JP2003096474A - 燃料油組成物 - Google Patents
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Abstract
来品より高い発熱量を有する、ボイラーや工業炉などの
外燃機に使用される燃料油組成物を提供すること。 【解決手段】 基材として、接触分解軽質軽油(LC
O)留分を50容量%以上含有し、かつセタン指数が式 S=25×V−45 [式中、Vは、燃料油組成物の50℃における動粘度
(mm2 /s)である]で示されるSの値以上、密度が
0.880g/cm3 以上、及び硫黄分が0.30重量%以
下であることを特徴とする燃料油組成物である。
Description
し、さらに詳しくは、低温流動性及び燃焼性が良好で、
かつ従来品より高い発熱量を有する、ボイラーや工業炉
などの外燃機に使用される燃料油組成物に関するもので
ある。
に限らず、ボイラーや工業炉などの外燃機に使用される
燃料油についても、より高い発熱量(高カロリー)の燃
料油が要求される傾向がある。従来、外燃機用燃料油と
して、主に灯油、A重油、C重油が用いられている。し
かしながら、前記灯油は、硫黄分、窒素分、残留炭素分
が極めて低く、環境負荷が小さいものの、発熱量が低い
という欠点を有している。一方、A重油は、一般に安定
供給の点で優れており、かつ灯油に比較して高い発熱量
をもつが、より一層高い発熱量が要求される傾向にあ
る。より高い発熱量のA重油は、高沸点(高密度)留分
の基材混合比率を増大させることにより達成できること
が知られている。しかしながら、直留系基材の高沸点留
分は、パラフィン分が多く、製品の低温流動性悪化を引
き起こす場合がある。また、接触分解軽質軽油(LC
O)の混合比率の増大により、より高い発熱量のA重油
が得られることも知られている。しかしながら、LCO
の混合比率が高い燃料油を使用した場合、使用時に着火
不良や、煤の発生など燃焼不良が観察される場合があ
る。さらに、C重油は、前記A重油よりも高い発熱量を
有するが、高粘度のために加温設備が必要であるなど、
取り扱いが不便である上、硫黄分、窒素分、残留炭素分
が高く環境への影響が大きいという欠点を有している。
状況下で、低温流動性及び燃焼性が良好で、かつ従来品
より高い発熱量を有する、ボイラーや工業炉などの外燃
機に使用される燃料油組成物を提供することを目的とす
るものである。
ましい性質を有する燃料油組成物を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、基材として、接触分解軽質軽油(LC
O)留分を所定の割合で含み、特定性状及び組成を有す
る燃料油組成物が、その目的に適合し得ることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、基材として、接触分解軽質軽
油(LCO)留分を50容量%以上含有し、かつセタン
指数が式 S=25×V−45 [式中、Vは、燃料油組成物の50℃における動粘度
(mm2 /s)である]で示されるSの値以上、密度が
0.880g/cm3 以上、及び硫黄分が0.30重量%以
下であることを特徴とする燃料油組成物を提供するもの
である。
する。本発明の燃料油組成物は、接触分解軽質軽油(L
CO)留分を50容量%以上含むものである。この含有
量が上記範囲内であれば、LCO留分の有する優れた低
温流動性に起因した優れた低温流動性を有する燃料油組
成物が得られる。この点から、LCO留分の好ましい含
有量は55〜95容量%であり、より好ましくは60〜
90容量%の範囲である。
は、LCO留分の水素化処理物を含むものが好ましい。
LCO留分の水素化処理物としては、LCO留分を通常
の方法において脱金属処理、脱硫処理等したものが用い
られる。また、水素化処理物の含有量は、基材の硫黄分
含有量あるいは得られる燃料油組成物中の目標硫黄分含
有量により適宜決定することができる。LCO留分は水
素化処理物のみからなるものであってもよく、また2種
以上の水素化処理物の混合物であってもよい。また、上
記LCO留分は、灯油(KERO)等の基材と混合して
用いることにより、優れた低温流動性を有する燃料油組
成物を得ることができる。
ば、流動接触分解法(FCC)又は残油流動接触分解法
(RFCC)より得られたLCOを、沸点により2分画
又は3分画し、各留分を所望する性状が得られるように
混合することにより調製することができる。本発明にお
いては、得られるLCO留分の密度が高いことから、R
FCCから得られたものを好ましく用いる。本発明にお
いて用いるLCO留分は、通常、その密度が0.905
g/cm3以上、更に0.915g/cm3 以上、特に0.
920g/cm3 以上であることが好ましい。この密度
が上記範囲内であれば、高い発熱量を有する燃料油組成
物を容易に得ることができる。また、50℃におけるそ
の動粘度が5.0mm2 /s以下、更に4.0mm2 /s以
下、特に3.5mm2 /s以下であることが好ましい。こ
の動粘度が上記範囲内にあれば、所望の動粘度及び燃焼
性を有する燃料油組成物を容易に得ることができる。
用しうる基材としては、得られる燃料油組成物の性状を
本発明の範囲内に保持しうるものであれば特に制限はな
いが、例えば、灯油(KERO)、脱硫灯油(DK)、
軽質軽油(LGO)、脱硫軽油(DGO)、重質軽油
(HGO)、脱硫重質軽油(DSHGO)、脱ろう軽油
(DWGO)、直脱軽油(DSGO)、又はこれらを単
独あるいは2種以上組合せ、水素化処理(例えば、脱
硫、分解、水素添加処理等)したもの、さらにはこれら
を2種以上組み合わせたものを使用することができる。
また、本発明においては、必要に応じ、直留系残渣、分
解系残渣、エキストラクト等の残炭源を適宜使用するこ
ともできる。
(mm2 /s)である]で示されるSの値以上、密度が
0.880g/cm3 以上、及び硫黄分が0.30重量%以
下であることを特徴とする。セタン指数が上記範囲内で
あれば、着火性、燃焼性(煤発生等)において優れたも
のとなる。なお、このセタン指数は、JIS K220
4−1992に従って測定した値である。また、密度が
0.880g/cm3 以上であれば、単位体積当たりの発
熱量において、所望の燃料油組成物が得られる。この点
で好ましい密度は、0.900g/cm3 以上である。な
お、上記密度は、JIS K2249に従って測定した
値である。
黄分が0.30質量%以下であれば、燃焼ガス中のSOx
を低減することができ、環境性負荷低減の点から好まし
い。また、燃焼ガスの酸露点低下を抑制することがで
き、この結果、煙道腐食を抑制しかつ燃焼ガスの損失熱
を小さくすることができる。この点から、上記硫黄分は
0.10質量%以下であることが好ましい。なお、上記硫
黄分含有量は、JISK2541に従って測定した値で
ある。本発明の燃料油組成物は、温度50℃における動
粘度が、3.2mm2 /s以下であることが好ましい。動
粘度が上記範囲内にあれば、燃焼性の制約となるハウス
加温器、温水ボイラなどの使用環境において、燃焼性ト
ラブルの発生を抑制することができる。この点から該動
粘度は1.5〜3.0mm2 /sであることが更に好まし
い。なお、上記動粘度は、JIS K2283に従って
測定した値である。
そのセタン指数は、前記式で表されるSの値以上であれ
ば、本発明の目的を達成しうるものであるが、通常は、
例えば、LCO使用量に対応して決定することができ
る。具体的には、35以下、更に30以下であることが
好ましい。上記範囲内であれば、優れた低温流動性及び
発熱量を有する燃料油組成物を得ることができる。本発
明の燃料油組成物は、上述のような性状を有することが
好ましいが、更に、一般に、以下のような性状を有す
る。まず、10%残留炭素分は、0.2〜1.5重量%
の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜0.6重量
%の範囲である。この10%残留炭素分が上記範囲内で
あれば、低温流動性及びスラッジ発生の抑制の点で好ま
しい。なお、上記10%残留炭素分は、JIS K22
70に従って測定した値である。
cal/リットル以上、より好ましくは9500kca
l/リットル以上、さらに好ましくは9550kcal
/リットル以上、特に好ましくは9600kcal/リ
ットル以上である。上記範囲内であれば、本発明の効果
が有効に得られることとなる。なお、上記総発熱量は、
JIS K2279に従って測定した値である。さら
に、低温流動性確保の点から、曇り点(CP)は、好ま
しくは0℃以下、フィルター目詰まり温度(CFPP)
は、好ましくは−3℃以下、より好ましくは−5℃以
下、さらに好ましくは−8℃以下であり、流動点(P
P)は、好ましくは0℃以下である。なお、上記CP値
及びPP値は、JIS K2269に従い、CFPP値
はJIS K2288に従って測定した値である。ま
た、本発明の燃料油組成物には、本発明の目的が損なわ
れない範囲で、必要に応じて低温流動性向上剤、潤滑性
向上剤、セタン価向上剤、清浄剤などの添加剤を適宜配
合することができる。
に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1〜8及び比較例1〜7 第1表に示す性状を有する基材を、第2表に示す割合で
混合して燃料油組成物を調製し、その性状を評価した。
結果を第2表に示す。但し、燃焼性の評価は以下の条件
及び基準で行なった。 (1)評価機種: ハウスカオンキ20型 バーナ:ガンタイプバーナ(油圧 10.5kgf/cm2 ) 油加熱用バーナ前ヒータ:オフ (2)評価温度:室温、油温ともに0℃ (3)バンドシャッター開度:標準(表示されている中央開度) (4)燃焼性評価基準: 着火遅れあれば × 着火遅れない場合、排ガス中の煤発生状況によりバッカラッカスモー クナンバー(SN)基準で SN≦3.0; ○ 3.0<SN<6.0; △ 6.0≦SN; ×
得られた留分
材として用いることにより、低温流動性及び燃焼性が良
好で、かつ従来品より高い発熱量を有する、ボイラーや
工業炉などの外燃機に使用される燃料油組成物を容易に
得ることができる。また、本発明の燃料油組成物によ
り、燃料使用料の低減、環境負荷低減が可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 基材として、接触分解軽質軽油(LC
O)留分を50容量%以上含有し、かつセタン指数が式 S=25×V−45 [式中、Vは、燃料油組成物の50℃における動粘度
(mm2 /s)である]で示されるSの値以上、密度が
0.880g/cm3 以上、及び硫黄分が0.30質量%以
下であることを特徴とする燃料油組成物。 - 【請求項2】 硫黄分が0.10質量%以下である請求項
1記載の燃料油組成物。 - 【請求項3】 50℃における動粘度が3.2mm2 /s
以下である請求項1又は2に記載の燃料油組成物。 - 【請求項4】 セタン指数が35以下である請求項3記
載の燃料油組成物。 - 【請求項5】 LCO留分が、LCO留分の水素化処理
物を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の燃
料油組成物。 - 【請求項6】 LCO留分が、LCOを沸点により2分
画もしくは3分画し、各留分を混合してなるものである
請求項1〜5のいずれかに記載の燃料油組成物。
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JP2001295401A JP2003096474A (ja) | 2001-09-27 | 2001-09-27 | 燃料油組成物 |
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