JP2002219746A - 熱可塑性樹脂シートおよび樹脂製箱 - Google Patents

熱可塑性樹脂シートおよび樹脂製箱

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JP2002219746A
JP2002219746A JP2001294757A JP2001294757A JP2002219746A JP 2002219746 A JP2002219746 A JP 2002219746A JP 2001294757 A JP2001294757 A JP 2001294757A JP 2001294757 A JP2001294757 A JP 2001294757A JP 2002219746 A JP2002219746 A JP 2002219746A
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Seiji Terajima
聖二 寺嶋
Takeshi Minaba
健 皆葉
Koji Yamatsuta
浩治 山蔦
Yoshinori Omura
吉典 大村
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Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 折り曲げ部における反発を低減し、箱の組み
立て時や箱内への荷物の収容時の作業性を向上し得る樹
脂製箱を提供する。 【解決手段】 熱可塑性の樹脂シート2で構成される。
樹脂シート2の折り曲げ部3には、その折り曲げ部3の
長手方向に延び、かつ最小厚さが該樹脂シート2におけ
るシート厚さの1/10以上、2/3以下である薄肉部
7が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂シー
トおよび樹脂製箱に関するものであり、特に、繰り返し
使用可能な通い箱に適する樹脂製箱に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種物品の輸送のための容器とし
て、紙段ボール箱や、プラクチック段ボール箱に代表さ
れる樹脂製箱が使用されてきた。
【0003】しかし、紙段ボール製の箱は、紙でできて
いることから水気に弱いため繰り返し使用に耐え難く、
また、紙粉が内容物に混入するという問題がある。
【0004】そこで、紙段ボール箱の代替品として、特
開平8−164933号公報および特開2000−79
940号公報には樹脂シートを折り曲げて形成した樹脂
製箱が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の樹脂シートを折り曲げて形成した樹脂製箱では、折
り曲げ部における反発力が強いために、箱を組み立てる
際の作業効率が悪く、また、蓋部が立ち上がるために荷
物を箱に入れ難いという問題がある。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、折り曲げ部における反発
を低減し、箱の組み立て時や箱内への荷物の収容時の作
業性を向上し得る熱可塑性樹脂シートおよび樹脂製箱を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂シートお
よびそれによって構成された箱において、熱可塑性樹脂
シートの折り曲げ部に、以下の構成を有することによっ
て、折り曲げ部における反発を軽減することができ、箱
の組み立ておよび箱内への物品の収容時の作業効率が改
善されることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂シート
は、上記課題を解決するために、熱可塑性樹脂のシート
からなり、かつそのシートには最小厚さが該シート厚さ
の1/10以上、2/3以下である薄肉部が形成されて
いることを特徴としている。
【0009】また、本発明の樹脂製箱は、上記課題を解
決するために、熱可塑性樹脂シートで構成されるととも
に、上記熱可塑性樹脂シートの折り曲げ部には、その折
り曲げ部の長手方向に延び、かつ最小厚さが該熱可塑性
樹脂シートにおけるシート厚さの1/10以上、2/3
以下である薄肉部が形成されていることを特徴としてい
る。
【0010】上記の発明によれば、熱可塑性樹脂シート
の折り曲げ部にはシート厚さの1/10以上、2/3以
下である薄肉部が形成されているので、その組み立て時
および物品の収容時の作業効率が改善されるという利点
を有するとともに、折り曲げ部における反発が低減され
ているので、貼り合わせなどによる接合部における剥離
破損が効果的に防止される。したがって、折り曲げ部に
おける反発を低減し、箱の組み立て時や箱内への荷物の
収容時の作業性を向上し得る熱可塑性樹脂シートおよび
樹脂製箱を提供することができる。
【0011】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部の長さが折り曲げ部の長さより
も短いことを特徴としている。
【0012】上記の発明によれば、薄肉部の長さが折り
曲げ部の長さよりも短いので、折り曲げ部の全てを薄肉
部にした場合よりも、折り曲げの耐久性が向上し、容易
に折り曲げ部にて引裂破断されるということがない。
【0013】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、平行な2本以上の薄肉部が一つの折り
曲げ部に形成されていることを特徴としている。
【0014】上記の発明によれば、一つの折り曲げ部に
は平行な2本以上の薄肉部が長手方向に形成されてい
る。したがって、1本の薄肉部が形成された折り曲げ部
よりも容易に折り曲げることができるとともに、樹脂製
箱の直立性も向上する。
【0015】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部が外側になるように形成されて
いることを特徴としている。
【0016】上記の発明によれば、薄肉部が外側になる
ように形成されているので、折り曲げ部における外側表
面に作用する張力が低減される。特に、2本以上の薄肉
部が外側表面に形成されている場合には、1本の薄肉部
が形成されているよりも、繰り返しの折り曲げに対して
耐久性に優れるものとなる。すなわち、1本の薄肉部を
繰り返し折り曲げると、局所部分の損傷が大きく破損し
易いが、2本以上の薄肉部が外側表面に形成されている
場合には、折り曲げが湾曲状に行なわれるので、折り曲
げ部における損傷が1本の薄肉部に対して小さい。した
がって、繰り返しの折り曲げによる破損を防止すること
ができ、通い箱として使用するのに好ましい樹脂製箱を
提供することができる。
【0017】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、折り曲げ部における2本以上の薄肉部
は、薄肉部の溝幅の和がシート厚さの1.4〜1.7倍
となるように形成されていることを特徴としている。な
お、溝幅とは溝の表面における最大開口幅をいう。
【0018】すなわち、折り曲げ部を垂直に折り曲げる
場合には、折り曲げ部の外側表面に作用する張力を低減
することにより、折り曲げ部の反発を低減し、樹脂製箱
の胴膨らみを低減することができる。
【0019】この点、本発明によれば、折り曲げ部にお
ける2本以上の薄肉部は、薄肉部の溝幅の和がシート厚
さの1.4〜1.7倍となるように形成されている。し
たがって、この値は理論的に、折り曲げ部の外側表面に
作用する張力を低減する値であるので、確実に、折り曲
げ部の外側表面に作用する張力を低減して、折り曲げ部
の反発を低減し、樹脂製箱の胴膨らみを低減し、ひいて
は樹脂製箱の直立性を確保することができる。
【0020】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、熱可塑性樹脂シートは、発泡倍率が
1.5〜9倍の発泡層からなる単層樹脂シート、または
少なくとも一層の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少
なくとも一層の非発泡層とを含む多層樹脂シートである
ことを特徴としている。なお、発泡層とは発泡倍率1.
5以上の層を意味する一方、非発泡層は、発泡倍率1の
完全非発泡のみならず、発泡倍率1.5未満の微発泡体
も含むものとする。
【0021】上記の発明によれば、熱可塑性樹脂シート
は、単層樹脂シートであってよく、または多層樹脂シー
トであってもよい。ただし、単層樹脂シートの場合に
は、発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層となっているのが
好ましい。また、多層樹脂シートの場合には、少なくと
も一層の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少なくとも
一層の非発泡層とを含んでいることが好ましい。
【0022】これによって、樹脂製箱の胴膨らみを低減
し、樹脂製箱の直立性を向上することができる。特に、
少なくとも一層の非発泡層を積層した多層樹脂シートで
は、非発泡層は発泡層に比べて高強度であることから、
樹脂製箱の直立性をさらに向上することができる。ま
た、多層樹脂シートでは、発泡倍率の異なる複数の発泡
層を積層することによって、軽量性および耐衝撃性を高
めることができる。したがって、軽量性等と強度とが両
立するので好ましい。
【0023】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、単層樹脂シート、または多層樹脂シー
トの少なくとも最外層には帯電防止剤が配合されている
ことを特徴としている。
【0024】上記の発明によれば、単層樹脂シート、ま
たは多層樹脂シートの少なくとも最外層には帯電防止剤
が配合されているので、ごみ等の吸着が低減され、樹脂
製箱が汚れるのを防止することができる。
【0025】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂が
プロピレン系樹脂であることを特徴としている。
【0026】上記の発明によれば、熱可塑性樹脂シート
を構成する樹脂がプロピレン系樹脂からなっているの
で、一体成形性に加えて、熱融着性、耐熱性、耐水性、
耐油性および耐薬品性等の各種性能において優れた樹脂
製箱を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0028】本実施の形態の箱1は、図1に示すよう
に、折り畳み可能な箱である。上記の箱1は、厚さ2〜
10mmの樹脂シート2で構成されている。当該箱1
は、連続した1枚の樹脂シート2で構成されていてよ
く、また、適宜の手段で接合された2枚以上の樹脂シー
ト2で構成されていてもよいが、箱1を構成している少
なくとも一枚の樹脂シート2には、少なくとも一つの折
り曲げ部3が存在する。
【0029】この折り曲げ部3は、例えば、連続した樹
脂シート2から形成された隣接する二面4・4間の辺部
3aであることができ、あるいは、図2に示すように、
一の面4と、該面4と連続しており該面4を他の面4に
接合するための接合部5(図2において斜線を付した部
分)との境界となる折り曲げ部3bであることもでき
る。
【0030】上記の箱1では、図3(a)(b)(c)
に示すように、樹脂シート2の折り曲げ部3に、最小厚
さが樹脂シート2の一般部6の厚さの1/10以上、2
/3以下である薄肉部7が形成されている。該薄肉部7
の厚さは、より好ましくは樹脂シート2の一般部6の厚
さの1/5以上、1/2以下である。すなわち、一般部
6の厚さの1/10未満になると、繰り返しの折り曲げ
に対して剥離による破損が生じ易くなる。一方、一般部
6の厚さの2/3を超えると、後述する折り曲げ部3に
作用する反発力が強くなり過ぎる。なお、該薄肉部7の
溝幅は、樹脂シート2の一般部6の厚さの1/2以上で
あることが好ましい。
【0031】本実施の形態の箱1は、樹脂シート2の折
り曲げ部3にこのような寸法の薄肉部7が形成されてい
るので、樹脂シート2の折り曲げ部3に作用する反発力
(復元力)が低減され、それゆえ、箱1の組み立てや箱
1内部への荷物の収容を容易に行うことができる。ま
た、樹脂シート2の折り曲げ部3に作用する反発力が低
減されているので、箱1自体に内在する歪みも低減され
ており、そのため、接合部の剥離などによる箱1の破損
が効果的に防止される。
【0032】上記樹脂シート2の折り曲げ部3における
薄肉部7は、例えば、樹脂シート2を適宜の手段を用い
て加熱圧縮することにより形成することができる。該薄
肉部7は、繰り返し折り曲げや引き裂きに対して特に優
れた耐久性を達成するために、樹脂シート2を延伸しつ
つ形成することが好ましい。具体的には、薄肉部7は、
樹脂の融点よりも5〜40℃低い温度に加熱した加圧治
具(通常は棒状治具)を樹脂シート2に押し付けて、樹
脂シート2の被加圧部の厚さが加圧前の厚さの1/10
以上、2/3以下の所望の厚さになるまで加圧すること
により形成することが好ましい。ここで、樹脂シート2
の主成分がポリプロピレンである場合には、治具の好ま
しい温度領域は120℃以上、150℃以下である。
【0033】上記の樹脂シート2の薄肉部7近傍におけ
る該薄肉部7の長手方向に垂直な断面の外縁形状は特に
限定されず、例えば図3(a)に示すU字形、図3
(b)に示すV字形、図3(c)に示す一辺開放方形な
どが挙げられるが、通常は、薄肉部7への応力集中を効
果的に防止できるという理由から、U字形が好ましい。
また、当該薄肉部7を形成した樹脂シート2を1つ以上
貼り合わせることによって形成される箱1においては、
薄肉部7を外側になるように折り曲げるのが、箱1の直
立性が良くなり好ましい。また、薄肉部7の引き裂きに
対する耐久性の観点から、図4に示すように、薄肉部7
の薄肉長さL1は、当該薄肉部7が形成されている折り
曲げ部3の折り曲げ長さL2よりも短いことが好まし
い。さらにまた、一つの折り曲げ部3には、互いに平行
な2本以上の薄肉部7・7が形成されていることが好ま
しい。この平行な2本以上の薄肉部7・7は、内側に2
本以上であって良いとともに、後述する実施の形態2に
示すように、外側に2本以上であってもよい。
【0034】上記構成の箱1は、少なくとも1枚の樹脂
シート2に対する折り曲げ部3での折り曲げと接合部5
での接合とを適宜施して製造することができる。樹脂シ
ート2の接合は、タッカー止め、ビス止め、融着、接着
などにより行うことができるが、融着または接着が好ま
しい。融着または接着によれば、接合を点ではなく面で
なすことができ、大きな耐荷重を達成することができ
る。
【0035】さらには、融着または接着で全面的に接合
した場合には、接合部分から異物が箱1内に入ることが
なく、安全性および衛生性において極めて好ましい。ま
た、大きな接合力が達成可能であることから、融着が最
も好ましい。融着は、樹脂シート2を熱板に接触させる
か熱板の極近傍に接近させて加熱し、加圧融着させる手
法や、超音波融着、振動融着などの手法により行うこと
ができる。超音波融着は、融着部分の近傍にエネルギー
が集中するため融着部分周辺の材料を傷め難いので、特
に好適である。
【0036】ところで、上記の箱1は、剛性に優れ、か
つ目付量が小さいことが望まれる。この要求を満たすた
めに、本実施の形態の箱1を構成する樹脂シート2の一
般部6における厚さは、好ましくは2mm以上、かつ1
0mm以下であり、より好ましくは3mm以上、かつ5
mm以下である。
【0037】また、上記樹脂シート2は、後に詳述する
が、例えばプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分
とする樹脂からなっており、例えば発泡倍率約3倍の単
一の発泡層のみで構成された単層発泡シートからなって
いる。この樹脂シート2の密度としては、0.1g/c
3 以上、かつ0.6g/cm3 以下が好ましい。この
ような密度の樹脂シート2は、目付量の割に剛性に優
れ、このような樹脂シート2からなる箱1は重量の割に
強度に優れたものとなる。
【0038】このような低密度の樹脂シート2として
は、リブとライナーとで形成された中空構造の樹脂シー
ト、ハニカムコア中空構造の樹脂シート、発泡層を含む
樹脂シートなどが挙げられる。特にこの内では、樹脂シ
ート2の製造コスト、箱1にしたときの取り扱い易さの
観点から、発泡層を含む樹脂シート2が好ましい。
【0039】また、本実施の形態において、樹脂シート
2としては、単一の発泡層のみで構成された単層発泡シ
ートのみならず、図5(a)〜(d)に示すように、二
以上の発泡層で構成された多層発泡シートや、少なくと
も一層の発泡層と少なくとも一層の非発泡層とで構成さ
れた多層発泡シートも好ましく適用することができる。
多層発泡シートが二以上の発泡層を有する場合には、各
発泡層の素材、発泡倍率などは同一であってもよく、ま
た、異なってもよい。
【0040】上記の樹脂シート2が、発泡層と非発泡層
とを併せ有する発泡シートである箱1は、軽量性と強度
とが両立するので好ましい。具体的には、例えば、非発
泡層と発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層とからなる発泡
シートは、軽量かつ高剛性を達成し易いので好ましい。
発泡層と非発泡層の厚さの比率は、所望の軽量性と強度
を勘案して適宜決定することができる。
【0041】ここで、本実施の形態において、発泡層と
は発泡倍率1.5以上の層を意味し、例えば2〜40倍
程度をいう。一方、非発泡層は、発泡倍率1の完全非発
泡のみならず、発泡倍率に1.5未満の微発泡体も含む
ものとする。
【0042】具体的には、例えば、上記図5(a)に示
すものは、発泡倍率が1.5〜9倍であって厚さ2〜1
0mmの発泡層を、表面および裏面にて膜厚100〜1
000μmからなる発泡倍率1.5未満の非発泡層を挟
持したものからなっている。なお、同図(a)において
は、いずれか一方の非発泡層を省略したものでもよい。
また、例えば、図5(b)に示すように、下層から順
に、発泡倍率1.5未満の非発泡層、発泡倍率1.5〜
9倍の発泡層、発泡倍率1.5未満の非発泡層、発泡倍
率20〜40倍の発泡層を積層したものであってもよ
い。なお、同図の小円は空隙を表す。さらに、図5
(c)に示すように、下層から順に、発泡倍率1.5未
満の非発泡層、発泡倍率1.5〜9倍の発泡層、発泡倍
率30倍程度の発泡層を積層したものであってもよい。
一方、図5(d)に示すように、下層から順に、発泡倍
率1.5〜9倍の発泡層、発泡倍率1.5未満の非発泡
層、発泡倍率1.5未満の非発泡層、発泡倍率1.5〜
9倍の発泡層というように、芯材として発泡倍率1.5
未満の非発泡層を用いるものも可能である。
【0043】前記の単層の発泡シートは、常圧加熱法、
押出発泡法、加圧発泡法、射出発泡法などにより製造す
ることができる。一方、多層発泡シートは、多層押出発
泡法により製造することができ、また、予め製造したそ
れぞれの層を接着や融着などの手段により積層すること
により製造することもできる。
【0044】また、本実施の形態の箱1を構成する樹脂
シート2の素材は特に限定されないが、プロピレン系樹
脂を主成分とする樹脂が好ましい。これは、プロピレン
系樹脂(特に、ポリプロピレン)が、一体成形性に加え
て、熱融着性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐薬品性等の
各種性能において優れているためである。プロピレン系
樹脂は、その特長が著しく損なわれない限り、エチレン
系樹脂、エラストマーなどを含有してよい。
【0045】また、本実施の形態の箱1を構成する樹脂
シート2は、必要に応じて、シリカ、マイカ、タルク等
の無機充填材、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、
超高分子量ポリエチレン繊維等の補強材、熱安定剤、紫
外線吸収剤、着色剤等の各種添加剤を含有してもよい。
【0046】上記熱安定剤としては、例えば、スミライ
ザーBP101(商品名、住友化学工業製)、ウルトラ
ノックス626(商品名、住友化学工業製)等が挙げら
れる。また、紫外線吸収剤としては、例えば、スミソー
ブS577(商品名、住友化学工業製)が挙げられる。
【0047】さらに、本実施の形態の箱1は、通い箱と
しての使用では、汚れ難いことが望まれる。一般に、樹
脂製の箱は帯電し易く、ごみ等を吸着して汚れ易い。そ
こで、箱1には、帯電防止性能が付与されていることが
好ましい。樹脂シート2ヘの帯電防止性能の付与は、帯
電防止剤の使用により達成することができる。
【0048】適用できる帯電防止剤としては、例えば、
ステアリルエタノールアミン、ステアリルジエタノール
アミン、ラウリルアミン、ラウリルジエタノールアミン
等のアミン化合物、アマイド化合物、ステアリルジエタ
ノールモノステアレート、グリセリン脂肪酸エステル等
のエステル化合物、第4級アンモニウム化合物、ピリジ
ン誘導体、カルボン酸誘導体等が挙げられる。
【0049】上記の帯電防止剤は、単一の化合物であっ
てもよく、二種類以上の化合物の混合物でもよい。ま
た、上に例示した低分子型帯電防止剤のみならず、例え
ば、ポリエーテル系樹脂およびポリアミド系樹脂などの
ポリマー型帯電防止剤を使用することもできる。
【0050】また、上記ポリマー型帯電防止剤の中で
も、下記一般式 HO−[(OC−R1 −NH)x −(OC−(R2 O)
z −)y n −H (式中、n、x、yおよびzは、それぞれ独立した整数
であり、R1 およびR2はそれぞれ独立したアルキル
基、環状脂肪族基または芳香族基である)で表されるポ
リエーテルエステルアミド樹脂が好ましい。
【0051】ところで、箱1が汚れた場合には、その汚
れを拭き取ったり、洗い流すことがある。上に例示した
低分子型帯電防止剤はいずれも水との親和性に優れるた
めに、水洗したとき、これらの帯電防止剤は水とともに
流れてしまい、その結果、箱1の帯電防止性能は失われ
てしまう。そこで、この問題は、上記ポリマー型帯電防
止剤を帯電防止剤として使用することにより解決するこ
とができる。
【0052】樹脂シート2ヘの具体的な帯電防止性付与
の形態としては、樹脂のシートヘの成形前に予め樹脂に
帯電防止剤を練り込む形態、樹脂シート2表面に帯電防
止剤を塗布する形態、および予め作製した帯電防止性能
を有するフィルムを樹脂シート2の表面に貼着する形態
等が挙げられる。
【0053】上記練り込みの場合、帯電防止剤は樹脂シ
ート2の全体に配合されていてもよいが、少量の帯電防
止剤で効率的に帯電防止性能を発揮することができるよ
うに、少なくとも2層で構成した樹脂シート2の帯電防
止性を発揮させたい表面を有する層のみに帯電防止剤を
配合しておくことが好ましい。例えば、樹脂シート2の
片面のみに帯電防止性が求められる場合には、樹脂シー
ト2を少なくとも2層で構成し、帯電防止性が求められ
る表面を有する層のみに帯電防止剤を配合することによ
り、効率的に所望の帯電防止性を達成することができ
る。また、樹脂シート2の両面に帯電防止性が求められ
る場合には、少なくとも3層で構成した樹脂シート2の
両最外層に帯電防止剤を配合することにより、効率的に
所望の帯電防止性を達成することができる。
【0054】このような帯電防止性を有する積層シート
は、例えば共押出成形法により製造することができる。
ポリマー型帯電防止剤を樹脂への練り込みに適用する場
合、その配合量は樹脂の5重量%以上が好ましく、10
重量%以上、かつ20重量%以下がより好ましい。5重
量%未満では、十分な帯電防止性を発現し難いためであ
る。
【0055】このように、本実施の形態の箱1では、折
り曲げ部3の反発が少なく、箱1の組み立て時や箱1内
へ物品の収容時の作業性に優れ、しかも、内部歪みに起
因する破損が生じ難い箱1が提供される。
【0056】また、本実施の形態の箱1は、耐久性にも
優れ、通い箱として好適に使用することができる。
【0057】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図6ないし図8に基づいて説明すれば、以下の
通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1
の図面に示した部材と同一の機能を有する部材について
は、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、前
記実施の形態1で述べた各種の特徴点については、本実
施の形態についても組み合わせて適用し得るものとす
る。
【0058】本実施の形態の箱20は、図6に示す樹脂
シート21を2枚接合して形成されるものとなってい
る。すなわち、樹脂シート21は各蓋部8および底部1
0を含む正面背面構成材21aと側面構成材21bと接
合部22とからなっている。したがって、一枚のシート
で箱20の直方体の4側面を形成するものではない点
で、製造装置の小型化および金型の簡易化等が図れるも
のとなっている。
【0059】一方、本実施の形態では、各一つの折り曲
げ部3には、互いに平行な2本の薄肉部7・7が形成さ
れているとともに、この折り曲げ部3においては2本の
薄肉部7・7を外側にして折り曲げるようになってい
る。また、この2本の薄肉部7・7は、いずれも前記実
施の形態1で述べたと同様に、薄肉部7・7の薄肉長さ
L1は当該薄肉部7・7が形成されている折り曲げ部3
の折り曲げ長さL2よりも短くなっている。したがっ
て、薄肉長さL1の薄肉部7・7の両端は、薄肉ではな
いものとなっている。これよって、この箱20が繰り返
し折曲されて使用される場合においても、折り曲げ部3
での破断を防止することができる。なお、本実施の形態
では、薄肉長さL1の薄肉部7・7の両端に薄肉ではな
い部分を形成しているが、必ずしもこれに限らず、例え
ば、薄肉部7・7の中央の任意の位置に薄肉ではない部
分を1個または複数個形成することが可能である。
【0060】また、上記2本の薄肉部7・7は、本実施
の形態では、図7に示すように、樹脂シート21の厚さ
をtとしたとき、各薄肉部7・7の外側表面開口長さつ
まり溝幅Dの和2Dが、 1.4t≦2D≦1.7t …………(式1) を満たすように設定されている。
【0061】すなわち、樹脂シート21を折り曲げ部3
にて折り曲げるに際して、外側表面にできるだけ引張り
応力がかからないようにするには、外側表面の長さが内
側表面の長さよりも短いことが理想である。いま、内側
表面の曲率半径をXとすると、折り曲げ部3における外
側表面の長さと内側表面との長さとの差Δは、 Δ=2π(X+t)/4−2πX/4 =πt/2 =1.57t となる。したがって、理想的には、1.57t≦2Dと
するのが好ましいが、実用的には、上述したように、
1.4t≦2D≦1.7tであれば、可撓性のない樹脂
シート21を折曲する場合において、胴ふくれは問題と
ならないことが分かった。また、2D≦1.7tとした
のは、各薄肉部7・7の溝幅Dの和2Dが大きすぎる
と、繰り返し使用する場合に、折り曲げ部3での切断が
発生し易いことのためである。なお、上記の薄肉部7・
7は、折り曲げ部3である回転角π/4の間にあること
が好ましい。
【0062】上記のことから、上記折り曲げ部3の薄肉
部7・7は、必ずしも2本に限らず、例えば、図8
(a)に示すように、外側に3本以上の溝を形成するこ
とが可能である。また、図8(b)に示すように、上記
(式1)の関係を満たして、外側表面に2本の薄肉部7
・7を形成するとともに、内側表面にも例えば1本の薄
肉部7を形成することができる。これによって、箱20
を組み立てたときの該箱20の直立性が良くなる。
【0063】なお、その他の構成、例えば、薄肉部7・
7はシート厚さの1/10以上、2/3以下であるこ
と、樹脂シート2は、少なくとも一層の発泡倍率が1.
5〜9倍の発泡層と少なくとも一層の非発泡層とを有す
る多層樹脂シートであること、少なくとも一層の発泡倍
率が1.5〜9倍の発泡層を有する単層樹脂シートまた
は多層樹脂シートからなり、その少なくとも最外層には
帯電防止剤が配合されているとすることができること、
樹脂がプロピレン系樹脂であること等については、実施
の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0064】このように、本実施の形態の箱20では、
一つの折り曲げ部3には平行な2本2本以上の薄肉部7
・7が長手方向に形成されている。したがって、1本の
薄肉部7が形成された折り曲げ部3よりも容易に折り曲
げることができるとともに、箱20の直立性も向上す
る。
【0065】また、本実施の形態の箱20では、薄肉部
7・7が外側になるように形成されているので、折り曲
げ部3における外側表面に作用する張力が低減される。
特に、本実施の形態のように、2本以上の薄肉部7・7
が外側表面に形成されている場合には、1本の薄肉部7
が形成されているよりも、繰り返しの折り曲げに対して
耐久性に優れるものとなる。すなわち、1本の薄肉部7
を繰り返し折り曲げると、局所部分の損傷が大きく破損
し易いが、2本以上の薄肉部7・7が外側表面に形成さ
れている場合には、折り曲げが断面形状において湾曲状
に行なわれるので、折り曲げ部3における損傷が1本の
薄肉部に対して小さい。したがって、繰り返しの折り曲
げによる破損を防止することができ、通い箱として使用
するのに好ましい箱20を提供することができる。
【0066】また、本実施の形態の箱20では、折り曲
げ部3における2本以上の薄肉部7・7は、薄肉部7・
7の溝幅Dの和2Dがシート厚さの1.4〜1.7倍と
なるように形成されている。
【0067】したがって、この値は理論的に、折り曲げ
部3の外側表面に作用する張力を低減する値であるの
で、確実に、折り曲げ部3の外側表面に作用する張力を
低減して、折り曲げ部3の反発を低減し、箱20の胴膨
らみを低減し、ひいては箱20の直立性を確保すること
ができる。
【0068】
【実施例】以下、実施例、比較例、および図9により本
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより
限定されるものではない。
【0069】〔実施例1〕厚さ4mmの発泡ポリプロピ
レンシート(商品名:スミセラー、住化プラステック
(株)製、発泡倍率:3倍)を、図1に概略的に示すよ
うな長さ400mm、幅300mm、高さ350mmの
A式箱を図2に示すように展開した形状に裁断した。な
お、A式箱とは、JISの規格をいう。
【0070】次いで、図2中に太線で示した部分に、1
40℃に加熱した幅5mmのU字型の棒を押し当て、そ
の部分のシートの最小厚さが1.5mmになるまで圧縮
して、図3(a)に示すように、薄肉部7(ヒンジ部)
を形成した。このとき、薄肉部7は、図4に示すよう
に、折り曲げ部3の両端にそれぞれ約1〜3mmの非圧
縮部を残して形成した。すなわち、(折り曲げ長さL2
−薄肉長さL1)/2=約1〜3mmとなっている。
【0071】次いで、上記発泡ポリプロピレンシートの
接合部5を250℃に加熱した熱板に1分間密着させた
後、同シートの被接合部11(図2において横縞模様を
付した部分)に接合してA式箱を得た。
【0072】〔実施例2〕実施例1で使用したのと同様
の発泡ポリプロピレンシートの両面に、ポリエーテルエ
ステルアミド樹脂系帯電防止剤(商品名:TPAE 1
0HP、富士化成工業(株)製)を20重量%添加した
厚さ100μmのポリプロピレンフィルムをホットメル
ト型接着剤を用いて貼着した。得られた積層シートを用
いて、実施例1と同様にしてA式箱を得た。
【0073】〔比較例1〕シートの薄肉部7における最
小厚さを3mmとした以外は実施例と同様にしてA式箱
を得た。
【0074】〔実施例3〕実施例1で使用したのと同様
のポリプロピレン樹脂発泡シートの両面に、グリセリン
脂肪酸エステル系帯電防止剤(商品名:デノン222
0、丸菱油化(株)製)を0.5重量%添加した厚さ1
00μmポリプロピレンフィルムをホットメルト型接着
剤を用いて貼着した。得られた積層シートを用いて、実
施例1と同様にしてA式箱を得た。 (評価)実施例1〜3および比較例1で作成した箱1を
以下に示す方法で評価した。結果を表1に示す。 (1)箱1の一つの蓋部8を、それに繋がった側面部9
と90度の角をなすように手で押し倒して蓋部8を閉め
た状態にし、30秒後に該蓋部8から手を離した。手を
離してから30秒後に当該蓋部8と前記側面部9とのな
す角αを測定した。αが135度以下であれば良好、1
35度を超えると不良と判断した。 (2)帯電防止性の耐水性 樹脂シートの一部を10cm×10cmの大きさに切り
取り、60℃の温水に10分間浸漬後、風乾する処理を
3回繰り返した。この浸漬処理前および各浸漬処理後の
シート表面抵抗率を測定した。表面抵抗率の測定条件
は、下記のとおりである。
【0075】 装置:東亜電波社製 極超絶縁計SM−8210 平板用電極SME8310 試験環境:23℃/50%RH 印加電圧:500V 測定操作:10秒間印加電圧をかけ、1分後の抵抗値を測定した。
【0076】
【表1】
【0077】〔実施例4・5〕ここでは、実施の形態1
の箱1と実施の形態2の箱20を用いた座屈強度評価に
ついて説明する。
【0078】すなわち、内側に薄肉部7・7を2本設け
た箱1と、外側に2本の薄肉部7・7を設けた箱20に
対して、座屈強度にどの程度の違いがあるかを評価し
た。
【0079】具体的には、内側に薄肉部7・7を2本設
けた箱1と、外側に2本の薄肉部7・7を設けた箱20
とに対して、図9に示すように、各側面に当て鉄板を当
接して上方から荷重をかけた圧縮試験を行ない、座屈強
度がいかなるものとなるかを評価した。
【0080】箱1および箱20のサイズは、幅325m
m×奥行き405mm×高さ295mmである。また、
圧縮試験機は、商品名DSS−2000オートグラフ
(島津株式会社製)を使用し、圧縮速度=10mm/m
inとした。また、樹脂シート2・21はいずれも3倍
発泡、シート厚さはいずれも4mmである。さらに、薄
肉部7は、U字溝にて形成し、深さ1.5mmとした。
また、折り曲げ部3の薄肉部7を除く各両端部分の長さ
は2mmとした。なお、薄肉部7を形成する際の治具加
熱温度は140℃とした。
【0081】その結果、内側に薄肉部7・7を2本設け
た箱1についての実施例4、および外側に2本の薄肉部
7・7を設けた箱20についての実施例5の各結果は、
表2に示す通りとなった。
【0082】
【表2】
【0083】上記の表2より以下のことがわかった。 初期(箱組み立て時)の箱1および箱20の状態よ
り、箱1では初期(箱組み立て時)の胴膨らみ量が3.
5mmであるのに対して、箱20の初期(箱組み立て
時)の胴膨らみ量は1.8mmである。したがって、箱
組み立て時から、箱1は箱20よりも約2倍の膨らみが
ある。すなわち、このことは、外側に2本の薄肉部7・
7を設けた箱20では、箱組み立て時において、胴膨ら
み量が小さいことが分かる。 10mm撓み時においては、箱1の胴膨らみ量は1
2.0mmである一方、箱20の胴膨らみ量は2.0m
mである。このことは、箱1では僅かの横荷重を与えた
だけで、胴膨らみ量が大きくなることを示す。すなわ
ち、側面から荷重をかけた場合に、荷重方向に垂直な側
面ではもともと胴膨らみ量の大きいものがさらに大きく
膨らむことがわかる。 座屈降伏点の圧縮荷重は、箱1では311kgであ
るのに対して、箱20では409kgである。したがっ
て、座屈強度は箱20の方が大きいことがわかる。ま
た、このときの座屈状態は、箱1では外側に膨らんだ状
態で座屈しているのに対して、箱20では僅かに内側に
凹んだ状態で座屈していた。
【0084】この評価試験により、外側に2本の薄肉部
7・7を設けた箱20は、内側に2本の薄肉部7・7を
設けた箱1よりも、初期の胴膨らみ量が小さく、かつ座
屈強度も大きいことが判明した。
【0085】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂シートは、以上の
ように、熱可塑性樹脂のシートからなり、かつそのシー
トには最小厚さが該シート厚さの1/10以上、2/3
以下である薄肉部が形成されているものである。
【0086】また、本発明の樹脂製箱は、以上のよう
に、熱可塑性樹脂シートで構成されるとともに、上記熱
可塑性樹脂シートの折り曲げ部には、その折り曲げ部の
長手方向に延び、かつ最小厚さが該熱可塑性樹脂シート
におけるシート厚さの1/10以上、2/3以下である
薄肉部が形成されているものである。
【0087】それゆえ、その組み立て時および物品の収
容時の作業効率が改善されるという利点を有するととも
に、折り曲げ部における反発が低減されているので、貼
り合わせなどによる接合部における剥離破損が効果的に
防止される。したがって、折り曲げ部における反発を低
減し、箱の組み立て時や箱内への荷物の収容時の作業性
を向上し得る熱可塑性樹脂シートおよび樹脂製箱を提供
することができるという効果を奏する。
【0088】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部の長さが折り曲げ部の長さより
も短いものである。
【0089】それゆえ、折り曲げ部の全てを薄肉部にし
た場合よりも、折り曲げの耐久性が向上し、容易に折り
曲げ部にて切断されるということがないという効果を奏
する。
【0090】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、平行な2本以上の薄肉部が一つの折り
曲げ部に形成されているものである。
【0091】それゆえ、1本の薄肉部が形成された折り
曲げ部よりも容易に折り曲げることができるとともに、
樹脂製箱の直立性も向上するという効果を奏する。
【0092】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、薄肉部が外側になるように形成されて
いるものである。
【0093】それゆえ、折り曲げ部における外側表面に
作用する張力が低減される。特に、2本以上の薄肉部が
外側表面に形成されている場合には、1本の薄肉部が形
成されているよりも、繰り返しの折り曲げに対して耐久
性に優れるものとなる。したがって、繰り返しの折り曲
げによる破損を防止することができ、通い箱として使用
するのに好ましい樹脂製箱を提供することができるとい
う効果を奏する。
【0094】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、折り曲げ部における2本以上の薄肉部
は、薄肉部の溝幅の和がシート厚さの1.4〜1.7倍
となるように形成されているものである。
【0095】それゆえ、薄肉部の溝幅の和がシート厚さ
の1.4〜1.7倍となるように形成されているという
その値は、理論的に、折り曲げ部の外側表面に作用する
張力を低減する値であるので、確実に、折り曲げ部の外
側表面に作用する張力を低減して、折り曲げ部の反発を
低減し、樹脂製箱の胴膨らみを低減し、ひいては樹脂製
箱の直立性を確保することができるという効果を奏す
る。
【0096】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、熱可塑性樹脂シートは、発泡倍率が
1.5〜9倍の発泡層からなる単層樹脂シート、または
少なくとも一層の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少
なくとも一層の非発泡層とを含む多層樹脂シートである
ものである。
【0097】それゆえ、樹脂製箱の胴膨らみを低減し、
樹脂製箱の直立性を向上することができる。特に、少な
くとも一層の非発泡層を積層した多層樹脂シートでは、
非発泡層は発泡層に比べて高強度であることから、樹脂
製箱の直立性をさらに向上することができる。また、多
層樹脂シートでは、発泡倍率の異なる複数の発泡層を積
層することによって、軽量性および耐衝撃性を高めるこ
とができる。したがって、軽量性等と強度とが両立する
ので好ましいという効果を奏する。
【0098】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、単層樹脂シート、または多層樹脂シー
トの少なくとも最外層には帯電防止剤が配合されている
ものである。
【0099】それゆえ、単層樹脂シート、または多層樹
脂シートの少なくとも最外層には帯電防止剤が配合され
ているので、ごみ等の吸着が低減され、樹脂製箱が汚れ
るのを防止することができるという効果を奏する。
【0100】また、本発明の樹脂製箱は、上記記載の樹
脂製箱において、熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂が
プロピレン系樹脂であるものである。
【0101】それゆえ、一体成形性に加えて、熱融着
性、耐熱性、耐水性、耐油性および耐薬品性等の各種性
能において優れた樹脂製箱を提供することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における樹脂製箱の実施の一形態を示す
斜視図である。
【図2】上記樹脂製箱を示す概略展開図である。
【図3】(a)(b)(c)は上記樹脂製箱の折り曲げ
部に形成された各薄肉部の形状を示す断面図である。
【図4】上記樹脂製箱の折り曲げ部に形成された薄肉部
を示す斜視図である。
【図5】(a)(b)(c)(d)は上記樹脂製箱の樹
脂シートの構成を示す断面図である。
【図6】本発明における樹脂製箱の他の実施の形態を示
す展開図である。
【図7】上記樹脂製箱の折り曲げ部の構成を示す端面図
である。
【図8】(a)(b)は上記樹脂製箱の折り曲げ部の他
の構成を示す端面図である。
【図9】座屈試験の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 箱(樹脂製箱) 2 樹脂シート(熱可塑性樹脂シート) 3 折り曲げ部 6 一般部 7 薄肉部 8 蓋部 9 側面部 10 底部 20 箱(樹脂製箱) 21 樹脂シート(熱可塑性樹脂シート) D 溝幅 L1 薄肉長さ L2 折り曲げ長さ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:04 B29K 105:04 B29L 9:00 B29L 9:00 22:00 22:00 (72)発明者 山蔦 浩治 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 (72)発明者 大村 吉典 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 3E060 AB05 BA02 BC04 BC07 DA25 4F100 AK01A AK01C AK07B AK07C AL05A BA03 BA06 BA10A BA10C CA22A CB03 DA01 DJ01B GB16 JB16A JB16C 4F209 AA11 AG03 AG07 AG20 AH56 NA01 NB01 NG02 NG05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂のシートからなり、かつその
    シートには最小厚さが該シート厚さの1/10以上、2
    /3以下である薄肉部が形成されていることを特徴とす
    る熱可塑性樹脂シート。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂シートで構成されるととも
    に、上記熱可塑性樹脂シートの折り曲げ部には、その折
    り曲げ部の長手方向に延び、かつ最小厚さが該熱可塑性
    樹脂シートにおけるシート厚さの1/10以上、2/3
    以下である薄肉部が形成されていることを特徴とする樹
    脂製箱。
  3. 【請求項3】薄肉部の長さが折り曲げ部の長さよりも短
    いことを特徴とする請求項2記載の樹脂製箱。
  4. 【請求項4】平行な2本以上の薄肉部が一つの折り曲げ
    部に形成されていることを特徴とする請求項2または3
    記載の樹脂製箱。
  5. 【請求項5】薄肉部が外側になるように形成されている
    ことを特徴とする請求項2、3または4記載の樹脂製
    箱。
  6. 【請求項6】折り曲げ部における2本以上の薄肉部は、
    薄肉部の溝幅の和がシート厚さの1.4〜1.7倍とな
    るように形成されていることを特徴とする請求項4また
    は5記載の樹脂製箱。
  7. 【請求項7】熱可塑性樹脂シートは、発泡倍率が1.5
    〜9倍の発泡層からなる単層樹脂シート、または少なく
    とも一層の発泡倍率が1.5〜9倍の発泡層と少なくと
    も一層の非発泡層とを含む多層樹脂シートであることを
    特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の樹脂製
    箱。
  8. 【請求項8】単層樹脂シート、または多層樹脂シートの
    少なくとも最外層には帯電防止剤が配合されていること
    を特徴とする請求項7記載の樹脂製箱。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂シートを構成する樹脂がプロ
    ピレン系樹脂であることを特徴とする請求項2〜8のい
    ずれか1項に記載の樹脂製箱。
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