JP2003103828A - 光書き込みヘッドおよび樹脂レンズアレイ - Google Patents
光書き込みヘッドおよび樹脂レンズアレイInfo
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- JP2003103828A JP2003103828A JP2001299883A JP2001299883A JP2003103828A JP 2003103828 A JP2003103828 A JP 2003103828A JP 2001299883 A JP2001299883 A JP 2001299883A JP 2001299883 A JP2001299883 A JP 2001299883A JP 2003103828 A JP2003103828 A JP 2003103828A
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Abstract
あって、低価格および高品位の印字化を可能にする光書
き込みヘッドを提供する。 【解決手段】 樹脂レンズアレイ10は、3枚の樹脂レ
ンズプレート12により構成されている。樹脂レンズプ
レート12の一方の面には、中央部のレンズ形成領域1
8の外側に樹脂レンズプレート12を積層する際に位置
合わせをするための円錐状の凸部14が設けられ、他方
の面には、この円錐状の凸部14と嵌合する凹部16が
設けられている。樹脂レンズアレイ10は、この凸部1
4と凹部16を嵌合させて樹脂レンズプレート12を積
層して形成される。
Description
に搭載されて、発光素子アレイからの出射光をレンズア
レイにより集光して感光体に投影する光書き込みヘッド
に関する。
には、従来、屈折率分布型ロッドレンズアレイがしばし
ば用いられてきた。電子写真プリンタに使用される従来
の光書き込みヘッドの一例を図1に示す。図1は、従来
の光書き込みヘッドのヘッド長手方向に直交する方向の
断面図である。従来の光書き込みヘッドでは、基板53
上に、発光素子を列状に配置した発光素子アレイチップ
54が、走査方向に実装され、この発光素子の出射光の
光軸上には、等倍率の正立像を結像させるロッドレンズ
をヘッドの長手方向に列状に配置したロッドレンズアレ
イ51が樹脂ハウジング52により固定されている。ロ
ッドレンズの光軸上には、感光ドラム55が設けられ、
発光素子の光を正立等倍のロッドレンズを介して感光ド
ラムに照射する。
ようにして行われる。まず、感光ドラムの表面に、予め
コロナ放電等の手段により帯電電位を与え、発光素子の
光をロッドレンズを介して感光ドラムに照射し、その照
射部分の電位を減衰させて、潜像を形成する。次に、帯
電されたトナーを、感光ドラムの潜像部分に静電吸着力
により付着させ、現像されたトナーを紙等に転写し、紙
等に転写されたトナーを熱等により定着させる。
結像光学系が極めてコンパクトに実現できる。しかし、
このレンズアレイは、多数のロッドレンズ素子を配列
し、樹脂で固定して製造するため、レンズ素子の配列む
ら等が発生しやすい。このような配列むらは、レンズア
レイの解像度に影響を与え、最近の高解像度化(例え
ば、解像度1200dpi)した機器において画像むら
等を発生する原因となっている。
に、上記ロッドレンズアレイの代わりに樹脂正立レンズ
アレイを用いることが考えられている。樹脂正立レンズ
アレイは、透明基板上に多数の単レンズが形成された平
板型のレンズアレイ板を2枚以上積層することにより、
正立等倍結像光学系を実現するものであり、多数の単レ
ンズが形成されたレンズアレイ板を、樹脂を型に注入す
ることによって製造するため、レンズに配列むらが発生
する恐れがない。
式のLEDプリンタに用いられる光書き込みヘッドが、
特開2000−221445号公報にて開示されてい
る。これは、樹脂成形されたレンズアレイプレートを複
数枚積層させ、解像度を向上させた正立等倍の光学系の
構成に関するものである。
開2000−221445号公報にて開示されている光
書き込みヘッドにおいては、以下のような問題点があ
る。
は、レンズの頂点位置同士の位置ズレ量を少なくするよ
うに位置合わせをする必要があるが、レンズアレイを高
解像度の光書き込みヘッドに使用するには、レンズの大
きさを極力小さくする必要があり、例えば、1200d
piの解像度を有する光書き込みヘッドに使用するレン
ズアレイでは、シミュレーションによると単レンズの径
は0.4mm以下に設定する必要があり、自ずとレンズ
位置合わせの精度もμmオーダーで調整しなければなら
ない。したがって、レンズの位置合わせには高い精度が
要求され、樹脂レンズアレイを複数枚積層する構成にお
いて、その位置合わせは非常に困難である。
は、トナーを排出する現像ローラーが位置しているた
め、トナー等の異物が浮遊しており、異物が樹脂レンズ
アレイの出射面に付着して光書き込みヘッドの性能低下
を招くため、定期的に、柔らかい布で拭き取る等の方法
で付着物の除去を行っている。しかしながら、凸レンズ
を用いた樹脂レンズアレイにおいては、表面が凹凸形状
であるため、清掃が困難である。また、光学レンズに一
般的に用いられる樹脂は、鉛筆硬度でB〜HB(JIS
K5401)であり、比較的柔らかいため、付着物の
除去時に樹脂レンズアレイ表面に傷を発生させ易く、光
学性能を低下させてしまう恐れがある。
脂の透過率は、90〜93%(ASTM Dl003)
であり、高速印刷には極力明るいレンズアレイが必要と
されるため、樹脂レンズアレイは、極力薄型とすること
が望ましいが、薄肉化すると、樹脂レンズアレイ自体の
形状保持カの著しい低下を招く。形状保持力の弱い樹脂
レンズアレイを、位置精度良くヘッドに実装するために
は、レンズアレイ支持部材の構造の複雑化と高精度化を
招き、部品コストを上昇させるという問題がある。
張係数は5〜9×10-5である。主として使われている
屈折率分布型ロツドレンズアレイは、サイド板にガラス
繊維強化樹脂板が採用されており、比較的自己形状保持
性が高いため、樹脂ハウジングに載置固定するのが一般
的であった。しかしながら、樹脂製のレンズアレイは、
自己形状保持強度が非常に低いため樹脂ハウジングに載
置すると、樹脂ハウジング自体が比較的形状保持性能が
低いために、作動距離(発光点とレンズ入射面間距離)
精度を確保することが困難である。したがって 、ハウ
ジングは、形状保持強度の高い鉄材料および非鉄金属に
より構成されることが考えられるが、プリンタの内部温
度は20〜60℃の範囲で可変することにより、樹脂レ
ンズアレイと金属または非鉄金属で構成されるハウジン
グに、線膨張係数差に起因する歪みが発生し、樹脂レン
ズアレイの変形を招き、樹脂レンズアレイの位置精度を
低下させてしまうという問題がある。
との境界面に達すると、光線の一部分は境界面から反射
され、残りの部分は境界面を通り抜けて次の媒体の中に
入っていく。光学樹脂レンズと空気層間での、入射角0
°時の反射光量は、4%前後である。すなわち、1枚の
レンズアレイを光線が透過する際の透過率は、(1−
0.04×2)×100=0.92×100=92
(%)となる。n枚のレンズアレイを積層させた光学系
においては、n枚のレンズアレイを光線が透過するた
め、全透過率は、(0.92n ×100)%となり、レ
ンズアレイを複層化することで全透過光量が減少する。
例えば、樹脂レンズアレイを3層とし、保護カバーを一
層用いた構成においての全透過率は、0.924 ×10
0=72%となり、28%の光量低下を招いてしまう。
に着目してなされたもので、樹脂レンズアレイを搭載し
たヘッドの構成を提案し、低価格および高品位の印字化
を可能にする光書き込みヘッドを提供することにある。
状に配置した発光素子アレイチップからの出射光を、球
面あるいは非球面の微小レンズが所定のピッチで平板上
に規則的に配列された樹脂レンズプレートを複数枚積み
重ねて形成される樹脂レンズアレイにより集光して感光
体に投影する光書き込みヘッドにおいて、前記樹脂レン
ズプレートは、一方の面のレンズ形成領域外に凸部が形
成されており、他方の面のレンズ形成領域外に前記凸部
と嵌合する凹部が形成されており、前記樹脂レンズアレ
イは、前記樹脂レンズプレートに形成された前記凸部と
凹部とを嵌合させて樹脂レンズプレートを積み重ねて形
成されることを特徴とする。
た円錐状の凸形状であることが望ましく、前記凸部と嵌
合する凹部には、前記凸部と凹部とを接着固定する際
に、接着剤を逃がすための穴が形成されていることが望
ましい。
面の、連続する凸形状または間隔を有して連続する凸形
状であることが望ましく、前記凸部と嵌合する凹部に
は、前記凸部と凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃
がすための溝が形成されていることが望ましい。
の反射を低減する反射防止膜が形成されていることが望
ましい。
ズアレイを支持する支持体に形成された嵌合凹部に載置
されて前記発光素子アレイチップの発光素子の光軸上に
取り付けられており、前記嵌合凹部の長手方向の長さ
は、前記樹脂レンズアレイと支持体の間に熱膨張差が発
生した場合に、熱膨張差による歪みを吸収できるように
前記樹脂レンズアレイより長手方向に長いことが望まし
い。
部に透明カバーを配置し、樹脂レンズアレイに常時押し
圧力がかかるように、前記透明カバーにカバー押さえ金
具が取り付けられていることが望ましい。
記樹脂レンズプレートにより構成されていることが望ま
しい。
走査型発光素子アレイチップであることが望ましい。
小レンズが所定のピッチで平板上に規則的に配列された
樹脂レンズプレートを複数枚積み重ねて形成される樹脂
レンズアレイであって球面あるいは非球面の微小レンズ
が所定のピッチで平板上に規則的に配列された樹脂レン
ズプレートを複数枚積み重ねて形成される樹脂レンズア
レイであって前記樹脂レンズプレートは、一方の面のレ
ンズ形成領域外に、形状が、所定の間隔で設けられた円
錐状の凸形状である凸部が形成されており、他方の面の
レンズ形成領域外に前記凸部と嵌合する凹部が形成され
ており、前記凸部と凹部とを嵌合させて樹脂レンズプレ
ートを積み重ねて形成されることを特徴とする。
凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃がすための穴が
形成されていることが望ましく、また、前記樹脂レンズ
プレートの表面に光の反射を低減する反射防止膜が形成
されていることが望ましい。
小レンズが所定のピッチで平板上に規則的に配列された
樹脂レンズプレートを複数枚積み重ねて形成される樹脂
レンズアレイであって前記樹脂レンズプレートは、一方
の面のレンズ形成領域外に、形状が、三角形状断面の、
連続する凸形状または間隔を有して連続する凸形状であ
る凸部が形成されており、他方の面のレンズ形成領域外
に前記凸部と嵌合する凹部が形成されており、前記凸部
と凹部とを嵌合させて樹脂レンズプレートを積み重ねて
形成されることを特徴とする。
凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃がすための溝が
形成されていることが望ましく、また、前記樹脂レンズ
プレートの表面に光の反射を低減する反射防止膜が形成
されていることが望ましい。
て図面を参照して説明する。
る樹脂レンズアレイは、両面あるいは片面に多数のレン
ズが形成された樹脂レンズプレートを、レンズアレイ面
が少なくとも3面以上となるように密着積層して形成さ
れる。図2は、本発明に係る光書き込みヘッドに搭載さ
れる樹脂レンズアレイの平面図と側面図であり、図3
は、樹脂レンズアレイの拡大した側面図である。樹脂レ
ンズアレイ10は、3枚の樹脂レンズプレート12によ
り構成されている。樹脂レンズプレート12は、細長い
長方形状であり、中央部のレンズ形成領域18には、微
小凸レンズが配列されている。微小凸レンズは、樹脂レ
ンズプレート12の両面に形成されている。なお、樹脂
レンズプレート12に形成される微小凸レンズは、球面
レンズあるいは非球面レンズのいずれでもよい。
には、レンズ形成領域18の外側に樹脂レンズプレート
12を積層する際に位置合わせをするための円錐状の凸
部14が設けられ、他方の面には、この円錐状の凸部1
4と嵌合する凹部16が設けられている。樹脂レンズア
レイ10は、この凸部14と凹部16を嵌合させて樹脂
レンズプレート12を積層して形成される。
は、図2に示すように、樹脂レンズプレート12のレン
ズ形成領域18の周囲に長手方向について15〜60m
mのピッチで配置することが望ましい。
凸部および凹部は、樹脂の射出成形により形成する。樹
脂レンズプレートの射出成形は、上金型および下金型を
閉じた状態で、押し出し機により、樹脂を金型内部に挿
入後、徐冷させ、金型内部の樹脂を硬化させた上で、上
金型と下金型を開いて樹脂レンズプレートを取り出すの
で、金型から抜き取る方向に凸部の側面が設けられてい
ると、この側面が金型と樹脂レンズプレートとの離型抵
抗となり、離型の際に偏荷重を与えてしまい、樹脂レン
ズプレートを変形させてしまう恐れがある。そのため、
凸部および凹部は、3°以上の勾配を持たせた順テーパ
の形状であことが望ましい。
平面図と側面図である。樹脂レンズアレイを構成する樹
脂レンズプレート12aのレンズ形成領域18aの周囲
に連続した断面が三角形状の凸部14aとこれと嵌合す
る連続した凹部16aが形成されている。
4に示すような連続した三角形凸形状とこれと嵌合する
凹形状でも良く、また一定間隔で連続する間欠の三角形
凸形状とこれと嵌合する凹形状でも良い。
る樹脂レンズプレートの両面には、AR(Anti−r
eflection)コート膜(反射防止膜)が形成さ
れている。樹脂レンズプレートには、反射光を低減する
ために、両面にARコート膜を形成することが望まし
い。このARコート膜は、蒸着法およびスパック法など
で形成する。本実施の形態では、樹脂レンズプレートの
両面に順にAl2 O3 膜(厚さ121nm)とSiO2
膜(厚さ134nm)とを蒸着法で積層させてARコー
ト膜を形成した。発光素子の一般的な発光波長である7
50nmでの樹脂レンズプレート1枚当たりの透過率
は、ARコート膜なしでは92%であったが、このAR
コート膜により97.5%に向上できた。樹脂レンズプ
レートをn枚積層した際は、全透過率は0.92n ×1
00%から0.975n ×100%に向上させることが
可能となった。
ことはなく、光透過率を高くするために、他の膜厚およ
び層数でも良く、膜種についても他の構成を用いても良
い。ARコート膜の膜種、膜厚および積層数などにより
透過率をさらに向上させることができる。膜種、膜厚お
よび積層数をパラメータとして図5に示す条件で、AR
コート膜による透過率をシュミレーションした結果を図
6〜図9に示す。
Al2 O3 膜およびSiO2 膜の2層を積層してARコ
ート膜を形成したときの透過率と波長の関係を示す図で
あり、図7は、樹脂レンズプレートの両面に順にAl2
O3 膜、TiO2 (またはTa2 O5 )膜およびSiO
2 膜の3層を積層してARコート膜を形成したときの透
過率と波長の関係を示す図であり、図8は、樹脂レンズ
プレートの両面に順にTiO2 (またはTa2 O5 )
膜、SiO2 膜、TiO2 (またはTa2 O5 )膜およ
びSiO2 膜の4層を積層してARコート膜を形成した
ときの透過率と波長の関係を示す図であり、図9は、樹
脂レンズプレートの両面に順にSiO2 膜、TiO
2 (またはTa2 O5 )膜、SiO2 膜、TiO2 (ま
たはTa2 O5)膜およびSiO2 膜の5層を積層して
ARコート膜を形成したときの透過率と波長の関係を示
す図である。
TiO2 膜、SiO2 膜、TiO2膜およびSiO2 膜
を積層した図5の4層ARコート膜を用いると、波長6
20nmから1μm以上の範囲にわたって、樹脂レンズ
プレート1枚当たりの透過率を99%以上にすることが
できる。
位置決め用の凹部にUV硬化接着剤を塗布した後、位置
決め用の凸部をこの凹部に嵌合し、この凸部および凹部
付近をUV照射し、接着剤を硬化させ、位置決め固定を
図る。
うに、樹脂レンズプレートの凸部14と凹部16とを接
着固定する際の、接着剤逃がし用の穴20を形成しても
良い。このようにすると、凹部16からの接着剤のはみ
出しを抑制できる。なお、凹部が、図4に示すように連
続して形成されているときは、凹部に接着逃がし用の溝
を形成する。
積層させる際には、この凹形状と凸形状とを嵌合させる
ことにより、各レンズの位置決めを簡単な作業で、高精
度に行うことができる。
載した本発明の光書き込みヘッドの平面図および一部破
断した正面図およびヘッド長手方向に直交する方向の断
面図であり、図11は、光書き込みヘッドの拡大した断
面図である。
チップ26が実装された基板24が固定されており、基
板24のチップ走査方向に直交する方向の端部上面に
は、レンズホルダ30の脚部底面の一部分が係合してい
る。また、レンズホルダ30の脚部先端に設けられた突
起状部分は、ヒートシンク28とレンズホルダ30との
間に隙間38を設けながら、接着剤32によりヒートシ
ンク28の側面に固定されている。
ップ26の発光素子の光軸上に、平滑な受け座面を有す
る嵌合凹部が形成されており、レンズホルダ30の嵌合
凹部には、樹脂レンズアレイ10が載置されている。樹
脂レンズアレイ10の出射面の上部には、平滑なプレー
トで構成される透明カバー34が配置され、透明カバー
34には、樹脂レンズアレイ10に常時押し圧力がかか
るようにカバー押さえ金具36が取り付けられている。
り、引き抜き製法による材料を用いることがコストを低
減するためには好適である。ヒートシンク28に用いる
材料は、アルミニウム以外の非鉄金属および金属材料を
用いても良い。
ある。ヒートシンク28には、複数本の位置決めピン4
0が設けられ、発光素子設置用の基板24側にも、位置
決めピン40に対応する位置に位置決めピン挿入用穴4
2が設けられている。位置決めピン挿入用穴42に位置
決めピン40を嵌め合わせることにより、基板24とヒ
ートシンク28との位置決めを行う。図12に示すよう
に、基板24の長手方向の両端部分に設けられる位置決
めピン挿入用穴42は、チップ走査方向に長さを持たせ
た長穴としても良い。両端部分の位置決めピン挿入用穴
42を長穴形状とすることにより、基板24とヒートシ
ンク28の熱膨張差による歪みを防止することができ
る。
と同じ材料であるアルミニウムが好適であるが、ガラス
エポキシ基板、金属基板、非鉄金属基板のいずれでも良
い。
材を用いるのが良く、材料にヒートシンク28の線膨張
係数に近い材料を用いることにより、ヒートシンク28
とレンズホルダ30の熱膨張差による歪みを防止するこ
とができるため、本実施の形態では、樹脂中にカーボン
ファイバを混入させた比較的低膨張の樹脂材料を用い
た。レンズホルダ30には、ガラス短繊維を混入させた
樹脂を用いても良い。
のヒートシンク28の取り付けは、ヒートシンク28と
レンズホルダ30との間に隙間38を設けて、レンズホ
ルダ30の脚部先端に設けられた突起状部分を、接着剤
32によりヒートシンク28の側面に固定して行う。
間に隙間38を設けるのは、レンズホルダ30の高さ
を、ヒートシンク28の基板取り付け面ではなく、基板
24の上面に追従するようにして、基板24上に実装さ
れた発光素子アレイチップ26の発光点と、レンズホル
ダ30に支持されている樹脂レンズアレイ10の入射面
との間の距離である作動距離を高精度に確保するためで
ある。
の樹脂レンズプレートからなる樹脂レンズアレイ10を
載置する。樹脂レンズアレイ10を載置するレンズホル
ダ30の嵌合凹部の形状は、材料間の線膨張係数差を勘
案して、樹脂レンズアレイ10よりも長手方向に長めの
形状とすることが必要となる。
2×10-5/℃、樹脂レンズアレイの線膨張係数を8.
0×10-5/℃、温度変化を40℃とすると、A3サイ
ズの光書き込みヘッドにおいては、露光幅(樹脂レンズ
アレイの長さ)は320mm前後であるため、樹脂レン
ズアレイの膨張歪みは、0.74mm(5.8×10 -5
×40×320=0.74)となり、この膨張歪みを吸
収するために、樹脂レンズアレイを載置する嵌合凹部の
形状は、樹脂レンズアレイよりも0.8mm以上長めに
する必要がある。
方向両端に、位置決めピンを設け、樹脂レンズアレイ1
0のレンズホルダ接合面に、位置決めピンに対応する位
置に位置決めピン挿入用穴を設け、位置決めピン挿入用
穴に位置決めピンを嵌め合わせることにより、樹脂レン
ズアレイ10とレンズホルダ30との位置決めを行って
も良い。その場合に、位置決めピン挿入用穴の形状を、
一方は丸穴とし、他方はチップ走査方向に長さを持たせ
た長穴とすると、レンズホルダ30と樹脂レンズアレイ
10との間に熱膨張差による歪みが発生した場合に、樹
脂レンズアレイ10の長穴部分で歪みを吸収できる。
0に設けられた嵌合凹部に載置された後、その上部には
透明カバー34が取り付けられ、透明カバー34には板
バネのカバー押さえ金具36が取り付けられる。カバー
押さえ金具36は、板バネからなり、板バネの一方の端
部をレンズホルダ30の側面に設けられた溝に差し込
み、他方の端部を、樹脂レンズアレイ10のレンズ形成
領域外となるように透明カバー34の表面周縁部に押し
当てている。
は、板バネ等のカバー押さえ金具により当て込む構造と
なっているので、両部品間のストレスを解放することが
できる。このカバー押さえ金具36により、透明カバー
34および樹脂レンズアレイ10がレンズホルダ30に
固定される。
入することを防止するため、樹脂レンズアレイ10とレ
ンズホルダ30との接合部にはシリコーン等の封止剤を
塗布する必要があるが、上述の部品間ストレスを防止す
るため、封止剤は、硬度を100(JIS−A)程度と
することが望ましい。
く、本実施の形態では、ソーダライムガラス板を用い
た。透明カバー34にもARコート膜を設けても良い。
ス板を採用すれば表面の硬度も保持できるため、トナー
が付着しても、ウエス等で簡単に汚れを除去できて、樹
脂レンズアレイへの傷も入りにくいため、性能劣化を起
こし難い。
す拡大した断面図である。図13に示す光書き込みヘッ
ドでは、板バネであるカバー押さえ金具44の他方の端
部を延ばしてヒートシンク28の外周を覆い、このカバ
ー押さえ金具44によりヒートシンク28をレンズホル
ダ30に押し当て、この状態で、レンズホルダ30にヒ
ートシンク28を取り付けている。その他は図11と同
じであるので、説明は省略する。
剤を用いることなくレンズホルダ30にヒートシンク2
8を取り付けることができる。
素子アレイチップには自己走査型発光素子アレイチップ
を用いることができる。自己走査型発光素子アレイチッ
プとは、自己走査回路を内蔵し、発光点を順次転送して
いく機能を有する発光素子アレイチップである。
開平1−238962号公報、特開平2−14584号
公報、特開平2−92650号公報、特開平2−926
51号公報等により、プリンタヘッド用光源として実装
上簡便となること、発光素子間隔を細かくできること、
コンパクトなプリンタヘッドを作製できること等が示さ
れている。また、特開平2−263668号公報では、
転送素子アレイをシフト部として、発光部である発光素
子アレイと分離した構造の自己走査型発光素子アレイを
提案している。
構造の自己走査型発光素子アレイの等価回路図を示す。
シフト部は、転送素子T1 ,T2 ,T3 ,…を有し、発
光部は、書込み用発光素子L1 ,L2 ,L3 ,…を有し
ている。これら転送素子および発光素子は、3端子発光
サイリスタにより構成される。シフト部の構成は、転送
素子のゲートを互いに電気的に接続するのにダイオード
D1 ,D2 ,D3 ,…を用いている。VGKは電源(通常
5V)であり、負荷抵抗RL を経て各転送素子のゲート
電極G1 ,G2 ,G3 ,…に接続されている。また、転
送素子のゲート電極G1 ,G2 ,G3 ,…は、書込み用
発光素子のゲート電極にも接続される。転送素子T1 の
ゲート電極にはスタートパルスφS が加えられ、転送素
子のアノード電極には、交互に転送用クロックパルスφ
1,φ2が加えられ、書込み用発光素子のアノード電極
には、書込み信号φI が加えられている。
それぞれ電流制限抵抗を示している。
クパルスφ1の電圧が、Hレベルで、転送素子T2 がオ
ン状態であるとする。このとき、ゲート電極G2 の電位
はV GKの5Vからほぼ零Vにまで低下する。この電位降
下の影響はダイオードD2 によってゲート電極G3 に伝
えられ、その電位を約1Vに(ダイオードD2 の順方向
立上り電圧(拡散電位に等しい))に設定する。しか
し、ダイオードD1 は逆バイアス状態であるためゲート
電極G1 への電位の接続は行われず、ゲート電極G1 の
電位は5Vのままとなる。発光サイリスタのオン電圧
は、ゲート電極電位+pn接合の拡散電位(約1V)で
近似されるから、次の転送用クロックパルスφ2のHレ
ベル電圧は約2V(転送素子T3 をオンさせるために必
要な電圧)以上でありかつ約4V(転送素子T5 をオン
させるために必要な電圧)以下に設定しておけば転送素
子T3 のみがオンし、これ以外の転送素子はオフのまま
にすることができる。従って2本の転送用クロックパル
スでオン状態が転送されることになる。
作を開始させるためのパルスであり、スタートパルスφ
S をHレベル(約0V)にすると同時に転送用クロック
パルスφ2をHレベル(約2〜約4V)とし、転送素子
T1 をオンさせる。その後すぐ、スタートパルスφS は
Hレベルに戻される。
ると、ゲート電極G2 の電位は、ほぼ0Vとなる。した
がって、書込み信号φI の電圧が、pn接合の拡散電位
(約1V)以上であれば、発光素子L2 を発光状態とす
ることができる。
り、ゲート電極G3 は約1Vとなる。したがって、発光
素子L1 の書込み電圧は約6V、発光素子L3 の書込み
電圧は約2Vとなる。これから、発光素子L2 のみに書
込める書込み信号φI の電圧は、1〜2Vの範囲とな
る。発光素子L2 がオン、すなわち発光状態に入ると、
発光強度は書込み信号φI に流す電流量で決められ、任
意の強度にて画像書込みが可能となる。また、発光状態
を次の発光素子に転送するためには、書込み信号φI ラ
インの電圧を一度0Vまでおとし、発光している発光素
子をいったんオフにしておく必要がある。
ンズアレイを構成する樹脂レンズプレートに位置決め用
の凸部および凹部を設け、凸部と凹部とを嵌合させるこ
とにより、樹脂レンズアレイを組み立てる際に、部品点
数を増大させることなく、高精度の位置決めが可能とな
る。
する樹脂レンズプレートにARコート膜を設けることに
より、光量減衰を抑制できるので、光量の高い光書き込
みヘッドを得ることが可能となる。
するレンズホルダの嵌合凹部の形状を、両者部品間の線
膨張係数差に起因する歪みが発生しても歪みを吸収でき
るように長手方向が樹脂レンズアレイよりも長い構造と
しているため、周囲温度が変化しても、両部品間に応力
を発生させることを防止できる。
射面に透明カバーを設けたことにより、光出射面を平ら
にできたので清掃が簡便であり、また、透明カバーで保
護されているので清掃などを行う際に樹脂レンズアレイ
ヘの傷の発生を防止できる。
平滑な受け座面を有するレンズホルダに載置し、カバー
押さえ金具により、常時押し圧力がかかるように設置し
ているので、樹脂レンズアレイの形状が保持される。
交する方向の断面図である。
脂レンズアレイの平面図と側面図である。
図である。
するときの膜種、膜厚および積層数の条件を示す図であ
る。
長の関係を示す図である。
長の関係を示す図である。
長の関係を示す図である。
長の関係を示す図である。
び一部破断した正面図およびヘッド長手方向に直交する
方向の断面図である。
面図である。
図である。
Claims (15)
- 【請求項1】発光素子を列状に配置した発光素子アレイ
チップからの出射光を、球面あるいは非球面の微小レン
ズが所定のピッチで平板上に規則的に配列された樹脂レ
ンズプレートを複数枚積み重ねて形成される樹脂レンズ
アレイにより集光して感光体に投影する光書き込みヘッ
ドにおいて、 前記樹脂レンズプレートは、一方の面のレンズ形成領域
外に凸部が形成されており、他方の面のレンズ形成領域
外に前記凸部と嵌合する凹部が形成されており、 前記樹脂レンズアレイは、前記樹脂レンズプレートに形
成された前記凸部と凹部とを嵌合させて樹脂レンズプレ
ートを積み重ねて形成されることを特徴とする光書き込
みヘッド。 - 【請求項2】前記凸部の形状は、所定の間隔で設けられ
た円錐状の凸形状であることを特徴とする請求項1に記
載の光書き込みヘッド。 - 【請求項3】前記凸部と嵌合する凹部には、前記凸部と
凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃がすための穴が
形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光書
き込みヘッド。 - 【請求項4】前記凸部の形状は、三角形状断面の、連続
する凸形状または間隔を有して連続する凸形状であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の光書き込みヘッド。 - 【請求項5】前記凸部と嵌合する凹部には、前記凸部と
凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃がすための溝が
形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光書
き込みヘッド。 - 【請求項6】前記樹脂レンズプレートの表面に光の反射
を低減する反射防止膜が形成されていることを特徴とす
る請求項1〜5のいずれかに記載の光書き込みヘッド。 - 【請求項7】前記樹脂レンズアレイは、樹脂レンズアレ
イを支持する支持体に形成された嵌合凹部に載置されて
前記発光素子アレイチップの発光素子の光軸上に取り付
けられており、 前記嵌合凹部の長手方向の長さは、前記樹脂レンズアレ
イと支持体の間に熱膨張差が発生した場合に、熱膨張差
による歪みを吸収できるように前記樹脂レンズアレイよ
り長手方向に長いことを特徴とする請求項1〜6のいず
れかに記載の光書き込みヘッド。 - 【請求項8】前記樹脂レンズアレイの出射面の上部に透
明カバーを配置し、樹脂レンズアレイに常時押し圧力が
かかるように、前記透明カバーにカバー押さえ金具が取
り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のいず
れかに記載の光書き込みヘッド。 - 【請求項9】前記樹脂レンズアレイは、3枚の前記樹脂
レンズプレートにより構成されていることを特徴とする
請求項1〜8のいずれかに記載の光書き込みヘッド。 - 【請求項10】前記発光素子アレイチップは、自己走査
型発光素子アレイチップであることを特徴とする請求項
1〜9のいずれかに記載の光書き込みヘッド。 - 【請求項11】球面あるいは非球面の微小レンズが所定
のピッチで平板上に規則的に配列された樹脂レンズプレ
ートを複数枚積み重ねて形成される樹脂レンズアレイで
あって前記樹脂レンズプレートは、一方の面のレンズ形
成領域外に、形状が、所定の間隔で設けられた円錐状の
凸形状である凸部が形成されており、他方の面のレンズ
形成領域外に前記凸部と嵌合する凹部が形成されてお
り、前記凸部と凹部とを嵌合させて樹脂レンズプレート
を積み重ねて形成されることを特徴とする樹脂レンズア
レイ。 - 【請求項12】前記凸部と嵌合する凹部には、前記凸部
と凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃がすための穴
が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の
樹脂レンズアレイ。 - 【請求項13】球面あるいは非球面の微小レンズが所定
のピッチで平板上に規則的に配列された樹脂レンズプレ
ートを複数枚積み重ねて形成される樹脂レンズアレイで
あって前記樹脂レンズプレートは、一方の面のレンズ形
成領域外に、形状が、三角形状断面の、連続する凸形状
または間隔を有して連続する凸形状である凸部が形成さ
れており、他方の面のレンズ形成領域外に前記凸部と嵌
合する凹部が形成されており、前記凸部と凹部とを嵌合
させて樹脂レンズプレートを積み重ねて形成されること
を特徴とする樹脂レンズアレイ。 - 【請求項14】前記凸部と嵌合する凹部には、前記凸部
と凹部とを接着固定する際に、接着剤を逃がすための溝
が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の
樹脂レンズアレイ。 - 【請求項15】前記樹脂レンズプレートの表面に光の反
射を低減する反射防止膜が形成されていることを特徴と
する請求項11〜14のいずれかに記載の樹脂レンズア
レイ。
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