JP6937493B2 - 折畳み式包装箱 - Google Patents
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Description
この種の折畳み式の包装箱として、段ボール等で形成された一枚の板状部材を折り曲げて組み立てることによって、矩形筒状の箱の底面及び上面がそれぞれ片開きのフラップによって閉じられる型式の、所謂「B式」と呼ばれる包装箱が周知である。
なお、包装箱を構成する板状部材としては、段ボールが一般的であるが、段ボール以外の厚紙などの紙素材や、プラ段などの合成樹脂製素材,コア材となる合成樹脂製の気泡ボードやハニカム構造体の表面に板状部材を張り合わせた中空板,中空パネルなども用いられている。
さらに、天面フラップが連接した側壁の両側の側壁部の上縁にフラップが設けられていないため、天面フラップの両側縁と側壁部との間に隙間が生じやすい。そのうえ、天面フラップを閉じた状態で、天面フラップの両側縁部がフラップで支持されないため、天面フラップに上方から力がかかると、天面フラップが包装箱内へ陥入してしまうおそれがあり、強度が十分ではなかった。
また、組み立てた状態の包装箱に、折り畳んだ包装箱を縦にして収納しているため、折り畳んだ包装箱が包装箱内で斜めに倒れて動き易く、その結果、特に輸送中に、包装箱内で折り畳んだ包装箱どうしが擦れて傷むおそれがあった。
式1:X+2Acosθ−2t≧X
式2:Y+2Asinθ−2t≧Z+B+C
式3:Y+2Asinθ−2t≧X
式4:X+2Acosθ−2t≧Z+B+C
前記天面フラップが連設した側壁部の上縁が、前記一対の側壁部の上縁よりも、寸法Z2だけ箱高さ方向の上方に位置し、前記寸法Z2は下記の式6の関係を満たし、かつ、前記底面フラップが連設した側壁部の下縁が、前記一対の側壁部の下縁よりも、寸法Z3だけ箱高さ方向の下方に位置し、前記寸法Z3は下記の式7の関係を満たし、
式6:t≦Z2≦B
式7:t≦Z3≦C
前記天面フラップが連設した側壁部の上縁から前記天面フラップの先端縁までの寸法D1が、下記の式8の関係を満たす場合に、前記天面フラップに、当該上縁と平行な折り曲げ用の上面罫線を設け、前記天面フラップが連設した前記側壁部の上縁と前記上面罫線との距離E1が下記の式9の関係を満たし、かつ、前記底面フラップが連設された側壁部の下縁から前記底面フラップの先端縁までの寸法D2が、下記の式10の関係を満たす場合に、前記底面フラップに、当該上縁と平行な折り曲げ用の下面罫線を設け、前記底面フラップが連設した前記側壁部の下縁と前記下面罫線との距離E2が下記の式11の関係を満たす
ことを特徴としている。
式8:D1>Z+Z2+C
式9:E1<Z+Z2+C
式10:D2>Z+Z3+B
式11:E2<Z+Z3+B
[折畳み式包装箱の構成]
(組み立てた状態)
図1〜図3に、本発明の実施形態に係る折畳み式包装箱1(以下、単に「包装箱1」とも言う)を組み立てた状態の斜視図を示す。さらに、図15、図16及び図17に、組み立てた状態の包装箱1の六面図を示す。なお、面ファスナは、設けてあってもよいし、設けてなくてもよい。図15〜図17には、図2及び図3に示した面ファスナを設けていない包装箱の例を示す。
包装箱1は、四つの側壁部11,12,13,14と、天面フラップ20と、一対の上フラップ31,32と、一対の下フラップ41,42と、底面フラップ50とを備え、これらの板状部材を折り曲げて組み立てることによって、所謂「B式」と呼ばれる包装箱として構成される。
四つの側壁部11〜14は、それぞれ略矩形状の板状部材で構成され、互いに折り曲げ可能に連設されて箱の筒状収納空間10(図2参照)を形成する。
また、図2及び図5に示すように、包装箱1は、側壁部11,12,13,14を筒状に連結するためののりしろ部15を二箇所に設けている。のりしろ部15を側壁部と接合することによって、側壁部11,12,13,14が矩形筒状に連結されて包装箱1の筒状収納空間10が構成される。のりしろ部15は、接着剤やステイプル,固定具,粘着テープなどの接合部材によって接合されてもよいし、熱による面溶着・点溶着によって接合されてもよい。
なお、のりしろ部15と側壁部14が重なる箇所については、箱の内寸が小さくなるが、板状部材の撓みや弾性変形,加工精度等により、後述する箱の組立時の内寸と収納時の外寸の関係式においては無視できる程度のものである。また、のりしろ部15を側壁部14の外表面側において接合すれば、重なり部分の内寸が小さくなることが回避される。
また、本実施形態の包装箱1には、のりしろ部15が設けられているが、のりしろ部15は無くともよい。のりしろ部15が無くても、例えば、側壁部の端縁を溶着することによって、筒状収納空間10を形成することができる。なお、図15〜図22には、のりしろ部の無い包装箱の例を示す。
天面フラップ20は、四つの側壁部11,12,13,14のうちの一つの側壁部11の上縁11aに折り曲げ可能に連設されて、筒状収納空間10の上面開口を開閉可能に閉塞・解放する蓋として機能する。
図2及び図3に示すように、天面フラップ20は、側壁部11の上縁11aに連設した略矩形板形状の天面第一フラップ部21と、天面第一フラップ部21の先端縁21aに折り曲げ可能に連設された略矩形板形状の天面第二フラップ部22と、天面第二フラップ部22の先端縁22aに折り曲げ可能に連設された天面先端フラップ部23とから構成されている。天面第一フラップ部21の先端縁21aの罫線21aは、側壁部11の上縁11aと平行に設けられている。
一対の上フラップ31,32は、天面フラップ20と連設した一つの側壁部11の両側にそれぞれ連接して互いに対向する一対の側壁部13,14の上縁13a,14aにそれぞれ折り曲げ可能に連設されている。
一対の下フラップ41,42は、一対の側壁部13,14の下縁13b、14bにそれぞれ折り曲げ可能に連設されている。
なお、上フラップ31,32及び下フラップ41,42の形状は矩形のみに限定されるものではなく、例えば台形や半円形,星形等とすることもできる。また、フラップの角部にR(丸み)をつけることも可能である。
底面フラップ50は、一対の側壁部13,14に連設する側壁部の下縁に折り曲げ可能に連設されて、筒状収納空間10の下面開口を閉塞する。本実施形態では、底面フラップ50は、一つの側壁部11と対向する側壁部12の下縁12bに連設されている。
図3に示すように、底面フラップ50は、側壁部12の下縁12bに連設した略矩形板形状の底面第一フラップ部51と、底面第一フラップ部51の先端縁51aに折り曲げ可能に連設された略矩形板形状の底面第二フラップ部52と、底面第二フラップ部52の先端縁52aに折り曲げ可能に連設された底面先端フラップ部53とから構成されている。底面第一フラップ部51の先端縁51aの罫線51aは、側壁部12の下縁12bと平行に設けられている。
さらに、包装箱1は、四つの各側壁部11〜14の間に配設された連設部60を備え、連設部60は、隣接する各側壁部11〜14を折り曲げ及び折り重ね可能に連設する。
図4に、包装箱1を折り畳んだ状態の斜視図を示す。さらに、図18、図19、図20、図21に、折り畳んだ状態の包装箱1の六面図を示す。なお、面ファスナは、設けてあってもよいし、設けてなくてもよい。図18〜図22には、図4に示した面ファスナを設けていない包装箱の例を示す。
包装箱1を折り畳むときには、まず、図3に示すように、天面フラップ20及び底面フラップ50を開き、天面フラップ20及び底面フラップ50を箱外側へそれぞれ折り返し、それぞれ連設する側壁部11、12に折り重ねる。さらに、本実施形態では、天面フラップ20の天面第二フラップ部22を、天面第一フラップ部21の先端縁の罫線21aで折り返すとともに、底面フラップ50の対面第二フラップ部52を、底面第一フラップ部51の先端縁の罫線51aで折り返している。
また、包装箱1を折り畳むときには、図4(a)に示すように、一対の側壁部13,14、一対の上フラップ31,32、及び一対の下フラップ41,42を、それぞれ箱高さ方向に沿って箱内側に折り曲げる。このとき、四つの側壁部11〜14が連設部60を介して折り重ねられる。このようにして、包装箱1が、図4(b)に示した折畳み状態となる。
これに対し、本実施形態では、天面フラップ20と底面フラップ50とが互いに対向する側壁部11,12に連設されて、互い違いに箱外側へ折り返されるため、反発が生じることがなく、天面フラップ20と底面フラップ50とを同一寸法形状とすることができる。
そして、図5に示すように、折畳み状態の包装箱1が、組み立てた状態の他の同一の包装箱1の筒状収納空間内に収納可能となる。
これによって、折畳んだ収納箱1を水平に複数積み重ねた状態で、組み立てた状態の収納箱1内に積載・収納することができ、非使用時の包装箱1を収納するために、別途収納箱や結束具等を用意する必要がなくなり、折畳んだ状態の包装箱を簡易かつ効率よく保管・輸送することができるようになっている。
また、組み立てた状態の包装箱1に、折り畳んだ包装箱1を水平に収納しているため、折り畳んだ包装箱1が包装箱内で斜めに倒れて動くことが回避される。その結果、特に輸送中に、包装箱内で折り畳んだ包装箱どうしが擦れて傷むことを防止することができる。
以下、図6及び図7を参照して、組み立てた状態の包装箱1の収納空間内に、折畳んだ状態の同一(同形・同大)の他の包装箱1が収納するための包装箱1の具体的な寸法条件について説明する。
図6は、包装箱1の寸法関係を説明するため、包装箱1を単純化して示した模式図である。
図6に示すように、Xは、天面フラップ20及び底面フラップ50がそれぞれ折り重ねられる側壁部11,12の箱組立時の箱高さ方向と直交する水平方向(箱幅方向)の寸法(外寸)である。
Yは、対応する上フラップ31,32及び下フラップ41,42とともに箱高さ方向に沿って折り曲げられる側壁部13,14の箱組立時の箱高さ方向と直交する水平方向(箱奥行き方向)の寸法(外寸)である。
Zは、上フラップ31,32及び下フラップ41,42が連設された側壁部13,14の箱高さ方向の寸法(外寸)である。
Aは、4つの連設部60の箱組立時の箱高さ方向を直交する水平方向の寸法(外寸)である。
Bは、上フラップ31,32の箱高さ方向の寸法(外寸)である。
Cは、下フラップ41,42の箱高さ方向の寸法(外寸)である。
さらに、図7(b)に拡大して示すように、組立て状態では、包装箱1の連設部60の外寸Aの正面幅方向(図面X方向)の長さは、Acosθである。また、組立時の包装箱1の連設部の外寸Aの奥行き方向(図面Y方向)の長さは、Asinθである。
ここで、組立状態では、連設部60を介して隣接する側壁部どうしが約90°をなすため、側壁部11,12に対する連設部60の折り曲げ角度であるθは、約45°となるが、θ=45°に限定されない。
また、図7(b)中のtは、包装箱1を構成する板状部材の厚みである。
そして、折畳み状態では、包装箱1の連設部60の外寸Aの正面幅方向(図面X方向)の長さは、Acosθ=Acos90°=0である。
組み立てられた状態の包装箱1の箱幅方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱幅方向の外寸より大きく、かつ、組み立てられた状態の包装箱1の箱奥行き方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱高さ方向の外寸より大きいという寸法条件、又は、
組み立てられた状態の包装箱1の箱幅方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱高さ方向の外寸より大きく、かつ、組み立てられた状態の包装箱1の箱奥行き方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱幅方向の外寸より大きいという寸法条件があげられる。
一方、折畳み状態の包装箱1の箱幅方向の外寸は、Xであり、箱高さ方向の外寸は、Z+B+Cである。
式1:X+2Acosθ−2t≧X
式2:Y+2Asinθ−2t≧Z+B+C
なお、上記の式1は、整理するとAcosθ≧tとなる。
したがって、上記の式1及び式2の関係が満たされるときに、組み立てた状態の包装箱1の収納空間内に、折畳んだ状態の同一(同形・同大)の他の包装箱1を収納することができる。
式3:Y+2Asinθ−2t≧X
式4:X+2Acosθ−2t≧Z+B+C
したがって、上記の式3及び式4の関係が満たされるときにも、組み立てた状態の包装箱1の収納空間内に、折畳んだ状態の同一(同形・同大)の他の包装箱1を収納することができる。
以上より、式1及び式2、又は式3及び4の関係を満たすように、包装箱1の各部の寸法X,Y,Z,A,B,C,θ及びtを設定することにより、折畳んだ状態の包装箱1を、組立状態の包装箱1の内部に収納することができる。
あるいは、のりしろ部15と側壁部14が重なって箱の内寸が小さくなった箇所に合わせた計算式として、下記の式2’又は式4’の関係を満たすように設定することもできる。
式2’:Y+2Asinθ−3t≧Z+B+C
式4’:X+2Acosθ−3t≧Z+B+C
また、箱の組立状態では、通常は側壁部14の厚みがのりしろ部15の厚み分だけ増加して2倍となるが、側壁部13,11にのりしろ部分が重なることで、その部分の厚みが倍になる可能性がある。
その場合は、下記の式1’又は式3’の関係を満たすように設定することもできる。
式1’:X+2Acosθ−3t≧X
式3’:Y+2Asinθ−3t≧X
式5:X≧Y
ここで、X=Yであれば、組立時の箱の内寸が幅方向と奥行き方向で等しくなり、その結果、折畳み状態の包装箱1の収納時の方向を選ばなくなり、収納作業が容易に行えるようになる。
一方で、X≧Yであれば、箱の折畳み時の厚さを低減できるメリットがある。
すなわち、図4に示すように箱を折り畳んだときに、X<Yの場合には、側壁部14と側壁部12とが重なることになり、その重なった分だけ箱の折畳み時の厚みが増加することになる。これに対して、X≧Yの場合には、側壁部14と側壁部12が重ならず、折畳み時の箱の厚みが増加することを防止できる。
そこで、本実施形態では、包装箱1のX,Yが上記式5の関係を満たすように設定するようにしてある。
また、折畳み状態の包装箱1を収納した包装箱1は、天面フラップ20を閉じて保管・運搬等することができ、収納されている折畳み状態の包装箱1は、随時取り出して組立状態にして使用することができる。
図8は、包装箱1の寸法関係を説明するため、包装箱1を単純化して示した模式図である。図8に示す包装箱1では、天面フラップ20が連設した側壁部11の上縁11aが、一対の側壁部13,14の上縁13a,14aよりも、寸法Z2だけ箱高さ方向の上方に位置し、寸法Z2は下記の式6の関係を満たすことが好ましい。
また、図8に示す包装箱1では、底面フラップ50が連設した側壁部12の下縁12bが、一対の側壁部13,14の下縁13b、14bよりも、寸法Z3だけ箱高さ方向の下方に位置し、寸法Z3は下記の式7の関係を満たすことが好ましい。
式6:t≦Z2≦B
式7:t≦Z3≦C
なお、Z2はZ3と等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
そこで、少なくとも上フラップ31,32の厚みt分だけ、側壁部11の上縁11aを上げることにより、上フラップ31,32の厚みtによる反発を緩和することができる。
一方、上縁11aを上フラップ31,32の高さBよりも上げてしまうと、折畳み状態で、包装箱1の寸法が大きくなり、収納が困難となる。このため、Z2≦Bとすることにより、折畳み状態の包装箱1の寸法拡大を回避することが好ましい。
そこで、少なくとも下フラップ41,42の厚みt分だけ、側壁部12の下縁12bを下げることにより、下フラップ41,42の厚みtによる反発を緩和することができる。
一方、下縁12bを下フラップ41,42の高さCよりも下げてしまうと、折畳み状態で、包装箱1の寸法が大きくなり、収納が困難となる。このため、Z3≦Cとすることにより、折畳み状態の包装箱1の寸法拡大を回避することが好ましい。
図9は、包装箱1の寸法関係を説明するため、包装箱1を単純化して示した模式図であり、図1〜図4、及び図15〜図22に示した包装箱1に最もよく一致している。
図9に示す包装箱1では、天面フラップ20が連設した側壁部11の上縁11aから天面フラップ20の先端縁23aまでの寸法D1が、下記の式8の関係を満たす場合に、天面フラップ20に、当該上縁と平行な折り曲げ用の上面罫線21aを設け、天面フラップ20が連設した側壁部11の上縁11aと上面罫線21aとの距離E1が下記の式9の関係を満たすことが好ましい。
式8:D1>Z+Z2+C
式9:E1<Z+Z2+C
なお、D1=Y+2Asinθ+dと表すこともできる。ここで、dは、天面先端フラップ23の箱高さ方向の長さである。
そこで、天面フラップ20を、式9を満たす罫線21aで更に折り返すことによって、折畳み状態の包装箱1の寸法の拡大を回避することが好ましい。
式10:D2>Z+Z3+B
式11:E2<Z+Z3+B
なお、D2=Y+2Asinθ+dと表すこともできる。ここで、dは、底面先端フラップ53の箱高さ方向の長さである。
そこで、底面フラップ50を、式11を満たす罫線51aで更に折り返すことによって、折畳み状態の包装箱1の寸法の拡大を回避することが好ましい。
図2及び図3に良く示すように、包装箱1は、一対の上フラップ31,32に配設され、上面開口を閉塞した天面フラップ20と対向する第一の面ファスナ71と、天面フラップ20の、第一の面ファスナ71と対向する位置に配設され、当該第一の面ファスナ71と係止可能な第二の面ファスナ72と、上フラップ31,32面の、折畳み状態で第一の面ファスナ71と対向する位置に設けられ、当該第一の面ファスナ71と係止可能な第三の面ファスナ73とを備えている。
なお、例えば、第一の面ファスナ71がA面(オス)であるときは、第二の面ファスナ72及び第三の面ファスナ73はB面(メス)であり、第一の面ファスナ71がB面(メス)であるときは、第二の面ファスナ72及び第三の面ファスナ73はA面(オス)である。また、第一の面ファスナ71は、一対の上フラップ31,32の一方にのみ設けてもよい。
したがって、第一の面ファスナ71は、組立て状態での天面フラップ20の留具と、折畳み状態での上フラップ31、32どうしの留具とを兼ねる。
なお、例えば、第二の面ファスナ72がA面(オス)であるときは、第四の面ファスナ74はB面(メス)であり、第二の面ファスナ72がB面(メス)であるときは、第四の面ファスナ74はA面(オス)である。
したがって、第二の面ファスナ72は、組立て状態で天面フラップ20を上フラップ31,32に留める留具と、折畳み状態で天面フラップ20を側壁部11に留める留具とを兼ねる。
なお、例えば、第四の面ファスナ74がA面(オス)であるときは、第五の面ファスナ75はB面(メス)であり、第四の面ファスナ74がB面(メス)であるときは、第五の面ファスナ75はA面(オス)である。
したがって、第四の面ファスナ74は、折畳み状態で天面フラップ20を側壁部11に留める留具と、組立状態で底面フラップ50を側壁部11に留める留め具とを兼ねている。
また、図2及び図3に示すように、一対の下フラップ41,42に配設され、下面開口を閉塞した底面フラップ50の内側面と対向する第六の面ファスナ81と、底面フラップ50の内側面の、第六の面ファスナ81と対向する位置に配設され、当該第六の面ファスナ81と係止可能な第七の面ファスナ82と、下フラップ41,42の対向する面の、折畳み状態で第六の面ファスナ81と対向する位置に配設され、当該第六の面ファスナ81と係止可能な第八の面ファスナ83とを備えている。
なお、例えば、第六の面ファスナ81がA面(オス)であるときは、第七の面ファスナ82及び第八の面ファスナ83はB面(メス)であり、第六の面ファスナ81がB面(メス)であるときは、第七の面ファスナ82及び第八の面ファスナ83はA面(オス)である。また、第六の面ファスナ81は、一対の下フラップ41,42の一方にのみ設けてもよい。
したがって、第六の面ファスナ81は、組立て状態での底面フラップ50を下フラップ41,42に留める留具と、折畳み状態での下フラップ41、42どうしを留める留具とを兼ねる。
なお、例えば、第七の面ファスナ82がA面(オス)であるときは、第九の面ファスナ84はB面(メス)であり、第七の面ファスナ82がB面(メス)であるときは、第九の面ファスナ84はA面(オス)である。
したがって、第七の面ファスナ82は、組立て状態で底面フラップ50を下フラップ41,42に留める留具と、折畳み状態で底面フラップ50を側壁部12に留める留具とを兼ねる。
なお、例えば、第九の面ファスナ84がA面(オス)であるときは、第十の面ファスナ85はB面(メス)であり、第九の面ファスナ84がB面(メス)であるときは、第十の面ファスナ85はA面(オス)である。
したがって、第九の面ファスナ84は、折畳み状態で底面フラップ50を側壁部12に留める留具と、組立状態で天面フラップ20を側壁部12に留める留め具とを兼ねる。
なお、図2〜図4に示した包装箱1は、面ファスナを設けているが、図1
次に、以上のような本実施形態の折畳み式包装箱1を構成する板状部材となる中空板材について説明する。
なお、折畳み式包装箱1を構成する板状部材としては、合成樹脂製の中空板材以外にも、例えば紙製の段ボールや厚紙など、箱を構成するのに適した板状部材であれば、任意の素材を採用することができる。
特に、繰り返し使用される通い箱や引越し用の収納箱として使用される包装箱1を構成する中空板材は、非通水性又は通水性の低い材質で形成されたことが好ましい。
このような気泡ボード100は、例えば、図示しない多数のキャビティ孔が設けられた成形ロールの外周面に、シート状に連続して繰り出される溶融樹脂を接触させて中空状に膨出する多数の突起103を真空成形することによってキャップシート102を形成しつつ、このキャップシート102を、突起103の開口側に供給されたバックシート101と、突起103の頂面側に供給されたライナーシート104とで挟み込み、これらを熱融着により積層一体化し、しかる後に所定の形状に切り出すことによって製造することができる。
なお、上記のようにして気泡ボード100を製造するにあたり、バックシート101、キャップシート102、ライナーシート104のそれぞれの厚みは、気泡ボード100に要求される強度、剛性などを考慮して適宜調整することができる。通常は、例えば100μm〜1.5mm程度とすることができる。
具体的には、所定の形状に切り出された気泡ボード100の端面に、図10(b)に示すように、帯状の封止材105を熱融着などによって取り付けることで、中空板の開口した端面を封止することができる。また、気泡ボード100から包装箱1を展開した外形を切り出す際に、加熱した刃で気泡ボード100を溶断することによっても、気泡ボード100の端面を封止することができる。
このようにすることで、気泡ボード100の内部に異物が侵入してしまうのを防止するとともに、それぞれの気泡103の間にも空気が封入されるようにして、さらなる断熱性の向上を図ることもできる。
但し、これらに特に限定はされるものではなく、他の合成樹脂・材料を用いることも勿論可能である。
以上のような気泡ボード100に対して、所定の折れ線加工を施すことにより、上述した折畳み式包装箱1の側壁部11,12,13,14と上フラップ31,32/下フラップ41,42との間の折り曲げ部分や、側壁部11,12,13,14と各連設部60との間の折り曲げ部分となる折り部200が形成される。
折り部200を形成する際に切り込み(ハーフカット)を入れるのは、気泡ボード100のバックシート101側、ライナーシート104側のいずれであってもよいが、図10〜図14に示す例では、気泡ボード100のバックシート101側に切り込み201を入れることによって折り部200を形成している。これによって、気泡ボード100は切り込み201を入れたバックシート101側からライナーシート104側に折り曲げ可能となる。従って、パネル(気泡ボード100)の底面側に切り込み201を形成することで当該部分を谷折りに、パネル平面側に切り込み201を形成することで山折りに折り曲げることができるようになる。
これらの図に示すように、突起103がない部位では、キャップシート102とバックシート101との融着部を切断するように切り込み201を入れ(図12(a)参照)、ライナーシート104のみが屈曲して折り部200が形成されるようになる(図12(b)参照)。
これに対して、突起103がある部位では、バックシート101と突起103の側壁部とを切断するように切り込み201を入れ(図13(a)参照)、ライナーシート104に突起103の頂面が融着された部分が屈曲して折り部200が形成されるようになる(図13(b)参照)。
このとき、バックシート101側に切り込み201を入れて折り部200を形成するのであれば、ライナーシート104側の面、すなわち、切り込み201を入れる側とは反対側の面に、必要に応じて接着剤を介するなどして当該フィルム材を積層することができる。
いずれにしても、形成された折り部200は、バックシート101のみからなる部分と、バックシート101にキャップシート102が融着されて二重構造となっている部分とが交互に配置されて形成されることになり、折り部200が部分的に二重構造となって、その曲げ易さを損なうことなく適度に折り部200が補強されることになる。
図14は、上述した図12に対応する気泡ボード100(パネル)の断面図であり、図12で示した切り込み201に換えてV字加工部202を形成したものである。
同図に示すV字加工部202は、気泡ボード100には、加熱鏝を当てるなどして断面V字状に溶融して形成するものであり、このV字加工部202を設けることによって、図14(b)に示すように、気泡ボード100はV字加工部202が設けられた側に折り曲げられるようになる。従って、この場合には、谷折りにする側のパネル平面側にV字加工部202を形成するようにして折り部200を設けるようにする。
このようにV字加工部202を設ける場合には、気泡ボード100の端面に封止材105(図10(b)参照)を取り付けなくとも、当該範囲における気泡に空気が封入され、これによって気泡ボード100(パネル)の断熱性を向上させることができる。
実際には、端面と折り部の両方を熱で潰すことにより、通水しない気泡ボード100とすることできる。
例えば、図14(a)に示すほぼ90度の角度で形成されたV字加工部202を設けることで、図14(b)に示すように、折り曲げられた気泡ボード100はほぼ90度(直角)の間隔をもって離間した状態が保持されるようになる。
このように、折り曲げられた気泡ボード100同士がほぼ直角に離間した状態で保持されることは、箱の各部がほぼ直角に折り曲げられた状態で組み立てられるB式タイプの包装箱1の折り曲げ部分として最適な構成となる。
図14(a)に示すようにV字加工部202を設けることによって、包装箱1の組立時には、連設部60を介して連接される隣接した側壁部11,12,13,14は、図14(c)に示す気泡ボードのように互いにほぼ90度間隔で離間させることができ、かつ、包装箱1の折畳み時には、隣接する側壁部11,12,13,14を、図14(d)に示す気泡ボード100のように互いに重ね合わせた状態に折り曲げることができる。
従って、V字加工部202を包装箱1の側壁部11,12,13,14と連設部60との折り曲げ部分の折り部200として構成することは、包装箱1の組立・折畳み作業が容易かつ確実に行えるようになることから好ましい。
これによって、同一(同形・同大)の包装箱1同士を、収納用の箱と、収納対象となる箱の双方として使用することができるようになる。
また、収納用に使用した包装箱1が汚れたり破損したりしたような場合でも、他の包装箱1を組み立てて収納用として使用することができ、収納用の包装箱1の準備や管理等も必要なくなる。
さらに、本実施形態の折畳み式包装箱1は、合成樹脂製の中空板材によって形成することで、中空板材からなるパネルは繰り返しの使用にも耐え得る耐久性もあり、耐水性,防水性等にも優れることから、繰り返し使用される通い箱や引越し用の収容箱などに好適に使用することができる包装箱を提供することができる。
例えば、上述した実施形態では、本発明に係る折畳み式包装箱を形成する板状部材となる中空板材として、コア材として多数のキャップを有するキャップシートを備えた気泡ボードを例にとって説明したが、本発明の折畳み式包装箱を形成するための中空板材としては、気泡ボードに限られず、その他の中空板材,中空パネル等を使用することができる。例えば、気泡ボードに代えて、コア材がハニカム構造により形成された中空板材、コア材が段ボール状に形成された中空板材(所謂プラ段)などを使用することもできる。
また、紙製の段ボールや厚紙等を用いることも勿論可能である。
その場合、各キャップシートは、突起頂面側同士を対向させて配置することが好ましい。このようにすると、二層のキャップシートの突起を、バックシート及びライナーシートによってそれぞれ封止・密封することができ、二層のキャップシートの突起をそれぞれ気泡として機能させることができるようになる。
また、バックシート及びライナーシートからなる外装材についても、それぞれ複数層設けることも可能である。また、外装材を金属板により形成したり、外装材の表面に樹脂層等を積層して外装材をコーティングすることもできる。
11,12,13,14 側壁部
11a,12a,13a,14a 上縁
11b,12b,13b,14b 下縁
15 のりしろ部
20 天面フラップ
21 天面第一フラップ部
21a 罫線
22 天面第二フラップ部
23 天面先端フラップ部
31,32 上フラップ
41,42 下フラップ
50 底面フラップ
51 底面第一フラップ部
51a 罫線
52 底面第二フラップ部
53 底面先端フラップ部
60 連設部
71、72、73、74,75 面ファスナ
81,82,83,84,84 面ファスナ
100 気泡ボード
101 バックシート
102 キャップシート
103 突起
104 ライナーシート
105 封止材
200 折り部
201 切り込み
202 V字加工
Claims (6)
- 板状部材で形成された折畳み式包装箱であって、
折り曲げ可能に連設されて、箱の筒状収納空間を形成する四つの側壁部と、
前記四つの側壁部のうちの一つの側壁部の上縁に折り曲げ可能に連設されて、前記筒状収納空間の上面開口を閉塞する天面フラップと、
前記天面フラップと連設した前記一つの側壁部の両側に連接する一対の側壁部の上縁にそれぞれ折り曲げ可能に連設された一対の上フラップと、
前記一対の側壁部の下縁にそれぞれ折り曲げ可能に連設された一対の下フラップと、
前記一対の側壁部に連設する側壁部の下縁に折り曲げ可能に連設されて、前記筒状収納空間の下面開口を閉塞する底面フラップと、
を備え、
前記天面フラップ及び前記底面フラップが、それぞれ連設する側壁部に箱外側から折り重ねられるとともに、前記一対の側壁部、前記一対の上フラップ及び前記一対の下フラップが、それぞれ箱高さ方向に沿って箱内側に折り曲げられることにより、折畳み状態となる折畳み式包装箱であって、
前記四つの各側壁部の間に配設され、隣接する各側壁部を折り曲げ及び折り重ね可能に連設する四つの連設部を備え、
前記四つの側壁部が前記連設部を介して折り重ねられて前記折畳み状態になることにより、当該折畳み状態の包装箱が、組み立てられた状態の他の同一の包装箱の筒状収納空間内に収納可能となり、
前記天面フラップ及び前記底面フラップとそれぞれ連設した前記側壁部の箱組立時の箱高さ方向と直交する方向の寸法をX、
前記一対の上フラップ及び前記一対の下フラップと連設した前記一対の側壁部の箱組立時の箱高さ方向と直交する寸法をY、
前記一対の側壁部の箱高さ方向の寸法をZ、
前記連設部の箱組立時の箱高さ方向と直交する方向の寸法をA、
前記一対の上フラップの箱高さ方向の寸法をB、
前記一対の下フラップの箱高さ方向の寸法をC、
箱組立時の前記側壁部と前記連設部の折り曲げ角度をθ、
前記板状部材の厚みをtとした場合に、下記の式1及び式2の関係、又は、下記の式3及び式4の関係を満たし、
式1:X+2Acosθ−2t≧X
式2:Y+2Asinθ−2t≧Z+B+C
式3:Y+2Asinθ−2t≧X
式4:X+2Acosθ−2t≧Z+B+C
前記天面フラップが連設した側壁部の上縁が、前記一対の側壁部の上縁よりも、寸法Z2だけ箱高さ方向の上方に位置し、前記寸法Z2は下記の式6の関係を満たし
かつ、
前記底面フラップが連設した側壁部の下縁が、前記一対の側壁部の下縁よりも、寸法Z3だけ箱高さ方向の下方に位置し、前記寸法Z3は下記の式7の関係を満たし、
式6:t≦Z2≦B
式7:t≦Z3≦C
前記天面フラップが連設した側壁部の上縁から前記天面フラップの先端縁までの寸法D1が、下記の式8の関係を満たす場合に、前記天面フラップに、当該上縁と平行な折り曲げ用の上面罫線を設け、前記天面フラップが連設した前記側壁部の上縁と前記上面罫線との距離E1が下記の式9の関係を満たし、かつ、
前記底面フラップが連設された側壁部の下縁から前記底面フラップの先端縁までの寸法D2が、下記の式10の関係を満たす場合に、前記底面フラップに、当該上縁と平行な折り曲げ用の下面罫線を設け、前記底面フラップが連設した前記側壁部の下縁と前記下面罫線との距離E2が下記の式11の関係を満たす
ことを特徴とする、折畳み式包装箱。
式8:D1>Z+Z2+C
式9:E1<Z+Z2+C
式10:D2>Z+Z3+B
式11:E2<Z+Z3+B - 前記底面フラップは、前記天面フラップが連設した前記一つの側壁部と対向する側壁部の下縁に連設されている
ことを特徴とする、請求項1記載の折畳み式包装箱。 - 組み立てられた状態の包装箱1の箱幅方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱幅方向の外寸より大きく、かつ、組み立てられた状態の包装箱1の箱奥行き方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱高さ方向の外寸より大きい、又は、
組み立てられた状態の包装箱1の箱幅方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱高さ方向の外寸より大きく、かつ、組み立てられた状態の包装箱1の箱奥行き方向の内寸が、折畳み状態の包装箱1の箱幅方向の外寸より大きい
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の折畳み式包装箱。 - 式5:X≧Y
前記式5の関係を満たす
ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の折畳み式包装箱。 - 前記板状部材が、合成樹脂製の中空板からなる
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の折畳み式包装箱。 - 前記中空板の端面が封止され、又は、前記中空板が非通水性又は通水性の低い材質で形成された
ことを特徴とする、請求項5記載の折畳み式包装箱。
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