JP2003104362A - 樹脂製箱 - Google Patents

樹脂製箱

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JP2003104362A
JP2003104362A JP2001294775A JP2001294775A JP2003104362A JP 2003104362 A JP2003104362 A JP 2003104362A JP 2001294775 A JP2001294775 A JP 2001294775A JP 2001294775 A JP2001294775 A JP 2001294775A JP 2003104362 A JP2003104362 A JP 2003104362A
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resin
thin
resin sheet
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JP2001294775A
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English (en)
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Seiji Terajima
聖二 寺嶋
Takeshi Minaba
健 皆葉
Koji Yamatsuta
浩治 山蔦
Yoshinori Omura
吉典 大村
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Sumika Plastech Co Ltd
Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返しの使用に耐え、接合部の隙間を無く
し、ゴミなどの異物の箱内への侵入を防止し得る樹脂製
箱を提供する。 【解決手段】 熱可塑性の樹脂シート2は、発泡倍率が
1.5〜9倍の発泡層からなる単層樹脂シート、または
少なくとも一層の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少
なくとも一層の非発泡層とを含む多層樹脂シートであ
る。接合部5は、側面部9における蓋部8との折り曲げ
部3および底部10との折り曲げ部3の間の長さを有し
て該側面部9に積層融着される。接合部5の融着面5a
は蓋部8との折り曲げ部3および底部10との折り曲げ
部3の間で連続している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製箱に関する
ものであり、特に、繰り返し使用可能な通い箱に適する
樹脂製箱に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種物品の輸送のための容器とし
て、紙段ボール箱や、プラクチック段ボール箱に代表さ
れる樹脂製箱が使用されてきた。
【0003】しかし、紙段ボール製の箱は、紙でできて
いることから水気に弱いため繰り返し使用に耐え難く、
また、紙粉が内容物に混入するという問題がある。
【0004】そこで、紙段ボール箱の代替品として、特
開平8−164933号公報および特開2000−79
940号公報には樹脂シートを折り曲げて形成した樹脂
製箱が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂シートを折り曲げて形成した樹脂製箱では、面
と面との接合部は、金属ステッチ(Stitch)、金属錨、樹
脂ピンなどで接合されていた。このような接合方法で
は、ピン状の部材で接合するため、接合面がある面積を
持ったスポットでかつ任意の間隔にて接合されている。
【0006】したがって、完全な密着状態ではなく、箱
を段積み使用する際に、スポット接合間に隙間が発生
し、その隙間から箱内にゴミが混入する等の問題があ
る。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、繰り返しの使用に耐え、
接合部の隙間を無くし、ゴミなどの異物の箱内への侵入
を防止し得る樹脂製箱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂シートに
よって構成された箱において、側面部の接合片の融着部
は、蓋部との折り曲げ部および底部との折り曲げ部の間
で連続しており、接合片における接合面に切れ目がない
ことにより、隙間からゴミなどの異物が侵入することが
ないことを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の樹脂製箱は、上記課題
を解決するために、開閉自在の蓋部および底部に対して
それぞれ折り曲げ部を介してつながっている側面部が2
面以上隣接して構成され、かつ隣接した側面部の少なく
とも片側の開放側端部に接合片を設けた一枚または複数
枚の熱可塑性樹脂シートを折り曲げて形成した樹脂製箱
において、上記熱可塑性樹脂シートは、発泡倍率が1.
5〜9倍の発泡層からなる単層樹脂シート、または少な
くとも一層の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少なく
とも一層の非発泡層とを含む多層樹脂シートである一
方、上記接合片は、側面部における蓋部との折り曲げ部
および底部との折り曲げ部の間の長さを有して該側面部
に積層融着されるとともに、この接合片の融着面は蓋部
との折り曲げ部および底部との折り曲げ部の間で連続し
ていることを特徴としている。
【0010】上記の発明によれば、接合片は、側面部に
おける蓋部との折り曲げ部および底部との折り曲げ部の
間の長さを有して該側面部に積層融着されるとともに、
この接合片の融着面は蓋部との折り曲げ部および底部と
の折り曲げ部の間で連続している。
【0011】このため、接合片の融着面は蓋部との折り
曲げ部および底部との折り曲げ部の間で連続しているの
で、接合片における接合面に切れ目がない。このため、
隙間からゴミが侵入するという懸念がない。また、熱可
塑性樹脂シート自体を融着し、他の接着剤を使用しない
ので、リサイクル性に優れる。
【0012】一方、本発明では、熱可塑性樹脂シート
は、発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層からなる単層樹脂
シート、または少なくとも一層の発泡倍率が1.5〜9
倍の発泡層と少なくとも一層の非発泡層とを含む多層樹
脂シートである。
【0013】すなわち、発泡倍率が1.5倍未満の非発
泡層からなる単層樹脂シート、または全ての層が発泡倍
率1.5倍未満の非発泡層である多層樹脂シートである
場合には、箱に形成した場合に重くなる。また、発泡倍
率が1.5倍未満の非発泡層である場合には、例えば、
加熱融着する場合に、融着する熱可塑性樹脂シート表面
の密度が大きいため、加熱時間を多く必要とするので、
生産性について好ましくない。一方、発泡倍率が9倍を
超える発泡層からなる単層樹脂シートは剛性が十分では
ない。
【0014】この結果、繰り返しの使用に耐え、接合部
の隙間を無くし、ゴミなどの異物の箱内への侵入を防止
し得る樹脂製箱を提供することができる。
【0015】また、本発明の樹脂製箱では、上記記載の
樹脂製箱において、折り曲げ部には、平行な2本以上の
薄肉部が形成されている一方、上記互いに隣接する各側
面部における蓋部との各折り曲げ部同士、および底部と
の各折り曲げ部同士は、箱の深さ方向にシート厚さの1
〜1.2倍の段差を有して形成されていることを特徴特
徴としている。
【0016】上記の発明によれば、互いに隣接する各側
面部における蓋部との各折り曲げ部同士、および底部と
の各折り曲げ部同士は、箱の深さ方向にシート厚さの1
〜1.2倍の段差を有して形成されている。このため、
隣合う蓋部同士または底部同士をそれぞれ90度に折り
曲げる場合には、シート厚さの1〜1.2倍の段差が存
在するので、各蓋部同士または底部同士で衝突すること
がなく、その結果、蓋部または底部の立ち上がりを防止
することができる。また、各蓋部同士または底部同士の
重なり部分における隙間を低減することができるので、
異物の混入を防止することができる。
【0017】さらに、折り曲げ部には、平行な2本以上
の薄肉部が形成されているので、1本の薄肉部が形成さ
れた折り曲げ部よりも容易に折り曲げることができる。
このため、組み立て時および物品の収容時の作業効率が
改善されるという利点を有するとともに、折り曲げ部に
おける反発が低減される。
【0018】したがって、ゴミなどの異物の混入を防止
するとともに、折り曲げ部における反発を低減し、箱の
組み立て時や箱内への荷物の収容時の作業性を向上し得
る樹脂製箱を提供することができる。
【0019】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部の長さが折り曲げ部の長さより
も短いことを特徴としている。
【0020】上記の発明によれば、薄肉部の長さが折り
曲げ部の長さよりも短いので、折り曲げ部の全てを薄肉
部にした場合よりも、折り曲げの耐久性が向上し、容易
に折り曲げ部にて引裂破断されるということがない。
【0021】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部が外側になるように形成されて
いることを特徴としている。
【0022】上記の発明によれば、薄肉部が外側になる
ように形成されているので、折り曲げ部における外側表
面に作用する張力が低減される。特に、2本以上の薄肉
部が外側表面に形成されている場合には、1本の薄肉部
が形成されているよりも、繰り返しの折り曲げに対して
耐久性に優れたものとなる。すなわち、1本の薄肉部を
繰り返し折り曲げると、局所部分の損傷が大きく破損し
易いが、2本以上の薄肉部が外側表面に形成されている
場合には、折り曲げが湾曲状に行なわれるので、折り曲
げ部における損傷が1本の薄肉部に対して小さい。した
がって、繰り返しの折り曲げによる破損を防止すること
ができ、通い箱として使用するのに好ましい樹脂製箱を
提供することができる。
【0023】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、折り曲げ部における2本以上の薄肉部
は、薄肉部の溝幅の和がシート厚さの1.4〜1.7倍
となるように形成されていることを特徴としている。な
お、溝幅とは溝の表面における最大開口幅をいう。
【0024】すなわち、折り曲げ部を垂直に折り曲げる
場合には、折り曲げ部の外側表面に作用する張力を低減
すれば、折り曲げ部の反発を低減し、樹脂製箱の胴膨ら
みを低減することができる。
【0025】この点、本発明によれば、折り曲げ部にお
ける2本以上の薄肉部は、薄肉部の溝幅の和がシート厚
さの1.4〜1.7倍となるように形成されている。
【0026】したがって、この値は理論的に、折り曲げ
部の外側表面に作用する張力を低減する値であるので、
折り曲げ部の外側表面に作用する張力を低減して、折り
曲げ部の反発を低減し、樹脂製箱の胴膨らみを低減する
ことができる。
【0027】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂が
プロピレン系樹脂であることを特徴としている。
【0028】上記の発明によれば、熱可塑性樹脂シート
を構成する樹脂がプロピレン系樹脂からなっているの
で、一体成形性に加えて、熱融着性、耐熱性、耐水性、
耐油性および耐薬品性等の各種性能において優れた樹脂
製箱を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0030】本実施の形態の箱1は、図2に示すよう
に、折り畳み可能な箱である。上記の箱1は、厚さ2〜
10mmの樹脂シート2で構成されている。当該箱1
は、連続した1枚の樹脂シート2で構成されていてよ
く、また、適宜の手段で接合された2枚以上の樹脂シー
ト2で構成されていてもよいが、箱1を構成している少
なくとも一枚の樹脂シート2には、少なくとも一つの折
り曲げ部3が存在する。
【0031】この折り曲げ部3は、例えば、連続した樹
脂シート2から形成された隣接する二面4・4間の辺部
3aであることができ、あるいは、図1に示すように、
一の面4と、該面4と連続しており該面4を他の面4に
接合するための接合片としての接合部5との境界となる
折り曲げ部3bであることもできる。
【0032】上記の箱1では、図3(a)(b)(c)
に示すように、樹脂シート2の折り曲げ部3に、最小厚
さが樹脂シート2の一般部6の厚さの1/10以上、2
/3以下である薄肉部7が形成されている。該薄肉部7
の厚さは、より好ましくは樹脂シート2の一般部6の厚
さの1/5以上、1/2以下である。すなわち、一般部
6の厚さの1/10未満になると、繰り返しの折り曲げ
に対して剥離による破損が生じ易くなる。一方、一般部
6の厚さの2/3を超えると、後述する折り曲げ部3に
作用する反発力が強くなり過ぎる。なお、該薄肉部7の
溝幅は、樹脂シート2の一般部6の厚さの1/2以上で
あることが好ましい。
【0033】本実施の形態の箱1は、樹脂シート2の折
り曲げ部3にこのような寸法の薄肉部7が形成されてい
るので、樹脂シート2の折り曲げ部3に作用する反発力
(復元力)が低減され、それゆえ、箱1の組み立てや箱
1内部への荷物の収容を容易に行うことができる。ま
た、樹脂シート2の折り曲げ部3に作用する反発力が低
減されているので、箱1自体に内在する歪みも低減され
ており、そのため、接合部の剥離などによる箱1の破損
が効果的に防止される。
【0034】上記樹脂シート2の折り曲げ部3における
薄肉部7は、例えば、樹脂シート2を適宜の手段を用い
て加熱圧縮することにより形成することができる。該薄
肉部7は、繰り返し折り曲げや引き裂きに対して特に優
れた耐久性を達成するために、樹脂シート2を延伸しつ
つ形成することが好ましい。具体的には、薄肉部7は、
樹脂の融点よりも5〜40℃低い温度に加熱した加圧治
具(通常は棒状治具)を樹脂シート2に押し付けて、樹
脂シート2の被加圧部の厚さが加圧前の厚さの1/10
以上、2/3以下の所望の厚さになるまで加圧すること
により形成することが好ましい。ここで、樹脂シート2
の主成分がポリプロピレンである場合には、治具の好ま
しい温度領域は120℃以上、150℃以下である。
【0035】上記の樹脂シート2の薄肉部7近傍におけ
る該薄肉部7の長手方向に垂直な断面の外縁形状は特に
限定されず、例えば図3(a)に示すU字形、図3
(b)に示すV字形、図3(c)に示す一辺開放方形な
どが挙げられるが、通常は、薄肉部7への応力集中を効
果的に防止できるという理由から、U字形が好ましい。
また、当該薄肉部7を形成した樹脂シート2を1つ以上
貼り合わせることによって形成される箱1においては、
薄肉部7を外側になるように折り曲げるのが、箱1の直
立性が良くなり好ましい。また、薄肉部7の引き裂きに
対する耐久性の観点から、図4に示すように、薄肉部7
の薄肉長さL1は、当該薄肉部7が形成されている折り
曲げ部3の折り曲げ長さL2よりも短いことが好まし
い。さらにまた、一つの折り曲げ部3には、互いに平行
な2本以上の薄肉部7・7が形成されていることが好ま
しい。この平行な2本以上の薄肉部7・7は、内側に2
本以上であって良いとともに、後述する実施の形態2に
示すように、外側に2本以上であってもよい。
【0036】上記構成の箱1は、少なくとも1枚の樹脂
シート2に対する折り曲げ部3での折り曲げと接合部5
での接合とを適宜施して製造することができる。樹脂シ
ート2の接合は、タッカー止め、ビス止め、融着、接着
などにより行うことができるが、融着または接着が好ま
しい。融着または接着によれば、接合を点ではなく面で
なすことができ、大きな耐荷重を達成することができ
る。
【0037】さらには、融着または接着で全面的に接合
した場合には、接合部分から異物が箱1内に入ることが
なく、安全性および衛生性において極めて好ましい。ま
た、大きな接合力が達成可能であることから、融着が最
も好ましい。融着は、樹脂シート2を熱板に接触させる
か熱板の極近傍に接近させて加熱し、加圧融着させる手
法や、超音波融着、振動融着などの手法により行うこと
ができる。超音波融着は、融着部分の近傍にエネルギー
が集中するため融着部分周辺の材料を傷め難いので、特
に好適である。
【0038】ここで、本実施の形態では、図1に示すよ
うに、特に、接合部5は、側面部9における蓋部8との
折り曲げ部3および底部10との折り曲げ部3の間の長
さを有して該側面部9に積層融着されるようになってい
る。具体的には、接合部5の面積の80%以上の面積が
融着されるようになっている。このため、剥離強度が強
く、箱形状での圧縮強度の優れた箱1を提供することが
できる。すなわち、融着面5aが接合部5の面積の80
%以上であれば、実用上、略接合部5の全面に融着面5
aがあるとすることができる。
【0039】また、本実施の形態では、この接合部5の
融着面5aは蓋部8との折り曲げ部3および底部10と
の折り曲げ部3の間で連続している。このため、接合部
5における融着面5aに切れ目がない。したがって、接
合部5の隙間からゴミが侵入するという懸念がない。ま
た、樹脂シート2自体を融着し、他の接着剤を使用しな
いので、リサイクル性に優れている。
【0040】一方、本実施の形態では、樹脂シート2
は、後述するように、発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層
からなる単層樹脂シート、または少なくとも一層の発泡
倍率が1.5〜9倍の発泡層と少なくとも一層の非発泡
層とを含む多層樹脂シートからなっている。
【0041】すなわち、発泡倍率が1.5倍未満の非発
泡層からなる単層樹脂シート、または全ての層が発泡倍
率1.5倍未満の非発泡層である多層樹脂シートである
場合には、箱に形成した場合に重くなる。また、発泡倍
率が1.5倍未満の非発泡層である場合には、例えば、
加熱融着する場合に、融着する樹脂シート2表面の密度
が大きいため、加熱時間を多く必要とするので、生産性
について好ましくない。一方、発泡倍率が9倍を超える
発泡層からなる単層樹脂シートは剛性が十分ではない。
【0042】この結果、繰り返しの使用に耐え、接合部
の隙間を無くし、ゴミなどの異物の箱1内への侵入を防
止し得る箱1を提供することができる。
【0043】ところで、上記の箱1は、剛性に優れ、か
つ目付量が小さいことが望まれる。この要求を満たすた
めに、本実施の形態の箱1を構成する樹脂シート2の一
般部6における厚さは、2mm以上、かつ10mm以下
である。樹脂シート2がその一般部6において2mmよ
りも薄いと、壁面の剛性は低く、内容物収容状態または
負荷状態における箱形状の保持が困難である。一方、1
0mmよりも厚いと、目付量が過大になるばかりでな
く、容積効率的にも不利である。樹脂シート2の厚さ
は、より好ましくは3mm以上、5mm以下である。
【0044】また、上記樹脂シート2は、後に詳述する
が、例えばプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分
とする樹脂からなっており、例えば発泡倍率約3倍の単
一の発泡層のみで構成された単層発泡シートからなって
いる。この単一の発泡層のみからなる樹脂シート2の発
泡倍率は1.5〜9倍が好ましい。すなわち、一部前述
したように、樹脂シート2の発泡倍率が1.5倍未満で
あると、剛性の割に目付量が大きくなる。また、発泡倍
率が9倍を超えると、剛性が小さく、箱形状の保持が難
しいとともに、耐衝撃性能が不足する。
【0045】また、本実施の形態において、樹脂シート
2としては、単一の発泡層のみで構成された単層発泡シ
ートのみならず、図5(a)〜(d)に示すように、二
以上の発泡層で構成された多層発泡シートや、少なくと
も一層の発泡層と少なくとも一層の非発泡層とで構成さ
れた多層発泡シートも好ましく適用することができる。
多層発泡シートが二以上の発泡層を有する場合には、各
発泡層の素材、発泡倍率などは同一であってもよく、ま
た、異なってもよい。
【0046】上記の樹脂シート2が、発泡層と非発泡層
とを併せ有する発泡シートである箱1は、軽量性と強度
とが両立するので好ましい。具体的には、例えば、非発
泡層と発泡倍率1.5〜9倍の発泡層とからなる発泡シ
ートは、軽量かつ高剛性を達成し易いので好ましい。発
泡層と非発泡層の厚さの比率は、所望の軽量性と強度を
勘案して適宜決定することができる。
【0047】ここで、本実施の形態において、発泡層と
は発泡倍率1.5以上の層を意味し、例えば2〜40倍
程度をいう。一方、非発泡層は、発泡倍率1の完全非発
泡のみならず、発泡倍率に1.5未満の微発泡体も含む
ものとする。
【0048】具体的には、例えば、上記図5(a)に示
すものは、発泡倍率1.5〜9倍であって厚さ2〜10
mmの発泡層を、表面および裏面にて膜厚100〜10
00μmからなる発泡倍率1.5未満の非発泡層を挟持
したものからなっている。なお、同図(a)において
は、いずれか一方の非発泡層を省略したものでもよい。
また、例えば、図5(b)に示すように、下層から順
に、発泡倍率1.5未満の非発泡層、発泡倍率1.5〜
9倍の発泡層、発泡倍率1.5未満の非発泡層、発泡倍
率20〜40倍の発泡層を積層したものであってもよ
い。なお、同図の小円は空隙を表す。さらに、図5
(c)に示すように、下層から順に、発泡倍率1.5未
満の非発泡層、発泡倍率1.5〜9倍の発泡層、発泡倍
率30倍程度の発泡層を積層したものであってもよい。
一方、図5(d)に示すように、下層から順に、発泡倍
率1.5〜9倍の発泡層、発泡倍率1.5未満の非発泡
層、発泡倍率1.5未満の非発泡層、発泡倍率1.5〜
9倍の発泡層というように、芯材として発泡倍率1.5
未満の非発泡層を用いるものも可能である。
【0049】前記の単層の発泡シートは、常圧加熱法、
押出発泡法、加圧発泡法、射出発泡法などにより製造す
ることができる。一方、多層発泡シートは、多層押出発
泡法により製造することができ、また、予め製造したそ
れぞれの層を接着や融着などの手段により積層すること
により製造することもできる。
【0050】また、本実施の形態の箱1を構成する樹脂
シート2の素材は特に限定されないが、プロピレン系樹
脂を主成分とする樹脂が好ましい。これは、プロピレン
系樹脂(特に、ポリプロピレン)が、一体成形性に加え
て、熱融着性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐薬品性等の
各種性能において優れているためである。プロピレン系
樹脂は、その特長が著しく損なわれない限り、エチレン
系樹脂、エラストマーなどを含有してよい。
【0051】また、本実施の形態の箱1を構成する樹脂
シート2は、必要に応じて、シリカ、マイカ、タルク等
の無機充填材、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、
超高分子量ポリエチレン繊維等の補強材、熱安定剤、紫
外線吸収剤、着色剤等の各種添加剤が含有してもよい。
【0052】上記熱安定剤としては、例えば、スミライ
ザーBP101(商品名、住友化学工業製)、ウルトラ
ノックス626(商品名、住友化学工業製)等が挙げら
れる。また、紫外線吸収剤としては、例えば、スミソー
ブS577(商品名、住友化学工業製)が挙げられる。
【0053】さらに、本実施の形態の箱1は、通い箱と
しての使用では、汚れ難いことが望まれる。一般に、樹
脂製の箱は帯電し易く、ごみ等を吸着して汚れ易い。そ
こで、箱1には、帯電防止性能が付与されていることが
好ましい。樹脂シート2ヘの帯電防止性能の付与は、帯
電防止剤の使用により達成することができる。
【0054】適用できる帯電防止剤としては、例えば、
ステアリルエタノールアミン、ステアリルジエタノール
アミン、ラウリルアミン、ラウリルジエタノールアミン
等のアミン化合物、アマイド化合物、ステアリルジエタ
ノールモノステアレート、グリセリン脂肪酸エステル等
のエステル化合物、第4級アンモニウム化合物、ピリジ
ン誘導体、カルボン酸誘導体等が挙げられる。
【0055】上記の帯電防止剤は、単一の化合物であっ
てもよく、二種類以上の化合物の混合物でもよい。ま
た、上に例示した低分子型帯電防止剤のみならず、例え
ば、ポリエーテル系樹脂およびポリアミド系樹脂などの
ポリマー型帯電防止剤を使用することもできる。
【0056】また、上記ポリマー型帯電防止剤の中で
も、下記一般式 HO−[(OC−R1 −NH)x −(OC−(R2 O)
z −)y n −H (式中、n、x、yおよびzは、それぞれ独立した整数
であり、R1 およびR2はそれぞれ独立したアルキル
基、環状脂肪族基または芳香族基である)で表されるポ
リエーテルエステルアミド樹脂が好ましい。
【0057】ところで、箱1が汚れた場合には、その汚
れを拭き取ったり、洗い流すことがある。上に例示した
低分子型帯電防止剤はいずれも水との親和性に優れるた
めに、水洗したとき、これらの帯電防止剤は水とともに
流れてしまい、その結果、箱1の帯電防止性能は失われ
てしまう。そこで、この問題は、上記ポリマー型帯電防
止剤を帯電防止剤として使用することにより解決するこ
とができる。
【0058】樹脂シート2ヘの具体的な帯電防止性付与
の形態としては、樹脂のシートヘの成形前に予め樹脂に
帯電防止剤を練り込む形態、樹脂シート2表面に帯電防
止剤を塗布する形態、および予め作製した帯電防止性能
を有するフィルムを樹脂シート2の表面に貼着する形態
等が挙げられる。
【0059】上記練り込みの場合、帯電防止剤は樹脂シ
ート2の全体に配合されていてもよいが、少量の帯電防
止剤で効率的に帯電防止性能を発揮することができるよ
うに、少なくとも2層で構成した樹脂シート2の帯電防
止性を発揮させたい表面を有する層のみに帯電防止剤を
配合しておくことが好ましい。例えば、樹脂シート2の
片面のみに帯電防止性が求められる場合には、樹脂シー
ト2を少なくとも2層で構成し、帯電防止性が求められ
る表面を有する層のみに帯電防止剤を配合することによ
り、効率的に所望の帯電防止性を達成することができ
る。また、樹脂シート2の両面に帯電防止性が求められ
る場合には、少なくとも3層で構成した樹脂シート2の
両最外層に帯電防止剤を配合することにより、効率的に
所望の帯電防止製を達成することができる。
【0060】このような帯電防止性を有する積層シート
は、例えば共押出成形法により製造することができる。
ポリマー型帯電防止剤を樹脂への練り込みに適用する場
合、その配合量は樹脂の5重量%以上が好ましく、10
重量%以上、かつ20重量%以下がより好ましい。5重
量%未満では、十分な帯電防止性を発現し難いためであ
る。
【0061】一方、本実施の形態の箱1は、図1に示す
ように、開閉自在の蓋部8および底部10に対してそれ
ぞれ折り曲げ部3を介してつながっている側面部9が4
面隣接して構成された熱可塑性の樹脂シート2を折り曲
げて形成するものとなっている。
【0062】そして、折り曲げ部3には、図6に示すよ
うに、平行な2本の薄肉部7・7が形成することが可能
である一方、互いに隣接する各側面部9・9における蓋
部8・8との各折り曲げ部3・3同士は、箱の深さ方向
にシート厚さの1〜1.2倍の段差Zを有している。な
お、図示しないが、底部10との各折り曲げ部3・3同
士についても、箱の深さ方向にシート厚さの1〜1.2
倍の段差Zを有している。また、同図においては、外側
への平行な2本の薄肉部7・7を形成した場合におい
て、シート厚さの1〜1.2倍の段差Zを形成している
が、必ずしもこれに限らず、内側への平行な2本の薄肉
部7・7を形成した場合においてシート厚さの1〜1.
2倍の段差Zを形成することも可能である。また、内側
又は外側を問わず、折り曲げ部3に1本の薄肉部7を形
成した場合においてシート厚さの1〜1.2倍の段差Z
を形成することも可能である。
【0063】上記の構成においては、隣合う蓋部8・8
または底部10・10同士をそれぞれ90度に折り曲げ
る場合には、シート厚さの1〜1.2倍の段差Zが存在
するので、各蓋部8同士または底部10同士で衝突する
ことがなく、その結果、蓋部8または底部10の立ち上
がりを防止することができる。また、各蓋部8同士また
は各底部10同士の重ね合わせ部分で、それぞれが湾曲
して重なり合うということがないため、当該重ね合わせ
部分における隙間を低減できる。このため、異物の混入
を防止することができる。なお、従来の紙製段ボール箱
では、紙が柔らかいので、重ね合わせ部分が互いに吸収
され、隙間がなくなるものと考えられる。
【0064】また、段差Zはシート厚さの1〜1.2倍
となっている。すなわち、この間隔が広すぎると重なり
部分で却って隙間ができる。したがって、段差Zはシー
ト厚さの1〜1.2倍が好ましい。
【0065】また、折り曲げ部3に平行な2本以上の薄
肉部7・7を形成した場合には、1本の薄肉部7が形成
された折り曲げ部3よりも容易に折り曲げることができ
る。
【0066】このため、組み立て時および物品の収容時
の作業効率が改善されるという利点を有するとともに、
折り曲げ部3における反発が低減される。したがって、
折り曲げ部3における反発を低減し、箱1の組み立て時
や箱1内への荷物の収容時の作業性を向上し得る箱1を
提供することができる。
【0067】このように、本実施の形態の箱1は、耐久
性にも優れ、通い箱として好適に使用することができ
る。
【0068】また、本実施の形態の箱1では、折り曲げ
部3の反発が少なく、箱1の組み立て時や箱1内へ物品
の収容時の作業性に優れ、しかも、内部歪みに起因する
破損が生じ難い箱1が提供される。
【0069】なお、本実施の形態の箱1では、熱可塑性
樹脂シートからなり、開閉自在の蓋部8および底部10
に対してそれぞれ折り曲げ部3を介してつながっている
側面部9が4面隣接して構成されているが、必ずしもこ
れに限らず、隣接する2面の側面部9・9における蓋部
8・8同士等および底部10・10同士の重なりを問題
とすることから、少なくとも2面の側面部9・9が設け
られていればよい。すなわち、後述する実施の形態2に
示す箱20のように、樹脂シート21・2を2枚接合し
て形成されるものでもよい。さらに、本実施の形態で
は、箱1は直方体であるので、側面部9は4面存在する
が、側面部9が5面以上する箱1であってもよい。
【0070】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図7ないし図9に基づいて説明すれば、以下の
通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1
の図面に示した部材と同一の機能を有する部材について
は、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、前
記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実
施の形態についても組み合わせて適用し得るものとす
る。
【0071】本実施の形態の箱20は、図7に示す樹脂
シート21を2枚接合して形成されるものとなってい
る。すなわち、樹脂シート21は各蓋部8および底部1
0を含む正面背面構成材21aと側面構成材21bと接
合部22とからなっている。したがって、一枚のシート
で箱20の直方体の4側面を形成するものではない点
で、製造装置の小型化および金型の簡易化等が図れるも
のとなっている。
【0072】一方、本実施の形態では、各一つの折り曲
げ部3には、互いに平行な2本の薄肉部7・7が形成さ
れているとともに、この折り曲げ部3においては2本の
薄肉部7・7を外側にして折り曲げるようになってい
る。また、この2本の薄肉部7・7は、いずれも前記実
施の形態1で述べたと同様に、薄肉部7・7の薄肉長さ
L1は当該薄肉部7・7が形成されている折り曲げ部3
の折り曲げ長さL2よりも短くなっている。したがっ
て、薄肉長さL1の薄肉部7・7の両端は、薄肉ではな
いものとなっている。これよって、この箱20が繰り返
し折曲されて使用される場合においても、折り曲げ部3
での破断を防止することができる。なお、本実施の形態
では、薄肉長さL1の薄肉部7・7の両端に薄肉ではな
い部分を形成しているが、必ずしもこれに限らず、例え
ば、薄肉部7・7の中央の任意の位置に薄肉ではない部
分を1個または複数個形成することが可能である。
【0073】また、上記2本の薄肉部7・7は、本実施
の形態では、図8に示すように、樹脂シート21の厚さ
をtとしたとき、各薄肉部7・7の外側表面開口長さつ
まり溝幅Dの和2Dが、 1.4t≦2D≦1.7t …………(式1) を満たすように設定されている。
【0074】すなわち、樹脂シート21を折り曲げ部3
にて折り曲げるに際して、外側表面にできるだけ引張り
応力がかからないようにするには、外側表面の長さが内
側表面の長さよりも短いことが理想である。いま、内側
表面の曲率半径をXとすると、折り曲げ部3における外
側表面の長さと内側表面との長さとの差Δは、 Δ=2π(X+t)/4−2πX/4 =πt/2 =1.57t となる。したがって、理想的には、1.57t≦2Dと
するのが好ましいが、実用的には、上述したように、
1.4t≦2D≦1.7tであれば、可撓性のない樹脂
シート21を折曲する場合において、胴ふくれは問題と
ならないことが分かった。また、2D≦1.7tとした
のは、各薄肉部7・7の溝幅Dの和2Dが大きすぎる
と、繰り返し使用する場合に、折り曲げ部3での引裂破
断が発生し易いことのためである。なお、上記の薄肉部
7・7は、折り曲げ部3である回転角π/4の間にある
ことが好ましい。
【0075】上記のことから、上記折り曲げ部3の薄肉
部7・7は、必ずしも2本に限らず、例えば、図9
(a)に示すように、外側に3本以上の溝を形成するこ
とが可能である。また、図9(b)に示すように、上記
(式1)の関係を満たして、外側表面に2本の薄肉部7
・7を形成するとともに、内側表面にも例えば1本の薄
肉部7を形成することができる。これによって、箱20
を組み立てたときの該箱20の直立性が良くなる。
【0076】なお、その他の構成、例えば、折り曲げ部
3には段差Zが設けられていること、薄肉部7・7はシ
ート厚さの1/10以上、2/3以下であること、樹脂
シート2は、少なくとも一層の発泡倍率が1.5〜9倍
の発泡層と少なくとも一層の非発泡層とを有する多層樹
脂シートであること、少なくとも一層の発泡倍率が1.
5〜9倍の発泡層を有する単層樹脂シートまたは多層樹
脂シートからなり、その少なくとも最外層には帯電防止
剤が配合されているとすることができること、樹脂がプ
ロピレン系樹脂であること等については、実施の形態1
と同様であるため、説明を省略する。
【0077】このように、本実施の形態の箱20では、
一つの折り曲げ部3には平行な2本2本以上の薄肉部7
・7が長手方向に形成されている。したがって、1本の
薄肉部7が形成された折り曲げ部3よりも容易に折り曲
げることができるとともに、箱20の直立性も向上す
る。
【0078】また、実施の形態の箱20では、薄肉部7
・7が外側になるように形成されているので、折り曲げ
部3における外側表面に作用する張力が低減される。特
に、本実施の形態のように、2本以上の薄肉部7・7が
外側表面に形成されている場合には、1本の薄肉部7が
形成されているよりも、繰り返しの折り曲げに対して耐
久性に優れたものとなる。すなわち、1本の薄肉部7を
繰り返し折り曲げると、局所部分の損傷が大きく破損し
易いが、2本以上の薄肉部7・7が外側表面に形成され
ている場合には、折り曲げが断面形状において湾曲状に
行なわれるので、折り曲げ部3における損傷が1本の薄
肉部に対して小さい。したがって、繰り返しの折り曲げ
による破損を防止することができ、通い箱として使用す
るのに好ましい箱20を提供することができる。
【0079】また、本実施の形態の箱20では、折り曲
げ部3における2本以上の薄肉部7・7は、薄肉部7・
7の溝幅Dの和2Dがシート厚さの1.4〜1.7倍と
なるように形成されている。
【0080】したがって、この値は理論的に、折り曲げ
部3の外側表面に作用する張力を低減する値であるの
で、確実に、折り曲げ部3の外側表面に作用する張力を
低減して、折り曲げ部3の反発を低減し、箱20の胴膨
らみを低減し、ひいては箱20の直立性を確保すること
ができる。
【0081】
【発明の効果】本発明の樹脂製箱は、以上のように、熱
可塑性樹脂シートは、発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層
からなる単層樹脂シート、または少なくとも一層の発泡
倍率が1.5〜9倍の発泡層と少なくとも一層の非発泡
層とを含む多層樹脂シートである一方、上記接合片は、
側面部における蓋部との折り曲げ部および底部との折り
曲げ部の間の長さを有して該側面部に積層融着されると
ともに、この接合片の融着面は蓋部との折り曲げ部およ
び底部との折り曲げ部の間で連続しているものである。
【0082】それゆえ、接合片の融着面は蓋部との折り
曲げ部および底部との折り曲げ部の間で連続しているの
で、接合片における接合面に切れ目がない。このため、
隙間からゴミなどの異物が侵入するという懸念がない。
また、熱可塑性樹脂シート自体を融着し、他の接着剤を
使用しないので、リサイクル性に優れる。
【0083】一方、本発明では、熱可塑性樹脂シート
は、発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層からなる単層樹脂
シート、または少なくとも一層の発泡倍率が1.5〜9
倍の発泡層と少なくとも一層の非発泡層とを含む多層樹
脂シートである。
【0084】すなわち、発泡倍率が1.5倍未満の非発
泡層からなる単層樹脂シート、または全ての層が発泡倍
率1.5倍未満の非発泡層である多層樹脂シートである
場合には、箱に形成した場合に重くなる。また、発泡倍
率が1.5倍未満の非発泡層である場合には、例えば、
加熱融着する場合に、融着する熱可塑性樹脂シート表面
の密度が大きいため、加熱時間を多く必要とするので、
生産性について好ましくない。一方、発泡倍率が9倍を
超える発泡層からなる単層樹脂シートは剛性が十分では
ない。
【0085】この結果、繰り返しの使用に耐え、接合部
の隙間を無くし、ゴミなどの異物の箱内への侵入を防止
し得る樹脂製箱を提供することができるという効果を奏
する。
【0086】また、本発明の樹脂製箱では、上記記載の
樹脂製箱において、折り曲げ部には、平行な2本以上の
薄肉部が形成されている一方、上記互いに隣接する各側
面部における蓋部との各折り曲げ部同士、および底部と
の各折り曲げ部同士は、箱の深さ方向にシート厚さの1
〜1.2倍の段差を有して形成されているものである。
【0087】それゆえ、隣合う蓋部同士または底部同士
をそれぞれ90度に折り曲げる場合には、シート厚さの
1〜1.2倍の段差が存在するので、各蓋部同士または
底部同士で衝突することがなく、その結果、蓋部または
底部の立ち上がりを防止することができる。また、各蓋
部同士または底部同士の重なり部分における隙間を低減
することができるので、異物の混入を防止することがで
きる。
【0088】さらに、折り曲げ部には、平行な2本以上
の薄肉部が形成されているので、1本の薄肉部が形成さ
れた折り曲げ部よりも容易に折り曲げることができる。
このため、組み立て時および物品の収容時の作業効率が
改善されるという利点を有するとともに、折り曲げ部に
おける反発が低減される。
【0089】したがって、ゴミなどの異物の混入を防止
するとともに、折り曲げ部における反発を低減し、箱の
組み立て時や箱内への荷物の収容時の作業性を向上し得
る樹脂製箱を提供することができるという効果を奏す
る。
【0090】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部の長さが折り曲げ部の長さより
も短いものである。
【0091】それゆえ、薄肉部の長さが折り曲げ部の長
さよりも短いので、折り曲げ部の全てを薄肉部にした場
合よりも、折り曲げの耐久性が向上し、容易に折り曲げ
部にて引裂破断されるということがない。
【0092】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部が外側になるように形成されて
いるものである。
【0093】それゆえ、薄肉部が外側になるように形成
されているので、折り曲げ部における外側表面に作用す
る張力が低減される。特に、2本以上の薄肉部が外側表
面に形成されている場合には、1本の薄肉部が形成され
ているよりも、繰り返しの折り曲げに対して耐久性に優
れたものとなる。すなわち、1本の薄肉部を繰り返し折
り曲げると、局所部分の損傷が大きく破損し易いが、2
本以上の薄肉部が外側表面に形成されている場合には、
折り曲げが湾曲状に行なわれるので、折り曲げ部におけ
る損傷が1本の薄肉部に対して小さい。したがって、繰
り返しの折り曲げによる破損を防止することができ、通
い箱として使用するのに好ましい樹脂製箱を提供するこ
とができるという効果を奏する。
【0094】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、折り曲げ部における2本以上の薄肉部
は、薄肉部の溝幅の和がシート厚さの1.4〜1.7倍
となるように形成されているものである。
【0095】それゆえ、薄肉部の溝幅の和がシート厚さ
の1.4〜1.7倍となるように形成されているという
その値は、理論的に、折り曲げ部の外側表面に作用する
張力を低減する値であるので、折り曲げ部の外側表面に
作用する張力を低減して、折り曲げ部の反発を低減し、
樹脂製箱の胴膨らみを低減することができるという効果
を奏する。
【0096】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂が
プロピレン系樹脂である。
【0097】それゆえ、熱可塑性樹脂シートを構成する
樹脂がプロピレン系樹脂からなっているので、一体成形
性に加えて、熱融着性、耐熱性、耐水性、耐油性および
耐薬品性等の各種性能において優れた樹脂製箱を提供す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における樹脂製箱の実施の一形態を示す
展開図である。
【図2】上記樹脂製箱を組み立てた状態を示す斜視図で
ある。
【図3】(a)(b)(c)は上記樹脂製箱の折り曲げ
部に形成された各薄肉部の形状を示す断面図である。
【図4】上記樹脂製箱の折り曲げ部に形成された薄肉部
を示す斜視図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)は上記樹脂製箱の樹
脂シートの構成を示す断面図である。
【図6】上記樹脂製箱における折り曲げ部の段差を示す
要部斜視図である。
【図7】本発明における樹脂製箱の他の実施の形態を示
す展開図である。
【図8】上記樹脂製箱の折り曲げ部の構成を示す端面図
である。
【図9】(a)(b)は上記樹脂製箱の折り曲げ部の他
の構成を示す端面図である。
【符号の説明】
1 箱(樹脂製箱) 2 樹脂シート(熱可塑性樹脂シート) 3 折り曲げ部 5 接合部(接合片) 5a 融着面 6 一般部 7 薄肉部 8 蓋部 9 側面部 10 底部 20 箱(樹脂製箱) 21 樹脂シート(熱可塑性樹脂シート) D 溝幅 L1 薄肉長さ L2 折り曲げ長さ Z 段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山蔦 浩治 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 (72)発明者 大村 吉典 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 3E060 AA03 AB05 BA03 BC04 BC10 DA25 3E061 AA01 AB09 CA01 DA09 DB06 3E067 AA11 BA05A BB14A BB16A BC06A CA18 CA24 EA01 FA01 FC01 GA11 3E086 AD02 BA04 BA15 BA16 BB51

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開閉自在の蓋部および底部に対してそれぞ
    れ折り曲げ部を介してつながっている側面部が2面以上
    隣接して構成され、かつ隣接した側面部の少なくとも片
    側の開放側端部に接合片を設けた一枚または複数枚の熱
    可塑性樹脂シートを折り曲げて形成した樹脂製箱におい
    て、 上記熱可塑性樹脂シートは、発泡倍率が1.5〜9倍の
    発泡層からなる単層樹脂シート、または少なくとも一層
    の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少なくとも一層の
    非発泡層とを含む多層樹脂シートである一方、 上記接合片は、側面部における蓋部との折り曲げ部およ
    び底部との折り曲げ部の間の長さを有して該側面部に積
    層融着されるとともに、この接合片の融着面は蓋部との
    折り曲げ部および底部との折り曲げ部の間で連続してい
    ることを特徴とする樹脂製箱。
  2. 【請求項2】折り曲げ部には、平行な2本以上の薄肉部
    が形成されている一方、 上記互いに隣接する各側面部における蓋部との各折り曲
    げ部同士、および底部との各折り曲げ部同士は、箱の深
    さ方向にシート厚さの1〜1.2倍の段差を有して形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製箱。
  3. 【請求項3】薄肉部の長さが折り曲げ部の長さよりも短
    いことを特徴とする請求項2記載の樹脂製箱。
  4. 【請求項4】薄肉部が外側になるように形成されている
    ことを特徴とする請求項2または3記載の樹脂製箱。
  5. 【請求項5】折り曲げ部における2本以上の薄肉部は、
    薄肉部の溝幅の和がシート厚さの1.4〜1.7倍とな
    るように形成されていることを特徴とする請求項2、3
    または4記載の樹脂製箱。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂がプロ
    ピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の樹脂製箱。
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