量平均分子量は通常500〜1500
となり、平均分子量によって異なり一概には言えないが
その軟化点は通常50〜100℃程度となる。次いで得
られた縮合物のフェノール性水酸基1当量に対し、前記
式(2)で表される化合物を通常0.01〜0.45モ
ル、好ましくは0.05〜0.4モルの範囲内で加え2
段目の縮合反応を行う。
【0014】2段目の縮合反応は生成物の分子量が大き
くなるにつれ粘度も上昇するため溶剤を使用する。用い
得る溶剤としては沸点が100℃以上、好ましくは10
0〜200℃で酸に対して不活性であり水との親和性が
低く比重が水より小さいものが好ましい。具体的な例と
してはプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレング
リコールモノブチルエーテル等が挙げられる。溶剤は、
生成物の重量に対して通常2〜200重量%、好ましく
は3〜150重量%となるよう予め反応系に添加する
か、適宜反応中に分割して添加する。
【0015】反応は前記式(2)で表される化合物が完
全に消失するまで行う。反応温度としては通常100〜
180℃、反応時間としては通常1〜20時間である。
【0016】尚、1段目の縮合反応において式(1)の
Xが塩素原子である化合物を使用した場合、反応器の一
方から窒素を吹き込み、他方から副反応物として生成す
る塩酸ガスをチューブなどで取り出す。取り出された塩
酸は水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液中
にバブリングしてトラップすることが好ましい。
【0017】反応終了後、100℃未満、好ましくは7
0〜100℃まで冷却を行う。この温度範囲において粘
度が上昇し、撹拌が困難な場合は上記の溶剤の量を調節
する。具体的な溶剤の量としては生成物の重量に対して
10〜150重量%、好ましくは15〜100重量%で
ある。
【0018】系内を70〜100℃に保ち、撹拌下で温
水を加える。温水の量としては生成物の重量に対し通常
10〜300重量%であり、好ましくは20〜200重
量%である。充分撹拌を行った後、100℃から溶剤の
沸点まで昇温し、分留管を用いて塩酸を含んだ水を系外
に除去する。共沸により溶剤も同時に流出するが、分流
管を用いて分液し、溶剤は系中に戻す。
【0019】留去された水が中性に近くなるまで、上記
の水洗工程を繰り返す。通常、必要な水洗回数は2〜1
0回である。水洗終了後、加熱減圧下において溶剤を留
去することにより目的とするポリフェノール樹脂を得る
ことが出来る。この際の加熱温度は130〜250℃、
好ましくは150〜250℃であり、圧力は20〜0.
001mmHg、好ましくは15〜0.003mmHg
である。こうして得られたポリフェノール樹脂の軟化点
は通常100〜150℃であり、好ましくは105〜1
45℃である。以下、このようにして得られたポリフェ
ノール樹脂を本発明のポリフェノール樹脂という。
【0020】本発明のポリフェノール樹脂は、エポキシ
樹脂の硬化剤として用いることが出来る。用い得るエポ
キシ樹脂の具体例としては、ノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフ
ェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフ
ェノール共縮合型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック
型エポキシ樹脂などが挙げられるがこれらは単独で用い
てもよく、2種以上併用してもよい。
【0021】本発明のポリフェノール樹脂と併用し得る
硬化剤としては、例えばアミン系化合物、酸無水物系化
合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げ
られる。併用し得る硬化剤の具体例としては、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロ
ンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体と
エチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無
水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット
酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチ
ルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、
イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体
などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0022】本発明のポリフェノール樹脂を用いたエポ
キシ樹脂組成物において硬化剤の使用量は、エポキシ樹
脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好
ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満た
ない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも
硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れが
ある。
【0023】また本発明のポリフェノール樹脂を用いた
エポキシ樹脂組成物においては硬化促進剤を使用しても
差し支えない。用い得る硬化促進剤の具体例としては2
−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、
2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジ
アザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3
級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類、オクチル酸スズ等の金属化合物等が挙げられる。硬
化促進剤はエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜
5.0重量部が必要に応じ用いられる。
【0024】本発明のポリフェノール樹脂を用いたエポ
キシ樹脂組成物は必要により無機充填材を含有しうる。
用いうる無機充填材の具体例としてはシリカ、アルミ
ナ、タルク等が挙げられる。無機充填材は本発明のエポ
キシ樹脂組成物中において0〜90重量%を占める量が
用いられる。更に本発明のエポキシ樹脂組成物には、シ
ランカップリング剤、ステアリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の離型剤、
顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
【0025】本発明のポリフェノール樹脂を用いたエポ
キシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより
得られる。該エポキシ樹脂組成物は従来知られている方
法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができ
る。例えばエポキシ樹脂と本発明のポリフェノール樹脂
並びに必要により硬化促進剤、無機充填材及び配合剤と
を必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一
になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そ
のエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスフ
ァ−成型機などを用いて成型し、さらに80〜200℃
で2〜10時間加熱することにより硬化物を得ることが
できる。
【0026】また本発明のポリフェノールを用いたエポ
キシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶
解させワニスを調製し、銅箔、ポリイミドフィルム、P
ET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の上に
塗布し加熱下で溶剤を蒸発させ硬化させることによりフ
ィルム状の硬化物を得ることが出来る。また、得られた
ワニスをガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含
浸させ加熱半乾燥して得たプリプレグを熱プレス成型し
て硬化物を得ることもできる。この際の溶剤は、エポキ
シ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量
%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。
【0027】
【実施例】次に本発明を更に実施例により具体的に説明
するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部
である。
【0028】軟化点測定方法 測定装置:メトラー社製 FP80HT 昇温速度:2℃/分 昇温開始温度:50℃
【0029】実施例1 温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガ
スパージを施しながら下記式(4)
【0030】
【化6】 で表される化合物121部、フェノール188部を仕込
み撹拌下で130℃まで昇温し、溶解させた。次いでパ
ラトルエンスルホン酸0.5部を添加し、その後、生成
するメタノールを分留管を用いて系外に除去しながら時
間反応を行った。反応終了後メチルイソブチルケトン2
60部を加え3回水洗を行った後、油層からエバポレー
ターを用いて加熱減圧下、メチルイソブチルケトン及び
未反応のフェノールを除去することにより前記式(3)
で表される化合物(A)168部を得た。得られた化合
物(A)の軟化点は70℃、150℃における溶融粘度
は0.8Pa・s、水酸基当量は203g/eqであっ
た。
【0031】温度計、分留管、冷却管、撹拌器、冷却管
の先端に容器内に発生した塩酸ガスを系外に追い出せる
ようシリコンチューブを取り付けたフラスコに窒素ガス
パージを施しながら、得られた化合物(A)203部、
前記式(2)で表される化合物56.3部、プロピレン
グリコールモノブチルエーテル24.3部を仕込んだ。
次いで、撹拌下で150℃まで昇温させ還流下で脱塩酸
反応を行った。発生した塩酸ガスはシリコンチューブを
通じて系外に除去した。GPC分析により反応を追跡し
式(2)で表される化合物が反応開始後3時間で完全に
消失したことを確認した後、更に3時間撹拌を続け反応
を終了させた。系内の温度を120℃まで冷却したとこ
ろでプロピレングリコールモノブチルエーテル72.9
部を更に追加し溶液粘度を下げた。系内の温度を90℃
まで冷却し70℃の温水を60部加え、90℃で30分
撹拌した。その後150℃まで昇温し、共沸脱水により
塩酸を含む水とプロピレングリコールモノブチルエーテ
ルの一部を系外に留去した。更に分留管を用いて分液を
行い塩酸を含む水は除去しプロピレングリコールモノブ
チルエーテルは系内に戻した。その後、同様に系内の温
度を90℃まで下げ、70℃の温水60部を再び加えて
水洗を行った。この水洗工程を4回行った。各水洗工程
において留去された水中の塩素量を硝酸銀滴定により測
定したところ、表1のような結果となった。
【0032】表1 水洗回数 水洗水中の塩素量(ppm) 1回目 1300 2回目 220 3回目 80 4回目 20
【0033】4回目の水洗を行った後、系中の温度を8
0℃まで下げ、メチルエチルケトン243部を加えて希
釈しポリフェノール樹脂の固形分50%溶液486部を
得た。得られた溶液からエバポレーターを用いて180
℃、5mmHgで溶剤を留去したところ式(3)で表さ
れるポリフェノール樹脂239部が得られた。得られた
樹脂の軟化点は128.9℃、水酸基当量は243g/
eqであった。また得られた樹脂50mgを試料燃焼装
置で燃焼分解後、生成ガスを吸収液(ミリポア水)10
mlに吸収させ、吸収液をイオンクロマト分析したとこ
ろ樹脂中の塩素含有量は190ppmであった。
【0034】オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(EOCN−1020−62、日本化薬株式会社製、
エポキシ当量200g/eq、軟化点62℃)を用い、
硬化剤として得られたポリフェノール樹脂、触媒として
トリフェニルホスフィン(TPP)を表2に示す重量比
で配合し、メチルエチルケトンに溶解し均一に溶解せし
めてワニスとした。
【0035】表2 配合物の組成 EOCN−1020−62 100 ポリフェノール樹脂 122 トリフェニルホスフィン 1 メチルエチルケトン 223
【0036】この様にして得たワニスをアプリケータを
用いて、乾燥後の厚さが25μmになるようにポリイミ
ドフィルムに塗布し試験片を得た。次いでこの試験片を
180℃で3時間加熱することにより硬化物を得た。得
られたポリイミドフィルム上の硬化物はポリイミドフィ
ルムを丸めてもひび割れすることが無く、十分なフィル
ム形成能を有していた。また、この硬化物をUL94−
VTMに従って難燃性の試験を行ったところ、いずれも
VTM−0をクリアすることが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明のポリフェノール樹脂はエポキシ
樹脂の硬化剤として使用し、フィルム状に成形された場
合、十分なフレキシビリティーを示し、しかもハロゲン
を用いることなく難燃性を示した。しかも、その硬化物
は重樹脂中に含有される塩素の量が極めて少ないため、
この樹脂を材料として用いた電子部品は信頼性に富み、
封止材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジス
トなどの広範囲の用途にきわめて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (式中、Xは塩素原子、メトキシ基又は水酸基のいずれ
    かを表す。)で表される化合物1モルに対しフェノール
    を1.5〜10モルの範囲で縮合反応(1段目縮合反
    応)させた後、加熱減圧下で未反応のフェノールを除去
    し、得られた化合物のフェノール性水酸基1当量に対し
    て、式(2) 【化2】 で表される化合物を、水に対する溶解性の低い沸点が1
    00℃以上の溶剤の存在下で0.01〜0.45モル縮
    合反応(2段目縮合反応)させ、反応終了後、系内の温
    度を100℃未満に下げた後、系中に水を加え撹拌下
    で、溶剤中に残存する塩酸を水側に溶解せしめた後、再
    度100℃以上に加熱し塩酸を含む水を系外に留去した
    後、更に130〜250℃で20〜0.001mmHg
    で溶剤を除去することを特徴とするポリフェノール樹脂
    の製造方法。
  2. 【請求項2】ポリフェノー樹脂の軟化点が100〜15
    0℃である請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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